JP2009028330A - ミシンの給油装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】縫製作業ごとに最適な給油方式を選択可能なミシンの給油装置を提供する。
【解決手段】ミシンの給油装置は、オイルタンク21と、使用後の潤滑油が貯留される油溜め27と、下軸3の回転によって動作するプランジャポンプ22と、オイルタンク21とプランジャポンプ22と釜部給油口2aとを接続する給油用パイプ25,26と、油溜め27とプランジャポンプ22との導通と不通とを切り替える切替弁24を有する給油分配台23と、油溜め27と給油分配台23とプランジャポンプ22とオイルタンク21とを接続する還流用パイプ29,30,31とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシンの摺動部等の給油箇所に給油を行うミシンの給油装置に関する。
ミシンの機構には、動作の激しい部分など、潤滑油を必要とする部分が数多くあり、潤滑油が不足すると動作が円滑に行われないだけでなく、焼き付きを起こす可能性がある。このため、これらの部分に絶えず給油が行われるように、多くのミシンは給油装置を備えている。
例えば、ミシンの釜部では、内釜と外釜との嵌合部等に潤滑油を供給して内釜に対する外釜の回転を円滑に行わせている。この給油方式として、ミシンフレームに設けられた油溜め(例えばオイルタンクやオイルパン等)から潤滑油を汲み上げるポンプを設けて、強制的に送り込む方式がある。この給油方式で用いられるポンプの動力は、ミシンの主軸から導出しているのが一般的である。
また、上述の方式において一度給油箇所へ供給された潤滑油を回収して上述の油溜めに戻し再利用するように潤滑油の導路を設けた循環式と、一度給油箇所へ供給された潤滑油は排泄する非循環式とが知られている。
循環式の給油装置では、潤滑油にミシン内部の摺動箇所において発生する金属片や縫製によって発生する綿埃等のゴミが混入する。従って、循環式の給油装置では潤滑油の導路においてフィルタ等を用いて潤滑油をろ過することが一般的に行われている。しかしながら、フィルタ等によるろ過ではゴミや金属片をある程度取り除けても、細かいゴミや潤滑油の酸化による汚れ、潤滑油に溶け込んだ汚れは完全に除去することはできない。このため、潤滑油の縫製物への付着が万が一にも生じる場合を考慮すると、仕上がりの要求の厳しい高級衣類等には循環式は向かないという問題があった。
一方で、非循環式の給油装置では、常に未使用のきれいな潤滑油が供給箇所に給油されるため、上述のような問題は起こりにくい。しかしながら、潤滑油は消耗されるだけなので、ミシンによる縫製作業が一定期間行われるごとに潤滑油を油溜めに補給しなければならない。その上、油溜めの容量には限りがあるので、特に多量の潤滑油を消費する釜部に対する潤滑油の供給を行う場合は短期間で油溜めが空になってしまい、頻繁に潤滑油を油溜めに補給しなければならない。
そこで、循環式の給油装置と非循環式の給油装置とを潤滑油の供給箇所別に設けたミシンが知られている(特許文献1)。
特開平9−168688号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術によるミシンの給油装置では、循環式の給油対象箇所と非循環式の給油対象箇所がそれぞれ一定に定められており、釜には循環方式が給油を行うので、仕上がりの要求の厳しい高級衣類の縫製には適さなかった。
このように、従来のミシンは、潤滑油消費量の抑制か汚れの抑制かに二極化し、それぞれの局面に対応することができないという問題があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、縫製作業ごとに最適な給油方式を選択可能なミシンの給油装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ミシンに搭載されるオイルタンクと、ミシンモータの駆動により駆動力が伝達されることで駆動し、前記オイルタンクから潤滑油を汲み上げて供給箇所に供給可能な第1のポンプと、前記オイルタンクと第1のポンプと供給箇所とを連通させ、前記第1のポンプにより前記オイルタンクから汲み上げられた潤滑油を前記供給箇所に案内する供給路と、前記供給箇所からこぼれた潤滑油を貯留する油溜めと、ミシンモータの駆動により駆動力が伝達されることで駆動し、前記油溜めに貯留された潤滑油を汲み上げて前記オイルタンクに供給可能とする第2のポンプと、を備えるミシンの給油装置において、前記油溜めと第2のポンプとオイルタンクとを連通させ、前記第2のポンプにより前記油溜めから汲み上げられた潤滑油を前記オイルタンクに還流させる還流路と、前記還流路に設けられ、前記還流路の導通と不通とを切替可能な切替手段を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、ミシンモータにより回転する駆動軸から動力を得ると共に、前記第1のポンプと第2のポンプとが一体的に形成されたプランジャポンプを備え、前記供給路又は還流路におけるオイルタンクとプランジャポンプとを接続する区間の少なくともいずれか一箇所がオイルタンクに定められた潤滑油の規定容量における油面より上方を経由していることを特徴とする。
請求項2において「オイルタンクに定められた潤滑油の規定容量」とはオイルタンクに定められた潤滑油の最大貯留量を示す。また、「油面」とはミシンを水平面に設置した場合のオイルタンクに貯留された潤滑油の油面を示す。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のミシンにおいて、ミシンのフレーム部と土台部とを回動可能に接続する回動軸を支点として、土台部に対して所定角度まで回動可能なミシンにおいて、前記所定角度までフレーム部を倒したときに前記供給路又は還流路におけるオイルタンクとプランジャポンプとを接続する区間の少なくともいずれか一箇所がオイルタンクに定められた潤滑油の規定容量における油面より上方を経由していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンにおいて、前記還流路に設けられ、前記還流路によって油溜めから汲み上げられた潤滑油が前記オイルタンクに還流する量を調節可能な調節手段を備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ミシンの給油装置は切替手段によって使用後の潤滑油を再利用する循環式の給油装置と未使用の潤滑油のみ利用する非循環式の給油装置とに切替可能となる。これによって、万が一にも潤滑油の僅かな付着があった場合でも付着の影響を厳密に問わないような縫製物の場合は給油回数の少ない循環式を用い、潤滑油の僅かな付着でも排除する要請が高い縫製物の場合には使用後の汚れた潤滑油を利用することのない非循環式を用いることが1台のミシンで実現可能となる。よって、縫製物によってミシンの給油装置の方式を使い分けたい場合に、従来技術ではそれぞれの給油装置を備えたミシンを用意しなければならなかった問題点を解決でき、ミシンの導入コストを大幅に削減できることに加え、ミシンの設置スペースも削減でき、より低コストにミシンを利用可能となる。
請求項2記載の発明によれば、第1のポンプ及び第2のポンプは一体的に形成されたプランジャポンプであるので、プランジャポンプ内に形成された油膜を伝って供給路から流れる潤滑油が還流路に流れ出す、またその逆が発生することがある。このとき、オイルタンクとプランジャポンプとを接続する供給路及びプランジャポンプと油溜めとを接続する還流路がオイルタンク内の潤滑油の油面よりも低い位置にあると、重力によって潤滑油が供給路、プランジャポンプ及び還流路を伝って油溜めに流れ出てしまう。これを避けるために、ミシンの潤滑油の供給箇所に潤滑油を供給するための供給路又は還流路の少なくとも一箇所は、オイルタンク内の潤滑油の規定容量の油面よりも上方に位置する。即ち、オイルタンク内の潤滑油が重力を受けて供給路又は還流路を自然に移動することが当該供給路又は還流路の一箇所によって抑止される。これによって、ミシンの給油装置を備えたミシンが動作していない場合に、重力によってオイルタンクの潤滑油が供給路からプランジャポンプ及び還流路を介して油溜めに流れ出ることはない。よって、オペレータが意図しないオイルタンクの潤滑油の消費が起こることがなく、より信頼性の高いミシンの給油装置が実現可能となる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明においてミシンのフレーム部は土台部に対して回動軸を支点として回動する。このときオイルタンクがミシンのフレーム部に保持されていると、オイルタンクの傾斜に対してオイルタンク内の潤滑油の油面は重力に従って水平となるので、ミシンのフレーム部に対するオイルタンク内の潤滑油の油面の高さが変位することとなる。また、ミシンの給油装置はミシンのフレーム部に設けられている。よって、ミシンの給油装置に対するオイルタンク内の潤滑油の油面の高さが変位することとなる。これに対応するため、ミシンの潤滑油の供給箇所に潤滑油を供給するための供給路又は還流路の少なくとも一箇所は、ミシンのフレーム部が回動した際のオイルタンク内の潤滑油の規定容量の油面よりも上方に位置する。即ち、オイルタンク内の潤滑油が重力を受けて供給路又は還流路を自然に移動することが当該供給路又は還流路の一箇所によって抑止される。これによって、ミシンの給油装置を備えたミシンのミシンフレームが回動している場合でも、重力によってオイルタンクの潤滑油が供給路からプランジャポンプ及び還流路を介して油溜めに流れ出ることはない。よって、オペレータが意図しないオイルタンクの潤滑油の消費が起こることがなく、より信頼性の高いミシンの給油装置が実現可能となる。
また、ミシンフレームが回動するので、ミシンフレーム内部及び油溜めの清掃や各種のメンテナンス作業が行いやすくなり、ミシンの整備性が向上する。
請求項4の発明によれば、調節手段によって、油溜めから汲み上げられた潤滑油が前記オイルタンクに還流する量を調節できる。これによって、オイルタンクに貯留された潤滑油の残量と油溜めに貯留された使用後の潤滑油の量とに応じて油溜めからオイルタンクに戻される潤滑油の量を調節できる。よって、よりオペレータの意図する通りに動作するミシンの給油装置が実現可能となる。
(本発明のミシンの給油装置を備えたミシンの構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明によるミシンの給油装置20は、ミシン1の摺動部等の給油箇所に給油を行うミシンの給油装置であり、特にミシン1の釜部2に給油を行うことを目的としたミシンの給油装置である。
図1は本発明の一実施形態であるミシンの給油装置20の主要な構成を示した説明図である。図2は図1とは異なる角度からミシンの給油装置20の構成の一部を示した説明図である。図3はミシンフレームが回動した場合のミシンの給油装置20の構成の一部を示した説明図である。
ミシン1が備えるミシンの給油装置20は、潤滑油を貯留するオイルタンク21と、ミシン1のボトムカバー7の下方に設けられて使用済みの潤滑油を貯留する油溜め27と、オイルタンク21から潤滑油を汲み上げる「第1のポンプ」として機能すると共に油溜め27から潤滑油を汲み上げる「第2のポンプ」として機能するプランジャポンプ22と、オイルタンク21に設けられた継ぎ手21aとプランジャポンプ22の給油側入口22aとを接続する「供給路」としての給油用パイプ25と、プランジャポンプ22の給油側出口22bとミシンの釜部2に潤滑油を案内する釜部給油口2aとを接続する「供給路」としての給油用パイプ26と、プランジャポンプ22の還流側入口22cに対してオイルタンク21あるいは油溜め27のいずれか一方を接続するよう切替可能な「切替手段」としての給油分配台23と、オイルタンク21に設けられた継ぎ手21bと給油分配台23とを接続する還流用パイプ32と、油溜め27に貯留された潤滑油を給油分配台23に導く「還流路」としての還流用パイプ29と、給油分配台23とプランジャポンプ22の還流側入口22cとを接続する「還流路」としての還流用パイプ30と、プランジャポンプ22の還流側出口22dとオイルタンク21の継ぎ手21cとを接続する「還流路」としての還流用パイプ31と、還流用パイプ29の一端に設けられ、使用後の潤滑油に混入したゴミや汚れ等を濾し取るフィルタ28と、を備える。
また、ミシン1は、ミシンベッド部8の下側でミシンフレームに支持されて図示しないミシンモータの駆動力により回転する下軸3と、下軸3と連結されて回転する釜部2とを備える。下軸3にはスプロケット4が固定されて設けられており、タイミングベルト5を介して図示しないミシンモータの回転駆動力が伝達されることで回転する。釜部2は下軸3の回転に伴って回転する。
また、図示しないが、釜部2は少なくとも外釜と内釜とを備えており、下軸3の回転によって外釜が回転し、内釜は回転せず一定の角度を維持する。また、内釜は外釜の内周部に嵌合するように配置されている。つまり、内釜と外釜との間は外釜が回転することによって摺動し、摩擦が生じる。このため、内釜と外釜との嵌合部に潤滑油を供給することで外釜の回転をスムースにし、焼き付きが起こらないようにする必要がある。よって、ミシンの給油装置20によって供給される潤滑油を釜部2の摺動部、特に上述した外釜と内釜との嵌合部に導くための釜部給油口2aが設けられている。このとき、釜部2に供給された潤滑油の一部は内釜と外釜との嵌合部が外部に面する箇所等の隙間からこぼれ、油溜め27に貯留される。
また、ミシン1は上記の構成の他に、図示しないミシンフレームのアーム部に設けられて縫い針を支持する図示しない針棒と、図示しないミシンモータの駆動力によって針棒を上下動させる上下動機構とを備える。針棒が上下動機構によって上下動することで縫い針が上下動し、釜部2が縫い針の上下動の位相に合わせた回転を行うことによって縫製が行われる。縫い針と釜部2とによって行われる縫製の仕組みについては周知であるので、詳細な記述は省略する。
さらに、図2及び図3に示すようにミシン1のミシンフレームは回動軸6によりミシン台9に軸支されている。即ち、図3に示すようにミシン1のミシンフレームはミシン台9に対して回動することが可能となっている。これによって、ボトムカバー7の内部に設けられたミシン1の各部及び油溜め27の清掃や各種のメンテナンス作業が容易となる。
また、図3に示すようにミシン台9のミシンフレームが回動する方向のテーブル上面部にはミシン支え棒10が設けられている。ミシン台9に対して回動したミシン1のミシンフレームはミシン支え棒10によって支持されることによって保持される。
(ミシンの給油装置)
次に、ミシンの給油装置20を構成する各部について図1及至図3を用いて詳細に説明する。
オイルタンク21は、ミシンベッド部8の下側でミシンフレームに支持された容器であり、その内部はミシン1の動作における摺動部分、例えば釜部2に給油を行うための潤滑油を貯留可能となっている。
オイルタンク21は、給油用パイプ25及び還流用パイプ32,31と接続するための3つの継ぎ手21a,21b,21cが設けられている。継ぎ手21aは給油用パイプ25の一端と、継ぎ手21bは還流用パイプ32の一端と、継ぎ手21cは還流用パイプ31の一端とそれぞれ接続しており、継ぎ手21a,21b,21cに設けられた開口部を通じて給油用パイプ25及び還流用パイプ32,31に潤滑油が流れるようになっている。
また、オイルタンク21はその上面部に設けられた開口部である補給口21dがミシンフレームの胴部に設けられた図示しない補給窓に通じており、オペレータによって潤滑油を補給することが可能になっている。このとき、オイルタンク21に補給可能な容量が規定容量(いわゆる満タン状態)として設定されている。オペレータは図示しないオイルゲージを見ながらオイルタンク21の規定容量までオイルタンク21に潤滑油を補給することが可能となっている。
なお、オイルタンク21は継ぎ手21a,21b,21c及び補給口21dを除いた箇所から潤滑油が流出することのないように密閉された容器である。
図4はプランジャポンプ22の構成の一部を示す説明図である。
プランジャポンプ22は、ミシンベッド部8の下側でミシンフレームに支持されると共に、下軸3がプランジャポンプ22を貫通するようにプランジャポンプ22は穴部が設けられている。
プランジャポンプ22には、図1に示すように釜部2に給油を行うための潤滑油が流れ込む開口部である給油側入口22aと、給油側入口22aと導通した開口部である給油側出口22bと、給油分配台23によって選択されたオイルタンク21あるいは油溜め27のいずれか一方から供給された潤滑油が流れ込む開口部である還流側入口22cと、還流側入口22cと導通した開口部である還流側出口22dとが設けられている。また、図4に示すように、プランジャポンプ22はポンプとして機能するための部材であるプランジャピン22e、バネ22f及びネジ22gを備えている。
プランジャポンプ22は、プランジャピン22e、バネ22f、ネジ22gと下軸3に設けられた偏心部3aとによって構成されている。図4に示すように、下軸3が回転(図4における右回転)した場合、給油側入口22a(還流側入口22c)に負圧が生じ、その負圧によって吸引力が発生する。このとき、給油側入口22a(還流側入口22c)に接続された給油用パイプ25(還流用パイプ30)を介してオイルタンク21(オイルタンク21又は油溜め27)から潤滑油がプランジャポンプ22内に吸引される。プランジャポンプ22内に吸引された潤滑油は、下軸3の回転に伴って給油側出口22b(還流側出口22d)へと運ばれ、バネ22fによって押し上げられるプランジャピン22eの圧力によって給油側出口22b(還流側出口22d)から給油用パイプ26(還流用パイプ31)へと送り出される。
つまり、プランジャポンプ22は下軸3の回転を駆動力とするポンプとして機能する。
なお、プランジャポンプ22は、二組のポンプ構造が下軸3の方向に沿って二つ隣接して一つのケース内に設けられており、一方が給油側入口22aから給油側出口22bに潤滑油を送り、他方が還流側入口22cから還流側出口22dに潤滑油を送る。そして、各ポンプ構造におけるポンプ室はいずれも下軸が貫通する構造であることから、一方のポンプ室から他方のポンプ室への潤滑油の移動を抑制する図示しないオイルシールが下軸回りに設けられている。しかしながら、オイルシールは完璧に潤滑油漏れを防止し得ないことから僅かながらも潤滑油の移動が発生する場合がある。かかる潤滑油の移動に伴う問題の解決策については後述する。
油溜め27はミシン1のボトムカバー7の下方に設けられた開口部をほぼ覆うように設けられた受け皿状の容器である。油溜め27は、ミシンの給油装置20によって潤滑油を供給される箇所、即ち釜部2やプランジャポンプ22の下軸3との摺動部分からこぼれる使用後の潤滑油の受け皿となる。釜部2やプランジャポンプ22からこぼれた使用後の潤滑油は、油溜め27に貯留される。
また、油溜め27の底面は、Y軸方向について釜部2が設けられている方向からオイルタンク21が設けられている方向へ向かって下方に傾斜している。これによって、フィルタ28が設けられた還流用パイプ29の一端側に使用後の潤滑油が溜まり易くなっている。
なお、油溜め27はミシン1から取り外し可能に設けられていることが望ましい。これによって、使用後の潤滑油を排泄したい場合に容易に油溜め27に貯留された使用後の潤滑油を排泄することが可能となる。また、ドレン弁を設けても良い。
給油用パイプ25、26及び還流用パイプ29,30,31,32はその内部を潤滑油が流れることが可能な変形容易なチューブ状の部材である。給油用パイプ25はオイルタンク21の継ぎ手21aとプランジャポンプ22の給油側入口22aとを接続する。また、給油用パイプ26はプランジャポンプ22の給油側出口22bとミシンの釜部2に潤滑油を案内する釜部給油口2aとを接続する。これによって、オイルタンク21に貯留された潤滑油は、下軸3が回転することでプランジャポンプ22が動作すると、給油用パイプ25、プランジャポンプ22の給油側導通路、給油用パイプ26及び釜部給油口2aを介して釜部2の給油箇所へと送り出され、釜部2に供給される。
なお、給油用パイプ25はプランジャポンプ22の外周部を周回するように設けられている。給油用パイプ25の配設位置についての詳細は後述する。
また、還流用パイプ29は油溜め27に貯留された潤滑油を給油分配台23に導くように設けられ、還流用パイプ30は給油分配台23とプランジャポンプ22の還流側入口22cとを接続し、還流用パイプ31はプランジャポンプ22の還流側出口22dとオイルタンク21の継ぎ手21cとを接続する。これによって油溜め27に貯留された使用後の潤滑油は下軸3が回転することでプランジャポンプ22が動作すると、還流用パイプ29、給油分配台23、還流用パイプ30、プランジャポンプ22及び還流用パイプ31を介してオイルタンク21へと戻ることが可能となっている。即ち、ミシンの給油装置20は油溜め27に貯留された使用後の潤滑油をオイルタンク21に戻すことで再び利用する循環型の給油装置として機能する。このとき給油分配台23はプランジャポンプ22の還流側入口22cと油溜め27とが導通する、即ち還流用パイプ29と還流用パイプ30とが導通するように設定されている。なお、給油分配台23の詳細については後述する。
また、還流用パイプ29の一端にはフィルタ28が設けられている。フィルタ28はフィルタ28を通過する油溜め27に貯留された使用後の潤滑油に混入する金属片や、ミシン1による縫製作業で発生する綿埃等の各種のゴミを取り除き、還流用パイプ29に当該ゴミが流れ込まないようにしている。
また、フィルタ28は油溜め27の底部に設けられた保持部に保持されている。また、フィルタ28を保持する保持部は潤滑油が通るための隙間が設けられており、プランジャポンプ22の吸引力によって油溜め27に貯留された使用後の潤滑油がフィルタ28を通して還流用パイプ29を通ってプランジャポンプ22に吸い上げられるようになっている。
また、還流用パイプ32はオイルタンク21の継ぎ手21bと給油分配台23とを接続している。給油分配台23によってプランジャポンプ22の還流側入口22cとオイルタンク21とが導通する接続状態、即ち還流用パイプ32と還流用パイプ30とが導通する接続状態に設定されると、オイルタンク21の潤滑油が還流用パイプ32、給油分配台23、還流用パイプ30、プランジャポンプ22及び還流用パイプ31を介してオイルタンク21へと戻る。この場合、油溜め27に貯留された使用後の潤滑油はオイルタンク21に戻らず、再利用されることがない。よってオイルタンク21にはオペレータによって補給された未使用の新しい潤滑油のみが貯留され、釜部2をはじめとする給油箇所には常に新しい潤滑油が供給される。即ち、ミシンの給油装置20は非循環型の給油装置として機能する。
次に、給油分配台23によってミシンの給油装置20が循環型の給油装置と非循環型の給油装置とに切替可能となる仕組みについて図5及至図7を用いて詳細に説明する。
図5は給油分配台23を示す側面図である。図6は給油分配台23を図5とは別の角度から示す側面図である。
給油分配台23は、図1、図5及び図6に示すように還流用パイプ29,32,30と接続された3つ口の切替コックである。図5及び図6に示すように、給油分配台23は、それぞれが還流用パイプ29,32,30と接続された3つの開口部を導通するよう設けられたT字状の導通部と、T字状の導通部の交差部分に設けられた円筒状の穴部に摺動するよう設けられて還流用パイプ30と還流用パイプ29,32のいずれか一方とを導通するよう切替可能な円筒状の切替弁24を備える。
切替弁24は図6に示すように給油分配台23から突出するよう設けられて切替弁の円筒の円周部に対して直交する半円板状の切替つまみ24aを有する。また、給油分配台23のT字状の導通部と接する切替弁24の円周部には半円状の切欠が設けられている。
図7は給油分配台23の内部構造を説明する断面図である。図7(a)は切替弁24の半円状の切欠が所定の角度である場合、図7(b)は切替弁24の半円状の切欠が図7(a)の所定の角度とは異なる所定の角度の場合、図7(c)は切替弁24の半円状の切欠が図7(a)及び図7(b)のいずれの角度とも異なる所定の角度の場合を示す。
切替つまみ24aを操作することによって切替弁24は給油分配台23に対して回転する。即ち切替弁24に設けられた半円状の切欠の角度が回転に伴って変位する。このとき、当該切欠の角度がT字状の導通部のうち2方を導通させる位置となった場合、T字路及び当該切欠を介して潤滑油が流れる。
つまり、図7(a)に示す角度に当該切欠が位置する場合は、還流用パイプ29と還流用パイプ30とが導通する。即ち、油溜め27とプランジャポンプ22の還流側入口22cとが導通する。よって、プランジャポンプ22の還流用導通部には油溜め27に貯留された使用後の潤滑油が汲み上げられ、オイルタンク21へと戻される。この場合、オイルタンク21へと戻された使用後の潤滑油は供給路を介して釜部2に供給される。よって、ミシンの給油装置20は使用後の潤滑油を再利用する循環式の給油装置として機能する。
また、図7(b)に示す角度に当該切欠が位置する場合は、還流用パイプ32と還流用パイプ30とが導通する。即ち、オイルタンク21の継ぎ手21bとプランジャポンプ22の還流側入口22とが導通する。よって、プランジャポンプ22の還流用導通部にはオイルタンク21に貯留された未使用の潤滑油が汲み上げられ、オイルタンク21へと戻される。この場合、油溜め27に貯留された使用後の潤滑油はオイルタンク21へ戻らず、供給路を介して釜部2に供給される潤滑油はオイルタンク21に貯留された未使用の潤滑油のみとなる。よって、ミシンの給油装置20は未使用の潤滑油のみを利用する非循環式の給油装置として機能する。
また、切替弁24の角度を調整することによって、切替弁24の切欠と給油分配台23との境目に生ずる経路の太さを調整することが可能となる。例えば、図7(c)に示す角度に切替弁の切欠を調整することで、図7(a)に示す場合に比べて還流用パイプ29に接続された側の導通部の開口を狭め、給油分配台23を流れる潤滑油の供給量を減少させることができる。無論、開度に応じてさらに増減調節することも可能である。
なお、切替つまみ24aの板部の切替弁24の円筒の円周部に対する角度と、切替弁24の半円状の切欠の角度とは同一であることが望ましい。つまり、切替つまみ24aの角度を見れば、切替弁の半円状の切欠の角度が明確に分かるように切替つまみ24aを設けることで、切替弁24の操作による給油装置の循環式と非循環式との切替がより容易となる。
(給油用パイプの配接位置)
次に、給油用パイプ25の配接位置について図2及び図3を用いて詳細に説明する。
前述したように、潤滑油がプランジャポンプ22の給油側入口22aに通じるポンプ室からプランジャポンプ22に設けられた下軸3が貫通する穴部を介してプランジャポンプ22の還流側入口22cに通じるポンプ室へと流れ込むことがありうる。
循環式の接続状態(還流用パイプ29と還流用パイプ30が連通している場合)でミシン1が動作している場合は、下軸3が回転することでプランジャポンプ22はポンプとして機能している。プランジャポンプ22の還流側入口22cから還流側出口22dへと潤滑油を汲み上げる力は重力より強いので、仮に給油側入口22aから還流側入口22cへと潤滑油が流れ込んだ場合であっても、潤滑油は還流側出口22dへと汲み上げられて還流路を通じてオイルタンク21へと戻される。
しかしながら、ミシン1が動作していないときに、何らかの理由(例えば重力による潤滑油の移動等)で供給路を介してオイルタンク21の潤滑油がプランジャポンプ22の給油側入口22aに通じるポンプ室に流れ込んだ場合、潤滑油の一部はプランジャポンプ22に設けられた下軸3が貫通する穴部を介してプランジャポンプ22の還流側入口22cに通じるポンプ室へと流れ込むこととなりうる。この場合、潤滑油は重力によってプランジャポンプ22の還流側入口22cから下方へと流れることによって還流用パイプ30、給油分配台23及び還流用パイプ29を通じて油溜め27へと流れ落ちることとなる。つまり、オイルタンク21に貯留された未使用の潤滑油が供給路からプランジャメタル2に設けられた下軸3が貫通する穴部を介して油溜め27に流れ出ることにより、オイルタンク21に貯留された未使用の潤滑油が意図せず減少してしまう。また、油溜め27に意図しないほど多量の潤滑油が流れ出してしまう上、油溜め27に貯留されていた使用後の潤滑油とオイルタンク21に貯留されていた未使用の潤滑油とが混ざり合ってしまい、未使用の潤滑油だけをオイルタンクに再度回収することができなくなる。
これは、オイルタンク21の潤滑油の油面がミシンの給油装置20の供給路及び還流路の最高位置を上回ると、重力によってオイルタンク1内の潤滑油が供給路及び還流路を通じて油溜め27に流れ出してしまうことから生じる現象である。
さらに、ミシンフレームは回動軸6によってミシン台9に対して回動する。このとき、オイルタンク1もミシンフレームに伴って回動する。また、オイルタンク1内の潤滑油は重力に従い、その油面を水平に保つ。よって、図2及び図3に示すように、オイルタンク1に対して潤滑油の油面は図2に示すオイルタンク21内の潤滑油の規定容量における最高位置(油面O1)から図3に示すオイルタンク21内の潤滑油の規定容量における最高位置(油面O2)へと遷移することとなる。つまり、ミシンフレームが回動することによって、ミシンの給油装置20の各部に対する油面の位置が変わることとなる。このとき、油面O1又は油面O2のいずれか、また油面O1と油面O2との遷移途中の潤滑油の油面がミシンの給油装置20の供給路及び還流路の最高位置を上回ると、上述したように、重力によってオイルタンク1内の潤滑油が供給路及び還流路を通じて油溜め27に流れ出してしまう。
このため、給油用パイプ25は図2及び図3に示すように、プランジャポンプ22の周囲を一周するように設けられている。このとき、図2に示すように給油用パイプ25の少なくとも一箇所はオイルタンク21内の潤滑油の油面O1よりも高い位置を経由している。また、図3に示すようにミシン1のミシンフレームが回動した場合においても、給油用パイプ25の少なくとも一箇所はオイルタンク21内の潤滑油の油面O2よりも高い位置を経由している。これによって、重力によって潤滑油が給油用パイプ25を伝ってプランジャポンプ22に到達することがない。即ち、下軸3が回転することによってプランジャポンプ22が機能する場合のみ、潤滑油がプランジャポンプ22に到達する。これによって、ミシン1を使用していない場合に潤滑油がプランジャポンプ22の給油側導通部に到達し、プランジャポンプ22に設けられた下軸3が貫通する穴部を伝って、還流側導通部を通り還流用パイプ30、給油分配台23、還流用パイプ29を介して潤滑油が油溜め27に流れ出ることを防いでいる。
なお、上述の実施形態では給油用パイプ25がオイルタンク21内の潤滑油の規定容量における最高位置(油面O1及び油面O2)よりも上方を経由するよう設けられているが、給油用パイプ25に代えて還流用パイプ30の配接位置について少なくとも一箇所がオイルタンク21内の潤滑油の規定容量における最高位置(油面O1及び油面O2)よりも上方を経由するように設けても良い。また、給油用パイプ25と還流用パイプ30との双方ともオイルタンク21内の潤滑油の規定容量における最高位置(油面O1及び油面O2)よりも上方を経由するように設けても良い。
(ミシンの給油装置を備えたミシンの動作)
次に、ミシンの給油装置20を備えたミシン1の実際の動作ついて詳細に説明する。
なお、以下の説明は、オペレータによってオイルタンク21の規定容量が守られていることを前提とする。オペレータによって切替弁24の切替つまみ24aが操作されることで、ミシンの給油装置20が循環式又は非循環式のいずれか一方として機能するように設定される。
次に、ミシン1の電源が投入され、ミシン1による縫製が行われることでミシンモータが駆動すると、下軸3が回転し、プランジャポンプ22がポンプとして機能することでオイルタンク21の潤滑油が給油用パイプ25、プランジャポンプ22及び給油用パイプ26を介して釜部2に潤滑油が供給される。また、供給路を通る潤滑油の一部はプランジャポンプ22の摺動部の潤滑油となる。
このとき、釜部2等の摺動部で使用された潤滑油の一部は摺動部の隙間からこぼれ、油溜め27に落ちる。油溜め27に落ちた使用後の潤滑油は油溜め27の底部の傾斜によってフィルタ28が固定された側へと流れて貯留される。
オペレータによってミシンの給油装置20が循環式として機能するよう設定された場合は、給油分配台23によって還流用パイプ29と還流用パイプ30とが導通しているので、油溜め27に貯留された使用後の潤滑油がフィルタ28によって濾しとられたうえでプランジャポンプ22に汲み上げられ、還流用パイプ31を介してオイルタンク21に戻される。
オペレータによってミシンの給油装置20が非循環式として機能するよう設定された場合は、給油分配台17によって還流用パイプ32と還流用パイプ30とが導通しているので、オイルタンク21に貯留された未使用の潤滑油がプランジャポンプに汲み上げられ、還流用パイプ31を介してオイルタンク21に戻される。
なお、いずれの場合においても還流路を通る潤滑油の一部は、供給路を通る潤滑油の一部と同様にプランジャポンプの摺動部の潤滑油となる。
ミシンが停止すると下軸3の回転が止まり、プランジャポンプ22はポンプとして機能しなくなる。このとき、給油用パイプ25は少なくともその一箇所がオイルタンク21の潤滑油の油面よりも高い位置にあるので、重力によってオイルタンク21の潤滑油が流れ出すことはない。よってオイルタンク21及び油溜め27に貯留された潤滑油はそのまま維持される。オペレータによってミシンフレームが回動した場合であっても同様である。
(上述の実施形態によるミシンの給油装置を備えたミシンの作用効果)
上述の実施例によれば、給油分配台23に設けられた切替弁24を操作することでミシンの給油装置20は使用後の潤滑油を再利用する循環式の給油装置と未使用の潤滑油のみ利用する非循環式の給油装置とに切替可能となる。これによって、万が一にも潤滑油の僅かな付着があった場合でも付着の影響を厳密に問わないような縫製物の場合は給油回数の少ない循環式を用い、潤滑油の僅かな付着でも排除する要請が高い縫製物の場合には使用後の汚れた潤滑油を利用することのない非循環式を用いることが1台のミシン1で実現可能となる。よって、縫製物によってミシンの給油装置の方式を使い分けたい場合に、従来技術ではそれぞれの給油装置を備えたミシンを用意しなければならなかった問題点を解決でき、ミシンの導入コストを大幅に削減できることに加え、ミシンの設置スペースも削減でき、より低コストにミシンを利用可能となる。
また、オイルタンク21とプランジャポンプ22とを接続する区間である給油用パイプ25のうち少なくとも一箇所は、オイルタンク21の潤滑油の規定容量の油面O1よりも上方に位置する。これによって、ミシン1が動作していない場合に、重力によってオイルタンク21の潤滑油が給油用パイプ25からプランジャポンプ22、還流用パイプ30、給油分配台23及び還流用パイプ29を介して油溜め27に流れ出ることはない。よって、オペレータが意図しないオイルタンク1の潤滑油の消費が起こることがなく、より信頼性の高いミシンの給油装置が実現可能となる。
さらに、ミシンフレームは回動軸6によってミシン台9に対して回動可能であるため、ミシンフレームの回動に伴ってオイルタンク21内の潤滑油の油面は重力に従って変位する。これに対応するため、上述のようにオイルタンク21とプランジャポンプ22とを接続する区間である給油用パイプ25はプランジャポンプ22の周囲に巻回されている。これによって、給油用パイプ25の少なくとも一箇所は、オイルタンク21の潤滑油の規定容量の油面O1、O2及び油面O1から油面O2への遷移時の油面よりも上方に位置する。このため、ミシン1を回動させた場合であっても、重力によってオイルタンク1の潤滑油が給油用パイプ25からプランジャポンプ22、還流用パイプ30、給油分配台23及び還流用パイプ29を介して油溜め27に流れ出ることはない。つまり、給油用パイプ25がプランジャポンプ22の周囲を巻回することで、ミシンフレームの立ち状態(図2の状態)、倒れ状態(図3の状態)及びその遷移中のオイルタンク21内部の油面の変位に対応可能となる。よって、オペレータが意図しないオイルタンク21の潤滑油の消費が起こることがなく、より信頼性の高いミシンの給油装置が実現可能となる。
さらに、ミシンフレームが回動するので、ミシンフレーム内部及び油溜め27の清掃や各種のメンテナンス作業が行いやすくなり、ミシンの整備性が向上する。
さらに、給油分配台23の切替弁24を操作することによって、還流用パイプ30に流れる潤滑油の量を調節できる。これによって、オイルタンク1に貯留された潤滑油の残量と油溜め27に貯留された使用後の潤滑油の量とに応じて油溜め27からオイルタンク21に戻される潤滑油の量を調節できる。よって、よりオペレータの意図する通りに動作するミシンの給油装置20が実現可能となる。
(その他)
なお、オイルタンク21はミシンベッド部8の下側に設けられているが、オイルタンク21の設置箇所は上述の実施形態に限定されない。例えばミシンフレームの外側に設けられていてもよい。その場合、ミシンフレームの回動角度に関らず、供給路あるいは還流路の少なくとも一箇所はオイルタンクに定められた潤滑油の規定容量における油面より上方を経由しているよう設ける必要がある。
また、プランジャポンプ22はポンプとして潤滑油を汲み上げることが可能な他の構成に置き換えてもよい。例えばミシンの縫製動作に連動して動作する専用のポンプでも構わないし、供給側と環流側とで個別のポンプを使用しても良い。
また、実施形態における釜部2は所謂垂直釜であるが、本発明のミシンの給油装置は他の形態のミシン釜にも適用可能なことは言うまでもない。また、釜部以外のミシンの動作における給油箇所に潤滑油を供給するようにしてもよい。
また、潤滑油の供給箇所を釜部で例示したが、ミシンの給油装置20をミシンの他の部位に供給する場合に使用しても良いことは言うまでもない。
また、フィルタ28は還流用パイプ29の一端に設けられているが、さらに他の位置に設けてもよい。例えばプランジャポンプ22の給油側入口22aと給油用パイプ25の間や、還流側入口22cと還流用パイプ30の間に設けてもよい。
本発明の一実施形態であるミシンの給油装置の主要な構成を示した説明図である。 図1とは異なる角度からミシンの給油装置の構成の一部を示した説明図である。 ミシンフレームが回動した場合のミシンの給油装置の構成の一部を示した説明図である。 プランジャポンプ22の構成の一部を示す説明図である。 給油分配台23を示す側面図である。 給油分配台23を図5とは別の角度から示す側面図である。 給油分配台23の内部構造を説明する断面図である。図7(a)は切替弁24の半円状の切欠が所定の角度である場合、図7(b)は切替弁24の半円状の切欠が図7(a)の所定の角度とは異なる所定の角度の場合、図7(c)は切替弁24の半円状の切欠が図7(a)及び図7(b)のいずれの角度とも異なる所定の角度の場合を示す。
符号の説明
1 ミシン
2 釜部
3 下軸
6 回動軸
7 ボトムカバー
8 ミシンベッド部
9 ミシン台
10 ミシン支え棒
20 ミシンの給油装置
21 オイルタンク
21 継ぎ手
22 プランジャポンプ
23 給油分配台
24 切替弁
27 油溜め
28 フィルタ

Claims (4)

  1. ミシンに搭載されるオイルタンクと、
    ミシンモータの駆動により駆動力が伝達されることで駆動し、前記オイルタンクから潤滑油を汲み上げて供給箇所に供給可能な第1のポンプと、
    前記オイルタンクと第1のポンプと供給箇所とを連通させ、前記第1のポンプにより前記オイルタンクから汲み上げられた潤滑油を前記供給箇所に案内する供給路と、
    前記供給箇所からこぼれた潤滑油を貯留する油溜めと、
    ミシンモータの駆動により駆動力が伝達されることで駆動し、前記油溜めに貯留された潤滑油を汲み上げて前記オイルタンクに供給可能とする第2のポンプと、を備えるミシンの給油装置において、
    前記油溜めと第2のポンプとオイルタンクとを連通させ、前記第2のポンプにより前記油溜めから汲み上げられた潤滑油を前記オイルタンクに還流させる還流路と、
    前記還流路に設けられ、前記還流路の導通と不通とを切替可能な切替手段を備えることを特徴とするミシンの給油装置。
  2. ミシンモータにより回転する駆動軸から動力を得ると共に、前記第1のポンプと第2のポンプとが一体的に形成されたプランジャポンプを備え、
    前記供給路又は還流路におけるオイルタンクとプランジャポンプとを接続する区間の少なくともいずれか一箇所がオイルタンクに定められた潤滑油の規定容量における油面より上方を経由していることを特徴とする請求項1に記載のミシンの給油装置。
  3. ミシンのフレーム部と土台部とを回動可能に接続する回動軸を支点として、土台部に対して所定角度まで回動可能なミシンにおいて、
    前記所定角度までフレーム部を倒したときに前記供給路又は還流路におけるオイルタンクとプランジャポンプとを接続する区間の少なくともいずれか一箇所がオイルタンクに定められた潤滑油の規定容量における油面より上方を経由していることを特徴とする請求項2に記載のミシンの給油装置。
  4. 前記還流路に設けられ、前記還流路によって油溜めから汲み上げられた潤滑油が前記オイルタンクに還流する量を調節可能な調節手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンの給油装置。
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