JP2018130472A - ミシンの油容器、ミシンの給油機構、及びミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油の劣化を抑制することができるミシンの油容器、ミシンの給油機構、及びミシンを提供する。【解決手段】油容器150の底部から上方に延びる隔壁部180は、油容器150内の領域を給油領域160と収油領域170に隔てる。跳ね部材120は給油領域160の上方に設け、上軸の駆動力を下軸に伝達する伝達機構に連動して、給油領域160内に進入する進入位置と、給油領域160上方の上方位置の間を移動する。跳ね部材120は進入位置に移動する時、給油領域160内の潤滑油を傾斜面183Aへ向けて押し出す。潤滑油は傾斜面183Aに沿って移動し、隔壁部180を乗り越えて収油領域170に移動する。潤滑油は収油領域170内で冷却し、収油領域170から溢れた潤滑油が給油領域160内に移動する。跳ね部材120は進入位置から上方位置に移動する過程で、給油領域160内の潤滑油を跳ね上げ、伝達機構に供給する。【選択図】図18

Description

本発明は、ミシン用の潤滑油を収容するミシンの油容器、ミシンの給油機構、及びミシンに関する。
例えば特許文献1に記載のミシンは、ミシン本体の下部にオイルパンを設け、潤滑油を貯留する。ポンプはオイルパン内に設ける。ミシンは回転可能な上軸を備え、上軸の回転は駆動機構を介してポンプに伝達する。ポンプは上軸の回転に伴い駆動してオイルパン内の潤滑油を吸い上げ、駆動機構の摺動部分に供給する。駆動機構の摺動部分に供給した潤滑油は駆動機構から滴下し、オイルパン内に戻る。
特開平6−121895号公報
しかしながら、オイルパンに戻った直後の潤滑油は、駆動機構の摺動部分において発生する熱を含み、駆動機構への供給前よりも温度が高くなる場合がある。温度の高い潤滑油をポンプが再び吸い上げて駆動機構の摺動部分に供給すると、潤滑油は更に熱を含み、酸化、熱的劣化等を生ずる可能性があった。
本発明の目的は、潤滑油の劣化を抑制することができるミシンの油容器、ミシンの給油機構、及びミシンを提供することである。
本発明の第一態様によれば、モータの駆動によって回転する上軸に連結し、前記上軸の下方に位置する下軸に前記上軸の駆動力を伝達する伝達機構と、前記伝達機構に潤滑油を供給する供給機構とを備えるミシンの前記伝達機構の下方に設け、上部が開放し、前記供給機構により前記伝達機構に供給後に前記ミシン内で滴下する潤滑油を受けて収容するミシンの油容器において、前記油容器の底部から上端よりも下方の位置まで上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部と、前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記供給機構が前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する領域である給油領域と、前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記伝達機構に供給後に滴下する潤滑油を収容する領域である収油領域とを備え、前記給油領域は、前記収油領域に収容する潤滑油が前記隔壁部の上端を乗り越えて前記収油領域から流れ込む潤滑油を収容することを特徴とするミシンの油容器が提供される。
供給機構によって伝達機構を潤滑した潤滑油は、伝達機構の駆動に伴う熱を含んだ状態でミシン内を滴下し、油容器に戻る。油容器は、給油領域と収油領域の二つの領域に隔てる隔壁部を有する。油容器に戻った潤滑油は収油領域内に溜まる。収油領域内の潤滑油は、収油領域から隔壁部を乗り越えないうちは収油領域内に留まるので、自然冷却により温度が下がる。収油領域内の潤滑油は、収油領域から隔壁部を乗り越えると給油領域に流れる。給油領域内の潤滑油は、供給機構によって再度伝達機構を潤滑できる。故に油容器は、伝達機構に供給した後の潤滑油を収油領域で冷却できるので、再度伝達機構に潤滑油を供給する時に高熱になりにくい。故に油容器は、潤滑油の酸化、熱的劣化等を抑制することができる。
第一態様において、前記ミシンは、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記給油領域と前記収油領域のうちの一方の領域が他方の領域よりも上方に位置し、前記隔壁部は、前記一方の領域側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記他方の領域側に傾斜する傾斜面を含み、前記他方の領域は、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴を有してもよい。油容器は、給油領域と収油領域の内、他方の領域に排出穴を有する。整備時、ミシンが油容器ごと傾倒状態に傾くと、他方の領域は一方の領域よりも下側に位置する。故に油容器は排出穴から潤滑油を排出することができる。隔壁部は傾斜面を有し、傾斜面は油容器の底部側よりも上部側が他方の領域側に傾斜する。故にミシンが傾倒状態の時、傾斜面は、一方の領域の下側に位置し、他方の領域側に向けて下方に傾斜する。故に給油領域内の潤滑油は傾斜面上を流れ、他方の領域へ向けて円滑に流れ落ちる。故に油容器は、他方の領域に設けた排出穴から一方の領域内の潤滑油を残さず排出できる。
第一態様において、前記油容器は、前記排出穴の開口部分に前記油容器の外壁から外側に突出する突出部を備え、前記突出部は、少なくとも前記ミシンが前記傾倒状態の時の前記排出穴の下側に設けてもよい。油容器は、排出穴の開口部分に突出部を備える。突出部は、外壁にて排出穴の開口部分の周囲から油容器の外側へ向け突出する。整備時、ミシンの傾倒状態において、排出穴から油容器の外部に流れる潤滑油は、排出穴の下側にある突出部を伝い、突出先端から油容器の下方に滴り落ちる。故に油容器は、潤滑油が油容器の外壁を伝い、油容器の直下に滴り落ちることを防止できる。
第一態様において、前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記油容器内の全領域において最も下方に位置する部分に、前記排出穴を形成してもよい。他方の領域に設けた排出穴は、ミシンの傾倒状態においては油容器の最も下方に位置する。整備時、ミシンの傾倒状態において、油容器は、排出穴から油容器の全領域内の潤滑油を残さず排出できる。
第一態様において、前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、且つ前記ミシンが起立状態の時、前記ミシンの内部と外部とを連通して潤滑油を注入可能である注入口の下方に位置してもよい。ミシンが傾倒状態であっても起立状態であっても、油容器は注入口の下方に位置し、注入口を潤滑油に浸した状態に維持しないので、油漏れを防止できる。
第一態様において、前記供給機構は、板状をなし、前記油容器の上方に設け、前記伝達機構に接続し、前記伝達機構に連動して、前記給油領域内に進入する進入位置と、前記給油領域の上方に位置する上方位置との間を往復回動し、且つ前記進入位置から前記上方位置に回動する過程で潤滑油を前記伝達機構へ向けて跳ね上げる跳ね部材を有し、前記跳ね部材は、前記上方位置から前記進入位置に回動する時に前記給油領域内を向く側の面が前記給油領域内の潤滑油を前記収油領域に送出する送出部であり、前記隔壁部は、前記跳ね部材が前記進入位置に位置する場合に前記送出部と対向する側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記収油領域側に傾斜する傾斜面を含んでもよい。跳ね部材は、油容器の上方に位置する。跳ね部材は、伝達機構に連動し、進入位置と上方位置との間を往復回動する。跳ね部材は、送出部を有する。跳ね部材が上方位置から進入位置に回動する過程で、送出部は給油領域内の潤滑油を隔壁部の傾斜面へ向けて押し出す。潤滑油は傾斜面に沿って流れるので隔壁部の上端を容易に乗り越えることができる。故に油容器は、給油領域内の潤滑油を収油領域に円滑に移動し、給油領域と収油領域の間で潤滑油を循環することができる。
本発明の第二態様によれば、モータの駆動によって回転する上軸に連結し、前記上軸の下方に位置する下軸に前記上軸の駆動力を伝達する伝達機構を備えるミシンの前記伝達機構の下方に設け、上部が開放し、前記ミシン内で滴下する潤滑油を受けて収容する油容器と、前記油容器に収容する潤滑油を前記伝達機構に供給する供給機構とを備えたミシンの給油機構において、前記油容器は、前記油容器の底部から上端よりも下方の位置まで上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部と、前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記供給機構が前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する領域である給油領域と、前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記伝達機構に供給後に滴下する潤滑油を収容する領域である収油領域とを備え、前記供給機構は、板状をなし、前記油容器の上方に設け、前記伝達機構に接続し、前記伝達機構に連動して、前記給油領域内に進入する進入位置と、前記給油領域の上方に位置する上方位置との間を往復回動し、且つ前記進入位置から前記上方位置に回動する過程で潤滑油を前記伝達機構へ向けて跳ね上げる跳ね部材を備え、前記跳ね部材は、前記上方位置から前記進入位置に回動する時に前記給油領域内を向く側の面が前記給油領域内の潤滑油を前記収油領域に送出する送出部であり、前記収油領域は、前記送出部が送出し、前記隔壁部の上端を乗り越えて流れ込む潤滑油を収容し、前記給油領域は、前記収油領域に収容する潤滑油が前記隔壁部の上端を乗り越えて前記収油領域から流れ込む潤滑油を収容することを特徴とするミシンの給油機構が提供される。
供給機構によって伝達機構を潤滑した潤滑油は、伝達機構の駆動に伴う熱を含んだ状態でミシン内を滴下し、油容器に戻る。跳ね部材は、油容器の上方に位置する。跳ね部材は、伝達機構に連動し、進入位置と上方位置との間を往復回動する。跳ね部材は、送出部を有する。給油領域内の潤滑油は、跳ね部材の送出部が押し出し、収油領域内に移動する。収油領域内の潤滑油は、収油領域から隔壁部を乗り越えないうちは収油領域内に留まるので、自然冷却により、供給機構によって再度伝達機構を潤滑する前に、温度を下げることができる。故に給油機構は、潤滑油の酸化、熱的劣化等を抑制することができる。
第二態様において、前記隔壁部は、前記跳ね部材が前記進入位置に位置する場合に前記送出部と対向する側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記収油領域側に傾斜する傾斜面を含んでもよい。隔壁部は傾斜面を有し、傾斜面は油容器の底部側よりも上部側が収油領域側に傾斜する。跳ね部材が上方位置から進入位置に回動する過程で、送出部は給油領域内の潤滑油を隔壁部の傾斜面へ向けて押し出す。潤滑油は傾斜面に沿って流れるので隔壁部の上端を容易に乗り越えることができる。故に給油機構は、給油領域内の潤滑油を収油領域に円滑に移動し、給油領域と収油領域の間で潤滑油を循環することができる。
本発明の第三態様によれば、モータの駆動によって回転する上軸に連結し、前記上軸の下方に位置する下軸に前記上軸の駆動力を伝達する伝達機構と、前記伝達機構の下方に設け、上部が開放し、前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する油容器と、前記油容器に収容する潤滑油を前記伝達機構に供給する供給機構とを備えたミシンにおいて、前記油容器は、前記油容器の底部から上端よりも下方の位置まで上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部と、前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記供給機構が前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する領域である給油領域と、前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記伝達機構に供給後に滴下する潤滑油を収容する領域である収油領域とを備え、前記給油領域は、前記収油領域に収容する潤滑油が前記隔壁部の上端を乗り越えて前記収油領域から流れ込む潤滑油を収容することを特徴とするミシンが提供される。
供給機構によって伝達機構を潤滑した潤滑油は、伝達機構の駆動に伴う熱を含んだ状態でミシン内を滴下し、油容器に戻る。油容器は、給油領域と収油領域の二つの領域に隔てる隔壁部を有する。油容器に戻った潤滑油は収油領域内に溜まる。収油領域内の潤滑油は、収油領域から隔壁部を乗り越えないうちは収油領域内に留まるので、自然冷却により温度が下がる。収油領域内の潤滑油は、収油領域から隔壁部を乗り越えると給油領域に流れる。給油領域内の潤滑油は、供給機構によって再度伝達機構を潤滑できる。故に油容器は、伝達機構に供給した後の潤滑油を収油領域で冷却できるので、再度伝達機構に潤滑油を供給する時に高熱になりにくい。故にミシンは、潤滑油の酸化、熱的劣化等を抑制することができる。
第三態様において、前記ミシンは、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記給油領域と前記収油領域のうちの一方の領域が他方の領域よりも上方に位置し、前記隔壁部は、前記一方の領域側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記他方の領域側に傾斜する傾斜面を含み、前記他方の領域は、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴を有してもよい。油容器は、給油領域と収油領域の内、他方の領域に排出穴を有する。整備時、ミシンが油容器ごと傾倒状態に傾くと、他方の領域は一方の領域よりも下側に位置する。故に油容器は排出穴から潤滑油を排出することができる。隔壁部は傾斜面を有し、傾斜面は油容器の底部側よりも上部側が他方の領域側に傾斜する。故にミシンが傾倒状態の時、傾斜面は、一方の領域の下側に位置し、他方の領域側に向けて下方に傾斜する。故に給油領域内の潤滑油は傾斜面上を流れ、他方の領域へ向けて円滑に流れ落ちる。故にミシンは、油容器の他方の領域に設けた排出穴から一方の領域内の潤滑油を残さず排出できる。
第三態様において、前記油容器は、前記排出穴の開口部分に前記油容器の外壁から外側に突出する突出部を備え、前記突出部は、少なくとも前記ミシンが前記傾倒状態の時の前記排出穴の下側に設けてもよい。油容器は、排出穴の開口部分に突出部を備える。突出部は、外壁にて排出穴の開口部分の周囲から油容器の外側へ向け突出する。整備時、ミシンの傾倒状態において、排出穴から油容器の外部に流れる潤滑油は、排出穴の下側にある突出部を伝い、突出先端から油容器の下方に滴り落ちる。故にミシンは、潤滑油が油容器の外壁を伝い、油容器の直下に滴り落ちることを防止できる。
第三態様において、前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記油容器内の全領域において最も下方に位置する部分に、前記排出穴を形成してもよい。他方の領域に設けた排出穴は、ミシンの傾倒状態においては油容器の最も下方に位置する。整備時、ミシンは、傾倒状態において、排出穴から油容器の全領域内の潤滑油を残さず排出できる。
第三態様は、前記ミシンの内部と外部とを連通して潤滑油を注入可能である注入口を備え、前記注入口は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、且つ前記ミシンが起立状態の時の前記油容器の上方の位置に設けてもよい。ミシンは、傾倒状態であっても起立状態であっても、注入口が油容器の上方に位置し、潤滑油に浸した状態にならないので、油漏れを防止できる。
ミシン1の斜視図である。 ミシン1の右側面図である。 駆動機構30と給油機構100の斜視図である。 下側連結部70の分解斜視図である。 跳ね部材120が進入位置の時、図2のI−I線で正面視したミシン1の断面図である。 図2のII−II線で正面視したミシン1の断面図である。 油容器150の斜視図である。 油容器150の平面図である。 図8のIV−IV線で正面視した油容器150の断面図である。 図8のV−V線で正面視した油容器150の断面図である。 油容器150の下方からの斜視図である。 傾倒状態のミシン1の斜視図である。 排油時に傾倒状態のミシン1を図2のIII−III線で正面視した断面図である。 給油時に傾倒状態のミシン1を図2のIII−III線で正面視した断面図である。 跳ね部材120の斜視図である。 跳ね部材120が上方位置の時、図2のI−I線で正面視したミシン1の断面図である。 跳ね部材120が上方位置の時、図8のIV−IV線で正面視した油容器150の断面図である。 跳ね部材120が進入位置の時、図8のIV−IV線で正面視した油容器150の断面図である。
本発明の一実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
ミシン1の全体構造を説明する。図1、図2に示すように、ミシン1は布に閂止縫目を形成する閂止ミシンである。ミシン1はミシン台20(図13参照)に設ける。ミシン1は、ベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2は前後方向に延び、内部に半回転釜8(図3参照)、送り台(図示略)、布送り機構(図示略)等を備える。ベッド部2は、針板9を備える。針板9は、前端部上面に針穴(図示略)を有する。送り板11は針板9上に位置し、送り台に固定する。
脚柱部3はベッド部2後側から上方に延び、背壁上部にミシンモータ21(図3参照)を備える。アーム部4は、脚柱部3上端からベッド部2と略平行に前方に延び、内部にミシンモータ21で駆動する上軸31(図3参照)を備える。アーム部4の前端部5は、アーム部4の他部位よりも下方へ突出する。前端部5は、内部に針棒6を上下動可能に支持する。針棒6は前端部5下端から下方へ延びる。縫針7は針棒6下端に着脱可能であり、針棒6と共に上軸31の駆動で上下方向に駆動する。
ミシン1はベッド部2上部に布押え装置10を備える。布押え装置10は押え足12を備える。押え足12は針板9上方に位置する。布押え装置10は押え足12を昇降し、縫製対象物である布を上方から押える。布押え装置10は布押え用モータ(図示略)で駆動する。布押え用モータは脚柱部3内部に設ける。
布送り機構は、ベッド部2内左側にX送り用モータ25を備え、脚柱部3内左側にY送り用モータ26(図6参照)を備える。布送り機構はX送り用モータ25とY送り用モータ26を駆動することで、布押え装置10、送り板11、送り台をX方向(左右方向)とY方向(前後方向)に移動する。ミシン1は縫針7の上下動に合わせて布をX方向とY方向に送り、布に閂止縫目を形成する。
通常使用時、ミシン1は起立状態にて使用する。起立状態は、脚柱部3がミシン台20上面(水平面)に対して垂直に起立した状態である。整備時、ミシン1は傾倒方向に傾けて傾倒状態にする。傾倒状態は、脚柱部3がミシン台20上面(水平面)に対して傾倒した状態である。ミシン1の傾倒方向は左方である。ミシン1は、傾倒状態の時、ベッド部2左下部のヒンジ部2Aを軸に、右面側を上側に傾ける(図12参照)。
図3〜図6を参照し、ミシン1の駆動機構30を説明する。駆動機構30は、ミシンモータ21、上軸31、下軸36、伝達機構40、天秤駆動機構80、針棒駆動機構85、釜駆動機構90を備える。
上軸31は、アーム部4内を前後方向に延びる。上軸31の後端は、継手32を介してミシンモータ21の出力軸に接続する。ミシンモータ21は、軸心Aを中心に、上軸31を回転する。継手32は、後端部に弾み車33を設ける。弾み車33は上軸31の回転を安定化する。
天秤駆動機構80と針棒駆動機構85は前端部5内に設ける。上軸31の前端は、天秤駆動機構80と針棒駆動機構85に接続する。ミシンモータ21は上軸31を回転し、天秤駆動機構80と針棒駆動機構85に上軸31の回転に伴う駆動力を伝達する。天秤駆動機構80は天秤14を備える。天秤駆動機構80は、上軸31の回転に伴い、天秤14を上下動する。天秤駆動機構80の構成は周知なので、説明を省略する。針棒駆動機構85は、針棒6を備える。針棒駆動機構85は、上軸31の回転に伴い、針棒6と縫針7を上下に往復移動する。針棒6の下降時、縫針7の下端は、針穴を通過して半回転釜8の上部に到達する。ボビンケース(図示略)は下糸を巻いたボビン(図示略)を収容し、半回転釜8に装着する。縫針7は上糸を保持する。半回転釜8は縫針7と協働し、上糸と下糸を絡める。天秤14は、下糸に絡んだ上糸を針板9上に引き上げ、布に縫目を形成する。
下軸36は、ベッド部2内を前後方向に延び、軸心Eを中心に往復回動する。釜駆動機構90は、ベッド部2内の前端部に設ける。下軸36の前端は、釜駆動機構90に接続する。釜駆動機構90は半回転釜8を備える。半回転釜8は、下軸36の往復回動に伴い駆動し、針棒6の上下動と同期して往復回動する。下軸36は、後端部にはす歯歯車37を備える。はす歯歯車37は、伝達機構40の揺動ギア71に噛合する。
伝達機構40は、上軸31の回転によって生ずる駆動力を下軸36に伝達する。伝達機構40は、連桿45、上側連結部50、下側連結部70を備える。連桿45は棒状で、脚柱部3内を上下方向に延びる。上側連結部50は連桿45の上端部を上軸31に連結する。下側連結部70は連桿45の下端部を下軸36に連結する。
上側連結部50は、上軸31の回転動作を連桿45の往復上下動作に変換するリンク機構である。上側連結部50は、クランク部51、軸受53、54、バランサ55、56、針軸受60を有する。
クランク部51は上軸31に設け、上軸31と一体に回転する。クランク部51は、クランク軸52を有する。即ちクランク軸52は上軸31と一体に設ける。クランク軸52の軸心Bは上軸31の軸心Aに対して偏心し、且つ平行に設ける。即ちクランク部51は、上軸31の一部を屈曲し、上軸31と平行に延びる部分をクランク軸52として形成することで、上軸31に設ける。上軸31が軸心Aを中心に回転すると、クランク軸52の軸心Bは、軸心Aの周囲を周回する。
上軸31は、クランク部51の前側と後側に、一対の筒状のブッシュ(図示略)を固定する。軸受53、54は、外輪と内輪の間に複数の玉状ころを保持した環状のベアリングである。軸受53、54は、クランク部51の前側と後側に夫々設ける。軸受53、54の外輪は、ミシン1の機枠に固定する。軸受53、54の内輪はブッシュに嵌め込み、上軸31を回転可能に支持する。バランサ55、56は夫々、軸受53の前側と軸受54の後側に設け、上軸31に固定する。バランサ55、56は、クランク軸52の回転によって上軸31に作用する遠心力の不釣り合いを抑制する。バランサ55、56の重心位置は、上軸31の軸心Aの位置に対し、クランク軸52の軸心Bと反対側に位置する。
針軸受60は複数の針状ころを保持する筒状のニードルベアリングである。針軸受60は上側部分と下側部分に分割できる。針軸受60はクランク軸52を挟み、クランク軸52は針軸受60を回転可能に支持する。連桿45は上端部に環状の上環部46を有する。上環部46は上側部分と下側部分に分割できる。上環部46の下側部分は連桿45本体に接続する。上環部46は、環内に針軸受60を保持した状態で、上側部分を螺子で下側部分に固定する。故にクランク軸52は、針軸受60を介し、上環部46を回転可能に支持する。上環部46の上側部分は、上面に給油穴47を開口する。上環部46は給油穴47から潤滑油を取り込み、針軸受60とクランク軸52を潤滑する。
下側連結部70は、連桿45の往復上下動作を下軸36の往復回転動作に変換するリンク機構である。下側連結部70は、梃子部材76、座金79、揺動ギア71、軸受72、73、カラー74、75、補助軸77を備える。
梃子部材76は、連桿45の往復上下動作を揺動ギア71に伝達する。梃子部材76は、連結軸76B、揺動棒76C、ギア軸76Aを備える。連結軸76Bは前後方向に延びる略円柱状である。連桿45は下端部に環状の下環部48を有する。下環部48は、環内にて連結軸76Bを回転可能に支持する。座金79は円盤状で、下環部48を挿通した連結軸76Bの前端に固定し、連結軸76Bからの下環部48の抜けを防止する。
揺動棒76Cは連結軸76Bの後端部との接続部分に一端を有し、一端から連結軸76Bの後端部と直交して延びる略長円板状である。ギア軸76Aは揺動棒76Cの他端に設け、後方に突出する略円柱状である。ギア軸76Aの軸心Cと、連結軸76Bの軸心Dは平行に延び、且つ偏心する。
揺動ギア71はギア軸76Aに固定する。ギア軸76Aは揺動ギア71の回動中心を担う。揺動ギア71は円環状の支部71Aと、支部71Aから径方向に突出する歯部71Bを備える。支部71Aはギア軸76Aに螺子で固定する。歯部71Bは支部71Aの外周面の一部から径方向外向きに扇状に突出する。歯部71Bははす歯に形成し、下軸36のはす歯歯車37に噛合する。
軸受72、73は揺動ギア71の前側と後側に夫々設ける。軸受72、73は、外輪と内輪の間に複数の玉状ころを保持した環状のベアリングである。軸受72、73の内輪はギア軸76Aに嵌め込み、ギア軸76Aと揺動ギア71を回動可能に支持する。軸受72、73の外輪は、筒状のカラー74、75の内面に嵌め込む。カラー74、75は夫々、螺子でミシン1の機枠に固定する。故に連桿45が往復上下動作すると、連結軸76Bの軸心Dは、ギア軸76Aの軸心Cの周囲を往復回転する。故に梃子部材76は、軸心Cを中心に揺動する。梃子部材76が揺動すると、揺動ギア71は往復回動し、下軸36を往復回転する。
補助軸77は、ギア軸76Aの後端に固定する。補助軸77は、取付部77Aと軸部77Bを有する。ギア軸76Aは、前後方向に貫通する貫通穴を有する。取付部77Aはギア軸76Aよりも長い。取付部77Aはギア軸76Aの後側から貫通穴を挿通し、螺子でギア軸76Aに固定する。取付部77Aの先端部は揺動棒76Cの前側に突出する。取付部77Aの先端部は断面がD字状を呈し、供給機構110の跳ね部材120は取付部77Aの先端部に螺子で固定する。軸部77Bは、ギア軸76Aと略同径で、後端に抜け止めの鍔部77Cを有する。軸部77Bはギア軸76Aを延長し、鍔部77Cで軸受72、73等の抜けを防止する。連桿45が往復上下動作すると、補助軸77はギア軸76Aと共に往復回動する。
ミシンモータ21が駆動すると、上軸31は軸心Aを中心に回転する。上軸31に接続する天秤駆動機構80と針棒駆動機構85は夫々、天秤14と針棒6を上下動する。連桿45の上環部46を支持するクランク軸52は、上軸31の軸心Aの周囲を周回する。クランク軸52の周回により、連桿45は上下に往復移動し、連結軸76Bを上下に往復移動する。連桿45の下環部48を支持する連結軸76Bの軸心Cは、ギア軸76Aの軸心Dを中心とする円弧状の軌道を移動する。梃子部材76は、ギア軸76Aが軸心Cを中心に往復回転する。ギア軸76Aに固定する揺動ギア71は、軸心Cを中心に往復回転動作を行う。揺動ギア71は、はす歯歯車37を介して往復回転動作に伴う駆動力を伝達し、下軸36を往復回転する。下軸36に接続する釜駆動機構90は、半回転釜8を往復回転する。故に半回転釜8と天秤14と針棒6は、同期して駆動する。
給油機構100を説明する。給油機構100は、供給機構110と油容器150を備える。供給機構110は、油容器150の油貯留部150Aに収容する潤滑油を伝達機構40に供給する。供給機構110は、跳ね部材120と油送機構130を含む。供給機構110は後述する。伝達機構40と供給機構110と油貯留部150Aは、仕切部15内に配置する。仕切部15は、ミシン1内部における伝達機構40、供給機構110、油貯留部150Aの配置領域を、ミシン1の機枠と油容器150によって、他の機構の配置領域との間で仕切る。天秤駆動機構80、針棒駆動機構85、釜駆動機構90等、他の機構は、仕切部15外に設ける。ミシン1の機枠は、仕切部15の上部にて上側連結部50の軸受53、54の外輪を保持する。オイルシール(図示略)はミシン1の機枠と軸受53、54の間に設け、機枠と軸受53、54の間隙を塞ぐ。ミシン1の機枠は、仕切部15の下部にて下側連結部70のカラー74、75と、下軸36を回転可能に支持する軸受(図示略)の外輪を保持する。オイルシールは機枠とカラー74、75及び軸受の間に設け、機枠とカラー74、75及び軸受の間隙を塞ぐ。
ミシン1機枠の仕切部15を構成する部分は、上部と下部に開口部15A、15B(図5参照)を有する。上部の開口部15Aは、環状のパッキン(図示略)を挟み、蓋材(図示略)で覆う。蓋材は、開口部15Aから潤滑油が外部に漏れ出すのを防ぐ。蓋材は、仕切部15の内外を連通する空気穴(図示略)を有する。伝達機構40の駆動に伴い仕切部15内の温度が上昇した時、空気穴は仕切部15内で膨張した空気を外部に逃す。故に空気穴は、膨張した空気が潤滑油をパッキンの隙間から押し出し、潤滑油が外部に漏れ出すのを防ぐ。ミシン1機枠の下部の開口部15Bは、油容器150が下方から覆う。仕切部15は、伝達機構40と供給機構110を他の機構から隔離する。油容器150は、伝達機構40を潤滑後、仕切部15内で下方に落ちる潤滑油を受けて収容する。潤滑油は、仕切部15内で循環する。
油容器150を説明する。図7〜図11に示すように、油容器150は、上部が開放する箱状の容器である。油容器150は、油貯留部150A、鍔部151を有する。油貯留部150Aは、伝達機構40の下方に位置する。油貯留部150Aは、仕切部15内で供給機構110が伝達機構40に供給し、下方に移動して滴下する潤滑油を受けて収容する。鍔部151は、油容器150の上部開口から側方に張り出す環状を呈す。鍔部151の上面151Aの形状は、仕切部15の開口部15Bの形状に沿う形状である。パッキン16(図5参照)は環状を呈し、鍔部151の上面151Aに設けた環状の溝部151Bに嵌める。溝部151Bは、上面151Aを下方に凹む溝である。油容器150は、パッキン16を介して上面151Aを開口部15Bの下面に密着し、螺子でミシン1の機枠に固定する。故に潤滑油は油容器150と開口部15Bの間から漏れない。開口部15Bは、ベッド部2内において上下方向の略中央で、左右方向の右寄りの位置にて開口する。故に油容器150は、ベッド部2内で、上下方向の略中央よりも下側、且つ左右方向の略中央から右側の位置に配置する。
油容器150はアルミニウム等の金属で形成する。油容器150は、鍔部151、第一底壁164、第一前壁161、第一後壁162、右壁163、第二底壁174、第二前壁171、第二後壁172、左壁173、第三前壁181、第三後壁182、斜壁183、中壁184、棚壁185を有する。
第一底壁164は油容器150の底面の一部を構成し、平面視で油容器150の中央よりも右側の領域に設ける。第一底壁164は、平面視で後部左側が右側よりも後方に突出する略台形状を呈し、右前角部が凹む。第一前壁161、第一後壁162、右壁163は夫々、第一底壁164の前端、後端、右端から略鉛直に立ち上がり、上端部が鍔部151の内周側端部に接続する。
第二底壁174は油容器150の底面の一部を構成し、平面視で油容器150の中央よりも左側の領域に設ける。第二底壁174は、平面視略矩形状を呈す。第二底壁174は、第一底壁164よりも下方に位置する。第二前壁171、第二後壁172、左壁173は夫々、第二底壁174の前端、後端、左端から略鉛直に立ち上がり、上端部が鍔部151の内周側端部に接続する。
棚壁185は平面視で油容器150の略中央の領域に設け、第一底壁164、第二底壁174と略平行である。棚壁185は、平面視で後部右側が左側よりも後方に突出する略台形状を呈す。棚壁185は、鍔部151よりも下方で、第一底壁164よりも上方に設ける。斜壁183は、棚壁185の右端から右斜め下方に延び、第一底壁164の左端に接続する。中壁184は、棚壁185の左端から略鉛直下方に延び、第二底壁174の右端に接続する。第三前壁181は、斜壁183、中壁184、棚壁185の夫々の前端から略鉛直に立ち上がり、上端部が鍔部151の内周側端部に接続する。第三前壁181の左右両端は夫々、第二前壁171と第一前壁161に接続する。第一前壁161、第二前壁171、第三前壁181は一体に、油容器150の前側の壁部を構成する。第三後壁182は、斜壁183、中壁184、棚壁185の夫々の後端から略鉛直に立ち上がり、上端部が鍔部151の内周側端部に接続する。第三後壁182の左右両端は夫々、第二後壁172と第一後壁162に接続する。第一後壁162、第二後壁172、第三後壁182は一体に、油容器150の後側の壁部を構成する。
斜壁183、中壁184、棚壁185は、油貯留部150Aを左右方向に二つの領域に隔てる隔壁部180を形成する。隔壁部180は、斜壁183、中壁184が夫々第一底壁164、第二底壁174から上面151Aよりも下方の位置まで上方へ延びる。油貯留部150Aは、給油領域160と収油領域170を含む。給油領域160は、隔壁部180の右側の領域である。第一底壁164、第一前壁161、第一後壁162、右壁163、斜壁183は、給油領域160を取り囲む。給油領域160は、跳ね部材120が伝達機構40に供給する潤滑油を収容する領域である。収油領域170は、隔壁部180の左側の領域である。第二底壁174、第二前壁171、第二後壁172、左壁173、中壁184は、収油領域170を取り囲む。収油領域170は、伝達機構40から駆動に伴い生ずる熱を受熱して滴下し、油貯留部150A内に戻る潤滑油を収容する領域である。
油容器150は、給油領域160に磁石(図示略)を配置する。第一底壁164は、左前角部に、磁石を組み付ける組み付け部168を有する。磁石は潤滑油が含む鉄粉等を磁力で吸着し、潤滑油から鉄粉等を除去する。
油容器150は、収油領域170に排出穴152を有する。排出穴152は、第二底壁174の左後角部分に形成する。排出穴152は第二底壁174を上下に貫通し、油容器150内と外部を連通する。排出穴152は、ミシン1の整備時、油貯留部150A内の潤滑油を外部に排出する穴である。排出穴152は、油容器150の左端に位置する。図13に示すように、ミシン1が傾倒状態の時、油容器150は左側を下方にして傾く。該時、収油領域170は、給油領域160よりも下側に位置する。斜壁183は、給油領域160の下側に位置し、第一底壁164から離れる方向に向けて下方に傾斜する。故に給油領域160内の潤滑油は傾斜面183A(図17参照)上を流れ、収油領域170側に残らず移動する。収油領域170に設けた排出穴152は、傾倒状態においては油貯留部150Aの全領域において最も下方に位置する。故に排出穴152は、収油領域170内の潤滑油を残さず排出することができる。
ミシン1の通常使用時、油容器150は排出穴152に螺子153を締結する。螺子153は螺子首にOリング154を設け、排出穴152を塞ぐ。油容器150は、排出穴152の開口部分に突出部155を備える。突出部155は、第二底壁174の外壁にて排出穴152の開口部分の周囲から油容器150の外側へ向け筒状に突出する。布送り機構のX送り用モータ25は、油容器150の左側に位置する(図6参照)。図12、図13に示すように、ミシン1が傾倒状態の時、X送り用モータ25は、油容器150の下方に位置する。突出部155は、排出穴152から排出する潤滑油を、X送り用モータ25の上方にて側方に案内する。故に排出穴152から排出する潤滑油を突出部155の下側にて油回収容器157で受ければ、潤滑油はX送り用モータ25等に垂れ落ちない。
図6に示すように、ミシン1は、ベッド部2の右面に注入口2Bを開口する。注入口2Bは、仕切部15の内部と外部を連通する。注入口2Bは、油容器150の上方且つ右方に位置する。図14に示すように、ミシン1が傾倒状態の時、利用者は、注入口2Bに給油容器158のノズルを差し込み給油する。給油後、注入口2Bは、Oリングを螺子首に設けた螺子2C(図6参照)を締結して塞ぐ。注入口2Bをベッド部2に設けたので、潤滑油は注入口2Bからベッド部2内にて仕切部15内に溜まる。油容器150の第二底壁174は、排出穴152の右前方に、窓部156を開口する。利用者は、ミシン1が傾倒状態の時、窓部156を介して油貯留部150A内の潤滑油の量と満量位置を確認できる。傾倒状態において、油容器150は注入口2Bの下方に位置する。故に潤滑油は、油容器150を含む仕切部15内に溜まり、注入口2Bを浸すことがない。
図6に示すように、ミシン1が起立状態の時、油容器150は注入口2Bの下方に位置する。ベッド部2内にて仕切部15内に溜まった潤滑油は、油容器150内に移動する。油容器150が油貯留部150Aに潤滑油を満量に収容した時の油面S(図5参照)の高さは、棚壁185の上面185Aの高さよりも高く、鍔部151の上面151Aの高さよりも低い。注入口2Bが油容器150よりも上方に位置するので、ミシン1は注入口2Bを潤滑油に浸した状態にすることがなく、油漏れを防止できる。
供給機構110を説明する。図15に示すように、供給機構110の跳ね部材120は、板材の折り曲げ加工によって形成する。跳ね部材120は、固定部121と移動部125を有する。固定部121は、伝達機構40の下側連結部70に跳ね部材120を固定する部位である。固定部121は略矩形に形成し、二つの螺子穴122を有する。螺子穴122に通す螺子は、補助軸77の取付部77Aに締結し、固定部121を補助軸77に固定する。
移動部125は固定部121の一端から板状に延び、且つ固定部121に対して略45度に屈曲する。移動部125は、固定部121と反対側に掬い部126を有する。掬い部126は、移動部125の端部を、移動部125が固定部121に対して屈曲する側である上側に、略直角に屈曲した部分である。移動部125の板幅は、固定部121側よりも掬い部126側が細い。移動部125の面で、移動部125に対して掬い部126が屈曲する側と反対側の面は、送出部127である。
図5に示すように、取付部77Aに固定部121を固定した跳ね部材120は、油貯留部150Aの上方に位置する。跳ね部材120は連桿45の往復上下動作に連動し、ギア軸76Aと共に往復回動する。跳ね部材120が回動範囲の一端に位置する時、掬い部126を含む移動部125は、油貯留部150Aの給油領域160内に進入する。該場合の跳ね部材120の位置を、進入位置と称す。図16に示すように、跳ね部材120が回動範囲の他端に位置する時、掬い部126を含む移動部125は、給油領域160の上方に位置する。該場合の跳ね部材120の位置を、上方位置と称す。跳ね部材120は、進入位置と上方位置との間を往復回動し、移動部125を、進入位置と上方位置との間で往復移動する。
図17に示すように、跳ね部材120は、進入位置から上方位置に回動する(矢印J参照)。跳ね部材120は、進入位置にて移動部125が潤滑油に浸ることで移動部125に付着した潤滑油を、上方位置に回動する過程で、仕切部15内に跳ね上げる(矢印N参照)。更に、掬い部126が移動部125との協働で給油領域160内の潤滑油をすくい上げるので、跳ね部材120は、より多くの潤滑油を仕切部15内に跳ね上げることができる。潤滑油は仕切部15内にて上方に跳ね上がり、伝達機構40の上側連結部50を潤滑する。伝達機構40を潤滑した潤滑油は、伝達機構40の駆動に伴い発生する熱を受熱する。潤滑油は上側連結部50から連桿45を伝い、下側連結部70を潤滑して油貯留部150A内に落ちる。また、潤滑油は仕切部15内面を伝い、油貯留部150A内に落ちる。
跳ね部材120が給油領域160内の潤滑油を跳ね上げると、給油領域160内の潤滑油の油面は、収油領域170内の潤滑油の油面よりも低くなる。故に収油領域170内の潤滑油は、隔壁部180を乗り越えて給油領域160内に移動する(矢印L参照)。
図18に示すように、跳ね部材120が進入位置に位置する時、送出部127は、給油領域160内で、斜壁183の傾斜面183Aに対向する。傾斜面183Aは、底部側よりも上部側が収油領域170側に傾斜する。跳ね部材120が上方位置から進入位置に回動する過程で(矢印K参照)、送出部127は、給油領域160内の潤滑油を傾斜面183Aに向けて右斜め上方から左方に押し出す。潤滑油は、傾斜面183Aに沿って移動し、隔壁部180を乗り越えて収油領域170内に移動する(矢印M参照)。即ち跳ね部材120は、上方位置から進入位置に回動する時、伝達機構40から受熱して油貯留部150A内に落ちた潤滑油を、送出部127によって給油領域160から収油領域170に送出する。
供給機構110は、収油領域170内の潤滑油を伝達機構40の潤滑に使用せず、給油領域160内の潤滑油を伝達機構40の潤滑に使用する。故に収油領域170内の潤滑油は、給油領域160に移動する分を除き、収油領域170内にて滞留する。収油領域170の容量は給油領域160の容量よりも大きい。従って滞留中に、潤滑油の熱は収油領域170内で広く拡散する。潤滑油は、収油領域170から隔壁部180を乗り越えて給油領域160に移動するまでの間に、収油領域170内で温度が下がる。即ち収油領域170は、潤滑油が収油領域170内に留まる間、潤滑油を冷却することができる。
跳ね部材120の往復回動は、上軸31の回転に同期する。故に上軸31が高速回転する時、跳ね部材120は高速に往復回動し、上軸31が低速回転する時、跳ね部材120は低速に往復回動する。上軸31が高速回転する時の回転速度は、例えば、ミシンモータ21が上軸31を回転可能な速度の中央値以上で回転する場合の回転速度である。上軸31が低速回転する時の回転速度は、例えば、ミシンモータ21が上軸31を回転可能な速度の中央値未満で回転する場合の回転速度である。跳ね部材120が低速で往復回動する時、潤滑油は、跳ね部材120が高速で往復回動する時よりも高く跳ね上がらない。該場合、潤滑油は仕切部15内の上部に届かず、上側連結部50を潤滑できない可能性がある。故に供給機構110は、油送機構130を備えることで、跳ね部材120による潤滑油の供給不足を補う。
図5に示すように、油送機構130は、仕切部15内に油送管131を配管する。油送管131は仕切部15内の右側をミシン1機枠に沿って上下に延び、内部に組紐からなる心材132を挿通する。即ち心材132は仕切部15内を上下方向に延びる。油送機構130は、心材132の毛細管作用を利用する灯心給油によって潤滑油を油送し、伝達機構40に供給する。心材132の上端部132Aは、注油部材133に接触する。注油部材133は、例えば、フェルト部材である。注油部材133は、仕切部15上部の開口部15Aに設ける板材に固定する。図16に示すように、上軸31が回転し、連桿45の上環部46が上軸31の上側に位置する時、注油部材133は、上環部46の給油穴47に接触する。即ち、心材132の上端部132Aは、注油部材133を介して上環部46の給油穴47に接触可能である。
心材132の下端部132Bは、仕切部15内でベッド部2と脚柱部3の接続部付近に設ける貯留機構136に配置する。貯留機構136は、例えば、フェルト部材であり、連桿45の可動範囲に干渉しない位置にて棚状に設けた板材上に敷設する。貯留機構136は、跳ね部材120よりも上方に設ける。即ち、心材132の下端部132Bは、上側連結部50の下方且つ跳ね部材120よりも上方に設ける。仕切部15内で貯留機構136を設ける高さ位置は、跳ね部材120が低速で往復回動する時に跳ね上げた潤滑油が十分に届く高さ位置であると好ましい。該場合、貯留機構136は、跳ね部材120が高速で往復回動する時だけでなく、低速で往復回動する時でも、跳ね部材120が跳ね上げる潤滑油で潤すことができ、潤滑油を溜めることができる。
潤滑油を灯心給油で上方に油送する時、潤滑油は、重力に逆らって移動する。故に心材132が一度に油送できる潤滑油の量は、心材132の長さが長いほど少なくなる。貯留機構136を跳ね部材120よりも上方に設けた場合、貯留機構136は上下方向において上側連結部50により近づく。該場合、心材132の長さは比較的短くでき、潤滑油を灯心給油で油送する距離を、より短くすることができる。故に心材132は、潤滑油をより確実に灯心給油で上側連結部50に油送することができる。
跳ね部材120によって伝達機構40を潤滑し、仕切部15内を下方に落ちる潤滑油の一部は、貯留機構136に付着して浸透する。貯留機構136に浸透した潤滑油は、心材132の下端部132Bに浸透する。心材132は灯心給油で潤滑油を下端部132Bから上端部132Aに油送する。潤滑油は上端部132Aから注油部材133に浸透する。注油部材133は、上軸31の回転に伴い接触する連桿45の上環部46の給油穴47に潤滑油を供給する。故に供給機構110は、上軸31が低速回転し、跳ね部材120が潤滑油を上側連結部50の高さまで跳ね上げられない時でも、上側連結部50への潤滑油の供給を行うことができる。
図5に示すように、仕切部15内でベッド部2と脚柱部3が接続する部分は、下側連結部70の上方に位置する。下軸36のはす歯歯車37は、ベッド部2と脚柱部3の連接部分よりも左側に位置する。故に仕切部15内を下方に落ちる潤滑油は、はす歯歯車37を直接潤滑することができない。図6に示すように、供給機構110は、はす歯歯車37に潤滑油を供給する供給部材140を備える。供給部材140はベッド部2に固定して上下方向に延び、上端部がはす歯歯車37のギア歯に接触し、下端部が油容器150の収油領域170内に位置するフェルト部材である。ミシン1が起立状態の時、収油領域170の潤滑油は、供給部材140の毛細管作用を利用して下端部から上端部に移動し、はす歯歯車37を潤滑する。
以上説明したように、供給機構110によって伝達機構40を潤滑した潤滑油は、伝達機構40の駆動に伴う熱を含んだ状態でミシン1内を滴下し、油容器150に戻る。油容器150は、給油領域160と収油領域170の二つの領域に隔てる隔壁部180を有する。油容器150に戻った潤滑油は収油領域170内に溜まる。収油領域170内の潤滑油は、収油領域170から隔壁部180を乗り越えないうちは収油領域170内に留まるので、自然冷却により温度が下がる。収油領域170内の潤滑油は、収油領域170から隔壁部180を乗り越えると給油領域160に流れる。給油領域160内の潤滑油は、供給機構110によって再度伝達機構40を潤滑できる。故に油容器150は、伝達機構40に供給した後の潤滑油を収油領域170で冷却できるので、再度伝達機構40に潤滑油を供給する時に高熱になりにくい。故に油容器150は、潤滑油の酸化、熱的劣化等を抑制することができる。
油容器150は、収油領域170に排出穴152を有する。整備時、ミシン1が油容器150ごと傾倒状態に傾くと、収油領域170は給油領域160よりも下側に位置する。故に油容器150は排出穴152から潤滑油を排出することができる。隔壁部180は傾斜面183Aを有し、傾斜面183Aは油容器150の底部側よりも上部側が収油領域170側に傾斜する。故にミシン1が傾倒状態の時、斜壁183の傾斜面183Aは、給油領域160の下側に位置し、第一底壁164から離れる方向に向けて下方に傾斜する。故に給油領域160内の潤滑油は傾斜面183A上を流れ、収油領域170へ向けて円滑に流れ落ちる。故に油容器150は、収油領域170に設けた排出穴152から給油領域160内の潤滑油を残さず排出できる。
油容器150は、排出穴152の開口部分に突出部155を備える。突出部155は、第二底壁174の外壁にて排出穴152の開口部分の周囲から油容器150の外側へ向け筒状に突出する。整備時、ミシン1の傾倒状態において、排出穴152から油容器150の外部に流れる潤滑油は、排出穴152の下側にある突出部155を伝い、突出先端から油容器150の下方に滴り落ちる。故に油容器150は、潤滑油が油容器150の外壁を伝い、油容器150の直下に滴り落ちることを防止できる。
収油領域170に設けた排出穴152は、ミシン1の傾倒状態においては油容器150の最も下方に位置する。整備時、ミシン1の傾倒状態において、油容器150は、排出穴152から油容器150の全領域内の潤滑油を残さず排出できる。
ミシン1が傾倒状態であっても起立状態であっても、油容器150は注入口2Bの下方に位置し、注入口2Bを潤滑油に浸した状態に維持しないので、油漏れを防止できる。
跳ね部材120は、油容器150の上方に位置する。跳ね部材120は、伝達機構40に連動し、進入位置と上方位置との間を往復回動する。跳ね部材120は、進入位置に位置する時、給油領域160内で傾斜面183Aに対向する送出部127を有する。跳ね部材120が上方位置から進入位置に回動する過程で、送出部127は給油領域160内の潤滑油を隔壁部180の傾斜面183Aへ向けて押し出す。潤滑油は傾斜面183Aに沿って流れるので隔壁部180の上端である棚壁185の上面185Aを容易に乗り越えることができる。故に油容器150は、給油領域160内の潤滑油を収油領域170に円滑に移動し、給油領域160と収油領域170の間で潤滑油を循環することができる。
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。油容器150は、ミシン1が傾倒状態の時に収油領域170が給油領域160の上側に位置する。これに限らず、油容器150は、ミシン1が傾倒状態の時に収油領域170が給油領域160の上側に位置してもよい。該場合、排出穴152と突出部155は給油領域160に設け、且つ中壁184は、上側が給油領域160側に傾く傾斜壁として形成してもよい。
棚壁185はなくてもよい。該場合、斜壁183の上端と中壁184の上端は、棚壁185の高さ位置で接続してもよい。斜壁183は傾斜せず、第一底壁164の左端から略鉛直に立ち上がり、棚壁185の右端に接続する壁部であってもよい。第一底壁164の高さ位置と第二底壁174の高さ位置は同じであってもよい。
突出部155は筒状でなくてもよい。突出部155は、例えば、排出穴152の開口部分の左側から下方へ向けて板状又は円弧状に突出してもよい。即ち突出部155は、ミシン1が傾倒状態の時、排出穴152の少なくとも下側にあり、排出穴152から排出する潤滑油をX送り用モータ25等の上方から側方に案内できればよい。
注入口2Bはベッド部2右面に設けたが、ベッド部2後面、脚柱部3右面又は後面等に設けてもよい。注入口2Bは、ミシン1が傾倒状態の時、且つ起立状態の時、油容器150よりも上方にあればよい。
供給機構110は、跳ね部材120を備えなくてもよい。該場合、供給機構110は、例えば給油領域160にポンプを設け、ポンプにより伝達機構40に潤滑油を供給してもよい。
上記実施形態において、ミシンモータ21は、本発明の「モータ」に相当する。第一底壁164、第二底壁174は、本発明の「底部」に相当する。鍔部151の上面151Aは、本発明の「上端」に相当する。
1 ミシン
2B 注入口
21 ミシンモータ
31 上軸
36 下軸
40 伝達機構
110 供給機構
120 跳ね部材
127 送出部
150 油容器
151A 上面
152 排出穴
155 突出部
160 給油領域
164 第一底壁
170 収油領域
174 第二底壁
180 隔壁部
183A 傾斜面

Claims (13)

  1. モータの駆動によって回転する上軸に連結し、前記上軸の下方に位置する下軸に前記上軸の駆動力を伝達する伝達機構と、前記伝達機構に潤滑油を供給する供給機構とを備えるミシンの前記伝達機構の下方に設け、上部が開放し、前記供給機構により前記伝達機構に供給後に前記ミシン内で滴下する潤滑油を受けて収容するミシンの油容器において、
    前記油容器の底部から上端よりも下方の位置まで上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部と、
    前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記供給機構が前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する領域である給油領域と、
    前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記伝達機構に供給後に滴下する潤滑油を収容する領域である収油領域と
    を備え、
    前記給油領域は、前記収油領域に収容する潤滑油が前記隔壁部の上端を乗り越えて前記収油領域から流れ込む潤滑油を収容すること
    を特徴とするミシンの油容器。
  2. 前記ミシンは、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、
    前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記給油領域と前記収油領域のうちの一方の領域が他方の領域よりも上方に位置し、
    前記隔壁部は、前記一方の領域側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記他方の領域側に傾斜する傾斜面を含み、
    前記他方の領域は、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のミシンの油容器。
  3. 前記油容器は、前記排出穴の開口部分に前記油容器の外壁から外側に突出する突出部を備え、
    前記突出部は、少なくとも前記ミシンが前記傾倒状態の時の前記排出穴の下側に設けたことを特徴とする請求項2に記載のミシンの油容器。
  4. 前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記油容器内の全領域において最も下方に位置する部分に、前記排出穴を形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載のミシンの油容器。
  5. 前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、且つ前記ミシンが起立状態の時、前記ミシンの内部と外部とを連通して潤滑油を注入可能である注入口の下方に位置することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のミシンの油容器。
  6. 前記供給機構は、板状をなし、前記油容器の上方に設け、前記伝達機構に接続し、前記伝達機構に連動して、前記給油領域内に進入する進入位置と、前記給油領域の上方に位置する上方位置との間を往復回動し、且つ前記進入位置から前記上方位置に回動する過程で潤滑油を前記伝達機構へ向けて跳ね上げる跳ね部材を有し、
    前記跳ね部材は、前記上方位置から前記進入位置に回動する時に前記給油領域内を向く側の面が前記給油領域内の潤滑油を前記収油領域に送出する送出部であり、
    前記隔壁部は、前記跳ね部材が前記進入位置に位置する場合に前記送出部と対向する側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記収油領域側に傾斜する傾斜面を含むこと
    を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のミシンの油容器。
  7. モータの駆動によって回転する上軸に連結し、前記上軸の下方に位置する下軸に前記上軸の駆動力を伝達する伝達機構を備えるミシンの前記伝達機構の下方に設け、上部が開放し、前記ミシン内で滴下する潤滑油を受けて収容する油容器と、
    前記油容器に収容する潤滑油を前記伝達機構に供給する供給機構と
    を備えたミシンの給油機構において、
    前記油容器は、
    前記油容器の底部から上端よりも下方の位置まで上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部と、
    前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記供給機構が前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する領域である給油領域と、
    前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記伝達機構に供給後に滴下する潤滑油を収容する領域である収油領域と
    を備え、
    前記供給機構は、板状をなし、前記油容器の上方に設け、前記伝達機構に接続し、前記伝達機構に連動して、前記給油領域内に進入する進入位置と、前記給油領域の上方に位置する上方位置との間を往復回動し、且つ前記進入位置から前記上方位置に回動する過程で潤滑油を前記伝達機構へ向けて跳ね上げる跳ね部材を備え、
    前記跳ね部材は、前記上方位置から前記進入位置に回動する時に前記給油領域内を向く側の面が前記給油領域内の潤滑油を前記収油領域に送出する送出部であり、
    前記収油領域は、前記送出部が送出し、前記隔壁部の上端を乗り越えて流れ込む潤滑油を収容し、
    前記給油領域は、前記収油領域に収容する潤滑油が前記隔壁部の上端を乗り越えて前記収油領域から流れ込む潤滑油を収容すること
    を特徴とするミシンの給油機構。
  8. 前記隔壁部は、前記跳ね部材が前記進入位置に位置する場合に前記送出部と対向する側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記収油領域側に傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする請求項7に記載のミシンの給油機構。
  9. モータの駆動によって回転する上軸に連結し、前記上軸の下方に位置する下軸に前記上軸の駆動力を伝達する伝達機構と、
    前記伝達機構の下方に設け、上部が開放し、前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する油容器と、
    前記油容器に収容する潤滑油を前記伝達機構に供給する供給機構と
    を備えたミシンにおいて、
    前記油容器は、
    前記油容器の底部から上端よりも下方の位置まで上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部と、
    前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記供給機構が前記伝達機構に供給する潤滑油を収容する領域である給油領域と、
    前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記伝達機構に供給後に滴下する潤滑油を収容する領域である収油領域と
    を備え、
    前記給油領域は、前記収油領域に収容する潤滑油が前記隔壁部の上端を乗り越えて前記収油領域から流れ込む潤滑油を収容すること
    を特徴とするミシン。
  10. 前記ミシンは、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、
    前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記給油領域と前記収油領域のうちの一方の領域が他方の領域よりも上方に位置し、
    前記隔壁部は、前記一方の領域側に、前記油容器の底部側よりも前記油容器の上部側が前記他方の領域側に傾斜する傾斜面を含み、
    前記他方の領域は、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴を有すること
    を特徴とする請求項9に記載のミシン。
  11. 前記油容器は、前記排出穴の開口部分に前記油容器の外壁から外側に突出する突出部を備え、
    前記突出部は、少なくとも前記ミシンが前記傾倒状態の時の前記排出穴の下側に設けたことを特徴とする請求項10に記載のミシン。
  12. 前記油容器は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、前記油容器内の全領域において最も下方に位置する部分に、前記排出穴を形成したことを特徴とする請求項10又は11に記載のミシン。
  13. 前記ミシンの内部と外部とを連通して潤滑油を注入可能である注入口を備え、
    前記注入口は、前記ミシンが前記傾倒状態の時、且つ前記ミシンが起立状態の時の前記油容器の上方の位置に設けたことを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載のミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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