JP2012122059A - 画像記録方法及びインクセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂で分散されたカーボンブラックを含有する第1のインクを記録媒体に付与する工程、並びに、下記一般式(1)で表される顔料並びにヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有する第2のインクを、前記第1のインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程を有することを特徴とする画像記録方法。
【化1】
【選択図】 なし
Description
本発明の画像記録方法は、樹脂で分散されたカーボンブラックを含有する第1のインクを記録媒体に付与する工程、並びに、下記一般式(1)で表される顔料並びにヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有する第2のインクを、前記第1のインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程を有することを特徴とする。本発明においては、前記第1及び第2のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させる方式のインクジェット記録方法が好ましい。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法が好ましい。尚、本発明における「記録」とは、インク受容層を有する記録媒体や普通紙などの記録媒体に対して記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対してプリントを行う態様を含む。
本発明のインクセットは、樹脂で分散されたカーボンブラックを含有する第1のインク、並びに、上記一般式(1)で表される顔料並びにヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有する第2のインクを含むことを特徴とする。尚、セットとして組み合わせることのできるインクについての限定は特になく、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどを用いることができる。以下、本発明の画像記録方法及びインクセットに用いるインクについて説明する。
本発明の画像記録方法及びインクセットで用いる第1のインクは、樹脂で分散されたカーボンブラックを含有するインクであり、第2のインクは、上記一般式(1)で表されるハロゲン化金属フタロシアニン顔料並びにヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有するインクである。以下、それぞれのインクを構成する成分について説明する。尚、以下「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を示すものとする。
(樹脂で分散されたカーボンブラック)
本発明において、「樹脂で分散されたカーボンブラック」とは、分散剤として樹脂を用いる分散方式で分散されたカーボンブラックを意味する。具体的な分散方式としては、樹脂分散剤をカーボンブラック表面に吸着させることで分散させる分散方式、カーボンブラックの表面を樹脂分散剤で被覆することで分散させるマイクロカプセル型の分散方式、カーボンブラックの表面に樹脂分散剤を化学的に結合させることで分散させる樹脂結合型の分散方式が挙げられる。特に、カーボンブラックの分散安定性の観点から、樹脂結合型の分散方式であることが好ましい。
本発明に用いる第1のインクに使用するカーボンブラックは、従来、インクジェット用のインクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。更に具体的には、下記に挙げるような市販のカーボンブラックを用いることができる。例えば、レイヴァン1500(コロンビア製)、モナク:800、900、1100(以上、キャボット製)、プリンテックス:85、95(以上、デグッサ製)、No.900、No.1000、No.2200B、No.2300、No.2350、No.2400R、MCF−88(以上、三菱化学製)などが挙げられる。無論、本発明のために新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。
本発明において、第1のインクに使用する樹脂は、上記の第1のインク中のカーボンブラックを分散させることができる樹脂であれば、従来のインクジェット用のインクに用いられているものを何れも好ましく使用することができる。特に、本発明においては、親水性モノマーや疎水性モノマーを共重合して得られる樹脂を用いることが好ましい。親水性モノマーや疎水性モノマーとしては、以下に示すような汎用のものを何れも用いることができる。
第1のインク中の樹脂の含有量(質量%)の、カーボンブラックの含有量(質量%)に対する割合を質量比率Aとする。尚、この場合の樹脂及びカーボンブラックの含有量は、第1のインク全質量を基準とした値である。このとき、質量比率Aは0.3以上であることが好ましい。質量比率Aが0.3未満であると、顔料に対する樹脂の量が相対的に小さく、カーボンブラックの分散安定性が低くなり、第1のインクの保存安定性が十分に得られない場合がある。
上述の通り、本発明において、第1のインクに使用する樹脂で分散されたカーボンブラックは、樹脂分散剤を用いる分散方式で分散されたカーボンブラックである。カーボンブラックの樹脂による分散方法としては、従来、インクジェット用のインクに一般的に用いられている方法を何れも用いることができる。中でも、樹脂結合型の分散方式で分散されたカーボンブラックは、例えば、以下の方法でカーボンブラックの表面に樹脂を化学的に結合させることが得られる。即ち、芳香族アミンのジアゾニウム塩によって表面を改質したカーボンブラックに、樹脂を付加反応させることで得られる。
カーボンブラックや樹脂を分析する際には、インクから樹脂で分散されたカーボンブラックのみを分離することが好ましい。インクから樹脂で分散されたカーボンブラックを分離する方法は以下の通りである。まず、インクを濃縮又は希釈して全固形分の含有量が10質量%程度になるように調製した液体を12,000rpmで1時間の条件で遠心分離する。これにより、水溶性有機溶剤や水溶性樹脂などの水溶性成分が液層に含まれることになるため、カーボンブラックを含む沈降成分を回収する。次に、この沈降成分を約3倍量の純水に分散させた液体を80,000rpmで1時間半の条件で遠心分離する。これにより、水不溶性成分が液層に含まれることになり、樹脂で分散されたカーボンブラックが沈降成分として残留するため、これを回収する。回収した沈降成分を、トルエンやアセトンなどの有機溶剤に投入すると、カーボンブラックに吸着・結合している樹脂のみが溶解して取り除かれ、カーボンブラックが分離できる。このとき、樹脂がカーボンブラックに結合している場合は、10質量%水酸化カリウム水溶液などを用いて結合部を加水分解してから同様の操作を行うとより好ましい。以上の方法によって分離したカーボンブラックを乾燥した後、DBP吸油量及び窒素吸着比表面積の測定に用いる。尚、上記の分離操作によって、カーボンブラックの特性が変化することはない。
・装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
・カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
・移動相:THF(特級)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料溶液の注入量:0.1mL
・検出器:RI(屈折率)
・ポリスチレン標準試料:PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)
(分子量:7,500,000、2,560,000、841,700、377,400、320,000、210,500、148,000、96,000、59,500、50,400、28,500、20,650、10,850、5,460、2,930、1,300、580の17種)。後述する実施例においても、上記の条件で測定を行った。
インク中のカーボンブラックが、樹脂結合型の分散方式で分散されたカーボンブラックであるかどうかを判定する方法は以下の通りである。まず、カーボンブラックを含むインクを20gとり、全固形分の含有量が10質量%程度となるように調整し、遠心分離装置にて、12,000rpm、60分の条件で遠心分離を行う。そして、水溶性有機溶剤や水溶性樹脂などの水溶性の成分を含む液層と、下層(沈殿物)を分離する。そして、前記沈殿物について、THFなどの有機溶剤を用いて、ソックスレー抽出を行う。なお、ソックスレー抽出の際には、必要に応じて酸析を行うことが好ましく、また、有機溶剤の種類も適宜変更してもよい。ここで得られた固層について熱重量分析(TGA)を行う。そして、800℃付近のカーボンブラックの分解温度よりも低温度側(110℃付近)に重量の減少が見られれば、樹脂の分解が生じたと考えられ、樹脂結合型の分散方式で分散されたカーボンブラックが含まれているものとする。一方、低温度側に重量の減少が見られなければ、樹脂結合型の分散方式で分散されたカーボンブラックが含まれていなかったものとする。例えば、インク中のカーボンブラックが樹脂で分散されていることが分かっている場合に、上記のTGAにより低温度側に重量の減少が見られなければ、カーボンブラックは樹脂分散剤を顔料表面に吸着させることで分散させる樹脂分散カーボンブラックである、と判断できる。
(一般式(1)で表される顔料)
本発明において、第2のインクは、下記一般式(1)で表されるハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有する。
本発明において、第2のインクは、ヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有する。本発明における「ヒドロキシ酸」とは、「1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基とをもつ有機化合物」(岩波 理化学辞典 第4版)を意味する。本発明において、第2のインクに使用するヒドロキシ酸の炭素数としては2以上6以下であることが好ましい。また、ヒドロキシ基の数が1以上5以下であることが好ましい。具体的に、本発明において、第2のインクに使用するヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸が挙げられる。中でも、乳酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
第2のインク中のヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種の含有量(質量%)の一般式(1)で表される顔料の含有量(質量%)に対する割合を質量比率Bとする。尚、この場合の含有量は、第2のインク全質量を基準とした値である。このとき、質量比率Bは0.01以上0.15以下であることが好ましい。質量比率Bが0.01より小さいと、前記一般式(1)で表される顔料の表面に吸着するヒドロキシ酸やアミノ酸の量が十分でなく、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。また、質量比率Bが0.15より大きいと、前記一般式(1)で表される顔料の表面に吸着できないヒドロキシ酸やアミノ酸が存在するようになり、これらが記録媒体に析出することで画像の光沢性の向上効果が十分に得られない場合がある。
上述のメカニズムの通り、本発明の効果は、第1のインク中のカーボンブラックと第2のインク中の一般式(1)で表される顔料の親水性の違いに影響される。したがって、第1のインク中のカーボンブラックの親水性に関する因子の1つである、分散樹脂とカーボンブラックの質量比率(前記質量比率A)と、第2のインク中の一般式(1)で表される顔料の親水性に関する因子の1つである、ヒドロキシ酸及びアミノ酸と顔料の質量比率(前記質量比率B)の関係を規定することで、より好ましい効果が得られると考えられる。この観点から、本発明者らが検討したところ、前記質量比率Bの前記質量比率Aに対する比率、即ち、(質量比率B)/(質量比率A)が、0.025以上0.375以下であるときに、2次色の画像の光沢性が更に向上するため、好ましいことが分かった。
(水性媒体)
本発明において、第1のインク及び第2のインクは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有してもよい。水とは、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。また、水溶性有機溶剤としては、例えば、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を組合せて使用することができる。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下、更には40.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下、更には3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
本発明において、第1のインク及び第2のインクは、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、従来から、インクジェット用インクの調製の際に用いられているものを何れも用いることができる。具体的には、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのアルキル基部分の炭素数が12乃至22のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などである。これらの界面活性剤は、単独で用いても、2種以上適宜組合せて用いてもよい。
本発明において、第1のインク及び第2のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及びその他の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。このような添加剤のインク中における含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上10.00質量%以下、更には0.20質量%以上5.00質量%以下であることが好ましい。
<カーボンブラック1〜7>
表1に示したDBP吸油量及び比表面積を有するカーボンブラック1〜7を用いた。
カーボンブラックの分散に用いる樹脂1〜5(スチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸のランダム共重合体)の特性を表2に示した。この樹脂1〜5を、表2に記載のそれぞれの樹脂の酸価と当量の水酸化ナトリウムと水を加えて温度80℃で撹拌し、樹脂(固形分)の含有量が20.0質量%である樹脂水溶液1〜5を得た。
上記で得たカーボンブラック及び樹脂水溶液を表3に示した組合せで用い、カーボンブラック分散体を以下の方法で調製した。
水(30g)に3−アミノベンジルアミン(7.5mmol)を溶解させた溶液に、撹拌しながら硝酸銀(1.2g)を加えた後、発生した沈殿物をろ過により除去した。得られたろ液を、水(70g)中に表1に示したカーボンブラック(10g)を分散させた懸濁液に、撹拌しながら加えた。これに、濃塩酸(1.6g)を加え、更に、水(10g)に亜硝酸ナトリウム(0.5g)を溶解させた溶液を加えた。このとき、ベンゼン環に直接結合しているアミノ基がジアゾニウム塩となったものが、カーボンブラックと反応することに伴い窒素ガスの泡が発生した。この窒素ガスの泡の発生が止まった後、温度120℃のオーブンで乾燥させた。このようにして、表面が改質されたカーボンブラックを得た。樹脂水溶液(1,000g)に、前記表面が改質されたカーボンブラック(50g)をイオン交換水(1,450g)に分散させた分散液を撹拌下で加えた。この混合物をパイレックス(登録商標)蒸発皿に移し、温度150℃で15時間加熱することで液体成分を蒸発させた後、室温に冷却して、蒸発乾燥物を得た。次いで、この蒸発乾燥物を、水酸化ナトリウムでpH9.0に調整した蒸留水に加えて分散させ、更に、撹拌下で1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、液体のpHを10〜11に調整した。これにより、カーボンブラック粒子の表面に結合している官能基に含まれるアミノ基の一部と樹脂のカルボキシル基とを脱水縮合させた。その後、脱塩、不純物を除去するための精製、及び、粗大粒子の除去を行った。更に、水を加えて、カーボンブラック(固形分)の含有量が10.0質量%、樹脂(固形分)の含有量が4.0質量%である樹脂結合型のカーボンブラック分散体1を調製した。また、得られた分散体のpHは9.0であり、顔料の平均粒径は80nmであった。
上記の(カーボンブラック分散体1の調製)に倣って、表3に記載の顔料と樹脂水溶液の組合せとなるように、カーボンブラック(固形分)の含有量が10.0質量%、樹脂(固形分)の含有量が4.0質量%である樹脂結合型のカーボンブラック分散体2〜5及び10〜15を調製した。得られたカーボンブラック分散体のpHは9.0であり、顔料の平均粒径は80nmであった。結果を表3に示す。
樹脂水溶液の量を1,250gに変えた以外はカーボンブラック分散体1と同様の方法でカーボンブラック分散体6を調製した。
樹脂水溶液の量を1,200gに変えた以外はカーボンブラック分散体1と同様の方法でカーボンブラック分散体7を調製した。
樹脂水溶液の量を800gに変えた以外はカーボンブラック分散体1と同様の方法でカーボンブラック分散体8を調製した。
樹脂水溶液の量を775gに変えた以外はカーボンブラック分散体1と同様の方法でカーボンブラック分散体9を調製した。
カーボンブラック3(10部)、樹脂水溶液3(20部)、イオン交換水(70部)を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)を用い分散処理(使用ビーズ:0.3mm径ジルコニアビーズ、ビーズ充填率:85%(嵩比重換算)、分散時間:水冷しながら3時間)を行った。その後、ポアサイズが3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、水を加えて、カーボンブラック(固形分)の含有量が10.0質量%、樹脂(固形分)の含有量が4.0質量%である樹脂分散型のカーボンブラック分散体16を調製した。得られた分散体のpHは9.0であり、顔料の平均粒径は80nmであった。
カーボンブラックの表面に親水性基(安息香酸基)が結合した自己分散カーボンブラック顔料として市販されているCab−O−Jet352K(Cabot製)を水で希釈し十分撹拌して、カーボンブラック(固形分)の含有量が10.0質量%であるカーボンブラック分散体17を得た。得られた分散体のpHは9.0であり、顔料の平均粒径は80nmであった。
(インク1−1の調製)
上記で得られたカーボンブラック分散体1を下記の各成分と混合した。
・カーボンブラック分散体1(固形分の含有量は10.0質量%) 20.0質量%
・グリセリン 5.0質量%
・ジエチレングリコール 5.0質量%
・アセチレノールE100(界面活性剤:川研ファインケミカル製) 1.0質量%
・イオン交換水 69.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク1−1を調製した。
カーボンブラック分散体1をカーボンブラック分散体2〜17とした以外はインク1−1と同様にしてインク1−2〜1−17を得た。
<顔料分散体の調製>
(顔料分散体1の調製)
下記の各成分を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)を用い分散処理(使用ビーズ:0.3mm径ジルコニアビーズ、ビーズ充填率:85%(嵩比重換算)、分散時間:水冷しながら3時間)を行った。その後、遠心分離を行うことで粗大粒子を除去した。尚、下記の分散剤としては、ベンジルメタクリレートとメタクリル酸を原料として常法により合成した、酸価250mgKOH/g、重量平均分子量6,000のAB型ブロックポリマーを水酸化カリウム水溶液で中和して得られた樹脂を用いた。また、C.I.ピグメントグリーン7の平均粒径は100nmであった。
・C.I.ピグメントグリーン7 15.0質量%
・分散剤 7.5質量%
・イオン交換水 77.5質量%
更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過することで、顔料(固形分)の含有量が10.0質量%、樹脂(固形分)の含有量が5.0質量%の顔料分散体1を得た。
C.I.ピグメントグリーン7をC.I.ピグメントグリーン37(平均粒径:100nm)、C.I.ピグメントグリーン58(平均粒径:100nm)、C.I.ピグメントブルー15(平均粒径:100nm)とした以外は顔料分散体1と同様にして顔料分散体2〜4を得た。
上記で得られた顔料分散体を表4に示す組合せで、下記各成分と混合し、十分撹拌して分散し、各インクを調製した。
・顔料分散体(顔料(固形分)の含有量は10.0質量%) 25.0質量%
・ヒドロキシ酸・アミノ酸 X質量%
・グリセリン 5.0質量%
・ジエチレングリコール 5.0質量%
・アセチレノールE100(界面活性剤:川研ファインケミカル製) 1.0質量%
・イオン交換水 残部
尚、表4に記載の含有量は、すべてインク全質量を基準とした値である。尚、イオン交換水の残部は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
<実施例1〜40、比較例1〜3>
上記で得られたインクを、それぞれインクカートリッジに充填し、表5に示す第1のインクと第2のインクの組合せでインクセットとし、インクジェット記録装置PIXUS Pro9500(キヤノン製)に装着した。このとき、PBk(濃ブラック)の位置に第1のインクを、G(グリーン)の位置に第2のインクを装着した。そして、キヤノン写真用紙・光沢ゴールドGL−101(キヤノン製)に対して、それぞれのインクの記録デューティが50%である2次色のベタ画像(トータルの記録デューティが100%の画像)を記録した。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:55%とした。また、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ng(ナノグラム)のインク滴を8ドット付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。得られたベタ画像を室温で1日放置した後、マイクロヘイズメーター(BYKガートナー製)を用いて、20°グロス値を測定した。2次色の画像の光沢性の評価基準は以下の通りである。尚、下記の2次色の画像の光沢性の評価基準において、A〜Eが好ましいレベルとし、Fは許容できないレベルとした。評価結果を表5に示した。
B:20°グロス値が、50以上55未満であった
C:20°グロス値が、45以上50未満であった
D:20°グロス値が、40以上45未満であった
E:20°グロス値が、35以上40未満であった
F:20°グロス値が、35未満であった。
表6に示す第1のインクと第2のインクの組合せで、上記<実施例1〜40、比較例1〜3>と同様にして、2次色の画像の光沢性の評価を行ったところ、クエン酸を含有する場合(参考例1)と含有しない場合(参考例2)で、2次色の画像の光沢性に差が生じなかった。これは、上述の通り、C.I.ピグメントブルー15のようなハロゲン化されていない金属フタロシアニン顔料を第2のインクに用いた場合は、2次色の画像の光沢性が低くなるという課題自体が生じないためである。
インク1−3をインクカートリッジに充填し、インクジェット記録装置PIXUS Pro9500(キヤノン製)に装着し、キヤノン写真用紙・光沢ゴールドGL−101(キヤノン製)に対して、インクの記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。記録条件は、上記<実施例1〜40、比較例1〜3>と同様にした。得られたベタ画像について、上記<実施例1〜40、比較例1〜3>と同様にして、画像の光沢性の評価を行った。
インク2−16について、<参考例3>と同様にして、インクの記録デューティが100%であるベタ画像を記録し、画像の光沢性の評価を行った。
Claims (8)
- 樹脂で分散されたカーボンブラックを含有する第1のインクを記録媒体に付与する工程、並びに、
下記一般式(1)で表される顔料並びにヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有する第2のインクを、前記第1のインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程を有することを特徴とする画像記録方法。
(一般式(1)中、Mは金属である。X1〜X16はそれぞれ独立に、水素原子及びハロゲン原子から選ばれる1種であり、X1〜X16のうち、水素原子の数は8個以下であり、ハロゲン原子の数は8個以上である。) - 前記第1のインク中の前記カーボンブラックのDBP吸油量が75mL/100g以下であり、かつ、窒素吸着比表面積が200m2/g以上である請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記第1のインク中の前記樹脂の酸価が200mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
- 前記第2のインク中の前記ヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種が1分子中に有するカルボキシル基の数が2以上5以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 前記第2のインク中の前記ヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種の含有量(質量%)の、前記一般式(1)で表される顔料の含有量(質量%)に対する割合を質量比率Bとしたときに、前記質量比率Bが0.01以上0.15以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 前記第1のインク中の前記樹脂の含有量(質量%)の、前記カーボンブラックの含有量(質量%)に対する割合を質量比率Aとし、前記第2のインク中の前記ヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種の含有量(質量%)の、前記一般式(1)で表される顔料の含有量(質量%)に対する割合を質量比率Bとしたときに、(前記質量比率B)/(前記質量比率A)が、0.025以上0.375以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 前記第1のインク中の前記カーボンブラックが、樹脂結合型の分散方式で分散されたカーボンブラックである請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 樹脂で分散されたカーボンブラックを含有する第1のインク、並びに、下記一般式(1)で表される顔料並びにヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる少なくとも1種を含有する第2のインクを有することを特徴とするインクセット。
(一般式(1)中、Mは金属である。X1〜X16はそれぞれ独立に、水素原子及びハロゲン原子から選ばれる1種であり、X1〜X16のうち、水素原子の数は8個以下であり、ハロゲン原子の数は8個以上である。)
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