JP2012132461A - ガスタービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスタービンは,燃焼ガス3aを尾筒4から噴出する燃焼器と,尾筒4から燃焼ガス3aが供給されるタービンとを備えている。タービンは,静翼5と,尾筒4の下流側に位置し,且つ,静翼5を支持する静翼シュラウド6とを含む。尾筒4の下流側の端部には,静翼シュラウド6の上流側の端部に向かって冷却空気13を噴出する開口が設けられている。開口は,静翼5が並ぶ方向に長いスリットとして形成されている。
【選択図】図14A
Description
4が燃焼ガス105に直接に曝されることを防ぐために有効である。
くなる。このような圧力分布は,淀み点102aの近傍において燃焼ガス105が尾筒の後端と静翼シュラウドの前端の間に流れ込み,淀み点102aの中間の位置において圧縮空気が噴き出すような流れを発生させる。これは,燃焼器の尾筒の後端と静翼シュラウドの前端との間の間隙の部分に焼損を発生させる原因となりうる。
開口(4c,6c)に冷却空気を供給する冷却空気通路(4b,6b)の断面は,燃焼ガス(3a)が流れる側と反対の側に傾けられた形状を有することが好適である。
本発明の実施の一形態のガスタービン10は,図5に示されているように,圧縮空気1aを生成する圧縮機1(一部のみ図示)と,生成された圧縮空気1aが供給される車室2とを備えている。車室2の内部には,燃焼ガス3aを生成する燃焼器3が設けられている。燃焼器3の後端には,尾筒4が設けられている。ガスタービン10のタービンは,その尾筒4の下流側に設けられている。より具体的には,尾筒4の下流側には,第1段の静翼5と,静翼5を支持する静翼シュラウド6とが設けられている。静翼5の下流には,動翼7が設けられている。燃焼ガス3aは,尾筒4を介して静翼5に導入され,静翼5によって方向が変えられて動翼7に噴射される。
冷却空気の噴出は,静翼シュラウド6の前端部6aから行なわれてもよい。実施の第2形態では,図7に示されているように,静翼シュラウド6の前端部6aに,開口6cに通じる冷却空気通路6bが設けられ,開口6cから尾筒4の後端部4aに向かって冷却空気14が噴出される。噴出された冷却空気14は,シール空気として機能し,従って,燃焼ガス3aの尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への侵入が防止される。
冷却空気の噴出は,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から行なわれてもよい。実施の第3形態では,図8に示されているように,尾筒4の後端部4aと静翼シュラウド6の前端部6aとの両方に開口が設けられることも好適である;図8では,尾筒4の後端部4aに設けられた開口は,符号4cによって参照され,静翼シュラウド6の前端部6aに設けられた開口は,符号6cによって参照されている。この場合,開口4cと開口6cとは,交互に配置されることが好ましい。
尾筒4と静翼シュラウド6との間隙への燃焼ガス3aの侵入を,より少ない冷却空気の噴出で防止することは,圧縮空気1aの消費量を低減させるために重要である。このためには,冷却空気の周方向の噴出量を,燃焼ガス3aの圧力の分布に併せて不均一にすればよい。より具体的には,間隙のうち燃焼ガス3aの侵入が起こりやすい位置,即ち,静翼5の前縁の淀み点の上流において相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させればよい。
冷却空気の噴出量は,冷却空気を噴出する開口の大きさによっても制御され得る。冷却空気を噴出する開口を,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きくし,淀み点15から相対的に離れた位置において小さくすることにより,同様の効果が得られる。
実施の第6形態でも,実施の第5形態と同様に,冷却空気の噴出量が,冷却空気を噴出する開口の大きさによって制御される。ただし,実施の第6形態では,図11に示されているように,冷却空気の噴出量は,半径方向(静翼5が並ぶ方向及び燃焼ガス3aが流れる方向の両方に垂直な方向)の尾筒4の開口4cの幅によって制御される。本実施の形態では,半径方向の尾筒4の開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きく,淀み点15から相対的に離れた位置において小さい。開口4cの大きさをこのように定めることにより,静翼5の前縁の淀み点に近い部分に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れをより少ない冷却空気で有効に遮断することができる。
燃焼ガス3aが尾筒4と静翼シュラウド6との間隙に侵入することを防ぐためには,冷却空気が尾筒4の後端部4aから静翼シュラウド6の前端部6aに(又は,静翼シュラウド6の前端部6aから尾筒4の後端部4aに)確実に到達していることが重要である。実施の第7形態では,冷却空気の貫通力を高めることにより、燃焼ガス3aの侵入を防止する構造が提供される。
背景技術において説明されているように,尾筒4と静翼シュラウド6との間隙では,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、隣接する2つの淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れが発生しやすい。実施の第8形態では、このような流れの発生を抑制する構造が提供される。
図14A,図14Bは,本発明の実施の第9形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概念図である;図14Aは,尾筒4と静翼シュラウド6とを燃焼ガス3aが流れる側からみた図であり,図14Bは,尾筒4を下流側からみた図である。
実施の第7形態に記載されているように,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍で絞られることが好適である。実施の第10形態では,図15A,図15Bに示されているように,開口4cがスリット状に形成され,且つ,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍において絞られている。このような冷却空気通路4bの形状は,冷却空気13の貫通力を高めながら燃焼ガス3aの間隙への侵入を均一に抑制するために好適である。
実施の第4〜第6形態に記載されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,少ない冷却空気で燃焼ガス3aの間隙への侵入を抑制するために有効である。
実施の第8形態に記載されているように,燃焼ガス3aの侵入を抑制するためには,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れをキャンセルすることが有効である。このためには,冷却空気13を静翼5の前縁の淀み点15の上流においては,燃焼ガス3aの流路の側に傾けて噴射し,隣接する淀み点15の中間の位置においては,冷却空気13を燃焼ガス3aの流路と反対の側に傾けて噴射することが有効である。
実施の第10形態〜第12形態に説明されている技術は,組み合わされて実施されることが可能である。実施の第13形態では,実施の第10形態〜第12形態の技術の組み合わせを実現する構造が提供される。
実施の第4〜第6形態に既述されているように,淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出し,淀み点15の中間の位置に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への燃焼ガス3aの侵入を少ない冷却空気で抑制するために効果的である。
実施の第14形態に記載されているように,尾筒4の温度の不均一性を解消するためには,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高めることが効果的である。実施の第15形態では,実施の第14形態とは異なるアプローチによって淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果が淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高められる。
実施の第11形態に記述されているように,冷却空気の噴出量を不均一にすることは,尾筒4の開口4cがスリット状に形成された構造においても有効である。実施の第11形態では,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。
実施の第14形態〜第16形態に記載されているように,冷却空気の噴出量の不均一性は,尾筒4の温度の不均一性を招き,熱応力の発生の原因となる。実施の第17形態では,実施の第14形態〜第16形態とは異なるアプローチによって尾筒4の温度の均一性が向上される。
実施の第17形態に記述されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出される構造が採用される場合には,尾筒4の高温部分が淀み点15の上流に位置することが好適である。実施の第18形態では,尾筒4の高温部分を淀み点15の上流に位置させるための燃焼器3の構造が提供される。
1a:圧縮空気
2:車室
3:燃焼器
3a:燃焼ガス
4:尾筒
4a:後端部
4b:冷却空気通路
4c:開口
5:静翼
6:静翼シュラウド
6a:前端部
6b:冷却空気通路
6c:開口
7:動翼
8,9:フランジ
10:ガスタービン
11:尾筒シール
12:キャビティ
13,14:冷却空気
15:淀み点
16,17:突起
18:ピンフィン
19:燃料ノズル
101:尾筒
101a:フランジ
101b:後端部
102静翼
103:静翼シュラウド
103a:フランジ
103b:前端部
104:シール
104a:冷却空気
105:燃焼ガス
Claims (9)
- 燃焼ガスを尾筒から噴出する燃焼器と,
前記尾筒から前記燃焼ガスが供給されるタービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒の下流側の端部には,前記静翼シュラウドの上流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記少なくとも一の開口は,前記静翼が並ぶ方向に長いスリットとして形成されている
ガスタービン。 - 尾筒を含む燃焼器と,
タービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記静翼シュラウドの上流側の端部には,前記尾筒の下流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記少なくとも一の開口は,前記静翼が並ぶ方向に長いスリットとして形成されている
ガスタービン。 - 請求項1又は2に記載のガスタービンであって,
前記冷却空気を前記開口に供給する冷却空気通路は,前記開口に向かって先細な形状を有する
ガスタービン。 - 請求項1又は2に記載のガスタービンであって,
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置における前記スリットの幅は,前記淀み点の上流の位置から離れた位置における前記スリットの幅よりも広い
ガスタービン。 - 請求項4に記載のガスタービンであって,
前記燃焼器及び前記静翼は,前記淀み点の上流の位置における前記尾筒の温度が,他の部分よりも高いように構成された
ガスタービン。 - 請求項5に記載のガスタービンにおいて,
前記燃焼器は,前記淀み点の上流に対応する位置に燃焼ノズルを具備する
ガスタービン。 - 燃焼ガスを尾筒から噴出する燃焼器と,
前記尾筒から前記燃焼ガスが供給されるタービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒の下流側の端部には,前記静翼シュラウドの上流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記少なくとも一の開口は,前記静翼が並ぶ方向に長いスリット状に形成され,
前記尾筒には,前記開口に前記冷却空気を供給するスリット状の冷却空気通路が形成され,
前記冷却空気通路には,前記冷却空気に乱流を起こさせる乱流生成手段が設けられ,
前記乱流生成手段は,前記静翼の前縁の淀み点の上流から離れた位置における前記尾筒の冷却効果が,前記淀み点の上流の位置における前記尾筒の冷却効果よりも大きくなるように形成された
ガスタービン。 - 尾筒を含む燃焼器と,
タービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記少なくとも一の開口は,前記静翼が並ぶ方向に長いスリット状に形成され,
前記静翼シュラウドには,前記開口に前記冷却空気を供給するスリット状の冷却空気通路が形成され,
前記冷却空気通路には,前記冷却空気に乱流を起こさせる乱流生成手段が設けられ,
前記乱流生成手段は,前記静翼の前縁の淀み点の上流から離れた位置における前記尾筒の冷却効果が,前記淀み点の上流の位置における前記尾筒の冷却効果よりも大きくなるように形成された
ガスタービン。 - 請求項7又は8に記載のガスタービンであって,
前記乱流生成手段は,前記冷却空気通路を横断するように設けられた複数のピンフィンを含み,
前記ピンフィンは,前記静翼の前縁の淀み点の上流から離れた位置における前記ピンフィンの密度が,前記淀み点の上流の位置における前記ピンフィンの密度よりも高くなるように形成された
ガスタービン。
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