JP2012146433A - 電池及び電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋体と有底筒状のケースとの溶接不良を抑制することを目的とする。
【解決手段】第1の方向において向き合う一対の短辺内面11及び前記第1の方向に直交する第2の方向において向き合う一対の長辺内面12を備える側壁部13と、底壁部14とを有する有底筒状のケース本体10に発電要素が収容され、ケース本体10の開口部を平板状の蓋体20を溶接することにより閉塞した電池において、長辺内面12の前記第1の方向の長さは、短辺内面11の前記第2の方向の長さよりも長く、短辺内面11には、蓋体20を支持する支持部110が形成されており、支持部110は、第1の支持領域部111と、第1の支持領域部111よりも長辺内面12に近接して位置する第2の支持領域部112とを備え、第1の支持領域部111は、第2の支持領域部112よりも、前記第1の方向におけるケースの内側方向に突出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池を収容するケースの構造及びその製造方法に関するものである。
扁平状の角型ケースに発電要素を収容したいわゆる角型電池が知られている。角型ケースは、互いに向き合う長辺側壁面と、この長辺側壁面に直交して互いに向き合う短辺側壁面とを備える有底筒状のケースと、この有底筒状のケースの内面に溶接される蓋体とにより構成される(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−135282号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、蓋体と短辺側壁面との溶接不良を招くおそれがあった。そこで、本願発明は蓋体と有底筒状のケースとの溶接不良を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明は(1)第1の方向において互いに向き合う一対の第1の内面及び前記第1の方向に直交する第2の方向において互いに向き合う一対の第2の内面を備える側壁部と、底壁部とを有する有底筒状のケースに発電要素が収容され、前記ケースの開口部を平板状の蓋体を溶接することにより閉塞した電池において、前記第2の内面の前記第1の方向の長さは、前記第1の内面の前記第2の方向の長さよりも長く、前記第1の内面には、前記蓋体を支持する支持部が形成されており、前記支持部は、第1の支持領域部と、前記第1の支持領域部よりも前記第2の内面に近接して位置する第2の支持領域部とを備え、前記第1の支持領域部は、前記第2の支持領域部よりも、前記第1の方向におけるケースの内側方向に突出していることを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記第1の支持領域部は、前記第1の内面における前記第2の方向の中央部を含む領域に位置するのが好ましい。(2)の構成によれば、最も隙間が生じやすい前記中央部に前記第1の支持領域部が位置するため、より効果的に溶接不良を抑制することができる。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記開口部の開口方向視において、前記支持部は、前記第1の内面における前記第2の方向の中央部に近づく程突出量が大きくなる弧形状に形成することができる。また、(4)上記(1)又は(2)の構成において、
前記第2の支持領域部は、前記第1の内面における前記第2の方向の中央部に接近するに従って、前記第1の方向における前記ケースの内側方向への突出量が大きくなる傾斜形状に形成されており、前記第1の支持領域部は、前記第1の方向におけるケースの内側方向への突出量が一定である等幅形状に形成することができる。
上記課題を解決するために、本願発明は(5)上記(1)に記載の電池を製造する製造方法において、前記発電要素を前記ケースに収容する第1のステップと、前記蓋体を、前記支持部に載置して前記ケースの前記開口部に位置決めする第2のステップと、前記第2の内面を前記蓋体に接近させる方向に前記側壁部を押圧する第3のステップと、前記側壁部を押圧した状態で前記第2の内面と前記蓋体とを溶接により接合する第4のステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、蓋体と有底筒状のケースとの溶接不良を抑制することができる。
ケース本体の斜視図である。 ケース本体の製造方法を模式的に示した模式図である。 接合方法を模式的に示した模式図である(S201〜S204まで)。 接合方法を模式的に示した模式図である(S205〜S207まで)。 ケース本体を上斜方向から視た斜視図である(加圧前)。 ケース本体をY1−Y1´で切断した断面図である(加圧前)。 ケース本体をX1−X1´で切断した断面図である(加圧前)。 ケース本体を上斜方向から視た斜視図である(加圧後)。 ケース本体をY2−Y2´で切断した断面図である(加圧後)。 ケース本体をX2−X2´で切断した断面図である(加圧後)。 変形例1のケース本体の斜視図である。
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る電池のケース本体について説明する。図1はケース本体の斜視図であり、一部を省略して図示する。X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する三軸を示す。ケース本体10は、側壁部13と底壁部14(図5C等参照)とを備える有底筒状のケースである。
側壁部13は、Y軸方向(第1の方向)において互いに向き合う一対の短辺内面11(第1の内面)と、X軸方向(第2の方向)において互いに向き合う一対の長辺内面12(第2の内面)とを備える。長辺内面12のY軸方向の長さは、短辺内面11のX軸方向の長さよりも長く形成されている。なお、ケース本体10の四隅(X−Y面方向における四隅)は屈曲している。
短辺内面11には、蓋体20を支持する支持部110が形成されている。支持部110は、第1の支持領域部111と、第1の支持領域部111よりも長辺内面12に近接して位置する第2の支持領域部112とを備える。図1では、第1の支持領域部111及び第2の支持領域部112をそれぞれハッチングで示している。第1の支持領域部111は、短辺内面11におけるX軸方向の中央部を含む領域に位置する。なお、図6に図示するように、蓋体20はケース本体10の開口部を閉塞しており、側壁部13の内周面における周方向全体に溶接により接合されている。
第1の支持領域部111は、第2の支持領域部112よりも、Y軸方向におけるケース本体10の内側方向に突出している。本実施形態では、Z軸方向視において、支持部110をケース本体10の内側方向に向けて凸となる方向に弧状に形成することにより、第1の支持領域部111及び第2の支持領域部112を得ている。なお、長辺内面12にも支持部120が形成されている。この支持部120は、X軸方向の幅が一定であり、Y軸方向に沿って延びている。
上述の構成によれば、最も隙間が生じやすい前記中央部に対応した位置に第1の支持領域部111が位置するため、蓋体20及び短辺内面11における溶接不良をより効果的に抑制することができる。当該効果の詳細は、後で述べる。
次に、図2を参照しながら、ケース本体10の製造方法について説明する。図2はケース本体10の製造方法を模式的に示した模式図である。ステップS101において、ケース本体10の母材となる板材100を準備し、これをステップS102の絞り工程に向けて搬送する。板材100はステンレスであってもよい。ステップS102において、板材100に対して図示しない絞り用ポンチを下動させて、絞り加工を行う。なお、板材100は図示しないしわ抑え金型によりダイスに抑えつけられた状態で絞り加工される。なお、以下の説明において、絞り加工された板材100を、ケース本体母材110と称するものとする。
ステップS103において、図示しない段差ポンチをケース本体母材110の鍔部110aにおける内縁部分に当接させ、段差を形成する。ステップS104において、鍔部110aを切断して、ケース本体10を得る。本実施形態では、絞り加工によってケース本体10を製造したが他の方法であってもよい。当該他の方法は、溶融した金属を鋳型に流し込む鋳造方法であってもよい
次に、ケース本体10に蓋体20を接合する接合工程を含む電池の製造方法について説明する。図3及び図4は、電池の製造方法を模式的に示した模式図である。これらの図において、矢印は製造方法の工程順序を示している。
ステップS201において、発電要素40を構成するシート体を巻き回して捲回体にする。ここで、発電要素40は、正極体41と、負極体42と、正極体41及び負極体42の間に配置されたセパレータ43とを含む。ここで、正極体41は、正極用集電体と、正極用集電体の表面に塗布された正極層とで構成されている。ただし、正極用集電体には正極層を塗布しない正極側末塗工部41aが形成されている。
正極層とは、正極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。正極用集電体には、アルミニウムを用いることができる。正極層の活物質には、リチウム−遷移金属複合酸化物を用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
負極体42は、負極用集電体と、負極用集電体の表面に塗布された負極層とで構成されている。ただし、負極用集電体には負極層を塗布しない負極側末塗工部42aが形成されている。
負極層とは、負極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。負極用集電体には、銅を用いることができる。負極層の活物質には、カーボンを用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
図3を参照して、電池の製造方法の説明に戻る。ステップS202において、捲回体を矢印P1方向に圧縮して扁平状にする。ステップS203において、蓋体20及び発電要素40を接続する。ここで、蓋体20は、上面に負極端子61及び正極端子62を備える。蓋体20は、さらに電解液を注入するための注入口71を備える。負極端子61は、負極集電端子52を介して負極側末塗工部42aに電気的に接続されている。正極端子62は、正極集電端子51を介して正極側末塗工部41aに電気的に接続されている。したがって、発電要素40は、蓋体20に吊り持ち支持された状態で蓋体20とともにユニット化される。
ステップS204において、ユニット化された発電要素40及び蓋体20をケース本体10のケース内に向かって移動させる。図5は発電要素40がケース本体10のケース内に収容された状態を示している。図5Aはケース本体10を上斜方向から視た斜視図であり、図5Bはケース本体10をY1−Y1´で切断した断面図であり(一部を省略している)、図5Cはケース本体10をX1−X1´で切断した断面図である。
図5A及び図5Cを参照して、一対の長辺内面12には発電要素40が当接しており、この発電要素40によって長辺内面12は外側方向(矢印P2方向)に押圧されている。そのため、一対の長辺内面12は蓋体20側に向かって末広がり形状となっている。つまり、一対の長辺内面12における上端部の間隔をa、一対の長辺内面12における下端部の間隔をbとしたとき、aはbよりも大きくなっている。
図4を参照して、電池の製造方法の説明に戻る。ステップS205において、ケース本体10をケースの内側方向(矢印P3方向)に押圧しながら、長辺内面12の支持部120及び蓋体20を溶接により接合する。ここで、図6は、ケース本体10をケースの内側方向に押圧した状態を示している。図6Aはケース本体10を上斜方向から視た斜視図であり、図5Aに対応する。図6Bはケース本体10をY2−Y2´で切断した断面図であり、図5Bに対応する。図6Cはケース本体10をX2−X2´で切断した断面図であり、図5Cに対応する。
図6Cに図示するように、ケース本体10をケースの内側方向(矢印P3方向)に押圧すると、長辺内面12の支持部120は蓋体20を支持する支持位置に移動する。蓋体20が支持部120に支持された状態で、ケース本体10の内面及び蓋体20の側面を溶接により接合する。溶接方法は、レーザ溶接であってもよい。レーザ溶接は、ケース本体10及び蓋体20の間にレーザを照射することにより行われる。このように、本実施形態の構成によれば、蓋体20が支持部120に支持された状態で長辺内面12及び蓋体20を溶接により接合することができる。これにより、溶接不良を効果的に抑制することができる。
図6A及び図6Bを参照して、一対の長辺内面12が互いに接近する方向に押圧されると、一対の短辺内面11は、蓋体20の側面から離間する方向に膨らむ。ここで、短辺内面11のうちX軸方向の中央部が最も大きく膨らむ。
本実施形態では、この中央部に対応した位置に第1の支持領域部111が形成されているため、この第1の支持領域部111によって蓋体20を確実に支持して位置決めすることができる。すなわち、図6A乃至図6Cに図示する状態においてケース本体10を上方から視ると、ケース本体10及び蓋体20の間に形成された隙間内に支持部110、120が位置する。そのため、これらの支持部110、120によってケース本体10の内部が封止される。
したがって、長辺内面12に加えて短辺内面11についても、溶接不良を抑制することができる。さらに、ケース本体10及び蓋体20を溶接する溶接領域において、ケース本体10の内外を連通する隙間を少なくできるため、溶接用のレーザ、或いは溶接中に飛散するスラグ、金属粒(スパッタ)がケース本体10の内部に混入するのを抑制することができる。これにより、電池の性能を維持することができる。
ここで、比較例としてY軸方向の幅が一定の支持部を短辺内面11に形成した場合、一対の長辺内面12を互いに接近する方向に押圧することにより、蓋体20と支持部との間にケース本体10の内外を連通する隙間が形成されるおそれがある。そのため、溶接不良を招き、溶接用のレーザ、スパッタがケース本体10の内部に混入するおそれがある。本実施形態の構成によれば、このような問題を解消することができる。
図4を参照して、電池の製造方法の説明に戻る。ステップS206において、電解液注入装置80の排出口を蓋体20の注入口71に差し込み、ケース本体10の内部に電解液を注入する。ステップS207において、注液栓を注入口71に位置決めして、レーザ溶接により接合する。組み立てられた電池は活性化工程に搬送され、この活性化工程において充電されることにより活性化される。
(変形例1)
図7は、変形例1のケース本体の斜視図であり、図1に対応する。ケース本体は支持部の構造が上記実施形態と異なる。したがって、支持部の構成を中心に説明し、他の構成については同一符合を付して説明を簡略化する。支持部210は、第1の支持領域部211と、第1の支持領域部211よりも長辺内面12に近接して位置する第2の支持領域部212とを備える。第1の支持領域部211は短辺内面11のX軸方向の中央部に対応した位置に形成されている。
第1の支持領域部211は、第2の支持領域部212よりも、Y軸方向におけるケース本体10の内側方向に突出している。すなわち、本変形例では、第1の支持領域部211はX軸方向に直線的に延びており、第2の支持領域部212は長辺内面12に接近する程突出量が減少するテーパ形状に形成されている。
上述の構成によれば、上記実施形態と同様に、ケース本体10及び蓋体20の溶接不良を効果的に抑制することができる。
10 ケース本体 11 短辺内面 12 長辺内面
13 側壁部 14 底壁部 20 蓋体 110(210) 支持部
111(211) 第1の支持領域部 112(212) 第2の支持領域部

Claims (5)

  1. 第1の方向において互いに向き合う一対の第1の内面及び前記第1の方向に直交する第2の方向において互いに向き合う一対の第2の内面を備える側壁部と、底壁部とを有する有底筒状のケースに発電要素が収容され、前記ケースの開口部を平板状の蓋体を溶接することにより閉塞した電池において、
    前記第2の内面の前記第1の方向の長さは、前記第1の内面の前記第2の方向の長さよりも長く、
    前記第1の内面には、前記蓋体を支持する支持部が形成されており、
    前記支持部は、第1の支持領域部と、前記第1の支持領域部よりも前記第2の内面に近接して位置する第2の支持領域部とを備え、
    前記第1の支持領域部は、前記第2の支持領域部よりも、前記第1の方向におけるケースの内側方向に突出していることを特徴とする電池。
  2. 前記第1の支持領域部は、前記第1の内面における前記第2の方向の中央部を含む領域に位置することを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記開口部の開口方向視において、前記支持部は、前記第1の内面における前記第2の方向の中央部に近づく程突出量が大きくなる弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
  4. 前記第2の支持領域部は、前記第1の内面における前記第2の方向の中央部に接近するに従って、前記第1の方向における前記ケースの内側方向への突出量が大きくなる傾斜形状に形成されており、
    前記第1の支持領域部は、前記第1の方向におけるケースの内側方向への突出量が一定である等幅形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
  5. 請求項1に記載の電池を製造する製造方法において、
    前記発電要素を前記ケースに収容する第1のステップと、
    前記蓋体を、前記支持部に載置して前記ケースの前記開口部に位置決めする第2のステップと、
    前記第2の内面を前記蓋体に接近させる方向に前記側壁部を押圧する第3のステップと、
    前記側壁部を押圧した状態で前記第2の内面と前記蓋体とを溶接により接合する第4のステップと、を有することを特徴とする電池の製造方法。

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