JP2012144837A - ポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法とその方法により染色した編地及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材 - Google Patents

ポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法とその方法により染色した編地及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有し、強力保持性に優れるうえ、意匠性に富んだ編地にできるようにする。
【解決手段】ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみで編成された編地の染色方法である。ポリウレタン系弾性繊維は、主としてポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤との反応で得られたポリウレタン系弾性繊維であり、スルホン酸基を含む重合体を含有している。ポリウレタン系弾性繊維を、編地の編成の前と後との少なくともいずれかにおいて、カチオン染料を用いて、30℃以上130℃以下で染色する。
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法に関し、さらに詳しくは、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有し、強力保持性に優れるうえ、意匠性に富んだ編地にできる、ポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法とその方法により染色した編地及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材に関する。
ポリウレタン系弾性繊維は、その優れた伸縮特性から、フィットネスウエア、レオタード、スパッツ、レッグウエア、インナーウエア、スポーツウエア、水着などの伸縮性衣料用途や、産業資材用途に幅広く使用されている。このような弾性繊維は、一般的に様々な素材に混用して用いられ、例えばポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維やアクリル系繊維などの合成繊維だけでなく、綿、ウール、レーヨンといった天然繊維や半合成繊維とも組み合わされ、最近ますます広範に使用されている。しかも近年では、更に身体にフィットして動きやすく、快適性を追求する衣料が望まれており、これら弾性繊維を用いた衣料においても種々の技術的改良が提案されている。
しかし、上記のポリウレタン系弾性繊維は、高い堅牢度の染色が容易でなく、変色や退色、色落ちなどを生じ易く、他の衣料への色移りを生じる等の問題があった。このため、従来は、ポリウレタン系弾性繊維を用いて伸縮性を高める場合であっても、所望の色彩に染色して意匠性を高めるには、染色の容易な天然繊維や合成繊維など、他の非弾性繊維と組み合わせて用いられていた。
例えば、合成繊維などの非弾性繊維とポリウレタン系弾性繊維とをプレーティング編等で組み合わせて用いることにより、伸長性と伸長回復性、フィット性に優れる丸編地が提案されており、使用される弾性繊維は、ポリエステル繊維などの非弾性繊維と混繊したものや、周囲に非弾性繊維を捲回したカバーリング糸のほか、ベア糸(裸糸)も好ましく用いられている(例えば、特許文献1、2参照、以下、従来技術1という。)。
また、約80%のアクリル繊維の糸条と約20%のポリウレタン系弾性繊維の糸条とを交編させることにより、寸法安定性がよく、ストレッチ性に優れる水着用編地が提案されている(例えば、特許文献3参照、以下、従来技術2という。)。
しかしながら、上記の従来技術1では、伸長性が一定面積における編地のループ数(コース数とウェール数の掛け算)、即ち編地密度により決まることから、伸長性には限界があった。また非弾性繊維を含むことから、繰り返し着用による編地の歪みが徐々に増大するため、フィット性の低下を避けることが困難であった。
また上記の従来技術2では、染色処理など各種の処理で上記の非弾性繊維が収縮して皺を生じ易く、このため、この非弾性繊維とともにポリウレタン系弾性繊維を、例えば195℃等の高温で熱セットして寸法安定性を向上させていた。この結果、ポリウレタン系弾性繊維のパワーロスを避けることは困難であり、伸長性を高く維持することが容易でない問題があった。
特開2009−174099号公報 特開2006−328567号公報 特開2005−120521号公報
本発明の技術的課題は上記の問題点を解消し、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有し、強力保持性に優れるうえ、意匠性に富んだ編地にできる、ポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法とその方法により染色した編地、及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するために、次のように構成したものである。
即ち本発明1はポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法に関し、ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみで編成された編地の染色方法であって、上記のポリウレタン系弾性繊維が、主としてポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤との反応で得られたポリウレタン系弾性繊維であるとともに、スルホン酸基を含む重合体を含有しており、上記の編成の前と後との少なくともいずれかにおいて、カチオン染料を用いて、30℃以上130℃以下で染色することを特徴とする。
また本発明2はポリウレタン系弾性繊維からなる編地に関し、ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用した編地であって、上記の本発明1の染色方法により染色したことを特徴とする。
また本発明3は伸縮性衣料に関し、上記の本発明2のポリウレタン系弾性繊維からなる編地を用いたことを特徴とする。
さらに本発明4は伸縮性衣料資材に関し、上記の本発明2のポリウレタン系弾性繊維からなる編地を用いたことを特徴とする。
上記の編地はポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用しているので、優れた伸縮性を備えており、繰り返し着用しても歪みや型崩れの発生がなく寸法安定性に優れており、良好な伸縮性がいつまでも十分に維持されていて、肌へのフィット性が良好である。また、上記のポリウレタン系弾性繊維は、主としてポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤との反応で得られたポリウレタン系弾性繊維であるとともに、スルホン酸基を含む重合体を含有しており、カチオン染料を用いて、30℃以上で染色されるので、変色や退色、色落ちなどが生じ難く、優れた染色堅牢度が発揮される。しかも染色温度は130℃以下であるので、ポリウレタン繊維の脆化が抑制され、上記の伸縮性が良好に維持されるうえ、強力も良好に保持される。
上記の染色を、上記の編成後の編地に対し施す場合にあっては、編地がポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用しているので、寸法安定性に優れており、寸法変化率が小さく、皺の発生がないことから、プレセットや仕上げセットなどの熱セットを省略することも可能である。しかし、染色を施したのち、所定の温度で仕上げセットすると、編地の表面が平滑になるうえ、編糸同士の一部が融着し易く、これにより、この編糸が編目から飛び出した状態に維持される、いわゆる「ヒケキズ」現象や、ポリウレタン系弾性繊維の編糸が切断されると次々に編目が解ける、いわゆる「ラン」現象の発生を低減できて好ましい。なお、上記の仕上げセット温度は、編地の品位や寸法安定性の観点から、好ましくは190℃以下で行われ、150〜180℃で熱セットすることが、ポリウレタン系弾性繊維の脆化抑制の観点からより好ましい。
上記の本発明2の編地は、ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用して編成されているので、寸法安定性に優れており、繰り返し着用したときの編地の弛みを防ぐことができるが、JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の、8.39(寸法変化)に規定のG法(家庭用電気洗濯機法)による試験方法で測定した寸法変化率が、ウェール方向(経方向)及びコース方向(緯方向)ともに−2%以上、+2%以下であると、一層優れた寸法安定性を発揮できるので好ましく、上記の寸法変化率が−1%以上、+1%以下であるとより好ましい。
また、上記の本発明2の編地は、特定の繊度の編糸を用いたものや特定の編地密度や編目構造のものに限定されず、200%伸長時の応力も、ポリウレタン系弾性繊維の繊度や編地密度のほか編目構造によっても異なり、特定の値に限定されない。
しかし上記のポリウレタン系弾性繊維からなる編糸の繊度(総繊度)は、11dtex以上であると好ましく、22dtexであるとより好ましく、33dtexであるとさらに好ましい。またこの編糸の繊度の上限は特定の値に限定されないが、大きすぎると編地が厚手になるので、好ましくは310dtex以下とされ、より好ましくは156dtex以下にされる。
また上記の編地の200%伸長時の応力は、100cNよりも小さいと、この編地を用いた衣料を装着した際の締め付け感が低下してフィット感が得られず、3000cNよりも大きいと、装着時に身体の動きを拘束してしまうので好ましくない。従ってこの編地の200%伸長時の応力は、衣料の用途によっても異なるが、好ましくは100〜3000cNに設定され、より好ましくは100〜2000cNに設定され、さらに好ましくは100〜1000cNに設定され、最も好ましくは100〜600cNに設定される。これらの繊度の編糸を用いて上記の200%伸長時の応力に設定することで、身体を過剰に拘束することなく、肌へのフィット性を良好にすることができる。
上記の本発明2の編地は、伸縮性、寸法安定性及び肌へのフィット性に優れるので、これらが要求される任意の用途に使用でき、特にフィットネスウエア、レオタード、スパッツ、レッグウエア、インナーウエア、スポーツウエア、水着など各種の伸縮性衣料や、滑り止めテープ、ウエストバント、下着用テープなど各種の伸縮性衣料資材に、単独で若しくは他の織物や編物と組み合わせて好適に用いられる。
本発明のポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法とその方法により染色した編地及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材は、上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
上記の編地は、ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用しているので、優れた伸縮性を備えており、繰り返し着用しても歪みや型崩れの発生がなく寸法安定性に優れており、良好な伸縮性がいつまでも十分に維持され、肌へのフィット性が良好である。
また、ポリウレタン系弾性繊維を良好に染色でき、優れた染色堅牢度を発揮することができる。しかも、染色温度が130℃以下であるので、ポリウレタンの脆化を抑制でき、上記の優れた伸縮性等を良好に維持でき、強力も良好に保持できる。これらの結果、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有し、強力保持性に優れるうえ、意匠性に富んだ編地を提供することができる。
実施例1の丸編地の編組織図である。 実施例2の丸編地の編組織図である。 実施例3の丸編地の編組織図である。 実施例1〜4の、染色堅牢度の測定結果を示す測定結果対比表1である。 実施例1〜10の、染色温度と破裂強力の測定結果を示す測定結果対比表2である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明は、ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみで編成された編地を染色する方法に関する。上記のポリウレタン系弾性繊維は、主としてポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤との反応で得られたポリウレタン系弾性繊維であり、且つ、スルホン酸基を含む重合体を含有している。そしてこのポリウレタン系弾性繊維は、上記の編地の編成の前と後との少なくともいずれかにおいて、カチオン染料を用いて、30℃以上130℃以下で染色される。
上記の染色に用いる染色機としては特に制限はなく、浸染、捺染のどちらでもよいが、通常の液流染色機、ビーム染色機、パドル染色機などが生産性や均一染色の観点から好ましい。
上記の染色温度は、30℃以上130℃以下であれば任意に設定できるが、染色堅牢度や染品位の観点からは50℃以上であるとより好ましく、編地の強力を高く保つ観点からは、100℃以下であるとより好ましく、90℃以下であるとさらに好ましい。また、染色後の乾燥は、通常の方法にて130℃以下で乾燥することが好ましい。
上記の編地はポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみで編成されているので寸法安定性に優れており、寸法変化率が小さく、皺の発生がないことから、染色処理におけるプレセットやファイナルセットなどの熱セットを省略することが可能である。しかし上記の編地は、表面を平滑化するなどの理由から染色後の編地に熱セットを仕上げセットとして施してもよい。この仕上げセットは、編地の品位や寸法安定性の観点から、好ましくは190℃以下で行われ、150〜180℃で熱セットすることが、ポリウレタン系弾性繊維の脆化抑制の観点からより好ましい。
なお、上記の熱セットの加熱時間は、特に限定されるものではなく、例えば30秒〜5分の範囲内に設定される。
上記のポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用した編地は、寸法安定性に優れており、繰り返し着用したときの編地の弛みを防ぐことができる。またこの編地は、JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の、8.39(寸法変化)に規定のG法(家庭用電気洗濯機法)による試験方法で測定した寸法変化率が、ウェール方向及びコース方向ともに−2%以上、+2%以下であると、一層優れた寸法安定性を発揮できて好ましく、−1%以上、+1%以下であることがより好ましい。
また上記のポリウレタン系弾性繊維からなる編糸は、繊度(総繊度)が11dtex以上であると好ましく、22dtexであるとより好ましく、33dtexであるとさらに好ましい。またこの編成糸の繊度の上限は特定の値に限定されないが、大きすぎると編地が厚手になるので、好ましくは310dtex以下とされ、より好ましくは156dtex以下にされる。なおこの編糸の破断伸度は300%以上であることが好ましい。編糸の断面形状は、円形であってもよく、扁平やその他の形状であってもよい。
また上記のポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用した編地は、200%伸長時の応力が100〜3000cNに設定されている。200%伸長時の応力が100cN以下では、締め付け感が低下してしまい、3000cN以上では身体の動きを拘束してしまうので好ましくない。従って、上記の200%伸長時の応力は、衣料の用途によっても異なるが、好ましくは100〜3000cNに設定され、より好ましくは100〜2000cNに設定され、さらに好ましくは100〜1000cNに設定され、最も好ましくは100〜600cNに設定される。
上記のポリウレタン系弾性繊維は、主構成成分がポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤との反応でえられるポリウレタンであれば任意のものであってよく、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。
上記のポリマージオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に柔軟性や伸度を糸に付与する観点から、ポリエーテル系グリコールが使用されることが好ましい。
上記のポリエーテル系グリコールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、変性ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)および3−メチル−THFの共重合体である変性PTMG、THFおよび2,3−ジメチル−THFの共重合体である変性PTMG、THF及びネオペンチルグリコールの共重合体である変性PTMG、THFとエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが不規則に配列したランダム共重合体等が挙げられる。これらポリエーテル系グリコール類の1種を使用してもよいし、また2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。その中でもPTMGまたは変性PTMGが好ましい。
上記のジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ−1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。また脂肪族ジイソシアネートは、特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に有効に使用できる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、上記鎖伸長剤としては多官能活性水素化合物が用いられ、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピペラジン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水などの1種またはこれらの2種以上の混合物が使用されることが好ましい。所望により、これらの化合物に、モノアミン、モノアルコールのような停止剤を少量併用してもよい。
上記のポリウレタン弾性糸が含有する、スルホン酸基を含む重合体は、スルホン酸基を有する化合物をモノマーとして重合した化合物であれば特に制限はなく、モノマーとしてスルホン酸基を有する化合物のみを用いてもよく、その他のモノマーを含む共重合体でもよい。なお、高耐薬品性、高強伸度のポリウレタン糸を得る観点から、スルホン酸基を有するモノマーの含有モル濃度は5モル%以上が好ましい。
上記のスルホン酸基を含む重合体としては、例えば、ベンゼンスルホン酸のホルムアルデヒド縮重合体、フェノールスルホン酸のホルムアルデヒド縮重合体、フェノールスルホン酸とクレゾールのホルムアルデヒド縮重合体、エチレンスルホン酸とスチレンの付加重合体、プロピレンスルホン酸とスチレンの付加重合体、スチレンスルホン酸とスチレンの付加重合体、ベンゼンスルホン酸とジビニルベンゼンの付加重合体、フェノールスルホン酸とジビニルベンゼンの付加重合体、ベンゼンスルホン酸とジビニルベンゼンスルホン酸の付加重合体、フェノールスルホン酸とジビニルベンゼンスルホン酸の付加重合体、ベンゼンスルホン酸とジビニルスルホンの付加重合体、フェノールスルホン酸とジビニルスルホンの付加重合体、ベンゼンスルホン酸と4,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのホルムアルデヒド縮重合体、フェノールスルホン酸と4,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのホルムアルデヒド縮重合体、ベンゼンスルホン酸と4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのホルムアルデヒド縮重合体、フェノールスルホン酸と4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのホルムアルデヒド縮重合体なども挙げられる。
なお、上記のポリウレタン系弾性繊維には、例えば、2,6−ジテトラブチルパラクレゾール、亜リン酸エステルなどの酸化防止剤、ヒドロキシベンゾフェノン系またはヒドロキシベンゾチアゾールなどの光または紫外線吸収剤、1,1−ジアルキル置換セミカルバジド、ジチオカルバミン酸塩などのガス黄変、劣化防止剤、或いは、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料等、各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。
上記のポリウレタン系弾性繊維のみを使用した編地は、緯編地、経編地のいずれでもよく、緯編地であれば丸編地、経編地であればトリコット地やラッシェル地などを用いることが好ましい。例えば丸編地を編成する編機は、特定のものに限定されないが、両面編が編成できるダブル丸編機が好ましく、例えば口径が20インチ以上の、より好ましくは33インチ以上のダブル丸編機が用いられる。この場合、上記の編地の編成は特定の条件に限定されないが、例えば給糸張力が1〜10g、より好ましくは2〜5gに設定され、10ゲージ以上で、より好ましくは22ゲージ以上で編成される。
また上記の丸編地は、特定の編組織に限定されないが、編糸の1つ以上が、ダイアル針のみでニットされる編糸と、シリンダー針のみでニットされる編糸との少なくともいずれかである丸編地であると、編糸同士が互いに拘束され易く、いわゆる「ヒケキズ」や「ラン」の発生が良好に低減されて好ましい。このような編組織としては、具体的には例えば図1に示すモックミラノリブ(通称ポンチ)組織や、図2に示すモックロディー(通称ピケット)組織をはじめ、モックロイヤルインターロック、クロスミスインターロック、ポンチローマ、変形ポンチ、ウエルトリップルなどの編組織を挙げることができる。
上記の染色に用いるカチオン染料は特定のものに限定されず、市販のカチオン染料であればいずれでもよく、レギュラー・タイプ(通称:生カチオン)、分散タイプのいずれであってもよい。例えばカヤクリル、カヤクリルED(以上、日本化薬株式会社製)、ニチロン(日成化成株式会社製)、アストラゾン(ダイスター社製)などを挙げることができる。
なお、上記の染色処理での付帯加工として防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、吸汗加工、吸湿加工、紫外線吸収加工、減量加工などを行うようにしても良く、さらに、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、オパール加工、ボンディング加工などを行うようにしても良い。
上記の染色方法で染色した編地は、優れた伸縮性と寸法安定性、及び肌へのフィット性を有し、強力保持性に優れるうえ、意匠性にも富んでいるので、単独で或いは他の織物や編物と組み合わせて縫製などにより、フィットネスウエア、レオタード、スパッツ、レッグウエア、インナーウエア、スポーツウエア、水着などの伸縮性衣料や、滑り止めテープ、ウエストバント、下着用テープなどの伸縮性衣料資材に好ましく用いられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
なお各実施例の特性は、次の測定方法により測定した。
(1)200%伸長時の応力
JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の、8.16.3 B法(編物の定伸長時伸長力)に規定の測定方法に準じ、試験幅2.54cm、つかみ間の距離10cmの試験片をウェール方向(タテ方向)とコース方向(ヨコ方向)とにそれぞれ3枚採取し、自記装置付定速伸長形引張試験機を用いて引張速度10cm/分にて200%伸長時の応力を測定し、ウェール方向とコース方向について、各々3枚の平均値を求めた。
(2)寸法変化率
JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の、8.39(寸法変化)に規定のG法(家庭用電気洗濯機法)による試験方法に準じて、編地の寸法変化率を測定した。具体的には、約300mm×300mmの試験片を2枚採取し、ウェール方向とコース方向に、いずれも3対の印を200mm間隔に付けて、洗濯前の測定基準長(L1)とし、編地の洗濯後、スクリーン乾燥により自然乾燥した。そして乾燥後、4時間以上標準状態の試験室に放置したのち、ウェール、コース方向のそれぞれ3つの測定長さの平均値(L2)を求め、式:(L2−L1)×100/L1により、寸法変化率を算出した。
(3)染色堅牢度
洗濯に対する染色堅牢度はJIS L 0844:2005に規定する試験の種類のうちの、A法のA−2号に準じて測定した。また汗に対する染色堅牢度はJIS L 0848:2004の規定に準じて測定した。さらに水に対する染色堅牢度はJIS L 0846:2004の規定に準じて測定した。いずれの場合も、汚染用添付布は、第1添付布をナイロンとし、第2添付布を綿とした。
(4)破裂強さ
JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の、8.18.1 A法(ミューレン形法)に準じて測定した。但し、試験片を締付装置に装着するときには、上部締付板の面積に対し500%伸長となるように、試験片を伸ばして装着した。
(実施例1)
22ゲージ、33インチのダブル丸編機を用い、編組織が図1に示すモックミラノリブ(通称ポンチ)組織の丸編地を編成した。この編組織では、4つの給糸口(F1〜F4)からそれぞれ編糸(11〜14)を供給しているが、第1給糸口(F1)と第2給糸口(F2)から供給される編糸(11・12)はダイアル針(D)とシリンダー針(C)とで交互にニットされ、第3給糸口(F3)から供給される編糸(13)はダイアル針(D)でのみニットされ、第4給糸口(F4)から供給される編糸(14)はシリンダー針(C)でのみニットされる。
上記の4つの給糸口(F1〜F4)には、全てポリウレタン系弾性繊維(東レ・オペロンテックス株式会社製、商品名ライクラ T−909B)78dtexの糸条を供給し、ポリウレタン系弾性繊維のみからなる丸編地を得た。
次に、この丸編地をカチオン染料(日本化薬株式会社製カチオン染料、商品名 カヤクリル ブラック BS−ED)で染色した。染料の濃度は、染色する編地に対し2質量%とし、液流染色機で100℃、30分間染色した。次いで、通常のソーピングを行ない、湯水洗したのち、120℃で乾燥し、170℃、1分で仕上げセットを行って実施例1の丸編地とした。
この実施例1の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力はウェール方向(タテ方向)が280cN、コース方向(ヨコ方向)が490cNであり、寸法変化率はウェール方向が−0.3%、コース方向が−0.1%であった。またこの実施例1の丸編地は、ヒケキズやランの発生がなく、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。
(実施例2)
36ゲージ、34インチのダブル丸編機を用い、組織図が、図2に示すモックロディー(通称ピケット)組織の丸編地を編成した。この編組織では6つの給糸口(F1〜F6)からそれぞれ編糸(11〜16)を供給しているが、第1給糸口(F1)と第4給糸口(F4)から供給される編糸(11・14)はダイアル針(D)とシリンダー針(C)とで交互にニットされ、第2給糸口(F2)と第5給糸口(F5)から供給される編糸(12・15)はシリンダー針(C)でのみニットされ、第3給糸口(F3)と第6給糸口(F6)から供給される編糸(13・16)はダイアル針(D)でのみニットされている。
上記の6つの給糸口(F1〜F6)には、全てポリウレタン系弾性繊維(東レ・オペロンテックス株式会社製、商品名ライクラ T−909B)44dtexの糸条を供給し、ポリウレタン系弾性繊維のみからなる丸編地を得た。
次に、この丸編地を上記の実施例1と同じ染料で染色した。染料の濃度、使用した染色機、染色時間は実施例1と同じ条件としたが、染色温度は120℃とした。その後、実施例1と同様、通常のソーピングを行ない、湯水洗したのち、同じ条件で乾燥と仕上げセットを行って実施例2の丸編地とした。
この実施例2の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が220cN、コース方向が350cNであり、寸法変化率はウェール方向が−0.8%、コース方向が−0.5%であった。この実施例2の丸編地も、ヒケキズやランの発生がなく、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。
(実施例3)
実施例1と同様、22ゲージ、33インチのダブル丸編機を用い、編組織が図3に示すスムース(通称インターロック)組織の丸編地を編成した。この編組織では、2つの給糸口(F1・F2)からそれぞれ編糸(11・12)を供給しているが、各編糸(11・12)は、いずれもダイアル針(D)とシリンダー針(C)とで交互にニットされている。
上記の2つの給糸口(F1・F2)には、それぞれ上記の実施例2と同じポリウレタン系弾性繊維44dtexを供給し、ポリウレタン系弾性繊維のみからなる丸編地を得た。
次に、この丸編地を上記の実施例1と同じ染料と染色機を用い、同じ条件で染色し、同じ条件でソーピングと湯水洗と乾燥を行ない、同じ条件で仕上げセットして、実施例3の丸編地とした。
この実施例3の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が220cN、コース方向が150cNであり、寸法変化率は、ウェール方向が−0.6%、コース方向が−1.0%であり、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。ただし、実施例1や実施例2とは編組織が異なるため、ヒケキズやランが多少発生し易く、生地品位がやや劣るが、実用上は問題ない範囲のものであった。
(実施例4)
上記の実施例1で編成した丸編地を用い、実施例1と同じ染料と染色機を用い、実施例2と同じ条件で染色し、同じ条件でソーピングと湯水洗と乾燥を行なったが、仕上げセットは省略して、実施例4の丸編地とした。
この実施例4の丸編地について各特性を測定したところ、実施例1と同様、200%伸長時の応力は、ウェール方向が271cN、コース方向が485cNであり、寸法変化率は、ウェール方向が−0.4%、コース方向が−0.2%であり、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。ただし、この実施例4では染色加工工程において編地を熱セットしていないため、ヒケキズやランが多少発生し易く、生地品位がやや劣るが、実用上は問題ない範囲のものであった。
次に、上記の実施例1〜4について、染色堅牢度を測定した。その結果を図4の測定結果対比表1に示す。この測定結果から明らかなように、上記のポリウレタン系弾性繊維をカチオン染料で染色した各実施例の丸編地は、いずれも変退色と汚染の両方で高い染色堅牢度を示している。
(実施例5)
上記の実施例1で編成した丸編地を用い、染色温度を85℃とした以外は実施例1と同じ染色条件で染色し、その後、同じ条件でソーピング、湯水洗、乾燥と仕上げセットを行い、実施例5の丸編地とした。
この実施例5の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が276cN、コース方向が486cNであり、寸法変化率はウェール方向が−0.4%、コース方向が−0.3%であった。この実施例5の丸編地も、ヒケキズやランの発生がなく、優れた伸長性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。
(実施例6)
上記の実施例2で編成した丸編地を用い、染色温度を85℃とした以外は実施例1と同じ染色条件で染色し、その後、同じ条件でソーピング、湯水洗、乾燥と仕上げセットを行い、実施例6の丸編地とした。
この実施例6の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が210cN、コース方向が330cNであり、寸法変化率はウェール方向が−1.0%、コース方向が−0.8%であった。この実施例6の丸編地も、ヒケキズやランの発生がなく、優れた伸長性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。
(実施例7)
上記の実施例3で編成した丸編地を用い、染色温度を85℃とした以外は実施例1と同じ染色条件で染色し、その後、同じ条件でソーピング、湯水洗、乾燥と仕上げセットを行い、実施例7の丸編地とした。
この実施例7の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が200cN、コース方向が140cNであり、寸法変化率は、ウェール方向が−0.8%、コース方向が−1.2%であり、優れた伸長性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。ただし、ヒケキズやランが多少発生し易く、生地品位がやや劣るが、実用上は問題ない範囲のものであった。
(実施例8)
上記の実施例1で編成した丸編地を用い、染色温度を85℃とした以外は実施例1と同じ染色条件で染色し、その後、同じ条件でソーピング、湯水洗、乾燥を行なったが、仕上げセットは省略して、実施例8の丸編地とした。
この実施例8の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が260cN、コース方向が470cNであり、寸法変化率はウェール方向が−0.6%、コース方向が−0.4%であり、優れた伸長性と寸法安定性、肌へのフィット性を有しており、しかも良好に染色されていた。ただし、ヒケキズやランが多少発生し易く、生地品位がやや劣るが、実用上は問題ない範囲のものであった。
(実施例9)
上記の実施例1で編成した丸編地を用い、染色温度を50℃とした以外は実施例1と同じ染色条件で染色し、その後、同じ条件でソーピング、湯水洗、乾燥を行なったが、仕上げセットは省略して、実施例9の丸編地とした。
この実施例9の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が250cN、コース方向が460cNであり、寸法変化率はウェール方向が−0.8%、コース方向が−0.6%であり、優れた伸長性と寸法安定性、肌へのフィット性を有していた。ただし、ヒケキズやランが多少発生し易く、生地品位がやや劣るが、実用上は問題ない範囲のものであった。
(実施例10)
上記の実施例1で編成した丸編地を用い、染色温度を30℃とした以外は実施例1と同じ染色条件で染色し、その後、同じ条件でソーピング、湯水洗、乾燥を行なったが、仕上げセットは省略して、実施例10の丸編地とした。
この実施例10の丸編地について各特性を測定したところ、200%伸長時の応力は、ウェール方向が230cN、コース方向が450cNであり、寸法変化率はウェール方向が−1.0%、コース方向が−0.8%であり、優れた伸長性と寸法安定性、肌へのフィット性を有していた。ただし、ヒケキズやランが多少発生し易く、生地品位がやや劣るが、実用上は問題ない範囲のものであった。
次に、上記の実施例1〜10について、破裂強さを測定した。その結果を図5の測定結果対比表2に示す。この測定結果から明らかなように、実施例1〜4に比べて染色温度の低い実施例5〜10は、いずれの編組織の場合も、破裂強力が優れるものであった。
上記の実施形態で説明した、ポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法やその方法により染色した編地、及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、ポリウレタン系弾性繊維の材質や繊度、編機の種類、ゲージ数や口径、編組織、染料の種類や濃度、加熱条件、熱セット条件などを、上記の実施形態や実施例のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、上記の実施例では、染料として日本化薬株式会社製の特定のカチオン染料を用いたが、本発明では他のカチオン染料を用いても良く、濃度や染色温度等は、染料の種類や編地に応じて適宜設定される。
なお上記の実施例では、いずれも編成後の丸編地を染色する場合に付いて説明したが、本発明では編成する前のポリウレタン系弾性繊維の糸条を染色するものであってもよく、さらには編成前と編成後の両方で染色してもよい。
また上記の実施例1〜3や実施例5〜7では、いずれも染色処理後に仕上げセットを施したが、本発明では、染色処理前に行うプレセットと併用したり、プレセットのみを施しても良い。しかし、本発明のポリウレタン系弾性繊維のみからなる編地は寸法安定性に優れているため、皺の発生がないことから、例えば上記の実施例4のように、これらの熱セットは省略してもよく、この場合はウレタン繊維の熱による脆化がないので、一層優れた伸縮性や強力保持性を発揮できる利点がある。
上記の実施例では、編組織がモックミラノリブ、モックロディー、またはスムースである丸編地について説明したが、本発明の染色方法により染色される編地は、ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみで編成された編地であれば他の編組織であってもよく、さらにはトリコット地など経編地等であってもよい。
本発明のポリウレタン系弾性繊維は、上記の実施例で用いた東レ・オペロンテックス株式会社製、商品名ライクラ T−909Bとは異なるポリウレタン系弾性繊維であってもよく、78dtexや44dtex以外の繊度の糸条を用いてもよいことは、いうまでもない。
本発明の染色方法により染色した編地及びその編地を用いた伸縮性衣料と伸縮性衣料資材は、優れた伸縮性と寸法安定性、肌へのフィット性を有し、強力保持性に優れるうえ、意匠性に富むことから、レッグウエア、インナーウエア、スポーツウエア、水着などの伸縮性衣料や、滑り止めテープ、ウエストバント、下着用テープなどの伸縮性衣料資材に、特に好適に用いられるが、他の伸縮性衣料や衣料以外の伸縮性素材としても好適に用いられる。
11〜16…編糸
C…シリンダー針
D…ダイアル針
F1〜F6…編機の給糸口

Claims (8)

  1. ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみで編成された編地の染色方法であって、
    上記のポリウレタン系弾性繊維が、主としてポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤との反応で得られたポリウレタン系弾性繊維であるとともに、スルホン酸基を含む重合体を含有しており、
    上記の編成の前と後との少なくともいずれかにおいて、カチオン染料を用いて、30℃以上130℃以下で染色することを特徴とする、ポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法。
  2. 上記の編成後の編地に上記の染色を施したのち、190℃以下で仕上げセットすることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン系弾性繊維からなる編地の染色方法。
  3. ポリウレタン系弾性繊維からなる編糸のみを使用した編地であって、上記の請求項1または請求項2に記載の染色方法により染色したことを特徴とする、ポリウレタン系弾性繊維からなる編地。
  4. JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の、8.39(寸法変化)に規定のG法(家庭用電気洗濯機法)による試験方法で測定した寸法変化率が、ウェール方向(経方向)及びコース方向(緯方向)ともに−2%以上、+2%以下であることを特徴とする、請求項3に記載のポリウレタン系弾性繊維からなる編地。
  5. 上記のポリウレタン系弾性繊維からなる編糸の繊度が11dtex以上であり、上記の編地の200%伸長時の応力が100〜3000cNであることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のポリウレタン系弾性繊維からなる編地。
  6. 上記の編地が丸編地とトリコット地とのいずれかである、請求項3から5のいずれかに記載の、ポリウレタン系弾性繊維からなる編地。
  7. 上記の請求項3から6のいずれかに記載のポリウレタン系弾性繊維からなる編地を用いたことを特徴とする、伸縮性衣料。
  8. 上記の請求項3から6のいずれかに記載のポリウレタン系弾性繊維からなる編地を用いたことを特徴とする、伸縮性衣料資材。
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