JP2012146443A - リチウムイオン二次電池用の正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、リチウム比率の高い正極活物質であって、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用の正極活物質および正極活物質の製造方法を提供する。また、本発明は正極活物質を用いた正極およびリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物の表面に、該リチウム含有複合酸化物の酸処理物の焼成体であるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)、からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用の正極活物質およびその製造方法製造方法に関する。また、本発明は、該正極活物質を用いた正極およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器に広く用いられている。リチウムイオン二次電池用の正極活物質には、LiCoO、LiNiO、LiNi0.8Co0.2、LiMn等のリチウムと遷移金属等との複合酸化物が用いられている。特に、正極活物質としてLiCoOを用い、リチウム合金、グラファイト、カーボンファイバー等のカーボンを負極として用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高エネルギー密度を有する電池として広く使用されている。しかし、近年、携帯型電子機器や車載用のリチウムイオン二次電池として小型化・軽量化が求められ、単位質量あたりの放電容量、または充放電サイクルを繰り返した後に放電容量が低下しない特性(以下、サイクル特性ともいう。)の更なる向上が望まれている。
リチウム比率の高い正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、該正極活物質の単位質量当たりの放電容量が高いため、電気化学的に活性化するためには、初期に高電圧(4.5V以上)での充電が必要であるばかりでなく、初期の不可逆容量が大きい問題があった。また、該正極活物質は、高電圧での充電による電解液の分解によって発生するフッ酸が、母材中の遷移金属を溶出させるため、充放電の繰り返しによるサイクル特性が低いことも問題であった。
特許文献1および2には、例えば、0.3LiMnO・0.7LiMn0.5Ni0.5で表されるリチウム比率が高いリチウム金属酸化物を電気化学的に活性化する目的で、リチウム金属酸化物の前駆体を酸処理し、つぎに、水分等を除去する目的で300℃で加熱する方法が記載されている。
特許文献3には、酢酸リチウムと酢酸マンガン四水和物を純水に分散させた分散液に、コバルト酸リチウムを添加して乾燥し、つぎに、メタノールに分散させて、乾燥、焼成することにより、LiCoOの表面がLiMnからなる被覆層が形成されたリチウム含有複合酸化物が得られることが記載されている。
特許文献4には、LiNi1−zAlで表されるニッケル系複合酸化物と、LiMnで表されるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物とを混合し、これらの混合物を水に懸濁してスラリーを調製し、そのスラリーを乾燥した後、800℃で焼成することにより、粒子表面がスピネル系リチウムマンガン複合酸化物で被覆されたニッケル系複合酸化物が得られることが記載されている。
米国特許第7314682号明細書 米国特許第7303840号明細書 特開2000−164214号公報 特開2004−127695号公報
しかし、前記の方法で得られたリチウム含有複合酸化物は、いずれも十分なサイクル特性を発揮しなかった。
本発明は、リチウム比率の高い正極活物質であって、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用の正極活物質およびその製造方法を提供する。また、本発明は正極活物質を用いた正極およびリチウムイオン二次電池を提供する。
本発明は、以下の発明を提供する。
[1]Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物の表面に、該リチウム含有複合酸化物の酸処理物の焼成体であるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)、からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極活物質。
[2]前記スピネル系リチウムマンガン複合酸化物は、下記式(2)で表される化合物である[1]に記載の正極活物質。
LiMnNiCo(2)
(但し、0.2<a<2、1≦x≦2、0≦y≦1.0、0≦z≦1.0である。)
[3]活性前の前記リチウム含有複合酸化物が、下記式(1)で表される化合物である[1]または[2]に記載の正極活物質。
Li(LiMnMe)O (1)
(但し、式(1)において、Meは、Co、Ni、Cr、Fe、Al、Ti、Zr、Mgから選ばれる少なくとも一種の元素であり、0.09<x<0.3、0.4≦y/(y+z)≦0.8、x+y+z=1、1.2<(1+x)/(y+z)、1.9<p<2.1、0≦q≦0.1である。)
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用の正極活物質と導電材とバインダーとを含むリチウムイオン二次電池用正極。
[5][4]に記載の正極と負極と非水電解質とを含むリチウムイオン二次電池。
[6]Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物を酸処理し、つぎに焼成することにより、前記リチウム含有複合酸化物の表面に、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質、を得ることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
[7]前記酸処理において、無機酸または有機酸を用い、かつ、無機酸または有機酸の量が、前記リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対して0.05〜0.5倍である[6]に記載の製造方法。
[8]前記遷移金属元素が、Mnを必須とし、NiおよびCoから選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素を含む[7]に記載の製造方法。
[9]前記リチウム含有複合酸化物を、600〜1000℃で焼成する[6]〜[8]のいずれか一項に記載の製造方法。
[10]前記スピネル系リチウムマンガン複合酸化物は、下記式(2)で表される化合物である[6]〜[9]のいずれか一項に記載の製造方法。
LiMnNiCo(2)
(但し、0.2<a<2、1≦x≦2、0≦y≦1.0、0≦z≦1.0である。)
本発明の正極活物質は、サイクル特性に優れる。本発明の正極およびリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れる。さらに、本発明の製造方法は、サイクル特性に優れる正極活物質、正極およびリチウムイオン二次電池を製造することができる。
実施例1、比較例1〜4におけるXRDを示すグラフである。
<正極活物質>
本発明の正極活物質は、Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物の表面に、該リチウム含有複合酸化物の酸処理物の焼成体であるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極活物質である。
(リチウム含有複合酸化物)
本発明におけるリチウム含有複合酸化物は、Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含むものであって、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超{(Li元素のモル量/遷移金属元素の総モル量)>1.2}である。Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超であれば、単位質量あたりの放電容量を向上させることができる。
前記遷移金属元素の総モル量に対するLi元素の比率(Li元素のモル量/遷移金属元素の総モル量)は、単位質量あたりの放電容量をより一層増加させるために1.25〜1.75であることが好ましく、1.25〜1.65であることがより好ましい。
遷移金属元素は、Mn元素を必須とする少なくとも1種であり、さらに、NiおよびCoを含むことが特に好ましい。遷移金属元素としては、Ni、Co、およびMn以外の遷移金属元素(以下、他の遷移金属元素という。)を含んでいてもよい。他の遷移金属元素としては、Cr、Fe、Al、Ti、Zr、およびMg等が挙げられる。他の遷移金属元素の割合は、遷移金属元素の総量(1モル)において、0.001〜0.50モルが好ましく、0.005〜0.05モルがより好ましい。
具体的には、リチウム含有複合酸化物として、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
本発明における式(1)で表される化合物は、充放電や活性化の工程を経る前の組成である。ここで、活性化とは、電池として通常4.4Vもしくは4.6V(vs.Li)より大きな電位で電気化学的に、または、硫酸、塩酸もしくは硝酸のような酸を用いた化学反応により化学的に、酸化リチウム(LiO)、または、リチウムおよび酸化リチウムをリチウム含有複合酸化物から取り除くことをいう。
Li(LiMnMe)O (1)
式(1)において、Meは、Co、Ni、Cr、Fe、Al、Ti、Zr、Mgから選ばれる少なくとも一種の元素である。式(1)においては、0.09<x<0.3、0.4≦y/(y+z)≦0.8、x+y+z=1、1.2<(1+x)/(y+z)、1.9<p<2.1、0≦q≦0.1である。Meとしては、Co、Ni、Crが好ましく、Co、Niが特に好ましい。式(1)においては、0.1<x<0.25が好ましく、0.11<x<0.22がより好ましく、0.5≦y/(y+z)≦0.8が好ましく、0.55≦y/(y+z)≦0.75がより好ましい。
リチウム含有複合酸化物としては、Li(Li0.13Ni0.26Co0.09Mn0.52)O、Li(Li0.13Ni0.22Co0.09Mn0.56)O、Li(Li0.13Ni0.17Co0.17Mn0.53)O、Li(Li0.15Ni0.17Co0.13Mn0.55)O、Li(Li0.16Ni0.17Co0.08Mn0.59)O、Li(Li0.17Ni0.17Co0.17Mn0.49)O、Li(Li0.17Ni0.21Co0.08Mn0.54)O、Li(Li0.17Ni0.14Co0.14Mn0.55)O、Li(Li0.18Ni0.12Co0.12Mn0.58)O、Li(Li0.18Ni0.16Co0.12Mn0.54)O、Li(Li0.20Ni0.12Co0.08Mn0.60)O、Li(Li0.20Ni0.16Co0.08Mn0.56)O、Li(Li0.20Ni0.13Co0.13Mn0.54)O、Li(Li0.22Ni0.12Co0.12Mn0.54)O、Li(Li0.23Ni0.12Co0.08Mn0.57)O、が好ましい。
さらに、リチウム含有複合酸化物としては、Li(Li0.16Ni0.17Co0.08Mn0.59)O、Li(Li0.17Ni0.17Co0.17Mn0.49)O、Li(Li0.17Ni0.21Co0.08Mn0.54)O、Li(Li0.17Ni0.14Co0.14Mn0.55)O、Li(Li0.18Ni0.12Co0.12Mn0.58)O、Li(Li0.18Ni0.16Co0.12Mn0.54)O、Li(Li0.20Ni0.12Co0.08Mn0.60)O、Li(Li0.20Ni0.16Co0.08Mn0.56)O、Li(Li0.20Ni0.13Co0.13Mn0.54)O、が特に好ましい。
本発明におけるリチウム含有複合酸化物は、例えば、リチウム含有複合酸化物が上記式(1)で表される化合物である場合、Li元素の前記遷移金属元素の総モル量に対する組成比は、1.2<(1+x)/(y+z)であり、1.25≦(1+x)/(y+z)≦1.75が好ましく、1.25≦(1+x)/(y+z)≦1.65がより好ましい。該組成比が上記の範囲であれば、単位質量あたりの放電容量を増加させることができる。
リチウム含有複合酸化物は、粒子状であることが好ましく、平均粒子径(D50)は3〜30μmが好ましく、4〜25μmがより好ましく、5〜20μmが特に好ましい。本発明において、平均粒子径(D50)とは、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積カーブにおいて、その累積カーブが50%となる点の粒子径である、体積基準累積50%径を意味する。粒度分布は、レーザー散乱粒度分布測定装置で測定した頻度分布および累積体積分布曲線で求められる。粒子径の測定は、粉末を水媒体中に超音波処理等で充分に分散させて粒度分布を測定する(例えば、HORIBA社製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950VII、等を用いる)ことで行なわれる。
リチウム含有複合酸化物の比表面積は、0.3〜10m/gが好ましく、0.5〜5m/gが特に好ましい。該比表面積が、0.3〜10m/gであると容量が高く、緻密な正極電極層が形成できる。なお、比表面積は、窒素を用いたBET法で測定することが好ましい。
本発明におけるリチウム含有複合酸化物は、層状岩塩型結晶構造(空間群R−3m)をとるものであることが好ましい。また、本発明におけるリチウム含有複合酸化物は、遷移金属元素に対するLi元素の比率が高いため、XRD(X線回折)測定では層状LiMnOと同様に2θ=20〜25°の範囲にピークが観察される。
(スピネル系リチウムマンガン複合酸化物(被覆層(I))
本発明におけるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)は、リチウム含有複合酸化物の酸処理物の焼成体からなる。該被覆層の形成は、つぎのように進行すると考えられる。すなわち、リチウム含有複合酸化物の酸処理により、リチウム含有複合酸化物の表面のリチウムイオン(Li)が除かれ、該表面がマンガン元素を含む組成になる。そして、酸処理により得た酸処理物を焼成することにより、リチウム含有複合酸化物のリチウムイオンと、マンガン元素が含まれる表面が反応してスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層が形成されると考えられる。すなわち、本発明における焼成体においては、リチウム含有複合酸化物のリチウムイオン由来のLiとリチウム含有複合酸化物の酸処理物が反応することにより、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物が表面に形成すると考えられる。
酸処理とは、リチウム含有複合酸化物を、酸と接触させて得る生成物をいう。酸処理の方法は後述する。また、焼成とは、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物が形成する温度で加熱することをいい、該温度は600〜1000℃が好ましく、600〜900℃がより好ましく、700〜900℃が特に好ましい。
スピネル系リチウムマンガン複合酸化物としては、具体的には、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
LiMnNiCo(2)
但し、式(2)において、0.2<a<2、1≦x≦2、0≦y≦1.0、0≦z≦1.0である。
スピネル系リチウムマンガン複合酸化物としては、LiMn、LiMn12、LiMn1.5Ni0.5、LiNiMn、LiCoMn、Li0.27Mn、Li0.22Mn、Li0.84Mn、Li0.74Mn、Li1.8Mn1.8、Li1.24Mn1.72、Li1.14Mn1.88、Li1.27Mn1.73、LiNi0.5Mn1.5、Li0.85(Mn1.74Li0.26)O、Li0.82(Mn1.7Li0.3)O、Li0.979(Mn0.813Li0.187、Li5.28Mn8.7218、Li(Li0.18Mn0.84、LiNi0.478Mn1.478、Li1.288Mn1.7183.372、Li1.198Mn1.8023.972、(Li0.989Mn0.011)(Li0.060Mn1.940)O、および(Li0.989Mn0.011)(Mn0.876Li0.124から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
(粒子(II))
本発明における粒子(II)は、上記リチウム含有複合酸化物の表面に上記スピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成されたものである。
前記粒子(II)において、被覆層(I)がリチウム含有複合酸化物の表面に形成されていることは、例えば、XRD(X線回折)により成分の同定を行うことによって評価することができる。
具体的には、本発明におけるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピーク(2θ)は18.6°付近、31.0°付近、36.5°付近、44.4°付近、64.5°付近、68.0°付近に観測することができる。しかしながら、18.6°付近と44.4°付近のピークは、本発明における層状構造を有するリチウム含有複合酸化物のXRDピークと重なるため、ピークの重ならない31.0°付近、36.5°付近、64.5°付近、68.0°付近のピークの有無によって本発明における粒子(II)を評価することができる。
粒子(II)における被覆層(I)の割合は、被覆層(I)を構成する式(2)で表される化合物の金属元素のモル量がリチウム含有複合酸化物の遷移金属元素のモル量に対して0.001〜0.20倍であることが好ましく、0.002〜0.10倍であることがより好ましく、0.005〜0.05倍であることが特に好ましい。
本発明の正極活物質において、リチウム含有複合酸化物の表面に存在する被覆層(I)の形状は、SEM(走査形電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)等の電子顕微鏡により評価することができる。
被覆層(I)の形状は、粒子状、膜状、塊状等であってもよい。
被覆層(I)はリチウム含有複合酸化物の表面の一部または全部に存在する層である。
本発明の正極活物質は、リチウム比率の高いリチウム含有複合酸化物を用いているため放電容量が大きい。また、本発明の正極活物質は、リチウム含有複合酸化物の表面に、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)からなるものであるため、特にMn元素の溶出が抑制され、高電圧(特に4.5V以上)で充放電サイクルを行っても容量の低下が少なく、サイクル特性に優れる。
さらに、被覆層(I)にCoやNi等の遷移金属を含む場合には、Mnのみの場合に比べ、被覆層(I)を形成するスピネル系リチウムマンガン複合酸化物の安定性が向上するため、よりサイクル特性に優れる。
<正極活物質の製造方法>
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物を酸処理し、つぎに焼成することにより、前記リチウム含有複合酸化物の表面に、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質、を得る方法である。
リチウム含有複合酸化物の製造方法としては、共沈法により得られたリチウム含有複合酸化物の前躯体とリチウム化合物を混合して焼成する方法、水熱合成法、ゾルゲル法、乾式混合法、イオン交換法等が挙げられるが、含有される遷移金属元素が均一に混ざることで放電容量が優れるため、共沈法により得られたリチウム含有複合酸化物の前躯体(共沈組成物)とリチウム化合物を混合して焼成する方法が好ましい。
リチウム含有複合酸化物の酸処理の方法としては、リチウム含有複合酸化物の粉末と、酸とを混合する方法が挙げられる。酸は、そのまま、または、水および/または水溶性溶媒によって希釈された酸を用いるのが好ましい。
酸処理において、酸を希釈する場合、酸の濃度は、0.01mol/L〜5mol/Lが好ましく、0.05mol/L〜2.5mol/Lがより好ましい。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、硼酸、炭酸、フッ化水素酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、乳酸、ギ酸等の有機酸が挙げられる。
水溶性溶媒としては、水溶性アルコール、ポリオールが好ましい。
水溶性アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが挙げられる。ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、グリセリンが挙げられる。水と水溶性溶媒を含む混合溶媒の場合、水溶性アルコールおよび/またはポリオールの総量は、水と水溶性溶媒の全質量に対して0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましい。特に、水だけの場合、安全面、環境面、取扱い性、コストの点で優れているため好ましい。
リチウム含有複合酸化物の酸処理に用いられる酸(H+)の量は、リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対して0.05〜1.0倍であることが好ましく、0.10〜0.60倍がより好ましく、0.2〜0.5倍が特に好ましい。
酸の量が上記の範囲であれば、リチウム含有複合酸化物の表面を均一に酸処理しやすく、かつリチウム含有複合酸化物の表面を酸処理する際に、リチウム含有複合酸化物が塊にならず撹拌しやすい。
リチウム含有複合酸化物の酸処理において、リチウム含有複合酸化物粉末と、酸とを混合した後、その混合物を加熱することが好ましい。加熱温度は、50〜90℃であることが好ましく、70〜90℃がより好ましい。
加熱時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜18時間がより好ましく、1〜12時間が特に好ましい。
さらに、本発明の製造方法における酸処理は、撹拌しているリチウム含有複合酸化物に酸を添加して、リチウム含有複合酸化物と酸とを混合することにより、酸をリチウム含有複合酸化物に接触させることが好ましい。撹拌装置としては、ドラムミキサーまたはソリッドエアーの低剪断力の撹拌機を用いることができる。撹拌混合しながら酸とリチウム含有複合酸化物を接触させることで、より均一にスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法においては、リチウム含有複合酸化物を酸処理し、その酸処理されたリチウム含有複合酸化物を焼成する。リチウム含有複合酸化物を酸処理した後、焼成することによって、酸処理によりリチウム含有複合酸化物のリチウムイオンと、リチウム含有複合酸化物におけるマンガン元素が多く含まれる組成とを効率的に反応させて、リチウム含有複合酸化物の表面に、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)を形成することができ、かつ、水や有機成分等の揮発性の不純物が除去できる。
焼成は、窒素含有雰囲気下で行うことが好ましい。焼成温度は、600〜1000℃であることが好ましく、700〜900℃がより好ましい。焼成温度が600℃以上であれば、リチウム含有複合酸化物の表面にスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)を形成でき、さらに残留水分等の揮発性の不純物が減少し、サイクル特性が向上する。
焼成時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜18時間がより好ましく、1〜12時間が特に好ましい。
<正極>
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、上記の正極活物質、導電材およびバインダーを含む。
リチウムイオン二次電池用正極は、正極集電体上(正極表面)に、本発明の正極活物質を含有する正極活物質層が形成されてなる。リチウムイオン二次電池用正極は、例えば、本発明の正極活物質、導電材およびバインダーを、溶媒に溶解させるか、分散媒に分散させるか、又は溶媒と混練することによって、スラリー又は混錬物を調製し、調製したスラリー又は混錬物を正極集電板に塗布等により担持させることによって、製造することができる。
導電材としては、アセチレンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。
バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有する重合体およびその共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系重合体およびその共重合体等が挙げられる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記のリチウムイオン二次電池用正極、負極および非水電解質を含む。
負極は、負極集電体上に、負極活物質を含有する負極活物質層が形成されてなる。例えば、負極活物質を有機溶媒と混錬することによってスラリーを調製し、調製したスラリーを負極集電体に塗布、乾燥、プレスすることによって、製造することができる。
負極集電板としては、例えば、ニッケル箔、銅箔等の金属箔を用いることができる。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であればよく、例えば、リチウム金属、リチウム合金、リチウム化合物、炭素材料、周期表14、15族の金属を主体とする酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタンおよび炭化ホウ素化合物等を用いることができる。
リチウム合金およびリチウム化合物としては、リチウムと、リチウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属とにより構成されるリチウム合金およびリチウム化合物を用いることができる。
炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等のコークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、フェノール樹脂やフラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化した有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック類等を用いることができる。
周期表14族の金属としては、例えば、ケイ素あるいはスズであり、最も好ましくはケイ素である。また、比較的低い電位でリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であれば、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等の酸化物およびその他の窒化物等も同様に用いることができる。
非水電解質としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることが好ましい。
非水電解液としては、有機溶媒と電解質とを適宜組み合わせて調製されたものを用いることができる。有機溶媒としては、この種の電池に用いられるものであればいずれも使用可能であり、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等を用いることができる。特に、電圧安定性の点からは、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類を使用することが好ましい。また、このような有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、その他、非水電解質として、電解質塩を含有させた固体電解質、高分子電解質、高分子化合物等に電解質を混合または溶解させた固体状もしくはゲル状電解質等を用いることができる。
固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を有する材料であればよく、例えば、無機固体電解質および高分子固体電解質のいずれをも用いることができる。
無機固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム等を用いることができる。
高分子固体電解質としては、電解質塩と該電解質塩を溶解する高分子化合物を用いることができる。そして、この高分子化合物としては、ポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系、アクリレート系等を、単独あるいは分子中に共重合または混合して用いることができる。
ゲル状電解質のマトリックスとしては、上記の非水電解液を吸収してゲル化するものであればよく、種々の高分子を用いることができる。また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分子等を使用することができる。また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、例えば、ポリアクリロニトリルおよびポリアクリロニトリルの共重合体を使用することができる。また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、例えば、ポリエチレンオキサイドおよびポリエチレンオキサイドの共重合体、同架橋体等のエーテル系高分子を使用することができる。共重合モノマーとしては、例えば、ポリプロピレンオキサイド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等を挙げることができる。
また、酸化還元反応に対する安定性の観点により、上記した高分子のうち、特にフッ素系高分子を用いることが好ましい。
上記したような各種の電解質中で用いられる電解質塩は、この種の電池に用いられるものであればいずれも使用可能である。電解質塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、CHSOLi、LiCl、LiBr等を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は、コイン型、シート状(フィルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒型、ボタン型等の形状を、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質は、初回充電(活性化)によりリチウム複合酸化物の一部のLiMOが不可逆的に変化してLiMnOとなり、本発明の正極活物質中の主成分がLiMOであり、残部がLiMnOからなる組成になるものと推定される。主成分のLiMOは、Li化合物とM化合物から直接合成したLiMOよりも放電時に脱離するLi量が多いため、放電容量が高くなる。充放電反応を反応式で表すと、下記式(3)で表される。
LiMO→(充電)→Li1−xMO+xLi (3)
式(3)において、xLiは負極に吸蔵される。また、放電は、充電と逆の反応をする。
したがって、上記の正極活物質を構成する式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物は、リチウムイオン二次電池を活性化する前の組成を表している。
<リチウム含有複合酸化物の合成>
硫酸ニッケル(II)六水和物(140.6g)、硫酸コバルト(II)七水和物(131.4g)、硫酸マンガン(II)五水和物(482.2g)に蒸留水(1245.9g)を加えて均一に溶解させて原料溶液とした。硫酸アンモニウム(79.2g)に蒸留水3(20.8g)を加えて均一に溶解させてアンモニア源溶液とした。硫酸アンモニウム(79.2g)に蒸留水(1920.8g)を加えて均一に溶解させて母液とした。水酸化ナトリウム(400g)に蒸留水(600g)を加えて均一に溶解させてpH調整液とした。
2Lのバッフル付きガラス製反応槽に母液を入れてマントルヒーターで50℃に加熱し、pHが11.0となるようにpH調整液を加えた。反応槽内の溶液をアンカー型の撹拌翼で撹拌しながら原料溶液を5.0g/分、アンモニア源溶液を1.0g/分の速度で添加し、ニッケル、コバルト、マンガンの複合水酸化物を析出させた。原料溶液を添加している間、反応槽内のpHを11.0に保つようにpH調整溶液を添加した。また、析出した水酸化物が酸化しないように反応槽内に窒素ガスを流量0.5L/分で流した。また、反応槽内の液量が2Lを超えないように連続的に液の抜き出しを行った。
得られたニッケル、コバルト、マンガンの複合水酸化物から不純物イオンを取り除くため、加圧ろ過と蒸留水への分散を繰返して洗浄した。ろ液の電気伝導度が25μS/cmとなった時点で洗浄を終了し、120℃で15時間乾燥させて前駆体とした。
ICPで前駆体のニッケル、コバルト、マンガンの含有量を測定したところ、それぞれ11.6質量%、10.5質量%、42.3質量%であった(モル比でニッケル:コバルト:マンガン=0.172:0.156:0.672)。
前駆体(20g)とリチウム含有量が26.9mol/kgの炭酸リチウム(12.6g)を混合して酸素含有雰囲気下800℃で12時間焼成し、実施例のリチウム含有複合酸化物を得た。得られた実施例のリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.2(Ni0.172Co0.156Mn0.6720.8となる。実施例のリチウム含有複合酸化物の平均粒子径D50は5.3μmであり、BET(Brunauer,Emmett,Teller)法を用いて測定した比表面積は4.4m/gであった。
(実施例1)<リチウム含有複合酸化物の硝酸による酸処理>
実施例のリチウム含有複合酸化物6gに対して、リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対する酸の量が0.5倍(H+/Li+=0.50mol/mol)となるように、0.1M硝酸を422ml添加して、リチウム含有複合酸化物と硝酸を混合した。
次に、この混合物を90℃で17時間加熱した。
次に、この混合物を、濾過フィルタにより固液分離し、濾液中に溶出したLi+濃度をICP測定により測定した。濾液中Li濃度は、510μg/mLであった。
次に、得られた固体を90℃で12時間乾燥した後、窒素雰囲気下、900℃で5時間焼成し、リチウム含有複合酸化物の表面にスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)からなる実施例1の正極活物質(A)を得た。
得られた正極活物質(A)の粉末を、X線回折装置(製品名:RINT−TTR III)により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピーク(2θ=31°付近)を検出できた。
本実施例1におけるXRDのグラフを図1に示す。
(実施例2)<リチウム含有複合酸化物の硝酸による酸処理>
実施例のリチウム含有複合酸化物6gに対して、リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対する酸の量が0.1倍(H+/Li+=0.10mol/mol)となるように、0.1M硝酸を42ml添加して、リチウム含有複合酸化物と硝酸を混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の正極活物質(B)を得た。
得られた正極活物質(B)の粉末を、実施例1と同様にしてX線回折装置により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピーク(2θ=31°付近)を検出できた。
(比較例1)<リチウム含有複合酸化物の硝酸による酸処理>
実施例1と同様の酸処理後によって得られた固体を、90℃で12時間乾燥した後、窒素雰囲気下、300℃で5時間焼成し、比較例1の正極活物質(C)を得た。
得られた正極活物質(C)の粉末を、実施例1と同様にしてX線回折装置により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピークを検出できなかった。
本比較例1におけるXRDのグラフを図1に示す。
(比較例2)<リチウム含有複合酸化物の酸処理および焼成なし>
実施例のリチウム含有複合酸化物に対して酸処理および焼成を行わず、比較例2の正極活物質(D)とした。
得られた正極活物質(D)の粉末を、実施例1と同様にしてX線回折装置により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピークを検出できなかった。
本比較例2におけるXRDのグラフを図1に示す。
(比較例3)<リチウム含有複合酸化物の焼成のみ>
実施例のリチウム含有複合酸化物を、窒素雰囲気下、900℃で5時間焼成し、比較例3の正極活物質(E)とした。
得られた正極活物質(E)の粉末を、実施例1と同様にしてX線回折装置により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピークを検出できなかった。
本比較例3におけるXRDのグラフを図1に示す。
(比較例4)<リチウム含有複合酸化物の酢酸による酸処理>
実施例のリチウム含有複合酸化物6gに対して、リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対する酸の量が0.5倍(H+/Li+=0.50mol/mol)となるように、0.1M酢酸を422ml添加して、リチウム含有複合酸化物と酢酸を混合したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の正極活物質(F)を得た。
得られた正極活物質(F)の粉末を、実施例1と同様にしてX線回折装置により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピークを検出できなかった。
本比較例4におけるXRDのグラフを図1に示す。
(比較例5)<リチウム含有複合酸化物の硝酸による酸処理>
実施例のリチウム含有複合酸化物6gに対して、リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対する酸の量が0.03倍(H+/Li+=0.03mol/mol)となるように、0.1M硝酸を25ml添加して、リチウム含有複合酸化物と硝酸を混合したこと以外は実施例1と同様にして、比較例5の正極活物質(G)を得た。
得られた正極活物質(G)の粉末を、実施例1と同様にしてX線回折装置により分析して成分の同定を行った結果、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物のスピネル構造に由来するピークを検出できなかった。
<正極体シートの作製>
正極活物質として、実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5の正極活物質(A)〜(G)をそれぞれ用い、正極活物質とアセチレンブラック(導電材)とポリフッ化ビニリデン(バインダー)を12.1質量%含むポリフッ化ビニリデン溶液(溶媒N−メチルピロリドン)を混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加してスラリーを作製した。正極活物質と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデンは質量比で80/12/8とした。スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)にドクターブレードを用いて片面塗工した。120℃で乾燥し、ロールプレス圧延を2回行うことによりリチウム電池用の正極となる実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5の正極体シートを作製した。
<電池の組み立て>
前記の実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5の正極体シートを打ち抜いたものを正極に用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極に用い、負極集電体に厚さ1mmのステンレス板を使用し、セパレータには厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用い、さらに電解液には、濃度1(mol/dm)のLiPF/EC(エチレンカーボネート)+DEC(ジエチルカーボネート)(1:1)溶液(LiPFを溶質とするECとDECとの体積比(EC:DEC=1:1)の混合溶液を意味する。)を用いてステンレス製簡易密閉セル型の実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5のリチウム電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
<初期容量の評価、サイクル特性の評価>
前記実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5のリチウム電池について、25℃にて電池評価を行った。
正極活物質1gにつき150mAの負荷電流で4.8Vまで充電し、正極活物質1gにつき37.5mAの負荷電流にて2.5Vまで放電した。4.8〜2.5Vにおける正極活物質の放電容量を4.8V初期容量とする。続いて正極活物質1gにつき150mAの負荷電流で4.3Vまで充電し、正極活物質1gにつき37.5mAの負荷電流にて2.5Vまで放電した。
このような充放電を行った実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5のリチウム電池について引き続き充放電正極活物質1gにつき200mAの負荷電流で4.5Vまで充電し、正極活物質1gにつき100mAの負荷電流にて2.5Vまで放電する充放電サイクルを100回繰返した。4.5V充放電サイクル1回目の放電容量を4.5V初期容量とする。4.5V充放電サイクル100回目の放電容量を4.5V充放電サイクル1回目の放電容量で割った値をサイクル維持率とする。
実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例5のリチウム電池について、100サイクル目のサイクル維持率について表1にまとめる。
Figure 2012146443
表1に示すように、実施例1〜実施例2のリチウム電池は、比較例1〜比較例5のリチウム電池と比較して、サイクル維持率が高い。
本発明によれば、小型・軽量、単位質量あたりの放電容量が高く、かつサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用の正極活物質、正極およびリチウムイオン二次電池を得ることができ、携帯電話等の電子機器、車載用のバッテリー等に利用することができる。

Claims (10)

  1. Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物の表面に、該リチウム含有複合酸化物の酸処理物の焼成体であるスピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)、からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極活物質。
  2. 前記スピネル系リチウムマンガン複合酸化物は、下記式(2)で表される化合物である請求項1に記載の正極活物質。
    LiMnNiCo(2)
    (但し、0.2<a<2、1≦x≦2、0≦y≦1.0、0≦z≦1.0である。)
  3. 活性前の前記リチウム含有複合酸化物が、下記式(1)で表される化合物である請求項1または2に記載の正極活物質。
    Li(LiMnMe)O (1)
    (但し、式(1)において、Meは、Co、Ni、Cr、Fe、Al、Ti、Zr、Mgから選ばれる少なくとも一種の元素であり、0.09<x<0.3、0.4≦y/(y+z)≦0.8、x+y+z=1、1.2<(1+x)/(y+z)、1.9<p<2.1、0≦q≦0.1である。)
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用の正極活物質と導電材とバインダーとを含むリチウムイオン二次電池用正極。
  5. 請求項4に記載の正極と負極と非水電解質とを含むリチウムイオン二次電池。
  6. Li元素と、Mnを必須とする少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物を酸処理し、つぎに焼成することにより、前記リチウム含有複合酸化物の表面に、スピネル系リチウムマンガン複合酸化物から構成される被覆層(I)が形成された粒子(II)からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質、を得ることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記酸処理において、無機酸または有機酸を用い、かつ、無機酸または有機酸の量が、前記リチウム含有複合酸化物のLiのモル量に対して0.05〜0.5倍である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記遷移金属元素が、Mnを必須とし、NiおよびCoから選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素を含む請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記リチウム含有複合酸化物を、600〜1000℃で焼成する請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記スピネル系リチウムマンガン複合酸化物は、下記式(2)で表される化合物である請求項6〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
    LiMnNiCo(2)
    (但し、0.2<a<2、1≦x≦2、0≦y≦1.0、0≦z≦1.0である。)
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