JP4381276B2 - ガスタービン - Google Patents
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Description
本発明の実施の一形態のガスタービン10は,図5に示されているように,圧縮空気1aを生成する圧縮機1(一部のみ図示)と,生成された圧縮空気1aが供給される車室2とを備えている。車室2の内部には,燃焼ガス3aを生成する燃焼器3が設けられている。燃焼器3の後端には,尾筒4が設けられている。ガスタービン10のタービンは,その尾筒4の下流側に設けられている。より具体的には,尾筒4の下流側には,第1段の静翼5と,静翼5を支持する静翼シュラウド6とが設けられている。静翼5の下流には,動翼7が設けられている。燃焼ガス3aは,尾筒4を介して静翼5に導入され,静翼5によって方向が変えられて動翼7に噴射される。
冷却空気の噴出量は,冷却空気を噴出する開口の大きさによっても制御され得る。冷却空気を噴出する開口を,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きくし,淀み点15から相対的に離れた位置において小さくすることにより,同様の効果が得られる。
実施の第3形態でも,実施の第2形態と同様に,冷却空気の噴出量が,冷却空気を噴出する開口の大きさによって制御される。ただし,実施の第3形態では,図11に示されているように,冷却空気の噴出量は,半径方向(静翼5が並ぶ方向及び燃焼ガス3aが流れる方向の両方に垂直な方向)の尾筒4の開口4cの幅によって制御される。本実施の形態では,半径方向の尾筒4の開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において大きく,淀み点15から相対的に離れた位置において小さい。開口4cの大きさをこのように定めることにより,静翼5の前縁の淀み点に近い部分に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15の近傍における間隙に侵入する方向への燃焼ガス3aの流れをより少ない冷却空気で有効に遮断することができる。
燃焼ガス3aが尾筒4と静翼シュラウド6との間隙に侵入することを防ぐためには,冷却空気が尾筒4の後端部4aから静翼シュラウド6の前端部6aに(又は,静翼シュラウド6の前端部6aから尾筒4の後端部4aに)確実に到達していることが重要である。実施の第4形態では,冷却空気の貫通力を高めることにより、燃焼ガス3aの侵入を防止する構造が提供される。
背景技術において説明されているように,尾筒4と静翼シュラウド6との間隙では,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、隣接する2つの淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れが発生しやすい。実施の第5形態では、このような流れの発生を抑制する構造が提供される。
図14A,図14Bは,本発明の実施の第6形態における尾筒4と静翼シュラウド6との接合部の構造を示す概念図である;図14Aは,尾筒4と静翼シュラウド6とを燃焼ガス3aが流れる側からみた図であり,図14Bは,尾筒4を下流側からみた図である。
実施の第4形態に記載されているように,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍で絞られることが好適である。実施の第7形態では,図15A,図15Bに示されているように,開口4cがスリット状に形成され,且つ,冷却空気通路4bの形状は開口4cの近傍において絞られている。このような冷却空気通路4bの形状は,冷却空気13の貫通力を高めながら燃焼ガス3aの間隙への侵入を均一に抑制するために好適である。
実施の第1〜第3形態に記載されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出させ,淀み点15から離れている部分に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,少ない冷却空気で燃焼ガス3aの間隙への侵入を抑制するために有効である。
実施の第5形態に記載されているように,燃焼ガス3aの侵入を抑制するためには,静翼5の前縁の淀み点15の近傍において燃焼ガス3aが間隙に侵入し、淀み点15の中間の位置において圧縮空気が間隙から流出するような流れをキャンセルすることが有効である。このためには,冷却空気13を静翼5の前縁の淀み点15の上流においては,燃焼ガス3aの流路の側に傾けて噴射し,隣接する淀み点15の中間の位置においては,冷却空気13を燃焼ガス3aの流路と反対の側に傾けて噴射することが有効である。
実施の第7形態〜第9形態に説明されている技術は,組み合わされて実施されることが可能である。実施の第10形態では,実施の第7形態〜第9形態の技術の組み合わせを実現する構造が提供される。
実施の第1〜第3形態に既述されているように,淀み点15の上流の位置に相対的に多くの冷却空気を噴出し,淀み点15の中間の位置に相対的に少ない冷却空気を噴出させることは,尾筒4と静翼シュラウド6との間の間隙への燃焼ガス3aの侵入を少ない冷却空気で抑制するために効果的である。
実施の第11形態に記載されているように,尾筒4の温度の不均一性を解消するためには,淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果を淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高めることが効果的である。実施の第12形態では,実施の第11形態とは異なるアプローチによって淀み点15の中間の位置における尾筒4の冷却効果が淀み点15の上流の位置における尾筒4の冷却効果よりも相対的に高められる。
実施の第8形態に記述されているように,冷却空気の噴出量を不均一にすることは,尾筒4の開口4cがスリット状に形成された構造においても有効である。実施の第8形態では,半径方向における開口4cの幅が,静翼5の前縁の淀み点15の上流の位置において広く,淀み点15から離れている部分において狭くされる。
実施の第11形態〜第13形態に記載されているように,冷却空気の噴出量の不均一性は,尾筒4の温度の不均一性を招き,熱応力の発生の原因となる。実施の第14形態では,実施の第11形態〜第13形態とは異なるアプローチによって尾筒4の温度の均一性が向上される。
実施の第14形態に記述されているように,静翼5の前縁の淀み点15の上流に多くの冷却空気が噴出される構造が採用される場合には,尾筒4の高温部分が淀み点15の上流に位置することが好適である。実施の第15形態では,尾筒4の高温部分を淀み点15の上流に位置させるための燃焼器3の構造が提供される。
1a:圧縮空気
2:車室
3:燃焼器
3a:燃焼ガス
4:尾筒
4a:後端部
4b:冷却空気通路
4c:開口
5:静翼
6:静翼シュラウド
6a:前端部
6b:冷却空気通路
6c:開口
7:動翼
8,9:フランジ
10:ガスタービン
11:尾筒シール
12:キャビティ
13,14:冷却空気
15:淀み点
16,17:突起
18:ピンフィン
19:燃料ノズル
101:尾筒
101a:フランジ
101b:後端部
102静翼
103:静翼シュラウド
103a:フランジ
103b:前端部
104:シール
104a:冷却空気
105:燃焼ガス
Claims (16)
- 燃焼ガスを尾筒から噴出する燃焼器と,
前記尾筒から前記燃焼ガスが供給されるタービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒と前記静翼シュラウドとの間に尾筒シールが設けられ,
前記尾筒及び前記静翼シュラウドには,前記尾筒シールを前記燃焼ガスの流路から離れるように支持するフランジが設けられ、
前記フランジと前記尾筒シールとは、それらによって囲まれるキャビティが形成されるように接合され、
前記尾筒の下流側の端部には,前記燃焼ガスの前記キャビティへの侵入を防ぐように,前記静翼シュラウドの上流側の端部に向かって冷却空気を噴出する複数の開口が設けられ、
前記静翼の前縁の淀み点の上流における前記尾筒の前記開口の密度が,前記淀み点から離れた位置における前記尾筒の前記開口の密度よりも大きい
ガスタービン。 - 請求項1に記載のガスタービンであって,
前記静翼シュラウドの上流側の端部には,前記尾筒の下流側の端部に向かって冷却空気を噴出する複数の開口が設けられ、
前記静翼の前縁の淀み点の上流における前記静翼シュラウドの前記開口の密度が,前記淀み点から離れた位置における前記静翼シュラウドの前記開口の密度よりも大きい
ガスタービン。 - 尾筒を含む燃焼器と,
タービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒と前記静翼シュラウドとの間に尾筒シールが設けられ,
前記尾筒及び前記静翼シュラウドには,前記尾筒シールを前記燃焼ガスの流路から離れるように支持するフランジが設けられ、
前記フランジと前記尾筒シールとは、それらによって囲まれるキャビティが形成されるように接合され、
前記静翼シュラウドの上流側の端部には,前記燃焼ガスの前記キャビティへの侵入を防ぐように,前記尾筒の下流側の端部に向かって冷却空気を噴出する複数の開口が設けられ、
前記静翼の前縁の淀み点の上流における前記静翼シュラウドの前記開口の密度が,前記淀み点から離れた位置における前記静翼シュラウドの前記開口の密度よりも大きい
ガスタービン。 - 燃焼ガスを尾筒から噴出する燃焼器と,
前記尾筒から前記燃焼ガスが供給されるタービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒と前記静翼シュラウドとの間に尾筒シールが設けられ,
前記尾筒及び前記静翼シュラウドには,前記尾筒シールを前記燃焼ガスの流路から離れるように支持するフランジが設けられ,
前記フランジと前記尾筒シールとは,それらによって囲まれるキャビティが形成されるように接合され,
前記尾筒の下流側の端部には,前記燃焼ガスの前記キャビティへの侵入を防ぐように,前記静翼シュラウドの上流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置に設けられた前記尾筒の前記開口の面積が,前記淀み点から離れた位置に設けられた前記尾筒の前記開口の面積よりも大きい
ガスタービン。 - 請求項4に記載のガスタービンであって,
前記静翼シュラウドの上流側の端部には,前記尾筒の下流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ,
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置に設けられた前記静翼シュラウドの前記開口の面積が,前記淀み点から離れた位置に設けられた前記静翼シュラウドの前記開口の面積よりも大きい
ガスタービン。 - 尾筒を含む燃焼器と,
タービン
とを備え,
前記タービンは,
静翼と,
前記尾筒の下流側に位置し,且つ,前記静翼を支持する静翼シュラウド
とを含み,
前記尾筒と前記静翼シュラウドとの間に尾筒シールが設けられ,
前記尾筒及び前記静翼シュラウドには,前記尾筒シールを前記燃焼ガスの流路から離れるように支持するフランジが設けられ、
前記フランジと前記尾筒シールとは、それらによって囲まれるキャビティが形成されるように接合され、
前記静翼シュラウドの上流側の端部には,前記燃焼ガスの前記キャビティへの侵入を防ぐように,前記尾筒の下流側の端部に向かって冷却空気を噴出する少なくとも一の開口が設けられ、
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置に設けられた前記静翼シュラウドの前記開口の面積が,前記淀み点から離れた位置に設けられた前記静翼シュラウドの前記開口の面積よりも大きい
ガスタービン。 - 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のガスタービンにおいて,
前記燃焼器は,前記静翼の前縁の淀み点の上流に対応する位置に燃焼ノズルを具備する
ガスタービン。 - 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のガスタービンであって,
前記冷却空気を前記開口に供給する冷却空気通路は,前記開口に向かって先細な形状を有する
ガスタービン。 - 請求項4又は6に記載のガスタービンであって,
前記少なくとも一の開口は,前記静翼が並ぶ方向に長いスリットとして形成されている
ガスタービン。 - 請求項9に記載のガスタービンであって,
前記冷却空気を前記開口に供給する冷却空気通路は,前記開口に向かって先細な形状を有する
ガスタービン。 - 請求項9に記載のガスタービンであって,
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置における前記スリットの幅は,前記淀み点の上流の位置から離れた位置における前記スリットの幅よりも広い
ガスタービン。 - 請求項1又は4に記載のガスタービンであって,
前記尾筒の前記開口は,
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置に設けられた第1開口と,
前記淀み点の中間の位置に設けられた第2開口
とを含み,
前記尾筒には,前記第1開口に前記冷却空気を供給する第1冷却空気通路と,前記第2開口に前記冷却空気を供給する第2冷却空気通路とが形成され,
前記第2冷却空気通路には,前記冷却空気に乱流を起こさせる乱流生成手段が形成されている
ガスタービン。 - 請求項3又は6に記載のガスタービンであって,
前記静翼シュラウドの前記開口は,
前記静翼の前縁の淀み点の上流の位置に設けられた第1開口と,
前記淀み点の中間の位置に設けられた第2開口
とを含み,
前記静翼シュラウドには,前記第1開口に前記冷却空気を供給する第1冷却空気通路と,前記第2開口に前記冷却空気を供給する第2冷却空気通路とが形成され,
前記第2冷却空気通路には,前記冷却空気に乱流を起こさせる乱流生成手段が形成されている
ガスタービン。 - 請求項12又は13に記載のガスタービンであって,
前記第1冷却空気通路には,前記冷却空気に乱流を起こさせる他の乱流生成手段が形成され,
前記第2冷却空気通路に設けられた前記乱流生成手段は,前記第1冷却空気通路に設けられた前記他の乱流生成手段よりも前記尾筒の冷却効果が高くなるように形成された
ガスタービン。 - 請求項14に記載のガスタービンであって,
前記第2冷却空気通路に設けられた前記乱流生成手段は,前記第2冷却空気通路に突出する第1突起を含み,
前記第1冷却空気通路に設けられた前記他の乱流生成手段は,前記第1冷却空気通路に突出する第2突起を含み,
前記第1突起の高さは,前記第2突起の高さよりも高い
ガスタービン。 - 請求項14に記載のガスタービンであって,
前記第2冷却空気通路に設けられた前記乱流生成手段は,前記第2冷却空気通路に突出する第1突起を含み,
前記第1冷却空気通路に設けられた前記他の乱流生成手段は,前記第1冷却空気通路に突出する第2突起を含み,
前記第1突起が設けられる密度は,前記第2突起が設けられる密度よりも大きい
ガスタービン。
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