JP2016110798A - 正極活物質、正極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents

正極活物質、正極、及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】過酷な温度及び充放電条件下で用いられた場合でも、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れた非水電解質二次電池を実現可能な正極活物質を提供すること。
【解決手段】工程a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸とを混合する工程、及びb.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程{前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m)、リン原子を有するオキソ酸の密度A(g/cm)、及びリン原子を有するオキソ酸の質量x(g)は、数式:1≧10x/AR>0の関係を満たす。}を経て得られ、Li、Ni、Mn、及びPの各原子を、数式群:0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び0.7/0.3≦Li/Pの関係を満たすモル比で含み、スピネル構造を有し、そして平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上である、非水電解質二次電池用正極活物質。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質、該正極活物質を含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池に関する。
近年の電子技術の発展及び環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが用いられている。特に、省エネルギー化への要請が多くあり、それに貢献できる蓄電デバイスへの期待はますます高くなっている。
蓄電デバイスの代表例であり、非水電解質二次電池の代表例でもあるリチウムイオン二次電池は、従来、主として携帯機器用充電池として使用されていたが、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用も期待されている。
しかしながら、リチウムイオン二次電池が自動車用途で用いられる場合、従来の携帯機器用として用いられる場合よりも、使用温度及び充放電の条件が過酷になる。そこで、そのような過酷な条件においても二次電池として良好に機能するよう、リチウムイオン二次電池には、サイクル特性及び高速充放電特性といった電池特性の更なる向上が求められている。
これらの特性の改良を目指して、特許文献1〜3に記載されている技術が提案されている。特許文献1の実施例では、AlPOを正極活物質にコーティングすることが記載されている。特許文献2では、正極活物質の表面に、硫黄(S)、リン(P)、及びフッ素(F)のうちの少なくとも一種を凝集させることが記載されている。
特許文献3では、リチウム含有複合酸化物粉末と、ホウ素及び/又はリンを含む水溶液とを混合して得られる混合物から水媒体を除去し、更に焼成を行う正極活物質の製造方法が記載されている。
特開2003−7299号公報 特開2011−82133号公報 国際公開第2006/085588号
しかしながら、特許文献1〜3に記載されている技術を始めとする従来の技術の中では、サイクル特性及び高速充放電特性の双方を満足するものは見出されていない。
例えば、特許文献1においては、リチウムイオン伝導性に乏しいAlPOの使用によって導電性が低下するなどの問題があるため、効果としては不十分である。この技術は、コーティング材に含まれるアルミニウム等の金属元素の一部を正極活物質に固溶させることによって耐久性を改善することを意図したものである。その効果は確かに見られるものの、固溶量が少ないと高温又は高充電電圧下におけるサイクル特性を十分に改善することができず、固溶量が多いと充放電容量が低下してしまうといった問題を生ずる。
特許文献2においては、添加した化合物が原因となって電解液分解やガスが発生し、或いは該化合物が電極表面を覆って導電性を阻害する等の不具合が生じるため、好ましいものではない。
更に、特許文献3においては、ガスの発生は抑制されるものの、サイクル特性及び高速充放電特性の改善は不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。自動車用途等の、従来よりも過酷な温度及び充放電条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れた非水電解質二次電池を実現可能な正極活物質、該正極活物質を含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った。その結果、
特定の金属原子を特定の割合(モル比)で含有する結晶性の正極活物質を調製する際に、
正極活物質前駆体と、該前駆体の表面積Rに対して特定の量(体積)のリン原子を有するオキソ酸とを、混合して焼成する工程を経由し、かつ
該正極活物質の平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上である場合
に、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 少なくとも下記工程a.及びb.;
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸とを混合する工程、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程
{ただし、前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m)、リン原子を有するオキソ酸の密度A(g/cm)、及びリン原子を有するオキソ酸の質量x(g)は、下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす。}
を経て得られ、
少なくともLi、Ni、Mn、及びPの各原子を、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含み、
スピネル構造を有し、そして
平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上であることを特徴とする、非水電解質二次電池用正極活物質。
[2] 更に、Q’(Q’は、Ni及びMn以外の遷移金属原子、並びにNa、K、Mg、Ca、Zn、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、B、及びSからなる群より選ばれる少なくとも1つの原子である)の原子を、下記数式:
0<Q’/Li≦0.3/0.7
の関係を満たすモル比で含む、[1]に記載の正極活物質。
[3] 前記リン原子を有するオキソ酸がリン酸を含む、[1]又は[2]に記載の正極活物質。
[4] [1]〜[3]のいずれか1項に記載の正極活物質を含む、正極。
[5] 少なくとも、[4]に記載の正極と、負極と、非水電解質と、外装体と、を備える、非水電解質二次電池。
本発明によれば、自動車用途等の、従来よりも過酷な温度及び充放電条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れた非水電解質二次電池を実現可能な正極活物質、該正極活物質を含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池を提供することができる。
本実施形態における非水電解質二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
〔正極活物質〕
本実施形態の正極活物質は、
少なくとも下記工程a.及びb.;
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸(以下、「P含有オキソ酸」ともいう。)を混合する工程、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程
{ただし、前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m)、P含有オキソ酸の密度A(g/cm)、及びP含有オキソ酸の質量x(g)が、下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす。}
を経て得られ、
少なくともLi、Ni、Mn、及びPの各原子を、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含み、スピネル構造を有し、そして
平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上である。
本実施形態の正極活物質は、リチウムを基準とした平均作動電位が4.5V以上であり、より好ましくは4.6V以上である。ここで、リチウム基準の「平均作動電位」とは、充放電時における作動電位であって、実施例に記載の方法により測定することができる。
従来の非水電解質二次電池は、リチウム基準の平均作動電位が4.2V以下に設定されている場合が多い。そのため、リチウム基準の平均作動電位が4.5V以上の正極活物質を備える非水電解質二次電池は、従来の非水電解質二次電池と比較して高い作動電圧に設定することができる。
一般に、非水電解質二次電池における平均作動電位を高くすると、電解液の分解等が促進され、サイクル特性、保存特性、及び連続充電特性が著しく低下するという課題が生じ得る。しかし、本実施形態に係る正極活物質は、平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上の高電位であっても、高電位における電解液の酸化分解を抑制し、サイクル特性及び高速充放電特性の双方が高いレベルで維持される。従って、本実施形態に係る正極活物質は、リチウム基準の平均作動電位が4.5V以上の正極活物質を用いた場合に生じ得る問題点を解決することができるものである。
〔正極活物質前駆体〕
本実施形態における正極活物質前駆体とは、少なくとも1種の遷移金属原子を含む化合物であって、所定量のP含有オキソ酸と混合した後に焼成することにより、本実施形態所定の正極活物質となる成分を指す。例えば、少なくとも1種の遷移金属原子を含む酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。典型元素金属(例えばLi)は、含まれてもよいし、含まれていなくてもよい。
本実施形態における正極活物質は、
Liと、
Ni及びMnからなる群より選択される1種以上の遷移金属原子と、
を含有するものである。この場合、Li、Ni、及びMnのモル比は、下記数式群:
0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、及び
0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2
の関係を満たす。Li/Mnの値は、好ましくは0.45〜0.95であり、より好ましくは0.50〜0.85である。Li/Niの値は、好ましくは1.00〜5.00であり、より好ましくは1.20〜3.50である。
本実施形態における正極活物質は、更に、P原子を、下記数式:
0.7/0.3≦Li/P
の関係を満たすモル比で含む。
このP原子は、P含有オキソ酸に由来する。Li/Pの値は、好ましくは2.50以上であり、より好ましくは5.00以上であり、最も好ましくは8.00以上である。ここで、正極活物質におけるPの量が極微量である場合であっても、本発明の効果は有効に発現する。そのため、Li/P値の上限を明確な数値として提示することには、ほとんど意味がない。しかしながら、当該値が有限の値を採るものであることは、当業者には明らかであろう。
本実施形態における正極活物質は、上記に加えて更に、Q’(Q’は、Ni及びMn以外の遷移金属原子、並びにNa、K、Mg、Ca、Zn、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、B、及びSからなる群より選ばれる少なくとも1つの原子である)の原子を、下記数式:
0<Q’/Li≦0.3/0.7
の関係を満たすモル比で含んでいてもよい。Q’としては、Ni及びMn以外の遷移金属原子、並びにNa、Mg、Ca、Zn、Al、Si、P、B、及びSからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子であることが好ましい。
Q’/Liの値は、好ましくは0.01〜0.40であり、より好ましくは0.05〜0.35である。
しかしながら、該正極活物質を製造するための前駆体は、上記の金属原子のすべてを有していてもよいし、上記の金属原子のうちの一部のみを有する化合物であってもよい。後者の場合、該前駆体及びP含有オキソ酸とともに、残余の金属原子を含む化合物を合わせて混合し、該混合物を焼成することにより、所望の金属原子を有する正極活物質を得ることができる。
正極活物質前駆体として、好ましくは、
(1)Liと、少なくとも1種以上の遷移金属原子と、
を含有する酸化物、並びに
(2)少なくとも1種以上の遷移金属原子を含有する水酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、及び塩化物から選択される化合物
からなる群より選択される1種以上である。
上記(1)及び(2)双方において、「遷移金属原子」とは、Ni及びMnの他、Q’のうちの「Ni及びMn以外の遷移金属原子」を包含する概念である。また、上記(1)及び(2)双方において、正極活物質前駆体は、Liと少なくとも1種以上の遷移金属原子とともに、Q’のうちの典型元素金属原子を更に含有していてもよい。
上記(2)の正極活物質前駆体に、Li原子は含まれていてもよいし含まれていなくてもよい。
上記(1)及び(2)双方において、これらの前駆体及びP含有オキソ酸とともに、Q’の炭酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される1種以上を合わせて混合したうえで、焼成に供してもよい。この場合、P含有オキソ酸の使用量を決定するための正極活物質前駆体の表面積(R)の決定に際して、Q’の化合物の寄与分は算入されない。
上記(2)の場合は、これらの前駆体及びP含有オキソ酸とともに、Liの炭酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される1種以上を合わせて混合して焼成に供することが好ましい。この場合、P含有オキソ酸の使用量を決定するための正極活物質前駆体の表面積(R)の決定に際して、遷移金属を含まないLiの化合物の寄与分は算入されない。
前記前駆体の製法としては特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば下記の方法によって合成したものを使用してもよい。
前記炭酸塩は、所望の金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化水素酸塩、塩化物等からなる群より選択される1種以上を適当な溶媒(例えば水)に溶解して水溶液とし、該水溶液を、別途アルカリに調整した炭酸イオンを含有する水溶液中に滴下することで生成する沈殿物を回収して乾燥することにより、得ることもできる。この場合の乾燥温度は、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは100〜200℃であり、更に好ましくは120〜180℃である。乾燥時間は、好ましくは1時間〜10時間であり、より好ましくは3時間〜8時間である。
前記酸化物は、所望の金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化水素酸塩、塩化物等からなる群より選択される1種以上を混合し焼成することで得ることもできる。混合方法としては、固体同士を力学的に混合してもよいし、可溶な溶媒に溶解させた後に溶媒を除去することにより混合してもよい。焼成温度は、好ましくは300℃以上であり、より好ましくは300〜1,200℃であり、更に好ましくは400〜1,000℃である。焼成時間は、好ましくは1時間〜10時間であり、より好ましくは3時間〜8時間である。
乾燥及び焼成の際の周囲雰囲気は、大気中で十分である。
〔オキソ酸〕
本実施形態に用いるオキソ酸としては、少なくとも、リン原子を有するオキソ酸(P含有オキソ酸)を使用する。P含有オキソ酸としては、無機化合物又は有機化合物を用いることができ、特に制限されない。その具体例としては、例えば、HPO、HPO、H、H10、(NHHPO、(NH)HPO等を挙げることができ、これらのうちの1種以上を使用することが好ましい。特に好ましくはHPOを使用することである。このようなP含有オキソ酸を用いることにより、過酷な温度及び充放電電流の条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方がより優れる正極活物質となる傾向にある。
P含有オキソ酸の密度(A)としては、原則として固体状態における密度を用いる。特定の条件下、例えば高圧化、極低温下等でしか固体が存在しないP含有オキソ酸の場合には、固体状態のP含有オキソ酸リチウムの密度で代用することができる。
P含有オキソ酸の酸解離定数(pKa)は、好ましくは12.01以下であり、より好ましくは7.65以下であり、更に好ましくは2.12以下である。pKaが12.01以下のP含有オキソ酸を用いて正極活物質前駆体を処理することにより、該正極活物質前駆体を構成する遷移金属の微量溶出、該正極活物質前駆体を構成する元素と該P含有オキソ酸とによる中間体の形成等が起こる場合がある。このような現象の発生により、得られる正極活物質の表面が安定化し、サイクル特性等がより向上する傾向にある。
P含有オキソ酸は、焼成温度(後述)以下の温度領域に融点を有することが好ましい。P含有オキソ酸が焼成温度以下の温度領域に融点を有することによって、正極活物質前駆体との間で均一な反応が進むために、サイクル特性及び高速充放電特性の双方がより優れる傾向にある。
P含有オキソ酸の融点は、好ましくは1,000℃以下であり、好ましくは300〜900℃である。
P含有オキソ酸の融点は熱重量−示差熱分析(Thermogravimetric − Differential Thermal Analysis;TG−DTA)及び示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)等の熱分析手段により、検出することができる。
〔正極活物質の製造方法〕
本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、
a.少なくとも、正極活物質前駆体と、P含有オキソ酸とを混合する工程(混合工程)、及び
b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程(焼成工程)
を経る必要がある。
(混合工程)
混合工程は、少なくとも、正極活物質前駆体と、P含有オキソ酸とを混合する工程である。
混合方法としては、特に限定されないが、例えば、
P含有オキソ酸を含有する水溶液又は有機溶液中に、正極活物質前駆体を入れて撹拌し混合する方法(方法1)、
正極活物質前駆体と固体状のP含有オキソ酸とを力学的に混合する方法(方法2)、
蒸着、スパッタ等の手段により、気体状のP含有オキソ酸を正極活物質前駆体と接触させる方法(方法3)
等が挙げられる。
前記方法(1)及び(2)における混合方法としては、特に限定されない。撹拌及び混合に用い得る装置としては、特に限定されないが、例えば、ミキサー、遊星ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、マグネチックスターラー等が挙げられる。
P含有オキソ酸を固体状態で混合する場合(前記方法2の場合)に使用するP含有オキソ酸の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは0.1〜50μmである。固体状のP含有オキソ酸の平均粒径が0.1μm以上であることにより、該P含有オキソ酸と正極活物質前駆体とをより均一に接触させることができる傾向にある。また、固体状のP含有オキソ酸の平均粒径が100μm以下であることにより、放電特性等の電池特性をより良好に維持することができる傾向にある。固体状のP含有オキソ酸の平均粒径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用いて、大粒子と小粒子とが等量となるメジアン径(d50)として測定することができる。
P含有オキソ酸と正極活物質前駆体との混合は、不均一であっても効果を奏するが、両者を均一に混合又は接触したうえで焼成工程に供することが、より好ましい。
P含有オキソ酸を含有する水溶液又は有機溶液を用いる場合(上記方法1の場合)、焼成前に、混合工程後の混合物から溶媒を除去する乾燥工程を経ることが好ましい。乾燥方法は特に限定されないが、正極活物質前駆体を均一に処理する観点から、撹拌終了後に加熱等によって徐々に溶媒を除去することが好ましい。また、P含有オキソ酸を含む水溶液又は有機溶液中に正極活物質前駆体を浸漬し、ろ過して溶媒を除去した後、乾燥させてもよい。
正極活物質の製造に用いるP含有オキソ酸の量は、その効果をより有効かつ確実に奏する観点から、正極活物質前駆体の表面積R(m)、P含有オキソ酸の密度A(g/cm)、及びP含有オキソ酸の質量x(g)が、
下記数式:
1≧10x/AR>0
の関係を満たす量である。更には、これらの値が、下記数式:
0.8≧10x/AR≧0.00001
の関係を満たすことが好ましく、特に、
0.1≧10x/AR≧0.0001
の関係を満たすことが最も好ましい。ここで、10x/ARが0である場合、及び10x/ARが1を上回る場合には、サイクル特性が低下する傾向にある。また、10x/ARが1を上回ると、高速充放電特性が低下する傾向にある。更に、10x/ARの値が0.1〜0.0001の値を取ることにより、正極活物質の表面が安定化して正極活物質同士の凝集が抑制され、その結果、最終的に得られる電極における抵抗が低減するため、サイクル特性及び高速充放電特性の双方が向上する傾向にある。
ここで、上記数式は、正極活物質の製造に用いられるP含有オキソ酸の体積(単位:cm)の、前駆体表面積(単位:m)に対する割合を規定する関係式である。従って、前駆体の表面積Rは平方メートル単位の数値で、P含有オキソ酸の密度はグラム毎立方センチメートル単位の数値で、それぞれ計算される。
この混合工程においては、正極活物質前駆体及びP含有オキソ酸の他に、リン原子を有さないオキソ酸(以下、「P非含有オキソ酸」ともいう。)を合わせて混合してもよい。P非含有オキソ酸としては、例えば、HBO、HCO、HSiO、HAsO、HAsO、HAsO、HBrO、HCN、HCNO、HIO、HClO、HMoO、HN、H、HSCN、HNO、HS、HSO、HSO、HSe、HSeO、HSiO(OH)、HTeO、HTeO、HVO、HWO、HAgO、HAlO、HCrO、HGeO、HSbO、HAuO、HGaO等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれる1種以上を使用することができる。
(焼成工程)
少なくともP含有オキソ酸及び正極活物質前駆体、並びに場合により更にLi化合物(及び/又はP非含有オキソ酸)を混合した後、焼成工程を経ることにより、正極活物質が得られる。この焼成工程を経ることにより、P含有オキソ酸と、正極活物質前駆体とが均一に反応し、サイクル特性等がより向上する傾向にある。
焼成温度は、好ましくは400℃以上1,000℃以下であり、より好ましくは600℃以上900℃以下であり、更に好ましくは700℃以上900℃以下である。焼成温度が400℃以上であることにより、P含有オキソ酸と正極活物質前駆体との反応が進行し、サイクル特性及び高速充放電特性がより向上する傾向にある。また、焼成温度が1,000℃以下であることにより、1次粒子成長速度が過度に増加して正極活物質の結晶粒子が大きくなり過ぎることをより抑制できる傾向にある。また、焼成温度が1,000℃以下であることにより、局所的にLi欠損量が過度に増大して構造的に不安定となることをより抑制できる傾向にある。更に、焼成温度が1,000℃以下であることにより、Li元素が占有するサイトと、遷移金属が占有するサイトとの間の元素置換を抑制できるため、Li伝導パスが維持され、放電容量も維持される。以上の効果により、正極活物質からの酸素脱離、結晶安定性の低下、充放電サイクル性能の低下、Liの揮発による正極活物質の組成の変化、及び正極活物質粒子の高密度化による電池性能の低下をより抑制できる傾向にある。また、焼成温度が700℃以上900℃以下であることにより、サイクル特性及び高速充放電特性の双方が更に向上する傾向にある。
焼成時間は、好ましくは1時間〜8時間であり、より好ましくは1〜5時間であり、更に好ましくは3〜5時間である。焼成時間が1〜8時間以上であることにより、サイクル特性及び保存特性が向上する傾向にある。
焼成工程の昇温速度は、好ましくは1℃/min〜50℃/minであり、より好ましくは1℃/min〜20℃/minである。昇温速度が50℃/min以下であることにより、P含有オキソ酸と正極活物質前駆体とがより均一に反応し、サイクル特性及び高速充放電特性がより向上する傾向にある。また、昇温速度が1℃/min以上であることにより、サイクル特性、保存特性等がより向上する傾向にある。
焼成工程の降温速度は、好ましくは1℃/min〜25℃/minであり、より好ましくは1℃/min〜10℃/minである。降温速度が25℃/min以下であることにより、正極活物質表面の抵抗を減少させることができ、サイクル特性及び高速充放電特性が向上する傾向にある。また、降温速度が1℃/min以上であることにより、焼成工程のプロセスタイムが短くなり、生産性がより向上する傾向にある。
焼成時の雰囲気としては、酸化性雰囲気下(例えば大気中)及び不活性雰囲気下(例えば窒素中)のいずれでもよく、特に限定されない。しかし、正極活物質表面及び内部で酸素の挿入及び脱離のどちらも起こり得る大気中における焼成が好ましい。
〔正極活物質〕
本実施形態における正極活物質は、スピネル構造を有する。
このスピネル構造は、一般式:LiX(Xは、少なくとも1種類以上の遷移金属を含む)として表すことができ、空間群
Figure 2016110798
に帰属されるディスオーダー構造でもよいし、空間群P432に帰属されるオーダー構造でもよいし、その両方の構造が混じっていてもよい。スピネル構造の一部又は全体が、立方晶、斜方晶、正方晶等の他の結晶構造に近い構造に変形してもよい。
正極活物質において、上記のようなスピネル構造結晶が、例えばXRD分析によって検出可能な程度の量で存在すれば、その含有率の大小にかかわらず、本発明が所期する効果を発現することができる。
正極活物質の比表面積は0.1m/g以上が好ましい。
また、正極活物質の比表面積は10.0m/g以下が好ましい。正極活物質の比表面積が0.1m/g以上であることにより、放電特性等の電池特性がより優れる傾向にある。一方で、正極活物質の比表面積が10.0m/g以下であることにより、サイクル特性及び保存特性がより優れる傾向にある。
〔非水電解質二次電池〕
本実施形態に係る非水電解質二次電は、少なくとも、本実施形態に係る正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、外装体と、を備える。このように、本実施形態に係る正極活物質は、非水電解質二次電池用であることが好ましい。このことにより、自動車用途等の、従来よりも過酷な温度及び充放電条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
図1は、本実施形態における非水電解質二次電池の一例を概略断面図で示すものである。図1に示される非水電解質二次電池100は、セパレーター110と、そのセパレーター110を両側から挟む正極120と負極130と、更にそれらの積層体を挟む正極集電体140(正極の外側に配置)と、負極集電体150(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装160と、を備える。正極120とセパレーター110と負極130とを積層した積層体は、電解液に含浸されている。
〔正極〕
本実施形態に係る正極は、本実施形態に係る正極活物質を含み、必要に応じて、導電材と、結着材と、集電体と、を含むことができる。
正極に含まれ得る導電材としては、電子を伝導できる公知のものを用いることができ、特に制限されない。その中でも、例えば、活性炭、各種コークス、カーボンブラック、アセチレンブラック等の非黒鉛炭素質材料、及び黒鉛から選択されることが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正極に含まれ得る結着材としては、正極活物質、導電材、及び集電体のうちの少なくとも2つを結着できる公知のものを用いることができ、特に制限されない。その中でも、結着材としては、ポリフッ化ビニリデン及びフッ素ゴムが好ましい。結着材は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正極に含まれ得る集電体としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス等から成る金属箔の他、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル、カーボンクロス、カーボンペーパー等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
〔負極〕
本実施形態に用いられる負極は、負極活物質と、結着材と、集電体と、を含むことが好ましい。
負極に含まれ得る負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な公知のものを用いることができる。その中でも、例えば、黒鉛粉末、メソフェーズ炭素繊維、及びメソフェーズ小球体等の炭素材料の他、金属、合金、酸化物、窒化物等が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極に含まれ得る結着材としては、負極活物質、導電材、及び集電体のうちの少なくとも2つを結着できる公知のものを用いることができ、特に限定されない。その中でも、例えば、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス、アクリル系ラテックス、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極に含まれ得る集電体としては、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、ステンレス等の金属箔の他、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル、カーボンクロス、カーボンペーパー等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
〔非水電解質〕
本実施形態における非水電解質は、電解質(塩)及び非水溶媒を含有することが好ましい。
本実施形態における非水電解質に用いられる電解質(塩)としては、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、例えば、LiPF(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n〔nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、LiPF(C、LiBF、LiAlO、LiAlCl、Li1212−b〔bは0〜3の整数〕、LiBF(C2s+14−q〔qは1〜3の整数、sは1〜8の整数〕、LiB(C、LiBF(C)、LiB(C、LiPF(C)等が挙げられる。これらの電解質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、本発明の目的をより有効かつ確実に達成する観点から、LiPFが好ましい。
本実施形態における非水電解質に用いられる非水溶媒としては、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。非水溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート;γーブチロラクトン、γーバレロラクトン等のラクトン;スルホラン等の環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート及び、メチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;アセトニトリル等のニトリル;ジメチルエーテル等の鎖状エーテル;プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン等の鎖状エーテルカーボネート化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
なお、本実施形態の非水電解質は、液体状であってもよく、固体電解質であってもよい。
〔セパレーター〕
本実施形態に用いられ得るセパレーターとしては、非水電解質二次電池に用いられる従来公知のものを用いることができ、特に制限されない。本実施形態におけるセパレーターは、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであればよい。
セパレーターとしては、例えば、合成樹脂製微多孔膜、不織布、抄紙、多孔膜、固体電解質のフィルム等が挙げられる。合成樹脂製微多孔膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂から成る微多孔膜が好適に用いられる。不織布、抄紙、及び多孔膜としては、それぞれ、例えば、セルロース、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、ポリオレフィン等から成るものを挙げることができる。これらの不織布、抄紙、及び多孔膜は、前記した樹脂と、アルミナ、シリカ等の1種以上の無機物との混合物から成るものであってもよく、又は前記した樹脂の表面の少なくとも一部が該無機物によって被覆されていてもよい。
〔外装体〕
本実施形態に用いられる外装体は、従来公知のものを用いることができ、特に制限されない。外装体の材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム等の金属、これらの金属の表面を樹脂で被覆したラミネートフィルム等が挙げられる。
本実施形態の非水電解質二次電池は、上述の構成を有する他は、従来公知のものと同様の構成を有していてもよい。本実施形態の非水電解質二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオンキャパシタが挙げられる。
本実施形態の非水電解質二次電池は、自動車用途等の、従来よりも過酷な温度及び充放電条件下で用いられた場合においても、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れたものとなる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
<正極活物質の合成>
硫酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業(株))と硫酸マンガン(II)五水和物(和光純薬工業(株))とを、遷移金属元素のモル比として1:3の割合で水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lであるニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度1mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液3,000mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間かけて滴下した。滴下中は、炭酸ナトリウム水溶液を攪拌しつつ、該水溶液中に200mL/minの流量の空気をバブリングした。上記の操作により析出物質が発生した。得られた析出物質を蒸留水で十分洗浄した後、100℃において8時間乾燥して、正極活物質前駆体であるニッケルマンガン化合物(炭酸塩)を得た。得られた正極活物質前駆体につき、カンタクロム社製オートソーブ―1を用いてBET法により測定した窒素吸着比表面積は、50m/gであった。
次いで、得られた正極活物質前駆体と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量し、更にHPO(融点:42.35℃、密度(A):1.834g/cm)を、10x/AR=0.001となるようなx(g)の質量にて添加した。
これらを1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下、800℃において5時間焼成(昇温速度:10℃/min、降温速度:10℃/min)することにより、正極活物質を得た。この正極活物質についてXRD測定を行った結果、該正極活物質がスピネル構造を有することが確認された。
<非水電解質二次電池の作製>
(1)正極の作製
上述のようにして得られた正極活物質と、導電助剤としてグラファイトの粉末(TIMCAL社製、KS−6)及びアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製、HS−100)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製、L#7208)とを、固形分比として80:5:5:10の質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いくことにより、正極を得た。
(2)負極の作製
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、OMAC1.2H/SS)及びグラファイト粉末(TIMCAL社製、SFG6)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いくことにより、負極を得た。
(3)非水電解質の調製
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/Lとなるように溶解することにより、非水電解質である電解液を得た。
(4)電池の作製
上述のようにして作製した正極と負極とをポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレーター(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。ここに、上記電解液を0.5mL注入し、上記の積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉することにより、非水電解質二次電池を作製した。
この電池を、後述の<電池評価>に供した。
(5)平均作動電位の測定
リチウムを基準とした正極活物質の平均作動電位を、次のようにして算出した。
上記「(4)電池の作製」において、負極として金属Liを直径16mmの円盤状に打ち抜いたものを使用した以外は、上記と同様にして電池を作製した。この電池を、0.05Cの定電流で充電し、4.9Vに到達した後、4.9Vの定電圧で2時間充電し、更に0.3Cの定電流で3.0Vまで放電した。その時の充電電力容量及び充電電気容量、並びに放電電力量及び放電電気容量を用いて、平均作動電位を下記数式により算出した。
平均作動電位=((充電電力容量(mWh/g)/充電電気容量(mAh/g))+(放電電力容量(mWh/g)/放電電気容量(mAh/g)))/2
<電池評価>
(1)初期充放電
上記「(4)電池の作製」で得られた非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD−01)に接続した。次いで、この電池を、0.05Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で2時間充電し、更に0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。
なお、1Cとは、電池が1時間で放電される電流値である。
(2)高速充放電試験
上記初期充放電後の電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD−01)に接続した。次いで、この電池を、1/3Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に1/3Cの定電流で3.0Vまで放電した。続いて、この電池を、1/3Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に5Cの定電流で3.0Vまで放電した。更に続いて、この電池を、1/3Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に10Cの定電流で3.0Vまで放電した。
この時、1/3Cの定電流で3.0Vまで放電したときの放電容量を基準として、5Cの定電流で3.0Vまで放電した時の放電容量維持率を調べた。この結果を表1に示した。
(3)サイクル試験
上記初期充放電後の電池を、50℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD−01)に接続した。次いで、この電池を、1Cの定電流で4.8Vまで充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、更に1Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとして繰り返した時の、1サイクル目の放電容量を基準として、100サイクル目における放電容量維持率を調べた。この結果を表1に示した。
実施例2〜5及び比較例1
上記実施例1の<正極活物質の合成>において、HPOの添加量(x(g))を、10x/ARの値が表1に記載の値となるような質量x(g)に添加したこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。これらの正極活物質についてXRD測定を行った結果、これらの正極活物質のいずれもがスピネル構造を有することが確認された。
これらの正極活物質を用いて、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
実施例6
<正極活物質の合成>
硫酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業(株))と硫酸マンガン(II)五水和物(和光純薬工業(株))とを、遷移金属元素のモル比として1:3の割合で水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lであるニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度1mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液3,000mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間かけて滴下した。なお、滴下時には、炭酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら、該水溶液に200mL/minの流量の空気をバブリングしながら吹き込んだ。これにより析出物質が生成した。析出物質を回収し、蒸留水で十分洗浄し、100℃において12時間乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量した。これらを1時間乾式混合した後、得られた混合物を、酸素雰囲気下、1,000℃において4時間焼成し、正極活物質前駆体(酸化物)を得た。この正極活物質前駆体につき、カンタクロム社製オートソーブ―1を用いてBET法により測定した窒素吸着比表面積は、0.6m/gであった。
次いで、上記で得られた正極活物質に、HPOを10x/AR=0.1となるようなx(g)の質量にて添加した。
これらを1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下、800℃において5時間焼成(昇温速度:10℃/min、降温速度:10℃/min)することにより、正極活物質を得た。この正極活物質についてXRD測定を行った結果、該正極活物質がスピネル構造を有することが確認された。
上記の正極活物質を用いた以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
実施例7〜9、並びに比較例2及び4
上記実施例6の<正極活物質の合成>において、HPOの添加量(x(g))を、10x/ARの値が表1に記載の値となるような質量x(g)に変更したこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を合成した。これらの正極活物質についてXRD測定を行った結果、これらの正極活物質のいずれもがスピネル構造を有することが確認された。
これらの正極活物質を用いて、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。
なお、比較例2においては、HPOの添加混合及び焼成を行わなかった。
評価結果を表1に示した。
比較例3
上記実施例6の<正極活物質の合成>において、HPOを添加混合後、焼成をしなかったこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を合成した。この正極活物質についてXRD測定を行った結果、該正極活物質がスピネル構造を有することが確認された。 この正極活物質を用いて、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2016110798
本発明の非水電解質二次電池は、例えば各種民生用機器用電源、自動車用電源等に、好適に適用することができる。
100 非水電解質二次電池
110 セパレーター
120 正極
130 負極
140 正極集電体
150 負極集電体
160 電池外装

Claims (5)

  1. 少なくとも下記工程a.及びb.;
    a.少なくとも、正極活物質前駆体と、リン原子を有するオキソ酸とを混合する工程、及び
    b.前記工程a.で得られた混合物を焼成する工程
    {ただし、前記工程a.において、正極活物質前駆体の表面積R(m)、リン原子を有するオキソ酸の密度A(g/cm)、及びリン原子を有するオキソ酸の質量x(g)は、下記数式:
    1≧10x/AR>0
    の関係を満たす。}
    を経て得られ、
    少なくともLi、Ni、Mn、及びPの各原子を、下記数式群:
    0.7/1.8≦Li/Mn≦1.3/1.2、
    0.7/0.8≦Li/Ni≦1.3/0.2、及び
    0.7/0.3≦Li/P
    の関係を満たすモル比で含み、
    スピネル構造を有し、そして
    平均作動電位がリチウム基準で4.5V以上であることを特徴とする、非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 更に、Q’(Q’は、Ni及びMn以外の遷移金属原子、並びにNa、K、Mg、Ca、Zn、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、B、及びSからなる群より選ばれる少なくとも1つの原子である)の原子を、下記数式:
    0<Q’/Li≦0.3/0.7
    の関係を満たすモル比で含む、請求項1に記載の正極活物質。
  3. 前記リン原子を有するオキソ酸がリン酸を含む、請求項1又は2に記載の正極活物質。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の正極活物質を含む、正極。
  5. 少なくとも、請求項4に記載の正極と、負極と、非水電解質と、外装体と、を備える、非水電解質二次電池。
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