JP2014176109A - ワイヤーハーネス、ホットプレス用成形型及びワイヤーハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤーハーネス、ホットプレス用成形型及びワイヤーハーネスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不織部材によって形成された経路規制部分に対して、接触音対策部分の位置ずれを抑制することを目的とする。
【解決手段】ワイヤーハーネス10は、少なくとも1本の電線を含むワイヤーハーネス本体12と、保護部材20とを備える。保護部材20は、不織部材のうち第1領域部分22がワイヤーハーネス本体12の少なくとも一部に巻付けられた状態でホットプレスされることにより形成された経路規制部分30と、不織部材のうち第1領域部分22の巻終り端部に一体形成された第2領域部分24が経路規制部分30に巻付けられると共に、その外周露出部分の少なくとも一部がホットプレスされない状態に保たれた接触音対策部分40とを含む。
【選択図】図2

Description

この発明は、ワイヤーハーネス本体を所定経路形状に維持しつつ保護する技術に関する。
従来、特許文献1のように、電線束を、不織布で覆った状態でホットプレスして電線用保護部材を形成して保護及び経路規制する技術が提案されている。特許文献1に開示の電線用保護部材では、電線束の経路に沿って、経路規制部分と当該経路規制部分よりも曲げ容易な曲げ許容部分とが作り分けられている。
特開2011−160611号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、電線用保護部材に十分な経路規制機能を持たせようとすると、その外周面が硬くなってしまう。電線用保護部材の外周面が硬くなってしまうと、当該電線用保護部材が周辺部品と干渉して音が発生し易くなってしまう。これを抑制するためには、柔軟な帯状基材の一主面に粘着層を形成したテープ(ソフトテープとも呼ばれる)を電線用保護部材に巻付ける等の対策が必要となる。しかしながら、上記帯状基材は、粘着層を介して電線用保護部材に貼着けられているので、ワイヤーハーネスを車両に組付ける際等に、帯状基材が電線用保護部材からずれてしまう恐れがある。
そこで、本発明は、不織部材によって形成された経路規制部分に対して、接触音対策部分の位置ずれを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスは、少なくとも1本の電線を含むワイヤーハーネス本体と、不織部材のうち第1領域部分が前記ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部に巻付けられた状態でホットプレスされることにより形成された経路規制部分と、前記不織部材のうち前記第1領域部分の巻終り端部に一体形成された第2領域部分が前記経路規制部分に巻付けられると共に、その外周露出部分の少なくとも一部がホットプレスされない状態に保たれた接触音対策部分とを含む保護部材と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記接触音対策部分の外周露出部分の全体がホットプレスされない状態に保たれている。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記第2領域部分は、前記第1領域部分の巻終り端部の延在方向において部分的に設けられ、前記経路規制部分の延在方向において部分的に前記接触音対策部分が設けられている。
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記経路規制部分への前記第2領域部分の巻付状態を維持する粘着テープをさらに備える。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記経路規制部分への前記第2領域部分の巻付状態を維持する溶着部をさらに備える。
第6の態様に係るホットプレス用成形型は、底部と一対の側部とで囲まれる溝形状の第1型面が形成されると共に、一方の前記側部の先端側縁部から基端側に向けて凹むように側方開口部が形成された第1型と、前記側方開口部の底部との間に隙間を設けた状態で、前記側方開口部を閉塞可能な蓋部と、前記第1型面のうち前記底部に対向する開口を閉塞する第2型面が形成された第2型と、を備える。
第7の態様は、第6の態様に係るホットプレス用成形型であって、前記第1型面の底面が弧状をなしており、前記側方開口部の底部は、前記第1型面の底面の側縁部に位置している。
第8の態様は、第6又は第7の態様に係るホットプレス用成形型であって、前記蓋部のうち前記側方開口部の底部に対向する縁部は、先端側に向けて徐々に薄くなる形状に形成されている。
第9の態様は、第6〜第8のいずれか1つの態様に係るホットプレス用成形型を用いたワイヤーハーネスの製造方法であって、(a)ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部に不織部材の第1領域部分を巻付ける工程と、(b)前記ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部に巻付けられた前記第1領域部分を前記第1型面内に配設する工程と、(c)不織部材のうち前記第1領域部分の巻終り端部に一体形成された第2領域部分を、前記側方開口部を通って外方に延出させる工程と、(d)前記側方開口部を前記蓋部で閉塞する工程と、(e)前記第1型面のうち前記底部に対向する開口を第2型面で閉塞する工程と、(f)前記第1型面及び前記第2型面を加熱する工程と、を備える。
第1の態様によると、経路規制部分によってワイヤーハーネス本体の経路規制を行うことができ、外周露出部分の少なくとも一部がホットプレスされない状態に保たれた接触音対策部分によって接触音対策を行うことができる。また、接触音対策部分を構成する第2領域部分は、経路規制部分を構成する不織部材の第1領域部分に対してその巻終り端部に一体形成されているため、経路規制部分に対して、接触音対策部分の位置ずれを抑制することができる。
第2の態様によると、接触音対策部分の外周全体において接触音対策を行うことができる。
第3の態様によると、経路規制部分に対して部分的に接触音対策を施すことができる。
第4の態様によると、粘着テープによって、前記経路規制部分への前記第2領域部分の巻付状態を容易に維持できる。
第5の態様によると、部分的な溶着部によって、前記経路規制部分への前記第2領域部分の巻付状態を容易に維持できる。
第6の態様によると、ワイヤーハーネス本体に不織部材の第1領域部分を巻付けた状態で、第1型面と第2型面との間で当該不織部材の第1領域部分をホットプレスすることができる。この際、第1領域部分に一体形成された第2領域部分を前記側方開口部の底部と蓋部との隙間を通って外方に延出させておくことで、当該第2領域部分をホットプレスされない状態に保つことができる。また、側方開口部は蓋部によって閉塞されているため、第1領域部分をなるべく全体に亘ってホットプレスすることができる。
第7の態様によると、側方開口部の底部の厚みを小さくすることができ、側方開口部の底部と蓋部との隙間を通って外方に延出される第2領域部分をなるべく加熱させないようにすることができる。
第8の態様によると、蓋部と第2領域部分との接触面積をなるべく小さくして、第2領域部分をなるべく加熱させないようにすることができる。
第9の態様によると、ワイヤーハーネス本体に対して不織部材のうち第1領域部分を巻付け、主としてこの部分を容易にホットプレスすることができる。この際、不織部材のうち前記第1領域部分の巻終り端部に一体形成された第2領域部分を外方に引出してなるべくホットプレスしないようにすることができる。
実施形態に係るワイヤーハーネスを示す概略斜視図である。 図1のII−II線における概略断面図である。 変形例に係るワイヤーハーネスを示す概略断面図である。 ワイヤーハーネスの製造工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの製造工程を示す説明図である。 ホットプレス用成形型を示す説明図である。 ホットプレス加工中におけるホットプレス用成形型の概略横断面図である。 ワイヤーハーネスの製造工程を示す説明図である。
以下、実施形態に係るワイヤーハーネスについて説明する。図1は実施形態に係るワイヤーハーネス10を示す概略斜視図であり、図2は同ワイヤーハーネス10を示す概略断面図である。
このワイヤーハーネス10は、ワイヤーハーネス本体12と、保護部材20とを備える。
ワイヤーハーネス本体12は、少なくとも1本の電線を含んでいる。ここでは、ワイヤーハーネス本体12は、複数の電線が束ねられることにより構成されている。なお、電線は、車体等において各種電気機器間を電気的に相互接続する配線材である。ワイヤーハーネス本体12に、光ケーブル等が含まれていてもよい。
保護部材20は、経路規制部分30と、接触音対策部分40とを備えており、これらは同じ一枚の不織部材26によって構成されている。
ここで、不織部材としては、加熱工程を経ることにより硬くなることが可能なものを用いることができる。このような不織部材として、基本繊維と、これと絡み合う接着樹脂(バインダとも呼ばれる)とを含むものを用いることができる。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、110℃〜115℃)を有する樹脂である。不織部材を基本繊維の融点よりも低くかつ接着樹脂の融点よりも高い加工温度に加熱すると、接着樹脂が溶融して基本繊維間に染込む。その後、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化する。これより、不織部材が加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時の成形形状に維持される。また、不織部材同士が接触している部分では、当該接触部分にも溶融した接着樹脂が染込んで固化する。これにより、不織部材同士の接触部分が接合される。
ただし、基本繊維は、接着樹脂の融点で繊維状態を保ち得る繊維であればよく、樹脂繊維の他、各種繊維を用いることができる。また、接着樹脂としては、基本繊維の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。接着樹脂は、粒状であっても繊維状であってもよい。また、芯繊維の外周に接着樹脂層を形成してバインダ繊維を構成し、これを基本繊維と絡み合わせるようにしてもよい。この場合の芯繊維としては、上記基本繊維と同材料のものを用いることができる。
基本繊維と接着樹脂の組み合わせとしては、基本繊維をPET(ポリエチレンテレフタレート)の樹脂繊維とし、接着樹脂をPETとPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂とした例が挙げられる。この場合、基本繊維の融点はおよそ250℃であり、接着樹脂の融点は110℃〜150℃である。このため、不織部材を110℃〜250℃の温度に加熱すると、接着樹脂が溶融し、溶融せずに繊維状を保つ基本繊維間に染込む。そして、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化し、上記成形形状の維持及び不織部材同士の接合を行う。
上記経路規制部分30は、不織部材26の一部である第1領域部分22がワイヤーハーネス本体12の少なくとも一部に巻付けられた状態でホットプレスされることによって形成されている。この経路規制部分30は、ワイヤーハーネス本体12の長手方向略全体を覆っていてもよいし、ワイヤーハーネス本体12の一部を覆っていてもよい。
ここで、ホットプレスとは、不織部材に対する加熱処理及び不織部材を型に押付けて所定形状に形成する処理を施すことをいう。加熱処理と所定形状への形成処理とは、同時に行われてもよいし、或は、連続的に別々に行われてもよい。例えば、不織部材を圧縮状態で加熱した後、冷却により固まる前に所定の型に押付けて曲げることで、当該曲げ形状に維持できる。この実施形態に係る保護部材20を製造するのに適したホットプレス加工の例については後にさらに詳述する。
上記経路規制部分30の外周側表面全体は、ホットプレスによって十分に圧縮及び硬化され、ワイヤーハーネス本体12を保護できる程度の硬さ、及び、その経路を維持できる程度の形状維持性を有している。そして、この経路規制部分30がワイヤーハーネス本体12の車両等における布設経路に応じた形状(直線状であってもよいし、曲っていてもよい)に形成されることで、ワイヤーハーネス本体12が当該経路形状に維持される。なお、ここでは、経路規制部分30は、その軸方向に対して直交する方向の横断面形状が円形状に形成された構成とされているが、横断面楕円形、横断面多角形状等に形成されていてもよい。
接触音対策部分40は、不織部材26のうち上記第1領域部分22の巻終り端部に一体形成された第2領域部分24が上記経路規制部分30に巻付けられると共に、その外周露出部分の少なくとも一部がホットプレスされない状態に保たれた構成とされている。
ここでは、接触音対策部分40の外周露出部分の全体がホットプレスされない状態に保たれている。もっとも、接触音対策部分40の外周露出部分の一部がホットプレスされていても問題ない。例えば、本ワイヤーハーネス10が車両に配設された状態で、本ワイヤーハーネス10の周辺部品に接触すると想定される一部分のみがホットプレスされず柔らかい状態に維持され、他の部分はホットプレスされていてもよい。
また、接触音対策部分40は、経路規制部分30の延在方向において部分的に設けられている。すなわち、上記第2領域部分24は、第1領域部分22の巻終り端部の延在方向において部分的に設けられ、この第2領域部分24が経路規制部分30に巻付けられている。これにより、保護部材20の長手方向において、部分的に接触音対策部分40が設けられた構成とすることができ、当該接触音対策部分40が設けられた部分以外では、経路規制部分30が露出する比較的細径な構成とすることができる。
ここでは、接触音対策部分40は、経路規制部分30の延在方向において1カ所に設けられているが、接触音対策部分は経路規制部分の延在方向において間隔をあけて複数箇所に設けられていてもよい。また、接触音対策部分が経路規制部分の延在方向全体に設けられていてもよい。
ここでは、上記経路規制部分30に対する第2領域部分24の巻付け状態の維持は、粘着テープによってなされている。より具体的には、第2領域部分24の巻終り端部の内面側に粘着テープの一種である両面テープ28を貼付け、当該両面テープ28を、第2領域部分24の巻付け済の部分の外面に貼付けることで、第2領域部分24の巻付け状態の維持がなされている。
その他、第2領域部分24を巻付けた後、その外周に粘着テープを巻回することで、第2領域部分24の巻付け状態の維持がなされてもよい。なお、図3に示す変形例に係るワイヤーハーネス10Bのように、第2領域部分24の巻付け状態の維持は、溶着部28Bによってなされてもよい。溶着部28Bは、例えば、第2領域部分24を巻付けた後、その巻終り端部に、加熱部材又は超音波振動付与ヘッド29B等を押付けて、第2領域部分24の巻終り端部を部分的に溶融させて第2領域部分24の巻付け済の部分の外面に固着させること等により形成される。
以上のように構成されたワイヤーハーネス10によると、経路規制部分30によってワイヤーハーネス本体12の経路規制を行うことができる。また、接触音対策部分40の外周露出部分の少なくとも一部はホットプレスされない状態に保たれているため、本ワイヤーハーネス10を車両等に敷設した状態では、接触音対策部分40のうちホットプレスされない柔らかい部分がその周辺部品に接触することにより、他部品との接触による干渉音を有効に抑制することができる。また、接触音対策部分40を構成する第2領域部分24は、経路規制部分30を構成する不織部材26の第1領域部分22の巻終り端部に一体形成されているため、経路規制部分30に対する接触音対策部分40の位置ずれを有効に抑制することができる。
また、比較的硬く形成した電線保護用部分に、別途ソフトテープ等を巻付ける場合には、不織部材26とは別部品の材料管理、保管場所等が必要となっていた。特に、ワイヤーハーネスの設置箇所の状況に応じて、ソフトテープの幅、厚み等を変更する必要があるとすると、多数の種類のソフトテープを管理、保管する必要があり、製造コスト増、ソフトテープの取付間違い等を生じる要因となっていた。これに対して、上記ワイヤーハーネス10では、不織部材26として1つの部品を管理、保管すればよく、材料の管理、保管コストを低く抑えることができる。また、設計変更があった場合でも、第2領域部分24の幅、長さ等を変更すること等で、比較的容易に対応できる。
また、上記ワイヤーハーネス10では、接触音対策部分40の外周露出部分の全体がホットプレスされない状態に保たれているため、その外周露出部分の全体において接触音対策を施すことができる。
また、経路規制部分30の延在方向において部分的に接触音対策部分40が設けられているため、当該経路規制部分30に対して部分的に接触音対策を施すことができる。また、経路規制部分30のうち接触音対策部分40が設けられていない領域では、比較的細い外径に保つことができる。
また、接触音対策部分40は、粘着テープ(例えば、両面テープ28)、部分的な溶着部28B等によって、経路規制部分30への第2領域部分24の巻付け状態を容易に維持することができる。
上記ワイヤーハーネス10を製造する方法例について説明する。
まず、図4及び図5に示すように、ワイヤーハーネス本体12の少なくとも一部に不織部材26の第1領域部分22を巻付ける。ここでは、不織部材26として、方形状の第1領域部分22の一辺(巻終り端部となる部分)の中央部に帯状の第2領域部分24が一体形成された構成のものを用いる。そして、不織部材26の第1領域部分22をワイヤーハーネス本体12に1周以上巻付ける。巻付けられた第1領域部分22の巻終り端部からは第2領域部分24が延出する状態としておく。
次に、不織部材26の第1領域部分22をホットプレスして経路規制部分30を形成する。ここで、ホットプレス用成形型の構成例について説明する。図6はホットプレス用成形型60を示す説明図であり、図7はホットプレス加工中におけるホットプレス用成形型60の概略横断面図である。
ホットプレス用成形型60は、第1型としての下型62と、第2型としての上型72と、蓋部80とを備える。
下型62は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(上面)に下型面(第1型面)63が形成されている。下型面63は、概略的には、半円筒表面形状を呈する底部64と当該底部64の両側部から平面状に延在する一対の側部65とで囲まれ、かつ、上方に開口する溝形状に形成されている。下型面63の長手方向の長さは、ワイヤーハーネス本体12における保護対象部分(保護部材20で覆うべき部分)の長さと略同一に形成されている。また、下型面63は、ワイヤーハーネス本体12における保護対象部分を車体に配設した場合の経路に応じて延びる形状に形成されている(図6では直線状、曲っていてもよい)。
また、一方の側部65には、当該側部65の先端側縁部から基端側に向けて凹むようにして側方開口部66が形成されている。
側方開口部66の開口幅は、上記第2領域部分24の幅と同じに設定されている。また、側方開口部66の底部66aの位置は、弧状をなす上記底部64の側縁部の位置、即ち、下型面63のうち最も幅が大きくなる部分の最下部の位置に設定されている。これにより、側方開口部66の底部66aの厚み寸法(下型面63側と外方部分間の厚み)を小さくして、当該側方開口部66を通って配設される第2領域部分24と側方開口部66の底部66aとの接触面積をなるべく小さくできる。なお、不織部材26を通過させるための隙間を確保するため必要な範囲内で、側方開口部66の底部66aの位置は調整されてもよい。
また、上記側方開口部66の両側部の下型面63側の部分に蓋部収容凹部67が形成されている。側方開口部66の底部66aは、蓋部収容凹部67の底部67aよりも段部を介して凹んでいる。そして、蓋部80の両側部を上記蓋部収容凹部67に嵌め込むようにして、蓋部80を側方開口部66にセットすると、蓋部80の底側の縁部82の両端部が底部67aに接触した状態で保持され、蓋部80の縁部82と側方開口部66の底部66aとの間に隙間を設けた状態が維持される。この隙間の幅は、不織部材26の厚みと同じかこれよりも小さい(圧縮状態で通過可能な範囲で小さい)ことが好ましい。
また、側方開口部66の底部66aの外側部分には、その内側部分よりも凹む凹部66hが形成されている。凹部66hによっても、側方開口部66と通って引出される第2領域部分24と下型62との接触がなるべく抑制されている。
蓋部80は、上記側方開口部66の底部66aとの間に隙間を設けた状態で、当該側方開口部66を閉塞可能に構成されている。ここでは、上記したように、側方開口部66の底部66aを、その両端の底部67aよりも凹ませることで、蓋部80の縁部82と側方開口部66の底部66aとの間に隙間が設けられる。もっとも、その他の構成、例えば、蓋部の底側の縁部の両端部に突起部を設け、当該突起部によって蓋部の縁部の中間部を、側方開口部の底部から浮かせるようにしてもよい。また、側方開口部の底部とその両端の底部との高さが一致しており、側方開口部を通る第2領域部分上に蓋部が載置される構成としてもよい。
また、蓋部80のうち側方開口部66の底部66aに対向する縁部82は、その先端側に向けて徐々に薄くなる形状に形成されている。より具体的には、蓋部80のうち下型面63の面の全体は、平面状に形成されている。また、蓋部80の外向き面のうち上記縁部82側の部分がその先端側に向けて内向き傾斜する面(ここでは湾曲する面)に形成されている。
そして、蓋部80を側方開口部66に装着すると、蓋部80の内向き面が下型面63と面一状に連続する。また、蓋部80の縁部82と側方開口部66の底部67aとの間に隙間が設けられる。この隙間は、上記蓋部80の縁部を上記のように徐々に薄く加工することによって、外側に向けて徐々に広がる形状に形成されている。従って、下型面63の延長上では、第1領域部分22をなるべくしっかりと加熱及び加工できる一方、下型面63から外方に離れるにつれて、第2領域部分24をなるべく加熱及び加圧しないようにすることができる。
上型72は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(下面)に上部が半円筒表面形状を呈しかつした方に開口する溝形状の上型面(第2型面)73が形成されている。上型面73は、上記下型面63の上方開口(底部64に対向する開口)を塞ぎつつ当該下型面63内に配設可能な幅に形成されている。また、上型面73は、上記下型面63の屈曲形状に応じて延びる形状に形成されている。
そして、側方開口部66を蓋部80で塞いだ状態で、この上型面73が下型面63内に配置されることにより、上型面73と下型面63と蓋部80との間で、経路規制部分30を形成可能なスペースが形成される。なお、下型62及び上型72には、ヒーター等の加熱部68が設けられている。
そして、ワイヤーハーネス本体12に巻付けられた不織部材26の第1領域部分を下型面63内に配設する。この際、第1領域部分22の巻終り端部に一体形成された第2領域部分を、側方開口部66を通って外方に延出させておく。
この後、側方開口部66を蓋部80で閉塞する。具体的には、側方開口部66の上方から、蓋部80の両側部を蓋部収容凹部67内に差込むようにする。そして、蓋部80の縁部82の両端部が蓋部収容凹部67の底部67aに当接すると、蓋部80の縁部82と側方開口部66の底部66aとの間に隙間が設けられ、当該隙間を通って第2領域部分24が外方に引出された状態となる。
そして、上型72の上型面73を下型面63内に挿入して、下型面63の上方開口を上型面73で閉塞する。
この状態で、下型62及び上型72を加熱してホットプレスを行うと、不織部材26の第1領域部分22は下型面63及び上型面73間において圧縮状態で加熱される。
この後、第1領域部分22が冷却されると、第1領域部分22の表面は下型面63及び上型面73の形状に応じた形状で硬化し、これにより、経路規制部分30が形成される。なお、第1領域部分22の冷却は、ホットプレス用成形型60の内で行われてもよいし、ホットプレス用成形型60から取出された状態で行われてもよい。
次に、図8に示すように、経路規制部分30に、第2領域部分24を1周以上巻付ける。なお、経路規制部分30の外周りの一部に対してのみ防音対策を施せばよい場合には、第2領域部分は経路規制部分に対して1周未満に巻付けられていてもよい。そして、両面テープ28等によって、第2領域部分24の巻付け状態を維持すると、接触音対策部分40が形成される。これにより、ワイヤーハーネス本体12の外周に保護部材20が形成され、ワイヤーハーネス10が完成する。
上記ホットプレス用成形型60及びそのホットプレス用成形型60を用いたワイヤーハーネス10の製造方法によると、ワイヤーハーネス本体12に不織部材26の第1領域部分22を巻付けた状態で、下型面63と上型面73との間で不織部材26の第1領域部分22をホットプレスすることができる。この際、第2領域部分24を、側方開口部66の底部66aと蓋部80の縁部82との隙間を通って外方に延出させておくことで、第2領域部分24をホットプレスされない状態に保つことができる。また、側方開口部66は、蓋部80によって閉塞されているところ、蓋部80の両側部は蓋部収容凹部67に面接触した状態で収容されているため、下型62から蓋部80にも十分に熱が伝わる。このため、蓋部80の内面によっても第1領域部分22を加熱してホットプレスすることができ、第1領域部分22をなるべく全体に亘ってホットプレスすることができる。
また、下型面63の底部64が弧状をなしており、側方開口部66の底部66aは下型面63の底部64の側縁部に位置しているため、側方開口部66の底部66aの厚みをなるべく小さくすることができる。これにより、側方開口部66の底部66aと蓋部80の縁部82との隙間を通って配設される第2領域部分24と、下型62との接触面積を小さくすることができ、第2領域部分24をなるべく全体に亘って柔らかい状態に保つことができる。
また、蓋部80の縁部82は、その先端側に向けて徐々に薄くなる形状に形成されているため、蓋部80と第2領域部分24との接触面積をなるべく小さくすることができ、この点からも、第2領域部分24をなるべく加熱せず、なるべく全体に亘って柔らかい状態に保つことができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 ワイヤーハーネス
12 ワイヤーハーネス本体
20 保護部材
22 第1領域部分
24 第2領域部分
26 不織部材
28 両面テープ
28B 溶着部
30 経路規制部分
40 接触音対策部分
60 ホットプレス用成形型
62 下型
63 下型面
64 底部
65 側部
66 側方開口部
66a 底部
72 上型
73 上型面
80 蓋部
82 縁部

Claims (9)

  1. 少なくとも1本の電線を含むワイヤーハーネス本体と、
    不織部材のうち第1領域部分が前記ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部に巻付けられた状態でホットプレスされることにより形成された経路規制部分と、前記不織部材のうち前記第1領域部分の巻終り端部に一体形成された第2領域部分が前記経路規制部分に巻付けられると共に、その外周露出部分の少なくとも一部がホットプレスされない状態に保たれた接触音対策部分とを含む保護部材と、
    を備えるワイヤーハーネス。
  2. 請求項1記載のワイヤーハーネスであって、
    前記接触音対策部分の外周露出部分の全体がホットプレスされない状態に保たれている、ワイヤーハーネス。
  3. 請求項1又は請求項2記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第2領域部分は、前記第1領域部分の巻終り端部の延在方向において部分的に設けられ、前記経路規制部分の延在方向において部分的に前記接触音対策部分が設けられている、ワイヤーハーネス。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のワイヤーハーネスであって、
    前記経路規制部分への前記第2領域部分の巻付状態を維持する粘着テープをさらに備えるワイヤーハーネス。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のワイヤーハーネスであって、
    前記経路規制部分への前記第2領域部分の巻付状態を維持する溶着部をさらに備えるワイヤーハーネス。
  6. 底部と一対の側部とで囲まれる溝形状の第1型面が形成されると共に、一方の前記側部の先端側縁部から基端側に向けて凹むように側方開口部が形成された第1型と、
    前記側方開口部の底部との間に隙間を設けた状態で、前記側方開口部を閉塞可能な蓋部と、
    前記第1型面のうち前記底部に対向する開口を閉塞する第2型面が形成された第2型と、
    を備えるホットプレス用成形型。
  7. 請求項6記載のホットプレス用成形型であって、
    前記第1型面の底面が弧状をなしており、前記側方開口部の底部は、前記第1型面の底面の側縁部に位置している、ホットプレス用成形型。
  8. 請求項6又は請求項7記載のホットプレス用成形型であって、
    前記蓋部のうち前記側方開口部の底部に対向する縁部は、先端側に向けて徐々に薄くなる形状に形成されている、ホットプレス用成形型。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載のホットプレス用成形型を用いたワイヤーハーネスの製造方法であって、
    (a)ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部に不織部材の第1領域部分を巻付ける工程と、
    (b)前記ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部に巻付けられた前記第1領域部分を前記第1型面内に配設する工程と、
    (c)不織部材のうち前記第1領域部分の巻終り端部に一体形成された第2領域部分を、前記側方開口部を通って外方に延出させる工程と、
    (d)前記側方開口部を前記蓋部で閉塞する工程と、
    (e)前記第1型面のうち前記底部に対向する開口を第2型面で閉塞する工程と、
    (f)前記第1型面及び前記第2型面を加熱する工程と、
    を備えるワイヤーハーネスの製造方法。
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