JP2018089051A - ミシンの給油機構と油容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油を循環して釜機構と駆動機構に給油する場合でも、給油状態を安定化できるミシンの給油機構と油容器を提供する。
【解決手段】油容器100の収油領域125は、釜油領域130と駆動油領域140を有する。釜油領域130と駆動油領域140は第一仕切壁111と第二仕切壁112で隔てる。金網のフィルタは、釜油領域130上部の開放部分と第二仕切壁112上方の流通部113を覆う。送油穴134は釜油領域130に設ける。磁石136は釜油領域130内に設け、フェルト135は送油穴134内に設ける。釜駆動機構に給油する輸送管は送油穴134に接続する。油容器100は不純物の少ない潤滑油を釜駆動機構に供給する。給油ポンプ150は駆動油領域140に設ける。主駆動機構に給油する輸送管は給油ポンプ150に接続する。ミシン内を循環した潤滑油は受油領域120を経て収油領域125に収容する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ミシンに給油する給油機構と油容器に関する。
油を循環して釜機構、駆動機構等に給油するミシンの給油機構がある。例えば、特許文献1に記載の給油機構は、ミシンのベッド部の下部にオイルパンを設け、駆動機構である伝達機構に給油した後の油をオイルパンで受ける。給油機構は、オイルパンに収容する油をポンプで汲み上げ、ミシンアーム内の伝達機構に給油する。給油後の油は、ミシンアーム内を伝って滴下し、オイルパンに戻る。
特開平8−196771号公報
しかしながら、ミシンアーム内の伝達機構に給油した後の油は、鉄粉、糸屑等の不純物を含む場合がある。給油機構は油を循環するので、伝達機構に給油した後の油を釜機構に供給する場合がある。精密な部品を使用する釜機構に不純物を含む油を給油すると、給油状態が不安定となり、釜機構は焼き付き等を生ずる可能性があった。
本発明の目的は、潤滑油を循環して釜機構と駆動機構に給油する場合でも、給油状態を安定化できるミシンの給油機構と油容器を提供することである。
本発明の第一態様によれば、ミシンのベッド部に設け、上部が開放し、潤滑油を収容する油容器と、前記油容器内に設け、前記油容器内の潤滑油を吸引する吸引部と、前記吸引部が吸引した潤滑油が流通する流通管と、前記流通管を介して前記吸引部に接続し、前記ミシン内で前記ベッド部よりも上方に設け、ミシンモータで駆動する駆動機構に潤滑油を供給する駆動供給部と、前記ベッド部内に設ける釜機構に前記油容器内の潤滑油を供給する釜供給部とを備え、前記駆動供給部と前記釜供給部が前記駆動機構と前記釜機構に供給した潤滑油を、前記油容器で受けるミシンの給油機構において、前記油容器内に、前記油容器の底部から上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部を設け、前記油容器は、前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記吸引部を設け、前記駆動機構に給油する潤滑油を収容し且つ前記釜機構と前記駆動機構に給油した潤滑油を受ける第一領域と、前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記釜機構に給油する潤滑油を収容し、且つ前記釜供給部と接続する第二領域とを有し、前記隔壁部の上端部は、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の位置よりも下方に位置し、前記第二領域の上部を覆い、潤滑油を濾過する第一濾過部材を備えたことを特徴とするミシンの給油機構が提供される。
釜機構と駆動機構に供給し、ミシン内を循環した潤滑油は第一領域に収容する。ミシン内を循環した潤滑油には、不純物が含まれる可能性がある。第一濾過部材が第一領域から第二領域に移動する潤滑油を濾過するので、第二領域に移動する潤滑油は、不純物を含みにくい。給油機構は、第二領域から釜供給部により釜機構に不純物の少ない潤滑油を給油でき、釜機構の焼き付き等を防止できる。故に給油機構は、油容器内の潤滑油を循環して釜機構と駆動機構に給油する場合でも、給油状態を安定化できる。
第一態様において、前記隔壁部は、前記第一領域と前記第二領域を連通し、前記第一領域と前記第二領域の間で潤滑油を流通する流通部を有し、前記第一濾過部材は、前記第二領域の上部と前記流通部を覆ってもよい。隔壁部に流通部を設けたことで、油容器内の潤滑油が少量でも、潤滑油は第一領域から第二領域に容易に移動できる。第一濾過部材により流通部を介して第一領域から第二領域に移動する潤滑油も濾過するので、第二領域に移動する潤滑油は、不純物を含みにくい。給油機構は、釜機構に不純物の少ない潤滑油を給油でき、釜機構の焼き付き等を防止できる。故に給油機構は、油容器内の潤滑油を循環して釜機構と駆動機構に給油する場合でも、給油状態を安定化できる。
第一態様は、前記第二領域内に、磁力を発生する磁力部材と、前記釜供給部に前記潤滑油を輸送する油送管の取付穴に固定し、前記第一濾過部材よりも濾過能力が高い第二濾過部材とを設けてもよい。磁力部材は潤滑油に混入した鉄粉を除去し、第二濾過部材は、第一濾過部材を通過した不純物を除去する。故に給油機構は、釜機構に更に不純物が少ない潤滑油を給油でき、釜機構の焼き付き等を防止できる。
第一態様において、前記底部は、前記第二領域側が前記第一領域側よりも下方に位置するよう傾斜する傾斜面を含んでもよい。潤滑油は底部の傾斜面に沿って第一領域から第二領域に移動する。故に給油機構は、油容器内の潤滑油の量が少なくなっても、釜機構に給油する第二領域の潤滑油を確保できる。
第一態様において、前記ミシンは、前記ベッド部の上面に開口する開口部と、前記開口部の周囲を下方へ延び、前記ベッド部内と前記開口部内の部分を隔離する隔離部と、前記開口部の位置から上方へ延び、内部に前記駆動機構を設け、前記駆動機構に給油した潤滑油が内部を流れる脚柱部とを備え、前記油容器は、上端面を前記隔離部の下面に密着固定してもよい。油容器は駆動機構に給油した後、脚柱部を伝い、開口部を介して流れる潤滑油を受ける。油容器は、隔離部の下面に密着固定するので、ミシンの外部から不純物が潤滑油に混ざることを防止することができる。
第一態様において、前記脚柱部は前記ベッド部と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、前記第二領域は、前記第一領域に対し前記ミシンの傾倒方向と反対側に位置してもよい。ミシンの整備時に脚柱部を傾倒状態にした時、第一領域に対しミシンの傾倒方向と反対側に位置する第二領域は、油容器において第一領域よりも上部に位置する。油容器が傾斜するので、第二領域内の潤滑油は第一領域内に移動する。故に、油容器は、ミシンが傾倒状態の時に取付穴から潤滑油を送出せず、釜機構が潤滑油にまみれることがない。
第一態様において、前記油容器は、前記第一領域において前記第二領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の高さ位置よりも上方に位置する段部と、前記第一領域内の前記底部の上面と、前記段部の上面とを接続する接続路と、前記段部において前記接続路に対し前記第一領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴とを有してもよい。ミシンの整備時に脚柱部を傾倒状態にした時、第二領域内の潤滑油は第一領域内に流れ、第一領域内の潤滑油は接続路を通り段部に流れる。排出穴から潤滑油を排出する時、接続路が第一領域内の底部に接続するので、油容器は第一領域内の潤滑油を残さず排出できる。
第一態様において、前記ミシンは、前記脚柱部の上部から前記ベッド部に対向して延び、内部に前記ミシンの天秤を駆動する天秤機構を有するアーム部を備え、前記天秤機構から前記アーム部内を通って前記脚柱部内に延び、灯心給油で潤滑油を前記天秤機構に輸送する第一芯材を内部に通す第一輸送管を備え、前記第一芯材は、前記脚柱部内において前記駆動機構の下方で前記第一輸送管から露出し、先端部が前記油容器の上方に位置してもよい。駆動機構に給油後、脚柱部を流れて油容器に向かう潤滑油の一部は、第一輸送管から露出する第一芯材に付着する。第一輸送管から露出する第一芯材は、常に潤滑油に浸かった状態ではない。故に、給油機構は、天秤機構に給油する潤滑油の量を抑制でき、天秤機構が潤滑油にまみれることがない。
第一態様において、前記ミシンは、前記ベッド部に設け、縫製時に布を送る送り台を駆動する送り機構を備え、前記第一領域から前記ベッド部内に延び、灯心給油で潤滑油を前記送り機構に輸送する第二芯材を内部に通す第二輸送管と、前記送り機構から前記ベッド部内に延び、前記第二芯材を内部に通す第三輸送管と、前記ベッド部内に固定し、前記第二輸送管と前記第三輸送管とを連結する継手部材とを備え、前記継手部材は、前記第三輸送管に接続する側の端部を、前記第二輸送管に接続する側の端部よりも下方に位置してもよい。第二輸送管と第三輸送管は、第二芯材による灯心給油で送り機構に給油する。送り機構は釜機構に近い位置にあり、釜機構に給油後の潤滑油が第三輸送管に付着する場合がある。第二輸送管に接続する継手部材の端部が上方に位置するため、第三輸送管を伝って継手部材に到達した潤滑油は、第二輸送管へ向かわずその場で溜まり、滴下する。故に給油機構は、潤滑油が第二輸送管の敷設部分でベッド部内に付着することを防止できる。
第一態様において、前記継手部材は、前記第三輸送管に接続する側の端部と前記第二輸送管に接続する側の端部の間に、下方に突出する突出部を有してもよい。第三輸送管を伝って継手部材に到達した潤滑油は突出部を伝い、突出部の下端部に溜まって滴下する。故に給油機構は、潤滑油が第二輸送管の敷設部分でベッド部内に付着することを防止できる。
第一態様において、前記油容器は、前記第一領域内の前記底部に、前記第二輸送管から延びる前記第二芯材の端部を固定する固定部材を設けてもよい。固定部材は第一領域内で第二芯材の端部を位置決めする。故に給油機構は、第二芯材を常に第一領域内の潤滑油に浸した状態に維持し、灯心給油を行うことができる。
本発明の第二態様によれば、ミシンのベッド部に設け、上部が開放し、潤滑油を収容する油容器であって、前記ミシンのミシンモータで駆動する駆動機構に潤滑油を供給する駆動供給部と、前記ベッド部内に設ける釜機構に前記油容器内の潤滑油を供給する釜供給部が前記駆動機構と前記釜機構に供給した潤滑油を受ける油容器において、前記油容器内に、前記油容器の底部から上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部を設け、前記油容器は、前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記駆動供給部に接続し前記油容器内の潤滑油を吸引する吸引部を設け、前記駆動機構に給油する潤滑油を収容し且つ前記釜機構と前記駆動機構に給油した潤滑油を受ける第一領域と、前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記釜機構に給油する潤滑油を収容し、且つ前記釜供給部と接続する第二領域とを有し、前記隔壁部の上端部は、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の位置よりも下方に位置し、前記第二領域の上部を覆い、潤滑油を濾過する第一濾過部材を備えたことを特徴とするミシンの油容器が提供される。
釜機構と駆動機構に供給し、ミシン内を循環した潤滑油は第一領域に収容する。ミシン内を循環した潤滑油には、不純物が含まれる可能性がある。第一濾過部材が第一領域から第二領域に移動する潤滑油を濾過するので、第二領域に移動する潤滑油は、不純物を含みにくい。油容器は、第二領域から釜供給部により釜機構に不純物の少ない潤滑油を給油でき、釜機構の焼き付き等を防止できる。故に油容器は、油容器内の潤滑油を循環して釜機構と駆動機構に給油する場合でも、給油状態を安定化できる。
第二態様において、前記隔壁部は、前記第一領域と前記第二領域を連通し、前記第一領域と前記第二領域の間で潤滑油を流通する流通部を有し、前記第一濾過部材は、前記第二領域の上部と前記流通部を覆ってもよい。隔壁部に流通部を設けたことで、油容器内の潤滑油が少量でも、潤滑油は第一領域から第二領域に容易に移動できる。第一濾過部材により流通部を介して第一領域から第二領域に移動する潤滑油も濾過するので、第二領域に移動する潤滑油は、不純物を含みにくい。油容器は、釜機構に不純物の少ない潤滑油を給油でき、釜機構の焼き付き等を防止できる。故に油容器は、油容器内の潤滑油を循環して釜機構と駆動機構に給油する場合でも、給油状態を安定化できる。
第二態様は、前記第二領域内に、磁力を発生する磁力部材と、前記釜供給部に前記潤滑油を輸送する油送管の取付穴に固定し、前記第一濾過部材よりも濾過能力が高い第二濾過部材とを設けてもよい。磁力部材は潤滑油に混入した鉄粉を除去し、第二濾過部材は、第一濾過部材を通過した不純物を除去する。故に油容器は、釜機構に更に不純物が少ない潤滑油を給油でき、釜機構の焼き付き等を防止できる。
第二態様において、前記底部は、前記第二領域側が前記第一領域側よりも下方に位置するよう傾斜する傾斜面を含んでもよい。潤滑油は底部の傾斜面に沿って第一領域から第二領域に移動する。故に油容器は、油容器内の潤滑油の量が少なくなっても、釜機構に給油する第二領域の潤滑油を確保できる。
第二態様において、前記ミシンの脚柱部は、前記ベッド部の上面に開口する開口部から上方へ延び、内部に前記駆動機構を設け、前記駆動機構に給油した潤滑油が内部を流れ、前記油容器は、上端面を前記開口部の周囲を下方へ延びる隔離部の下面に密着固定してもよい。油容器は駆動機構に給油した後、脚柱部を伝い、開口部を介して流れる潤滑油を受ける。油容器は、隔離部の下面に密着固定するので、ミシンの外部から不純物が潤滑油に混ざることを防止することができる。
第二態様において、前記脚柱部は前記ベッド部と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、前記第二領域は、前記第一領域に対し前記ミシンの傾倒方向と反対側に位置してもよい。ミシンの整備時に脚柱部を傾倒状態にした時、第一領域に対しミシンの傾倒方向と反対側に位置する第二領域は、油容器において第一領域よりも上部に位置する。油容器が傾斜するので、第二領域内の潤滑油は第一領域内に移動する。故に、油容器は、ミシンが傾倒状態の時に取付穴から潤滑油を送出せず、釜機構が潤滑油にまみれることがない。
第二態様は、前記第一領域において前記第二領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の高さ位置よりも上方に位置する段部と、前記第一領域内の前記底部の上面と、前記段部の上面とを接続する接続路と、前記段部において前記接続路に対し前記第一領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴とを有してもよい。ミシンの整備時に脚柱部を傾倒状態にした時、第二領域内の潤滑油は第一領域内に流れ、第一領域内の潤滑油は接続路を通り段部に流れる。排出穴から潤滑油を排出する時、接続路が第一領域内の底部に接続するので、油容器は第一領域内の潤滑油を残さず排出できる。
ミシン1の正面図である。 傾倒状態のミシン1の外観とベッド部2の内部構造の斜視図である。 図1円A内を拡大視したミシン1の縦断面図である。 図1のI−I線で平面視したベッド部2の断面図である。 ミシン1内部の駆動機構の斜視図である。 油容器100の斜視図である。 図6のII−II線で左側方視した油容器100の断面図である。 図6のIII−III線で右側方視した油容器100の断面図である。 傾倒状態のベッド部2を左側方視した断面図である。 給油機構80の平面図である。 継手94の正面図である。
図面を参照し、本発明の一実施形態を説明する。ミシン1の機械的構成を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。ミシン1はミシン台6に設ける。ミシン台6は、矩形穴6Aを備える。ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。
図1〜図4に示すように、ベッド部2はミシン1の土台である。ベッド部2は、ベッド本体20とアンダーカバー23を備える。ベッド本体20は、ベッド21と固定部22を有する。ベッド21は平面視略矩形の板状であり、左右方向に延びる。ミシン1が起立状態の時、ベッド21は、ミシン台6の矩形穴6Aに係合する。起立状態は、脚柱部3がミシン台6上面(水平面)に対して垂直に起立した状態である。ベッド21は、左部に針板11(図5参照)を設ける。針板11は、左部に針穴(図示略)を有する。針板11は、針穴の周囲に送り歯穴12を開口する。ベッド21は、右端部に開口部27を有する。
固定部22は、ベッド21下面から下方に突出する。固定部22はベッド21の外周に沿って壁状に設ける。下回転軸37、釜駆動機構30、送り台駆動機構40は夫々、固定部22に組み付ける。下回転軸37、釜駆動機構30、送り台駆動機構40は後述する。固定部22は、右端部に、給油機構80の油容器100を取り付ける取付部26を有する。取付部26は、ベッド21の開口部27の周囲を下方に延びる。取付部26内は、開口部27と連通する。
固定部22の前壁26A、後壁26B、右壁26Cと、仕切壁26Dは、取付部26を構成する。仕切壁26Dは、前壁26Aと後壁26Bの間を前後に接続する壁部である。仕切壁26Dは、前壁26A、後壁26B、右壁26C、仕切壁26Dで取り囲む部分と、固定部22内で仕切壁26Dより左側の他の部分とを隔てる。前壁26A、後壁26B、右壁26C、仕切壁26Dの夫々の下面は同じ高さ位置にあり、取付部26の下端面29(図3参照)を形成する。下端面29は環状を呈す。
ミシン1は、駆動機構に潤滑油を供給する給油機構80を備える。給油機構80は潤滑油を収容する油容器100を備える。油容器100は、上部が開放する箱状の容器である。油容器100の上端面100A(図6参照)は環状を呈す。上端面100Aの形状は、取付部26の下端面29の形状に沿った形状である。パッキン28(図3参照)は環状を呈し、油容器100の上端面100Aと、取付部26の下端面29との間に挟む。油容器100は、パッキン28を介して上端面100Aを取付部26の下端面29に密着し、螺子で取付部26に固定する。油容器100内の空間と取付部26内の空間は、ベッド部2内の他の空間から隔絶する。油容器100は、脚柱部3内部を伝い、開口部27から取付部26内に滴下する油滴を受けて収容する。油容器100は、取付部26内と脚柱部3内部に密閉状態で接続する。故に脚柱部3から滴下する油滴は必ず油容器100内に溜まる。給油機構80は後述する。
固定部22は、前壁26Aの右端部に注入口24を開口する(図4参照)。注入口24は、油容器100の上方に位置する。注入口24は、取付部26の内部と外部とを連通する。油容器100が潤滑油を満量に収容した時の油面C(図7参照)の高さは、油容器100の第一底壁105の高さよりも低い。注入口24の高さは、注入口を油容器100の前壁101に設けた場合よりも、油面Cの位置から上方に離れて位置する。故に注入口24の高さは、脚柱部3から滴下した油滴がミシン1の駆動に伴い振動する油面Cで跳ねても届きにくい高さである。ミシン1の通常使用時、注入口24は栓部材25で塞ぐ。栓部材25は油容器100内の潤滑油が注入口24からミシン1の外部に漏れるのを防ぐ。
アンダーカバー23は上部が開放する箱状であり、平面視略矩形で左右方向に延びる。アンダーカバー23は矩形穴6Aの形成位置に合わせ、ミシン台6下面に取り付ける。矩形穴6A内面とアンダーカバー23内面は、凹部を形成する。ミシン1が起立状態の時、ベッド21は、矩形穴6Aとアンダーカバー23の凹部を上から覆う。ベッド21下面と矩形穴6A内面とアンダーカバー23内面は、ベッド部2内に、下回転軸37、釜駆動機構30、送り台駆動機構40、油容器100を収容する内部空間を形成する。
脚柱部3はベッド部2の右端に設け、上方に延びる。脚柱部3は、下端に開口部3Aを有する。脚柱部3内とベッド部2の取付部26内は、開口部3Aとベッド21の開口部27を介して接続する。即ち脚柱部3は、ベッド部2の開口部27の位置から上方へ延びる。脚柱部3は、ミシンモータ10、連結回転軸36を備える。ミシンモータ10は、脚柱部3の上部に設け、右側面に固定する。プーリ9は、ミシンモータ10の右側に設け、ミシンモータ10の右側に延びる駆動軸に固定する。ミシンモータ10の左側に延びる駆動軸は、継手13を介して上回転軸35に連結する。脚柱部3は、右側面にプーリカバー(図示略)を取り付ける。プーリカバーは脚柱部3の右方に膨出し、右側面の開口からプーリ9が突出する。連結回転軸36は脚柱部3内に設け、上下方向に延びる。連結回転軸36は、上回転軸35の回転駆動力を下回転軸37に伝達する。
アーム部4は脚柱部3の上端から左方に延びる。アーム部4はベッド部2上面に対向する。上回転軸35はアーム部4内に設け、左右方向に延びる。アーム部4の左端部は先端部5である。先端部5は下方に延びる。
先端部5は、押え足15、縫針8を下方に備える。先端部5は、内部に押え棒16、バネ17、押え足駆動機構(図示略)、天秤駆動機構70、針棒駆動機構75を備える。天秤駆動機構70、針棒駆動機構75は後述する。押え棒16は先端部5内を上下方向に延びる。押え棒16の下端は先端部5下端から下方に突出する。押え足15は押え棒16の下端に設ける。バネ17は押え棒16の上端に接続する。先端部5上端に設けた摘み18は、バネ17の上端を固定する。バネ17は押え棒16を下方に付勢する。押え足駆動機構は、脚柱部3内とベッド部2内を上下方向に延びる膝上げ棒58に連結する。膝上げ棒58の下端部58Aは、油容器100の挿通穴114(図7参照)を介し、油容器100の下方に突出する。
ベッド部2のアンダーカバー23は、作業者が操作可能な膝当て19(図1参照)を前面に備える。膝当て19は縦軸62と接続する。縦軸62は膝当て19の上方へ延びて右方に屈曲し、継手59を介して横軸60に連結する。横軸60は後方に延び、後部がアンダーカバー23内に位置する。アンダーカバー23の底部は横軸60を回転可能に支持する。膝上げ部材61(図3参照)はアンダーカバー23内に設け、横軸60に固定する。膝上げ部材61は曲折した板材であり、横軸60の右方に延びる。ミシン1が起立状態の時、膝上げ部材61の右端部は、膝上げ棒58の下方に位置する。バネ(図示略)は、横軸60を正面視時計回りに付勢し、膝上げ部材61の右端部を下方に移動する。
押え足駆動機構の非駆動時、膝当て19は横軸60よりも左側に位置する。膝上げ部材61の右端部は移動可能な範囲の下側に位置する。膝上げ棒58は、上下に移動可能な状態である。押え足駆動機構は、押え棒16に駆動力を伝達しない。バネ17は付勢力で押え棒16を押し下げる。押え足15は下方に移動し、針板11上で布を押さえる。
膝当て19の操作時、作業者は膝を使って膝当て19を右方に移動する。横軸60は正面視反時計回りに回転し、膝上げ部材61の右端部を上方へ移動する。膝上げ部材61の右端部は膝上げ棒58の下端部58Aに当接し、膝上げ棒58を上方へ押し上げる。押え足駆動機構は押え棒16を上方に移動する。押え棒16はバネ17の付勢力に抗して上昇する。押え足15は針板11の上方に移動し、布を解放する。
図5を参照し、ミシン1の駆動機構を説明する。ミシン1は、主駆動機構34を備える。主駆動機構34は、上回転軸35、連結回転軸36、下回転軸37を備える。上回転軸35は、アーム部4内を左右方向に延びる。連結回転軸36は、脚柱部3内を上下方向に延びる。下回転軸37は、ベッド部2内を左右方向に延びる。
上回転軸35の右端は、継手13を介してミシンモータ10に接続する。ミシンモータ10は上回転軸35を回転する。供給部92は、上回転軸35の左右方向略中央部分を支持する。供給部92は略円筒形を呈す。供給部92の詳細は後述する。
上回転軸35は、供給部92とミシンモータ10の間に偏心部39と傘歯車35Aを備える。傘歯車35Aは、偏心部39の右側に設ける。傘歯車35Aは連結回転軸36に駆動力を伝達する。偏心部39の軸心は上回転軸35の軸心から偏心する。偏心部39はロッド45の上端部に接続する。ロッド45は送り台駆動機構40に駆動力を伝達する。上回転軸35の左端は、天秤駆動機構70と針棒駆動機構75に接続する。ミシンモータ10は上回転軸35を回転し、天秤駆動機構70と針棒駆動機構75に駆動力を伝達する。天秤駆動機構70は天秤14を備え、天秤14を上下動する。天秤駆動機構70の構成は周知なので、説明を省略する。
針棒駆動機構75は針棒7を備える。針棒7は、針板11の上方に位置し、先端部5内を上下方向に延びる。先端部5の下端部は、針板11と対向する。針棒7の下端部は先端部5の下側から露出する。針棒7は、下端に縫針8を装着する。針棒駆動機構75は、上回転軸35の回転に伴い、針棒7と縫針8を上下に往復移動する。針棒7の下降時、縫針8の下端は、針穴を通過して回転釜31の上部に到達する。ボビンケース(図示略)は下糸を巻いたボビン(図示略)を収容し、回転釜31に装着する。縫針8は上糸を保持する。回転釜31は縫針8と協働し、上糸と下糸を絡める。天秤14は、下糸に絡んだ上糸を針板11上に引き上げ、布に縫目を形成する。
傘歯車36Aは、連結回転軸36の上端に設ける。傘歯車36Aは、上回転軸35の傘歯車35Aと噛み合う。連結回転軸36は、上回転軸35の回転に伴い回転する。軸受部63は、連結回転軸36の上下方向略中央部分を支持する。軸受部63は円筒形を呈す。連結回転軸36は、軸受部63の下側に傘歯車36Bを備える。連結回転軸36の下端は、給油ポンプ150に接続する。給油ポンプ150は、油容器100内に配置する。
傘歯車37Aは下回転軸37の右端に設ける。傘歯車37Aは、連結回転軸36の傘歯車36Bと噛み合う。下回転軸37は、連結回転軸36の回転に伴い回転する。連結回転軸36は、ミシンモータ10が上回転軸35を回転する回転駆動力を下回転軸37に伝達する。軸受部64は、下回転軸37の左右方向略中央部分を支持する。軸受部64は円筒形を呈す。下回転軸37の左端は、釜駆動機構30に接続する。
釜駆動機構30は、回転釜31を備える。回転釜31は、下回転軸37の左端に設ける。回転釜31は、下回転軸37の回転に伴い駆動し、縫針8の上下動と同期して回転する。
送り台駆動機構40は、送り台41を前後方向と上下方向に移動し、縫製対象物を移送する機構である。送り台駆動機構40は、送り台41、上下送り軸42、水平送り軸43、送りモータ44を備える。送り台41は、針板11の下方に針板11と略平行に設ける。送り台41は、上面中央に送り歯(図示略)を設ける。送り歯は前後方向に延び、上部に凹凸部分を備える。送り歯の凹凸部分は送り歯穴12内に位置する。縫製時、送り台41は、送り歯の凹凸部分を送り歯穴12から針板11上に突出し、押え足15との間で布を挟む。
ベッド部2は、上下送り軸42を回動可能に支持する。上下送り軸42はベッド部2内で下回転軸37の後側に設ける。上下送り軸42は、下回転軸37と平行に左右方向に延びる。上下送り軸42は筒状を呈し、輸送管85が油容器100から輸送する潤滑油をリンク部材46に供給する。上下送り軸42の右端部は、ロッド45の下端部に接続する。ロッド45は、上回転軸35の偏心部39から後下方に延びる。ロッド45は、上回転軸35の回転に伴い偏心部39を介して上下動し、上下送り軸42を揺動する。リンク部材46は上下送り軸42の左端に設ける。リンク部材46は送り台41の後端に連結する。上下送り軸42が揺動すると、リンク部材46は送り台41を上下方向に移動する。送り台41の上下動は、縫針8の上下動と同期する。
送りモータ44はベッド部2内で油容器100の左方に設ける。送りモータ44はパルスモータであり、駆動軸を所定の角度範囲内で往復回動する。送りモータ44の駆動軸は、リンク機構部47の一端部に接続する。リンク機構部47の他端部は、水平送り軸43の右端部に固定する。水平送り軸43はベッド部2内で下回転軸37の前側、且つ送りモータ44の左側に設ける。水平送り軸43は、下回転軸37と平行に左右方向に延びる。水平送り軸43は筒状を呈し、輸送管84が油容器100から輸送する潤滑油をリンク部材48に供給する。リンク部材48は水平送り軸43の左端部に設ける。リンク部材48は送り台41の前端に連結する。送りモータ44が駆動すると、リンク機構部47は水平送り軸43を所定の角度範囲内で往復回動する。水平送り軸43が往復回動すると、リンク部材48は送り台41を前後方向に往復移動する。
ミシン1の給油機構80を説明する。給油機構80は、油容器100、給油ポンプ150、輸送管81〜87、継手94、プランジャポンプ91、供給部92を備える。
図3、図4、図6〜図9を参照し、油容器100を説明する。油容器100はアルミニウム等の金属で形成する。油容器100は、前壁101、第一後壁102、第一左壁103、右壁104、第一底壁105、第二後壁106、第二左壁107、第二底壁108を有する。
第一底壁105と第二底壁108は、平面視で取付部26内の全域に形成し、略矩形状を呈す。第二底壁108は略矩形状で、取付部26内の右前側の領域に位置する。第一底壁105は屈曲形状を呈し、第二底壁108の後側から左側の部分に設け、且つ第二底壁108よりも上方に位置する。第二後壁106と第二左壁107は夫々、第二底壁108の後端と左端から略鉛直に立ち上がる。第二後壁106の上端は、第一底壁105の左側後部から右方へ延びる部分の前端に接続する。第二左壁107の上端は、第一底壁105の左側後部から前方へ延びる部分の右端に接続する。第二後壁106の左端と第二左壁107の後端は接続する。
第一後壁102と第一左壁103は夫々、第一底壁105の後端と左端から略鉛直に立ち上がる。第一後壁102の左端と第一左壁103の後端は接続する。前壁101と右壁104は夫々、第一底壁105及び第二底壁108の前端と右端から略鉛直に立ち上がる。前壁101の左端は第一左壁103及び第二左壁107の前端に接続し、前壁101の右端は右壁104の前端に接続する。右壁104の後端は第一後壁102及び第二後壁106の右端に接続する。前壁101、第一後壁102、第一左壁103、右壁104の夫々の上面は同じ高さ位置にあり、環状の上端面100Aを構成する。
前壁101、第一後壁102、第一左壁103、右壁104、第一底壁105が取り囲む領域は、主に、脚柱部3から滴下する油滴を受ける領域である。該領域は、受油領域120と称す。前壁101、第二後壁106、第二左壁107、右壁104、第二底壁108が取り囲む領域は、脚柱部3から滴下する油滴を受け、且つ潤滑油を収容する領域である。該領域は、収油領域125と称す。
収油領域125は、釜油領域130と駆動油領域140を含む。釜油領域130は、釜駆動機構30に給油する潤滑油を収容する。駆動油領域140は、主駆動機構34、送り台駆動機構40、天秤駆動機構70、針棒駆動機構75に給油する潤滑油を収容する。釜油領域130は、平面視略矩形状で、第二底壁108の左前側に位置する。駆動油領域140は平面視略L字の屈曲形状を呈し、釜油領域130の後側から右側に位置する。第一仕切壁111と第二仕切壁112は、釜油領域130と駆動油領域140を隔てる。第一仕切壁111は、釜油領域130の後端から略鉛直に立ち上がり、釜油領域130と駆動油領域140を前後方向に隔てる。第一仕切壁111の左端は、第二左壁107に接続する。第一仕切壁111の上端は、第一底壁105よりも下方に位置する。第一仕切壁111上端の高さ位置は、油容器100内の潤滑油が満量時の油面Cの高さ位置よりも低い(図7参照)。第二仕切壁112は、釜油領域130の右端から略鉛直に立ち上がり、釜油領域130と駆動油領域140を左右方向に隔てる。第二仕切壁112の前端は、前壁101に接続する。
釜油領域130の上部は開放する。第二仕切壁112の上端は、第一仕切壁111の上端よりも下方に位置する。即ち第二仕切壁112は、上端部分を下向きに切り欠いた形態である。第二仕切壁112の上端よりも上側の部分は、駆動油領域140と釜油領域130との間で潤滑油が流通する流通部113である。収油領域125内の潤滑油の量が多く、油面の高さ位置が第一仕切壁111の上端よりも上方にある場合、潤滑油は第一仕切壁111の上端を越えて駆動油領域140と釜油領域130との間で流通する。該場合、潤滑油は、流通部113を通り、駆動油領域140と釜油領域130との間で流通することもできる。収油領域125内の潤滑油の量が少なく、油面の高さ位置が第一仕切壁111の上端以下にある場合、潤滑油は第一仕切壁111の上端を越えて流通できない。該場合、潤滑油は流通部113を通り、駆動油領域140と釜油領域130との間で流通する。油容器100は、収油領域125内で潤滑油を円滑に移動できるので、駆動機構への給油状態の安定化を図ることができる。
第二底壁108の上面は、後側から前側へ向けて下方に傾斜する傾斜面108Aである(図8参照)。収油領域125内の潤滑油は、傾斜面108Aに沿って収油領域125内の後側から前側に移動する。釜油領域130は、駆動油領域140の左前方に位置する。収油領域125内の潤滑油の量が少なくても、釜油領域130は、駆動油領域140から流れ込む潤滑油を収容し、釜駆動機構30に給油する潤滑油を確保する。
釜油領域130の左側後部は、受油領域120を左方に窪む凹部131を形成する。凹部131は、釜油領域130の潤滑油の収容量を拡張する。凹部131内を含む釜油領域130内の第二左壁107と前壁101は、第一仕切壁111上端と同じ高さの棚部132を備える。
釜油領域130は、釜油領域130の上部と流通部113に金網状のフィルタ133(図4参照)を設ける。フィルタ133は棚部132上に縁部を配置し、釜油領域130の上部の開放部分を覆う。フィルタ133の右端部は下方に折り曲げて第二仕切壁112の右側に配置し、第二仕切壁112上部の開放部分を覆う。フィルタ133は、釜油領域130内の第二底壁108から立設するボスに螺子留めし、釜油領域130に固定する。故に受油領域120内の潤滑油と駆動油領域140内の潤滑油は、釜油領域130内に移動する時、必ずフィルタ133を通過する。フィルタ133は、釜油領域130内に移動する潤滑油から、網目より大きい異物を除去する。
磁石136は、釜油領域130内の右前部にて第二底壁108上に設ける。磁石136は、釜油領域130内の潤滑油が含む鉄粉等を付着する。釜駆動機構30に潤滑油を送油する送油穴134は、釜油領域130内で第二左壁107の前端部に設ける。即ち送油穴134は、油容器100の前端部に位置する。図9に示すように、給油時、ミシン1は傾倒方向に傾けて傾倒状態にする。傾倒状態は、脚柱部3がミシン台6上面(水平面)に対して傾倒した状態である。ミシン1の傾倒方向は後方である。ミシン1は、傾倒状態の時、ベッド部2後部のヒンジ部2Aを軸に前面側を上側に傾ける。収油領域125内の潤滑油は、受油領域120内で収油領域125の後側に位置する部分に移動する。送油穴134は、油容器100内で傾倒方向と反対側、即ち前側に位置する。故に傾倒状態の時、送油穴134は、収油領域125内で高所に位置する。送油穴134は、傾倒状態の時の油面Dの水準位置よりも高所に位置する。故に傾倒状態の時、送油穴134は潤滑油を送出しない。
給油時、作業者は、給油量を油容器100の第一底壁105に設けた給油窓117(図2参照)を介して確認する。給油窓117を第一底壁105に設けたので、ミシン1が傾倒状態の時、給油窓117は正面側を向く。故に、作業者は給油時に給油窓117を容易に視認できるので、給油量を確認しやすい。
図3、図4、図6〜図9に示すように、円柱状のフェルト135は、送油穴134内に設ける(図6参照)。フェルト135の右端部は釜油領域130内に突出する。故に釜駆動機構30に給油する時、釜油領域130内の潤滑油は、必ずフェルト135を通過する。フェルト135の濾過能力は、フィルタ133の濾過能力よりも高い。フェルト135は、フィルタ133を通過し、磁石136に付着できなかった異物を、釜駆動機構30に給油する潤滑油から除去する。故に油容器100は、異物を取り除き不純物の少ない潤滑油を釜駆動機構30に給油し、釜駆動機構30の焼き付き等を防ぐ。
給油ポンプ150は、駆動油領域140内に配置する。給油ポンプ150は、平面視で釜油領域130の右後方に位置する。給油ポンプ150は、連結回転軸36の下端に接続する。給油ポンプ150は、連結回転軸36の回転で羽根車を回転し、駆動油領域140内の潤滑油を吸い上げて輸送管86に送り出す。
対向部材141は、第二底壁108の前端部から略鉛直に立ち上がる。対向部材141は前後方向に厚みを有し、左右方向に幅を有する板状を呈し、上方に延びる。対向部材141の下部は右方に延び、右壁104に接続する。対向部材141の上端部141Bは、油容器100の上端よりも上方に延び、ベッド部2の注入口24よりも上方にある。対向部材141の前面は、対向面141Aである。対向面141Aは、注入口24に正対する。給油時、ミシン1は傾倒状態に傾ける(図9参照)。作業者は、注入口24に給油容器155の注入用ノズル156を差し込み給油する。潤滑油は、対向面141Aに当たり、対向面141Aを伝って油容器100内に流れる。
対向部材141は第二底壁108から上方に延びる。故に、油容器100に収容する潤滑油の量がミシン1の駆動に必要な最低限の量である下限量時であっても、対向面141Aは必ず潤滑油に浸かる。脚柱部3から滴下した油滴は、ミシン1の駆動に伴い振動する油面で跳ねても、対向部材141と油面の間を通ることがない。
図3、図4、図6〜図9に示すように、駆動油領域140の第二後壁106は、左端に接続路142を有する。接続路142は第二後壁106に対して傾斜する溝状を呈し、前側下方から後側上方に延びる。接続路142は、第二底壁108の上面と第一底壁105の上面を接続する。排出穴126は、第一底壁105の後端で、接続路142の後方に設ける。排出穴126は第一底壁105を上下に貫通し、油容器100内と外部を連通する。
ミシン1の通常使用時、油容器100は排出穴126に螺子(図示略)を締結する。螺子は螺子首にOリングを設け、排出穴126を塞ぐ。排油時、ミシン1は起立状態から傾倒状態に切り替える。収油領域125内で、釜油領域130内の潤滑油は駆動油領域140内に移動する。収油領域125内の潤滑油は受油領域120内に移動する。潤滑油は接続路142を通り収油領域125から受油領域120に流れる。排出穴126は、受油領域120内の潤滑油を油容器100外部に排出する。接続路142は傾斜するので、収油領域125内の潤滑油が少量になっても、収油領域125内の潤滑油を残さず受油領域120に流す。
受油領域120の第一左壁103は、後部に回収穴121(図6参照)を開口する。油容器100は、釜駆動機構30を循環した潤滑油を回収穴121から受油領域120内に回収する。第一左壁103は、前部に供給穴122を開口する。油容器100は、供給穴122を介して送り台駆動機構40に潤滑油を給油する。
受油領域120の第一底壁105は、挿通穴114を有する。挿通穴114は第一底壁105の後部にて開口し、膝上げ棒58を上下方向に通す。第一底壁105は上方に突出する筒状部115を備える。筒状部115は、挿通穴114を中心に第一底壁105から上方へ筒状に延びる。筒状部115の筒穴115Aは挿通穴114に連接し、膝上げ棒58を上下方向に通す。筒状部115の上端は、前壁101、第一後壁102、第一左壁103、右壁104の上端よりも上方に位置する。
覆い部材145は、膝上げ棒58の側面に設ける。覆い部材145は、例えばゴム等の樹脂であり、上側覆部146と、側面覆部147を備える。上側覆部146は円形の板状で、中央に保持穴146Aを開口する。側面覆部147は、上側覆部146の外周側縁部から下方に延びる筒状を呈す。保持穴146Aの内面は膝上げ棒58の外面に密着する。覆い部材145は筒状部115を上方から覆い、膝上げ棒58と共に上下動する。
油容器100は、筒状部115に保護部材160を設ける。保護部材160は、例えばゴム等の樹脂であり、底壁部161と周壁部162を備える。底壁部161は円形の板状で、中央に保持穴161Aを開口する。保持穴161Aの内面は筒状部115の外面に密着する。周壁部162は、底壁部161の外周側縁部に設け、上下方向に筒状に延びる。底壁部161は、外周側縁部に四つの貫通穴163を有する。貫通穴163は、覆い部材145を伝って底壁部161の上面に滴下した油滴を、底壁部161の下方に流す。押え足駆動機構の駆動時、覆い部材145は膝上げ棒58と共に上方へ移動する。覆い部材145が上下動範囲の最も上方に位置する時、側面覆部147の下端は、筒状部115の上部側方に位置する。故に覆い部材145が上下動範囲のいかなる位置に移動しても、保護部材160は筒状部115を露出せず、筒状部115への潤滑油の付着を防ぐ。
図5、図10に示すように、給油機構80のプランジャポンプ91は、釜駆動機構30に潤滑油を供給する。プランジャポンプ91は釜駆動機構30の回転釜31の右側に設ける。プランジャポンプ91はポンプメタル911、プランジャ912を備える。ポンプメタル911は略円筒形を呈し、下回転軸37の左右方向略中央部分を支持する。プランジャ912はポンプメタル911内に設け、ポンプメタル911の径方向に進退可能である。プランジャポンプ91は下回転軸37の回転に伴い、プランジャ912が進退することで駆動する給油ポンプである。油容器100は、第二左壁107の外壁側にて釜油領域130の送油穴134に継手137を設ける。輸送管81の一端は継手137に接続する。輸送管81はベッド部2内を油容器100の左方に配管し、他端をプランジャポンプ91に接続する。プランジャポンプ91は、輸送管81が油容器100から輸送する潤滑油を吸い込み、下回転軸37を介して回転釜31に潤滑油を供給する。
油容器100は、第一左壁103の外壁側にて受油領域120の回収穴121に継手123を設ける。輸送管82の一端は継手123に接続する。輸送管82はベッド部2内を左方に配管し、他端をプランジャポンプ91に接続する。プランジャポンプ91は回転釜31に給油した余剰分の潤滑油を回収し、輸送管82に送り出す。油容器100は、輸送管82が輸送した潤滑油を回収穴121から受油領域120内に受け入れ、収油領域125内に収容する。
給油機構80の輸送管83〜85は、送り台駆動機構40に潤滑油を供給する。油容器100は、第一左壁103の外壁側にて受油領域120の供給穴122に継手124を設ける。輸送管83の一端は継手124に接続する。輸送管83はベッド部2内を左方に配管し、他端を継手94の右取付口96に接続する。
図5、図10、図11に示すように、継手94は、本体部95、右取付口96、左取付口97、後取付口98(図10参照)、突出部99を備える。右取付口96、左取付口97、後取付口98は夫々、本体部95の右側、左側、後側に設ける。後取付口98は本体部95において右取付口96と左取付口97の間に位置する。本体部95は内部で二手に分岐する管であり、右取付口96、左取付口97、後取付口98を本体部95内で接続する。継手94は送りモータ44の左方にてベッド本体20の固定部22に固定する。継手94を固定部22に取り付ける取付部93は、本体部95の前側上部に設ける。本体部95は、取付部93に対し、右取付口96よりも左取付口97が下側に傾斜する。故に継手94を固定部22に固定した時、左取付口97は右取付口96よりも下方に位置する。右取付口96と左取付口97の間に位置する後取付口98は、左取付口97の上方、且つ右取付口96の下方に位置する。本体部95は、左取付口97の右側に突出部99を有する。突出部99は本体部95から下方に突出する。
輸送管84の一端は継手94の左取付口97に接続する。輸送管84はベッド部2内を継手94の左方に配管する。継手94の他端は、送り台駆動機構40の水平送り軸43に接続する。輸送管85の一端は継手94の後取付口98に接続する。輸送管85はベッド部2内を継手94の後方且つ左方に配管する。継手94の他端は、送り台駆動機構40の上下送り軸42に接続する。
輸送管84は、回転釜31の前下方を通り配管する(図2参照)。釜駆動機構30に給油後の潤滑油は輸送管84に付着し、輸送管84を伝って継手94に到達する場合がある。該場合、継手94が傾斜し、左取付口97が右取付口96よりも下方に位置するので、潤滑油は本体部95を伝って移動しない。輸送管85は、回転釜31の後下方を通り配管する(図2参照)。輸送管85に付着した潤滑油が継手94に到達した場合、潤滑油は本体部95を伝い、後取付口98の下方に位置する左取付口97へ向けて移動する。潤滑油は、左取付口97右側の突出部99を伝い、突出部99の下端部に溜まって滴下する。
輸送管83〜85と継手94は、内部に灯心88を通す。灯心88の油容器100側の端部88Aは、輸送管83から供給穴122を介し、油容器100内で露出する。端部88Aは、釜油領域130の上方を跨ぎ、駆動油領域140における第二底壁108に設けたボスに螺子108Bで固定する(図4参照)。端部88Aは、ミシン1の駆動に伴う振動によって油容器100内で移動することがない。故に油容器100は灯心88を常に潤滑油に浸した状態を維持する。灯心88は、輸送管84から水平送り軸43内に延び、輸送管85から上下送り軸42内に延びる。油容器100は灯心88の毛細管作用を利用する灯心給油によって、送り台駆動機構40へ潤滑油を供給する。
給油機構80の給油ポンプ150は、輸送管86を介して主駆動機構34に潤滑油を供給する。輸送管86は脚柱部3内に配管する。輸送管86は給油ポンプ150と供給部92を接続する。供給部92は右側面に穴92Aを有する。供給部92は、給油ポンプ150が送り出し、輸送管86が輸送する潤滑油を穴92Aから取り込む。供給部92は、上回転軸35内に設けた給油穴(図示略)に潤滑油を送る。給油穴は上回転軸35内を上回転軸35の軸線に沿って左右方向に延びる。給油穴は偏心部39、傘歯車35Aの近傍に夫々開口(図示略)を有し、供給部92内と偏心部39、傘歯車35A近傍とを繋ぐ。給油穴を流れる潤滑油は、上回転軸35が回転すると開口から溢れ出し、偏心部39と傘歯車35Aを潤す。傘歯車35Aに供給した潤滑油は傘歯車35Aと傘歯車36Aの摩擦で生じる発熱を抑え、焼き付き現象を防ぐ。
傘歯車35Aと傘歯車36Aの回転に伴い、潤滑油は霧状に変化して周囲に放出する。霧状の潤滑油は脚柱部3内に飛散し、傘歯車36B、傘歯車37A等を潤す。潤滑油は傘歯車36Bと傘歯車37Aの摩擦で生じる発熱を抑え、焼き付き現象を防ぐ。脚柱部3内に飛散した潤滑油が下方に落ちた時、脚柱部3の下方に位置する油容器100は潤滑油を受けて収容する。油容器100は収油領域125内に収容した潤滑油を再利用する。潤滑油はミシン1の内部を循環する。
給油機構80の輸送管87は、天秤駆動機構70と針棒駆動機構75に潤滑油を供給する。輸送管87は、アーム部4内に配管する。輸送管87の一端は脚柱部3内に延び、他端は供給部76に接続する。供給部76は先端部5に設け、輸送管86が輸送する潤滑油を天秤駆動機構70と針棒駆動機構75に供給する。輸送管87は内部に灯心89(図5参照)を通す。灯心89の先端部89Aは、輸送管87の一端から脚柱部3内で露出する。先端部89Aは、油容器100の上方に位置する。
脚柱部3内で霧状に飛散した潤滑油の一部は、脚柱部3内で露出する灯心89の先端部89Aに付着する。輸送管87は灯心89の毛細管作用を利用する灯心給油によって潤滑油を供給部76に輸送する。供給部76は天秤駆動機構70と針棒駆動機構75に潤滑油を供給する。灯心89は常に潤滑油に浸かった状態ではない。故に輸送管87は、供給部76に輸送する潤滑油の量を抑制する。
以上説明したように、釜駆動機構30と主駆動機構34に供給し、ミシン1内を循環した潤滑油は駆動油領域140に収容する。ミシン1内を循環した潤滑油には、不純物が含まれる可能性がある。フィルタ133が駆動油領域140から釜油領域130に移動する潤滑油を濾過するので、釜油領域130に移動する潤滑油は、不純物を含みにくい。給油機構80は、釜油領域130からプランジャポンプ91により釜駆動機構30に不純物の少ない潤滑油を給油でき、釜駆動機構30の焼き付き等を防止できる。故に給油機構80は、油容器100内の潤滑油を循環して釜駆動機構30と主駆動機構34に給油する場合でも、給油状態を安定化できる。
第二仕切壁112の上端よりも上側の部分は、駆動油領域140と釜油領域130との間で潤滑油が流通する流通部113である。第二仕切壁112に流通部113を設けたことで、油容器100内の潤滑油が少量でも、潤滑油は駆動油領域140から釜油領域130に容易に移動できる。フィルタ133により流通部113を介して駆動油領域140から釜油領域130に移動する潤滑油も濾過するので、釜油領域130に移動する潤滑油は、不純物を含みにくい。給油機構80は、釜駆動機構30に不純物の少ない潤滑油を給油でき、釜駆動機構30の焼き付き等を防止できる。故に給油機構80は、油容器100内の潤滑油を循環して釜駆動機構30と主駆動機構34に給油する場合でも、給油状態を安定化できる。
磁石136は、釜油領域130内にて第二底壁108上に設ける。フェルト135は、送油穴134内に設け、釜油領域130内に突出する。磁石136は潤滑油に混入した鉄粉を除去し、フェルト135は、フィルタ133を通過した不純物を除去する。故に給油機構80は、釜駆動機構30に更に不純物が少ない潤滑油を給油でき、釜駆動機構30の焼き付き等を防止できる。
第二底壁108の上面は、後側よりも前側が下方に傾斜する傾斜面108Aを形成する。潤滑油は傾斜面108Aに沿って駆動油領域140から釜油領域130に移動する。故に給油機構80は、油容器100内の潤滑油の量が少なくなっても、釜駆動機構30に給油する釜油領域130の潤滑油を確保できる。
油容器100は主駆動機構34に給油した後、脚柱部3を伝い、ベッド21の開口部27を介して流れる潤滑油を受ける。油容器100は、開口部27と連通する取付部26の下端面29に密着固定するので、ミシン1の外部から不純物が潤滑油に混ざることを防止することができる。
釜油領域130は、駆動油領域140に対しミシン1の傾倒方向と反対側の前側に位置する。ミシン1の整備時に脚柱部3を傾倒状態にした時、釜油領域130は、油容器100において駆動油領域140よりも上部に位置する。油容器100が傾斜するので、釜油領域130内の潤滑油は駆動油領域140内に移動する。故に、油容器100は、ミシン1が傾倒状態の時に釜油領域130内の送油穴134から潤滑油を送出せず、釜駆動機構30が潤滑油にまみれることがない。
駆動油領域140の第二後壁106は、左端に接続路142を有し、接続路142は、第二底壁108の上面と第一底壁105の上面を接続する。ミシン1の整備時に脚柱部3を傾倒状態にした時、釜油領域130内の潤滑油は駆動油領域140内に流れ、駆動油領域140内の潤滑油は接続路142を通り受油領域120に流れる。排出穴126は、第一底壁105の後端で、接続路142の後方に設ける。排出穴126から潤滑油を排出する時、接続路142が駆動油領域140内の第二底壁108に接続するので、油容器100は駆動油領域140内の潤滑油を残さず排出できる。
輸送管87は、内部に灯心89を通し、天秤駆動機構70と針棒駆動機構75に潤滑油を供給する。灯心89の先端部89Aは、脚柱部3内で露出し、油容器100の上方に位置する。主駆動機構34に給油後、脚柱部3を流れて油容器100に向かう潤滑油の一部は、輸送管87から露出する灯心89に付着する。輸送管87から露出する灯心89は、常に潤滑油に浸かった状態ではない。故に、給油機構80は、天秤駆動機構70に給油する潤滑油の量を抑制でき、天秤駆動機構70が潤滑油にまみれることがない。
輸送管83と輸送管84、85は、灯心88による灯心給油で送り台駆動機構40に給油する。送り台駆動機構40は釜駆動機構30に近い位置にあり、釜駆動機構30に給油後の潤滑油が輸送管84、85に付着する場合がある。輸送管83に接続する継手94の右取付口96が輸送管84の左取付口97よりも上方に位置するため、輸送管84、85を伝って継手94に到達した潤滑油は、輸送管83へ向かわずその場で溜まり、滴下する。故に給油機構80は、潤滑油が輸送管83の敷設部分でベッド部2内に付着することを防止できる。
本体部95は、左取付口97の右側に突出部99を有する。突出部99は本体部95から下方に突出する。輸送管84、85を伝って継手94に到達した潤滑油は突出部99を伝い、突出部99の下端部に溜まって滴下する。故に給油機構80は、潤滑油が輸送管83の敷設部分でベッド部2内に付着することを防止できる。
灯心88の油容器100側の端部88Aは、油容器100内で露出し、駆動油領域140内で第二底壁108に設けたボスに螺子108Bで固定し位置決めする。故に給油機構80は、灯心88を常に駆動油領域140内の潤滑油に浸した状態に維持し、灯心給油を行うことができる。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更が可能である。フィルタ133は、金網に限定せず、例えば樹脂等を使用してもよい。フィルタ133は、釜油領域130上部の開放部分を覆う部分と流通部113を覆う部分を夫々別体に設けてもよい。油容器100は、第二仕切壁112の上端の高さ位置を第一仕切壁111の上端の高さ位置より低くし、流通部113とした。これに限らず、油容器100は、例えば第一仕切壁111、第二仕切壁112に貫通穴、切欠部、スリット等を設け、流通部113としてもよい。或いは、油容器100は、釜油領域130と駆動油領域140の間に仕切壁のない部分を設け、流通部113としてもよい。油容器100は、フェルト135の代わりにフィルタ133よりも網目の細かい金網を送油穴134に設けてもよい。油容器100は、第二仕切壁112の上端の高さ位置を第一仕切壁111の上端の高さ位置と同じにし、流通部113を設けなくてもよい。
第二底壁108の傾斜面108Aは後側よりも前側が下方に傾斜するが、右側よりも左側が下方に傾斜してもよい。或いは、傾斜面108Aは、右後側よりも左前側が下方に傾斜してもよい。釜油領域130は駆動油領域140の左前方に位置するが、前方に位置してもよい。脚柱部3内で露出する灯心89の先端部89Aは、脚柱部3内で中空に位置してもよいし、脚柱部3の内面に固定してもよい。灯心89の先端部89Aは、油容器100内まで延びてもよい。継手94は、本体部95が取付部93に対し傾斜したが、傾斜しなくてもよい。該場合、継手94は、左取付口97が右取付口96よりも下側に位置する向きに予め傾けた状態で固定部22に固定すればよい。継手94の突出部99はなくてもよい。
上記説明で、給油ポンプ150は本発明の「吸引部」に相当する。輸送管86は本発明の「流通管」に相当する。主駆動機構34は本発明の「駆動機構」に相当する。供給部92は本発明の「駆動供給部」に相当する。釜駆動機構30は本発明の「釜機構」に相当する。プランジャポンプ91は本発明の「釜供給部」に相当する。第二底壁108は本発明の「底部」に相当する。第一仕切壁111、第二仕切壁112は本発明の「隔壁部」に相当する。駆動油領域140は本発明の「第一領域」に相当する。釜油領域130は本発明の「第二領域」に相当する。フィルタ133は本発明の「第一濾過部材」に相当する。
磁石136は本発明の「磁力部材」に相当する。輸送管81は本発明の「油送管」に相当する。送油穴134は本発明の「取付穴」に相当する。フェルト135は本発明の「第二濾過部材」に相当する。取付部26は本発明の「隔離部」に相当する。受油領域120は本発明の「段部」に相当する。天秤駆動機構70は本発明の「天秤機構」に相当する。灯心89は本発明の「第一芯材」に相当する。輸送管87は本発明の「第一輸送管」に相当する。送り台駆動機構40は本発明の「送り機構」に相当する。灯心88は本発明の「第二芯材」に相当する。輸送管83は本発明の「第二輸送管」に相当する。輸送管84、85は本発明の「第三輸送管」に相当する。継手94は本発明の「継手部材」に相当する。螺子108Bは本発明の「固定部材」に相当する。
1 ミシン
2 ベッド部
3 脚柱部
4 アーム部
10 ミシンモータ
14 天秤
21 ベッド
26 取付部
27 開口部
29 下端面
30 釜駆動機構
34 主駆動機構
40 送り台駆動機構
41 送り台
70 天秤駆動機構
80 給油機構
81〜87 輸送管
88 灯心
88A 端部
89 灯心
89A 先端部
91 プランジャポンプ
92 供給部
94 継手
99 突出部
100 油容器
100A 上端面
105 第一底壁
108 第二底壁
108A 傾斜面
108B 螺子
111 第一仕切壁
112 第二仕切壁
113 流通部
126 排出穴
130 釜油領域
133 フィルタ
134 送油穴
135 フェルト
136 磁石
140 駆動油領域
142 接続路
150 給油ポンプ

Claims (18)

  1. ミシンのベッド部に設け、上部が開放し、潤滑油を収容する油容器と、
    前記油容器内に設け、前記油容器内の潤滑油を吸引する吸引部と、
    前記吸引部が吸引した潤滑油が流通する流通管と、
    前記流通管を介して前記吸引部に接続し、前記ミシン内で前記ベッド部よりも上方に設け、ミシンモータで駆動する駆動機構に潤滑油を供給する駆動供給部と、
    前記ベッド部内に設ける釜機構に前記油容器内の潤滑油を供給する釜供給部と
    を備え、
    前記駆動供給部と前記釜供給部が前記駆動機構と前記釜機構に供給した潤滑油を、前記油容器で受けるミシンの給油機構において、
    前記油容器内に、前記油容器の底部から上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部を設け、
    前記油容器は、
    前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記吸引部を設け、前記駆動機構に給油する潤滑油を収容し且つ前記釜機構と前記駆動機構に給油した潤滑油を受ける第一領域と、
    前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記釜機構に給油する潤滑油を収容し、且つ前記釜供給部と接続する第二領域と
    を有し、
    前記隔壁部の上端部は、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の位置よりも下方に位置し、前記第二領域の上部を覆い、潤滑油を濾過する第一濾過部材を備えたことを特徴とするミシンの給油機構。
  2. 前記隔壁部は、前記第一領域と前記第二領域を連通し、前記第一領域と前記第二領域の間で潤滑油を流通する流通部を有し、
    前記第一濾過部材は、前記第二領域の上部と前記流通部を覆うことを特徴とする請求項1に記載のミシンの給油機構。
  3. 前記第二領域内に、
    磁力を発生する磁力部材と、
    前記釜供給部に前記潤滑油を輸送する油送管の取付穴に固定し、前記第一濾過部材よりも濾過能力が高い第二濾過部材と
    を設けたことを特徴とする請求項2に記載のミシンの給油機構。
  4. 前記底部は、前記第二領域側が前記第一領域側よりも下方に位置するよう傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のミシンの給油機構。
  5. 前記ミシンは、
    前記ベッド部の上面に開口する開口部と、
    前記開口部の周囲を下方へ延び、前記ベッド部内と前記開口部内の部分を隔離する隔離部と、
    前記開口部の位置から上方へ延び、内部に前記駆動機構を設け、前記駆動機構に給油した潤滑油が内部を流れる脚柱部と
    を備え、
    前記油容器は、上端面を前記隔離部の下面に密着固定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のミシンの給油機構。
  6. 前記脚柱部は前記ベッド部と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、
    前記第二領域は、前記第一領域に対し前記ミシンの傾倒方向と反対側に位置することを特徴とする請求項5に記載のミシンの給油機構。
  7. 前記油容器は、
    前記第一領域において前記第二領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の高さ位置よりも上方に位置する段部と、
    前記第一領域内の前記底部の上面と、前記段部の上面とを接続する接続路と、
    前記段部において前記接続路に対し前記第一領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴と
    を有することを特徴とする請求項6に記載のミシンの給油機構。
  8. 前記ミシンは、前記脚柱部の上部から前記ベッド部に対向して延び、内部に前記ミシンの天秤を駆動する天秤機構を有するアーム部を備え、
    前記天秤機構から前記アーム部内を通って前記脚柱部内に延び、灯心給油で潤滑油を前記天秤機構に輸送する第一芯材を内部に通す第一輸送管を備え、
    前記第一芯材は、前記脚柱部内において前記駆動機構の下方で前記第一輸送管から露出し、先端部が前記油容器の上方に位置することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のミシンの給油機構。
  9. 前記ミシンは、前記ベッド部に設け、縫製時に布を送る送り台を駆動する送り機構を備え、
    前記第一領域から前記ベッド部内に延び、灯心給油で潤滑油を前記送り機構に輸送する第二芯材を内部に通す第二輸送管と、
    前記送り機構から前記ベッド部内に延び、前記第二芯材を内部に通す第三輸送管と、
    前記ベッド部内に固定し、前記第二輸送管と前記第三輸送管とを連結する継手部材と
    を備え、
    前記継手部材は、前記第三輸送管に接続する側の端部を、前記第二輸送管に接続する側の端部よりも下方に位置することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のミシンの給油機構。
  10. 前記継手部材は、前記第三輸送管に接続する側の端部と前記第二輸送管に接続する側の端部の間に、下方に突出する突出部を有することを特徴とする請求項9に記載のミシンの給油機構。
  11. 前記油容器は、前記第一領域内の前記底部に、前記第二輸送管から延びる前記第二芯材の端部を固定する固定部材を設けたことを特徴とする請求項9又は10に記載のミシンの給油機構。
  12. ミシンのベッド部に設け、上部が開放し、潤滑油を収容する油容器であって、
    前記ミシンのミシンモータで駆動する駆動機構に潤滑油を供給する駆動供給部と、前記ベッド部内に設ける釜機構に前記油容器内の潤滑油を供給する釜供給部が前記駆動機構と前記釜機構に供給した潤滑油を受けるミシンの油容器において、
    前記油容器内に、前記油容器の底部から上方へ延び、前記油容器内の領域を二つに隔てる隔壁部を設け、
    前記油容器は、
    前記隔壁部が隔てる領域の一方であり、前記駆動供給部に接続し前記油容器内の潤滑油を吸引する吸引部を設け、前記駆動機構に給油する潤滑油を収容し且つ前記釜機構と前記駆動機構に給油した潤滑油を受ける第一領域と、
    前記隔壁部が隔てる領域の他方であり、前記釜機構に給油する潤滑油を収容し、且つ前記釜供給部と接続する第二領域と
    を有し、
    前記隔壁部の上端部は、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の位置よりも下方に位置し、前記第二領域の上部を覆い、潤滑油を濾過する第一濾過部材を備えたことを特徴とするミシンの油容器。
  13. 前記隔壁部は、前記第一領域と前記第二領域を連通し、前記第一領域と前記第二領域の間で潤滑油を流通する流通部を有し、
    前記第一濾過部材は、前記第二領域の上部と前記流通部を覆うことを特徴とする請求項12に記載のミシンの油容器。
  14. 前記第二領域内に、
    磁力を発生する磁力部材と、
    前記釜供給部に前記潤滑油を輸送する油送管の取付穴に固定し、前記第一濾過部材よりも濾過能力が高い第二濾過部材と
    を設けたことを特徴とする請求項13に記載のミシンの油容器。
  15. 前記底部は、前記第二領域側が前記第一領域側よりも下方に位置するよう傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のミシンの油容器。
  16. 前記ミシンの脚柱部は、前記ベッド部の上面に開口する開口部から上方へ延び、内部に前記駆動機構を設け、前記駆動機構に給油した潤滑油が内部を流れ、
    前記油容器は、上端面を前記開口部の周囲を下方へ延びる隔離部の下面に密着固定することを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載のミシンの油容器。
  17. 前記脚柱部は前記ベッド部と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を切替可能であり、
    前記第二領域は、前記第一領域に対し前記ミシンの傾倒方向と反対側に位置することを特徴とする請求項16に記載のミシンの油容器。
  18. 前記第一領域において前記第二領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油が満量時の油面の高さ位置よりも上方に位置する段部と、
    前記第一領域内の前記底部の上面と、前記段部の上面とを接続する接続路と、
    前記段部において前記接続路に対し前記第一領域と反対側に設け、前記油容器内の潤滑油を外部に排出する排出穴と
    を有することを特徴とする請求項17に記載のミシンの油容器。
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