JP2016110798A - 正極活物質、正極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工程a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸とを混合する工程、及びb.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程{前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m2)、リン原子を有するオキソ酸の密度A(g/cm3)、及びリン原子を有するオキソ酸の質量x(g)は、数式:1≧10x/AR>0の関係を満たす。}を経て得られ、Li、Ni、Mn、及びPの各原子を、数式群:0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び0.7/0.3≦Li/Pの関係を満たすモル比で含み、スピネル構造を有し、そして平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上である、非水電解質二次電池用正極活物質。
【選択図】図1
Description
蓄電デバイスの代表例であり、非水電解質二次電池の代表例でもあるリチウムイオン二次電池は、従来、主として携帯機器用充電池として使用されていたが、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用も期待されている。
特定の金属原子を特定の割合(モル比)で含有する結晶性の正極活物質を調製する際に、
正極活物質前駆体と、該前駆体の表面積Rに対して特定の量(体積)のリン原子を有するオキソ酸とを、混合して焼成する工程を経由し、かつ
該正極活物質の平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上である場合
に、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
[1] 少なくとも下記工程a.及びb.;
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸とを混合する工程、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程
{ただし、前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m2)、リン原子を有するオキソ酸の密度A(g/cm3)、及びリン原子を有するオキソ酸の質量x(g)は、下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす。}
を経て得られ、
少なくともLi、Ni、Mn、及びPの各原子を、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含み、
スピネル構造を有し、そして
平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上であることを特徴とする、非水電解質二次電池用正極活物質。
0<Q’/Li≦0.3/0.7
の関係を満たすモル比で含む、[1]に記載の正極活物質。
[4] [1]〜[3]のいずれか1項に記載の正極活物質を含む、正極。
[5] 少なくとも、[4]に記載の正極と、負極と、非水電解質と、外装体と、を備える、非水電解質二次電池。
本実施形態の正極活物質は、
少なくとも下記工程a.及びb.;
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸(以下、「P含有オキソ酸」ともいう。)を混合する工程、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程
{ただし、前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m2)、P含有オキソ酸の密度A(g/cm3)、及びP含有オキソ酸の質量x(g)が、下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす。}
を経て得られ、
少なくともLi、Ni、Mn、及びPの各原子を、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含み、スピネル構造を有し、そして
平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上である。
従来の非水電解質二次電池は、リチウム基準の平均作動電位が4.2V以下に設定されている場合が多い。そのため、リチウム基準の平均作動電位が4.5V以上の正極活物質を備える非水電解質二次電池は、従来の非水電解質二次電池と比較して高い作動電圧に設定することができる。
本実施形態における正極活物質前駆体とは、少なくとも1種の遷移金属原子を含む化合物であって、所定量のP含有オキソ酸と混合した後に焼成することにより、本実施形態所定の正極活物質となる成分を指す。例えば、少なくとも1種の遷移金属原子を含む酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。典型元素金属(例えばLi)は、含まれてもよいし、含まれていなくてもよい。
Liと、
Ni及びMnからなる群より選択される1種以上の遷移金属原子と、
を含有するものである。この場合、Li、Ni、及びMnのモル比は、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、及び
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2
の関係を満たす。Li/Mnの値は、好ましくは0.45〜0.95であり、より好ましくは0.50〜0.85である。Li/Niの値は、好ましくは1.00〜5.00であり、より好ましくは1.20〜3.50である。
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含む。
このP原子は、P含有オキソ酸に由来する。Li/Pの値は、好ましくは2.50以上であり、より好ましくは5.00以上であり、最も好ましくは8.00以上である。ここで、正極活物質におけるPの量が極微量である場合であっても、本発明の効果は有効に発現する。そのため、Li/P値の上限を明確な数値として提示することには、ほとんど意味がない。しかしながら、当該値が有限の値を採るものであることは、当業者には明らかであろう。
0<Q’/Li≦0.3/0.7
の関係を満たすモル比で含んでいてもよい。Q’としては、Ni及びMn以外の遷移金属原子、並びにNa、Mg、Ca、Zn、Al、Si、P、B、及びSからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子であることが好ましい。
Q’/Liの値は、好ましくは0.01〜0.40であり、より好ましくは0.05〜0.35である。
(1)Liと、少なくとも1種以上の遷移金属原子と、
を含有する酸化物、並びに
(2)少なくとも1種以上の遷移金属原子を含有する水酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、及び塩化物から選択される化合物
からなる群より選択される1種以上である。
上記(1)及び(2)双方において、「遷移金属原子」とは、Ni及びMnの他、Q’のうちの「Ni及びMn以外の遷移金属原子」を包含する概念である。また、上記(1)及び(2)双方において、正極活物質前駆体は、Liと少なくとも1種以上の遷移金属原子とともに、Q’のうちの典型元素金属原子を更に含有していてもよい。
上記(2)の正極活物質前駆体に、Li原子は含まれていてもよいし含まれていなくてもよい。
上記(2)の場合は、これらの前駆体及びP含有オキソ酸とともに、Liの炭酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される1種以上を合わせて混合して焼成に供することが好ましい。この場合、P含有オキソ酸の使用量を決定するための正極活物質前駆体の表面積(R)の決定に際して、遷移金属を含まないLiの化合物の寄与分は算入されない。
乾燥及び焼成の際の周囲雰囲気は、大気中で十分である。
本実施形態に用いるオキソ酸としては、少なくとも、リン原子を有するオキソ酸(P含有オキソ酸)を使用する。P含有オキソ酸としては、無機化合物又は有機化合物を用いることができ、特に制限されない。その具体例としては、例えば、H3PO4、H3PO3、H4P2O7、H5P3O10、(NH4)2HPO4、(NH4)H2PO4等を挙げることができ、これらのうちの1種以上を使用することが好ましい。特に好ましくはH3PO4を使用することである。このようなP含有オキソ酸を用いることにより、過酷な温度及び充放電電流の条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方がより優れる正極活物質となる傾向にある。
P含有オキソ酸の融点は、好ましくは1,000℃以下であり、好ましくは300〜900℃である。
P含有オキソ酸の融点は熱重量−示差熱分析(Thermogravimetric − Differential Thermal Analysis;TG−DTA)及び示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)等の熱分析手段により、検出することができる。
本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、P含有オキソ酸とを混合する工程(混合工程)、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程(焼成工程)
を経る必要がある。
混合工程は、少なくとも、正極活物質前駆体と、P含有オキソ酸とを混合する工程である。
混合方法としては、特に限定されないが、例えば、
P含有オキソ酸を含有する水溶液又は有機溶液中に、正極活物質前駆体を入れて撹拌し混合する方法(方法1)、
正極活物質前駆体と固体状のP含有オキソ酸とを力学的に混合する方法(方法2)、
蒸着、スパッタ等の手段により、気体状のP含有オキソ酸を正極活物質前駆体と接触させる方法(方法3)
等が挙げられる。
P含有オキソ酸と正極活物質前駆体との混合は、不均一であっても効果を奏するが、両者を均一に混合又は接触したうえで焼成工程に供することが、より好ましい。
下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす量である。更には、これらの値が、下記数式:
0.8≧10x/AR≧0.00001
の関係を満たすことが好ましく、特に、
0.1≧10x/AR≧0.0001
の関係を満たすことが最も好ましい。ここで、10x/ARが0である場合、及び10x/ARが1を上回る場合には、サイクル特性が低下する傾向にある。また、10x/ARが1を上回ると、高速充放電特性が低下する傾向にある。更に、10x/ARの値が0.1〜0.0001の値を取ることにより、正極活物質の表面が安定化して正極活物質同士の凝集が抑制され、その結果、最終的に得られる電極における抵抗が低減するため、サイクル特性及び高速充放電特性の双方が向上する傾向にある。
少なくともP含有オキソ酸及び正極活物質前駆体、並びに場合により更にLi化合物(及び/又はP非含有オキソ酸)を混合した後、焼成工程を経ることにより、正極活物質が得られる。この焼成工程を経ることにより、P含有オキソ酸と、正極活物質前駆体とが均一に反応し、サイクル特性等がより向上する傾向にある。
本実施形態における正極活物質は、スピネル構造を有する。
このスピネル構造は、一般式:LiX2O4(Xは、少なくとも1種類以上の遷移金属を含む)として表すことができ、空間群
正極活物質において、上記のようなスピネル構造結晶が、例えばXRD分析によって検出可能な程度の量で存在すれば、その含有率の大小にかかわらず、本発明が所期する効果を発現することができる。
また、正極活物質の比表面積は10.0m2/g以下が好ましい。正極活物質の比表面積が0.1m2/g以上であることにより、放電特性等の電池特性がより優れる傾向にある。一方で、正極活物質の比表面積が10.0m2/g以下であることにより、サイクル特性及び保存特性がより優れる傾向にある。
本実施形態に係る非水電解質二次電は、少なくとも、本実施形態に係る正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、外装体と、を備える。このように、本実施形態に係る正極活物質は、非水電解質二次電池用であることが好ましい。このことにより、自動車用途等の、従来よりも過酷な温度及び充放電条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
本実施形態に係る正極は、本実施形態に係る正極活物質を含み、必要に応じて、導電材と、結着材と、集電体と、を含むことができる。
本実施形態に用いられる負極は、負極活物質と、結着材と、集電体と、を含むことが好ましい。
本実施形態における非水電解質は、電解質(塩)及び非水溶媒を含有することが好ましい。
本実施形態における非水電解質に用いられる電解質(塩)としては、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、例えば、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2CkF2k+1)2〔kは1〜8の整数〕、LiPFn(CkF2k+1)6−n〔nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF4(C2O4)、LiPF2(C2O4)2、LiBF4、LiAlO4、LiAlCl4、Li2B12FbH12−b〔bは0〜3の整数〕、LiBFq(CsF2s+1)4−q〔qは1〜3の整数、sは1〜8の整数〕、LiB(C2O4)2、LiBF2(C2O4)、LiB(C3O4H2)2、LiPF4(C2O2)等が挙げられる。これらの電解質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、本発明の目的をより有効かつ確実に達成する観点から、LiPF6が好ましい。
本実施形態に用いられ得るセパレーターとしては、非水電解質二次電池に用いられる従来公知のものを用いることができ、特に制限されない。本実施形態におけるセパレーターは、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであればよい。
本実施形態に用いられる外装体は、従来公知のものを用いることができ、特に制限されない。外装体の材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム等の金属、これらの金属の表面を樹脂で被覆したラミネートフィルム等が挙げられる。
<正極活物質の合成>
硫酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業(株))と硫酸マンガン(II)五水和物(和光純薬工業(株))とを、遷移金属元素のモル比として1:3の割合で水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lであるニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度1mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液3,000mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間かけて滴下した。滴下中は、炭酸ナトリウム水溶液を攪拌しつつ、該水溶液中に200mL/minの流量の空気をバブリングした。上記の操作により析出物質が発生した。得られた析出物質を蒸留水で十分洗浄した後、100℃において8時間乾燥して、正極活物質前駆体であるニッケルマンガン化合物(炭酸塩)を得た。得られた正極活物質前駆体につき、カンタクロム社製オートソーブ―1を用いてBET法により測定した窒素吸着比表面積は、50m2/gであった。
これらを1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下、800℃において5時間焼成(昇温速度:10℃/min、降温速度:10℃/min)することにより、正極活物質を得た。この正極活物質についてXRD測定を行った結果、該正極活物質がスピネル構造を有することが確認された。
(1)正極の作製
上述のようにして得られた正極活物質と、導電助剤としてグラファイトの粉末(TIMCAL社製、KS−6)及びアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製、HS−100)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製、L#7208)とを、固形分比として80:5:5:10の質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いくことにより、正極を得た。
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、OMAC1.2H/SS)及びグラファイト粉末(TIMCAL社製、SFG6)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いくことにより、負極を得た。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解することにより、非水電解質である電解液を得た。
上述のようにして作製した正極と負極とをポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレーター(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。ここに、上記電解液を0.5mL注入し、上記の積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉することにより、非水電解質二次電池を作製した。
この電池を、後述の<電池評価>に供した。
リチウムを基準とした正極活物質の平均作動電位を、次のようにして算出した。
上記「(4)電池の作製」において、負極として金属Liを直径16mmの円盤状に打ち抜いたものを使用した以外は、上記と同様にして電池を作製した。この電池を、0.05Cの定電流で充電し、4.9Vに到達した後、4.9Vの定電圧で2時間充電し、更に0.3Cの定電流で3.0Vまで放電した。その時の充電電力容量及び充電電気容量、並びに放電電力量及び放電電気容量を用いて、平均作動電位を下記数式により算出した。
平均作動電位=((充電電力容量(mWh/g)/充電電気容量(mAh/g))+(放電電力容量(mWh/g)/放電電気容量(mAh/g)))/2
(1)初期充放電
上記「(4)電池の作製」で得られた非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD−01)に接続した。次いで、この電池を、0.05Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で2時間充電し、更に0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。
なお、1Cとは、電池が1時間で放電される電流値である。
上記初期充放電後の電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD−01)に接続した。次いで、この電池を、1/3Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に1/3Cの定電流で3.0Vまで放電した。続いて、この電池を、1/3Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に5Cの定電流で3.0Vまで放電した。更に続いて、この電池を、1/3Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に10Cの定電流で3.0Vまで放電した。
この時、1/3Cの定電流で3.0Vまで放電したときの放電容量を基準として、5Cの定電流で3.0Vまで放電した時の放電容量維持率を調べた。この結果を表1に示した。
上記初期充放電後の電池を、50℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD−01)に接続した。次いで、この電池を、1Cの定電流で4.8Vまで充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に1Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとして繰り返した時の、1サイクル目の放電容量を基準として、100サイクル目における放電容量維持率を調べた。この結果を表1に示した。
上記実施例1の<正極活物質の合成>において、H3PO4の添加量(x(g))を、10x/ARの値が表1に記載の値となるような質量x(g)に添加したこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。これらの正極活物質についてXRD測定を行った結果、これらの正極活物質のいずれもがスピネル構造を有することが確認された。
これらの正極活物質を用いて、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
<正極活物質の合成>
硫酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業(株))と硫酸マンガン(II)五水和物(和光純薬工業(株))とを、遷移金属元素のモル比として1:3の割合で水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lであるニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度1mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液3,000mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間かけて滴下した。なお、滴下時には、炭酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら、該水溶液に200mL/minの流量の空気をバブリングしながら吹き込んだ。これにより析出物質が生成した。析出物質を回収し、蒸留水で十分洗浄し、100℃において12時間乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量した。これらを1時間乾式混合した後、得られた混合物を、酸素雰囲気下、1,000℃において4時間焼成し、正極活物質前駆体(酸化物)を得た。この正極活物質前駆体につき、カンタクロム社製オートソーブ―1を用いてBET法により測定した窒素吸着比表面積は、0.6m2/gであった。
これらを1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下、800℃において5時間焼成(昇温速度:10℃/min、降温速度:10℃/min)することにより、正極活物質を得た。この正極活物質についてXRD測定を行った結果、該正極活物質がスピネル構造を有することが確認された。
上記の正極活物質を用いた以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
上記実施例6の<正極活物質の合成>において、H3PO4の添加量(x(g))を、10x/ARの値が表1に記載の値となるような質量x(g)に変更したこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を合成した。これらの正極活物質についてXRD測定を行った結果、これらの正極活物質のいずれもがスピネル構造を有することが確認された。
これらの正極活物質を用いて、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。
なお、比較例2においては、H3PO4の添加混合及び焼成を行わなかった。
評価結果を表1に示した。
上記実施例6の<正極活物質の合成>において、H3PO4を添加混合後、焼成をしなかったこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を合成した。この正極活物質についてXRD測定を行った結果、該正極活物質がスピネル構造を有することが確認された。 この正極活物質を用いて、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
110 セパレーター
120 正極
130 負極
140 正極集電体
150 負極集電体
160 電池外装
Claims (5)
- 少なくとも下記工程a.及びb.;
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸とを混合する工程、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程
{ただし、前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m2)、リン原子を有するオキソ酸の密度A(g/cm3)、及びリン原子を有するオキソ酸の質量x(g)は、下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす。}
を経て得られ、
少なくともLi、Ni、Mn、及びPの各原子を、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含み、
スピネル構造を有し、そして
平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上であることを特徴とする、非水電解質二次電池用正極活物質。 - 更に、Q’(Q’は、Ni及びMn以外の遷移金属原子、並びにNa、K、Mg、Ca、Zn、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、B、及びSからなる群より選ばれる少なくとも1つの原子である)の原子を、下記数式:
0<Q’/Li≦0.3/0.7
の関係を満たすモル比で含む、請求項1に記載の正極活物質。 - 前記リン原子を有するオキソ酸がリン酸を含む、請求項1又は2に記載の正極活物質。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の正極活物質を含む、正極。
- 少なくとも、請求項4に記載の正極と、負極と、非水電解質と、外装体と、を備える、非水電解質二次電池。
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