JP2012132990A - テープ心線分割工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ間の連結部が間欠的な間欠固定テープ心線を単心光ファイバに分割する工具1である。直線状のレール5とレール上をスライド可能な分割工具本体6とからなる。工具本体6は本体ベース8と蓋部9とを備え、本体ベース8と蓋部9との間をテープ心線が挿通する。蓋部9にコイルスプリング(分割作用部材)21を設ける。工具本体をスライドさせると、コイルスプリングが、テープ心線の長手方向同一位置に光ファイバ間の連結部3が1つもない非連結領域dにきたとき、コイルスプリングの線材21aが光ファイバ間に入り込む。工具本体をさらにスライドさせると、各連結部が線材21aで引裂かれて単心分割される。単心分割作業中に、光ファイバに光損失を生じさせる曲げ力などは作用しないので、テープ心線を活線状態で単心分割できる。
【選択図】図1
Description
また、活線の光ファイバテープ心線を活線状態のまま分割する必要が生じた場合には、単に光ファイバを傷付けないというだけでなく、光ファイバに作用した曲げや側圧によって一時的にでも伝送損失が生じて信号が乱れることもないことが求められる。
この種の光ファイバテープ心線を分割する工具として、特許文献1〜3などに示された分割工具がある。
特許文献1自体は光ファイバテープ心線についての発明であるが、特許文献1中に記載されている分割工具は、多数の短い可撓性線材をブラシ状に植え込んだ可撓性線材付き分割工具であり、光ファイバテープ心線を擦ることで外被のUV樹脂被覆を剥ぎ取って分割する。
そして、その状態で分割工具を光ファイバテープ心線の長手方向にスライドさせることにより、所要の長さの分割が行われる。
また、テープ化材を剥ぎ取るまで、何度もテープ心線を擦ったりしごいたりしなければならず、単心分割に時間がかかり、作業性が良好でないという問題もある。
また、1回の分割作業でのせん断個所は一箇所のみであり、テープ心線を2分割することしかできないので、テープ心線を単心分割したい場合には2段階あるいはそれ以上の複数段階の分割作業をしなければならず、単心分割には不向きである。
また、分割作業後にテープ化樹脂が光ファイバ心線の周囲に残ってしまうので、それを除去する必要がある場合に、その処理に手間がかかる場合もある。
また、特許文献1に記載の分割工具や特許文献2の分割工具の場合は、工具及びテープ心線を手で持って分割操作をするものであり、その点でも光ファイバに曲げ力などの光損失の原因となる力が作用し易い。
しかし、光ファイバテープ心線を単心分割する必要が生じるのは、主としてクロージャにおいて中間後分岐作業をする場合などであり、その場合、通常、活線状態の光ファイバテープ心線(活線状態の光ファイバを含む光ファイバテープ心線)について単心分割することになるが、手作業による作業では光ファイバに曲げ力などを作用させ易いという問題がある。
また、前記のように特許文献1〜3の分割工具は光損失の原因となる力が作用し易いが、また、間欠固定テープ心線に対して適切とは言い難い。
直線状のレールとこのレールに案内されてスライド可能な分割工具本体とからなり、前記分割工具本体は、レールに案内されてスライド可能な本体ベースと、この本体ベースに開閉可能又は着脱可能に取り付けられた蓋部とを備え、前記本体ベースと蓋部との間にはテープ心線を挿通させるテープ心線挿通通路が形成されており、前記蓋部又は本体ベースには、テープ心線の心線長手方向の同一位置に光ファイバ間の連結部が1つも存在しない非連結領域において、前記隣接する光ファイバ間に入り込むことが可能な幅の狭い引裂き用薄片を間隔をあけて複数設けた分割作用部材を備えており、前記分割工具本体をレールに沿ってスライドさせることにより、前記テープ心線挿通通路に挿通させたテープ心線が前記分割作用部材の引裂き用薄片により単心分割されるようにしたことを特徴とする。
テープ心線の単心分割は、分割作用部材における幅の狭い引裂き用薄片が隣接する光ファイバ間に入り込み、引き続きレールに沿って直線状に移動することで行われるので、単心分割作用を果たす分割力の方向が、光ファイバの断面方向でなく光ファイバ長手方向なので、この点でも光ファイバに光損失となる力が作用する恐れは少ない。
本発明のテープ心線分割工具は、複数の光ファイバをテープ状に連結した光ファイバテープ心線2における互いに隣接する光ファイバ2a間の連結部3がテープ心線長手方向に間欠的に設けられた間欠固定テープ心線2を単心光ファイバに分割するテープ心線分割工具である。
図示例の光ファイバテープ心線(以下、場合により単にテープ心線という)2は、直径0.25mmのいわゆるUV素線(光ファイバ2a)からなる4心テープ心線であり、連結部3は例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂による連結部である。
このテープ心線分割工具1は、直線状のレール5と、このレール5に案内されてスライド可能な分割工具本体6と、テープ心線が移動しないように保持するテープ心線保持具7とを備えている。
レール5はやや扁平な下向きコ字形断面をなす長さ60〜80cm程度の部材で、上面に両端部を残して案内溝5aを形成している。
図示例のレール5には、例えば架空光クロージャの内部のフレーム等に引っ掛け可能な吊り棒(吊り下げ手段)10を設けている。
この分割工具本体6は、レール5に案内されてスライド可能な本体ベース8と、この本体ベース8に開閉可能に取り付けられた蓋部9とを備えている。
本体ベース8の下面には、下向きに突出してレール5の前記案内溝5aにスライド可能に嵌合する被案内凸部8aが形成されている。
本体ベース8と蓋部9との間にはテープ心線2を挿通させるテープ心線挿通通路11が形成されている。
前記蓋部本体13は、図8に示すように、回動可能部材15とともにヒンジ軸12を中心として開閉可能であり、本体ベース8側に倒した時、本体ベース8の上面に埋め込んだマグネット13bに吸着されて、本体ベース8上に閉じた状態で保持される。
このコイルスプリング21の螺旋状をなす線材のコイル直径方向端部においてレール幅方向に並ぶ個々の線材部が、次に述べるようにそれぞれ引裂き用薄片を構成する。図10はコイルスプリング21の一部をテープ心線2とともに拡大して示したもので、コイルスプリング21の螺旋状をなす線材のコイル直径方向端部(図10の下端部)においてレール幅方向(図10で左右方向)に並ぶ個々の線材部21aがそれぞれ、テープ心線の心線長手方向の同一位置に光ファイバ間の連結部が1つも存在しない非連結領域(図2において例えばdで示す領域)において、前記隣接する光ファイバ2a間に入り込むことが可能な幅の狭い引裂き用薄片を構成する。
コイルスプリング21のサイズは例えば、コイル径が3.45mm、線材21aの径が0.26mmである。
テープ心線2を、押さえ蓋26を開いたテープ心線保持具7のテープ心線挿通通路23、及び蓋部9を開いた分割工具本体6のテープ心線挿通通路11に挿通させる。テープ心線保持具7の押さえ蓋26を閉ざしてテープ心線2を保持(固定)し、次いで、分割工具本体6の蓋部9を閉ざす。
この状態で、2つのスイングアーム17からなる回動可能部材15は、蓋部本体13とともに本体ベース8上に被せられ、捩りバネ16で下向きの回動力を付勢された回動可能部材15に保持されたコイルスプリング21が、テープ心線の上に弾性的に押し付けられる状態となる。
この状態で分割工具本体6をレール5に沿って他端側にスライドさせると、コイルスプリング21が、テープ心線の心線長手方向の同一位置に光ファイバ間の連結部が1つも存在しない非連結領域にきたときには、コイルスプリング21の螺旋状をなす線材のコイル直径方向端部(図10の下端部)においてレール幅方向(図10で左右方向)に並ぶ個々の線材部21aがそれぞれ、連結部が1つも存在しない前記非連結領域おいて、隣接する光ファイバ2a間に入り込む。図示例の4心テープ心線の場合では、テープ幅方向の3箇所の光ファイバ間に入り込む。
さらに分割工具本体6をスライドさせると、分割工具本体6が移動した範囲におけるテープ心線の光ファイバ間の連結部3はすべて、コイルスプリング21の線材(引裂き用薄片)21aにより引裂かれる。これにより、概ねレール5の長さに近い範囲において、テープ心線2が個々の光ファイバ2aに単心分割される。
テープ心線の単心分割は、コイルスプリング21のコイル直径方向端部の個々の線材21aが隣接する光ファイバ間に入り込み、引き続きレールに沿って直線状に移動することで行われるので、単心分割作用を果たす分割力の方向が、光ファイバの断面方向でなく光ファイバ長手方向であり、この点でも光ファイバに光損失となる力が作用する恐れは少ない。
特に、分割作用部材として実施例のようにコイルスプリングを用いた場合、線材21aの光ファイバ間に入り込む部分は、外面に丸みを有するとともに螺旋の一部である(心線長手方向に僅かに角度を有する)ので、心線長手方向に移動しながら光ファイバ間に入り込み易い。
図10(a)はコイルスプリング21が、テープ心線2の4本の光ファイバ2aのうちの図で左側の2本の連結部3の位置(例えば図2で矢印Kで示した連結部3の位置)にある場合を示す。この状態では、コイルスプリング21の線材2aが連結部3で受け止められる。
この状態では、図11に模式的に示すように、コイルスプリング21の線材21aとテープ心線2の2本の光ファイバ2aの連結部3とのレール幅方向相対位置関係によらず、コイルスプリング21は連結部3で受け止められる。
間欠固定テープ心線2は、隣接する光ファイバ間の連結部がテープ心線長手方向に間欠的に設けられており、心線長手方向の同一位置に連結部が1つも存在しないおける非連結領域が必ず存在するので、コイルスプリング21をスライドさせていくと、テープ心線2の各光ファイバ2aが図10(b)のようにすべて分離している箇所に必ず達する。
この時、コイルスプリング21の線材21aは、下降することを妨げられず捩りバネ14の下向きの付勢力で押し下げられ、図10(c)のように光ファイバ間に入り込むことができる。
その後は、分割工具本体6をさらにスライドさせることで、前記の通り、テープ心線の単心分割が行われる。
これにより、本発明のテープ心線分割工具1の作業性のよさが一層顕著に発揮される。
また、実施例では、レール5の一端部にテープ心線保持具7を設けたので、単心分割作業中にテープ心線がみだりに動かず安定し、光損失の原因となる力を発生させないために有効であり、単心分割作業の作業性も良好であるが、テープ心線保持具を特に設けずに、テープ心線の保持を例えば手で行うことも可能である。
また、実施例では分割作用部材を蓋部9側に設けているが、本体ベース8側に設けることも考えられる。
また、実施例では蓋部9を本体ベース8に対してヒンジにより開閉可能に取り付けているが、単に着脱可能な構造とすることも考えられる。
本発明で対象とするテープ心線を構成する光ファイバは、実施例の直径0.25mmのUV素線に限らず、一般にテープ心線を構成するために用いられる種々の光ファイバを用いることができる。
対象とするテープ心線(間欠固定テープ心線)における隣接する光ファイバ間の連結部の配置の態様は、実施例のような態様に限らず、例えば心線長手方向の同一位置で3本の光ファイバが連結されている態様などでもよい。要するに、連結部が心線長手方向に間欠的に設けられており、少なくともテープ心線の心線長手方向の同一位置に連結部が1つも存在しない非連結領域がある態様であればよい。
また、隣接する光ファイバ間を連結する連結手段は、実施例では接着剤によるものとしたが、種々の連結手段を採用することができる。
また、
2 テープ心線(間欠固定テープ心線)
2a 光ファイバ
3 (隣接する光ファイバ間の)連結部
5 レール
5a 案内溝
6 分割工具本体
7 テープ心線保持具
8 本体ベース
8a 被案内凸部
9 蓋部
10 吊り棒(吊り下げ手段)
11、23 テープ心線挿通通路
12 ヒンジ軸
13 蓋部本体
13a ヒンジ軸穴
14 ヒンジ軸
15 回動可能部材
16 捩りバネ
17 スイングアーム
17a 貫通穴
18 軸
21 コイルスプリング
21a (コイルスプリングのコイル直径方向端部の)線材部(引裂き用薄片)
24 保持具ベース
25 ヒンジ軸
26 押さえ蓋
30 光クロージャ
31 フレーム
d 非連結領域
Claims (7)
- 複数の光ファイバをテープ状に連結した光ファイバテープ心線における互いに隣接する光ファイバ間の連結部がテープ心線長手方向に間欠的に設けられた間欠固定テープ心線を単心光ファイバに分割するテープ心線分割工具であって、
直線状のレールとこのレールに案内されてスライド可能な分割工具本体とからなり、前記分割工具本体は、レールに案内されてスライド可能な本体ベースと、この本体ベースに開閉可能又は着脱可能に取り付けられた蓋部とを備え、前記本体ベースと蓋部との間にはテープ心線を挿通させるテープ心線挿通通路が形成されており、前記蓋部又は本体ベースには、テープ心線の心線長手方向の同一位置に光ファイバ間の連結部が1つも存在しない非連結領域において、前記隣接する光ファイバ間に入り込むことが可能な幅の狭い引裂き用薄片を間隔をあけて複数設けた分割作用部材を備えており、前記分割工具本体をレールに沿ってスライドさせることにより、前記テープ心線挿通通路に挿通させたテープ心線が前記分割作用部材の引裂き用薄片により単心分割されるようにしたことを特徴とするテープ心線分割工具。 - 前記分割作用部材がスプリングコイルであり、スプリングコイルの螺旋状をなす線材のコイル直径方向端部においてレール幅方向に並ぶ個々の線材部がそれぞれ引裂き用薄片を構成していることを特徴とする請求項1記載のテープ心線分割工具。
- 前記分割作用部材が蓋部に設けられるとともに、前記分割作用部材を弾性的にテープ心線側に押し付けるバネを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のテープ心線分割工具。
- 前記蓋部が本体ベースの側部にレールと平行に設けたヒンジにより開閉可能に設けられていることを特徴とする請求項3記載のテープ心線分割工具。
- 前記蓋部は、本体ベースの側部にレールと平行に設けたヒンジにより開閉可能に設けられた蓋部本体と、前記分割作用部材を備えるとともにレール幅方向と平行なヒンジにより蓋部本体に回動可能に設けられた回動可能部材と、この回動可能部材をテープ心線側に弾性的に付勢するバネとからなることを特徴とする請求項4記載のテープ心線分割工具。
- レールの一端側に、対象とする光ファイバテープ心線をレール長手方向に移動しないように保持するテープ心保持具を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のテープ心線分割工具。
- レールに当該レールを、単心分割処理対象の光ファイバテープ心線が収納されている筐体内の部材に引っ掛け可能な吊り下げ手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のテープ心線分割工具。
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