JP2012131984A - 電子材料用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
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さらに詳しくは、電子材料の製造において、その表面の研磨の後の砥粒、研磨屑の除去
に好適な洗浄剤及び該洗浄液を使用した電子材料の製造方法に関する。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリーおよび発生した研磨屑等のパーティクルをリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルを後工程の洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
これらの問題点を解決するには、各段階で行われる研磨工程の終了時に砥粒や研磨屑が除去されていることが必要であり、このような残留物除去のために、高性能な洗浄剤が必要となってきている。
この研磨工程においても、砥粒や研磨屑の付着の問題があり、高性能な洗浄剤が必要となってきている。
例えば、ポリアクリル酸ナトリウム塩等のアニオン性高分子界面活性剤を用いて、アルミナ砥粒の除去性を向上させる方法(特許文献1)、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤とグリコールエーテルを用いて、ダイヤモンド砥粒の除去性を向上させる方法(特許文献2)が提案されている。
すなわち、界面活性剤の残留は、砥粒に対する洗浄性を低下させるだけでなく、たとえ微量であっても基板表面の濡れ性を変えるため、例えば磁性膜のスパッタリングの不均一性や、縞・スポットの発生等の重大な悪影響を与え、高記録密度化を困難にする。
すなわち、本発明は、還元剤としての特定の化学構造を有するまたはこの塩を0.01〜10重量%と水を必須成分として含有し、1重量%水溶液の25℃における表面張力が50mN/m以下である界面活性剤(B)の含有量が0.01重量%未満である電子材料用洗浄剤である。
そのため、高記録密度化で要求され、例えば、磁性膜を均一にスパッタリングするために要求される清浄度の高い電子材料を提供することができる。
しかし、本発明の電子材料用洗浄剤は、還元性があるので鉄等の3価の金属塩の析出を抑える効果があるため、基板上の凹凸(ピットの発生等)を抑えることができ、磁気特性を悪化させない。
特に好ましいのは磁気ディスク用アルミニウム基板およびNi−Pメッキが施された磁気ディスク用アルミニウム基板である。
また、本発明の電子材料用洗浄剤は使用する際にさらに水で希釈してもよく、使用時のフェノール系化合物(A)またはその塩の含有量は、0.001〜5重量%であり、洗浄性の観点でさらに好ましくは0.01〜1重量%である。
界面活性剤(B)を0.01重量%以上含む場合、流水リンスで除去しにくくなり基板に残留する恐れがある。その結果として磁性膜のスパッタリングが不均一となるため好ましくない。
イオン性界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩、石鹸、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、スルホコハク酸塩、硫酸化油、エーテルカルボン酸塩、アルキル第4級アンモニウム塩、イミダゾリニウムベタイン、アミドプロピルベタイン、アルキルアミン塩等のうち、1重量%水溶液の表面張力が50mN/m以下のものが挙げられる。
これらのうち、洗浄性の観点でHEDP、DTPAが好ましい。
レダクトン類(D)としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、L−アスコルビン酸のエステル基開環化合物;これらのエステル(L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸イソパルミチン酸エステル、イソアスコルビン酸リン酸エステル、イソアスコルビン酸パルミチン酸エステル、イソアスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル);これらの塩(例えばL−アスコルビン酸ナトリウム塩、L−アスコルビン酸カリウム塩、L−アスコルビン酸アミン塩等)等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、L−アスコルビン酸およびL−アスコルビン酸の塩である。
本発明の電子材料用洗浄剤の使用時のpHは1〜12であり、液の安定性の観点から、好ましくは3〜10、特に好ましくは4〜8である。
しかし、磁気ディスク基板に限定するものではなく、砥粒のスラリーや研磨屑を除去する必要がある電子材料の製造であれば、広く電子材料の製造に有用である。
(1)ガラスブランクス基板をラッピング後、流水ですすいでガラス基板を作成する。
(2)基板を研磨装置にセットし、酸化セリウムを含む研磨スラリーで基板を研磨する。
(3)研磨後の基板を流水ですすいだ後に基板を研磨装置から取り出し、本発明の洗浄剤を用いてディップもしくはスクラブ洗浄した後再度流水ですすぐ。
(4)再び基板を研磨装置にセットし、コロイダルシリカを含む研磨スラリーで基板を研磨する。
(5)研磨後の基板を超純水で流水リンスしてすすいだ後に基板を研磨装置から取り出し、本発明の洗浄剤を用いてディップもしくはスクラブ洗浄した後再度流水ですすぐ。
撹拌装置及び温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール200部(1.1モル部)及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド(以下、TMAHと略記)の25%水溶液10部(0.027モル部)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。EO430部(9.8モル部)を、反応温度を100℃に制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成物を得た。この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下に、150℃で2時間保持して、残存するTMAHを分解及び除去し、比較例2〜4の配合のためのノニオン性界面活性剤であるラウリルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物(B−1)630部を得た。なお、1重量%の25℃における表面張力は30mN/mである。
撹拌装置及び温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアミン185部(1.0モル部)及び25%TMAH水溶液3.6部(0.01モル部)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。EO264部(6.0モル部)を、反応温度を100℃に制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成物を得た。この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下、150℃で2時間保持して、残存するTMAHを分解及び除去し、ノニオン性界面活性剤であるラリルアミンエチレンオキサイド6モル付加物(B−3)445部を得た。なお、1重量%の25℃における表面張力は35mN/mである。
温調及び攪拌が可能な反応容器にイソプロピルアルコール300部及び超純水100部を仕込み、反応容器内を窒素で置換後、75℃に昇温した。30rpmで撹拌下、アクリル酸の75%水溶液407部及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートの15%イソプロピルアルコール溶液95部を3.5時間かけて同時に滴下した。
滴下終了後、75℃で5時間撹拌した後、系内が固化しないように超純水間欠的に投入し、イソプロピルアルコールが検出できなくなるまで水とイソプロピルアルコールの混合物を留去した。得られたポリアクリル酸水溶液を、DBU450部でpHが7.0になるまで中和し、減圧乾燥することにより、ポリアクリル酸DBU塩(B’−1)を得た。なお、1重量%の25℃における表面張力は71mN/mである。
温調及び還流が可能な攪拌装置付き反応容器にエチレンジクロライド100部を仕込み、攪拌下、窒素置換した後に90℃まで昇温し、エチレンジクロライドを還流させた。スチレン120部と、予め2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.7部をエチレンジクロライド20部に溶かした開始剤溶液を、それぞれ別々に6時間かけて反応容器内に同時に滴下し、滴下終了後更に1時間重合を行った。重合後、窒素シール下で20℃に冷却した後、温度を20℃にコントロールしながら無水硫酸105部を10時間かけて滴下し、滴下終了後更に3時間スルホン化反応させた。反応後、溶媒を留去し固化させた後、超純水345部を投入して溶解し、ポリスチレンスルホン酸水溶液を得た。得られたポリスチレンスルホン酸水溶液を25%TMAH水溶液(約400部)でpHが7になるまで中和し、乾燥することにより、アニオン性界面活性剤であるポリスチレンスルホン酸TMAH塩(B’−3)を得た。なお、1重量%の25℃における表面張力は71mN/mである。
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩(B−2):三洋化成工業製「サンモリンOT−70」(1重量%の25℃における表面張力:25mN/m)
ポリアクリル酸ナトリウム塩(B’−2):和光純薬工業(1重量%の25℃における表面張力:71mN/m)
表1に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、本発明の洗浄剤および比較のための洗浄剤を得た。
上記洗浄剤をさらに超純水で50倍希釈して、性能試験用のサンプル液を作成した。
なお、本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
研磨剤として市販のコロイダルシリカスラリー(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL80」粒径約80nm)を用いて3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用アルミ基板を以下条件で研磨した。
研磨装置:ナノファクター製「NFD−4BL」
スラリー供給速度:50mL/分
荷重:30g重/cm2
回転数:定盤30rpm、ギア20rpm
研磨時間:5分
また、洗浄液の代わりにブランクとして超純水で同様に試験した。
その際のブランクのパーティクル付着数は520個であった。
以下の判断基準で洗浄性試験を判定し、判定結果を表1に示した。
5:パーティクル付着数がブランクの1/100未満
4:パーティクル付着数がブランクの1/100〜1/20
3:パーティクル付着数がブランクの1/20〜1/5
2:パーティクル付着数がブランクの1/5〜1/2
1:パーティクル付着数がブランクの1/2以上
コロイダルシリカスラリーの代わりに、市販のアルミナスラリー(フジミインコーポレイテッド製「WA#20000」、粒径約0.4μm)を用いた以外は、洗浄性試験−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル付着数は610個であった。
コロイダルシリカスラリーの代わりに、市販のダイヤモンドスラリー(ナノファクター製「1/10PCS−WB2」、粒径約100nm)を用いた以外は、洗浄性試験−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル付着数は480個であった。
3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用アルミ基板の代わりに、2.5インチの市販の磁気ディスク用ガラス基板を用いた以外は、洗浄性試験−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル付着数は540個であった。
市販のコロイダルシリカスラリーの代わりに市販のセリア(酸化セリウム)スラリー(AGCセイミケミカル製「CES−303」、粒径約0.4μm)を用いた以外は、洗浄性試験−4と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル付着数は620個であった。
市販のコロイダルシリカスラリーの代わりに市販のダイヤモンドスラリー(ナノファクター製「1/10PCS−WB2」、粒径約100nm)を用いた以外は、洗浄性試験−4と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル付着数は790個であった。
前述のアルミ基板を、性能試験サンプル液に30℃、5分間浸漬し、1分間超純水で流水リンスした後、窒素気流のブローにより乾燥した。
乾燥後のアルミ基板表面を微分干渉顕微鏡(Nikon社製、OPTIPHOT−2、倍率400倍)で観察し、以下の判定基準で残留防止性の評価をおこなった。
洗浄剤が残留した基板を顕微鏡で観察すると、残留した部分が、縞模様となって見える。そのため、縞模様の有無で、残留防止性を評価できる。
また、ブランクとして超純水で同様に試験した。その際のブランクには縞模様が現れない。
結果を表1に示す。
○:ブランクと同等で、残留物の縞模様がない
×:ブランクと比較して、残留物の縞模様が明らかに見られる
アルミ基板に代えて上記ガラス基板でおこなった以外は残留防止性試験−1と同様に評価した。
また、実施例1〜10の洗浄液は、短い流水リンス時間であっても、洗浄液のアルミ基板、ガラス基板に対する残留防止性が高いことがわかる。
表面張力の低いポリアクリル酸ナトリウムのみからなる比較例3の洗浄剤パーティクルに対する洗浄性が悪く、また、表面張力の低いジアルキルスルホコハク酸ナトリウムを含む比較例4の洗浄剤は、パーティクルに対する洗浄性、基板に対する残留性のいずれもが悪い。
フェノール系化合物でない還元剤と一定濃度以上の界面活性剤を含む比較例5の洗浄剤はパーティクルに対する洗浄性、基板に対する残留性が悪い。
Claims (8)
- 該フェノール系化合物(A)が、多価フェノール系化合物(A1)またはカルボキシル基を含む多価フェノール化合物(A3)である請求項1記載の電子材料用洗浄剤。
- 該フェノール系化合物(A)が、没食子酸またはピロカテコールである請求項1または2記載の電子材料用洗浄剤。
- さらにキレート剤(C)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子材料用洗浄剤。
- さらにレダクトン類(D)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子材料用洗浄剤。
- 該電子材料が、磁気ディスク基板である請求項1〜5のいずれかに記載の電子材料用洗浄剤。
- 該電子材料が、磁気ディスク用アルミニウム基板もしくはニッケル−リンメッキが施された磁気ディスク用アルミニウム基板である請求項1〜6のいずれかに記載の電子材料用洗浄剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子材料用洗浄剤を用いて電子材料を洗浄する工程を含む電子材料の製造方法。
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