JP2011184595A - 硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ剤(成分A)と、特定のアニオン性界面活性剤(成分B)と、水(成分C)と、テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)と、特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、前記特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン界面活性剤(成分F)と、特定の可溶化剤(成分G)を含有してなり、含有量比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が3/1〜1/3であり、含有量比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が5/1〜1/2である硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
【選択図】なし
Description
アルカリ剤(成分A)と、
下記一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)と
水(成分C)と、
テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)と、
下記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン界面活性剤(成分F)と、
p-トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2-エチルヘキサン酸、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の可溶化剤(成分G)を含有してなり、
含有量比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が3/1〜1/3であり、
含有量比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が5/1〜1/2である。
R2−O−(AO)n−H (2)
ただし、一般式(2)中、R2は炭素数3〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、AOは、オキシエチレン基(CH2CH2O)およびオキシプロピレン基(CH2(CH3)CHO)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基であり、nは、平均付加モル数で、1〜20の数である。
本発明の洗浄剤組成物に含まれるアルカリ剤(成分A)は、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のうちのいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリンからなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の微粒子に対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)が含まれる。
本発明の洗浄剤組成物に含まれる水(成分C)は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。尚、純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。例えば、25℃での電気伝導率は、多くの場合、純水で1μS/cm以下であり、超純水で0.1μS/cm以下を示す。尚、本発明の洗浄剤組成物は、溶媒として前記水に加えて水溶性の有機溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含んでいてもよいが、本発明の洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなると好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の消泡性の向上の観点から、テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)が含まれる。
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)が含まれる。
R2−O−(AO)n−H (2)
基の平均付加モル数で、1〜20の数である。洗浄剤組成物の消泡性の向上の観点からは、nは、1〜18が好ましく、2〜12がより好ましく、一方、洗浄剤組成物の保存安定性の向上の観点からは、nは、1〜18が好ましく、2〜18がより好ましい。すなわち、洗浄剤組成物の消泡性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の両立の観点から、nは、2〜12が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の洗浄性の向上および高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン性界面活性剤(成分F)が含まれる。本発明の洗浄剤組成物に含まれる、非イオン性界面活性剤(成分F)としては、例えば、下記の一般式(3)で表される非イオン性界面活性剤が、洗浄剤組成物の洗浄性の向上および高濃度状態での保存安定性の向上の観点から好ましい。
R3−O−(EO)m(PO)p−H (3)
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の高濃度状態での保存安定性向上の観点から、p-トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2-エチルヘキサン酸、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の可溶化剤(成分G)が含まれる。
本発明の洗浄剤組成物には、成分A〜G以外に、水溶性高分子(成分H)、キレート剤(成分I)、防腐剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。
本発明の洗浄剤組成物には、無機微粒子の分散性を向上させる観点から、水溶性高分子(成分H)が含まれていてもよく、水溶性高分子としては、カルボン酸系重合体が好ましい。
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソ−社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファ−/CH3CN=9/1(容量比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物の金属系汚れに対する洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、キレート剤(成分I)が含まれていてもよい。キレート剤(成分I)としては、グルコン酸、グルコヘプトン酸などのアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸などのアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸類;アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸などのホスホン酸類;及びこれらのアルカリ金属塩、低級アミン塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が挙げられる。中でも金属系汚れに対する洗浄剤組成物の洗浄性の向上と高濃度状態での保存安定性の向上の観点から、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウム、アミノトリメチレンホスホン酸エチレンジアミン四酢酸4ナトリウムが好ましい。これらのキレート剤は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のガラス表面の洗浄方法では、例えば、ガラス表面を有し当該ガラス表面に対して研磨剤組成物を用いた研磨が施された被洗浄基板を、本発明の洗浄剤組成物の希釈液を洗浄剤組成物として用いて洗浄する洗浄工程を含む。前記洗浄工程では、例えば、(a)被洗浄基板を洗浄剤組成物に浸漬するか、及び/又は、(b)洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面上に洗浄剤組成物が供給される。
原子間力顕微鏡:Veeco製 Nanoscope-IIIa
カンチレバー:NCHV-10
測定エリア:10μm×10μm
走査回数:256
表1および表2に記載の組成となるように各成分を重量%で配合し、混合することにより、実施例及び比較例の洗浄剤組成物を得た。尚、表中のKOH、NaOHには、市販の水溶液(濃度:48重量%)を用いた。
曇点(℃)とは、非イオン性界面活性剤を含む水溶液の温度を上げていったとき、前記水溶液が白濁し始める温度のことである。水溶液の温度が上昇して水分子の運動が活発になると、界面活性剤の親水基部分と水分子との水素結合が切れて、界面活性剤は溶解性を失い、前記水溶液は白濁する。
(1)まず、30cm3の試験管に洗浄剤組成物を10cm3入れる。
(2)温浴槽に試験管を入れ、ガラス棒状の温度計を用いて手動での洗浄剤組成物を攪拌しながら、洗浄剤組成物の温度を1℃/5秒の速度で上げる。
(3)攪拌しても濁る状態になったところでの洗浄剤組成物の温度を読み取る。
(4)試験管を温浴槽から取り出し、25℃の雰囲気下で、攪拌棒で洗浄剤組成物を攪拌しながら温度を徐々に下げる。
(5)洗浄剤組成物が透明になった温度を読み取る。
(6)前記(2)〜(5)を2回繰り返し、(3)で読み取った温度の平均値を曇点とした。
本発明の洗浄剤組成物の消泡性は下記のようにして評価した。
(1)まず、洗浄剤組成物を超純水にて100倍に希釈する。
(2)500cm3のメスシリンダーに、(1)で調整した洗浄剤組成物を100cm3入れる。
(3)メスシリンダー上部に分液ロートをセットする。この時、分液ロートの先端から(2)でメスシリンダー内に入れた洗浄剤組成物の水面までが200mmとなるように調整する。
(4)その分液ロートから(1)で調整した洗浄剤組成物100gを、およそ20g/秒で落下させる。
(5)その時にメスシリンダー内の洗浄液組成物の液面に発生する泡の高さをメスシリンダーの目盛を用いて読み取る。
(6)20分後に再度、泡高さを読み取る。
(7)100gの洗浄剤組成物の落下直後の泡の量(cm3)から20分後の泡の量(cm3)を引いた値を消滅した泡の量(cm3)とし、この値から下記の基準に則り、消泡性を判断する。数値が大きいほど消泡性に優れることを示す。
消泡性=落下直後の泡の量(cm3)−20分後の泡の量(cm3)
A:30cm3以上
B:25〜29cm3
C:21〜24cm3
D:20cm3以下
下記組成の研磨液スラリー(研磨剤組成物)を用いた研磨を施すことにより、研磨液スラリー由来の砥粒や有機系汚れ及び基板材料由来の研磨屑等によって汚染された被洗浄基板を用意した。前記被洗浄基板を用いて洗浄剤組成物の希釈液の洗浄性を評価した。
研磨機:両面9B研磨機(浜井産業社製)
研磨パッド:FILWEL社製仕上げ研磨用スウェードパッド
研磨剤組成物:コロイダルシリカスラリ−(個数平均粒径24nm、8%;花王社製)
予備研磨:荷重 40g/cm2、時間 60秒、研磨液流量 100mL/min
本研磨:荷重 100g/cm2、時間 1200秒、研磨液流量 100mL/min
水リンス:荷重 40g/cm2、時間 60秒、リンス水流量 約2L/min
被洗浄基板:ガラスHD基板(外径:65mmφ、内径:20mmφ、厚さ:0.635mm)
汚染された被洗浄基板を、洗浄装置にて以下の条件で洗浄した。
(1)洗浄−1:超純水で表中の希釈倍率に調整した洗浄剤組成物を入れた樹脂槽に被洗浄基板を浸漬(40℃)し、超音波を照射しながら120秒間洗浄する。
(2)すすぎ−1:超純水を入れた樹脂槽(40℃)に被洗浄基板を移し、超音波を照射しながら120秒間すすぎを行う。
(3)再度(1)と(2)を繰り返す。
(4)洗浄−2:樹脂槽内から被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニットに移し、洗浄ブラシに常温の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行う。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄−1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いる。
(5)すすぎ−2:次のスクラブ洗浄ユニットに被洗浄基板を移し、常温の超純水を射出し、洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを5秒間行う。
(6)再度(4)と(5)を繰り返す。
(7)すすぎ−3:超純水を入れた樹脂槽に移し、10秒間40℃ですすぎを行う。
(8)乾燥:温純水を入れた樹脂槽に移し、60秒間浸漬した後、250mm/minの速度で被洗浄基板を引き上げ、60℃下で420秒間放置し、完全に基板表面を乾燥させる。
10000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela6100、KLA Tencor社製)のMODE Q−Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。測定は、各実施例、比較例の洗浄剤組成物について10枚ずつの基板について行い平均を取り、比較例1の場合の欠陥数を100としたときの相対値で評価した。結果を表1、2に示す。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王社製、ネオペレックスG−15(16重量%水溶液))
テトラメチルー6-ドデシン-5,8-ジオール(日信化学工業社製、サーフィノールDF110D)
アセチレンジオールEO付加物(日信化学工業社製、サーフィノール420)
AA/AMPS共重合物(40重量%水溶液)
(アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の共重合体ナトリウム塩、東亞合成社製、商品名アロンA−6017、重量平均分子量6000、AA/AMPSの重量比80:20)
Claims (6)
- アルカリ剤(成分A)と、
下記一般式(1)で示される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(成分B)と
水(成分C)と、
テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(成分D)と、
下記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)と、
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(成分E)以外の非イオン界面活性剤(成分F)と、
p-トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2-エチルヘキサン酸、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の可溶化剤(成分G)とを含有してなり、
含有量比[成分B(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が3/1〜1/3であり、
含有量比[成分F(重量%)/〔成分D(重量%)+成分E(重量%)〕]が5/1〜1/2である、硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
R2−O−(AO)n−H (2)
ただし、一般式(2)中、R2は炭素数3〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、AOは、オキシエチレン基(CH2CH2O)およびオキシプロピレン基(CH2(CH3)CHO)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基であり、nは、平均付加モル数で、1〜20の数である。 - 前記水(成分C)以外の成分の合計含有量が10〜60重量%である、請求項1に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
- 水溶性高分子(成分H)をさらに含む請求項1又は2に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
- キレート剤(成分I)をさらに含む請求項1〜3のいずれかの項に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
- ハードディスク基板の洗浄に用いられる、請求項1〜4いずれかの項に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物。
- 請求項2に記載の硬質表面用アルカリ洗浄剤組成物を10〜500倍に希釈して得た希釈液で、ガラス表面を有する被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含む、ガラス表面の洗浄方法。
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