JP2012135531A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】アーム部先端に潤滑剤が溜まって被縫製物及び糸を汚してしまうことを防止するミシンを提供する。
【解決手段】ミシンの先端部に、糸調子器を駆動する糸調子機構63、及び押え棒44及び押え足48を駆動する押え上下動機構64が設けてある。アーム部を左右に伸びるワイヤ61及び連竿62は、夫々、糸調子機構63及び押え上下動機構64に接続している。ワイヤ61及び連竿62は、アーム部の先端部側から脚柱部側に向けて下方に傾斜している。ワイヤ61及び連竿62に、ミシン内の駆動機構に供給した潤滑油が付着した場合、付着した潤滑油は、ワイヤ61及び連竿62を脚柱部側に向かって伝わり、先端部側に伝わらない。脚柱部側に伝わった潤滑油は、脚柱部の下側に設けた油タンクに落下する。
【選択図】図10
【解決手段】ミシンの先端部に、糸調子器を駆動する糸調子機構63、及び押え棒44及び押え足48を駆動する押え上下動機構64が設けてある。アーム部を左右に伸びるワイヤ61及び連竿62は、夫々、糸調子機構63及び押え上下動機構64に接続している。ワイヤ61及び連竿62は、アーム部の先端部側から脚柱部側に向けて下方に傾斜している。ワイヤ61及び連竿62に、ミシン内の駆動機構に供給した潤滑油が付着した場合、付着した潤滑油は、ワイヤ61及び連竿62を脚柱部側に向かって伝わり、先端部側に伝わらない。脚柱部側に伝わった潤滑油は、脚柱部の下側に設けた油タンクに落下する。
【選択図】図10
Description
本発明は、駆動機構に潤滑剤を供給するミシンに関する。
ミシンは、ギヤ及びカム等の駆動機構が駆動した場合の発熱を抑え、焼き付き現象を防止するために、駆動機構に潤滑剤を供給している。駆動機構に供給した潤滑剤が被縫製物及び糸に付着し、被縫製物及び糸を汚してしまう場合がある。故に、ミシンは、駆動機構に供給した潤滑剤を適切な場所に回収することで、被縫製物及び糸に潤滑剤が付着することを防止している。
またミシンにおいて、膝上げレバー、スイッチに連動して押え足を上下動するための連竿及び糸緩め機構を駆動するためのワイヤが、アーム部内を脚柱部側から先端側に向かって延びている場合がある(例えば特許文献1参照)。
前述したミシンでは、駆動機構に供給した潤滑剤が、連竿及びワイヤに付着する場合がある。この場合、連竿及びワイヤを伝って潤滑剤がアーム部先端に移動し、アーム部先端に潤滑剤が溜まる場合がある。アーム部先端に溜まった潤滑剤は、アーム部内から落下して被縫製物及び糸を汚すという問題点がある。
本発明の目的は、アーム部先端に潤滑剤が溜まって被縫製物及び糸を汚してしまうことを防止するミシンを提供することにある。
本発明に係るミシンは、ベッド部と、前記ベッド部から立設された脚柱部と、前記ベッド部に対向し、前記脚柱部から延びるアーム部と、前記アーム部内の前記脚柱部と反対側に設け、且つ縫製作業を行う場合に加工布又は縫糸に作用する第一駆動機構と、一端部が前記第一駆動機構と接続し、他端部が前記脚柱部内に位置し、前記第一駆動機構の作用位置を切り替える切り替え部と、前記脚柱部に設けたミシンを駆動するための第二駆動機構と、前記第二駆動機構に潤滑剤を供給する供給部とを備えるミシンにおいて、前記切り替え部は、前記一端部から前記他端部に向けて下方に傾斜しており、前記供給部が前記第二駆動機構に前記潤滑剤を供給する際に前記切り替え部に付着した前記潤滑剤は、前記切り替え部の前記他端部側に向かって伝わることを特徴とする。
本発明によれば、切り替え部は、一端部から他端部に向けて下方に傾斜している。従って、切り替え部に付着した潤滑剤は、脚柱部側に向かって伝わり、アーム部先端側に伝わらない。故に、アーム部先端に潤滑剤が溜まらないので、潤滑剤が被縫製物及び糸を汚すことを防止できる。また、ミシンは、アーム部先端に溜まった潤滑剤を回収するための回収機構(ポンプ等)を設ける必要がない。
本発明において、前記第一駆動機構は、前記加工布を押える押え足を上下動する押え上下動機構を備え、前記切り替え部は、前記押え上下動機構の状態を切り替える連竿を備えていてもよい。故に、ミシンは、連竿に付着した潤滑剤が、連竿を伝ってアーム部先端に移動し、アーム部先端に潤滑剤が溜まることを防止できる。
本発明において、前記第一駆動機構は、前記縫糸の張力を調節する糸調子機構を備え、前記切り替え部は、前記糸調子機構の状態を切り替えるワイヤを備えていてもよい。故に、ミシンは、ワイヤに付着した潤滑剤が、ワイヤを伝ってアーム部先端に移動し、アーム部先端に潤滑剤が溜まることを防止できる。
本発明において、前記切り替え部は、前記第一駆動機構の作用位置の切り替え前後で、常に前記一端部から前記他端部に向けて下方に傾斜していてもよい。故に、ミシンは、切り替え部の配置が、第一駆動機構の作用位置の切り替え前後で変化した場合でも、常に、切り替え部に付着した潤滑剤は脚柱部側に伝わる。従って、ミシンは、アーム部先端に潤滑剤が溜まることを確実に防止できる。
本発明において、前記潤滑剤を収容し、且つ、前記切り替え部を伝って移動した前記潤滑剤を受ける収容部を備え、前記供給部は、前記収容部に収容した前記潤滑剤を、前記第二駆動機構に供給してもよい。故に、供給部は、収容部に収容した潤滑剤を第二駆動機構に供給することができる。ミシンは、切り替え部に付着した潤滑剤を回収し、第二駆動機構に供給する潤滑剤として再利用することができる。
また本発明において、前記収容部は、油タンクであり、前記油タンクは、開口部を形成する外周壁と、前記開口部に対向する底壁と、前記外周壁の内側において、前記開口部と前記底壁との間、且つ前記底壁と離間した位置に設けた、前記底壁に対向する対向壁と、前記対向壁を前記開口部から前記底壁に向かう方向に貫通する穴部とを備えていてもよい。使用後の潤滑剤は、開口部を通って対向壁上に落下する。故に、切り替え部を伝って移動した潤滑剤を確実に回収することができる。対向壁上に落下した潤滑剤は、穴部を通って、底壁と対向壁との間の空間に溜まる。ミシンが振動すると、底壁と対向壁との間の空間に存在する潤滑剤に対して振動が加わる。対向壁が設けられているので、潤滑剤が振動しても、潤滑剤は収容部から外部に漏れない。故に、ミシンは、潤滑剤が収容部の外部に漏れることを防止できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の表面側、背面側、上側、下側、左側、右側を、夫々ミシン1の前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
図1及び図2を参照し、ミシン1の全体構造について説明する。図1に示すように、ミシン1は、ベッド部21、脚柱部22及びアーム部23を備えている。ベッド部21は、左右方向に延びている。ベッド部21は、図示しないテーブル上に設けてある。脚柱部22は、ベッド部21の右端から上方に延びている。アーム部23は、脚柱部22の上端から左方に延びている。アーム部23は、ベッド部21に対向している。
ベッド部21は、油タンク10、下回転軸36、軸受部51及び図示外の全回転釜等を内部に設けている。油タンク10は潤滑油を収容する。下回転軸36及び軸受部51の詳細は後述する。
アーム部23は、その左端下方に押え足48及び縫針42(図1参照)を設けている。アーム部23の左端部は、押え棒44、バネ45、糸調子機構63、及び押え上下動機構64を内部に設けている。押え棒44は、アーム部23内を上下方向に延びている。押え棒44の下端は、アーム部23の下端から下方に突出している。押え棒44は、その下端に押え足48を有している。押え棒44は、その上端にバネ45が接続している。アーム部23の上端に設けた摘み50は、バネ45の上端を固定している。バネ45は、押え棒44を下方に付勢する。押え上下動機構64は、押え棒44を駆動して押え足48を上下動する。糸調子機構63は、図示しない糸調子器を駆動して上糸の張力を調節する。
アーム部23は、ワイヤ61及び連竿62を内部に設けている。ワイヤ61及び連竿62は、アーム部23の長手方向に沿って左右方向に延びている。ワイヤ61及び連竿62は、作業者の操作に連動して左右に移動する。ワイヤ61は、左右に移動することで糸調子機構63の状態を切り替える。糸調子機構63は、上糸に張力を加えたり、上糸を緩めたりする。連竿62は棒状の部材である。連竿62は、左右に移動することで押え上下動機構64の状態を切り替える。押え上下動機構64は、押え足48を下降させたり、押え足48を上昇させたりする。押え足48が下降すると、押え足48は加工布を押える。
ミシン1は、その内部且つ脚柱部22とアーム部23とが接続する部分に仕切り壁15を設けている。仕切り壁15は、脚柱部22内の空間とアーム部23内の空間とを仕切る。クランク部材65は、脚柱部22内且つ仕切り壁15の右側に設けてある。クランク部材65は、作業者の操作に連動して揺動し、連竿62を左右に移動する。
図3を参照し、ミシン1の駆動機構について説明する。図3に示すように、ミシン1は、上回転軸31、連結回転軸33及び下回転軸36を備えている。上回転軸31は、アーム部23(図1参照)内を左右方向に延びている。連結回転軸33は、脚柱部22(図1参照)内を上下方向に延びている。下回転軸36は、ベッド部21(図1参照)内を左右方向に延びている。
上回転軸31は、右端に図示しないミシンモータを設けている。上回転軸31は、前記ミシンモータの駆動によって回転する。上回転軸31は、その左右方向略中央部分において軸受部47に支持されている。軸受部47は円筒形である。軸受部47は、前側に設けた穴から潤滑油を取り込むことができる。後述する第二供給路82は、この穴に接続している。上回転軸31は、軸受部47の右側に傘状の歯車32を設けている。
上回転軸31は、左端に針棒上下動機構41を設けている。針棒上下動機構41は、アーム部23(図1参照)内を上下方向に延びる針棒43を支持している。針棒43は、下端に縫針42を設けている。針棒上下動機構41は、上回転軸31の回転によって駆動する。針棒43は、針棒上下動機構41の駆動によって上下動する。
連結回転軸33は、上端に傘状の歯車34を設けている。歯車34は、歯車32と噛み合っている。連結回転軸33は、上回転軸31の回転によって回転する。連結回転軸33は、下端に傘状の歯車35を設けている。連結回転軸33は、前記ミシンモータによって回転する上回転軸31の回転駆動力を、後述する下回転軸36に伝達する。
下回転軸36は、右端に傘状の歯車37を設けている。歯車37は、歯車35と噛み合っている。下回転軸36は、連結回転軸33の回転に伴い回転する。下回転軸36は、左端に図示外の全回転釜を設けている。該全回転釜は、下回転軸36の回転によって駆動する。前記全回転釜は、縫針42の上下動と同期して回転する。下回転軸36のうち前記全回転釜の右側に設けた軸受部51は、下回転軸36を受けている。軸受部51は円筒形である。軸受部51は、図示しないプランジャーポンプを内部に設けている。該プランジャーポンプは、後述する油タンク10に収容した潤滑油を、第一供給路81を介して吸い込む。前記プランジャーポンプは、吸い込んだ潤滑油を第二供給路82に送り出す。排出路83は、前記プランジャーポンプから漏れ出た潤滑油を油タンク10に排出する。
第二供給路82は、ベッド部21内を軸受部51から右方に向かって延び、油タンク10の上側で上方に曲折する。第二供給路82は、脚柱部22(図1参照)内を上方に向かって延びる。第二供給路82は、軸受部47の前側の穴に繋がっている。前記プランジャーポンプが送り出した潤滑油は、第二供給路82を介して軸受部47内に流れ込む。軸受部47は、第二供給路82を介して流れ込んだ潤滑油を、歯車32に供給することができる。歯車32に供給した潤滑油は、歯車32が歯車34と共に回転した場合の摩擦による発熱を抑え、焼き付き現象を防止することができる。
潤滑油を供給した歯車32が歯車34と共に回転すると、潤滑油は霧状になり周囲に放出する。放出した霧状の潤滑油は、脚柱部22(図1参照)内に飛散する。尚、仕切り壁15は霧状の潤滑油を遮断するので、霧状の潤滑油はアーム部23内に進入しない。
図4から図7を参照し、油タンク10について説明する。油タンク10は、半透明の樹脂で形成し、脚柱部22の下方のベッド部21に固定してある。
油タンク10は、底壁102、底壁102の縁から略鉛直方向に立ち上がる外周壁101、外周壁101と接続した第一対向壁113、第二対向壁114で主に形成している。
底壁102は、ベッド部21の前後方向全域に渡って形成した略矩形状の第一底壁1021と、第一底壁1021の左側後端部分から左方に突出した第二底壁1022とで形成している。
第一底壁1021の左端は、前後方向略中央部分が他の左端部分よりも右端側に窪む凹部1213を有している。第一底壁1021は、第一底壁1021の凹部1213後側下面に、第一底壁1021の下面から上方に窪む矩形状の底壁凹部1212を有している。底壁凹部1212は、油タンク10の外側から磁石を嵌めることで、潤滑油収容部12内の潤滑油に含まれる埃、屑等を底壁凹部1212付近に吸着することができる。第一底壁1021の右側前端及び後端は、角部が取り除いた形状となっている。
第二底壁1022は、左右方向に長い略矩形状である。尚、第二底壁1022の右端は、第一底壁1021の後左端と接続している。第一底壁1021、第二底壁1022の外周縁には、略鉛直方向に立ち上がる外周壁101が接続している。
外周壁101は、第一底壁1021右端に接続した側壁1011、第一底壁1021前端に接続した側壁1012、第一底壁1021左端に接続した側壁1013、第一底壁1021後端及び第二底壁1022後端に接続した側壁1014、第二底壁1022前端に接続した側壁1015、第二底壁1022左端に接続した側壁1016を備えている。側壁1011、1012、1014の高さは、略同一である。側壁1013、1015、1016の高さは略同一且つ側壁1011、1012、1014の高さの略1/2である。側壁1013は、第一底壁1021を鉛直方向に伸ばした形状となっているので凹部1213を有している。側壁1012は、高さ方向の中間部から上端が左方に突出している。側壁1016の側壁1014と接続する部分は、側壁1014と同一高さである。側壁1016は、前後方向中央部より前側において側壁1015と略同一高さとなっている。
油タンク10は、側壁1011、1012、1014の高さ方向で略中間位置に第一底壁1021と略平行であり、平面視略矩形状である第一対向壁113を有している。言い換えると、第一対向壁113は、外周壁101の内側において、タンク開口部103(後述)と第一底壁1021との間、且つ第一底壁1021と離間した位置に、第一底壁1021と対向するように設けている。油タンク10は、第一対向壁113の左端から鉛直方向に伸びる側壁1017を有している。側壁1017の前後方向の長さは、第一対向壁113の前後方の長さよりも短い。側壁1017の前後端は、側壁1012、側壁1014と接続していない。第一対向壁113は、側壁1013の上端と接続している。
第一対向壁113は、前後方向中央より前側且つ左右方向中央より右側に収容穴部1131を設けている。収容穴部1131は、外周壁101から離間した位置にある。第一対向壁113は、側壁1012、1014から収容穴部1131側に向かって下方に傾斜する第一傾斜部1132を備えている。第一傾斜部1132は、第一対向壁113の上面に落下した潤滑油を収容穴部1131に導く。第一対向壁113は、収容穴部1131の周囲に収容穴部1131に沿った溝部1133を設けている。溝部1133は、第一対向壁113の上面から下方に向けて設けてある溝である。潤滑油が収容穴部1131を通って第一底壁1021に移動する際、溝部1133は潤滑油に含まれる埃、糸屑等の異物を取り除く。作業者は、溝部1133を利用して、フィルタ(図示略)を取り付けることができる。
第一対向壁113は、左側前方に突出部112を有している。側壁1013の左側、即ち凹部1213形成部上方に位置する突出部112は、上向に立設する円筒部60を設けている。円筒部60は、円筒部60の内側を上下方向に貫通する穴である円筒穴601を有する。円筒穴601は、後述するレバー部材68が挿通してある。円筒部60の高さは、側壁1011、1012、1014、1017の高さと略同一である。
油タンク10は、第二底壁1022の上方に第二対向壁114を有している。第二対向壁114は、側壁1015、側壁1016、側壁1014、第一対向壁113と接続している。第二対向壁114の略前側半分は、上方に膨らんだ形状となっている。第二対向壁114の略後側半分は、平坦且つ左端よりも右端が低くなる第二傾斜部1141(図8参照)を形成している。第二対向壁114の右端は、第一対向壁113と接続している。
油タンク10は、第一底壁1021、第二底壁1022、第一対向壁113、第二対向壁114、側壁1011、1012、1013、1014、1015、1016で囲まれた潤滑油収容部12を有する。油タンク10は、第一対向壁113、第二対向壁114、側壁1011、1012、1014、1017で囲まれた潤滑油受部11を有する。潤滑油受部11は、側壁1011、1012、1014、1017の上端で形成したタンク開口部103を介して脚柱部22内から垂れ落ちた潤滑油を受ける。
潤滑油受部11は、第二供給路82及び軸受部47を介して歯車32(図3参照)に供給した潤滑油が、脚柱部22(図1参照)内を下方に垂れ落ちた場合に、垂れ落ちた潤滑油を受けることができる。潤滑油を供給した歯車32が歯車34と共に回転した場合、潤滑油は霧状となって周囲に飛散する場合がある。飛散した霧状の潤滑油は、脚柱部22内に飛散する。潤滑油受部11は、脚柱部22内に飛散した霧状の潤滑油が滴下して下方に垂れ落ちた場合に、垂れ落ちた潤滑油を受けることができる。
ミシン駆動部に供給した潤滑油は、潤滑油受部11の第一対向壁113上面に設けた第一傾斜部1132及び収容穴部1131を通って、潤滑油収容部12に溜まる。
潤滑油収容部12を形成する側壁1012は、側壁1013と接続している部分に側壁1012を貫通する前面穴1211を有している。油タンク10に外部から潤滑油を供給する場合、作業者はミシン1を傾倒位置に切り替え、潤滑油供給用のホース(図示略)を前面穴1211に挿入して潤滑油を供給する。
油タンク10は、第二底壁1022の右側前端から側壁1015に渡って傾斜部1221を形成している。ミシン1を傾倒位置に切り替えた場合、傾斜部1221は、油タンク10が膝操作機構69(図2参照)と干渉するのを防止する。
以上のように、油タンク10は、脚柱部22の下側を潤滑油受部11が覆っているので、歯車32に供給した潤滑油を潤滑油受部11によって受けることができる。故に、油タンク10は、歯車32に供給した潤滑油を確実に回収することができる。油タンク10は、第一対向壁113、第二対向壁114上に溜まった潤滑油を、収容穴部1131を介して潤滑油収容部12に収容することができる。ミシン1が振動すると、潤滑油収容部12内に収容した潤滑油に対して振動が加わる。しかしながら、油タンク10は第一対向壁113、第二対向壁114を設けているので、潤滑油が振動しても潤滑油は潤滑油収容部12の外部に漏れることがない。
図9から図11を参照し、押え上下動機構64について説明する。押え上下動機構64は、クランク部材71、軸72、係止部材73及び押え上げレバー74を備えている。押え棒44は、その上下方向略中央部分に、係止部材73を設けている。係止部材73は棒状であり、前後方向に延びている。係止部材73の前側は、押え棒44に螺子で固定してある。クランク部材71は、係止部材73の下側及び右側に設けてある。クランク部材71は曲折した板材である。クランク部材71は、係止部材73の下方から右方に延び、上方に直角に曲折して上方に延びている。軸72は、クランク部材71の曲折部分を揺動可能に支持している。クランク部材71は、その後側に、押え上げレバー74を設けている。押え上げレバー74は、作業者が直接手動で押え足48を上下動するものである。
クランク部材71のうち上方に延びた部分の上端は、連竿62の左端と接続している。連竿62は、クランク部材71から右方に延びる。連竿62は、仕切り壁15を貫通して、仕切り壁15の右側に設けたクランク部材65に接続している。図10及び図11に示すように、連竿62は、アーム部23(図1参照)の先端側から脚柱部22(図1参照)側に向けて下方に傾斜している。
クランク部材65は、曲折した板材である。クランク部材65は、仕切り壁15の右側を上方に延び、右方に直角に曲折している。軸66は、クランク部材65の曲折部分を揺動可能に支持している。連竿62は、クランク部材65の下方に延びた部分の下端に接続している。クランク部材65の右方に延びた部分の右端は、レバー部材68の上端と接続している。レバー部材68は、その下端が、油タンク10の下方の膝操作機構69(図1参照)に接続している。膝操作機構69は、作業者が操作可能な膝操作レバー(図示略)と接続している。作業者は、膝を使って、膝操作レバーを操作する。作業者が膝操作レバーを操作すると、膝操作機構69は回動する。膝操作機構69が回動すると、レバー部材68は上下動する。
図10及び図11を参照して、押え上下動機構64の駆動原理について説明する。縫製作業を行う場合、作業者は押え足48を移動する。押え足48を下方に移動する場合、作業者の膝操作レバーの操作によって、レバー部材68は下方に移動する。図10に示すように、レバー部材68が下方に移動すると、クランク部材65は、軸66を中心として時計回り方向に揺動する。クランク部材65の揺動によって、連竿62は左方に移動する。連竿62の移動によって、押え上下動機構64のクランク部材71は、軸72を中心として反時計回り方向に揺動する。クランク部材71は、揺動によって左方に延びる部分が下方に移動する。バネ45の付勢力によって、係止部材73及び押え棒44は下方に移動する。故に、押え棒44に接続した押え足48は、下方に移動する。
一方、押え足48を上方に移動する場合、作業者の膝操作レバーの操作によって、レバー部材68は上方に移動する。図11に示すように、レバー部材68が上方に移動すると、クランク部材65は、軸66を中心として反時計回り方向に揺動する。クランク部材65の揺動によって、連竿62は右方に移動する。連竿62の移動によって、押え上下動機構64のクランク部材71は、軸72を中心として時計回り方向に揺動する。クランク部材71は、揺動によって左方に延びる部分が上方に移動し、係止部材73及び係止部材73に接続する押え棒44を上方に押し上げる。故に、押え棒44に接続した押え足48は、上方に移動する。
図9から図11を参照し、糸調子機構63について説明する。糸調子機構63は、糸調子板75を備えている。糸調子板75は、上下方向に延びる板状の部材である。糸調子板75は、下端を軸として揺動可能である。糸調子板75は、図示外の糸調子器に接続している。糸調子板75は、図10のように反時計回り方向に揺動した場合、糸調子器を駆動して上糸に張力を加えることができる。糸調子板75は、図11のように時計回り方向に揺動した場合、糸調子器を駆動して上糸を緩めることができる。
糸調子板75の上端は、ワイヤ61の左端と接続している。ワイヤ61は糸調子板75の上端から右方に延び、仕切り壁15を貫通している。ワイヤ61は、アーム部23(図1参照)の先端側から脚柱部22(図1参照)側に向けて下方に僅かに傾斜している。ワイヤ61は、仕切り壁15の右側に設けた管67内を通って脚柱部22内を下方に延び、ソレノイド70(図3参照)に接続している。ソレノイド70は、図示外のスイッチに連動して、ワイヤ61を引っ張ったり緩めたりする。
糸調子機構63の駆動原理について説明する。縫製作業を行う場合、作業者は上糸に加える張力を調整する。上糸に張力を加える場合、作業者のスイッチの操作によって、ソレノイド70はワイヤ61を緩める。図10に示すように、ワイヤ61は左方に移動する。ワイヤ61の左端に設けた糸調子板75は、反時計回り方向に揺動する。糸調子板75は糸調子器を駆動して上糸に張力を加える。一方、上糸を緩める場合、作業者のスイッチの操作によって、ソレノイド70はワイヤ61を引っ張る。図11に示すように、ワイヤ61は右方に移動する。ワイヤ61の左端に設けた糸調子板75は、時計回り方向に揺動する。糸調子板75は糸調子器を駆動して上糸を緩める。
図10及び図11に示すように、ワイヤ61及び連竿62は、左右方向への移動に依らず、常に、アーム部23の先端側から脚柱部22側に向けて下方に傾斜するように設けてある。尚、傾斜角は、例えば水平方向に対して1〜3度となっている。
脚柱部22内には、歯車32(図3参照)に供給した潤滑油が歯車32の回転によって霧状となって飛散している。霧状の潤滑油は、脚柱部22内で、ワイヤ61及び連竿62に付着する場合がある。前述したように、ワイヤ61は、アーム部23の先端側から脚柱部22側に向けて常に下方に傾斜している。故に、ワイヤ61に付着した潤滑油は、重力によって、ワイヤ61を伝って脚柱部22内に向かって移動する。連竿62は、押え上下動機構64の状態に依らず、アーム部23の先端側から脚柱部22側に向けて常に下方に傾斜している。故に、連竿62に付着した潤滑油は、重力によって、連竿62を伝って脚柱部22内に向かって移動する。ワイヤ61及び連竿62に付着した潤滑油は脚柱部22内に伝わり、アーム部23の先端側に伝わらない。故に、アーム部23の先端に潤滑油が溜まらないので、潤滑油がアーム部23の先端から落下して被縫製物及び糸を汚すことを防止できる。ミシン1は、アーム部23の先端に潤滑油が溜まらないので、アーム部23の先端に溜まった潤滑油を回収する回収機構(ポンプ等)を設ける必要がない。
ワイヤ61及び連竿62を伝って脚柱部22内に移動した潤滑油は、下方に垂れ落ちる。脚柱部22の下方に設けた油タンク10の潤滑油受部11は、ワイヤ61及び連竿62から垂れ落ちた潤滑油を受ける。潤滑油受部11が受けた潤滑油は、収容穴部1131を通り、潤滑油収容部12内に収容する。潤滑油収容部12に溜まった潤滑油は、第一供給路81を介して軸受部51内のプランジャーポンプ(図示略)に流れ込む。前記プランジャーポンプは、第二供給路82を介して、再度歯車32(図3参照)に潤滑油を送り出す。ミシン1は、ワイヤ61及び連竿62に付着した潤滑油を油タンク10によって回収し、再度、歯車32に供給する潤滑油として再利用することができる。
以上説明したように、ワイヤ61及び連竿62は、アーム部23内を先端側から脚柱部22側に向けて下方に傾斜している。故に、ミシン1は、ワイヤ61及び連竿62に付着した潤滑油を脚柱部22側に伝わせ、油タンク10によって該潤滑油を回収することができる。ミシン1は、潤滑油を適切な場所に回収することで、潤滑油が油タンク10の周囲を汚すことを防止できる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。前述の実施形態では、ミシン1のアーム部23に設ける駆動機構は、糸調子機構63及び押え上下動機構64に限定せず、針棒上下動機構41を含む他の駆動機構であってもよい。潤滑油を供給する駆動機構は歯車32に限定せず、軸受部47、歯車35、37、及び加工布を送る送り軸を駆動するクランク等、他の駆動機構であってもよい。潤滑油を供給する部材は第二供給路82に限定されず、紐等であってもよい。紐に潤滑油を伝わせることで、駆動機構に潤滑油を供給してもよい。
図10の糸調子機構63及び押え上下動機構64は本発明の「第一駆動機構」に相当し、ワイヤ61及び連竿62は本発明の「切り替え部」に相当する。図3の第二供給路82は本発明の「供給部」に相当する。歯車32は本発明の「第二駆動機構」に相当する。
1 ミシン
10 油タンク
21 ベッド部
22 脚柱部
23 アーム部
32、34 歯車
48 押え足
61 ワイヤ
62 連竿
63 糸調子機構
64 押え上下動機構
71 クランク部材
72 軸
73 係止部材
74 押え上げレバー
75 糸調子板
81 第一供給路
82 第二供給路
101 外周壁
102 底壁
103 タンク開口部
113 対向壁
1131 収容穴部
10 油タンク
21 ベッド部
22 脚柱部
23 アーム部
32、34 歯車
48 押え足
61 ワイヤ
62 連竿
63 糸調子機構
64 押え上下動機構
71 クランク部材
72 軸
73 係止部材
74 押え上げレバー
75 糸調子板
81 第一供給路
82 第二供給路
101 外周壁
102 底壁
103 タンク開口部
113 対向壁
1131 収容穴部
Claims (6)
- ベッド部と、前記ベッド部から立設された脚柱部と、前記ベッド部に対向し、前記脚柱部から延びるアーム部と、
前記アーム部内の前記脚柱部と反対側に設け、且つ縫製作業を行う場合に加工布又は縫糸に作用する第一駆動機構と、
一端部が前記第一駆動機構と接続し、他端部が前記脚柱部内に位置し、前記第一駆動機構の作用位置を切り替える切り替え部と、
前記脚柱部に設けたミシンを駆動するための第二駆動機構と、
前記第二駆動機構に潤滑剤を供給する供給部と
を備えるミシンにおいて、
前記切り替え部は、前記一端部から前記他端部に向けて下方に傾斜しており、
前記供給部が前記第二駆動機構に前記潤滑剤を供給する際に前記切り替え部に付着した前記潤滑剤は、前記切り替え部の前記他端部側に向かって伝わることを特徴とするミシン。 - 前記第一駆動機構は、前記加工布を押える押え足を上下動する押え上下動機構を備え、
前記切り替え部は、前記押え上下動機構の状態を切り替える連竿を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記第一駆動機構は、前記縫糸の張力を調節する糸調子機構を備え、
前記切り替え部は、前記糸調子機構の状態を切り替えるワイヤを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。 - 前記切り替え部は、
前記第一駆動機構の作用位置の切り替え前後で、常に前記一端部から前記他端部に向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のミシン。 - 前記潤滑剤を収容し、且つ、前記切り替え部を伝って移動した前記潤滑剤を受ける収容部を備え、
前記供給部は、
前記収容部に収容した前記潤滑剤を、前記第二駆動機構に供給することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のミシン。 - 前記収容部は、油タンクであり、
前記油タンクは、
開口部を形成する外周壁と、
前記開口部に対向する底壁と、
前記外周壁の内側において、前記開口部と前記底壁との間、且つ前記底壁と離間した位置に設けた、前記底壁に対向する対向壁と、
前記対向壁を前記開口部から前記底壁に向かう方向に貫通する穴部とを備えたことを特徴とする請求項5に記載のミシン。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
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CN2011205520790U CN202466155U (zh) | 2010-12-27 | 2011-12-26 | 缝纫机 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010291196A JP2012135531A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | ミシン |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2012135531A true JP2012135531A (ja) | 2012-07-19 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105671800A (zh) * | 2016-04-15 | 2016-06-15 | 黄广建 | 一种缝纫机的压布驱动机构、压布装置及缝纫机 |
JP2016138424A (ja) * | 2015-01-29 | 2016-08-04 | 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 | トンネル掘削機 |
CN106637710A (zh) * | 2016-12-16 | 2017-05-10 | 浙江中捷缝纫科技有限公司 | 一种压脚驱动装置 |
-
2010
- 2010-12-27 JP JP2010291196A patent/JP2012135531A/ja active Pending
-
2011
- 2011-12-26 CN CN2011205520790U patent/CN202466155U/zh not_active Expired - Lifetime
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