JP2012126544A - 排紙装置 - Google Patents

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Naoya Masuda
直哉 増田
Hiroshi Sugitani
寛 杉谷
Kazuyuki Aoki
和之 青木
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Abstract

【課題】積載された複数枚の用紙を排紙トレイ上に傾くことなく整合させる。
【解決手段】排紙ローラ14により用紙Pを排紙方向側の前端Pfを先頭にして鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイ12上に高速に順次排紙して積載し、且つ、排紙された用紙Pの後端Pr側を傾斜させた排紙トレイ12上又は積載された用紙P上に沿って自重落下させると共に、自重落下中の用紙Pの後端Pr側を用紙戻しローラ15でニップしながら排紙方向と反対側に移動させて用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13に突き当てて、積載された用紙Pの後端Prを整合させる際に、用紙後端突き当てフェンス13に取り付けられた振動発生手段16で発生させた用紙Pの前後方向に向かう振動波を用紙後端突き当てフェンス13に印加することで、積載された複数枚の用紙Pを排紙トレイ12上で傾くことなく確実に整合できることを特徴としている排紙装置10を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排紙ローラにより用紙を排紙方向側の前端を先頭にして鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイ上に高速に順次排紙して積載する際に、排紙トレイ上に積載された用紙の後端側を整合させることができる排紙装置に関するものである。
一般的に、排紙ローラにより用紙を排紙トレイ上に順次排紙して積載する排紙装置は、インクジェット印刷装置,孔版印刷装置,レーザビームプリンタ,熱転写印刷装置や複写機(コピー機)などに適用されている。
この種の排紙装置の従来例の一例として、排紙トレイのシフト動作における用紙の乱れを抑制できる用紙積載装置・後処理装置・画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来の用紙積載装置について特許文献1を参照して簡略に説明する。
図6に示した従来の用紙積載装置100では、この装置100の側板101が鉛直方向に沿って垂設されている。
また、側板101の外側には、排紙された用紙Pを積載するための排紙トレイ102が側板101に対して所定の角度傾斜させた状態で設けられ、且つ、側板101に沿って昇降可能に設けられていると共に、用紙Pの仕分けをするために用紙Pの排紙方向と直交する用紙幅方向(紙面に垂直な方向)にシフト移動可能に設けられている。
また、側板101の上方側には、用紙Pを排紙するために駆動ローラ103Aと従動ローラ103Bとの対による排紙ローラ103が回転自在に設けられている。
また、排紙トレイ102の上面102aの上方で、且つ、排紙トレイ102の後端102bの近傍に、用紙戻しコロ104が排紙ローラ103の駆動ローラ103Aと同一駆動源により回転自在に設けられている。
そして、排紙された用紙Pが所定の角度傾斜させた排紙トレイ102上又は積載した用紙P上に沿って自重落下したときに、この用紙Pの後端側を用紙戻しコロ104により排紙方向とは反対側に移動させて側板101に突き当てることで、排紙トレイ102上に積載された複数枚の用紙Pの後端を側板101に沿って整合させるようになっている。
そして、排紙トレイ102をシフト移動させる場合に、排紙トレイ102上に積載した用紙Pの上面と用紙戻しコロ104とが離間するように排紙トレイ102を下降量kだけ一端下降させてからシフト動作をさせるように構成されている。
特開2002−12362号公報
ところで、上記した特許文献1に開示された従来の用紙積載装置100において、排紙トレイ102のシフト動作については特許文献1を参照されたいが、排紙ローラ103により用紙Pを排紙トレイ102上に順次排紙して積載する場合に、図7に示したように、排紙トレイ102の後端102b側の上方に複数枚の用紙P(P1,P2,……)の後端Prを側板101に突き当てて整合させるための用紙戻しコロ104が設けられているものの、排紙トレイ102上又は積載した用紙P上に排紙された用紙P(P1,P2,……)が斜めに載置される場合がある。
そこで、本出願人は、排紙トレイ102上又は積載した用紙P上に排紙された用紙Pが斜めに載置される原因を追究するために、特許文献1に開示された従来の用紙積載装置100の技術思想を適用して試作機を試作し、図8(a)〜(e)に示したように、従来技術を適用した試作機100’における排紙動作の検証を行ってみた。
即ち、図8(a)〜(e)に示した如く、従来の用紙積載装置100の技術思想を適用した試作機100’では、鉛直方向に沿って垂設した側板101に排紙トレイ102が所定の傾斜角度として例えば略120°程度傾斜させた状態で側板101に沿って上下動可能に取り付けられており、且つ、側板101の上方部位に用紙排紙口101aが開口されていると共に、用紙排紙口101aより下方に用紙Pの後端Prを案内する用紙案内部101bが排紙トレイ102の上面102aに対して略直角になるように折り曲げられている。
また、側板101の用紙排紙口101aの近傍に排紙ローラ103が回転自在に設けられており、且つ、排紙ローラ103は、不図示の駆動源に連結されて上方に配設された駆動ローラ103Aと、下方に配設された従動ローラ103Bとで対をなしている。
また、排紙トレイ102の上面102a上で、且つ、排紙トレイ102の後端102bの近傍に、用紙戻しコロ104が排紙ローラ103の駆動ローラ103Aと同一駆動源により回転自在に設けられており、且つ、用紙戻しコロ104は、側板101の用紙案内部101bと交差するように配設されている。
ここで、上記した試作機100’における排紙動作について順を追って説明する。
まず、図8(a)に示した如く、試作機100’内で排紙ローラ103を回転させて、この排紙ローラ103により用紙Pを高速に順次排紙する際に、先に排紙対象となった用紙P1の前端Pfを先頭にして矢印で示した排紙方向に向けて高速に排紙する。この際、用紙戻しコロ104は反時計方向に回転している。
次に、図8(b)に示した如く、排紙ローラ103により先に排紙された用紙P1は、排紙トレイ102の上面102a上に落下する。
次に、図8(c)に示した如く、排紙トレイ102の上面102a上に落下した用紙P1はこの上面102a上に沿うと共に、後続する用紙P2が排紙ローラ103によって排紙を開始する。
次に、図8(d)に示した如く、排紙トレイ102の上面102a上に沿った用紙P1は、この上面102aの傾斜により用紙P1の後端Pr側を先頭にして上面102aに沿いながら自重落下する。一方、後続して排紙された用紙P2の前端Pfが、先に排紙されて自重落下中の用紙P1と衝突する。このとき、先に排紙されて自重落下中の用紙P1の後端Pr側は用紙戻しコロ104の位置まで到達していないために、後続する用紙P2の衝突により先に排紙された下方の用紙P1が左右及び/又は前後に動かされてしまい、これにより先に図7に示したように、排紙された下方の用紙P1が排紙トレイ102の上面102aに対して左右のバランスが崩れて斜めに傾いてしまう。
次に、図8(e)に示した如く、排紙トレイ102の上面102a上で斜めに傾いた下方の用紙P1は更に自重落下して用紙戻しコロ104に到達してニップされた後に、この用紙戻しコロ104により下方の用紙P1の後端Prが側板101の用紙案内部101bの下方に突き当たるが、図7に示したように下方の用紙P1は斜めに傾いて載置されてしまう。
また、用紙P1が排紙トレイ102の上面102a上又は積載された用紙P上に沿って自重落下して用紙戻しコロ104にニップされた場合でも、先に排紙された用紙P1と排紙トレイ102の上面102aとの間、又は、積載された用紙P間に生じる摩擦や静電気などによって用紙戻しコロ104の搬送力に負け、これにより用紙Pの後端Prを側板101に沿って確実に突き当てることができず、結果として用紙Pの後端Prが揃わなくなり整合できない。
そして、後続する用紙P2もこの後に排紙される用紙(図示せず)が衝突するので、上記と同様に傾くために、用紙戻しコロ104を設けても複数枚の用紙Pの後端Prを側板101に沿って整合させることができないので問題である。
そこで、排紙ローラにより用紙を排紙方向側の前端を先頭にして鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイ上に高速に順次排紙して積載し、且つ、排紙された用紙の後端側が排紙トレイ上又は積載された用紙上に沿って自重落下したときに、この用紙の後端側を用紙戻し部材(用紙戻しローラ)により排紙方向とは反対側に移動させて用紙後端突き当てフェンスに突き当てた際に、積載された複数枚の用紙を排紙トレイ上に傾くことなく整合させることができる排紙装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、用紙の前端を先頭にして排紙方向に向かって順次排紙する排紙ローラと、
前記排紙ローラと対向して設けられ、且つ、前記排紙ローラにより排紙された前記用紙を順次積載すると共に、排紙された前記用紙の後端側が自重落下できるように鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイと、
前記排紙トレイの上面上又は積載された前記用紙上に沿って自重落下中の前記用紙の後端側を排紙方向とは反対側に移動させる用紙戻し部材と、
前記用紙戻し部材によって排紙方向とは反対側に移動させられた前記用紙の後端を突き当てるように設置された用紙後端突き当てフェンスと、
前記用紙後端突き当てフェンスに取り付けられて前記用紙の前後方向に向かって振動波を発生しており、前記振動波により用紙後端突き当てフェンスに突き当てられた前記用紙の後端を整合させる振動発生手段と、
を備えたことを特徴とする排紙装置である。
また、請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の排紙装置において、
前記用紙戻し部材は、自重落下中の前記用紙の後端側に転接して該後端側を排紙方向とは反対側に移動させる回転自在な用紙戻しローラであることを特徴とする排紙装置である。
請求項1記載の排紙装置によれば、排紙ローラにより用紙を排紙方向側の前端を先頭にして鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイ上に順次排紙して積載し、且つ、排紙された用紙の後端側を傾斜させた排紙トレイ上又は積載された用紙上に沿って自重落下させると共に、自重落下中の用紙の後端側を用紙戻し部材により排紙方向と反対側に移動させて用紙の後端を用紙後端突き当てフェンスに突き当てて、積載された用紙の後端を整合させる際に、用紙後端突き当てフェンスに取り付けられた振動発生手段で発生させた用紙の前後方向に向かう振動波を用紙後端突き当てフェンスに印加することにより、積載された複数枚の用紙を排紙トレイ上で傾くことなく確実に整合できるので、本発明に係る排紙装置の品質向上に寄与できる。
また、請求項2記載の排紙装置によれば、請求項1記載の排紙装置において、用紙戻し部材は、自重落下中の用紙の後端側に転接して後端側を排紙方向とは反対側に移動させる回転自在な用紙戻しローラであるので、自重落下中の用紙の後端側を排紙方向とは反対側に移動させて用紙の後端を用紙後端突き当てフェンスに確実に突き当てることができる。
本発明に係る排紙装置を示した構成図である。 図1に示した用紙後端突き当てフェンス及び振動発生手段を示した斜視図である。 本発明に係る排紙装置を用いて用紙を排紙トレイ上に排紙したときに、排紙トレイ上に積載された用紙の姿勢を説明するために用紙の後端側を拡大して示した図である。 図1に示した排紙ローラ及び用紙戻しローラの具体的な構成例を示した斜視図である。 (a)〜(e)は本発明に係る排紙装置における排紙動作を説明するための動作図である。 従来の用紙積載装置を示した構成図である。 従来の用紙積載装置を用いて用紙を排紙トレイ上に排紙したときに、排紙トレイ上に積載された用紙の姿勢を説明するための図である。 (a)〜(e)は従来の用紙積載装置の技術思想を適用して試作した試作機における排紙動作を説明するための図である。
以下に本発明に係る排紙装置の一実施例について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1に示した如く、本発明に係る排紙装置10は、特許文献1に開示された従来の用紙積載装置100(図6)の技術思想を適用して試作した試作機100’(図8)に対して改良を施すことにより、排紙ローラ14により用紙Pを排紙方向側の前端Pfを先頭にして鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイ12上に高速に順次排紙して積載し、且つ、排紙された用紙Pの後端Pr側を傾斜させた排紙トレイ12上又は積載された用紙P上に沿って自重落下させると共に、自重落下中の用紙Pの後端Pr側を用紙戻し部材(以下、用紙戻しローラと記す)15でニップしながら排紙方向と反対側に移動させて用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13に突き当てて、積載された用紙Pの後端Prを整合させる際に、用紙後端突き当てフェンス13に取り付けられた振動発生手段16で発生させた用紙Pの前後方向に向かう振動波を用紙後端突き当てフェンス13に印加することで、積載された複数枚の用紙Pを排紙トレイ12上で傾くことなく確実に整合できることを特徴としている。
即ち、本発明に係る排紙装置10では、この装置10の側板11が鉛直方向に沿って垂設されていると共に、側板11の上方部位に用紙排紙口11aが開口されている。
また、側板11の外側には、排紙された用紙Pを上面12a上に積載するための排紙トレイ12が、排紙ローラ14と対向して設けられている。
上記した排紙トレイ12は、排紙ローラ14により排紙された用紙Pが自重落下できるように側板11に対して所定の角度傾斜させており、且つ、この排紙トレイ12の後端12bが側板11に沿って案内されながら昇降可能に設けられていると共に、用紙Pの仕分けをするために用紙Pの排紙方向と直交する用紙幅方向(紙面に垂直な方向)にシフト移動可能に設けられている。
この際、排紙トレイ12の所定の傾斜角度は、先に図8を用いて説明した試作機100’における略120°程度の傾斜角度よりも大きく略130°程度に設定することで、排紙トレイ12上に排紙された用紙Pが試作機100’の場合よりも早く自重落下できるようになっている。
尚、排紙トレイ12上に排紙された用紙Pが自重で落下できる排紙トレイ12の所定の傾斜角度は、側板11に対して120°〜135°の範囲内に設定すれば良いものである。
尚また、排紙トレイ12のシフト機構については、先の特許文献1に開示されたものと略同様な機構を採用しているので、ここでの詳述を省略する。
また、側板11の外側に用紙後端突き当てフェンス13が側板11と平行に鉛直方向に沿って垂設されている。
上記した用紙後端突き当てフェンス13は、図2にも拡大して示したように、排紙トレイ12(図1)上に積載された用紙Pの後端Prを突き当てるための用紙突き当て部13aが用紙Pの幅方向の左右に分かれてコ字凸状に突出形成されていると共に、用紙突き当て部13aの上方に用紙Pの後端Prを案内する用紙案内部13bが排紙トレイ12の上面12aに対して略直角になるように折り曲げられている。
また、用紙後端突き当てフェンス13の裏面側には、用紙Pの前後方向に向って振幅が略1mm程度の振動波を発生する振動発生手段16が取り付けられている。
上記した振動発生手段16は、用紙後端突き当てフェンス13の裏面側にL字状ブラケット17が裏面に対して略直角に取り付けられ、このL字状ブラケット17にモータ18が用紙Pの幅方向と略平行に取り付けられていると共に、モータ18の軸に偏心板19が固着されている。
上記により、振動発生手段16内に設けたモータ18を回転させると、偏心板19の回転作用によりモータ18の軸と直交する方向の振動波が発生し、この振動波が用紙後端突き当てフェンス13に印加されると、用紙後端突き当てフェンス13が用紙Pの前後方向に振動するので、後述するように用紙後端突き当てフェンス13の左右に設けた用紙突き当て部13aに突き当てられた用紙Pの後端Prが前後方向に振動する振動波により用紙突き当て部13aに沿って整合されるようになっている。
この際、排紙トレイ12上に積載された用紙Pの枚数に応じて振動発生手段16の出力を可変するように制御部21(図1)を介して制御するように構成することも可能である。
尚、この実施例における振動発生手段16は、偏心板19の回転により用紙Pの前後方向に向かって振動波を発生させているが、これに限ることなく、例えば周知の積載型圧電素子(図示せず)などを用紙後端突き当てフェンス13に取り付けて用紙Pの前後方向に向かって振動波を発生させても良いものである。
また、側板11の上方部位に開口された用紙排紙口11aの近傍には、用紙Pを排紙するためにゴム材を用いて形成された駆動ローラ14Aと従動ローラ14Bとからなる排紙ローラ14が回転自在に設けられている。
この際、排紙ローラ14の駆動ローラ14Aは、制御部21の指令により駆動するギアードモータ22とギア列23を介して連結されて時計方向に回転自在になっており、この駆動ローラ14Aに従動する従動ローラ14Bは反時計方向に回転自在になっているので、両ローラ14A,14B間に用紙Pを挟持搬送することで、用紙Pの前端Pfを先頭にして矢印で示した排紙方向に排紙されている。
そして、排紙トレイ12の所定の傾斜角度を略130°程度に設定した場合に、排紙トレイ12の上面12aと、排紙方向に沿って排紙された用紙Pとがなす角度は15°〜20°となり、この角度で用紙Pの前端Pfが排紙トレイ12に向かうように設定されている。
また、図1及び図3に示したように、排紙トレイ12の上面12aの上方で、且つ、用紙後端突き当てフェンス13の左右に設けた用紙突き当て部13a間に用紙戻しローラ(用紙戻し部材)15がスポンジ材を用いて排紙トレイ12上に排紙された用紙Pの後端Pr側に転接可能に設けられている。
この際、排紙された用紙P上に用紙戻しローラ15が転接するニップ点Nは、図3に示したように、用紙P上で画像Gが形成されてなく装置10(図1)によって設定される後端Pr側の余白Yの範囲Yd内であり、この余白Yの範囲Yd内は装置10の設定により例えば後端Prとこの後端Prから1〜3mm程度内側の位置との間である。
図1に戻り、上記した用紙戻しローラ15は、制御部21の指令に従って駆動するギアードモータ22とギア列23を介して連結されて反時計方向に回転自在に設けられ、且つ、後述するギア列23の構成により用紙戻しローラ15の回転速度は排紙ローラ14の駆動ローラ14Aの回転速度と同じに設定されている。
また、上記した用紙戻しローラ15は、所定の角度傾斜させた排紙トレイ12上又は積載した用紙P上に排紙された用紙Pの後端Pr側を重力により落下させた後に、この用紙Pの後端Pr側に転接して用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13に突き当てて、排紙トレイ12上に積載された複数枚の用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13に沿って整合させる機能を備えている。
ここで、上記した排紙ローラ14対及び用紙戻しローラ15の具体的な構成例について図4を用いて説明する。
図4に示した如く、用紙Pの幅方向に沿って長尺な第1シャフト24の左右に排紙ローラ14の駆動ローラ14Aがゴム材を用いて焼き付けにより固着されており、且つ、第1シャフト24の両端側が不図示の軸受を介して軸支されていると共に、第1シャフト24の一端側に固着させたギア列23のギア23Aがギアードモータ22の軸に固着させたギア23Bに噛合することで、第1シャフト24と一体に駆動ローラ14Aが時計方向に回転自在に設けられている。
一方、排紙ローラ14の従動ローラ14Bは、左右の駆動ローラ14Aと対応して左右にそれぞれ設けた第1アーム25の一端側に回転自在に軸支され、且つ、第1アーム25の他端側が第2シャフト26に回動可能に軸支されており、ネジリバネ27の付勢力により従動ローラ14Bが駆動ローラ14Aに転接可能になっている。
また、ギアードモータ22の軸に固着させたギア23Bは、アイドラーギア23Cを介して第3シャフト28に固着させたギア23Dに噛合することで、第1シャフト24と平行に設けられ且つ不図示の軸受を介して両端側を軸支された第3シャフト28が駆動ローラ14Aとは反対方向の反時計方向に回転自在に設けられており、且つ、この第3シャフト28に第2アーム29が回動可能に取り付けられている。
この際、ギア列23を構成するギア23A〜23Dは全て同一径に形成されている。
また、上記した第2アーム29の一端側には、左右の駆動ローラ14A間に配置される用紙戻しローラ15をスポンジ材を用いて固着させた第4シャフト30が不図示の軸受を介して回転自在に軸支されていると共に、第2アーム29の他端側は軸受31を介して第3シャフト28に回動可能に軸支されているので、第2アーム29を介して用紙戻しローラ15が自重により下方の用紙Pに転接可能になっている。
また、第2アーム29の他端側の右側方に配置した第1タイミングプーリ32が第3シャフト28に固着されている。
一方、用紙戻しローラ15を固着した第4シャフト30は、第2アーム29の一端側の右側方に延出され、且つ、延出された第4シャフト30の端部に第2タイミングプーリ33が第1タイミングプーリ32と同じ径に形成されて固着されている。
そして、第1タイミングプーリ32と第2タイミングプーリ33とにタイミングベルト34がかけられているので、第3シャフト28の回転が第4シャフト30を介して用紙戻しローラ15に伝達されている。
上記により、第4シャフト30に固着した用紙戻しローラ15は、排紙ローラ14の駆動ローラ14Aと同じ速度で回転するものの、駆動ローラ14Aの回転方向とは反対側の反時計方向に回転するようになり、これにより排紙された用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13側に向けて移動させることができるので、用紙戻しローラ15により用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13に突き当てることが可能になっている。
ここで、上記のように構成した本発明に係る排紙装置10における排紙動作について、図5を用いて説明する。
まず、図5(a)に示した如く、本発明に係る排紙装置10内で排紙ローラ14を回転させて、この排紙ローラ14により用紙Pを高速に順次排紙する際に、先に排紙対象となった用紙P1の前端Pfを先頭にして矢印で示した排紙方向に向けて高速に排紙する。この際、用紙戻しローラ15は反時計方向に回転していると共に、用紙後端突き当てフェンス13の裏面側に取り付けた振動発生手段16により発生させた用紙Pの前後方向に向かう振動波が用紙後端突き当てフェンス13に印加されている。
次に、図5(b)に示した如く、排紙ローラ14により先に排紙された用紙P1は、排紙トレイ12の上面12a上に落下する。
次に、図5(c)に示した如く、排紙トレイ12の上面12a上に落下した用紙P1はこの上面12a上に沿うと共に、後続する用紙P2が排紙ローラ14によって排紙を開始する。
次に、図5(d)に示した如く、排紙トレイ12の上面12a上に沿った用紙P1は、この上面12aの傾斜により用紙P1の後端Pr側を先頭にして上面12aに沿いながら自重落下する。一方、後続して排紙された用紙P2の前端Pfが、先に排紙されて自重落下中の用紙P1と衝突する。このとき、先に排紙されて自重落下中の用紙P1の後端Pr側は用紙戻しローラ15の位置まで到達していないために、後続する用紙P2の衝突により先に排紙された下方の用紙P1が左右及び/又は前後に動かされてしまい、これにより先に図7に示したように、排紙された下方の用紙P1が排紙トレイ12の上面12aに対して斜めに傾いてしまう。
次に、図5(e)に示した如く、排紙トレイ12の上面12a上で斜めに傾いた下方の用紙P1は更に自重落下して用紙戻しローラ15に到達してニップされた後に、この用紙戻しローラ15により下方の用紙P1の後端Prが用紙後端突き当てフェンス13の用紙案内部13bよりも下方に設けた用紙突き当て部13aに突き当てられる。
ここで、用紙後端突き当てフェンス13の用紙突き当て部13aは、振動発生手段16で略1mm程度の振幅を持って発生させた振動波により用紙Pの前後方向に振動しているので、用紙後端突き当てフェンス13の用紙突き当て部13aに突き当てられた用紙Pの後端Prは、自重により軽く転接している用紙戻しローラ15を支点として振動波の作用により図3に示したように左右に回動されて、用紙Pの後端Prの左右が前後に繰り返し往復動することで、用紙Pの後端Prが用紙後端突き当てフェンス13の左右に設けた用紙突き当て部13aに沿うよう整合される。
以下、複数枚の用紙Pに対して上記の動作が繰り返されることにより、積載された複数枚の用紙Pを排紙トレイ12上で斜めに傾くことなく用紙後端突き当てフェンス13に沿って整合させることができる。
また、用紙P1が排紙トレイ12の上面12a上又は積載された用紙P上に沿って自重落下して用紙戻しローラ15にニップされた場合でも、先に排紙された用紙P1と排紙トレイ12の上面12aとの間、又は、積載された用紙P間に生じる摩擦や静電気などによって用紙戻しローラ15の搬送力に負け、これにより用紙Pの後端Prを用紙後端突き当てフェンス13に沿って確実に突き当てることができず、結果として用紙Pの後端Prが揃わなくなり整合できない場合でも、用紙後端突き当てフェンス13に取り付けた振動発生手段16で発生させた振動波により積載された複数枚の用紙Pを排紙トレイ12上で斜めに傾くことなく用紙後端突き当てフェンス13に沿って整合させることができる。
そして、排紙トレイ12上で積載された用紙Pの数量が増えたら排紙トレイ12を積載量に応じて下降させている。
従って、高速排紙時に排紙トレイ12上に積載された複数枚の用紙Pを傾くことなく整合させることができるので、本発明に係る排紙装置10の品質向上に寄与できる。
また、用紙戻しローラ1のニップ点位置が用紙Pの後端Pr側の余白Yの範囲Yd(図3)内に設定されているので、用紙P上に印刷された画像G(図3)の劣化が生じないために良好な画像Gを提供できる。
10…排紙装置、
11…側板、11a…用紙排紙口、
12…排紙トレイ、12a…上面、12b…後端、
13…用紙後端突き当てフェンス、13a…用紙突き当て部、13b…用紙案内部、
14…排紙ローラ、14A…駆動ローラ、14B…従動ローラ、
15…用紙戻し部材(用紙戻しローラ)、
16…振動発生手段、17…ブラケット、18…モータ、19…偏心板、
21…制御部、22…ギアードモータ、23…ギア列、
P,P1,P2…用紙、Pf…用紙の前端、Pr…用紙の後端、
G…画像、Y…余白、Yd…余白Yの範囲。

Claims (2)

  1. 用紙の前端を先頭にして排紙方向に向かって順次排紙する排紙ローラと、
    前記排紙ローラと対向して設けられ、且つ、前記排紙ローラにより排紙された前記用紙を順次積載すると共に、排紙された前記用紙の後端側が自重落下できるように鉛直方向に対して所定の角度傾斜させた排紙トレイと、
    前記排紙トレイの上面上又は積載された前記用紙上に沿って自重落下中の前記用紙の後端側を排紙方向とは反対側に移動させる用紙戻し部材と、
    前記用紙戻し部材によって排紙方向とは反対側に移動させられた前記用紙の後端を突き当てるように設置された用紙後端突き当てフェンスと、
    前記用紙後端突き当てフェンスに取り付けられて前記用紙の前後方向に向かって振動波を発生しており、前記振動波により用紙後端突き当てフェンスに突き当てられた前記用紙の後端を整合させる振動発生手段と、
    を備えたことを特徴とする排紙装置。
  2. 前記紙戻し部材は、自重落下中の前記用紙の後端側に転接して該後端側を排紙方向とは反対側に移動させる回転自在な用紙戻しローラであることを特徴とする請求項1記載の排紙装置。
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