JP2012110086A - 被覆部材付電線束および被覆部材付電線束の製造方法 - Google Patents

被覆部材付電線束および被覆部材付電線束の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来においては電線束を配索することができなかったスペースに電線束を配索可能とする技術を提供する。
【解決手段】被覆部材付電線束1は、複数の電線2が束ねられてなる電線束20と、不織部材が電線束20を覆った状態でホットプレスされることにより、配索対象箇所に合った非円形の断面形状に形成され、かつ、電線束20も当該断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめる被覆部材3と、を備える。被覆部材3が、電線束20を配索対象箇所に合った非円形の断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめるので、電線束20の断面が円形のままでは配索することができなかった空間に電線束20を配索することができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両等に設けられる電線に関する。
車両等においては、そこに搭載される電子部品や電装品等を電気的に接続する電線(例えば、電線を束ねたワイヤーハーネス)が、車室内、エンジンルーム、床下等の各所に配設される。例えば、特許文献1には、電線群の外周が外装部材で被われたワイヤーハーネスに関する技術が開示されている。
特開2006−253072号公報
ところで、車両等のコンパクト化が求められる近年においては、空間を効率的に利用してワイヤーハーネスを配索することが重要な課題となってきている。ところが、ワイヤーハーネスは、複数本の電線を束ねたものでありその断面は略円形となっている。このために、空き空間が存在していても、そこにワイヤーハーネスを配索できないという場面が車両等の各所で発生していた。例えば、扁平な空き空間が存在していても、当該空間の幅狭の方向がワイヤーハーネスの径サイズよりも大きくない限りそこにワイヤーハーネスを配索することはできず、当該空間はデッドスペースとなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来においては電線束を配索することができずデッドスペースとなってしまっていた空間に、電線束を配索可能とする技術を提供することを目的とする。
第1の態様に係る被覆部材付電線束は、複数の電線が束ねられてなる電線束と、不織部材が前記電線束を覆った状態でホットプレスされることにより配索対象箇所に合った非円形の断面形状に形成され、前記電線束を前記非円形の断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめる被覆部材と、を備える。
第2の態様に係る被覆部材付電線束は、第1の態様に係る被覆部材付電線束であって、車両の車室内から延在し、側端部において立ち上げられて前記車両のサイドシル部に被せられるフロアカーペットにおける当該立ち上げられた部分と前記サイドシル部との間に形成される空間に、前記サイドシル部の延在方向に沿って配索される。
第3の態様に係る被覆部材付電線束は、第1の態様に係る被覆部材付電線束であって、車両のルーフパネル側方のサイドレール部と、前記サイドレール部に取り付けられるトリムとの間に形成される空間に、前記サイドレール部の延在方向に沿って配索される。
第4の態様は、複数の電線が束ねられてなる電線束を被覆する被覆部材付電線束の製造方法であって、a)不織部材により前記電線束を覆った状態とする工程と、b)前記電線束を覆った状態の前記不織部材をホットプレスすることにより、配索対象箇所に合った非円形の断面形状に形成する工程と、を備え、前記b)工程において、前記電線束が前記非円形の断面形状に沿った形状に束ねられた形でまとめられる。
第1、第4の態様によると、電線束が配索対象箇所に合った非円形の断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめられるので、電線束を断面円形状に束ねた状態では配索することができなかった空間に電線束を配索することができる。
第2の態様によると、被覆部材付電線束が、フロアカーペットがサイドシル部に向かって立ち上がる部分とサイドシル部との間に形成される空間に、サイドシル部の延在方向に沿って配索されるので、当該空間がデッドスペースとなることがない。すなわち、空間を効率的に利用して被覆部材付電線束を配索することができる。
第3の態様によると、被覆部材付電線束が、サイドレール部と、サイドレール部に取り付けられるトリムとの間に形成される空間に、サイドレール部の延在方向に沿って配索されるので、当該空間がデッドスペースとなることがない。すなわち、空間を効率的に利用して被覆部材付電線束を配索することができる。
被覆部材付電線束を示す概略斜視図である。 被覆部材付電線束の断面を示す図である。 被覆部材付電線束が配索された様子を示す図である。 他の例に係る被覆部材付電線束を示す概略斜視図である。 他の例に係る被覆部材付電線束の断面を示す図である。 他の例に係る被覆部材付電線束が配索された様子を示す図である。 ホットプレス用成形型の構成例を示す概略斜視図である。 電線用保護部材の製造工程を示す説明図である。 電線用保護部材の製造工程を示す説明図である。 本発明の効果を説明するための比較図である。 本発明の効果を説明するための比較図である。
<1.被覆部材付電線束の全体構成>
この発明の実施の形態に係る被覆部材付電線束について、図1〜図3、および、図4〜図6を参照しながら説明する。図1〜図3には、断面が三角形状の被覆部材付電線束1aが例示されており、図4〜図6には断面が六角形状の被覆部材付電線束1bが例示されている。すなわち、図1〜図3には、断面が三角形状の被覆部材付電線束1aの概略斜視図、断面図(電線束20の延在方向に対して略直交する面における断面図)、車両内に配索された状態図、がそれぞれ示されており、図4〜図6には、断面が六角形状の被覆部材付電線束1bの概略斜視図、断面図(電線束20の延在方向に対して略直交する面における断面図)、車両内に配索された状態図、がそれぞれ示されている。各被覆部材付電線束1a,1bは、その断面形状が異なる他は同様の構成を備えており、以下において、両者を区別しない場合には「被覆部材付電線束1」と総称する。
被覆部材付電線束1は、複数本の電線2が束ねられた電線束20を備える。電線2としては、車両等において各種電気機器間を相互接続するワイヤーハーネスを構成するものが想定される。なお、図中、電線束20の延在方向に対して略直交する面における、電線束20が束ねられている形状(以下単に「電線束20の断面形状」という)S20が仮想線(一点鎖線)にて示されている。
また、被覆部材付電線束1は、電線束20を被覆する被覆部材3を備える。被覆部材3は、不織部材が電線束20を覆った状態でホットプレスされることにより配索対象箇所(被覆部材付電線束1が配策される対象となる箇所)に合った非円形の断面形状に形成され、電線束20を当該非円形の断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめる。つまり、被覆部材3は、電線束20を、その断面形状S20が非円形となるように規制する断面形状規制部材として機能しており、被覆部材付電線束1において電線束20は、その断面形状S20を非円形(具体的には、配索対象箇所に合った非円形状に沿った形状)に保った状態で束ねられて固められることになる。
電線束20における被覆部材3によって覆われた部分は、被覆部材3によって他の部分との接触が抑制されるように保護される。したがって、被覆部材付電線束1が車体内に配索された状態において、電線束20が車体パネル等と接触して損傷する、また、騒音を発する、といった事態が回避される。つまり、被覆部材3は、電線束20を保護する保護部材としても機能する。
以下において、被覆部材3についてより具体的に説明する。
<2.被覆部材3>
<2−1.被覆部材3の形成態様>
被覆部材3は、不織部材(例えば、不織布)が例えば電線束20の延在方向(長手方向)の一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成することができる。
ここで、不織部材としては、加熱工程を経ることにより硬くなることが可能な不織部材を用いることができる。このような不織部材として、基本繊維と、これと絡み合う接着樹脂(バインダとも呼ばれる)とを含むものを用いることができる。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、110℃〜115℃)を有する樹脂である。不織部材を基本繊維の融点よりも低くかつ接着樹脂の融点よりも高い加工温度に加熱すると、接着樹脂が溶融して基本繊維間に染みこむ。その後、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化する。これより、不織部材が加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時の成形形状に維持される。
ただし、基本繊維は、接着樹脂の融点で繊維状態を保ち得る繊維であればよく、樹脂繊維の他、各種繊維を用いることができる。また、接着樹脂としては、基本繊維の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。接着樹脂は、粒状であっても繊維状であってもよい。また、芯繊維の外周に接着樹脂層を形成してバインダ繊維を構成し、これを基本繊維と絡み合わせるようにしてもよい。この場合の芯繊維としては、上記基本繊維と同材料のものを用いることができる。
基本繊維と接着樹脂の組み合わせとしては、基本繊維をPET(ポリエチレンテレフタレート)の樹脂繊維とし、接着樹脂をPETとPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂とした例が挙げられる。この場合、基本繊維の融点はおよそ250℃であり、接着樹脂の融点は110℃〜150℃である。このため、不織部材を110℃〜250℃の温度に加熱すると、接着樹脂が溶融し、溶融せずに繊維状を保つ基本繊維間に染込む。そして、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化し、不織部材は硬くなって加熱時の成形形状を維持する。
また、ホットプレスとは、加工対象物である不織部材を金型間に挟込み、加熱状態で金型に圧を加えて不織部材を成型加工することをいう。
<2−2.被覆部材3の断面形状>
上述したとおり、被覆部材3の断面形状(被覆部材付電線束1の延在方向に対して略直交する面における形状)は、配索対象箇所に合った非円形状に形成される。被覆部材3の断面形状について、引き続き図1〜図6を参照しながら具体的に説明する。
<被覆部材付電線束1a>
図3には、車両におけるドアの下側部分の様子が模式的に示されている。ここに示されるように、ドアの下側部分には、車両ボディの側面開口部を支えるサイドシル部501が設けられる。サイドシル部501の上には、車両に乗り降りする人の足踏まれからサイドシル部501を保護するためのスカッフプレート502が設けられる。一方、車室内に敷き詰められるフロアカーペット503は、車室内から延在し、側端部においてサイドシル部501に沿って立ち上げられて、サイドシル部501に被せられ、サイドシル部501の上面とスカッフプレート502の下面との間に差し込まれて固定される。ここで、フロアカーペット503におけるサイドシル部501に沿って立ち上げられた部分とサイドシル部501との間には隙間空間V1が形成される。例えば図3に示されるように、サイドシル部501の延在方向と略直交する方向についての断面形状が略三角形状となる隙間空間V1が形成される。
被覆部材付電線束1aは、この隙間空間V1に、サイドシル部501の延在方向に沿って配索される。この場合、被覆部材3aの断面は、配索対象箇所である隙間空間V1に合った形状、具体的には、例えば、隙間空間V1の断面形状(被覆部材付電線束1の配索方向と略直交する方向についての断面形状)と略相似であり、当該断面よりも一回り小さい形状とされる。図3に例示されように、隙間空間V1の断面形状が略三角形状となっている場合、被覆部材3aの断面は、例えば、隙間空間V1の断面よりも一回り小さい三角形状とされる。
電線束20を円筒状のプロテクタに挿通した保護部材付電線束9の場合、これを隙間空間V1に配索しようとすると、図10に示すように、フロアカーペット503にふくらみが生じてしまい、美観の点において意匠上好ましくない。また、これを避けるために、サイドシル部501の上に保護部材付電線束9を配索すると、これを覆うようにスカッフプレート502を高くする必要があり、車両のドア下における敷居の高さが高くなって昇降しやすい車両レイアウトを実現できない。
これに対し、被覆部材付電線束1aは、その断面形状が配索対象箇所に合った三角形状とされているため、図3に示すように、配策された被覆部材付電線束1aがフロアカーペット503に沿うような形状となり、フロアカーペット503にふくらみが生じることがない。このため、美観の面において隙間空間V1に被覆部材付電線束1aを配索することが妨げられることがない。したがって、電線束20を断面円形状に束ねた状態では配索することができなかった隙間空間V1に電線束20を配索することができ、隙間空間V1がデッドスペースとなることがない。すなわち、空間を効率的に利用して被覆部材付電線束1aを配索することができる。また、サイドシル部501の上に電線束20を配索する必要もないので、昇降しやすい車両レイアウトを実現できる。
<被覆部材付電線束1b>
図6には、車両におけるドアの上側部分の様子が模式的に示されている。ここに示されるように、ドアの上側部分には、車両のルーフパネル504の側方に配置されるサイドレール部505が設けられる。サイドレール部505にはトリム(車室内の内張)506が取り付けられる。トリム506の側端部は、ルーフパネル504の下側に配設されるライナ507に装着される。ここで、トリム506と、サイドレール部505との間には隙間空間V2が形成される。例えば図6に示されるように、サイドレール部505の延在方向と略直交する方向についての断面形状が扁平な隙間空間V2が形成される。
被覆部材付電線束1bは、この隙間空間V2に、サイドレール部505の延在方向に沿って配索される。この場合、被覆部材3bの断面は、配索対象箇所である隙間空間V2に合った形状、具体的には、例えば、隙間空間V2の断面形状(被覆部材付電線束1の配索方向と略直交する方向についての断面形状)と、1以上の内角において略一致するような形状とされる。図6に例示されるように、隙間空間V2の断面形状がいびつな扁平形状となっている場合、被覆部材3bの断面は、例えば、サイドレール部505からルーフパネル504への折れ曲がりの角度と略一致するような内角を備える扁平な六角形とされる。この場合、被覆部材付電線束1bを、サイドレール部505からルーフパネル504への折れ曲がりに沿うように配置することができる。
電線束20を円筒状のプロテクタに挿通した保護部材付電線束9の場合、図11に示すように、隙間空間V2の幅狭方向が保護部材付電線束9の径サイズよりも大きくない限り、隙間空間V2に保護部材付電線束9を配索することはできず、保護部材付電線束9の径サイズよりも小さい場合、当該隙間空間V2はデッドスペースとなってしまう。この場合、保護部材付電線束9を例えば車室内に配索しなければならないため、車室内が狭くなり、効率的な車内レイアウトが実現できない。また、保護部材付電線束9が車室内に配索される場合、保護部材付電線束9を目隠しするためのカバー91等をさらに設ける必要も生じるため、製造コストにおいても不利である。
これに対し、被覆部材付電線束1bは、その断面形状が配索対象箇所に合った扁平な六角形状とされているため、図6に示すように、電線束20を断面円形状に束ねた状態では配索することができなかった扁平な隙間空間V2に配索することができる。したがって、隙間空間V2がデッドスペースとなることがない。すなわち、空間を効率的に利用して被覆部材付電線束1bを配索することができる。また、被覆部材付電線束1bは車室内に露出されないので、カバー等を設ける必要もない。したがって、製造コストにおいても有利である。
<3.被覆部材付電線束1の製造方法>
被覆部材付電線束1を製造する方法について具体的に説明する。
<3−1.ホットプレス用成形型>
はじめに、被覆部材付電線束1の製造に用いられるホットプレス用成形型の構成例について、図7を参照しながら説明する。図7は、ホットプレス用成形型8の構成例を示す概略斜視図である。なお、被覆部材付電線束1の製造に用いられるホットプレス用成形型8の形状は、製造すべき被覆部材付電線束1の形状に応じて決定される。図7には、断面三角形状の被覆部材付電線束1aを製造するのに用いられるホットプレス用成形型8が例示されている。
ホットプレス用成形型8は、下型81と、下型用保持具82と、上型83とを備える。
下型81は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(上面)に下型面810が形成されている。下型面810は、概略的には、上方および両端部に開口する断面略矩形溝状に形成されている。
下型用保持具82は、熱伝導性に優れた金属板等により形成され、下型面810と同じ凹凸形状に形成されている。下型用保持具82は、下型面810上に着脱可能に被せられ、不織部材をホットプレスする際の下方部分を形作る部分として機能する。下型用保持具82は、不織部材および電線束20のセット作業と、下型81からホットプレス後の被覆部材付電線束1を取出す作業とを容易に行うためのものである。なお、下型用保持具82は必須ではなく、省略されてもよい。下型用保持具82を用いる場合、下型用保持具82の上面は、被覆部材付電線束1の形状をより直接的に形作る型面として機能する。このため、下型用保持具82の上面も下型面820という。
上型83は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(下面)に、先端が斜めにカットされた突出部831が形成されている。突出部831の斜めにカットされた面は、上型面830として機能する。上型面830は、下型面810(下型面820)の上方開口を閉塞可能な平面視矩形状に形成されており、当該下型面810(下型面820)内に配置されることにより、上型面830と下型面810(下型面820)との間で、断面三角形状の被覆部材付電線束1aを形成する。
下型81、および、上型83には、加熱装置としてのヒータ84が設けられる(図8等参照)。ヒータ84は、下型面810(下型面820)、および、上型面830を、基本繊維の融点よりも低くかつ接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱するものである。ヒータ84は、例えば、下型81、および、上型83内に埋設されたものであってもよいし、下型81、および、上型83の外面に熱伝達可能な態様で取付けられたものであってもよい。
<3−2.被覆部材付電線束1の製造>
続いて、ホットプレス用成形型8を用いて被覆部材付電線束1を製造する方法について、図8〜図9を参照しながら説明する。
なお、以下の工程が行われるに先立って、電線束20における被覆対象部分の位置が特定されているものとする。被覆対象部分の位置は、例えば、電線束20の組立に用いられる組立図板に示されており、電線束20の組み立て工程において、電線束20が、組立図板に立設された治具によって受け止められた状態で布線板上において布線されて、予め設計された枝形状とされている状態において、組立図板に基づいて、電線束20におけるどの位置が被覆対象部分となるかを特定することができる。
まず、下型81の下型面810(下型面820)内に、不織部材100によって包み込まれた電線束20を配設する(図8)。より具体的には、下型面810(下型面820)の内周底面および両側面に沿って一枚の不織部材100を配設する。そして、電線束20の被覆対象領域を不織部材100内に配設する。この際、電線束20の断面形状は、例えば略円形状となっている。なお、不織部材100は、電線束20を包込み可能な幅を有する矩形状に形成されており、不織部材100の両側部は、下型面810(下型面820)の上方開口側で相互接触している。なお、下型用保持具82内に不織部材100と電線束20とを配設した後、下型用保持具82を下型81上にセットするとよい。
続いて、下型81および上型83を加熱した状態で、上型83の上型面830を下型面810(下型面820)内に近接移動させ、両者間に圧を加える。すると、電線束20を覆った状態で不織部材100が圧縮される。ここで、上型面830と下型面810(下型面820)との間に形成される空間は断面三角形状となっているため、不織部材100に覆われる電線束20は、その断面形状S20を略円形状から徐々に変形させられていき、最終的に、三角形の断面形状に沿った形状に束ねられた形でまとめられる。すなわち、不織部材100は、電線束20を覆った状態で、当該電線束20の断面形状S20を略円形状から略三角形状に変形させつつ、圧縮される(図9)。これにより、断面三角形状の被覆部材付電線束1aが形成される。なお、電線束20よりも上型面830側の部分で不織部材100が圧縮されて不織部材100の両側縁部が加圧接合されている。
この後、下型81および上型83を離間移動させ、両者間からホットプレスされた被覆部材付電線束1aを取出すと、被覆部材付電線束1aが得られる。ホットプレス後の冷却は、下型81と上型83との間に存在する状態で行われてもよいし、それらの間から取出された状態で行われてもよい。後者の場合、下型81から下型用保持具82を取外した状態で、被覆部材付電線束1aの冷却を行うとよい。
<4.効果>
上記の実施の形態によると、被覆部材3が、電線束20を配索対象箇所に合った非円形の断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめるので、電線束20の断面が円形のままでは配索することができなかった空間に電線束20を配索することができる。
<5.変形例>
上記の実施の形態においては、断面が三角形状の被覆部材付電線束1a、および、断面が扁平な六角形状の被覆部材付電線束1bを例示したが、被覆部材付電線束1の形状は、配索対象箇所の断面形状に応じて自由に規定可能であり、例えば、各種の多角形状、長円(2つの半円を直線でつないだ形状)形状、楕円形状、半円形状、等とすることができる。
また、上記の実施の形態においては、断面が三角形状の被覆部材付電線束1aを例示したが、被覆部材付電線束1aの断面は、角丸の三角形状であってもよい。断面が扁平な六角形状の被覆部材付電線束1bにおいても同様である。
また、上述したとおり、被覆部材3は、配索対象箇所に合った形状に形成されるところ、配索対象箇所に合った形状を規定する態様は、上記に例示したものに限らない。例えば、被覆部材3aの断面を、配索対象箇所となる隙間空間の断面形状(被覆部材付電線束1の配索方向と略直交する方向についての断面形状)を単純化した形状と、略相似であり、当該断面よりも一回り小さい形状としてもよい。具体的には、例えば、配索対象箇所となる隙間空間の断面形状が扁平な六角形状の場合、被覆部材3の断面を長円形状としてもよい。
また、上記の実施の形態おいて、被覆部材付電線束1は、2枚の不織部材で電線束20を挟み込んだ状態で、当該不織部材をホットプレスすることより形成されてもよい。
また、上記の実施の形態においては、被覆部材付電線束1は直線状に延びる形状とされ、電線束20が直線状に維持される構成とされていたが、被覆部材付電線束1は必ずしも直線状である必要はなく、弧状に或は角度をなして曲っており、電線束20を弧状或は角度をなすように曲げた形態で経路規制するものであってもよい。
また、上記の実施の形態におけるホットプレス用成形型8では、凹型と凸型との組合せによって被覆部材付電線束1を形成しているが、必ずしもその必要はなく、例えば、凹型と凹型との組合せであってもよい。
1,1a,1b 電線用保護部材
20 電線束
8 ホットプレス用成形型
81 下型
82 下型用保持具
83 上型
100 不織部材
V1,V2 配索空間

Claims (4)

  1. 複数の電線が束ねられてなる電線束と、
    不織部材が前記電線束を覆った状態でホットプレスされることにより配索対象箇所に合った非円形の断面形状に形成され、前記電線束を前記非円形の断面形状に沿った形状に束ねた形でまとめる被覆部材と、
    を備える被覆部材付電線束。
  2. 請求項1に記載の被覆部材付電線束であって、
    車両の車室内から延在し、側端部において立ち上げられて前記車両のサイドシル部に被せられるフロアカーペットにおける当該立ち上げられた部分と前記サイドシル部との間に形成される空間に、前記サイドシル部の延在方向に沿って配索される被覆部材付電線束。
  3. 請求項1に記載の被覆部材付電線束であって、
    車両のルーフパネル側方のサイドレール部と、前記サイドレール部に取り付けられるトリムとの間に形成される空間に、前記サイドレール部の延在方向に沿って配索される被覆部材付電線束。
  4. 複数の電線が束ねられてなる電線束を被覆する被覆部材付電線束の製造方法であって、
    a)不織部材により前記電線束を覆った状態とする工程と、
    b)前記電線束を覆った状態の前記不織部材をホットプレスすることにより、配索対象箇所に合った非円形の断面形状に形成する工程と、
    を備え、
    前記b)工程において、前記電線束が前記非円形の断面形状に沿った形状に束ねられた形でまとめられる被覆部材付電線束の製造方法。
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