JP2011184595A - 硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物 - Google Patents

硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い洗浄性と高い消泡性とが両立され、且つ、高濃度状態での保存安定性が良好な硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物等を提供する。
【解決手段】アルカリ剤(成分A)と、特定のアニオン性界面活性剤(成分B)と、水(成分C)と、テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)と、特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、前記特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン界面活性剤(成分F)と、特定の可溶化剤(成分G)を含有してなり、含有量比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が3/1〜1/3であり、含有量比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が5/1〜1/2である硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物、及びそれを用いて行うガラス表面の洗浄方法に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量と小径化を目的として、記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、ハードディスクの製造工程においても、研磨対象物を研磨して得られる研磨面に要求される清浄度等の表面品質が高くなってきている。
ハードディスクの製造過程には、サブストレート形成工程とメディア工程とが含まれる。サブストレート形成工程では、被研磨基板に対して少なくとも研磨処理と洗浄処理とがこの順で複数回行われることにより、ハードディスク用基板が作製される。前記メディア工程では、必要に応じて研磨によりハードディスク用基板の少なくとも一方の主面に浅い凸凹をつけた後(テクスチャー工程)、洗浄がなされ(洗浄工程)、次いで、前記基板の少なくとも一方の主面側に磁性層が形成される(磁性層形成工程)。
ところで、前記洗浄処理に使用される洗浄剤組成物には、洗浄性および消泡性が優れていることが望まれる。前記洗浄剤組成物では、洗浄性の向上の観点から、アニオン界面活性剤が好ましく使用され、消泡剤として、非イオン性界面活性剤又はシリコン系消泡剤が好ましく使用されることがある(特許文献1〜2参照)。
特開平4−345694号公報 特開平2000−160190号公報
しかし、前記消泡剤を用いると、前記洗浄剤組成物の洗浄性が低下するという問題があった。
また、非イオン性界面活性剤を含む高アルカリ性の洗浄剤組成物では、通常、曇点が発現する。この曇点が低いと、輸送中などの温度変化により製品性状が損なわれる。製品性状が損なわれると、使用時に希釈する際、正常な配合量と比率での使用を保障できず、製品性状の劣化は洗浄不良等を引き起こす原因となる。特に、近年、高い洗浄性への要求とともに、コスト低減化が厳しく要求されるため、予め洗浄剤組成物の濃縮液を作成しておき、使用目的に応じて濃縮液を希釈して使用することが求められているため、高濃度状態で洗浄剤組成物の製品安定性(保存安定性)は必要不可欠な特性となっている。
しかし、従来の洗浄剤組成物では、消泡性を高めると保存安定性が劣るという問題が生じる。
そこで、本発明は、高い洗浄性と高い消泡性とが両立され、且つ、高濃度状態での保存安定性が良好な硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物、及びそれを用いて行うガラス表面の洗浄方法を提供する。
本発明の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物は、
アルカリ剤(成分A)と、
下記一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)と
水(成分C)と、
テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)と、
下記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン界面活性剤(成分F)と、
p-トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2-エチルヘキサン酸、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の可溶化剤(成分G)を含有してなり、
含有量比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が3/1〜1/3であり、
含有量比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が5/1〜1/2である。
Figure 2011184595
ただし、一般式(1)中、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
2−O−(AO)n−H (2)
ただし、一般式(2)中、R2は炭素数3〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、AOは、オキシエチレン基(CH2CH2O)およびオキシプロピレン基(CH2(CH3)CHO)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基であり、nは、平均付加モル数で、1〜20の数である。
本発明のガラス表面の洗浄方法は、水(成分C)以外の成分の含有量が10〜60重量%である本発明の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物の一例を10〜500倍に希釈して得た希釈液で、ガラス表面を有する被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含む。
本発明の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物では、高い洗浄性と高い消泡性とが両立され、且つ、高濃度状態での保存安定性が良好である。故に、本発明の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物を用いたガラス表面の洗浄方法によれば、高度に清浄化されたガラス表面を得ることができる。
本発明の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物(以下、「本発明の洗浄剤組成物」と略称する場合もある。)は、洗浄性の向上に有効ではあるが発泡性が高い、前記一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)を含有する組成において、特定のアセチレンジオール(成分D)と、特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、前記特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル以外の非イオン性界面活性剤(成分F)と、特定の可溶化剤(成分G)とを含有し、前記成分Bの含有量と前記成分Dおよび前記成分Eの含有量の総和との比と、前記成分Fの含有量と前記成分Dおよび前記成分Eの含有量の総和との比とを、各々特定範囲の値とすることで、高い洗浄性と高い消泡性とを両立し、且つ、高濃度状態での高い保存安定性の確保を可能としたものである。
以下、本発明の洗浄剤組成物に含まれる各成分について説明する。
[アルカリ剤(成分A)]
本発明の洗浄剤組成物に含まれるアルカリ剤(成分A)は、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のうちのいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリンからなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。
前記アルカリ剤のうち、洗浄剤組成物の微粒子分散性の向上、高濃度状態での保存安定性の向上の観点、及び特にガラスに対するエッチング制御が容易であることから、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、およびアミノエチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中におけるアルカリ剤の含有量は、洗浄剤組成物の微粒子分散性向上の観点と、高濃度状態での保存安定性の向上の観点、及び特にガラスに対するエッチング制御が容易であることから、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは2〜60重量%であり、より好ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜45重量%である。
[アニオン性界面活性剤]
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の微粒子に対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)が含まれる。
Figure 2011184595
洗浄剤組成物の微粒子に対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、一般式(1)中、R1は、炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは炭素数10〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
一般式(1)で示される化合物の塩としては、具体的には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩、アルカノールアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
成分Bとしては、具体的には、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられるが、洗浄剤組成物の微粒子に対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点からドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中におけるアニオン性界面活性剤(成分B)の含有量は、洗浄剤組成物の微粒子に対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは2〜30重量%であり、より好ましくは2〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜10重量%である。
[水]
本発明の洗浄剤組成物に含まれる水(成分C)は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。尚、純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。例えば、25℃での電気伝導率は、多くの場合、純水で1μS/cm以下であり、超純水で0.1μS/cm以下を示す。尚、本発明の洗浄剤組成物は、溶媒として前記水に加えて水溶性の有機溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含んでいてもよいが、本発明の洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなると好ましい。
[テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール]
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の消泡性の向上の観点から、テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)が含まれる。
本発明の洗浄剤組成物に含まれるテトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)の含有量は、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%であり、さらに好ましくは1〜3重量%である。
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル]
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)が含まれる。
2−O−(AO)n−H (2)
洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、一般式(2)中、R2は炭素数3〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、AOは、オキシエチレン基(CH2CH2O)およびオキシプロピレン基(CH2(CH3)CHO)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基であり、nは、オキシアルキレン
基の平均付加モル数で、1〜20の数である。洗浄剤組成物の消泡性の向上の観点からは、nは、1〜18が好ましく、2〜12がより好ましく、一方、洗浄剤組成物の保存安定性の向上の観点からは、nは、1〜18が好ましく、2〜18がより好ましい。すなわち、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の両立の観点から、nは、2〜12が好ましい。
成分Eとしては、具体的には、ポリオキシエチレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン-2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレン-2-エチルヘキシルエーテルが挙げられ、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、ポリオキシエチレン-2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンプロピルエーテルが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の洗浄剤組成物に含まれる前記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)の含有量は、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは0.5〜10重量%であり、さらに好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%である。
[非イオン性界面活性剤]
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の洗浄性の向上および高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン性界面活性剤(成分F)が含まれる。本発明の洗浄剤組成物に含まれる、非イオン性界面活性剤(成分F)としては、例えば、下記の一般式(3)で表される非イオン性界面活性剤が、洗浄剤組成物の洗浄性の向上および高濃度状態での保存安定性の向上の観点から好ましい。
3−O−(EO)m(PO)p−H (3)
前記一般式(3)中、R3は炭素数10〜18のアルキル基、炭素数10〜18のアルケニル基、炭素数10〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。m及びpは、それぞれEO及びPOの平均付加モル数である。mは1〜20の数、pは0〜20の数を表す。
3は、洗浄剤組成物による洗浄性をより向上させる観点から、炭素数10〜14のアルキル基、炭素数10〜14のアルケニル基、炭素数10〜14のアシル基、又は炭素数14〜16のアルキルフェニル基であるとより好ましく、洗浄剤組成物の洗浄性の向上と高濃度状態での高い保存安定性とを両立させる観点から、炭素数12〜14のアルキル基がより好ましい。
(EO)m(PO)pは、オキシエチレン基単独で構成されていてもよいが、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とから構成されていてもよい。(EO)m(PO)pが、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とから構成される場合、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。EOとPOの配列がブロックである場合、EO及びPOのブロックを構成するEO及びPOの数は、各平均付加モル数が前記範囲内にある限り、各ブロックの数はそれぞれ1個であってもよいが2個以上であってもよい。また、EOからなるブロックの数が2個以上である場合、各ブロック中のEOの数は、相互に同じであってもよいが、異なっていてもよい。POのブロックの数が2個以上である場合も、各ブロック中のPOの数は、相互に同じであってもよいが、異なっていてもよい。
EOとPOの配列がブロック又はランダムである場合、EOとPOとのモル比〔MEO/MPO〕が9.5/0.5〜5/5であると、油分の高い溶解性と高い水溶性とを両立させることができる点で好ましい。また、mは、洗浄剤組成物の水溶性、低泡性及び消泡性の両立の観点から、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。pは、洗浄剤組成物の水溶性、低泡性及び消泡性の両立の観点から、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10であり、m+pは、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20である。
一般式(3)で示される化合物としては、具体的には、デカノール、イソデシルアルコール、トリデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等のフェノール類;これらの化合物に、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が付加された化合物等が挙げられる。一般式(3)で示される化合物は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
本発明の洗浄剤組成物中における前記非イオン性界面活性剤(成分F)の含有量は、洗浄剤組成物の有機系汚れに対する洗浄性向上と高濃度状態での保存安定性向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは3〜30重量%であり、さらに好ましくは5〜25重量%である。
[可溶化剤]
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の高濃度状態での保存安定性向上の観点から、p-トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2-エチルヘキサン酸、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の可溶化剤(成分G)が含まれる。
本発明の洗浄剤組成物中における成分Gの含有量は、洗浄剤組成物の高濃度状態での保存安定性向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは1〜60重量%であり、より好ましくは3〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜50重量%であり、さらにより好ましくは10〜50重量%である。
前記成分Bの含有量と前記成分Dおよび前記成分Eの含有量の総和との比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]は、消泡性の向上と、洗浄性の向上、および、高濃度状態における洗浄剤組成物の保存安定性の向上の観点から、3/1〜1/3であるが、同様の観点から、好ましくは1.5/1〜1/1.5である。前記の含有量比にすることで、洗浄剤組成物の高い洗浄性と高い消泡性と高濃度状態での保存安定性の向上とが可能となり、本発明の効果が達成される。
前記成分Fの含有量と前記成分Dおよび前記成分Eの含有量の総和との比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]は、洗浄剤組成物の高い消泡性の向上と高濃度状態における洗浄剤組成物の保存安定性の向上の観点から、5/1〜1/2であが、同様の観点から、好ましくは2/1〜1.5/1である。前記の含有量比にすることで、洗浄剤組成物の高い消泡性と高濃度状態での保存安定性の向上とが可能となり、本発明の効果が達成される。
すなわち、洗浄剤組成物の高い洗浄性と高い消泡性と高濃度状態での保存安定性の向上を両立する観点から、前記成分Bの含有量と前記成分Dおよび前記成分Eの含有量の総和との比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]及び、前記成分Fの含有量と前記成分Dおよび前記成分Eの含有量の総和との比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]は、それぞれ、1.5/1〜1/1.5、2/1〜1.5/1が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、ガラス表面を損傷させない限りその上限について特に制限がないが、無機微粒子の分散性を向上させる観点から、好ましくは12〜14であり、より好ましくは13〜14である。尚、前記のpHは、pHメータ(東亜電波工業社製、HM−30G)を用いて測定でき、電極の洗浄剤組成物への浸漬後40分後の数値である。
<任意成分>
本発明の洗浄剤組成物には、成分A〜G以外に、水溶性高分子(成分H)、キレート剤(成分I)、防腐剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。
[水溶性高分子]
本発明の洗浄剤組成物には、無機微粒子の分散性を向上させる観点から、水溶性高分子(成分H)が含まれていてもよく、水溶性高分子としては、カルボン酸系重合体が好ましい。
カルボン酸系重合体としては、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/メタクリル酸の共重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸ジメチルアミノエステルの共重合体、メタクリル酸/アクリル酸メチルエステルの共重合体等が挙げられるが、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のモル比が91/9〜95/5である共重合体が好ましい。
水溶性高分子の重量平均分子量は、凝集性の発現により微粒子除去性が低下するのを防ぎ、高い微粒子除去性を得る観点から、500〜150,000が好ましく、1000〜100,000がより好ましく、1000〜50,000がさらに好ましい。水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めることができる。
(GPC条件)
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソ−社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファ−/CH3CN=9/1(容量比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール
水溶性高分子は前記重合体の塩であってもよい。かかる塩としては、特に限定されないが、具体的にはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニア、アルキルアミン又はポリアルキルポリアミンにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が付加されたモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、モノブタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミノアルコール類;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン等の四級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中における水溶性高分子(成分H)の含有量は、洗浄剤組成物の微粒子の分散性向上とすすぎ性向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは1.5〜5重量%である。
[キレート剤]
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の金属系汚れに対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、キレート剤(成分I)が含まれていてもよい。キレート剤(成分I)としては、グルコン酸、グルコヘプトン酸などのアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸などのアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸類;アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸などのホスホン酸類;及びこれらのアルカリ金属塩、低級アミン塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が挙げられる。中でも金属系汚れに対する洗浄剤組成物の洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウム、アミノトリメチレンホスホン酸エチレンジアミン四酢酸4ナトリウムが好ましい。これらのキレート剤は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の洗浄剤組成物中におけるキレート剤の含有量は、洗浄剤組成物の金属系汚れに対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは2〜35重量%であり、より好ましくは30〜20重量%であり、さらに好ましくは3〜10重量%である。
本発明の洗浄剤組成物に含まれる水以外の成分の含有量は、洗浄剤組成物のコスト低減や洗浄剤組成物の保存安定性向上について大きな効果が発現される濃縮度である事と保存安定性向上との両立の観点から、水の含有量と水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは10〜40重量%であり、さらに好ましくは15〜30重量%である。
本発明の洗浄剤組成物は、希釈して用いられる。希釈倍率は、洗浄効率を考慮すると、好ましくは10〜500倍、より好ましくは20〜200倍、更に好ましくは50〜100倍である。希釈用の水は、前記記載の成分Cと同様のものでよい。
(ガラス表面の洗浄方法、ハードディスクの製造方法)
本発明のガラス表面の洗浄方法では、例えば、ガラス表面を有し当該ガラス表面に対して研磨剤組成物を用いた研磨が施された被洗浄基板を、本発明の洗浄剤組成物の希釈液を洗浄剤組成物として用いて洗浄する洗浄工程を含む。前記洗浄工程では、例えば、(a)被洗浄基板を洗浄剤組成物に浸漬するか、及び/又は、(b)洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面上に洗浄剤組成物が供給される。
前記方法(a)において、被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物の温度は、洗浄剤組成物の洗浄性、安全性及び操業性の観点から20〜100℃であると好ましく、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性と生産効率の観点から10秒〜30分間であると好ましい。また、微粒子の除去性及び微粒子の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、好ましくは20〜2000kHzであり、より好ましくは40〜2000kHzであり、さらに好ましくは40〜1500kHzである。
前記方法(b)では、微粒子の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、スプレ−ノズル等の公知の手段を用いることができる。また、洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等の公知のものを使用することができる。超音波の周波数としては、前記方法(a)で好ましく採用される値と同様であればよい。
本発明のガラス表面の洗浄方法は、前記方法(a)及び/又は前記方法(b)に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
本発明のガラス表面の洗浄方法が好適に適用される被洗浄基板としては、例えば、アルミノシリケートガラスまたは結晶化ガラスを含むガラス基板、アルミノシリケートガラスまたは結晶化ガラスからなるガラス基板である。これらのガラス基板のヤング率やビッカース硬度に代表される硬さの指標は、一般的な食器用、家庭用ガラス製品に比べ高い。また、ハードディスク用ガラス基板は、一般的な食器用、家庭用ガラス製品に比べ、そのガラス表面の粗さが非常に低い(表面平均粗さ:3Å以下)。そのため、ハードディスク用ガラス基板は、一般的な食器用、家庭用ガラス製品等と比較すると、例えば、無機微粒子等との接触面積が大きく、ゆえに、無機微粒子等に対する吸着力が高く、非常に洗浄し難い表面特性を持つ。
これらのハードディスク用ガラス基板上に、スパッタ等の方法により、磁気記録領域を有し、金属薄膜を含む磁性層が形成されることによって、ハードディスクが得られる。前記金属薄膜を構成する金属材料としては、例えば、クロム、タンタル、又は白金等とコバルトとの合金である、コバルト合金等が挙げられる。尚、磁性層は、ハードディスク用ガラス基板の両主面側に形成されてもよいし、一方の主面側にのみ形成されてもよい。
ハードディスクの製造過程には、ハードディスク用ガラス基板の少なくとも一方の主面の表面平滑性を向上させるために、被研磨基板に対して少なくとも研磨処理と洗浄処理とをこの順で複数回繰り返し行うことにより、ハードディスク用ガラス基板を形成するサブストレート形成工程が含まれる。研磨処理は、例えば、無機微粒子と、この無機微粒子の分散溶媒(例えば水)とを含む研磨剤組成物を用いて行われる。
サブストレート形成工程では、粗研磨処理と仕上げ研磨処理とがこの順で行われる。仕上げ研磨処理を経た直後の被研磨基板の表面粗さXは、粗研磨処理を経た直後の被研磨基板の表面粗さYよりも小さく、表面粗さXは表面粗さYの1/2以下であると好ましく、1/3以下であるとより好ましく、1/4以下であるとさらに好ましい。
具体的には、粗研磨処理を経た直後の被研磨基板の表面粗さYは、3.0〜5.0Åであると好ましく、2.0〜3.0Åであるとより好ましい。一方、仕上げ研磨処理を経た直後の被研磨基板の表面粗さXは、1.5〜1.0Åであると好ましく、0.5〜1.0Åであるとより好ましい。
なお、表面粗さX及び表面粗さYは、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して、ハードディスク用ガラス基板の一方の主面においてランダムに3点測定し、それらを平均して得た。測定条件は下記のとおりとした。
原子間力顕微鏡:Veeco製 Nanoscope-IIIa
カンチレバー:NCHV-10
測定エリア:10μm×10μm
走査回数:256
一般に研磨処理に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子としては、アルミナ粒子、シリカ粒子、酸化セリウム粒子、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとを用いて形成される複合酸化物粒子等が挙げられるが、前記粗研磨処理の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、高速研磨が可能であるという理由から、酸化セリウム粒子が好ましい。前記仕上げ研磨処理の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、表面の平坦性(低粗さ)を向上させるという理由から、シリカ粒子が好ましい。
研磨処理を経た被研磨基板の主面には、研磨剤組成物由来の汚れ(無機微粒子、有機物など)や装置などの設備由来の金属イオンなどが付着している。本発明の洗浄剤組成物の希釈液は、前記複数回行われる洗浄処理のうちの最後の洗浄処理を行う際に、用いられると好ましい。
本発明のハードディスクの製造方法を構成するサブストレート形成工程の一例では、粗研磨処理の後、本発明の洗浄剤組成物の希釈液を用いた洗浄処理(第1洗浄処理)、すすぎ処理(第1すすぎ処理)、乾燥処理(第1乾燥処理)、仕上げ研磨処理、本発明の洗浄剤組成物の希釈液を用いた洗浄処理(第2洗浄処理)、すすぎ処理(第2すすぎ処理)、及び乾燥処理(第2乾燥処理)がこの順で行われる。この場合、粗研磨処理後、第1すすぎ処理の前に行われる洗浄処理が1回ですみ、好ましい。前記サブストレート形成工程では、粗研磨処理の後、第1洗浄処理の前に、酸化セリウムの溶解性が高い酸性の洗浄剤組成物を用いた洗浄処理、及び、すすぎ処理を行ってもよい。この場合、ガラス表面に化学吸着しやすい酸化セリウム粒子の除去性が向上するので好ましい。
本発明のガラス表面の洗浄方法では、被洗浄基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の洗浄すべき被洗浄基板を一度にまとめて洗浄してもよい。また、洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でも良い。
1.洗浄剤組成物の調製
表1および表2に記載の組成となるように各成分を重量%で配合し、混合することにより、実施例及び比較例の洗浄剤組成物を得た。尚、表中のKOH、NaOHには、市販の水溶液(濃度:48重量%)を用いた。
2.曇点の測定方法
曇点(℃)とは、非イオン性界面活性剤を含む水溶液の温度を上げていったとき、前記水溶液が白濁し始める温度のことである。水溶液の温度が上昇して水分子の運動が活発になると、界面活性剤の親水基部分と水分子との水素結合が切れて、界面活性剤は溶解性を失い、前記水溶液は白濁する。
表1および表2に示された実施例および比較例の洗浄剤組成物の曇点は、下記のようにして得た。
(1)まず、30cm3の試験管に洗浄剤組成物を10cm3入れる。
(2)温浴槽に試験管を入れ、ガラス棒状の温度計を用いて手動での洗浄剤組成物を攪拌しながら、洗浄剤組成物の温度を1℃/5秒の速度で上げる。
(3)攪拌しても濁る状態になったところでの洗浄剤組成物の温度を読み取る。
(4)試験管を温浴槽から取り出し、25℃の雰囲気下で、攪拌棒で洗浄剤組成物を攪拌しながら温度を徐々に下げる。
(5)洗浄剤組成物が透明になった温度を読み取る。
(6)前記(2)〜(5)を2回繰り返し、(3)で読み取った温度の平均値を曇点とした。
3.消泡性の試験方法
本発明の洗浄剤組成物の消泡性は下記のようにして評価した。
(1)まず、洗浄剤組成物を超純水にて100倍に希釈する。
(2)500cm3のメスシリンダーに、(1)で調整した洗浄剤組成物を100cm3入れる。
(3)メスシリンダー上部に分液ロートをセットする。この時、分液ロートの先端から(2)でメスシリンダー内に入れた洗浄剤組成物の水面までが200mmとなるように調整する。
(4)その分液ロートから(1)で調整した洗浄剤組成物100gを、およそ20g/秒で落下させる。
(5)その時にメスシリンダー内の洗浄液組成物の液面に発生する泡の高さをメスシリンダーの目盛を用いて読み取る。
(6)20分後に再度、泡高さを読み取る。
(7)100gの洗浄剤組成物の落下直後の泡の量(cm3)から20分後の泡の量(cm3)を引いた値を消滅した泡の量(cm3)とし、この値から下記の基準に則り、消泡性を判断する。数値が大きいほど消泡性に優れることを示す。
消泡性=落下直後の泡の量(cm3)−20分後の泡の量(cm3
<評価基準>
A:30cm3以上
B:25〜29cm3
C:21〜24cm3
D:20cm3以下
4.ガラスHD基板の洗浄性試験方法
下記組成の研磨液スラリー(研磨剤組成物)を用いた研磨を施すことにより、研磨液スラリー由来の砥粒や有機系汚れ及び基板材料由来の研磨屑等によって汚染された被洗浄基板を用意した。前記被洗浄基板を用いて洗浄剤組成物の希釈液の洗浄性を評価した。
(研磨条件)
研磨機:両面9B研磨機(浜井産業社製)
研磨パッド:FILWEL社製仕上げ研磨用スウェードパッド
研磨剤組成物:コロイダルシリカスラリ−(個数平均粒径24nm、8%;花王社製)
予備研磨:荷重 40g/cm2、時間 60秒、研磨液流量 100mL/min
本研磨:荷重 100g/cm2、時間 1200秒、研磨液流量 100mL/min
水リンス:荷重 40g/cm2、時間 60秒、リンス水流量 約2L/min
被洗浄基板:ガラスHD基板(外径:65mmφ、内径:20mmφ、厚さ:0.635mm)
(洗浄)
汚染された被洗浄基板を、洗浄装置にて以下の条件で洗浄した。
(1)洗浄−1:超純水で表中の希釈倍率に調整した洗浄剤組成物を入れた樹脂槽に被洗浄基板を浸漬(40℃)し、超音波を照射しながら120秒間洗浄する。
(2)すすぎ−1:超純水を入れた樹脂槽(40℃)に被洗浄基板を移し、超音波を照射しながら120秒間すすぎを行う。
(3)再度(1)と(2)を繰り返す。
(4)洗浄−2:樹脂槽内から被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニットに移し、洗浄ブラシに常温の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行う。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄−1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いる。
(5)すすぎ−2:次のスクラブ洗浄ユニットに被洗浄基板を移し、常温の超純水を射出し、洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを5秒間行う。
(6)再度(4)と(5)を繰り返す。
(7)すすぎ−3:超純水を入れた樹脂槽に移し、10秒間40℃ですすぎを行う。
(8)乾燥:温純水を入れた樹脂槽に移し、60秒間浸漬した後、250mm/minの速度で被洗浄基板を引き上げ、60℃下で420秒間放置し、完全に基板表面を乾燥させる。
(洗浄性評価)
10000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela6100、KLA Tencor社製)のMODE Q−Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。測定は、各実施例、比較例の洗浄剤組成物について10枚ずつの基板について行い平均を取り、比較例1の場合の欠陥数を100としたときの相対値で評価した。結果を表1、2に示す。
表1に示されるように、実施例1〜11の洗浄剤組成物の希釈液を用いた洗浄では、洗浄剤組成物が成分A〜成分Gを含み、含有量比(成分B/成分D+成分E)が3/1〜1/3であり、および、含有量比(成分F/成分D+成分E)が5/1〜1/2であることにより、高い洗浄性と高い消泡性とが両立されている。また、曇点が比較的高いことから、実施例1〜11の洗浄剤組成物は、保存安定性がよい。
Figure 2011184595
Figure 2011184595
表1および表2中の各成分の詳細は下記のとおりである。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王社製、ネオペレックスG−15(16重量%水溶液))
テトラメチルー6-ドデシン-5,8-ジオール(日信化学工業社製、サーフィノールDF110D)
アセチレンジオールEO付加物(日信化学工業社製、サーフィノール420)
AA/AMPS共重合物(40重量%水溶液)
(アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の共重合体ナトリウム塩、東亞合成社製、商品名アロンA−6017、重量平均分子量6000、AA/AMPSの重量比80:20)
本発明の洗浄剤組成物を希釈し、当該希釈液を使用することにより、ハードディスク用ガラス基板について高度に清浄化されたガラス表面を得ることができる。よって、本発明は、製品の歩留まり向上に寄与し得る。

Claims (6)

  1. アルカリ剤(成分A)と、
    下記一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)と
    水(成分C)と、
    テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)と、
    下記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、
    前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン界面活性剤(成分F)と、
    p-トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2-エチルヘキサン酸、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の可溶化剤(成分G)とを含有してなり、
    含有量比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が3/1〜1/3であり、
    含有量比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が5/1〜1/2である、硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
    Figure 2011184595
    ただし、一般式(1)中、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
    2−O−(AO)n−H (2)
    ただし、一般式(2)中、R2は炭素数3〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、AOは、オキシエチレン基(CH2CH2O)およびオキシプロピレン基(CH2(CH3)CHO)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基であり、nは、平均付加モル数で、1〜20の数である。
  2. 前記水(成分C)以外の成分の合計含有量が10〜60重量%である、請求項1に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
  3. 水溶性高分子(成分H)をさらに含む請求項1又は2に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
  4. キレート剤(成分I)をさらに含む請求項1〜3のいずれかの項に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
  5. ハードディスク基板の洗浄に用いられる、請求項1〜4いずれかの項に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
  6. 請求項2に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物を10〜500倍に希釈して得た希釈液で、ガラス表面を有する被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含む、ガラス表面の洗浄方法。
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