JP2012130198A - 回転機の固定子および回転機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定子コア20の軸方向両側に設けられる端部絶縁部材のうち少なくとも一方の端部絶縁部材40は、第1の部材41と、第2の部材42と、第1の部材41と第2の部材42を接続する接続部材43を有している。第2の部材42には、周方向に隣接する2つの接続部材43の間に、径方向に貫通している第1の貫通部42aと第2の貫通部42bが設けられている。また、固定部材100が、第1の貫通部42aに、第1の部材41側から第1の部材41と反対側に通されることによって、第1の輪110と第2の輪120が形成されている。第1の輪110は、第2の貫通部42bを通って、第1の部材41と反対側から第1の部材41側に渡されている。固定子巻線30の端部30a〜30cは、第1の輪210と第2の輪220によって第2の部材42に押し付けられている。
【選択図】図4
Description
ここで、固定子巻線をティースに直接巻き付ける集中巻き方式の回転機では、固定子コアの軸方向両側に端部絶縁部材が設けられ、固定子巻線は、端部絶縁部材を用いてティースに巻かれる。そして、固定子巻線の端部は、固定部材によって端部絶縁部材に縛り付けられる(「レーシング(lacing)」と呼ばれる)。特許文献1に記載されている回転機では、端部絶縁部材は、ティースに嵌合する嵌合部と、ヨーク側の嵌合部から軸方向に延びている壁部を有している。また、壁部には、周方向に隣接する壁部と対向する箇所に、貫通孔と凹部が形成されている。固定子巻線の端部は、周方向に隣接する2つの壁部の間において、貫通孔と凹部を通された結束バンドにより壁部に固定されている。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、集中巻き方式で巻かれた固定子巻線の端部を端部絶縁部材に容易に固定することができる技術を提供することを目的とする。
そして、固定子コアの軸方向両側には、端部絶縁部材が設けられている。各端部絶縁部材は、軸方向に直角な断面で見て、ティース先端部に対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている複数の第1の部材と、ヨークに対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている第2の部材と、ティース基部に対向する箇所に配置されているとともに径方向に沿って延びており、第1の部材と第2の部材に接続されている複数の接続部材を有している。好適には、第1の部材と第2の部材は、接続部材から軸方向に延びる壁部材として形成される。
固定子巻線は、ティースと端部絶縁部材の接続部材に集中巻き方式により巻かれている。少なくとも一方の端部絶縁部材には、固定子巻線の少なくとも一方の端部が、第1の部材と第2の部材の間に配置される。また、少なくとも一方の端部絶縁部材の第2に部材には、周方向に隣接する2つの接続部材の間に、第2の部材を径方向に貫通している第1の貫通部が形成されている。
また、固定子巻線の端部を第2の部材に固定する固定部材を備えている。固定部材としては、絶縁性を有し、固定子巻線の端部を第2の部材に締め付けることができる部材が用いられる。例えば、絶縁性を有する紐(コード)が用いられる。紐としては、例えば、ポリエステルコード(ポリエステルより紐、ポリエステル編組紐)、ノーメックスコード、PPSコード、ベクトランコード、ポリエステル・ノーメックス混合(編組)紐等が用いられる。なお、本発明の「紐」には、糸も含まれる。
さらに、固定部材が、第1の貫通部に、径方向の一方向に沿って通されることによって形成された第1の輪と第2の輪を有している。固定部材を第1の貫通部に通す方法としては、典型的には、ニードルのフック部に、一方側の端部が固定されている固定部材を引っ掛けた状態で、ニードルのフック部を、第1の貫通部に、径方向の一方向に沿って通す方法が用いられる。「径方向の一方向」は、第2の部材の、第1の部材と反対側から、第2の部材の第1の部材側に向かう方向、あるいは、第2の部材の第1の部材側から、第2の部材の、第1の部材と反対側に向かう方向が対応する。好適には、固定部材は、第2の部材の第1の部材側から、第2の部材の、第1の部材と反対側に向かう方向に通される。
そして、少なくとも一方の端部絶縁部材に配置されている、固定子巻線の少なくとも一方の端部は、第1の輪と第2の輪によって第2の部材に押し付けられている。固定子巻線の端部を第2の部材に押し付ける方法としては、好適には、固定子巻線の端部を第2の部材に縛り付ける方法が用いられる。
固定子巻線の他方の端部は、一方の端部絶縁部材あるいは他方の端部絶縁部材に配置される。固定子巻線の他方の端部が一方の端部絶縁部材に配置される場合には、固定子巻線の他方の端部は、同じ固定部材によって、固定子巻線の一方の端部とともに第2の部材に押し付けられる。固定子巻線の他方の端部が他方の端部絶縁部材に配置される場合には、他方の端部絶縁部材の第2の部材にも第1の貫通部が設けられる。そして、固定子巻線の他方の端部は、他方の端部絶縁部材の第1の部材と第2の部材の間に配置されるとともに、固定子巻線の一方の端部を固定している固定部材と異なる他の固定部材によって、第2の部材に押し付けられる。なお、固定子巻線の他方の端部は、固定部材によって固定する必要がない態様で、一方の端部絶縁部材あるいは他方の端部絶縁部材に配置されることもある。
固定子巻線の端部の処理方法は、固定子巻線の結線方法等に応じて決定される。例えば、3相(U相、V相、W相)の固定子巻線をスター結線する場合には、各相の固定子巻線の一方の端部は、外部に引き出され、他方の端部は、中性点で接続される。また、固定子巻線の一方の端部を外部に引き出す方法としては、固定子巻線の一方の端部をそのまま引出す方法と、固定子巻線の一方の端部に引出線を接続し、引出線を外部に引き出す方法が用いられる。本発明の「固定子巻線の端部」には、固定子巻線の端部に接続された引出線も包含される。
本発明の固定子では、固定部材を、第1の貫通部に、径方向の一方向に通すことによって形成される第1の輪と第2の輪を用いて、固定子巻線の端部を端部絶縁部材の第2の部材に固定しているため、固定子巻線の端部を第2の部材に容易に固定することができる。
本形態では、第1の輪と第2の輪を容易に連結することができる。
本形態では、第1の輪と第2の輪を連続して配置することができるため、固定子巻線の端部を第2の部材に容易に固定することができる。
本形態では、第1の貫通部として、径方向に貫通している穴あるいは固定子コア側が開口しているとともに径方向に貫通している溝を用いているため、固定部材を第1の貫通部に径方向に容易に通すことができ、固定子巻線の端部を第2の部材に容易に固定することができる。
第1の貫通部の配設位置や固定子コアの中心側から見た断面形状は、軸方向に直角な断面で見て、固定部材を第1の貫通部に径方向に沿って通す工具(例えば、ニードル)が、固定子コアの中心を通る直線に沿って第1の貫通部を通ることができればよい。例えば、第1の貫通部の周方向に沿った長さは、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間の間隔と同じでもよく、長くてもよく、短くてもよい。また、第1の貫通部は、固定子コアの中心側から見て、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間に設けられていてもよいし、周方向のいずれか一方側にずれて設けられていてもよい。すなわち、固定子コアの中心側から見て、第1の貫通部の少なくとも一部が、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間に設けられていればよい。
本形態では、固定部材を第1の貫通部に径方向に沿った一方向に通すために用いる工具(例えば、鉤状のフック部を有するニードル)を、第1の貫通部に容易に挿入し、また、引出すことができる。
本形態では、第1の輪を第2の貫通部に位置決めすることができるため、第1の輪が、周方向にずれることがなく、固定子巻線の端部を第2の部材に確実に固定することができる。また、固定部材が、第2の部材から軸方向に飛び出ないため、固定子の軸方向の長さを小さくすることができる。
本形態では、第1の貫通部および第2の貫通部を容易に形成することができる。また、第2の貫通部として、固定子コアと反対側が開口している溝を用いていることにより、第1の輪を、第2の貫通部の、第1の部材と反対側から、第1の部材の第1の部材側に容易に渡すことができる。また、固定部材が、第2の部材から軸方向に飛び出ないため、固定子の軸方向に沿った高さを小さくすることができる。
第1の貫通部の配設位置や固定子コアの中心側から見た断面形状は、軸方向に直角な断面で見て、固定部材を第1の貫通部に径方向に沿って通す工具(例えば、ニードル)が、固定子コアの中心を通る直線に沿って第1の貫通部を通ることができればよい。例えば、第1の貫通部の周方向に沿った長さは、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間の間隔と同じでもよく、長くてもよく、短くてもよい。また、第1の貫通部は、固定子コアの中心側から見て、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間に設けられていてもよいし、周方向のいずれか一方側にずれて設けられていてもよい。すなわち、固定子コアの中心側から見て、第1の貫通部の少なくとも一部が、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間に設けられていればよい。
同様に、第2の貫通部の配設位置や固定子コアの中心側から見た断面形状は、軸方向に直角な断面で見て、第1の輪(固定部材)を第2の貫通部を通して径方向に渡す工具(例えば、ニードル)が、固定子コアの中心を通る直線に沿って第2の貫通部を通ることができればよい。例えば、第2の貫通部の周方向に沿った長さは、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間の間隔と同じでもよく、長くてもよく、短くてもよい。また、第2の貫通部は、固定子コアの中心側から見て、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間に設けられていてもよいし、周方向のいずれか一方側にずれて設けられていてもよい。すなわち、固定子コアの中心側から見て、第2の貫通部の少なくとも一部が、周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている第1の部材の間に設けられていればよい。
本形態では、固定部材を第1の貫通部に径方向に沿った一方向に通すために用いる工具(例えば、鉤状のフック部を有するニードル)を、第1の貫通部および第2の貫通部に容易に挿入、あるいは、取り出すことができる。
本形態では、固定子巻線の端部を第2の部材に容易に固定することができる。
本形態では、固定子巻線の端部を第2の部材に強固に固定することができる。
本発明の回転機は、前述した固定子と同様の効果を有している。これにより、回転機運転時の振動等によって固定子巻線の端部がずれるのを防止することができる回転機を得ることができる。
勿論、本発明は、回転子が固定子の外側に回転可能に支持されている回転子外転型の電動機として構成することもできる。また、本発明は、電動機に限定されず、発電機等の種々の回転機として構成することができる。
なお、本明細書では、「軸方向」は、回転子が固定子10に対して回転可能に支持されている状態において、回転子の中心を通る線(図1に示されている回転中心線P)の方向を示す。また、「周方向」は、回転子が固定子10に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向(回転中心線Pの方向)に直角な断面でみて、回転中心線Pを中心とする円周方向を示す。また、「径方向」は、回転子が固定子10に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向(回転中心線Pの方向)に直角な断面でみて、回転中心線Pを通る方向を示す。
固定子10は、固定子コア20と、固定子巻線30と、端部絶縁部材40および50と、固定部材100(図1には示されていない)により構成されている。
固定子コア20は、図2に示されているように、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びているヨーク21と、周方向に間隔を空けて、ヨーク21から径方向に沿って延びている複数のティース22を有している。本実施の形態では、固定子コア20は、複数の薄板状の電磁鋼板を軸方向に積層し、オートクランプ等で一体化した積層体により構成されている。また、ヨーク21は、環状(略環状を含む)に形成されている。各ティース22は、軸方向に直角な断面で見て、ヨーク21から径方向内側(回転中心線P側)に延びているティース基部22aと、ティース基部22aの先端側に設けられ、周方向に沿って延びているティース先端部22bを有している。ティース先端部22bには、ヨーク21と反対側にティース先端面22cが形成されている。ティース先端面22cは、回転中心線Pを中心とする円弧形状に形成されている。
本実施の形態の回転機では、回転子は、固定子10の内側の回転子収容空間内に、ティース先端面22cとの間に空隙(ギャップ)を有している状態で回転可能に支持されている。
ヨーク21と、周方向に隣接する2つのティース22とによって、スロット23が形成されている。スロット23は、周方向に隣接する2つのティース22のティース先端部の間にスロット開口部23aを有している。
固定子コア10は、軸方向両側に軸方向端面を有している。本実施の形態では、固定子コア20は、円筒状(略円筒状を含む)に形成されている。
スロット23内には、スロット絶縁部材60が設けられている。スロット絶縁部材60としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等により、弾性を有するシート状(フィルム状)に形成された絶縁部材が用いられる。そして、スロット絶縁部材60が配置されている状態で、固定子巻線30がスロット23内に挿入される。
なお、本実施の形態の回転機では、端部絶縁部材40および50は、穴42a、溝42b、補助部材42c(詳細は後述する)を除いて同じ構成であるため、以下では、端部絶縁部材40の構成について説明する。
端部絶縁部材40は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びている複数の第1の部材41と、周方向に沿って延びている第2の部材42と、径方向に沿って延びており、第1の部材41と第2の部材42を接続する複数の接続部材43(図6参照)を有している。端部絶縁部材40が固定子コア20の軸方向一方側の端面に対向するように配置された状態において、第1の部材41は、ティース22のティース先端部22bに対向する位置に配置され、第2の部材は、ヨーク21に対向する位置に配置され、接続部材43は、ティース22のティース基部22aに対向する位置に配置される(図6参照)。「ティース基部22aに対向する位置に配置される」構成は、軸方向に直角な断面で見て、少なくとも一部がティース基部22aと重なるように配置される態様を含む。また、第1の部材41および第2の部材42は、軸方向に沿って延びている。すなわち、第1の部材41および第2の部材42は、内側壁部材および外側壁部材を形成している。
なお、端部絶縁部材40が固定子コア20の軸方向一方側の端面に対向するように配置された状態において、第1の部材41の回転子側の面(本実施の形態では、径方向内側の面(内周面))41aが、ティース先端面22cより回転子側(本実施の形態は、径方向内側)に飛び出ないように構成するのが好ましい。端部絶縁部材40の接続部材43は、固定子巻線30をティース22に集中巻き方式で巻く際に用いられる。
本実施の形態では、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cは、一方の端部絶縁部材40の第1の部材41と第2の部材42の間に配置され、そして、外部に引き出されている。固定子巻線30の端部31a〜31cを外部に引き出す方法としては、固定子巻線30の端部31a〜31cをそのまま引き出す方法や、固定子巻線30の端部31a〜31cを引き出し線に接続し、引き出し線を外部に引き出す方法を用いることができる。本実施の形態では、固定子巻線30の端部31a〜31cをそのまま引出している。なお、本発明の「固定子巻線の端部」には、固定子巻線の端部自体だけでなく、固定子巻線の端部に接続された引き出し線も包含される。
また、本実施の形態では、固定子巻線30の他方の端部32a、32bは、一方の端部絶縁部材40の第1の部材41と第2の部材42の間に配置されている。
なお、固定子巻線の結線方法、並列に接続する固定子巻線の数、固定子巻線の端部を外部に引き出す方法は、適宜選択可能である。
本実施の形態では、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bが、回転子側(本実施の形態では、径方向中心側)に飛び出るのを防止するために、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを、絶縁性を有する紐(「コード」ともいう)100を用いて端部絶縁部材40の第2の部材42(第2の部材42の第1の部材41側)に固定している。紐100としては、例えば、ポリエステルコード(ポリエステルより紐、ポリエステル編組紐)、ノーメックスコード、PPSコード、ベクトランコード、ポリエステル・ノーメックス混合(編組)紐等が用いられる。
なお、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを端部絶縁部材40の第2の部材42に固定する固定部材は、一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを第2の部材42に縛り付けることができればよく、糸等を用いることもできる。
紐100が本発明の「固定部材」に対応し、穴42aが本発明の「第1の貫通部」に対応し、溝42bが本発明の「第2の貫通部」に対応する。
穴42aの形成位置や回転子中心線P側から見た(周方向に沿った)断面形状は、軸方向に直角な断面で見て、紐100を穴42aに径方向に沿って通す工具(例えば、後述するニードル200)が、回転中心線Pを通る直線に沿って穴42aを通ることができればよい。例えば、穴42aの周方向に沿った長さは、周方向に隣接する2つの接続部材43それぞれに接続されている第1の部材41の間の間隔と同じでもよく、長くてもよく、短くてもよい。また、穴42aは、回転中心線P側から見て、周方向に隣接する2つの接続部材43それぞれに接続されている第1の部材41の間に設けられていてもよいし、周方向のいずれか一方の方向にずれて設けられていてもよい。すなわち、回転子中心線P側から見て、穴42aの少なくとも一部が、周方向に隣接する2つの接続部材43それぞれに接続されている第1の部材41の間に設けられていればよい。
同様に、溝42bの形成位置や回転子中心線P側から見た(周方向に沿った)断面形状は、軸方向に直角な断面で見て、後述する第1の輪110(紐100)を溝42bを通して径方向に渡す工具(例えば、後述するニードル200)が、回転中心線Pを通る直線に沿って溝42bを通ることができればよい。例えば、溝42bの周方向に沿った長さは、周方向に隣接する2つの接続部材43それぞれに接続されている第1の部材41の間の間隔と同じでもよく、長くてもよく、短くてもよい。また、溝42bは、回転中心線P側から見て、周方向に隣接する2つの接続部材43それぞれに接続されている第1の部材41の間に設けられていてもよいし、周方向のいずれか一方の方向にずれて設けられていてもよい。すなわち、回転子中心線P側から見て、溝42bの少なくとも一部が、周方向に隣接する2つの接続部材43それぞれに接続されている第1の部材41の間に設けられていればよい。
さらに、穴42aと溝42bの形成位置は、回転中心線P側から見て、重なっていてもよいし、周方向のいずれか一方にずれていてもよい。好適には、軸方向に直角な断面で見て、穴42aの少なくとも一部が溝42bと重なるように、より好適には、穴42aの周方向中心と溝42bの周方向中心が重なるように、穴42aと溝42bの形状および形成位置が設定される。
以下で説明するレーシング動作は、紐100の一方側の端部を固定した状態で、紐100の他方側の引っ張り力を調整することによって行われる。例えば、図6〜16に示されている紐100の下方側の端部を端部絶縁部材40に縛り付け、紐100を上方側から繰り出すことによって行われる。
また、紐100を用いて固定子巻線30の端部31a〜31cを端部絶縁部材40の第2の部材42に縛り付ける(固定する)工具(レーシング工具)としてニードル200を用いている。ニードル200は、本体部201と、本体部201の先端側に設けられた鉤状のフック部202を有している。
なお、以下の説明では、便宜的に、第2の部材42の、第1の部材41と反対側(図6〜16では、第2の部材42の左側)を「外側」といい、第2の部材42の、第1の部材41側(図6〜16では、第2の部材42の右側)を「内側」という。また、第2の部材42を、第1の部材41と反対側から第1の部材41側に通る方向を「外側から内側の方向」といい、第2の部材42を、第1の部材側41から第1の部材41と反対側に通る方向を「内側から外側の方向」という。
また、図6〜16において、穴42a(1)、穴42a(2)、溝42b(1)、42b(2)、第1の輪110(1)、110(2)、第2の輪120(1)等に付されている括弧付きの数字は、単に、説明を簡単にするためのものである。
また、図6〜14において、回転中心を中心とする反時計方向を「周方向に沿った一方向」とい、時計方向を「周方向に沿った他方向」という。
ニードル200のフック部202を、穴42a(1)に、外側から内側に通し、フック部202に、繰り出し側の紐100を引っ掛ける。[図6の(1)、図15の(1)]
[ステップ2]
紐100を引っ掛けた状態で、フック部202を、穴42a(1)に、内側から外側に通す。これにより、紐100(フック部202で引っ掛けられた箇所を挟んで両側の部分)が、穴42a(1)に、内側から外側に通され、第2の部材42の外側に第1の輪110(1)が形成される。[図7の(2)、図15の(2)]
[ステップ3]
次に、紐100を引っ掛けている状態で、フック部202を、穴42a(1)から、穴42a(1)に対応する溝42b(1)の方向(固定子コア20と反対側)に移動させる。これにより、第2の部材42の外側に形成された第1の輪110(1)は、穴42a(1)から溝42b(1)の方向に伸びる。[図15の(3)]
次に、ニードル200を、ニードル200の中心軸を中心に回転させ、紐100(第1の輪110(1)を形成している部分)をフック部202から外しながら、溝42b(1)の外側から内側に通す。そして、この状態で、フック部202を、第1の輪110(1)の間を通し、フック部202に、繰り出し側の紐100を引っ掛ける。[図8の(4)、図15の(4)]
[ステップ5]
次に、ニードル200を、ニードル200の中心軸を中心に回転させ、紐100を引っ掛けている状態で、フック部202を、第1の輪110(1)の中を、内側から外側に通す。これにより、第2の部材42の内側に、第1の輪110(1)の中を通る第2の輪120(1)が形成される。なお、図9には、第2の輪120(1)が第1の輪110(1)の中を通っている箇所が鎖線で囲まれ、Qで示されている。[図9の(5)、図15の(5)]
[ステップ6]
この状態で、固定子コア20および端部絶縁部材40を、回転中心線Pを中心に回転させる。本実施の形態では、図10に示されているように、固定子コア20および端部絶縁部材40を、回転中心線Pを中心に反時計方向(周方向に沿った一方向)に回転させている。これにより、第2の輪120(1)は、第1の部材41と第2の部材42の間において、時計方向(周方向に沿った他方向)に伸びる。この時、第2の輪120(1)は、穴42a(1)(あるいは溝42b(1))に対応する箇所から、穴42a(1)(溝42b(1))に対して時計方向(周方向に沿った他方向)に隣接する穴42a(2)(あるいは溝42b(2))に対応する箇所まで、すなわち、ほぼ1スロットピッチ伸ばす。
なお、本実施の形態では、同時に、第1の輪110(1)も、第1の部材41と第2の部材42の間において、時計方向に沿って伸ばしている。すなわち、第2の輪120(1)が第1の輪110(1)の中を通る箇所Qが、時計方向に沿って移動する。第1の輪110(1)が時計方向に沿って伸びる長さ(Qの位置)は、例えば、繰り出し側の紐100を引っ張る力を調整することによって調整することできる。本実施の形態では、第2の輪120(1)が第1の輪110(1)の中を通る箇所Qは、第1の輪110(1)を形成するために紐100が通された穴41a(1)に対して時計方向(周方向に沿った他方向)に隣接する接続部材43に対向する領域に設定されるように構成されている。[図10の(6)]
次に、紐100を引っ掛けている状態で、フック202を、溝42b(2)に、内側から外側に通す。これにより、第2の輪120(1)は、溝42b(2)を通って、内側から外側に伸びる。[図11の(7)、図16の(7)]
[ステップ8]
さらに、紐100を引っ掛けている状態で、フック202を、溝42b(2)から、溝42b(2)に対応する穴42a(2)の方向(固定子コア20側)に移動させる。これにより、第2の輪120(1)は、さらに、溝42b(2)から穴42a(2)の方向に伸びる。[図11の(8)、図16の(8)]
次に、ニードル200を、ニードル200の中心軸を中心に回転させ、紐100(第2の輪120(1)を形成している部分)をフック部202から外しながら、穴42a(2)の外側から内側に通す。そして、フック部202を、第2の輪120(1)の中を通すとともに、フック部202に、繰り出し側の紐100を引っ掛ける。[図12の(9)、図16の(9)]
なお、ステップ9の動作は、フック部202を第2の輪120の中を通していることを除いて、ステップ1と同じ動作である。
[ステップ10]
次に、ニードル200を、ニードル200の中心軸を中心に回転させ、紐100を引っ掛けている状態で、フック部202を、穴42a(2)に、内側から外側に通すとともに、第2の輪120(1)の中を通す。これにより、第2の輪120(1)の中を通る第1の輪110(2)が形成される。なお、図13には、第2の輪110(2)が第2の輪120(1)の中を通っている箇所が破線で囲まれ、Rで示されている。第1の輪110が第2の輪120の中を通る箇所Rは、適宜設定することができるが、好適には、穴42a(2)(あるいは、穴42a(2)に対応する溝42b(2))に対応する領域に設定される。これにより、固定子巻線30の端部は、第1の部材41側から見て交差状に配置されている第1の輪110と第2の輪120によって、第2の部材42に固定される。
[図13の(10)、図16の(10)]
なお、ステップ10の動作は、第1の輪110を第2の輪120の中を通していることを除いて、ステップ2と同じ動作である。
ステップ11では、ステップ3と同様の動作を行う。(ステップ11の動作は、図示を省略している。)
すなわち、紐100を引っ掛けている状態で、フック部202を、穴42a(2)から、穴42a(2)に対応する溝42b(2)の方向(固定子コア20と反対側)に移動させた後、溝42b(2)に、外側から内側に通す。これにより、第2の部材42の外側に形成された第1の輪110(2)は、穴42a(2)から溝42b(2)の方向に伸び、さらに、溝42b(2)を通って、第2の部材42の外側から内側に伸びる。
[ステップ12]
ステップ12では、ステップ4と同様のステップ12の動作を行う。
すなわち、ニードル200を、ニードル200の中心軸を中心に回転させ、紐100(第1の輪110(2)を形成している部分)をフック部202から外しながら、溝42b(2)の外側から内側に通す。そして、この状態で、フック部202を、第1の輪110(2)の間を通し、フック部202に、繰り出し側の紐100を引っ掛ける。[図14の(12)]
以下、ステップ5〜12の動作を繰り返し、第1の輪110と第2の輪120を周方向に沿って交互に配置する。
本実施の形態では、紐100を、穴42aに、内側から外側に通すことによって、第2の部材42の外側に第1の輪110が形成され、第2の部材42の内側に第2の輪120が形成されている。第1の輪110は、さらに、第2の部材42bを外側から内側に通されることによって、第2の部材42の内側に渡されている。さらに、第1の輪110と第2の輪120は、周方向に沿って交互に配置されるとともに、第1の輪110が、第2の部材の内側において、第1の輪110に対して周方向に沿った一方向(本実施の形態では、反時計方向)に隣接する第2の輪120の中を通り、第2の輪120が、第2の輪120に対して周方向に沿った一方向に隣接する第1の輪110の中を通るように形成されている。また、本実施の形態では、第2の輪120が第1の輪110の中を通っている箇所Qは、第1の輪110を形成する際に紐100が通される穴42a(あるいは穴42aに対応する溝42b)に対して周方向に沿った一方向に隣接する接続部材43に対向する領域に設定され、第1の輪110が第2の輪120の中を通っている箇所Rは、第1の輪110を形成する際に紐100が通される穴42a(あるいは穴42aに対応する溝42b)の近傍の領域に設定されている。これにより、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bは、交差状に配置されている第1の輪110と第2の輪120によって第2の部材42に固定される。
本実施の形態では、紐100を、穴42aおよび溝42bに径方向に沿った方向に通す操作、端部絶縁部40(固定子コア20)を回転させる操作を行うことによって固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを第2の部材40に固定することができるため、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを端部絶縁部材40の第2の部材42に容易に固定することができる。特に、本実施の形態では、1本(1つ)の紐100を用いて、周方向に沿って交互に連続して編み込んだ第1の輪と第2の輪を形成し、そして、この第1の輪と第2の輪によって、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを端部絶縁部材40の第2の部材42に押し付け(縛り付け)、固定している。このため、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを端部絶縁部材40の第2の部材42に固定する作業を機械化することができる。したがって、固定子あるいは回転機を、容易に、短時間で製造することができ、作業効率が向上する。
第2の実施の形態の回転機の固定子10を、図17〜19を参照して説明する。なお、図17は、第2の実施の形態の回転機の固定子10を、軸方向の一方側(端部絶縁部材40側)から見た平面図であり、図18は、図17のXVIII線矢視図(内側から見た図)であり、図19は、図17のXIX線矢視図(外側から見た図)である。
第2の実施の形態の回転機の固定子10は、第2の輪120が第1の輪110の中を通る箇所Qが、周方向に隣接する2つの接続部材43の間の領域、好適には、2つの接続部材43の間の中央(略中央を含む)に設定されている点が第1の実施の形態の回転機の固定子10と異なっているだけで、他の構成は同じである。したがって、以下では、第2の輪120が第1の輪110の中を通る箇所Qについてのみ説明する。
第1の実施の形態の図10に対応する動作が図20に示されており、第1の実施の形態の図14に対応する動作が図21に示されている。
図20および21に示されているように、本実施の形態では、第2の輪120(1)が第1の輪110(1)の中を取っている箇所Qが、第1の輪110(1)を形成する際に紐100が通される穴42a(1)(あるいは、穴42a(1)に対応する溝42b(1))の近傍の領域に設定されている。第2の輪120(1)が第1の輪110(1)の中を取っている箇所Qを、穴42a(1)(あるいは溝42b(1))の近傍の領域に設定する方法としては、例えば、繰り出される紐100を引っ張る力を調整する方法を用いることができる。
また、紐100を、穴42aに、内側から外側に通すことによって第2の部材42の外側に形成され、さらに、溝42bを通すことによって第2の部材42の外側から内側に渡されている第1の輪110と、紐100を、穴42aに、内側から外側に通すことによって第2の部材42の内側に形成された第2の輪120が周方向に交互に配置されている。第1の輪110は、第1の輪110に対して周方向に沿った一方向(本実施の形態では、反時計方向)に隣接する第2の輪120の中を通り、第2の輪120は、第2の輪120に対して周方向に沿った一方向に隣接する第1の輪110の中を通るように形成されている。また、本実施の形態では、第2の輪120が第1の輪110の中を通っている箇所Qは、第1の輪110を形成する際に紐100が通される穴42aに対して周方向両側に隣接する2つの接続部材43の間の領域に設定され、第1の輪110が第2の輪120の中を通っている箇所Rは、第1の輪110を形成する際に紐100が通される穴42a(あるいは穴42aに対応する溝42b)の近傍の領域に設定されている。これにより、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bは、周方向に隣接する穴42aの近傍において、第2の部材42に強固に固定される。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、紐100を、穴42aおよび溝42bに径方向に沿った方向に通す操作、端部絶縁部40(固定子コア20)を回転させる操作を行うことによって固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを第2の部材40に固定することができるため、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを端部絶縁部材40の第2の部材42に容易に固定することができる。
特に、本実施の形態では、固定子巻線30の一方の端部31a〜31cと他方の端部32a、32bを、1本(1つ)の紐100を用いて周方向に沿って交互に形成した第1の輪と第2の輪によって、端部絶縁部材40の第2の部材42に固定する操作を機械化することができる。したがって、固定子あるいは回転機を、容易に、短時間で製造することができ、作業効率が向上する。
回転子が固定子の内側に回転可能に支持される回転子内転型の電動機について説明したが、回転子が固定子の外側に回転可能に支持される回転子外転型の電動機として構成することもできる。回転子外転型の電動機では、端部絶縁部材は、外側に第1の部材が設けられ、内側に第2の部材が設けられる。また、好適には、紐(固定部材)は、第2の部材の穴(第1の貫通部)に、内側から外側に通され、第1の輪は、溝(第2の貫通部)に、外側から内側に通される。
電動機について説明したが、電動機に限定されず、発電機等として構成することもできる。
第2の部材に穴を形成したが、第1の貫通部としては、穴に限定されず、固定子コア側が開口している溝を用いることもできる。また、第2の部材に溝を形成したが、第2の貫通部としては、固定子コアと反対側が開口している溝を用いることができる。さらに、第2の部材に、固定子コアと反対側が開口している溝を形成し、この溝を第1の貫通部および第2の貫通部として用いることもできる。
紐(固定部材)を、第2の部材の第1の貫通部および第2の貫通部に径方向に沿った一方向に通す方向としては、外側から内側の方向や内側から外側の方向を用いることができる。
固定子巻線の端部を端部絶縁部材の第2の部材に固定する固定部材としては、紐に限定されず、糸等の種々固定部材を用いることができる。
固定子巻線の一方の端部と他方の端部を軸方向一方側の端部絶縁部材に配置したが、固定子巻線の一方の端部を軸方向一方側の端部絶縁部材に配置し、固定子巻線の他方の端部を軸方向他方側の端部絶縁部材に配置することもできる。この場合には、軸方向一方側の端部絶縁部材および軸方向他方側の端部絶縁部材に穴(第1の貫通部)と溝(第2の貫通部)を形成し、固定子巻線の一方の端部を第1の固定部材により軸方向一方側の端部絶縁部材の第2の部材に固定し、固定子巻線の他方の端部を第2の固定部材により軸方向他方側の端部絶縁部材の第2の部材に固定する。すなわち、本発明では、少なくとも一方の端部絶縁部材に固定子巻線の少なくとも一方の端部が配置されているとともに、固定子巻線の少なくとも一方の端部が少なくとも一方の端部絶縁部材の第2の部材に固定されている。
また、固定子巻線の一方の端部のみを外部に引き出したが、固定子巻線の両方の端部を外部に引き出してもよい。
第2の部材に第1の貫通部および第2の貫通部を設けたが、第2の貫通部は省略することもできる。
端部絶縁部材の構成は、実施の形態で説明した構成に限定されない。
紐(固定部材)を用いて、固定子巻線の端部を端部絶縁部材の第2の部材に固定する操作は、作業員が行ってもよいし機械を用いて行ってもよい。
本発明の固定子は、固定子巻線の大部分が前述した方法で形成された第1の輪と第2の輪で固定されていれば良く、固定子巻線の端部の一部(例えば、レーシングの開始部分や終了部分)が、前述した方法で形成された第1の輪と第2の輪によって固定されていない固定子も含まれる。
例えば、
「(態様1)
固定子コアと、固定子巻線と、前記固定子コアの軸方向両側に設けられている端部絶縁部材を備え、
前記固定子コアは、軸方向に直角な断面で見て、
周方向に沿って延びているヨークと、
前記ヨークから径方向に沿って延びているティース基部と、前記ティース基部の先端側に設けられ、周方向に沿って延びているとともに前記ヨークと反対側にティース先端面が形成されているティース先端部を有する複数のティースを有しており、
前記各端部絶縁部材は、軸方向に直角な断面で見て、
前記ティースのティース先端部に対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている複数の第1の部材と、
前記ヨークに対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている第2の部材と、
前記ティースのティース基部に対向する箇所に配置され、径方向に沿って延びている、前記第1の部材と前記第2の部材に接続されている複数の接続部材を有しており、
前記固定子巻線は、前記ティースおよび前記接続部材に集中巻き方式により巻かれている固定子における、前記固定子巻線の端部を固定する方法であって、
少なくとも一方の前記端部絶縁部材として、周方向に隣接する2つの前記接続部材の間において前記第2の部材を径方向に貫通している複数の第1の貫通部を有する端部絶縁部材を用い、
一端側が固定され、他端側が繰り出される固定部材を引っ掛けて、前記第1の貫通部に、前記第1の部材側から通すことによって、前記第2の部材の、前記第1の部材と反対側に第1の輪を形成し、当該第1の輪を、前記第2の部材の、前記第1の部材と反対側から、前記第2の部材の前記第1の部材側に渡すとともに、当該第1の輪に対して周方向の一方側に隣接する第2の輪の中を通す第1のステップと、
前記固定部材を引っ掛けて、前記第2の部材の前記第1の部材側において、前記第1の輪の中を通すことによって、前記第2の部材の前記第1の部材側に、当該第1の輪に対して周方向の他方側に隣接する第2の輪を形成する第2のステップを備え、
前記第1のステップと第2のステップを繰り返すことによって周方向に沿って交互に形成された前記第1の輪と第2の輪により、前記固定子巻線の端部を前記少なくとも一方の端部絶縁部材の前記第2の部材に固定することを特徴とする固定子巻線の端部を固定する方法。」として構成することができる。
あるいは、
「(態様2)
態様1の固定子巻線の端部を固定する方法であって、
前記少なくとも一方の端部絶縁部材として、周方向に隣接する2つの前記接続部材の間において、軸方向に沿って前記第1の貫通部より前記固定子コアから離れている箇所で前記第2の部材を径方向に貫通している複数の第2の貫通部を有する端部絶縁部材を用い、
前記第1ステップでは、前記第1の輪を、前記第2の貫通部を通って、前記第2の部材の、前記第1の部材と反対側から、前記第2の部材の前記第1の部材側に渡すことを特徴とする固定子。」として構成することができる。
態様1および2の固定子巻線の端部を固定する方法を用いることによって、集中巻き方式で巻かれた固定子巻線の端部を端部絶縁部材に容易に固定することができる。
20 固定子コア
21 ヨーク
22 ティース
22a ティース基部
22b ティース先端部
22cティース先端面
23 スロット
23a スロット開口部
30 固定子巻線
31a、31b、31c、32a、32b 固定子巻線の端部
40、50 端部絶縁部材
41 第1の部材
41a 内周面
42 第2の部材
42a 穴(第1の貫通部)
42b 溝(第2の貫通部)
42c 補助部材
43 接続部材
60 スロット絶縁部材
70 相間絶縁部材
100 紐(固定部材)
110 第1の輪
120 第2の輪
200 ニードル
201 本体部
202 フック部
Q 第2の輪が第1の輪の中を通っている箇所
R 第1の輪が第2の輪の中を通っている箇所
Claims (11)
- 固定子コアと、固定子巻線を備え、
前記固定子コアは、軸方向に直角な断面で見て、
周方向に沿って延びているヨークと、
前記ヨークから径方向に沿って延びているティース基部と、前記ティース基部の先端側に設けられ、周方向に沿って延びているとともに前記ヨークと反対側にティース先端面が形成されているティース先端部を有する複数のティースと、
前記ヨークと、周方向に隣接する2つの前記ティースによって形成された複数のスロットを有している固定子であって、
前記固定子コアの軸方向両側に設けられている端部絶縁部材と、固定部材を備え、
前記各端部絶縁部材は、軸方向に直角な断面で見て、
前記ティースのティース先端部に対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている複数の第1の部材と、
前記ヨークに対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている第2の部材と、
前記ティースのティース基部に対向する箇所に配置され、径方向に沿って延びている、前記第1の部材と前記第2の部材に接続されている複数の接続部材を有しており、
少なくとも一方の前記端部絶縁部材の前記第2の部材は、周方向に隣接する2つの前記接続部材の間において前記第2の部材を径方向に貫通している複数の第1の貫通部を有しており、
前記固定子巻線は、前記ティースおよび前記接続部材に集中巻き方式により巻かれており、
さらに、前記固定部材が、前記複数の第1の貫通部に通されることによって形成された複数の第1の輪と第2の輪を有しており、
前記少なくとも一方の端部絶縁部材には、前記固定子巻線の少なくとも一方の端部が前記第1の部材と前記第2の部材の間に配置されており、また、前記固定子巻線の少なくとも一方の端部は、前記複数の第1の輪と前記第2の輪によって前記第2の部材に固定されていることを特徴とする固定子。 - 請求項1に記載の固定子であって、
前記複数の第1の輪と第2の輪は、第1の輪が、当該第1の輪に対して周方向の一方側に隣接する第2の輪の中を通り、第2の輪が、当該第2の輪に対して周方向の一方側に隣接する第1の輪の中を通るように、周方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする固定子。 - 請求項1または2に記載の固定子であって、
前記第1の輪は、前記固定部材が、前記第1の貫通部に前記第1の部材側から通されることによって、前記第2の部材の、前記第1の部材と反対側に形成され、さらに、前記第2の部材の前記第1の部材側に渡されているとともに、当該第1の輪に対して周方向の一方側に隣接する前記第2の輪の中を通されており、
前記第2の輪は、前記固定部材が、周方向に沿って離れている2つの前記第1の貫通部に前記第1の部材側から通され、また、前記第2の部材の、前記第1の部材側において、当該2つの前記第1の貫通部の間の前記固定部材が、当該第2の輪に対して周方向の一方側に隣接する前記第1の輪の中を通されることによって、前記第2の部材の前記第1の部材側に形成されていることを特徴とする固定子。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の固定子であって、
前記第1の貫通部は、径方向に貫通している穴あるいは前記固定子コア側が開口しているとともに径方向に貫通している溝であることを特徴とする固定子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の固定子であって、
前記第1の貫通部は、軸方向に直角な断面で見て、当該第1の貫通部の少なくとも一部と前記固定子コアの中心を通る線が、前記周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている前記第1の部材の間を通るように設けられていることを特徴とする固定子。 - 請求項3に記載の固定子であって、
前記少なくとも一方の端部絶縁部材の前記第2の部材は、周方向に隣接する2つの前記接続部材の間において、軸方向に沿って前記第1の貫通部より前記固定子コアから離れている箇所で前記第2の部材を径方向に貫通している複数の第2の貫通部を有しており、
前記第1の輪は、前記第2の貫通部を通って、前記第2の部材の、前記第1の部材と反対側から、前記第2の部材の前記第1の部材側に渡されていることを特徴とする固定子。 - 請求項6に記載の固定子であって、
前記第1の貫通部は、径方向に貫通している穴あるいは前記固定子コア側が開口しているとともに径方向に貫通している溝であり、前記第2の貫通部は、前記固定子コアと反対側が開口しているとともに径方向に貫通している溝であることを特徴とする固定子。 - 請求項6または7に記載の固定子であって、
前記第1の貫通部および前記第2の貫通部は、軸方向に直角な断面で見て、当該第1の貫通部の少なくとも一部と前記固定子コアの中心を通る線および当該第2の貫通部の少なくとも一部と前記固定子コアの中心を通る線が、前記周方向に隣接する2つの接続部材それぞれに接続されている前記第1の部材の間を通るように設けられていることを特徴とする固定子。 - 請求項2〜8のいずれかに記載の固定子であって、
第2の輪が、当該第2の輪に対して周方向の一方側に隣接する第1の輪の間を通っている箇所が、前記接続部材に対向する領域に配置されていることを特徴とする固定子。 - 請求項2〜8のいずれかに記載の固定子であって、
第2の輪が、当該第2の輪に対して周方向の一方側に隣接する第1の輪の間を通っている箇所が、周方向に隣接する2つの前記接続部材の間の領域に配置されていることを特徴とする固定子。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の固定子と、回転子を備え、前記回転子は、前記固定子の前記ティース先端面との間に空隙を有するように回転可能に支持されていることを特徴とする回転機。
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