JP5365864B2 - 鋼帯の連続熱処理炉及びその操業方法 - Google Patents

鋼帯の連続熱処理炉及びその操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼帯の連続熱処理炉及びその操業方法に係わり、特に、連続溶融亜鉛めっきを施す鋼帯に用いられる連続熱処理炉内で、該鋼帯を支持するために配置されたハースロールの表面に、鋼帯からスケールが転写して焼付くのを防止するのに有効な技術に関する。
例えば、鋼帯に溶融亜鉛めっきを施すに際しては、該鋼帯に所定の機械的特性を与えるため、事前に鋼帯を加熱、冷却して熱処理する必要があり、垂直方向に通板する縦型及び水平方向に通板する横型の連続熱処理炉が一般に用いられている。
このうち、横型連続熱処理炉は、図3(a)及び(b)に模式的に示すように、水平な配置の加熱帯を、ガスバーナ1で鋼帯2を直接加熱する直火炉3と、ラジアント・チューブ4により加熱する輻射炉5(Radiant Tube Heating の略で、通称RTHという)とで構成すると共に、保持帯(Holding Sectionの略で、HSという)と、ガス噴射冷却装置6(Jet Coolingの略で、JCという)とで構成する冷却帯を有している。なお、該直火炉3は、無酸化炉(Non Oxidizing Furnace の略で、通称NOFという)とも称されている。
そして、これらの炉内を連続的に通過(通板という)する鋼帯2は、ハースロール7と称し、小径で円筒状の回転体を多数配置して支持されている。このハースロール7には、材質がSUS304,SUS430のステンレス鋼製で、以前は、単に円筒状になった非水冷方式のものが使用せれていたが、現在は、理由を後述するが、内部に通水が可能なジャケット(図示せず)で形成されている水冷方式のものも利用されている。なお、図3(b)中の「#301」等の記号は、ハースロール7に指定した番号である。
ところで、鋼帯2は、該ハースロール7の上を通板する際に加熱、冷却されて熱処理(例えば、焼鈍等)が行われるので、長い焼鈍時間を得ようとすると、炉体の長さが長大となる。そこで、炉体長さを短縮するため、図3(a)及び(b)に示したように、加熱帯の入側に、加熱能力が高い直火炉3が配置されているのである。
この直火炉3では、鋼帯2は、ガスバーナ1で600〜700℃程度まで直接加熱される。該ガスバーナ1は、燃料であるCOGガスと空気との比(空気比)を1.0以下に、鋼帯2を酸化させない配慮をして設計されているが、実際には、直火炉3内は弱酸化性であり、通板中に鋼帯2の表面がわずかに酸化され、薄い酸化鉄(スケールという)の層が生じる。そのため、図2に示すように、通板中に、前記スケール層8がハースロール7の表面に転写して焼付き(ピックアップともいう)、硬い凹凸状の表面を形成する。従って、それ以降にハースロール7に支持され通板される鋼帯2の表面には、押し疵と称する欠陥が発生し、製品鋼帯の表面品質を悪化させるという問題が起きる。
このような問題を解決するため、従来より、ハースロール7の内部を冷却してピックアップを防止することが行われていた。ところが、水冷を行うと、ハースロール7の表面温度が低下して前記スケールの焼付きは防止できるが、熱も奪われて炉内の雰囲気温度や鋼帯2の温度も低下するので、それら温度の維持を図ると、燃料原単位が上昇するというデメリットもある。
そこで、かかる温度低下を抑えるため、ハースロール7の円筒状胴部の内部に通水し、冷却を行う水冷ロールにおいて、胴部内壁に断熱材を0.5〜3.0mmの厚みでコーティングした水冷ロールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、水冷ハースロールの外周面温度を炉内雰囲気温度に対応して個別に調節する技術もある。その際、外周面温度を750〜800℃に調節しているが、熱ロスを考慮し、750℃を下限としている(例えば、特許文献2参照)。さらに、連続熱処理炉のうちのRTH炉内に非水冷ハースロールを配置し、該非水冷ハースロールと下方のラジアント・チューブとの間に、ラジアント・チューブからの輻射熱を遮る防熱壁を設置し、炉内や鋼帯に大きな熱損失を与えず、スケールの焼付きを防止する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
このように、水冷ハースロールの使用は、冷却による鋼帯の熱ロスが大きく、熱処理炉の加熱効率が極端に低下することに配慮がなされているし、非水冷ハースロールの使用に対しても工夫を凝らしている。
しかしながら、上記した技術を用いても、スケールの焼付きや炉の燃料原単位についてまだ十分に満足できる成果は得られていないのが現状である。また、水冷ハースロールの配設位置についても明確な考えに基づいているわけではなく、試行錯誤で配置しているに過ぎず、さらなる検討の余地がある。
特開昭52−53711号公報 特開平9−241762号公報 特開2006−307296号公報
本発明は、かかる事情を鑑み、連続熱処理炉の加熱効率を低下せずに、通板中の鋼帯からスケールがハースロール上に転写、焼付くのを防止可能な鋼帯の連続熱処理炉及びその操業方法を提供することを目的としている。特に、横型連続熱処理炉に適用することが好ましい。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。すなわち、本発明は、鋼帯を、酸化性雰囲気で加熱する酸化帯及び還元性雰囲気で加熱する還元帯が順次設けられた加熱帯内に、該鋼帯を支持するハースロールを複数個配設した鋼帯の連続熱処理炉において、Feの酸化が生じる前記酸化帯の位置から、前記酸化帯による酸化量が前記還元帯によるスケールの還元により0になる前記還元帯の位置までの領域のうち、鋼帯温度がFe酸化物のハースロールへの焼結が生じる温度以上となる部分のみに水冷方式のハースロールを配置することを特徴とする鋼帯の連続熱処理炉である。
また、本発明は、鋼帯を、酸化性雰囲気で加熱する酸化帯及び還元性雰囲気で加熱する還元帯が順次設けられた加熱帯内に、該鋼帯を支持するハースロールを複数個配設した鋼帯の連続熱処理炉において、下記(1)式で定まるFeの酸化が生じる前記酸化帯の位置から、下記(1)式で定まる前記酸化帯による酸化量が下記(2)式で定まる前記還元帯によるスケールの還元により0になる前記還元帯の位置までの領域のうち、鋼帯温度がFe酸化物のハ−スロールへの焼結が生じる温度以上となる部分のみに水冷方式のハースロールを配置することを特徴とする鋼帯の連続熱処理炉である。
酸化の式
={7750exp[−2970/RT]}×to+(0.66T)−186)×(72/16) ・・(1)
還元の式
Y=9.55×10−21×t 0.19×T6.98×H 1.26×H−0.03 ×10 ・・(2)
ここで、
X:酸化量(mg/m)、to:酸化時間(sec)、
R:気体定数[=1.99](cal/molK)、T:酸化温度[=鋼帯温度](K)
Y:還元量(mg/m)、t:還元時間(sec)、
T:還元温度[=鋼帯温度](℃)、H:H濃度[=10vol%で一定]、
O:HO濃度「=1vol%で一定」
この場合、前記焼結が生じる温度が713℃であることが好ましい。あるいは、前記酸化帯が鋼帯をガスバーナで加熱する直火炉であり、前記還元帯が鋼帯をラジアントチューブで加熱する輻射炉であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記記載の鋼帯の連続熱処理炉の操業方法であって、水冷方式のハースロールの表面温度を713℃未満になるように、ハースロールへの通水量を調整することを特徴とする鋼帯の連続熱処理炉の操業方法でもある。
本発明では、加熱帯を通板する際のスケールの生成量(酸化量ともいう)及び消滅量(還元量ともいう)を考慮し、加熱帯でのスケールの焼結領域を推定すると共に、その領域のみに水冷方式のハースロールを配置するようにしたので、水冷ハースロールの配置についての考え方が明確になるばかりでなく、熱ロスとなる水冷ハースロールの数が従来より低減され、鋼帯への熱ロスの影響を最小限とし、熱処理炉の加熱効率低下を防ぐことが可能になる。
さらに、加熱帯に配置した水冷方式のハースロールの表面温度を、鋼帯の表面で形成され、ハースロールの表面へ転写するスケールの焼結温度である713℃未満に調整するようにしたので、転写したスケールのハースロールへの焼き付き(ピックアップ)を防止する。
本発明により決まる加熱帯でのスケールの焼結領域とハースロールの配置を説明する図である。 ハースロールの表面に焼付いたスケールの状態を示す図である。 横型連続熱処理炉を説明する模式図であり、(a)は炉全体を、(b)は加熱帯を示している。 鋼帯の酸化実験で、酸化温度と酸化時間の酸化量に及ぼす影響を調査した結果を示す図である。
以下、発明をなすに至った経緯を含め、本発明の実施の形態を説明する。
まず、発明者は、鋼帯の表面と直火炉の炉内雰囲気中に残留している酸素との反応で生じるスケール(酸化鉄)が、ハースロール7に転写し、焼付いた状態(図3参照)を更に調査した。その調査は、スケールの焼付きが多い輻射炉5内のハースロール7について行った。 スケールを化学分析した結果、ハースロール7に焼付いているスケールの表層には、還元された鉄層(Fe:83 mass%,O:10 mass%,Ca:3 mass%)が存在し、その下層に酸化鉄としてウスタイト(Fe:71 mass%,O:29 mass%)が存在していることがわかった。還元された鉄層が存在する理由は、前記輻射炉5は還元雰囲気であり、直火炉3で形成した酸化鉄が還元されて鉄に戻るためである。そして、主要な酸化鉄の粉末の焼結温度を別途実験で求めたところ、表1に示す結果が得られた。ハースロール7に直接焼付いている酸化鉄は、上記のようにウスタイトであったので、表1より、その焼付きを回避するには、ハースロール7の表面温度を713℃未満にすれば良いことがわかった。この値は、特許文献2に記載された750℃とは異なり、かなり低目である。
Figure 0005365864
ハースロール7の表面温度を713℃未満にするには、水冷方式のハースロールが必須であり、その場合、図示していないが、ジャケット内への冷却水の通水量で温度コントロールを行うことになる。また、713℃未満になると、特許文献2記載の750℃の場合に比べ、鋼帯2から奪う熱量が増加する。そのため、加熱帯の加熱効率の低下が生じるので、その低下をできるだけ少なくすることが望ましい。従って、本発明では、管理対象の温度を(713−α)℃とし、このαが極小になるように、具体的には、ジャケットへ送る冷却水の配管に設けたバルブの開閉程度を温度計からの指示で自動的に調整することで行うのがさらに好ましい。
さらに、発明者は、鋼帯の熱ロスを少なくし、熱効率の向上を図るには、スケールの焼付きが起きる領域(焼結領域という)にのみ、水冷方式のハースロールを配置することを着想した。つまり、本発明は、Feの酸化が生じる前記酸化帯の位置から、前記酸化帯による酸化量が前記還元帯によるスケールの還元により0になる前記還元帯の位置までの領域のうち、鋼帯温度がFe酸化物のハースロールへの焼結が生じる温度以上となる部分のみに水冷方式のハースロールを配置する鋼帯の連続熱処理炉である。そして、引き続きスケールの焼結領域の推定を行った。
まず、酸化性雰囲気で加熱する酸化帯、好適には直火炉3内での鋼帯2の酸化量、つまりスケールの生成量、及び還元性雰囲気で加熱する還元帯、好適には輻射炉5内での還元量、つまり生成したスケールを鉄に戻すスケールの消滅量から、残留するスケール量を求める実験を行った。それは、酸化温度と酸化時間の酸化量に及ぼす影響並びに輻射炉5内の鋼帯温度、雰囲気中の水素濃度及び還元時間のスケール還元量に及ぼす影響を調査するものであり、その実験結果は、酸化量及び還元量を表す式として得られる。
酸化実験では、CO/CO=0.11,O=0.015 vol%のガス雰囲気で酸化温度と酸化時間の酸化量に及ぼす影響を検討し、図4を得た。図4より、鋼帯2の酸化量は、酸化温度及び酸化時間に比例して増加するが、高温、長時間になるほど酸化物の増加量が少なくなる。つまり、酸化速度は、所謂「速度論」でいう放物線則に従うことが明らかである。そこで、横軸を(1/RT)、縦軸をX(実験値)として実験データを整理したところ,下記(1)式を得た。
一方、H=10vol%、HO濃度=1vol%、残部N−Hの雰囲気中の加熱によるスケールの還元実験で得たデータを回帰分析で整理して下記(2)式を得たので、酸化量から還元量を差し引くと、輻射炉5内加熱中に残留するスケール量(酸化量)が求まることになる。
酸化の式
={7750exp[−2970/RT]}×to+(0.66T)−186)×(72/16) ・・(1)
還元の式
Y=9.55×10−21×t 0.19×T6.98×H 1.26×H−0.03 ×10 ・・(2)
ここで、
X:酸化量(mg/m)、to:酸化時間(sec)、
R:気体定数[=1.99](cal/molK)、T:酸化温度[=鋼帯温度](K)
Y:還元量(mg/m)、t:還元時間(sec)、
T:還元温度[=鋼帯温度](℃)、H:H濃度[=10vol%で一定]、
O:HO濃度「=1vol%で一定」
なお、酸化量は、酸化処理した鋼板の酸素の湿式分析結果より蛍光X線分析による検量線を作成し、この検量線を用いて蛍光X線分析により酸素を定量し、酸化量を求めた。
酸化量:Xは、直火炉3内での酸化時間:to及び鋼帯2の温度Tに依存し、このTも酸化時間によって変化する。そこで、実際の計算では、toが1秒経過すると温度が変化すると仮定し、最初は(1)式のtoを1秒で一定として、板温をある一定値にしてX(酸化量)を計算し、次いで、板温を高くして再度Xを計算し、前回の計算値に後の計算値を加えて積算し、二回目の酸化量とする。以降は、このような計算を順次繰り返して、図1の酸化量の最大値へと向う。
一方、還元量:Yは、輻射炉5内では還元温度:T(鋼帯温度)の昇温状況を考慮し、還元時間:tを複数の水準変化させて各還元時間での還元量を求め、前記最大の酸化量から差し引き、残存するスケール量(酸化量)とし、残存スケール量(酸化量)が0になるまで、同様の計算を繰り返す。図1の鋼板表面スケール量は、このような計算で推定したものである。
この図1より、発明者らは、「直火炉3及び輻射炉5にまたがり、鋼帯表面にスケールが存在している領域がハースロール7にスケールの焼付きが起きる恐れがある」と判断した。そして、その領域は、上記推定計算による図1の結果で明らかなように、#305のハースロールから#311のハースロールの間の領域であると推定された。さらに、この領域のうち、鋼帯温度がスケール(Fe酸化物)のハースロールへの焼結が生じる温度以上となる部分のみがハースロール7にスケールの焼付きが生じると考えた。また、前述の通り、スケールの主成分はウスタイトであることから、上記Fe酸化物の焼結が生じる温度は713℃とすることがさらに好ましい。
そこで、発明者は、加熱帯の全体に配設するハースロールのうち、上記Fe酸化物の焼結部分にのみ、水冷方式のものを配置し、他の位置には、非水冷方式のものを配置することが鋼帯の熱ロスを抑制する上で最も良いと結論し、この考えを連続熱処理炉に具現化して本発明としたのである。この様子を、図1に、水冷方式のハースロールを●印で、非水冷方式のハースロールを○印で表すことで示した。
従来は、水冷式のハースロールの配設に対する考え方が不明確で、配設する個数が過剰になる傾向があったが、本発明により、水冷方式のハースロールの配設が適切になり、配設個数の低減による鋼帯2の加熱効率の向上が達成できる。
また、本発明では、鋼帯2の通板速度は特に限定するものではない。亜鉛めっき用素材以外の鋼帯2にも本発明を適用できるからである。ただし、鋼帯2が亜鉛めっき用の素材である場合には、通板速度が30〜80m/minであることが好ましい。現在亜鉛めっきを施す前の連続熱処理に適用され、スケール焼付に起因する不具合をほぼ100%防止できている速度だからである。
また、発明者は、鋼帯の連続熱処理炉の操業方法として、前記で限定した領域内にのみ配置した水冷方式のハースロールの表面温度を713℃未満、さらに好ましくは(713−α)℃とし、且つ該αが極小になるように、ハースロール7への通水量を調整することが好ましい。その根拠は、前記したので、ここでは省略する。
鋼帯2に溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき設備(ライン)に付帯した図3(b)に示す横型連続熱処理炉で、めっき前の鋼帯2に熱処理として焼鈍を行った。素材のコイル状鋼帯は、幅600〜1600mm×板厚0.4〜2.0mmであり、コイルをアンコイラで巻き戻して通板させ、目標鋼帯温度を890℃として焼鈍した。その際、鋼帯2の通板速度は、40m/minとした。また、横型連続熱処理炉の加熱帯(長さ:80m)には22個のハースロールが配設され、そのうちの多くは非水冷としたが、水冷方式のものの配置位置と個数を変更して、該水冷ハースロールの表面温度を冷却水の通水量を調整することで試験操業を試みた。
なお、本発明の適用に際しては、水冷ハースロールの配置位置を、前記したように、鋼帯2へのスケールの生成が始まる前記直火炉3内の進行方向位置と、上記(1)式で定まる鋼帯2の酸化量が上記(2)式で定まるスケールの還元量で0になる前記輻射炉5内の進行方向位置とで決定した。
さらに、通水量の調整は、各水冷ハースロールの表面温度を連続的に測定し、目標温度を設定し、自動的に水配管のバルブを開閉するようにした。これらの試験結果は、水冷ハースロールの表面へのスケール焼付きの有無と、加熱効率として燃料原単位の大小で評価することにした。
スケール焼付き評価基準
△:#309、#311ハースロールに軽度の焼付き発生
○:焼付き発生なし
燃料原単位評価基準
大(劣)△>○>◎ 小(優)
水冷ハースロールの配置位置及び個数に応じた試験結果を表2に一括して示す。表2より、本発明を適用すると、水冷ハースロールの配置個数が3個減ったのもかかわらず、スケールの焼付きは皆無で、且つ燃料原単位の低減が達成できることが明らかである。
Figure 0005365864
1 ガスバーナ
2 鋼帯
3 直火炉
4 ラジアントチューブ
5 輻射炉
6 ガス噴射冷却装置
7 ハースロール
8 スケール層
9 鋼帯の進行方向を示す矢印

Claims (5)

  1. 鋼帯を、酸化性雰囲気で加熱する酸化帯及び還元性雰囲気で加熱する還元帯が順次設けられた加熱帯内に、該鋼帯を支持するハースロールを複数個配設した鋼帯の連続熱処理炉において、
    Feの酸化が生じる前記酸化帯の位置から、前記酸化帯による酸化量が前記還元帯によるスケールの還元により0になる前記還元帯の位置までの領域のうち、鋼帯温度がFe酸化物のハースロールへの焼結が生じる温度以上となる部分のみに水冷方式のハースロールを配置することを特徴とする鋼帯の連続熱処理炉。
  2. 鋼帯を、酸化性雰囲気で加熱する酸化帯及び還元性雰囲気で加熱する還元帯が順次設けられた加熱帯内に、該鋼帯を支持するハースロールを複数個配設した鋼帯の連続熱処理炉において、
    下記(1)式で定まるFeの酸化が生じる前記酸化帯の位置から、下記(1)式で定まる前記酸化帯による酸化量が下記(2)式で定まる前記還元帯によるスケールの還元により0になる前記還元帯の位置までの領域のうち、鋼帯温度がFe酸化物のハ−スロールへの焼結が生じる温度以上となる部分のみに水冷方式のハースロールを配置することを特徴とする鋼帯の連続熱処理炉。
    酸化の式
    ={7750exp[−2970/RT]}×to+(0.66T)−186)×(72/16) ・・(1)
    還元の式
    Y=9.55×10−21×t 0.19×T6.98×H 1.26×H−0.03 ×10 ・・(2)
    ここで、
    X:酸化量(mg/m)、to:酸化時間(sec)、
    R:気体定数[=1.99](cal/molK)、T:酸化温度[=鋼帯温度](K)
    Y:還元量(mg/m)、t:還元時間(sec)、
    T:還元温度[=鋼帯温度](℃)、H:H濃度[=10vol%で一定]、
    O:HO濃度「=1vol%で一定」
  3. 前記焼結が生じる温度が713℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼帯の連続熱処理炉。
  4. 前記酸化帯が鋼帯をガスバーナで加熱する直火炉であり、前記還元帯が鋼帯をラジアントチューブで加熱する輻射炉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼帯の連続熱処理炉。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼帯の連続熱処理炉の操業方法であって、
    水冷方式のハースロールの表面温度を713℃未満になるように、ハースロールへの通水量を調整することを特徴とする鋼帯の連続熱処理炉の操業方法。

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