JP2012126065A - 光学フィルムの製造方法および光学フィルム - Google Patents

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【課題】支持体フィルムとしてプラスチックフィルムを用いる溶液キャスト法において、該プラスチックフィルムの裏面に存在する異物やキズによる該プラスチックフィルムの変形を抑制し、均一な膜厚、表面性を有する光学フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物を支持体フィルム上で溶液キャスト法によりフィルム化する光学フィルムの製造方法であって、該支持体フィルムの裏面に樹脂組成物のコーティングを施し、JISB0601−1982に基づいて測定される粗度Ryの関係が、キャスト面>裏面、である支持体フィルムを用いることを特徴とする光学フィルムの製造方法により達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物を支持体フィルム上で溶液キャスト法によりフィルム化する光学フィルムの製造方法、および光学フィルムに関する。
液晶テレビ・携帯電話・3Dメガネ・デジタルサーネージ等の液晶ディスプレイ用の光学フィルムには、低寸法変化性、三次元複屈折特性、低吸湿性、耐熱性、透明性等の様々な要求特性があり、これらを解決するために様々な光学フィルムの原料となる樹脂組成物が開発、提案されている。しかしながら、樹脂組成物からフィルムへと形成する製造段階で、要求される平均膜厚、膜厚の均一性、異物混入の排除等を得ることができなければ、それらが液晶ディスプレイで画像を表示する際に画質を乱すノイズとして表れ、満足な表示品質を得られない。特に近年の液晶ディスプレイは大画面化、高精細化、更に携帯端末など屋外で使用するケースが増えているため高輝度化しており、それによって光学フィルムの膜厚不均一性や異物混入による影響をなお受けやすくなっている。
また、光学フィルムに用いられる材料としては、非晶性熱可塑性樹脂が使用され、特に、ポリカーボネート系樹脂やポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、非晶性環状ポリオレフィン系樹脂などが使用されている。これらを原料として作製される光学フィルムの製造方法としては、溶融押出成形法、溶液キャスト法(溶液流延法)などが知られている。
溶融押出成形法は、特許文献1に記載されている通り、優れた生産性を有しているものの、溶融樹脂がダイから押出される際に掛かる応力により三次元複屈折が発生しやすいという課題や、ダイラインの発生などの視覚上の不具合が起きやすいという課題を有している。
一方、溶液キャスト法は、特許文献2に記載されている通り、有機溶剤を使用するため、コスト及び環境負荷の点でデメリットがあるものの、光学等方性、平坦性などに優れる。また、樹脂は一旦、溶液の形態をとるため、可塑剤やレベリング剤等の添加剤を均一に混合することが容易であるため、作製されるフィルムの改質も行い易い。
一般的に、溶液キャスト法では、樹脂溶液をキャストする支持体として金属製のエンドレスベルトやドラムを用いる場合と、プラスチックや金属のフィルムを用いる場合がある。特に、支持体としてプラスチックフィルムを用いる溶液キャスト法においては、均一な表面性・膜厚を有するフィルムを得るためには、走行中の支持体フィルムに樹脂溶液がキャストされる少なくとも瞬間には、支持体フィルムに振動を与えないことが必須となる。このため、樹脂溶液のキャスト部では、支持体フィルムの樹脂溶液がキャストされる反対面(以下、裏面と称す)に支持体フィルムと等速で回転する平滑な金属ロールなどを当てる必要があり、その様な金属ロールをバックアップロールと呼ぶ。
また、プラスチックフィルムを支持体として用いる場合には、搬送性、柔軟性、利便性に優れ、かつ特許文献3、特許文献4、特許文献5にあるように、支持体フィルムの表面粗度を制御することで、光学フィルムの表面性や生産性を向上させることができる。
特開平2−196832号公報 特開昭62−229205号公報 特開2001−260152号公報 特開2003−326543号公報 特開2004−17435号公報
本発明の課題は、支持体であるプラスチックフィルムの裏面に存在する異物やキズによる該プラスチックフィルムの変形を抑制し、均一な膜厚、表面性を有する光学フィルムを得ることである。
しかし、前記した様な溶液キャスト法においてプラスチックフィルムを支持体として使用して作製された光学フィルムには、透過光がスポット状に不均一になる欠点が多数生じる場合がある。この様な欠点は、光学フィルムとして液晶ディスプレイ等で使用された場合にも、画像の明暗部分として視認できる欠点となり、作製される液晶ディスプレイの歩留まりを大幅に低下させる原因となる。そのため、光学フィルムの透過光の不均一点を改善することは必須課題となっている。
この様に透過光がスポット状に不均一になるメカニズムを調査したところ、微小なスポット状の膜厚の不均一点が光学フィルムに発生しており、この不均一点がレンズ効果を発現し、フィルムを透過した光が屈折することにあると推定した。
更にスポット状に膜厚が不均一になる発生メカニズムを調査したところ、前記した様な溶液キャスト装置において、支持体フィルムの裏面とバックアップロールの間隙に、支持体であるプラスチックフィルムの裏面に存在する微小な異物やキズが介在することで、該プラスチックフィルムが凹凸状に、それを発生させた異物やキズよりも大きく変形し、この上に樹脂溶液がキャスト、製膜されることで光学フィルムの膜厚が不均一になると推定した。
また、この様なプラスチックフィルム表面に存在する異物やキズは微小であるため、一般的に使用されているインライン欠陥検査機で検知することは難しい。また、プラスチック表面に固着しているため、フィルム表面の異物を除去する目的で使用されている粘着ロールや接触・非接触タイプのフィルムクリーナーによる除去は非常に困難である。
一方で、支持体であるプラスチックフィルムのキャスト面に微小な異物やキズは存在するため、その上に直接製膜される光学フィルムにも異物やキズの形状がそのまま転写するが、その光学フィルムの変形は異物やキズと同じ微小なサイズとなるため、レンズ効果は小さいため問題とならない場合が多い。通常特許文献5にあるように、キャスト面の粗度を裏面よりも小さくすることにより、作業性と光学フィルムの表面性を良くしている。しかし、上記したように、透過光がスポット状に不均一になることを防止するという観点からは、裏面の平坦性が重要であり、むしろキャスト面よりも裏面を平坦にすることが重要であることが判明した。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂組成物を支持体フィルム上で溶液キャスト法によりフィルム化する光学フィルムの製造方法であって、該支持体フィルムの裏面に樹脂組成物のコーティングを施し、JIS B0601−1982に基づいて測定される粗度Ryの関係が、キャスト面>裏面、である支持体フィルムを用いることを特徴とする光学フィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、支持体フィルムのRyが、キャスト面は200〜1200nmであり、コーティング後の裏面は600nm以下であることを特徴とする上記記載の光学フィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、支持体フィルムの裏面に施されるコーティングの膜厚が1〜10μmであることを特徴とする上記記載の光学フィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、コーティングが施された該支持体フィルム裏面のJIS K−5600に基づいて測定される鉛筆硬度が1H以上であることを特徴とする上記記載の光学フィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂組成物であることを特徴とする上記記載の光学フィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、支持体フィルムの材料がポリエチレンテレフタレート(PET)であることを特徴とする上記記載の光学フィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、樹脂組成物のコーティングがアクリル系樹脂組成物であることを特徴とする上記記載の光学フィルムの製造方法に関する。
また本発明は、上記記載の製造方法で得られることを特徴とする光学フィルムに関する。
好ましい実施態様としては、光学フィルムが位相差フィルムであることを特徴とする上記記載の光学フィルムに関する。
好ましい実施態様としては、フィルム面内の任意の点から100mの範囲内において、5mm以上の透過光の不均一点が0個〜50個であることを特徴とする上記記載の光学フィルムに関する。
好ましい実施態様としては、膜厚が20〜100μmの範囲にあることを特徴とする上記記載の光学フィルムに関する。
本発明により、支持体であるプラスチックフィルムの裏面に存在する異物やキズによる該プラスチックフィルムの変形を抑制し、均一な膜厚、表面性を有する光学フィルムを得ることができる。特に透過光がスポット状に不均一になる欠点が改善された光学フィルムを得ることができる。
本発明は、熱可塑性樹脂組成物を支持体フィルム上で溶液キャスト法によりフィルム化する光学フィルムの製造方法であって、該支持体フィルムの裏面に樹脂組成物のコーティングを施し、JIS B0601−1982に基づいて測定される粗度Ryの関係が、キャスト面>裏面、である支持体フィルムを用いることを特徴とする光学フィルムの製造方法である。
本発明の光学フィルムの材料としては、光学的に使用可能な非晶性熱可塑性樹脂組成物である限り特に限定されない。例としてはポリカーボネート系樹脂組成物やポリアクリル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物等が挙げられ、低複屈折や低光弾性係数が特徴である非晶性環状ポリオレフィン系樹脂組成物も好ましい。中でも、ポリカーボネート系樹脂組成物は量産されていて安価であり、透明性や加工性に優れているため好ましく、高複屈折性を有するため位相差フィルムとして特に好ましい。
本発明では、上記の樹脂組成物より得られたフィルムの光学的、機械的機能を失わない範囲で、高分子重合体、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、接着性付与剤、フィラー、不揮発性溶媒などを添加剤として配合することが出来る。
本発明で使用する溶媒は、上記の非晶性熱可塑性樹脂及び、添加剤を溶解するものであれば、特に制限なく使用できる。例えば、直鎖状炭化水素類、環状炭化水素類、ハロアルカン類、環状エーテル類、ケトン類、環状ケトン類、芳香族類、ハロゲン系芳香族類であり、好ましくは樹脂の溶解性の面から、シクロヘキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどである。これらの溶媒は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
本発明では、製膜されるフィルムの膜厚は用途に応じて選択することができる。光学フィルムとして用いる場合、一般的には、10〜500μm、20〜300μm、より好ましくは20〜100μmの範囲が用いられる。
また、本発明の光学フィルムはフィルム面内の任意の点から100mの範囲内において、5mm以上の透過光の不均一点の個数は0個〜50個であることが好ましい。透過光の不均一点の個数は50個以下、より好ましくは30個以下、更に好ましくは10個以下である。透過光の不均一点は液晶ディスプレイにおいて画像の欠点として現れるため、歩留まりを低下させる原因となる。従い、0個であることが最も好ましいが、上記数値範囲以下の個数であれば、生産性が著しく失われることは無い。
支持体フィルムの材質はプラスチックであり、例えばポリオレフィン系樹脂組成物、塩化ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、ポリイミド系樹脂組成物、ポリフェニレンオキサイド系樹脂組成物、ポリサルホン系樹脂組成物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。中でもポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムは安価であり且つ、耐溶剤性、機械特性の面において好ましい。
支持体フィルムは一般的にはフィルムを巻き取ったロールの形態で運用されるため、支持体フィルムの膜厚は長尺性を考慮し、300μm以下が好ましい。一方、安定な製膜性を確保するためには支持体の剛性がある程度必要であるため、支持体フィルムの膜厚は50μm以上であることが好ましい。
支持体フィルムの裏面に予め施されるコーティングの材質は樹脂組成物であり、該支持体フィルム上に均一に製膜され、元の支持体フィルムよりも平滑なコート面を安定に形成できるものである限り特に限定されない。例えば、アクリル系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、ポリカーボネート系樹脂組成物、ポリイミド系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物や非晶性環状ポリオレフィン系樹脂組成物などである。特に、硬質アクリル樹脂組成物のコーティングは、一般的に普及しているため入手も容易であり、硬質性と高耐溶剤性の優れた特徴を示すことから支持体フィルムとして好ましい。
支持体フィルムに施されるコーティングの膜厚は、支持体フィルム表面の微細なキズや異物を埋没させるために、これらのキズや異物の高さ以上の膜厚が必要である。経験的にPET表面には高さが0.9μm以下のキズや異物が多数存在することが多いため、支持体フィルムの裏面に施されるコーティングの膜厚が1μm以上が好ましい。また、コーティングの最大膜厚は、安定なコート膜を形成し保持できる膜厚であれば特に限定されない。ただし、膜厚が大きすぎる場合、コート層の剥離や、クラックが入りやすくなるため、10μm以下が好ましい。
支持体フィルムのJIS B0601−1982に基づいて測定される粗度Ryは、樹脂溶液より形成される光学フィルムの表面性・平坦性を損なわず且つ、支持体フィルムの搬送性や巻き取り性等の作業性、生産性を損なわない範囲に設定することが好ましい。
まず、裏面には平滑なコーティングが施され、元の支持体フィルムよりも平滑化するため、支持体フィルム両面のRyの関係がキャスト面>裏面が成立する。
次に、コーティングを施した支持体フィルムの裏面のRyは、光学フィルムの膜厚の均一性を確保できる点で、600nm以下が好ましい。但し、Ry値が小さい平滑な支持体の作製は製造コストが膨大になる可能性があるため、現実的には50nm以上であることが好ましい。また、支持体フィルムのキャスト面のRyは1200nm以下が好ましい。これ以上であると製膜されるフィルムのヘイズ値が高くなり、光学フィルム用途として適さなくなるだけでなく、支持体フィルムと光学フィルムの剥離力が重くなり、光学フィルムの表面に剥離のダメージが発生することもある。一方で、キャスト面のRyは200nm以上に設定することが好ましい。これ以下であると支持体フィルム製造時の搬送、巻取りの際にブロッキングが生じ易く、製造上の不具合となる。即ち、支持体フィルムのRyが、キャスト面は200nm〜1200nmであり、コーティング後の裏面は600nm以下であることが好ましい。
支持体フィルムに施されるコート層の硬度は、溶剤キャスト製膜装置において、搬送中に容易にキズ等のダメージが発生しない程度あれば特に限定されない。一方、搬送ロールと支持体フィルムの擦れ等の理由で、裏面であるコート層にキズ等のダメージが発生すると、その部分の光学フィルムの膜厚が不均一となるため、ダメージを抑制するためにコート層の硬度は高い方が好ましい。経験的に、鉛筆硬度が1H以上あれば、鏡面仕上げされた搬送ロール上で擦れた場合にもキズが発生し難いため、コーティングが施された支持体フィルム裏面の鉛筆硬度が1H以上であることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、位相差フィルムとして有用に使用され、液晶テレビ・携帯電話・3Dメガネ・デジタルサーネージ等の液晶ディスプレイ用の画質補償フィルムとして使用できる。
以下に実施例に基づいて本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
なお、本発明で述べている各測定項目は以下の方法で測定した。
(膜厚)
アンリツ株式会社製触針式膜厚計KG601Aを使用し、フィルムの幅方向に4cmの幅でカットしたサンプルを用いて測定し、得られた膜厚データの平均値を取った。
(粗度Ry)
株式会社ミツトヨ製触針式表面粗度測定器SJ−301を使用し、JIS規格 B0601−1982に従い測定した。
(レタデーション)
王子計測機器株式会社製KOBRA−21SDHを使用し、波長は590nmで測定した。サンプルは幅方向に4cm幅で切り出したものを用意し、自動フィルム送り幅を5cmに設定し、全幅にわたって測定した。
(残留溶媒量)
重量法を用い、乾燥前の重量と乾燥後の重量を計測して、次式{(乾燥前重量)−乾燥後の重量}/(乾燥前の重量)×100(%)により算出した。
(透過光の不均一点)
浜松ホトニクス株式会社製の高安定キセノンランプ(規格No.L2274)から照射される光を、50cm離したフィルムの面に対して直角に透過させ、更にフィルムから50cm後に設置した白色版に投影される像を観察し、像が円換算直径で5mm以上乱れている点を透過光の不均一点と定め、その個数を数えた。
(鉛筆硬度)
株式会社東洋精機製の鉛筆硬度計を使用し、JIS K−5600に基づいて測定した。
(実施例1)
溶媒としてジクロロメタンを用いて、ポリカーボネート系樹脂組成物の20重量%溶液を調合した。支持体フィルムとして、長さ1000m、膜厚100μm、幅1600mmの東レ株式会社製PETルミラーの片側表面に膜厚1.2μmのアクリル系樹脂組成物のコーティングを施したコーティングPETフィルムを用いた。本支持体のコーティング面の粗度Ryは210nm、鉛筆硬度はBであった。
この支持体フィルムを用いて、コーティング面の反対面に上記樹脂溶液を塗布し、乾燥を行い、得られた一次乾燥フィルムを支持体フィルムと共に巻き取った。引き続いて、得られた一次乾燥フィルムと支持体フィルムを剥離し、ロール懸垂型乾燥装置により、残留溶媒量が0.25重量%になるまで乾燥し、平均膜厚60μm、長さ900m、ガラス転移温度147℃の二次乾燥フィルムを得た。更に引き続いて、得られた二次乾燥フィルムをフローティング型延伸装置により、1.1倍の延伸を行うことで、平均膜厚60μm、平均レタデーションが200nmの位相差フィルムを得た。この位相差フィルムについて、透過光の不均一点を探索したところ、100mの範囲内に10個発見した。
(実施例2)
実施例1と同じ樹脂溶液、支持体フィルムとそのコーティング材を用いた。ただし、コーティングの膜厚のみを変更し4.5μmとした。本支持体フィルムのコーティング面の粗度Ryは200nm、鉛筆硬度はBであった。
同様の手法により得られた位相差フィルムは、平均膜厚、平均レタデーションは実施例1と同等となったが、透過光の不均一点を探索したところ、100mの範囲内に4個発見した。
(実施例3)
実施例1〜2と同じ樹脂溶液、支持体フィルムを用いた。コーティングの膜厚は実施例1と同様に1.2μmとした。ただし、コーティング材質を硬質アクリル系樹脂組成物に変更した。本支持体フィルムのコーティング面の粗度Ryは210nm、鉛筆硬度は2Hであった。
同様の手法により得られた位相差フィルムは、平均膜厚、平均レタデーションは実施例1〜2と同等となったが、透過光の不均一点を探索したところ、100mの範囲内に8個発見した。
(実施例4)
実施例1〜2と同じ樹脂溶液、支持体フィルムとそのコーティング材を用いた。コーティングの膜厚は実施例2と同様に4.5μmとした。ただし、コーティング材質は実施例3と同じ硬質アクリル系樹脂に変更した。本支持体フィルムのコーティング面の粗度Ryは200nm、鉛筆硬度は2Hであった。
同様の手法により得られた位相差フィルムは、平均膜厚、平均レタデーションは実施例1〜3と同等となったが、透過光の不均一点を探索したところ、100mの範囲内に2個発見した。
(実施例5)
実施例3〜4と同じ樹脂溶液、支持体フィルムとそのコーティング材を用いた。コーティングの膜厚は0.2μmとした。
同様の手法により得られた位相差フィルムは、平均膜厚、平均レタデーションは実施例1〜4と同等となったが、透過光の不均一点を探索したところ、100mの範囲内に55個発見した。
(比較例1)
実施例1〜4と同じ樹脂溶液を用い、支持体フィルムとして実施例1〜4及び比較例1で用いたPETフィルムをコーティングは施さずそのまま使用した。
同様の手法により得られた位相差フィルムの平均膜厚、平均レタデーションは実施例1〜4及び比較例1と同等となったが、透過光の不均一点を探索したところ、100mの範囲内に75個発見した。
Figure 2012126065

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂組成物を支持体フィルム上で溶液キャスト法によりフィルム化する光学フィルムの製造方法であって、該支持体フィルムの裏面に樹脂組成物のコーティングを施し、JIS B0601−1982に基づいて測定される粗度Ryの関係が、キャスト面>裏面、である支持体フィルムを用いることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 支持体フィルムのRyが、キャスト面は200〜1200nmであり、コーティング後の裏面は600nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 支持体フィルムの裏面に施されるコーティングの膜厚が1〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. コーティングが施された該支持体フィルム裏面のJIS K−5600に基づいて測定される鉛筆硬度が1H以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 支持体フィルムの材料がポリエチレンテレフタレート(PET)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 樹脂組成物のコーティングがアクリル系樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で得られることを特徴とする光学フィルム。
  9. 光学フィルムが位相差フィルムであることを特徴とする請求項8に記載の光学フィルム。
  10. フィルム面内の任意の点から100mの範囲内において、5mm以上の透過光の不均一点が0個〜50個であることを特徴とする請求項8または9に記載の光学フィルム。
  11. 膜厚が20〜100μmの範囲にあることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
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