JP2012132061A - ブルーイング金属帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のブルーイング金属帯の製造方法は、処理温度が変動する加熱期間中及び在炉冷却期間中にも、雰囲気ガスの露点を酸化皮膜の生成に適した範囲内の露点としているので、処理温度の変動により酸化皮膜の生成にバラツキが生じ、酸化皮膜の厚みの調節が難しくなっている。
【解決手段】本発明によるブルーイング金属帯の製造方法では、オープンコイルの熱処理を行う際に、均熱期間中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行う。
【選択図】図2
【解決手段】本発明によるブルーイング金属帯の製造方法では、オープンコイルの熱処理を行う際に、均熱期間中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、熱処理炉内への水蒸気の供給を制御することにより熱処理炉内の雰囲気ガスの露点を制御しつつ、オープンコイルの熱処理を行うブルーイング金属帯の製造方法に関し、特に、オープンコイルの熱処理を行う際に、均熱期間中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行うように構成することで、処理温度の変動による酸化皮膜の生成のバラツキを抑えることができ、酸化皮膜の厚みを精度良く調節できるようにするための新規な改良に関するものである。
従来用いられているこの種のブルーイング金属帯の製造方法としては、例えば下記の特許文献1等に示されている方法を挙げることができる。すなわち、ブルーイング金属帯が製造される場合、コイル半径方向に沿って互いに間隔をあけて金属帯が巻かれているオープンコイルが熱処理炉内に装入され、熱処理炉内への水蒸気の供給が制御されることにより熱処理炉内の雰囲気ガスの露点が制御されつつ、オープンコイルの熱処理が行われる。
従来方法におけるオープンコイルの熱処理と熱処理炉内の雰囲気ガスの露点制御との関係は、図5に示す通りである。図5に示すように、従来方法におけるオープンコイルの熱処理は、加熱期間110、均熱期間210、及び冷却期間310により構成されている。加熱期間110は、熱処理炉内でのオープンコイルの温度が例えば400度等の設定温度に達するまで熱処理炉内を加熱する期間である。均熱期間210は、加熱期間110の後、すなわちオープンコイルの温度が設定温度に達した後に、オープンコイルの温度を設定温度で維持する期間である。冷却期間310は、均熱期間210の後、すなわちオープンコイルの温度を設定温度で所定時間維持した後に、オープンコイルの温度を下げる期間である。この冷却期間300には、熱処理炉内への熱の供給を停止した状態でオープンコイルの温度を熱処理炉内で徐々に下げる在炉冷却期間310aと、熱処理炉の外カバーを開放した状態でオープンコイルの温度を下げる開放冷却期間310bとが含まれている。
このような熱処理が行われるときに、熱処理炉内への水蒸気の供給が制御されることで、熱処理炉内の雰囲気ガスの露点が制御される。すなわち、従来方法では、加熱期間110の開始時から在炉冷却期間310aの終了時までの期間中、雰囲気ガスの露点が酸化皮膜の生成に適した範囲内の露点となるように、熱処理炉内に水蒸気が供給される。この酸化皮膜の生成に適した露点範囲は、例えば40度〜60度等の範囲である。雰囲気ガスの露点が露点範囲の下限値未満である場合には、金属帯表面での酸化皮膜の生成が進まず、雰囲気ガスの露点が露点範囲の上限値を超える場合には、酸化皮膜の生成を制御することが難しくなる。
本出願人が上述のような従来方法でブルーイング金属帯を製造していたところ、金属帯のコイル毎に酸化皮膜の加工耐性にバラツキが生じることが判明した。すなわち、厳しい加工条件で金属帯の加工を行った場合に、あるコイルの金属帯では問題無く加工が行えるのに対して、他のコイルの金属帯では酸化皮膜の剥離等の異常が生じることあった。加工耐性のバラツキの原因について検討したところ、加工耐性のバラツキは、酸化皮膜の厚みのバラツキに起因するとの結果に至った。金属帯表面での酸化皮膜の生成量は、雰囲気ガスの露点が酸化皮膜の生成に適した範囲内の露点とされているときの時間(露点付加時間)と、そのときの金属帯の温度(処理温度)との両方の影響を受ける。
すなわち、上記のような従来のブルーイング金属帯の製造方法では、処理温度が変動する加熱期間中及び在炉冷却期間中にも、雰囲気ガスの露点を酸化皮膜の生成に適した範囲内の露点としているので、処理温度の変動により酸化皮膜の生成にバラツキが生じ、酸化皮膜の厚みの調節が難しくなっている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、処理温度の変動による酸化皮膜の生成のバラツキを抑えることができ、酸化皮膜の厚みを精度良く調節できるブルーイング金属帯の製造方法を提供することである。
本発明に係るブルーイング金属帯の製造方法は、コイル半径方向に沿って互いに間隔をあけて金属帯が巻かれているオープンコイルを熱処理炉内に装入し、熱処理炉内への水蒸気の供給を制御することにより熱処理炉内の雰囲気ガスの露点を制御しつつ、オープンコイルの熱処理を行うブルーイング金属帯の製造方法であって、オープンコイルの熱処理を、熱処理炉内でのオープンコイルの温度が設定温度に達するまで熱処理炉内を加熱する加熱期間と、加熱期間の後にオープンコイルの温度を設定温度で維持する均熱期間と、均熱期間の後にオープンコイルの温度を下げる冷却期間とにより構成し、オープンコイルの熱処理を行う際に、均熱期間中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行う。
本発明のブルーイング金属帯の製造方法によれば、オープンコイルの熱処理を行う際に、均熱期間中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行うので、処理温度が変動するときに酸化皮膜が生成されることを回避できる。これにより、処理温度の変動による酸化皮膜の生成のバラツキを抑えることができ、酸化皮膜の厚みを精度良く調節できる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるブルーイング金属帯の製造方法に用いられる熱処理炉を示す構成図である。図において、熱処理炉には、熱処理炉本体1、ガス供給手段2、ガス循環手段3、加熱手段4、水蒸気供給手段5、ガス排出手段6、センサ手段7、及び制御手段8が設けられている。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるブルーイング金属帯の製造方法に用いられる熱処理炉を示す構成図である。図において、熱処理炉には、熱処理炉本体1、ガス供給手段2、ガス循環手段3、加熱手段4、水蒸気供給手段5、ガス排出手段6、センサ手段7、及び制御手段8が設けられている。
熱処理炉本体1には、ベースフレーム10、ベース11、内カバー12、及び外カバー13が設けられている。ベースフレーム10は、熱処理炉本体1の底部を構成する部材である。ベース11は、ベースフレーム10上に配置された基台である。内カバー12は、ベース11を覆うようにベースフレーム10上に配置された断面コ字状の部材である。外カバー13は、内カバー12よりも大形の断面コ字状の部材であり、内カバー12の外面を覆うようにベースフレーム10上に配置されている。
ベース11上には、ブルーイング処理が施されるオープンコイル9が載置される。オープンコイル9は、ブルーイング処理により酸化皮膜が表面に生成される金属帯(鋼板)がコイル半径方向に沿って互いに間隔をあけて巻かれたものである。このオープンコイル9は、コイル軸方向が鉛直方向に沿うようにベース11上に配置されている。ベース11の内部は、後述の雰囲気ガスのガス循環路を構成するように中空に形成されており、ベース11の上面には、オープンコイル9の金属帯間の隙間とベース11の内部とを連通するように開口が形成されている。
ガス供給手段2には、ガス発生源20、ガス供給配管21、ガスヒータ22、及びガス供給制御弁23が設けられている。ガス発生源20は、ブルーイング処理に用いられる雰囲気ガスを発生するものである。この雰囲気ガスとしては、例えば水素5〜15%、残部窒素から成る混合ガス等が用いられる。ガス供給配管21は、ガス発生源20と内カバー12の内部空間とを接続する配管である。このガス供給配管21は、ベースフレーム10を貫通しており、内カバー12の内部空間の底部から雰囲気ガスを放出する。すなわち、ガス発生源20からの雰囲気ガスは、内カバー12の内部空間に供給される。ガスヒータ22は、ガス供給配管21に設けられたヒータであり、ガス発生源20からの雰囲気ガスをある程度加熱した上で内カバー12の内部空間に供給するためのものである。ガス供給制御弁23は、ガス供給配管21に設けられた電磁弁であり、内カバー12の内部空間への雰囲気ガスの供給を制御するためのものである。
ガス循環手段3は、ベース11の内部に配置された羽根車30と、羽根車30を回転駆動するガス循環用駆動モータ31とから構成されている。このガス循環手段3は、内カバー12の内部空間において雰囲気ガスを循環させるためのものである。すなわち、内カバー12の内部空間内の雰囲気ガスは、図1において破線の矢印にて示すように、オープンコイル9の上部からオープンコイル9の金属帯間の隙間に進入され、オープンコイル9の下部からベース11の上面の開口を通ってベース11の内部に進入され、ベース11の側部からオープンコイル9の外周面と内カバー12の内壁面との間の空隙に放出され、再びオープンコイル9の上部からオープンコイル9の金属帯間の隙間に進入される。
加熱手段4は、外カバー13の周方向に沿って互いに間隔を置いて配置された複数のガスバーナにより構成されている。この加熱手段4は、内カバー12を加熱することにより、内カバー12の内部空間内の雰囲気ガスを介してオープンコイル9を加熱するものである。すなわち、加熱手段4は、ブルーイング処理におけるオープンコイル9の熱処理を行うためのものである。
水蒸気供給手段5には、水蒸気発生源50、水蒸気供給配管51、及び水蒸気供給制御弁52が設けられている。水蒸気発生源50は、水蒸気を発生させるためのものであり、例えば貯水タンク及びヒータ等により構成されている。水蒸気供給配管51は、水蒸気発生源50とガス供給配管21とを接続するための配管である。すなわち、水蒸気発生源50で発生された水蒸気は、内カバー12の内部空間に供給される雰囲気ガスに混合される。水蒸気供給制御弁52は、水蒸気供給配管51に設けられた電磁弁であり、雰囲気ガスへの水蒸気の混合を制御するものである。すなわち、水蒸気供給手段5は、内カバー12の内部空間における雰囲気ガスの露点制御を行うためのものである。
ガス排出手段6には、ガス排気配管60及びシールポット61が設けられている。ガス排気配管60は、内カバー12の内部空間の底部に開口を有するようにベースフレーム10を貫通して設けられた配管であり、内カバー12の内部空間から雰囲気ガスを排気するためのものである。このガス排気配管60から排気される雰囲気ガスの量は、ガス供給手段2によって内カバー12の内部空間に供給される雰囲気ガスの供給量に見合う量である。ガス排気配管60から排気される雰囲気ガスは、シールポット61を経て大気中に放出される。
センサ手段7は、ブルーイング処理の制御に必要とされる値を検出するためのものである。このセンサ手段7には、温度計70及び露点計71が設けられている。温度計70には、外カバー13の上部に設けられている炉頂温度測定センサ70a、及びオープンコイル9の下端面に当接して設けられているコイル温度測定センサ70bが含まれている。これら炉頂温度測定センサ70a及びコイル温度測定センサ70bは、熱電対により構成される。露点計71は、例えば雰囲気ガス中の水分をセンサ素子に吸着させて、そのときのインピーダンス変化を検出して露点を測定するものである。この露点計71は、ガス供給配管21に水蒸気供給配管51が接続されている位置よりも下流側(ベースフレーム10側)の位置でガス供給配管21に接続されている。
制御手段8は、プログラムや処理に用いられるパラメータ等の情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている情報を用いて演算処理を行う演算部とを有するコンピュータである。図1では接続関係の図示を省略しているが、制御手段8は、ガス供給制御弁23、ガス循環用駆動モータ31、加熱手段4、水蒸気供給制御弁52、温度計70、及び露点計71に接続されており、これらの構成の動作制御を行うことによりオープンコイル9のブルーイング処理の制御を行うものである。
次に、図2は、図1の熱処理炉を用いて実施されるブルーイング金属帯の製造方法を示す説明図であり、本実施の形態におけるオープンコイル9の熱処理と熱処理炉内の雰囲気ガスの露点制御との関係を示すグラフである。まず、図1の熱処理炉を用いてブルーイング金属帯の製造する場合、図1に示すようにオープンコイル9を熱処理炉内に装入する。具体定期には、内カバー12及び外カバー13を取り外した状態でベース11上にオープンコイル9を載置し、内カバー12によりベース11及びオープンコイル9を覆うとともに、外カバー13により内カバー12を覆う。
オープンコイル9を熱処理炉内に装入した後に、制御手段8の制御により、図2に示すオープンコイル9の熱処理が開始される。本実施の形態におけるオープンコイル9の熱処理は、加熱期間100、均熱期間200、及び冷却期間300により構成されている。加熱期間100は、熱処理炉内でのオープンコイル9の温度が例えば400度等の設定温度に達するまで熱処理炉内を加熱する期間である。均熱期間200は、加熱期間100の後、すなわちオープンコイル9の温度が設定温度に達した後に、オープンコイル9の温度を設定温度で維持する期間である。冷却期間300は、均熱期間200の後、すなわちオープンコイル9の温度を設定温度で所定時間維持した後に、オープンコイル9の温度を下げる期間である。この実施の形態では、冷却期間300は、外カバー13を開放した状態で実施する。但し、熱処理炉内への熱の供給を停止した状態でオープンコイルの温度を熱処理炉内で徐々に下げる在炉冷却期間を冷却期間300内に含ませてもよい。
このような熱処理が行われるときに、制御手段8により水蒸気供給制御弁52の動作が制御されることで(熱処理炉内への水蒸気の供給が制御されることで)、内カバー12内の雰囲気ガスの露点が制御される。この実施の形態では、図2に示すように、オープンコイル9の熱処理を行う際に、均熱期間200中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行う。この露点範囲とは、酸化皮膜の生成に適した雰囲気ガスの露点の範囲であり、例えば40度〜60度等の範囲(好ましくは45度)である。雰囲気ガスの露点が露点範囲の下限値未満である場合には、金属帯表面での酸化皮膜の生成が進まず、雰囲気ガスの露点が露点範囲の上限値を超える場合には、酸化皮膜の生成を制御することが難しくなる。すなわち、この実施の形態では、金属帯表面での酸化皮膜の生成が均熱期間200中にのみ行われるようにしている。なお、図中の露点付加とは、雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上とされている状態を指す。
制御手段8の制御動作についてより具体的に説明すると、以下の通りである。
すなわち、制御手段8は、オープンコイル9の熱処理を開始した後に、オープンコイル9の温度が設定温度に達するか否かを温度計70からの信号に基づいて判定し、オープンコイル9の温度が設定温度に達するまで加熱手段4により内カバー12を加熱する(加熱期間100の熱処理を実施する)。このとき、制御手段8は、雰囲気ガスの露点が露点範囲の下限値未満となるように、露点計71からの信号に基づいて水蒸気供給制御弁52の開度を制御する。
すなわち、制御手段8は、オープンコイル9の熱処理を開始した後に、オープンコイル9の温度が設定温度に達するか否かを温度計70からの信号に基づいて判定し、オープンコイル9の温度が設定温度に達するまで加熱手段4により内カバー12を加熱する(加熱期間100の熱処理を実施する)。このとき、制御手段8は、雰囲気ガスの露点が露点範囲の下限値未満となるように、露点計71からの信号に基づいて水蒸気供給制御弁52の開度を制御する。
その次に、オープンコイル9の温度が設定温度に達したことを検出した場合、制御手段8は、オープンコイル9の温度が設定温度で維持されるように、加熱手段4による加熱を抑える(均熱期間200の熱処理を開始する)。このとき、制御手段8は、雰囲気ガスの露点が露点範囲の下限値以上かつ上限値以下となるように、露点計71からの信号に基づいて水蒸気供給制御弁52の開度を制御する(露点付加制御)。
制御手段8は、所定時間の間、均熱期間200の熱処理及び露点付加制御を実施した後に、加熱手段4による熱処理炉への熱の供給を停止し、冷却期間300による熱処理を実施する。このとき、制御手段8は、雰囲気ガスの露点が露点範囲の下限値未満となるように、露点計71からの信号に基づいて水蒸気供給制御弁52の開度を制御する。
次に、実施結果を示す。本出願人は、以下の表1に示す実施条件により、本実施の形態のブルーイング金属帯の製造方法を実施した。図3は、図2のブルーイング金属帯の製造方法の実施結果を示すグラフであり、表1の露点付加時間の平方根と酸化皮膜厚みの平均値との関係を示している。図3に示すように、酸化皮膜厚みの平均値は、露点付加時間の平方根(露点付与時間は雰囲気ガスの露点を露点範囲の下限値以上かつ上限値以下とする時間)の増減に比例して変化することが分る。すなわち、露点付加時間を変更することで、酸化皮膜の厚みを調節することができることが確認できた。
次に、図4は、図3の条件(2)の実施結果のデータをより詳細に示すグラフであり、酸化皮膜厚みの分布を示している。図において、着色して示すものは、本発明の製造方法の実施結果であり、白抜きで示すものは、比較対象としての従来方法の実施結果である。なお、従来方法の実施には、本発明の製造方法と同じ露点付加時間を適用している。図4に示すように、従来方法を適用した場合には標準偏差が0.29であったが、本発明の製造方法を適用した場合には標準偏差を0.23まで低減できた。すなわち、本発明の製造方法を適用することで、従来方法に比べて酸化皮膜厚みのバラツキを抑えることができた。
このようなブルーイング金属帯の製造方法では、オープンコイル9の熱処理を行う際に、均熱期間200中にのみ雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、熱処理炉内への水蒸気の供給制御を行うので、処理温度が変動するときに酸化皮膜が生成されることを回避できる。これにより、処理温度の変動による酸化皮膜の生成のバラツキを抑えることができ、酸化皮膜の厚みを精度良く調節できる。
9 オープンコイル
100 加熱期間
200 均熱期間
300 冷却期間
100 加熱期間
200 均熱期間
300 冷却期間
Claims (1)
- コイル半径方向に沿って互いに間隔をあけて金属帯が巻かれているオープンコイル(9)を熱処理炉内に装入し、前記熱処理炉内への水蒸気の供給を制御することにより前記熱処理炉内の雰囲気ガスの露点を制御しつつ、前記オープンコイル(9)の熱処理を行うブルーイング金属帯の製造方法であって、
前記オープンコイル(9)の熱処理を、前記熱処理炉内での前記オープンコイル(9)の温度が設定温度に達するまで前記熱処理炉内を加熱する加熱期間(100)と、前記加熱期間(100)の後に前記オープンコイル(9)の温度を前記設定温度で維持する均熱期間(200)と、前記均熱期間(200)の後に前記オープンコイル(9)の温度を下げる冷却期間(300)とにより構成し、
前記オープンコイル(9)の熱処理を行う際に、前記均熱期間(200)中にのみ前記雰囲気ガスの露点が所定の露点範囲の下限値以上となるように、前記熱処理炉内への前記水蒸気の供給制御を行うことを特徴とするブルーイング金属帯の製造方法。
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