JP2012122990A - 石炭またはコークスの熱履歴推定方法 - Google Patents

石炭またはコークスの熱履歴推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】石炭またはコークスが炉内で受けた温度履歴推定に関する課題を解決し、簡便にかつ短時間で、600℃未満の比較的低温度の熱履歴を推定する方法を提供すること。
【解決手段】石炭またはコークスが受けた熱履歴における最高到達温度を、ラマン分光測定により得られるスペクトルのGバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比であるR値により推定する、または前記スペクトルのベースラインの強度値またはベースラインの傾きにより推定することを特徴とする石炭またはコークスの熱履歴推定方法を用いる。300℃以上、600℃未満の範囲で最高到達温度を推定することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の原料等として用いられる、石炭またはコークスの熱履歴推定方法に関する。
一般に高炉に供されるコークスは、石炭をコークス炉内で乾留して製造される。高炉用に供される製鉄用コークスには、高強度と良好な通気性が求められる。前記特性は製造時の操業条件、特に炉内で受ける熱履歴に大きく影響を受ける。また、生産性良く製造するためには炉内温度分布を把握した上で操業条件にフィードバックすることが必要となる。一方、コークス炉の窯口付近の温度は製造したコークスの押し出し性を左右するため、コークスが窯口付近で受ける実際の温度を測ることは押し出し性の改善策を講じる上で重要となる。加えて、コークスが窯口付近で受ける温度は炉状態を把握し、炉の高寿命化を図る上での一指標となる。
一方、石炭は上記乾留過程において、300〜500℃程度で軟化溶融し、その後1000℃以上に加熱されてコークスとなる。最終的に製造されるコークス特性には、特に軟化溶融時の挙動が多大な影響を与えるものと考えられる。そのため、軟化溶融温度域での炉内温度分布の把握は高品質なコークスを製造するため、及び高能率でコークスを製造するため、炉を良好な状態に維持するため等々、様々な意味で重要である。
実際に石炭が炉内で受けた最高到達温度の推定方法として、従来、X線回折法、レーザーラマン分光法による推定方法が知られている。非特許文献1に示すようなX線回折法は、コークスの黒鉛化度が炉内で受けた最高到達温度との相関を持つとの知見から、黒鉛化度因子の選定及びその算出方法を明示している。具体的には黒鉛化度の因子としてX線回折法で得られる特定ピークの半価幅から結晶子サイズ(Lc)を算出し、Lcと熱処理温度との検量線に基づき、実際のコークス試料が受けた最高到達温度を推定するものである。非特許文献1のX線回折法による推定可能温度範囲は1000℃から2000℃である。
また、非特許文献2に示すレーザーラマン分光法は、レーザーラマン分光測定で得られる2つの特定ピーク強度比Rがコークスの受けた最高到達温度と相関を有するとの知見に基づくものである。具体的には1360cm-1と1580cm-1の2つのピーク強度比Rを自動的に計算し、コークスの熱処理温度との関係式から、試料コークスが受けた最高到達温度を推定するものである。非特許文献1に記載の方法と比較して迅速かつ多量処理可能な測定法である。非特許文献2に記載のレーザーラマン分光法による推定可能温度範囲は1400℃から2000℃であり、より正確な熱履歴推定は1600℃程度が限界であると述べられている。
さらに、非特許文献3のFig.7には、熱処理温度が高くなるにつれて、レーザーラマン分光測定で得られる強度比Rも大きくなることが示されている。このときの測定温度は600℃から1300℃である。強度比Rと温度との相関は、前記非特許文献2とは逆相関となることが示されている。
原口博、西徹 「製鉄研究」315(1984年)、65 千野淳、石橋耀一、郡司直樹、岩田英夫、鈴木喜夫、板垣省三、三谷成康 「鉄と鋼」76(1990年)、34 中川浩行、蘆田隆一、熊田健司、三浦孝一、松平寛司、宮川一也 「鉄と鋼」92(2006年)、145
石炭はコークス炉内で軟化溶融状態を経てコークスとなる。一般に高炉に供される石炭の軟化溶融温度帯は300℃から500℃程度であり、軟化溶融状態での挙動は製造されるコークス特性に大きく影響すると考えられている。しかしながら、上述した方法による最高到達温度の推定可能範囲は、いずれも600℃以上である。したがって、コークスが実際に受けた最高到達温度が600℃未満、具体的には300℃以上から600℃未満の温度範囲、特に最も重要とされる300℃から500℃程度の軟化溶融温度域、での推定には適用できない。
さらに、非特許文献2では、レーザーラマン分光測定で得られる強度比Rと試料の受けた温度履歴(℃)との相関は負の相関であるのに対し、非特許文献3でのそれは正の相関であると述べられている。すなわち、非特許文献2と非特許文献3からは石炭の熱履歴と強度比Rとの関係は、逆相関となる。このように処理された温度により強度比Rと処理温度の傾向が異なることについての理由は明確にされておらず、それゆえ、過去の知見からでは、石炭が乾留過程で300℃から600℃の温度範囲内で受けた熱履歴とレーザーラマン分光で得られる特性値との相関は図り知ることができない。
また、上記文献ではラマン分光測定で得られるスペクトルのベースライン強度またはベースラインの傾きと石炭が受けた熱履歴との関係は述べられていない。
また、コークス炉における乾留温度は一般に軟化溶融温度を十分に超えた1000℃以上であるが、炉設備の不具合などの理由で温度が低下し、乾留が不十分になることがある。そうした不具合の早期検出のためにも、実際に、コークス特性に特に影響すると思われる600℃未満の範囲で何℃まで加熱されたかを知ることは重要である。
また、最高到達温度が600℃未満のコークスは、それ以上の熱履歴を有するコークスと比較して熱的に不安定である。したがって、非特許文献2および3のレーザーラマン分光法を用いて温度を推定する方法を、600℃未満の温度推定にそのまま適用しようとすると、測定のために照射したレーザーによって試料に損傷を与えてしまい、正確な値を求めることはできないことが知られていた。
そこで、本発明は、石炭またはコークスが炉内で受けた温度履歴推定に関する上記課題を解決し、簡便にかつ短時間で、600℃未満の比較的低温度(具体的には300℃以上から600℃未満の温度域、特に好ましくは軟化溶融温度域)の熱履歴を推定する方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)石炭またはコークスが受けた熱履歴における最高到達温度を、ラマン分光測定により得られるスペクトルのGバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比であるR値により推定することを特徴とする石炭またはコークスの熱履歴推定方法。
(2)石炭またはコークスが受けた熱履歴における最高到達温度を、ラマン分光測定により得られるスペクトルのベースラインの強度値またはベースラインの傾きにより推定することを特徴とする石炭またはコークスの熱履歴推定方法。
(3)300℃以上、600℃未満の範囲で最高到達温度を推定することを特徴とする、(1)または(2)に記載の石炭またはコークスの熱履歴推定方法。
本発明を用いることで、石炭またはコークスが炉内で受けた600℃未満、具体的には300℃以上、600℃未満の比較的低温度の温度履歴を推定することが可能となる。また、石炭またはコークスが炉内で実際に受けた最高到達温度の推定を非常に簡便に行なうことができる。
石炭のラマンスペクトル及びピーク分離結果の一例である。 加熱温度によって石炭のラマンスペクトルのベースライン強度および傾きが異なることを示す石炭およびコークスのラマンスペクトルの一例である。 石炭試料のラマン分光測定から得られるR値と加熱温度との相関を示したグラフである。 石炭試料のラマン分光測定から得られるベースラインの傾きと加熱温度との相関を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明者らは、様々な石炭銘柄について、ラマン分光測定を行ない、石炭またはコークスの熱処理温度との相関性調査及び検討を行った。その結果、ラマンスペクトルから得られるピークの特性値、すなわち波数1600cm-1付近に位置するGバンドピークの強度に対する、波数1400cm-1付近に位置するDバンドピークの強度の比(Dバンドピーク強度/Gバンドピーク強度、以下、この値を、「ピークの強度比」、または「R値」と記載する。)が石炭の銘柄によらず熱処理温度、すなわち試料が受けた最高到達温度と強い相関関係を示すことを、新たに見出した。特に、300℃以上から600℃未満の温度域で加熱処理した石炭またはコークス試料のラマン測定による特性値と、非常に強い相関が認められることを見出した。すなわち、あらかじめ、いくつかの石炭またはコークスについて加熱時の最高到達温度とラマン測定によるR値との相関関係に基づく検量線を作成しておくことで、未知の石炭またはコークス試料が炉内で実際に受けた最高到達温度を、ラマン分光により簡易、且つ短時間で求めることが可能となる。
また、ラマンスペクトルから得られるベースライン強度またはその傾きが石炭の銘柄によらず熱処理温度、すなわち試料が受けた最高到達温度と強い相関関係を示すことを発見した。特に、300℃以上から600℃未満の温度域で加熱処理した石炭またはコークス試料のラマン測定による特性値と、非常に強い相関が認められることを見出した。すなわち、あらかじめ、いくつかの石炭またはコークスについて加熱時の最高到達温度とラマン測定によるベースライン強度またはその傾きとの相関関係に基づく検量線を作成しておくことで、未知の石炭またはコークス試料が炉内で実際に受けた最高到達温度を、ラマン分光測定により簡易、且つ短時間で求めることが可能となる。
石炭またはコークスをラマン分光法を用いて測定すると、図1に示すように波数1600cm-1付近に位置するGバンドピークと、1400cm-1付近に位置するDバンドピークを有するラマンスペクトル(測定スペクトル)が得られる。ここで、Gバンドピークは、炭素の二重結合であるsp2結合に起因し、石炭の黒鉛構造に由来する石炭分子中の芳香族縮合環の骨格構造の性質を表している。また、Dバンドピークは、本来、石炭の無秩序な構造に由来するが、やはり石炭分子の構造についての情報を示すことが知られている。Dバンドピーク強度とGバンドピーク強度の比であるR値(Dバンドピーク強度/Gバンドピーク強度)の大きさは、炭素材料中の黒鉛微結晶構造の発達度合いや芳香族縮合環に対する黒鉛構造のエッジ部比率に相当することが知られているが、R値と炭素構造の相関については600℃未満の現象については十分な検討がなされておらず、定量的な知見も得られていなかった。
一方、石炭またはコークスのラマンスペクトルは、その両者においてベースライン強度が異なる。比較的高波数側(低波長側)においてその違いが顕著となる。石炭試料のラマン分光測定においてベースライン強度が高くなるのは石炭から発せられる蛍光の影響である。この蛍光を発する物質は加熱されると分解もしくは揮発される。したがって、ベースライン強度増大の原因となる蛍光量は石炭が受ける加熱温度に対して負の相関となる。ただし、石炭およびコークスの熱特性とラマン分光法で得られるベースライン強度との相関は今まで十分議論されていなかった。
本発明者らは、600℃未満の熱処理を受けた炭素材料のラマン特性を詳細に検討した結果、R値と加熱温度、およびベースライン強度と加熱温度には強い相関関係が得られることを新たに見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、いくつかの石炭またはコークスについて、上記ラマンスペクトルのピークから得られるR値(Dバンドピーク強度/Gバンドピーク強度)と、その加熱温度すなわち試料が受けた最高到達温度との関係を調べた。すると、加熱温度が高い試料ほど、ラマン分光測定で得られるR値が大きくなることが明らかになった。
したがって、このR値と最高到達温度との相関関係を用いれば、石炭またはコークスが炉内で実際に受けた最高到達温度を正確に推定することができるため、従来法に比較して簡易且つ高精度に熱履歴を測定することが可能となる。
また、同様に、上記ラマンスペクトルのベースライン強度値またはその傾きと、その加熱温度すなわち試料が受けた最高到達温度との関係を調べた。すると、加熱温度が高い試料ほど、ラマン分光測定で得られるベースライン強度が低く、ベースラインの傾きも小さくなることが明らかになった。
したがって、R値と最高到達温度との相関関係と同様に、ベースライン強度値と最高到達温度との相関関係を用いれば、石炭またはコークスが炉内で実際に受けた最高到達温度を正確に推定することができるため、従来法に比較して簡易且つ高精度に熱履歴を測定することが可能となる。
また、ラマン分光法で、1000℃以上の高温の熱履歴を有するコークスを精度良く測定できるような測定条件を用いて軟化溶融状態程度の温度履歴しか持たないコークスを測定すると、試料コークスにダメージを与えてしまい、正確な値を算出できないことが分かった。そして、後述するように試料の温度上昇を抑える、極力試料ダメージの少ない測定条件を選択することで、正確な最高到達温度の推定が可能となることを見出した。
以下、本発明方法を用いた石炭またはコークスの最高到達温度の評価手順の一実施形態について具体的に説明する。
まず、いくつかの銘柄の石炭またはコークスについて、300℃以上から600℃以下の範囲で適宜加熱温度を選択し加熱処理を行なう。実用的に用いられている多くの石炭が300℃〜500℃の温度範囲内で軟化溶融をおこすとされている。そのため、目的の300℃以上から600℃未満の温度履歴を推定するには、上記のように300℃以上から600℃以下の温度で加熱した最高到達温度が既知の試料を用いればよい。ここで、未乾留の原料炭を試料とする場合は、測定試料の石炭に水分や低分子量成分が多く残存する場合があるため、ラマン分光測定時に蛍光を多く発し、特にR値から石炭またはコークスが炉内で実際に受けた最高到達温度を算出する場合において測定の信頼性が低下する場合がある。また、加熱温度が1000℃以上だと、スペクトル測定において、ノイズの発生が大きくなり、S/N比が悪くなり、算出した温度の値の信頼性が低下する場合がある。測定に供する試料形状、サイズは特に規定するものではないが、組織、性状などが不均一である石炭から均質な試料を作製するという観点から、JIS M8812に記載されている石炭の工業分析における粉砕粒度、250μm以下とすることが望ましい。
ラマンスペクトルは一般に市販されている分光器により測定することができる。レーザーの種類は特に限定されるものではなく、Arレーザー、He−Neレーザーなどを用いることができる。前述したようにレーザーラマン測定で得られるラマンスペクトルには図1に示すような波数1600cm-1付近に位置するGバンドピークと波数1400cm-1付近に位置するDバンドピークとが認められる。図1の横軸はレーザーの波数(cm-1)であり、縦軸はラマン強度(a.u.)である。
まず、R値から石炭またはコークスが炉内で実際に受けた最高到達温度を算出する方法について説明する。ラマンスペクトルから、個々の銘柄の石炭について、Gバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比(R値)を求める。R値は、例えば、次のようにして求めることができる。
図1に示すような測定スペクトルに対し、ピークの底線を定めるベースラインによって、バンドピークの形状を規定した後、このピークをDバンドピーク分離スペクトル、Gバンドピーク分離スペクトルとして測定スペクトルから抽出し、そのバンド強度を求める。これらの作業は測定データの信号処理などによって行なうことができる。なお、バンド強度の求め方は上述の方法に限られるものではなく、例えば、コンピュータなどを用いて、バンドピークの形状を決定した後に、カーブフィッティングなど最小自乗法によるピーク分割によりバンドピークを求める方法であってもよい。
個々の石炭銘柄のR値は、ラマンスペクトルにおけるGバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比であるR値(Dバンド強度/Gバンド強度)を計算することで得られる。同一試料内で1点以上ラマン分光測定を行えばR値の算出は可能である。あらかじめ、いくつかの石炭またはコークスについて、その加熱処理時の最高到達温度とレーザーラマン測定によるR値との相関関係に基づく相関線を作成しておけば、未知石炭またはコークスが炉内で受けた最高到達温度は、ラマン分光測定により簡易且つ短時間で測定することが可能となる。
上述したような試料ダメージの少ない測定は、非特許文献2に記載されているような測定条件とは異なり、顕微鏡の倍率を低倍率に設定し、積算回数を少なくすることで達成される。このような条件を選択することで、試料に係る測定面積あたりのレーザー照射による温度上昇が抑えられ、正確な測定ができるようになる。レーザー出力は小さく、露光時間は短くすることが好ましい。さらには、試料にレーザーを照射する際に、あえて、レーザー照射の焦点を試料測定面からずらす、つまり、デフォーカス状態でラマン測定をおこなうなどして測定面への試料損傷を抑えられる。上記の測定条件では、シグナル/ノイズ比(S/N)の低下が予想される場合は、多点測定を行い、平均値を求めることで正確な温度推定を達成できる。なお、多点測定をすることは、試料における測定の代表性、平均値を得ることができる点でも好ましい。同一試料内で2点以上測定し、その平均値を用いることが望ましい。より正確さを求める場合は10点以上測定してもよい。ラマン分光測定は1点あたり1分程度の時間で測定が終了することから、10点測定してもその測定時間は10分ほどで完了する。そのため、ラマン分光測定は非常に迅速な測定方法であると言える。
つぎに、ラマンスペクトルのベースライン強度またはベースラインの傾きから石炭またはコークスが炉内で実際に受けた最高到達温度を算出する方法について説明する。
加熱処理した石炭およびコークスについてラマン分光測定を行い、ラマンスペクトルを得る。図2に示すように加熱温度の高い試料ほどベースライン強度は低く、ベースラインの傾きも小さいことがわかる。スペクトルのうち、上述のGバンドピークおよびDバンドピーク位置とは異なる任意の2点を選択し、ベースラインの傾きを求める。ラマンスペクトルにおける任意の2点(A、B)のベースラインの傾きは以下の式で求められる。
ベースラインの傾き = −(IB−IA)/(b−a)
ここで、A点の波数(横軸)の値をacm−1、ラマン強度(縦軸)をIA、B点の波数(横軸)をbcm-1、ラマン強度(縦軸)をIBとする。
上式で表されるベースラインの傾きと石炭およびコークスの加熱温度との相関線を作成しておけば、未知石炭またはコークスが炉内で受けた最高到達温度は、ラマン分光測定により簡易且つ短時間で測定することが可能となる。ベースラインの傾きを求める点は特に指定するものではないが、試料由来のピークの存在しない位置を指定するほうがよい。2点以上選択せずとも1点のピーク強度から判断しても良い。上式では、分母となるaおよびbの単位は通常のラマンスペクトルの横軸単位である波長の逆数である波数(cm-1)としたが、波長の値を用いてもよい。
ラマン分光測定条件は先に示したように、できる限り試料ダメージの少ない測定条件を選択したほうがよい。ラマン分光測定は1点あたり1分程度の時間で測定が終了することから、10点測定してもその測定時間は10分ほどで完了する。そのため、ラマン分光測定は非常に迅速な測定方法であると言える。
ラマン分光測定に用いる試料作製方法の一例として、石炭を粒径200μm以下に粉砕し、3℃/minで加熱温度(300℃以上から600℃以下の内から選択した最高到達温度)まで加熱し、室温まで冷却後、150μm以下に粉砕し、30℃で8時間真空乾燥する方法がある。石炭の粉砕粒度は、組織、性状などが不均一である石炭から均質な試料を作製するという観点から、JIS M8812に記載されている石炭の工業分析における粉砕粒度、250μm以下が望ましい。
加熱速度は、コークス炉においてコークスが製造されるときの加熱速度が約3℃/minであるため、3℃/minとすることが好ましい。
冷却は、液体窒素、氷水、水、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス及び空気などを用いる方法などがあるが、氷水、水、空気による冷却では冷却過程で試料が変質する可能性があるため、液体窒素や不活性ガスを用いて冷却することが望ましい。
乾燥方法については表面に付着した水分を除去できる方法であればよく、上記の方法以外にも空気中、または窒素、アルゴンなどの不活性ガス中で100〜200℃に加熱する方法がある。
なお、本発明の方法はコークス製造工程以外でも、石炭を実質的に不活性な条件で加熱した場合の熱履歴の推定に適用可能である。実質的に不活性な条件での加熱とは、石炭と石炭以外の物質との反応が実質的に無視できるような条件における加熱を意味し、石炭の熱分解反応のみが実質的に起こっている条件を指す。例えば、石炭の予熱、ガス化、液化、炭化、燃焼等のプロセスにおいても、そのプロセスの一部または全部の工程に適用可能である。
〔ラマン分光測定における測定結果の再現性(測定精度)の検証〕
レーザーラマン分光測定結果に基づき石炭のR値を精度良く算出した例を示す。5種類の石炭A、B、C、D、Eを用意し、これを、粒径200μm以下に粉砕し、3℃/minで表1に示す加熱温度まで到達するように加熱し、液体窒素で冷却後、粒径150μm以下に粉砕し、30℃で8時間真空乾燥した試料を作製した。これらの試料に対して、レーザーラマン分光法を用いてラマンスペクトルを測定し、R値を求めた。
レーザーラマン分光測定にはThermo Electron社製 NICOLET ALMEGA XR(レーザー波長532nm、レーザー出力:1%、露光時間:20秒、露光回数:2回、レーザー径:10μm程度)を用いた。顕微鏡の対物レンズの倍率は10倍のものを用いた。データの代表性、正確さを得るために測定は同一試料内でランダムに36ポイント測定した。このときの測定時間は約26分であった。得られたラマンスペクトルをピーク分離した後、Gバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比であるR値を求めた。
表1に5種類の石炭A〜Eを加熱処理した試料を用いて、ラマン分光測定を行ったときのR値の算出結果と、偏差および相対標準偏差を示す。
Figure 2012122990
表1に示す5種類の石炭A〜Eについて上記測定条件でラマン測定を行ったところ、その相対標準偏差は全て10%以内であり、非常に良好な高精度な測定ができていることがわかる。また、石炭銘柄に関わらず良好な測定が迅速に可能であることが示された。
〔相関線の作成方法〕
レーザーラマン分光測定結果に基づき算出したR値と、加熱温度(最高到達温度)との相関関係を求めた一例を示す。
各種銘柄の石炭試料を粒径200μm以下に粉砕し、300℃以上から600℃以下の範囲における任意の加熱温度まで3℃/minで加熱し、液体窒素で冷却後、粒径150μm以下に粉砕し、30℃で8時間真空乾燥させた23種類の試料を作製した。
これらの石炭試料に対して、レーザーラマン分光測定を行なった。レーザーラマン分光測定には、Thermo Electron社製 NICOLET ALMEGA XR(レーザー波長532nm、レーザー出力:1%、露光時間:20秒、露光回数:2回、レーザー径:10μm程度)を用いた。顕微鏡の対物レンズの倍率は10倍のものを用いた。データの代表性、正確さを得るために測定は同一試料内でランダムに36ポイント測定した。このときの測定時間は約26分であった。得られたラマンスペクトルをピーク分離した後、Gバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比であるR値を求めた。
図3にラマン分光測定から得られたR値とその試料の加熱温度(最高到達温度)との相関を表す。ラマン測定から得られるR値と石炭の加熱温度は非常に強い相関関係にあることがわかる。少なくとも300℃から600℃の温度域では良好な正の相関にある。したがって、この相関関係から求められる一次の直線式(相関線)より未知の石炭またはコークス試料において、R値の値から、その試料が炉内で実際に受けた300℃以上、600℃未満の範囲での最高到達温度を簡易に求め得ることが示された。以上の結果より、本発明方法を用いることで石炭またはコークスの熱履歴を高精度かつ簡易、迅速に算出できることが明らかとなった。
レーザーラマン分光測定結果に基づき算出したベースライン強度またはその傾きと、加熱温度(最高到達温度)との相関関係を求めた一例を示す。
各種銘柄の石炭試料を粒径200μm以下に粉砕し、300℃以上から600℃以下の範囲における任意の加熱温度まで3℃/minで加熱し、液体窒素で冷却後、粒径150μm以下に粉砕し、30℃で8時間真空乾燥させた9種類の試料を作製した。
これらの石炭試料に対して、レーザーラマン分光測定を行った。レーザーラマン分光測定には、Thermo Electron社製 NICOLET ALMEGA XR(レーザー波長532nm、レーザー出力:1%、露光時間:20秒、露光回数:2回、レーザー径:10μm程度)を用いた。顕微鏡の対物レンズの倍率は10倍のものを用いた。データの代表性、正確さを得るために測定は同一試料内でランダムに36ポイント測定した。このときの測定時間は約26分であった。得られたラマンスペクトルの400cm-1(波長:2.5μm)と2500cm-1(波長:0.4μm)には試料由来のピークが存在しないことを確認し、2点間のベースラインの傾きを求めた。
図4にラマン分光測定から得られたベースラインの傾きとその試料の加熱温度(最高到達温度)との相関を表す。ラマン測定から得られるベースラインの傾きと石炭の加熱温度は強い相関関係にあることがわかる。少なくとも300℃から600℃の温度域では良好な相関にある。したがって、この相関関係から求められる一次の直線式(相関線)より未知の石炭またはコークス試料において、ベースライン強度またはその傾き、その試料が炉内で実際に受けた300℃以上、600℃未満の範囲での最高到達温度を簡易に求め得ることが示された。以上の結果より、本発明方法を用いることで石炭またはコークスの熱履歴を高精度かつ簡易、迅速に算出できることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 石炭またはコークスが受けた熱履歴における最高到達温度を、ラマン分光測定により得られるスペクトルのGバンドピークの強度に対するDバンドピークの強度の比であるR値により推定することを特徴とする石炭またはコークスの熱履歴推定方法。
  2. 石炭またはコークスが受けた熱履歴における最高到達温度を、ラマン分光測定により得られるスペクトルのベースラインの強度値により推定することを特徴とする石炭またはコークスの熱履歴推定方法。
  3. 300℃以上、600℃未満の範囲で最高到達温度を推定することを特徴とする、請求項1または2に記載の石炭またはコークスの熱履歴推定方法。
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