JP2012107628A - ガスタービン - Google Patents
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Abstract
【課題】静翼列の周方向における燃焼ガスの圧力の不均一性に起因する,燃焼器の尾筒と静翼シュラウドとの間の間隙の部分の焼損を効果的に防止するための技術を提供する。
【解決手段】本発明によるガスタービンは,燃焼ガス3aを尾筒4から噴出する燃焼器3と,尾筒4から燃焼ガス3aが供給されるタービンとを備えている。タービンは,静翼5と,尾筒4の下流側に位置し,且つ,静翼5を支持する静翼シュラウド6とを含む。尾筒4の下流側の端部4aには,静翼シュラウド6の上流側の端部6aに向かって冷却空気13を噴出する開口4cが設けられている。冷却空気を開口4cに供給する冷却空気通路4bは,開口4cに向かって先細な形状を有している。
【選択図】図12
【解決手段】本発明によるガスタービンは,燃焼ガス3aを尾筒4から噴出する燃焼器3と,尾筒4から燃焼ガス3aが供給されるタービンとを備えている。タービンは,静翼5と,尾筒4の下流側に位置し,且つ,静翼5を支持する静翼シュラウド6とを含む。尾筒4の下流側の端部4aには,静翼シュラウド6の上流側の端部6aに向かって冷却空気13を噴出する開口4cが設けられている。冷却空気を開口4cに供給する冷却空気通路4bは,開口4cに向かって先細な形状を有している。
【選択図】図12
Description
本発明は,ガスタービンに関し,特に,燃焼器の尾翼と静翼シュラウドとの接合部の構造の改良に関する。
ガスタービンの燃焼器の尾筒の後端(下流側の端)と,タービンの第1段静翼の静翼シュラウドとの間には,熱膨張を逃がすための間隙が設けられる。
しかし,この間隙は,燃焼ガスがガス流路から漏れ出す経路にもなり得る。燃焼ガスがガス流路から漏れ出すとガスタービンの焼損を招くため,燃焼ガスのガス流路からの漏洩は,防止されなくてはならない。
一般的なガスタービンでは,燃焼ガスのガス流路からの漏洩を防止するために,下記の2つの手法が採用される。一つは,車室内の圧縮空気の圧力(即ち,ガス流路の外側の圧力)をガス流路の圧力よりも高くすることである。車室内の圧力をガス流路の圧力よりも高くすることにより,燃料ガスがガス流路から漏れ出すことを抑制することができる。もう一つの手法は,間隙にシールを設けることである。間隙にシールを設けることにより,燃焼ガスが漏れ出す経路が狭く,燃焼ガスの漏洩を抑制することができる。間隙にシールを設けることは,圧縮空気がガス流路に流れ込む量を減少させるためにも重要である。シールを設けずに間隙をそのままにしておくと,多くの圧縮空気がガス流路に流れ込む。これは,ガスタービンの性能を低下させるため好ましくない。これらの手法の両方が採用されるガスタービンでは,シールと尾筒との隙間,及びシールと静翼シュラウドとの間の隙間から,圧縮空気が微小にガス流路に流出する状態が維持され,これにより,燃焼ガスのガス流路からの漏洩が防がれている。
間隙に設けられるシールの構造としては,大きく分けて2種類の構造が知られている。1つは,シールが燃焼ガスの流路に面する構造である(特開2000−257862号公報の図1,特開2001−289003号公報の図1(C)を参照)。図1は,特開2001−289003号公報に開示されているシールの構造を示している。図1の構造では,尾筒101の後端と,静翼102を支持する静翼シュラウド103との間の間隙にシール104が設けられている。燃焼ガス105は,尾筒101の後端から静翼102に噴出される。
もう一つは,ガス流路から離れた位置にシールを設ける構造である(特開2001−289003号公報の図1(A),(B)を参照)。図2A,図2Bは,特開2001−289003号公報に開示されているシールの構造を示している。図2Aの構造では,尾筒101の後端部101bが,シール104が接続されるフランジ101aよりも下流側に延伸されている。このような構造は,シール104が燃焼ガス105に直接に曝されることを防ぐ。図2Bに示されているように,静翼シュラウド103の前端部103bが,シール104が接続されるフランジ103aよりも上流側に延伸されることも,シール10
4が燃焼ガス105に直接に曝されることを防ぐために有効である。
4が燃焼ガス105に直接に曝されることを防ぐために有効である。
図1の構造と比較したときの図2A,図2Bの構造の利点は,シールを冷却する冷却空気の量が少なくてよいことである。図1の構造は,シール104が高温の燃焼ガス105に直接に曝されるために多くの冷却空気104aをシール104に供給してシール104を冷却する必要がある。シール104を冷却する冷却空気104aの増大は,圧縮機によって生成された圧縮空気のより多くの部分を冷却空気104aに割り当てる必要性を生じさせ,圧縮機の負担を増大させる。これは,ガスタービンの性能を低下させるため好ましくない。図2A,図2Bの構造では,シール104が高温の燃焼ガス105に直接に曝されないから,冷却空気104aは少なくてよい。これは,ガスタービンの性能の向上のために好ましい。
しかしながら,従来に提案されている構造は,燃焼器の尾筒101と静翼シュラウド103との間の間隙の部分を燃焼ガスから保護するためには完全でない。これは,静翼列の周方向における,燃焼ガスの圧力が均一でないからである。図3,図4は,燃焼ガスの圧力の不均一性を説明するための図である。燃焼ガス105が静翼102に吹き付けられると,図3に示されているように,静翼102の前縁の近傍には,圧力が高い淀み点102aが現れる。言い換えれば,図4に示されているように,燃焼ガス105の圧力は,淀み点102aの近傍で高く,隣接する静翼102の淀み点102aの中間の位置において低
くなる。このような圧力分布は,淀み点102aの近傍において燃焼ガス105が尾筒の後端と静翼シュラウドの前端の間に流れ込み,淀み点102aの中間の位置において圧縮空気が噴き出すような流れを発生させる。これは,燃焼器の尾筒の後端と静翼シュラウドの前端との間の間隙の部分に焼損を発生させる原因となりうる。
くなる。このような圧力分布は,淀み点102aの近傍において燃焼ガス105が尾筒の後端と静翼シュラウドの前端の間に流れ込み,淀み点102aの中間の位置において圧縮空気が噴き出すような流れを発生させる。これは,燃焼器の尾筒の後端と静翼シュラウドの前端との間の間隙の部分に焼損を発生させる原因となりうる。
燃焼ガスの圧力の不近一性は,特に,図2A,図2Bに示されているようなガス流路から離れた位置にシールを設ける構造において問題である。上述された燃焼ガスの圧力の不近一性は,燃焼器の尾筒と静翼シュラウドとの間のキャビティ(即ち,尾筒と,シールと,静翼シュラウドに囲まれた空間)への燃焼ガスの侵入を招く。これは,キャビティにおける焼損,特に,シールの損傷を招く。シールの損傷を防ぐためには,シールに冷却空気を多く供給することも可能であるが,これは,ガス流路から離れた位置にシールを設けることの利点を失わせる。
したがって,静翼列の周方向における燃焼ガスの圧力の不均一性に起因する,燃焼器の尾筒の後端と静翼シュラウドの前端との間の間隙の部分の焼損を効果的に防止するための技術が提供されることは,極めて有益である。
本発明の目的は,静翼列の周方向における燃焼ガスの圧力の不均一性に起因する,燃焼器の尾筒と静翼シュラウドとの間の間隙の部分の焼損を効果的に防止するための技術を提供することにある。
上記の目的を達成するために,本発明は,以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には,[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために,[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し,付加された番号・符号は,[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
一の観点において,本発明によるガスタービンは,燃焼ガス(3a)を尾筒(4)から噴出する燃焼器(3)と,尾筒(4)から燃焼ガス(3a)が供給されるタービン(5〜7)とを備えている。タービン(5〜7)は,静翼(5)と,尾筒(4)の下流側に位置し,且つ,静翼(5)を支持する静翼シュラウド(6)とを含む。尾筒(4)の下流側の端部(4a)には,静翼シュラウド(6)の上流側の端部(6a)に向かって冷却空気(13)を噴出する少なくとも一の開口(4c)が設けられている。尾筒(4)の下流側の端部(4a)から静翼シュラウド(6)の上流側の端部(6a)に向かって冷却空気(13)を噴出することにより,尾筒(4)と静翼シュラウド(6)との間隙への燃焼ガス(3a)の侵入が有効に防がれる。尾筒(4)の端部(4a)に冷却空気を供給することは,元来,当該端部(4a)の冷却に必要なものであるから,冷却空気(13)を噴出させても,圧縮機(1)によって生成される圧縮空気(1a)を追加的に消費することはない。これは,圧縮空気(1a)の消費量の増加によってガスタービンの性能を低下させないために好適である。
尾筒(4)の下流側の端部(4a)から静翼シュラウド(6)の上流側の端部(6a)に向かって冷却空気(13)を噴出する代わりに,又は,それに加えて,静翼シュラウド(6)の上流側の端部(6a)から尾筒(4)の下流側の端部(4a)に冷却空気(14)を噴出することも可能である。この場合,静翼シュラウド(6)の上流側の端部(6a)には,尾筒(4)の下流側の端部(4a)に向かって冷却空気(14)を噴出する少なくとも一の開口(6c)が設けられる。
尾筒(4)の下流側の端部(4a)と静翼シュラウド(6)の上流側の端部(6a)との間の間隙に流れ込む冷却空気(13,14)の流量は,静翼(5)が並ぶ方向において不均一であることが好適である。より具体的には,尾翼(4),及び/又は静翼シュラウド(6)の開口(4c,6c)は,当該間隙の静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流の位置に流れ込む冷却空気の流量が,前記間隙の淀み点(15)の上流から離れた位置に流れ込む冷却空気の流量よりも多くなるように形成されていることが好適である。
これを実現するためには,淀み点(15)の上流における尾筒(4)の開口(4c)の密度が,淀み点(15)から離れた位置における尾筒(4)の開口(4c)の密度よりも大きいことが好適である。また,淀み点(15)の上流の位置に設けられた尾筒(4)の開口(4c)の面積が,淀み点(15)から離れた位置に設けられた尾筒(4)の開口(4c)の面積よりも大きいことが好適である。
この場合,尾筒(4)の温度を均一化するためには,燃焼器(3)及び静翼(5)は,淀み点(15)の上流の位置における尾筒(4)の温度が,他の部分よりも高いように構成されることが好適である。より具体的には,燃焼器(3)は,淀み点(15)の上流に対応する位置に燃焼ノズル(19)を具備することが好適である。
冷却空気(13,14)の貫通力を高め,燃焼ガス(3a)の侵入を抑制するためには,冷却空気(13,14)を尾筒(4)又は静翼シュラウド(6)の開口(4c,6b)に供給する冷却空気通路(4b,6b)は,開口(4c,6b)に向かって先細な形状を有することが好ましい。
尾筒(4)の開口(4c)のうち,静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流の位置に設けられたものを第1開口(4c−1)と,淀み点(15)の中間の位置に設けられた第2開口(4c−2)と定義し,更に,尾筒(4)の第1開口(4c−1)に冷却空気を供給する冷却空気通路を第1冷却空気通路(4b−1)と,第2開口(4c−2)に冷却空気を供給する冷却空気通路を第2冷却空気通路(4b−2)と定義したとき,第1冷却空気通路(4b−1)の下流側の端部は,尾筒(4)の燃焼ガス(3a)が流れる面の側に傾けられ,第2冷却空気通路(4b−2)の下流側の端部は,尾筒(4)の燃焼ガス(3a)が流れる面と反対の側に傾けられることが好適である。
同様の技術は,静翼シュラウド(6)に適用されることが可能である。静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流の位置に設けられた第1開口に冷却空気を供給する第1冷却空気通路の下流側の端部は,静翼シュラウド(6)の燃焼ガス(3a)が流れる面の側に傾けられ,淀み点(15)の中間の位置に設けられた第2開口に冷却空気を供給する第2冷却空気通路の下流側の端部は,静翼シュラウド(6)の前記面と反対の側に傾けられることが好適である。
尾筒(4)又は静翼シュラウド(6)に設けられる開口(4c,6c)は,静翼(5)が並ぶ方向に長いスリットとして形成されていることも好適である。この場合,冷却空気を開口(4c,6c)に供給する冷却空気通路(4b,6b)は,開口(4c,6c)に向かって先細な形状を有することが好適である。また,静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流の位置における前記スリットの幅は,淀み点(15)の上流の位置から離れた位置におけるスリットの幅よりも広いことが好適である。この場合でも,燃焼器(3)及び静翼(5)は,淀み点(15)の上流の位置における尾筒(4)の温度が,他の部分よりも高いように構成されることが好適である。具体的には,燃焼器(3)が淀み点(15)の上流に対応する位置に燃焼ノズル(19)を具備することが好適である。
この場合,静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流の位置の開口(4c,6c)に冷却空気を供給する冷却空気通路(4b,6b)の断面は,その下流側の端部が前記燃焼ガス(3a)が流れる側に傾けられた形状を有し,淀み点(15)の上流から離れた位置の
開口(4c,6c)に冷却空気を供給する冷却空気通路(4b,6b)の断面は,燃焼ガス(3a)が流れる側と反対の側に傾けられた形状を有することが好適である。
開口(4c,6c)に冷却空気を供給する冷却空気通路(4b,6b)の断面は,燃焼ガス(3a)が流れる側と反対の側に傾けられた形状を有することが好適である。
また,淀み点(15)の中間の位置に設けられた第2開口(4c−3)に通じる第2冷却空気通路(4b−3)に,冷却空気に乱流を起こさせる乱流生成手段(16)が形成されることも好適である。乱流生成手段(16)に加え,淀み点(15)の上流の位置に設けられた第1開口(4c−4)に冷却空気を供給する第1冷却空気通路(4b−4)に,冷却空気に乱流を起こさせる他の乱流生成手段(17)が形成され得る。この場合,第2冷却空気通路(4b−3)に設けられた乱流生成手段(16)は,第1冷却空気通路(4b−4)に設けられた他の乱流生成手段(16)よりも尾筒(4)の冷却効果が高くなるように形成されることが好適である。
冷却空気を噴出する開口(4c,6c)が,静翼(5)が並ぶ方向に長いスリット状に形成されている場合も同様である。開口(4c,6c)に冷却空気を供給するスリット状の冷却空気通路(4b,6b)には,冷却空気に乱流を起こさせる乱流生成手段(18)が設けられ得る。この場合,乱流生成手段(18)は,静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流から離れた位置における尾筒(4)の冷却効果が,淀み点(15)の上流の位置における尾筒(4)の冷却効果よりも大きくなるように形成されることが好ましい。より具体的には,乱流生成手段(18)としては,冷却空気通路(4b,6b)を横断するように設けられた複数のピンフィン(18)が使用され得る。この場合,ピンフィン(18)は,静翼(5)の前縁の淀み点(15)の上流から離れた位置におけるピンフィン(18)の密度が,淀み点(15)の上流の位置におけるピンフィン(18)の密度よりも高くなるように形成されることが好ましい。
以上のような,尾筒(4)と静翼シュラウド(6)との接合部の構造は,尾筒(4)と静翼シュラウド(6)との間隙に設けられた尾筒シール(11)が,燃焼ガス(3a)の流路から離れるように支持される構造のガスタービンに特に好適である。
本発明によれば,静翼列の周方向における燃焼ガスの圧力の不均一性に起因する,燃焼器の尾筒と静翼シュラウドとの間の間隙の部分の焼損を効果的に防止することができる。
(実施の第1形態)
本発明の実施の一形態のガスタービン10は,図5に示されているように,圧縮空気1aを生成する圧縮機1(一部のみ図示)と,生成された圧縮空気1aが供給される車室2とを備えている。車室2の内部には,燃焼ガス3aを生成する燃焼器3が設けられている。燃焼器3の後端には,尾筒4が設けられている。ガスタービン10のタービンは,その尾筒4の下流側に設けられている。より具体的には,尾筒4の下流側には,第1段の静翼5と,静翼5を支持する静翼シュラウド6とが設けられている。静翼5の下流には,動翼7が設けられている。燃焼ガス3aは,尾筒4を介して静翼5に導入され,静翼5によって方向が変えられて動翼7に噴射される。
本発明の実施の一形態のガスタービン10は,図5に示されているように,圧縮空気1aを生成する圧縮機1(一部のみ図示)と,生成された圧縮空気1aが供給される車室2とを備えている。車室2の内部には,燃焼ガス3aを生成する燃焼器3が設けられている。燃焼器3の後端には,尾筒4が設けられている。ガスタービン10のタービンは,その尾筒4の下流側に設けられている。より具体的には,尾筒4の下流側には,第1段の静翼5と,静翼5を支持する静翼シュラウド6とが設けられている。静翼5の下流には,動翼7が設けられている。燃焼ガス3aは,尾筒4を介して静翼5に導入され,静翼5によって方向が変えられて動翼7に噴射される。
図6は,燃焼器3の尾筒4と,静翼シュラウド6との接合部の拡大図である。燃焼器3の尾筒4には,燃焼ガス3aが流れるガス流路と反対の側にフランジ8が接合されている。同様に,静翼シュラウド6には,燃焼ガス3aが流れるガス流路と反対の側にフランジ9が設けられている。フランジ8,9の間に尾筒シール11が介設され,尾筒シール11によって尾筒4と静翼シュラウド6とが連結される。
尾筒4は,尾筒シール11が直接に燃焼ガス3aに曝されないように,その後端部4aが,フランジ8よりも下流側に延伸するような構造を有している。後端部4aは,燃焼ガス3aが尾筒シール11に直接に曝されることを防ぐ。
既述のように,このような構造では,燃焼ガス3aの圧力の不均一性に起因して,尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙,特に,尾筒4と静翼シュラウド6との間に形成されるキャビティ12に燃焼ガス3aが侵入し得ることが問題である;ここで,キャビティ12とは,尾筒4と静翼シュラウド6と尾筒シール11によって囲まれた空間のことである。
尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙に燃焼ガス3aが侵入することを防止するために,本実施の形態では,尾筒4の後端部4aに,冷却空気13を静翼シュラウド6の前端部6aに向かって噴射する開口4cが設けられる。冷却空気13を噴射するために,冷却空気通路4bが,静翼シュラウド6の前端部6aに対向して位置する開口4cに通じるように形成される。開口4cから噴出された冷却空気13は,シール空気として機能し,従って,燃焼ガス3aの尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への侵入が防止される。
尾筒4の後端部4aに冷却空気を供給することは,元来,後端部4aの冷却に必要なものであるから,冷却空気13を静翼シュラウド6に向かって噴出させても,追加的に圧縮空気1aを消費することはない。これは,圧縮空気1aの消費量の増加によってガスタービン10の性能を低下させないために好適である。
(実施の第2形態)
冷却空気の噴出は,静翼シュラウド6の前端部6aから行なわれてもよい。実施の第2形態では,図7に示されているように,静翼シュラウド6の前端部6aに,開口6cに通じる冷却空気通路6bが設けられ,開口6cから尾筒4の後端部4aに向かって冷却空気14が噴出される。噴出された冷却空気14は,シール空気として機能し,従って,燃焼ガス3aの尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への侵入が防止される。
冷却空気の噴出は,静翼シュラウド6の前端部6aから行なわれてもよい。実施の第2形態では,図7に示されているように,静翼シュラウド6の前端部6aに,開口6cに通じる冷却空気通路6bが設けられ,開口6cから尾筒4の後端部4aに向かって冷却空気14が噴出される。噴出された冷却空気14は,シール空気として機能し,従って,燃焼ガス3aの尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への侵入が防止される。
(実施の第3形態)
冷却空気の噴出は,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から行なわれてもよい。実施の第3形態では,図8に示されているように,尾筒4の後端部4aと静翼シュラウド6の前端部6aとの両方に開口が設けられることも好適である;図8では,尾筒4の後端部4aに設けられた開口は,符号4cによって参照され,静翼シュラウド6の前端部6aに設けられた開口は,符号6cによって参照されている。この場合,開口4cと開口6cとは,交互に配置されることが好ましい。
冷却空気の噴出は,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から行なわれてもよい。実施の第3形態では,図8に示されているように,尾筒4の後端部4aと静翼シュラウド6の前端部6aとの両方に開口が設けられることも好適である;図8では,尾筒4の後端部4aに設けられた開口は,符号4cによって参照され,静翼シュラウド6の前端部6aに設けられた開口は,符号6cによって参照されている。この場合,開口4cと開口6cとは,交互に配置されることが好ましい。
(実施の第4形態)
尾筒4と静翼シュラウド6との間隙への燃焼ガス3aの侵入を,より少ない冷却空気の噴出で防止することは,圧縮空気1aの消費量を低減させるために重要である。このためには,冷却空気の周方向の噴出量を,燃焼ガス3aの圧力の分布に併せて不均一にすればよい。より具体的には,間隙のうち燃焼ガス3aの侵入が起こりやすい位置,即ち,静翼5の前縁の淀み点の上流において相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させればよい。
尾筒4と静翼シュラウド6との間隙への燃焼ガス3aの侵入を,より少ない冷却空気の噴出で防止することは,圧縮空気1aの消費量を低減させるために重要である。このためには,冷却空気の周方向の噴出量を,燃焼ガス3aの圧力の分布に併せて不均一にすればよい。より具体的には,間隙のうち燃焼ガス3aの侵入が起こりやすい位置,即ち,静翼5の前縁の淀み点の上流において相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させればよい。
実施の第4形態では,冷却空気の噴出量を燃焼ガス3aの圧力の分布に併せて周方向に不均一にすることによって,冷却空気を有効に利用する技術が提供される。
図9を参照して,実施の第4形態では,冷却空気の噴出量の分布が尾筒4の開口4cの密度によって制御される;ここで開口4cの密度とは,単位面積あたりの開口4cの個数をいう。より具体的には,実施の第4形態では,尾筒4の後端部4aから冷却空気13を噴出する開口4cの密度が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において高く,淀み点15から離れた位置において低い。このような開口4cの配置は,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れをより少ない冷却空気で有効に遮断することを可能にする。
静翼シュラウド6の前端部6aから冷却空気14を噴出させる構成(図7),及び,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から冷却空気を噴出させる構成(図8)でも同様に,開口の密度によって冷却空気の噴出量の分布が制御され得る。静翼シュラウド6の前端部6aから冷却空気14が噴出される場合,静翼シュラウド6の前端部6aから冷却空気14を噴出する開口6cの密度は,静翼5の前縁の淀み点15の上流において高く,淀み点15から離れた位置において低いことが好適である。また,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から冷却空気が噴出される場合には,尾筒4の開口4c及び静翼シュラウド6の開口6cの密度は,静翼5の前縁の淀み点15の上流において高く,淀み点15から相対的に離れた位置において低いことが好適である。
(実施の第5形態)
冷却空気の噴出量は,冷却空気を噴出する開口の大きさによっても制御され得る。冷却空気を噴出する開口を,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きくし,淀み点15から相対的に離れた位置において小さくすることにより,同様の効果が得られる。
冷却空気の噴出量は,冷却空気を噴出する開口の大きさによっても制御され得る。冷却空気を噴出する開口を,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きくし,淀み点15から相対的に離れた位置において小さくすることにより,同様の効果が得られる。
具体的には,実施の第5形態では,図10に示されているように,尾筒4の開口4cの周方向(静翼5が並ぶ方向)の幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から相対的に離れた位置において狭い。開口4cの大きさをこのように定めることにより,静翼5の前縁の淀み点に近い部分に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れをより少ない冷却空気で有効に遮断することができる。
同様の技術は,静翼シュラウド6の前端部6aから冷却空気14を噴出させる構成(図7),及び,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から冷却空気を噴出させる構成(図8)でも採用可能である。
(実施の第6形態)
実施の第6形態でも,実施の第5形態と同様に,冷却空気の噴出量が,冷却空気を噴出する開口の大きさによって制御される。ただし,実施の第6形態では,図11に示されているように,冷却空気の噴出量は,半径方向(静翼5が並ぶ方向及び燃焼ガス3aが流れる方向の両方に垂直な方向)の尾筒4の開口4cの幅によって制御される。本実施の形態では,半径方向の尾筒4の開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きく,淀み点15から相対的に離れた位置において小さい。開口4cの大きさをこのように定めることにより,静翼5の前縁の淀み点に近い部分に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れをより少ない冷却空気で有効に遮断することができる。
実施の第6形態でも,実施の第5形態と同様に,冷却空気の噴出量が,冷却空気を噴出する開口の大きさによって制御される。ただし,実施の第6形態では,図11に示されているように,冷却空気の噴出量は,半径方向(静翼5が並ぶ方向及び燃焼ガス3aが流れる方向の両方に垂直な方向)の尾筒4の開口4cの幅によって制御される。本実施の形態では,半径方向の尾筒4の開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きく,淀み点15から相対的に離れた位置において小さい。開口4cの大きさをこのように定めることにより,静翼5の前縁の淀み点に近い部分に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れをより少ない冷却空気で有効に遮断することができる。
静翼シュラウド6の前端部6aから冷却空気14を噴出させる構成(図7),及び,尾筒4と静翼シュラウド6の両方から冷却空気を噴出させる構成(図8)でも同様に,開口の大きさによって冷却空気の噴出量の分布が制御され得る。開口の大きさは,周方向における幅で調節されることが可能であり,半径方向における幅で調節されることも可能である。
(実施の第7形態)
燃焼ガス3aが尾筒4と静翼シュラウド6との間隙に侵入することを防ぐためには,冷却空気が尾筒4の後端部4aから静翼シュラウド6の前端部6aに(又は,静翼シュラウド6の前端部6aから尾筒4の後端部4aに)確実に到達していることが重要である。実施の第7形態では,冷却空気の貫通力を高めることにより、燃焼ガス3aの侵入を防止する構造が提供される。
燃焼ガス3aが尾筒4と静翼シュラウド6との間隙に侵入することを防ぐためには,冷却空気が尾筒4の後端部4aから静翼シュラウド6の前端部6aに(又は,静翼シュラウド6の前端部6aから尾筒4の後端部4aに)確実に到達していることが重要である。実施の第7形態では,冷却空気の貫通力を高めることにより、燃焼ガス3aの侵入を防止する構造が提供される。
より具体的には,実施の第7形態では,図12に示されているように,尾筒4の冷却空気通路4bの形状が開口4cの近傍で絞られ,噴出する冷却空気13の速度が高められている。言い換えれば,冷却空気通路4bが下流側に先細に形成されている。このような冷却空気通路4bの形状は,冷却空気13の尾筒4から静翼シュラウド6への貫通力を増大させ,燃焼ガス3aの間隙への侵入を一層効果的に防止する。
同様の技術は,静翼シュラウド6にも適用可能である。静翼シュラウド6の冷却空気通路6bが開口6cの近傍で絞られることは(即ち,冷却空気通路6bが上流側に先細に形成されることは),燃焼ガス3aの間隙への侵入を防止するために効果的である。
(実施の第8形態)
背景技術において説明されているように,尾筒4と静翼シュラウド6との間隙では,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、隣接する2つの淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れが発生しやすい。実施の第8形態では、このような流れの発生を抑制する構造が提供される。
背景技術において説明されているように,尾筒4と静翼シュラウド6との間隙では,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、隣接する2つの淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れが発生しやすい。実施の第8形態では、このような流れの発生を抑制する構造が提供される。
図13A〜図13Dは,実施の第8形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概念図である;図13Aは,尾筒4,静翼5,及び静翼シュラウド6を燃焼ガス3aが流れる側からみた図であり,図13Bは,図13AのA−A’断面の断面図であり,図13Cは,図13AのB−B’断面の断面図であり,図13Dは,静翼5,及び静翼シュラウド6を上流側からみた図である。図13A〜図13Dにおいて,冷却空気通路4bのうち,静翼5の前縁の淀み点15の上流に位置する冷却空気通路(断面A−A’が符号4b−1で参照され,隣接する2つの淀み点15の中間の位置の冷却空気通路が符号4b−2で参照されている。また,図13Bにおいて,冷却空気通路4b−1の開口が符号4c−1で参照され,開口4c−1から噴出される冷却空気は符号13−1で参照されている。加えて,図13Cにおいて,冷却空気通路4b−2の開口が符号4c−2で参照され,開口4c−2から噴出される冷却空気は符号13−2で参照されている。
本実施の形態では,図13Bに示されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流に位置する冷却空気通路4b−1の先端部は,開口4c−1の近傍において燃焼ガス3aが流れる側に傾けられる。これにより,静翼5の前縁の淀み点15の上流では冷却空気13−1が,燃焼ガス3aの流路の側に向けて噴出される。
一方,図13Cに示されているように,静翼5の前縁の淀み点15から離れて位置する冷却空気通路4b−2の先端部は,その開口4c−1の近傍において燃焼ガス3aが流れる側と反対の側に傾けられる。これにより,静翼5の前縁の淀み点15から離れた位置では冷却空気13−2が,燃焼ガス3aの流路と反対側に向けて噴出される。
冷却空気通路4bがこのような形状に形成されていることにより,図13Dに示されているように,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れがキャンセルされる。これは,燃焼ガス3aの間隙への侵入を防止するために有効である。
同様の技術は,静翼シュラウド6の冷却空気通路6bにも適用可能である。この場合,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置に冷却空気14を噴出する冷却空気通路6bの先端部は,その開口6cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側に傾けられ,静翼5の前縁の淀み点15の中間の位置に冷却空気14を噴出する冷却空気通路6bの先端部は,その開口6cの近傍において燃焼ガス3aの流路と反対側に向けて傾けられる。このような冷却空気通路6bの構造は,燃焼ガス3aの間隙への侵入を防止するために効果的である。
(実施の第9形態)
図14A,図14Bは,本発明の実施の第9形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概念図である;図14Aは,尾筒4と静翼シュラウド6とを燃焼ガス3aが流れる側からみた図であり,図14Bは,尾筒4を下流側からみた図である。
図14A,図14Bは,本発明の実施の第9形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概念図である;図14Aは,尾筒4と静翼シュラウド6とを燃焼ガス3aが流れる側からみた図であり,図14Bは,尾筒4を下流側からみた図である。
実施の第9形態では,図14Aに示されているように,尾筒4から冷却空気13を噴出する開口4cが,周方向に延伸するようにスリット状に形成される。これに伴い,冷却空気通路4bも,周方向に延伸するようにスリット状に形成される。このような開口4cの形状は,冷却空気13を膜状に噴出させ,燃焼ガス3aの間隙への侵入をより均一に抑制することを可能にする。
同様の技術は,静翼シュラウド6にも適用可能である。この場合,静翼シュラウド6から冷却空気14を噴出する開口6cが,周方向に延伸するようにスリット状に形成される。このような開口6cの形状は,冷却空気14を膜状に噴出させ,燃焼ガス3aの間隙への侵入をより均一に抑制することを可能にする。
(実施の第10形態)
実施の第7形態に記載されているように,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍で絞られることが好適である。実施の第10形態では,図15A,図15Bに示されているように,開口4cがスリット状に形成され,且つ,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍において絞られている。このような冷却空気通路4bの形状は,冷却空気13の貫通力を高めながら燃焼ガス3aの間隙への侵入を均一に抑制するために好適である。
実施の第7形態に記載されているように,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍で絞られることが好適である。実施の第10形態では,図15A,図15Bに示されているように,開口4cがスリット状に形成され,且つ,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍において絞られている。このような冷却空気通路4bの形状は,冷却空気13の貫通力を高めながら燃焼ガス3aの間隙への侵入を均一に抑制するために好適である。
同様の技術は,静翼シュラウド6にも適用可能である。この場合,静翼シュラウド6から冷却空気14を噴出する開口6cが,周方向に延伸するようにスリット状に形成される。加えて,冷却空気通路6bの形状は開口6cの近傍において絞られている。このような冷却空気通路4bの形状は,冷却空気14の貫通力を高めながら燃焼ガス3aの間隙への侵入を均一に抑制するために好適である。
(実施の第11形態)
実施の第4〜第6形態に記載されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,少ない冷却空気で燃焼ガス3aの間隙への侵入を抑制するために有効である。
実施の第4〜第6形態に記載されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,少ない冷却空気で燃焼ガス3aの間隙への侵入を抑制するために有効である。
実施の第11形態では,このような冷却空気の分布を開口がスリット状に形成された構造において実現するための構造が提供される。図16に示されているように,実施の第11形態では,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。これにより,好適な冷却空気の分布が実現され,燃焼ガス3aの間隙への侵入を有効に抑制することができる。
同様の技術は,静翼シュラウド6にも適用可能である。この場合,静翼シュラウド6から冷却空気14を噴出する開口6cが,周方向に延伸するようにスリット状に形成される。半径方向における開口6cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。これにより,好適な冷却空気の分布が実現され,燃焼ガス3aの間隙への侵入を有効に抑制することができる。
(実施の第12形態)
実施の第8形態に記載されているように,燃焼ガス3aの侵入を抑制するためには,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れをキャンセルすることが有効である。このためには,冷却空気13を静翼5の前縁の淀み点15の上流においては,燃焼ガス3aの流路の側に傾けて噴射し,隣接する淀み点15の中間の位置においては,冷却空気13を燃焼ガス3aの流路と反対の側に傾けて噴射することが有効である。
実施の第8形態に記載されているように,燃焼ガス3aの侵入を抑制するためには,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れをキャンセルすることが有効である。このためには,冷却空気13を静翼5の前縁の淀み点15の上流においては,燃焼ガス3aの流路の側に傾けて噴射し,隣接する淀み点15の中間の位置においては,冷却空気13を燃焼ガス3aの流路と反対の側に傾けて噴射することが有効である。
実施の第12形態では,冷却空気13の好適な方向への噴射を,開口がスリット状に形成された構造において実現するための構造が提供される。図17A〜図17Cは,実施の第12形態における尾筒4の後端部4aの構造を示す概念図である;詳細には,図17Aは,尾筒4を下流側からみた図であり,図17Bは,C−C’断面(淀み点15の上流に位置する断面)における尾筒4の後端部4aの断面図であり,図17Cは,D−D’断面(隣接する2つの淀み点15の中間に位置する断面)における尾筒4の後端部4aの断面図である。
実施の第12形態では,図17Aに示されているように,尾筒4の開口4cが波状に形成され,これにより冷却空気13が好適な方向に噴射される。詳細には,図17Bに示されているように,淀み点15の上流に位置するC−C’断面では,冷却空気通路4bの先端部は,開口4cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側に傾けられる。これにより,静翼5の前縁の淀み点15の上流では冷却空気13が,燃焼ガス3aの流路の側に向けて噴出される。
一方,図17Cに示されているように,静翼5の前縁の淀み点15の中間に位置するD−D’断面では,冷却空気通路4bの先端部は,開口4cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側と反対の側に傾けられる。これにより,静翼5の前縁の淀み点15から離れた位置では冷却空気13が,燃焼ガス3aの流路と反対側に向けて噴出される。
冷却空気通路4bがこのような形状に形成されていることにより,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れがキャンセルされる。これは,燃焼ガス3aの間隙への侵入を防止するために有効である。
同様の技術は,静翼シュラウド6の冷却空気通路6bにも適用可能である。この場合,淀み点15の上流の位置では,冷却空気通路6bの先端部は,開口6cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側に傾けられる。更に,静翼5の前縁の淀み点15の中間の位置では,冷却空気通路6bの先端部は,開口6cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側と反対の側に傾けられる。このような冷却空気通路6bの構造は,燃焼ガス3aの間隙への侵入を防止するために有効である。
(実施の第13形態)
実施の第10形態〜第12形態に説明されている技術は,組み合わされて実施されることが可能である。実施の第13形態では,実施の第10形態〜第12形態の技術の組み合わせを実現する構造が提供される。
実施の第10形態〜第12形態に説明されている技術は,組み合わされて実施されることが可能である。実施の第13形態では,実施の第10形態〜第12形態の技術の組み合わせを実現する構造が提供される。
図18A〜図18Cは,実施の第13形態における尾筒4の後端部4aの構造を示す概念図である;詳細には,図18Aは,尾筒4を下流側からみた図であり,図18Bは,C−C’断面(淀み点15の上流に位置する断面)における尾筒4の後端部4aの断面図であり,図18Cは,D−D’断面(隣接する2つの淀み点15の中間に位置する断面)における尾筒4の後端部4aの断面図である。
実施の第13形態では,図18B,図18Cに示されているように,開口4cがスリット状に形成され,且つ,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍において絞られている。
更に,図18Aに示されているように,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。
加えて,図18Bに示されているように,淀み点15の上流に位置するC−C’断面では,冷却空気通路4bの先端部は,開口4cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側に傾けられる。これにより,静翼5の前縁の淀み点15の上流では冷却空気13が,燃焼ガス3aの流路の側に向けて噴出される。
一方,図18Cに示されているように,静翼5の前縁の淀み点15の中間に位置するD−D’断面では,冷却空気通路4bの先端部は,開口4cの近傍において燃焼ガス3aが流れる側と反対の側に傾けられる。これにより,静翼5の前縁の淀み点15から離れた位置では冷却空気13が,燃焼ガス3aの流路と反対側に向けて噴出される。
冷却空気通路4bがこのような形状に形成されていることは,燃焼ガス3aの間隙への侵入を防止するために有効である。同様の技術は,静翼シュラウド6にも適用可能であることは,当業者には自明的である。
(実施の第14形態)
実施の第4〜第6形態に既述されているように,淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出し,淀み点15の中間の位置に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への燃焼ガス3aの侵入を少ない冷却空気で抑制するために効果的である。
実施の第4〜第6形態に既述されているように,淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出し,淀み点15の中間の位置に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への燃焼ガス3aの侵入を少ない冷却空気で抑制するために効果的である。
しかしながら,冷却空気の噴出量が不均一であると,尾筒4の冷却空気通路4b(又は静翼シュラウド6の冷却空気通路6b)を流れる冷却空気の流量が不均一になり,従って,尾筒4(又は静翼シュラウド6)の温度が不均一になる。より具体的には,淀み点15の上流の位置における尾筒4の温度が低くなり,且つ,淀み点15の中間の位置における尾筒4の温度が高くなる。これは,尾筒4(又は静翼シュラウド6)に熱応力を発生させるため好ましくない。
冷却空気の噴出量の不均一性に起因する尾筒4の温度の不均一性を解消するためには,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高めることが効果的である。実施の第14形態では,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高める技術が提供される。
図19A,図19Bは,実施の第14形態における尾筒4及び静翼シュラウド6の接合部の構造を具体的に示す概念図である;図19Aは,接合部を燃焼ガス3aの流路の側からみた図であり,図19Bは,淀み点15の中間の位置に冷却空気13を噴出する冷却空気通路(符号4b−3で参照される)の構造を示す断面図である。
本実施の形態では,尾筒4の後端部4aから冷却空気13を噴出する開口4cの密度が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において高く,淀み点15の中間の位置において低い。既述のように,このような開口4cの配置は,燃焼ガス3aの侵入を抑制するものの,尾筒4の温度の不均一性を招く。
尾筒4の温度の不均一性を解消するために,本実施の形態では,淀み点15の中間に位置する冷却空気通路4b−3に,乱流生成手段として機能する突起16が設けられる。突起16は,冷却空気通路4b−3の内部で冷却空気に乱流を発生させ,冷却空気による尾筒4の冷却効果を向上する。突起16を設けることにより,淀み点15の中間の位置における尾筒4の温度が低下され,尾筒4の温度の均一性が向上される。
図19Cに示されているように,淀み点15の上流に冷却空気13を噴出する冷却空気通路(符号4b−4で参照される)にも,乱流生成手段として機能する突起17が設けられることも可能である。冷却空気通路4b−4にも突起17を設けることは,少ない冷却空気で尾筒4を冷却するために効果的である。
突起17が冷却空気通路4b−4に設けられる場合,その突起17の高さh2は,淀み点15の中間に位置する冷却空気通路4b−3に設けられる突起16の高さh1よりも低くされる。このような構成は,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高め,尾筒4の温度の均一化に有効である。
ただし,本発明は,冷却空気通路4b−4に突起17が設けられる構成に限定されないことに留意されるべきである。冷却空気通路4b−4に突起17が設けられない構成も,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を,淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果より高くし,尾筒4の温度を均一化するために有効である。
同様の技術は,尾筒4の開口4cの大きさによって冷却空気の噴出量が制御される構成(実施の第5形態,第6形態)にも適用可能である。この場合にも,淀み点15の中間の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路4bには,相対的に高い突起が設けられ,淀み点15の上流の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路4bには,相対的に低い突起が設けられる。淀み点15の上流の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路4bには突起が設けられないことも可能である。
加えて,同様の技術は,静翼シュラウド6の冷却空気通路6bにも適用可能である。この場合,淀み点15の中間の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路6bには,相対的に高い突起が設けられ,淀み点15の上流の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路6bには,相対的に低い突起が設けられる。淀み点15の上流の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路6bには突起が設けられないことも可能である。
(実施の第15形態)
実施の第14形態に記載されているように,尾筒4の温度の不均一性を解消するためには,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高めることが効果的である。実施の第15形態では,実施の第14形態とは異なるアプローチによって淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果が淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高められる。
実施の第14形態に記載されているように,尾筒4の温度の不均一性を解消するためには,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高めることが効果的である。実施の第15形態では,実施の第14形態とは異なるアプローチによって淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果が淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高められる。
より具体的には,実施の第15形態では,図20A,図20Bに示されているように,淀み点15の中間に位置する冷却空気通路4b−3に設けられる突起16の密度が,淀み点15の上流に位置する冷却空気通路4b−4に設けられる突起17の密度よりも高くされる;突起の密度とは,冷却空気通路の内面の単位面積当たりに設けられた突起の個数をいう。突起の密度をこのように定めることにより,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果が淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高められ,尾筒4の温度がより均一にされる。
同様の技術は,尾筒4の開口4cの大きさによって冷却空気の噴出量が制御される構成(実施の第5形態,第6形態)にも適用可能である。この場合にも,淀み点15の中間の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路4bに設けられる突起の密度が,淀み点15の上流の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路4bに設けられる突起の密度よりも相対的に高められる。
加えて,同様の技術は,静翼シュラウド6の冷却空気通路6bにも適用可能である。この場合,淀み点15の中間の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路6bに設けられる突起の密度が,淀み点15の上流の位置に冷却空気を噴出する冷却空気通路6bに設けられる突起の密度よりも相対的に高められる。これにより,静翼シュラウド6の温度がより均一にされる。
(実施の第16形態)
実施の第11形態に記述されているように,冷却空気の噴出量を不均一にすることは,尾筒4の開口4cがスリット状に形成された構造においても有効である。実施の第11形態では,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。
実施の第11形態に記述されているように,冷却空気の噴出量を不均一にすることは,尾筒4の開口4cがスリット状に形成された構造においても有効である。実施の第11形態では,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。
しかしながら,実施の第14形態,及び第15形態に説明されているように,冷却空気の噴出量を不均一にすること尾筒4の温度を不均一にする。実施の第16形態では,尾筒4の開口4cがスリット状に形成された構造が採用されている場合に,冷却空気の噴出量の分布によって生じる尾筒4の温度の不均一性を解消するための構造が提供される。
図21A〜図21Cは,実施の第16形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概略図である;図21Aは,接合部を燃焼ガス3aの流路の側からみた図であり,図21Bは,尾筒4の後端部4aを,下流側からみた図であり,図21Cは,図21BのE−E’断面における尾筒4の後端部4aの構造を示す断面図である。
本実施の形態では,図21Bに示されているように,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。既述のように,このような開口4cの形状は,燃焼ガス3aの侵入を抑制するものの,尾筒4の温度の不均一性を招く。
尾筒4の温度の不均一性を解消するために,本実施の形態では,冷却空気通路4bに,それを横断するように設けられたピンフィン18が設けられる。ピンフィン18は,冷却空気に乱流を発生させる乱流生成手段として機能する。ピンフィン18は,その密度が不均一にされる。より具体的には,ピンフィン18の密度は,淀み点15の中間の位置において相対的に高く,淀み点15の上流の位置において相対的に低くされる。このようなピンフィン18の配置は,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高め,尾筒4の温度の均一化に有効である。
同様の技術は,静翼シュラウド6の冷却空気通路6bにも適用可能である。この場合,冷却空気通路6bに乱流生成手段として機能するピンフィンが設けられ,そのピンフィンの密度は,淀み点15の中間の位置において相対的に高く,淀み点15の上流の位置において相対的に低くされる。このようなピンフィンの配置は,静翼シュラウド6の温度の均一化に有効である。
(実施の第17形態)
実施の第14形態〜第16形態に記載されているように,冷却空気の噴出量の不均一性は,尾筒4の温度の不均一性を招き,熱応力の発生の原因となる。実施の第17形態では,実施の第14形態〜第16形態とは異なるアプローチによって尾筒4の温度の均一性が向上される。
実施の第14形態〜第16形態に記載されているように,冷却空気の噴出量の不均一性は,尾筒4の温度の不均一性を招き,熱応力の発生の原因となる。実施の第17形態では,実施の第14形態〜第16形態とは異なるアプローチによって尾筒4の温度の均一性が向上される。
図22A,図22Bは,実施の第17形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概念図である;図22Aは,接合部を燃焼ガス3aの流路の側からみた図であり,図22Bは,尾筒4の後端部4aを,下流側からみた図である。本実施の形態では,2枚の静翼5が,尾筒4の縦壁面4d(半径方向に平行な面)の下流に位置しており,もう1つの静翼5が,尾筒4の中央部の下流に位置している。本実施の形態では,燃焼器3は,尾筒4の中央部が周辺部よりも高温になるような形態で燃焼ガス3aを生成する。尾筒4の縦壁面の下流に位置する静翼は,以下,静翼5−1,5−2と記載され,尾筒4の中央部の下流に位置する静翼は,以下,静翼5−3と記載される。
図22Aに示されているように,実施の第17形態では,尾筒4の後端部4aから冷却空気13を噴出する開口4cの密度(即ち,冷却空気通路4bの密度)が,中央部に位置する静翼5−3の前縁の淀み点15の上流の位置において高く,静翼5−3の淀み点15から離れた位置において低い。このような開口4cの配置は,静翼5−3の淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,静翼5−3の淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れを有効に遮断することを可能にする。
加えて,本実施の形態では,図22Bに示されているように,尾筒4の高温部分(即ち,尾筒4の中央部)が,静翼5−3の前縁の淀み点15の上流に位置している。既述のように,静翼5−3の淀み点15の上流には多くの冷却空気通路4bが設けられているから,尾筒4の後端面4aのうちの高温部分に対向する位置には多くの冷却空気が供給され,高温部分に対向する位置が効果的に冷却される。これにより,尾筒4の温度の均一性が向上される。
同様の技術が尾筒4の開口4cの大きさによって冷却空気の噴出量が制御される構成(実施の第5形態,第6形態)にも適用可能であることは当業者には自明的である。静翼5の前縁の淀み点15の上流には相対的に大きい開口4cが設けられ,淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出される。その一方で,尾筒4の高温部分が静翼5の前縁の淀み点15の上流に位置するように,尾筒4及び静翼5の位置が調節される。これにより,尾筒4の温度の均一性が向上される。
また,同様の技術は,尾筒4の開口4cがスリット状に形成されている場合にも適用可能である(実施の第11形態参照)。この場合,開口4cの半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。これにより,淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出される。その一方で,尾筒4の高温部分が静翼5の前縁の淀み点15の上流に位置するように,尾筒4及び静翼5の位置が調節される。これにより,尾筒4の温度の均一性が向上される。
更に,同様の技術は,冷却空気を噴出する開口が静翼シュラウド6に設けられている構造でも適用可能である。冷却空気を噴出する開口の密度,又は大きさが,静翼5の前縁の淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出されるように調節され,更に,尾筒4の高温部分が静翼5の前縁の淀み点15の上流に位置するように,尾筒4及び静翼5の位置が調節される。これにより,静翼シュラウド6の温度の均一性が向上される。
(実施の第18形態)
実施の第17形態に記述されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出される構造が採用される場合には,尾筒4の高温部分が淀み点15の上流に位置することが好適である。実施の第18形態では,尾筒4の高温部分を淀み点15の上流に位置させるための燃焼器3の構造が提供される。
実施の第17形態に記述されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出される構造が採用される場合には,尾筒4の高温部分が淀み点15の上流に位置することが好適である。実施の第18形態では,尾筒4の高温部分を淀み点15の上流に位置させるための燃焼器3の構造が提供される。
より具体的には,本実施の形態では,図23に示されているように,尾筒4の後端部4aから冷却空気13を噴出する開口4cの密度(即ち,冷却空気通路4bの密度)が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において高く,淀み点15の中間の位置において低い。加えて,燃焼器3の燃料ノズル19が,静翼5の前縁の淀み点15の上流に対応する位置に設けられる。
このような構造は,尾筒4の温度の均一性を有効に向上させる。尾筒4の温度は燃料ノズル19の下流において高くなる。従って,燃焼器3の燃料ノズル19を静翼5の前縁の淀み点15の上流に対応する位置に設けることにより,尾筒4の高温部分が淀み点15の上流に位置することになる。加えて,既述のように,静翼5の淀み点15の上流には多くの冷却空気通路4bが設けられているから,尾筒4の後端部4aの高温部分に対向する位置には多くの冷却空気が供給される。これにより,尾筒4の高温部分に対向する部分が,効果的に冷却され,尾筒4の温度の均一性が向上される。
同様の技術が尾筒4の開口4cの大きさによって冷却空気の噴出量が制御される構成(実施の第5形態,第6形態)にも適用可能であることは当業者には自明的である。加えて,同様の技術が冷却空気を噴出する開口が静翼シュラウド6に設けられている構造でも適用可能であることは,当業者には自明的である。
1:圧縮機
1a:圧縮空気
2:車室
3:燃焼器
3a:燃焼ガス
4:尾筒
4a:後端部
4b:冷却空気通路
4c:開口
5:静翼
6:静翼シュラウド
6a:前端部
6b:冷却空気通路
6c:開口
7:動翼
8,9:フランジ
10:ガスタービン
11:尾筒シール
12:キャビティ
13,14:冷却空気
15:淀み点
16,17:突起
18:ピンフィン
19:燃料ノズル
101:尾筒
101a:フランジ
101b:後端部
102静翼
103:静翼シュラウド
103a:フランジ
103b:前端部
104:シール
104a:冷却空気
105:燃焼ガス
1a:圧縮空気
2:車室
3:燃焼器
3a:燃焼ガス
4:尾筒
4a:後端部
4b:冷却空気通路
4c:開口
5:静翼
6:静翼シュラウド
6a:前端部
6b:冷却空気通路
6c:開口
7:動翼
8,9:フランジ
10:ガスタービン
11:尾筒シール
12:キャビティ
13,14:冷却空気
15:淀み点
16,17:突起
18:ピンフィン
19:燃料ノズル
101:尾筒
101a:フランジ
101b:後端部
102静翼
103:静翼シュラウド
103a:フランジ
103b:前端部
104:シール
104a:冷却空気
105:燃焼ガス
Claims (2)
- 燃焼ガスを尾筒から噴出する燃焼器と,
前記尾筒から前記燃焼ガスが供給されるタービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒の下流側の端部には,前記静翼シュラウドの上流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記冷却空気を前記開口に供給する冷却空気通路は,前記開口に向かって先細な形状を有する
ガスタービン。 - 尾筒を含む燃焼器と,
タービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記静翼シュラウドの上流側の端部には,前記尾筒の下流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記冷却空気を前記開口に供給する冷却空気通路は,前記開口に向かって先細な形状を有する
ガスタービン。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220008921A (ko) | 2019-08-16 | 2022-01-21 | 미츠비시 파워 가부시키가이샤 | 정익, 및 이것을 포함하는 가스 터빈 |
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-
2012
- 2012-01-27 JP JP2012015763A patent/JP2012107628A/ja active Pending
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