JP2012119380A - ガラスセラミック配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 たわみ試験においてクラックの発生が無く機械的信頼性に優れたガラスセラミック配線基板を提供する。
【解決手段】 ガラスセラミックスからなる絶縁層が複数積層された絶縁基体1と、該絶縁基体1の表面に形成された表面配線層2とを具備するガラスセラミック配線基板であって、前記絶縁基体1がセラミックフィラーとしてアルミナ粒子を含有するとともに、少なくともアルミナ(Al)、ケイ素(Si)およびカルシウム(Ca)を元素として含むガラス相とから構成されており、前記表面配線層1が銀を主成分とし、ロジウム(Rh)および酸化銅を含有するとともに、前記絶縁基体1の表面にアノーサイト相を主結晶相とするセラミック層7を有し、抗折強度が190MPa以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動体通信分野などで使用される半導体素子収納用パッケージまたは高周波モジュール基板等に適用され、銀を主成分とする低抵抗の配線層を有するガラスセラミック配線基板に関するものである。
近年、半導体素子の高速、高周波化に伴い、高周波信号を高速で伝送することのできる配線基板の要求がますます高まっている。
このような配線基板としては、配線層が低抵抗であり、かつ絶縁層は比誘電率の低いものが求められている。
このため、従来より絶縁基体用材料として用いられているアルミナを主成分とする絶縁材料に比較して比誘電率が低く、また、配線層となる銅または銀と同時焼成が可能なガラスセラミックスを絶縁層とする配線基板が注目されている。
また、携帯電話等のモバイル機器の普及に代表されるように、電子機器はますます小型化の要求が高まっており、このため電子機器に搭載される配線基板も、より小型かつ薄型化の要求が大きくなっている。
本出願人は、これまで、上記のような要求を満たすべく、種々の配線基板を提案してきた(例えば、特許文献1〜5)。
図2は、従来の代表的なガラスセラミック配線基板を示す概略断面図である。ガラスセラミック配線基板は、複数のガラスセラミック絶縁層111、112、113および114が積層された絶縁基体101と、ガラスセラミック絶縁層111、112、113および114を貫通する貫通導体103と、絶縁基体101の内部に形成された内部配線層104と、絶縁基体の表面に形成された表面配線層105とを備えている。
このようなガラスセラミック配線基板においては、絶縁基体101の表面に形成された表面配線層105のうち上面側の表面配線層105は半導体素子や電子部品などを実装するための配線層となり、一方、下面側の表面配線層105は外部回路基板に接続するための接続端子106を形成するための配線層となる。
このようなガラスセラミック配線基板は、以下のような工程によって作製される。まず、ガラスセラミック材料を主成分とするガラスセラミックグリーンシートを形成した後、このガラスセラミックグリーンシートに貫通孔を形成し、導体ペーストを充填する。次に、貫通孔に導体ペーストが充填されたガラスセラミックグリーンシートの主面に導体ペーストを印刷して、内部配線層104または表面配線層105となる各導体パターンを形成する。次に、貫通導体103、内部配線層104および表面配線層105となる各導体パターンが形成されたガラスセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を形成し、次いで、この積層体を所定の条件にて焼成することにより配線基板の素体を形成する。次に、この多層配線基板の素体の表面に形成された表面配線層105の表面にめっき膜を形成することによりガラスセラミック配線基板を得ることができる。
特開2004−143010号公報 特開2008−4646号公報 特開2008−251782号公報 特開2003−342060号公報 特開2005−306714号公報
ところが、上記公報に開示されたガラスセラミック配線基板の場合、配線層を有しないガラスセラミック焼結体としての評価では、開気孔率が低く、抗折強度およびヤング率が高く、機械的信頼性に優れるという結果が得られるものの、このようなガラスセラミック焼結体を絶縁基体101とし、これに表面配線層105を形成すると、表面配線層105を構成している材料の拡散や固溶の影響により、絶縁基体101の強度が低下し、配線基板を変形させて評価するたわみ試験において絶縁基体101の表面にクラックが発生するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、たわみ試験においてクラックの発生が無く機械的信頼性に優れたガラスセラミック配線基板を提供することを目的とする。
本発明のガラスセラミック配線基板は、ガラスセラミックスからなる絶縁層が複数積層された絶縁基体と、該絶縁基体の表面に形成された表面配線層とを具備するガラスセラミック配線基板であって、前記絶縁基体がセラミックフィラーとしてアルミナ粒子を含有するとともに、少なくともアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびカルシウム(Ca)を元素として含むガラス相を有し、前記表面配線層が銀を主成分とし、ロジウム(Rh)および酸化銅を含有するとともに、前記絶縁基体の表面のうち前記表面配線層以外の領域にアノーサイト相を主結晶相とするセラミック層を有し、前記ガラスセラミックスの抗折強度が190MPa以上であることを特徴とする。
上記ガラスセラミック配線基板では、前記絶縁基体は、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)およびイットリウム(Y)をさらに含有し、X線回折のリートベルト解析から求められる割合でアルミナを39〜41質量%含有するとともに、前記絶縁層から前記アルミナを除いた量を100質量%としたときに、蛍光X線の定量分析により求められる割合で、前記SiをSiO換算で40〜45質量%、前記AlをAl換算で10〜15質量%、前記CaをCaO換算で0.5〜2.0質量%、前記BをB換算で5〜10質量%、前記MgをMgO換算で10〜25質量%、前記ZrをZrO換算で0.5〜2.0質量%、前記BaをBaO換算で10〜20質量%、前記SrをSrO換算で0.2〜0.8質量%および前記YをY換算で0.5〜1.5質量%含有するが望ましい。
本発明のガラスセラミック配線基板によれば、たわみ試験においてクラックの発生が無く機械的信頼性に優れたガラスセラミック配線基板を得ることができる。
本実施形態のガラスセラミック配線基板の一実施形態の概略断面図である。 従来のガラスセラミック配線基板の一実施形態の概略断面図である。
以下、本実施形態のガラスセラミック配線基板の一実施形態について図面に基いて説明
する。図1は、本実施形態のガラスセラミック配線基板の一実施形態の概略断面図である。
図1に示すガラスセラミック配線基板は、複数のガラスセラミックスからなる絶縁層11、12、13、14が積層された絶縁基体1と、絶縁基体1の表面に設けられた表面配線層2と、絶縁基体1の内部に設けられた内部配線層3と、貫通導体5とを備えている。
本実施形態のガラスセラミック配線基板を構成する絶縁基体1は、セラミックフィラーとしてアルミナ粒子を含有するとともに、少なくとも少なくともアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびカルシウム(Ca)を元素として含むガラス相を有し、その絶縁基体1の表面のうち前記表面配線層以外の領域にアノーサイト(CaAlSi)相を主結晶相とするセラミック層7を有し、絶縁層11、12、13、14を構成するガラスセラミックスの抗折強度が190MPa以上である。また、表面配線層2は、Agを主成分とし、ロジウム(Rh)および酸化銅を含有する導体材料により構成されている。
これによりガラスセラミック配線基板を変形させるたわみ試験を行った場合に、クラックの発生が無く機械的信頼性に優れたガラスセラミック配線基板を得ることができる。
ここで、絶縁基体1の表面においてアノーサイト相は、たわみ試験においてクラックの発生を防止できるとともに、絶縁基体1の抗折強度を230MPa以上にできるという理由から、絶縁基体1の表面から2〜20μmのであることが望ましい。
なお、本実施形態のガラスセラミック配線基板において、絶縁基体1の表面のうち前記表面配線層以外の領域にアノーサイト相を有する領域というのは、微小領域X線回折の分析からアノーサイト相を主結晶相として含むセラミック層7が存在するものをいい、この場合、ガラスセラミック配線基板を構成する絶縁基体1の断面をエネルギー分散型X線分光分析(EDS)を用いて元素分析したときに、絶縁基体1の表面から内部にかけてアノーサイト相を構成する元素(Ca,AlおよびSi)が集中している状態にある部分をいう。
また、表面配線層2にロジウム(Rh)および酸化銅の各成分が存在するという判定は、表面配線層2の一部についてスポット的にエネルギー分散型X線分光分析(EDS)を行ったときにロジウムおよび銅のX線ピークがノイズレベルよりも大きい場合とする。
また、本実施形態のガラスセラミック配線基板に対するたわみ試験は、所定のサイズのガラスセラミック配線基板のほぼ中央部を一定の速度で押して変形させたときに、そのガラスセラミック配線基板を構成する絶縁基体1の表面に発生するクラックの有無を評価するものである。たわみ試験の条件は、例えば、サイズが45mm×45mm×2mmのガラスセラミック配線基板の試料に対して、加圧速度:1.0mm/秒、たわみ量:0.5mm、保持時間:5±1秒とし、たわみ試験時に凸変形した側の面を顕微鏡観察し、0.5mm以上の長さのクラックが見られた場合をクラック有りとする。
本実施形態のガラスセラミック配線基板では、絶縁基体は、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)およびイットリウム(Y)をさらに含有し、X線回折のリートベルト解析から求められる割合でアルミナ粒子を39〜41質量%含有するとともに、ガラスセラミックからなる絶縁層からアルミナを除いた量を100質量%としたときに、蛍光X線の定量分析により求められる割合で、SiをSiO換算で40〜45質量%、AlをAl換算で10〜15質量%、CaをCaO換算で0.5〜2.0質量%、BをB換算で5〜10質量%、MgをMgO換算で10〜25質量%、ZrをZrO換算で0.5〜2.0質量%、
BaをBaO換算で10〜20質量%、SrをSrO換算で0.2〜0.8質量%およびYをY換算で0.5〜1.5質量%含有することが望ましい。
絶縁基体1を上記組成としたときは、絶縁基体1をさらに緻密化することができるとともに、絶縁基体1と、絶縁基体1の表面や内部に形成されている表面配線層2、内部配線層4および貫通導体5との接合性を高めることができる。このとき表面配線層2および内部配線層4がTiを含んでいると、表面配線層2および内部配線層4に覆われる貫通導体5付近のボイドを小さくすることができる。
この場合、絶縁基体1の緻密化の程度は絶縁基体1の表面の観察から求まる最大ボイド径の測定によって判断でき、本実施形態のガラスセラミック配線基板では最大ボイド径が10μm以下であることが望ましい。
また、絶縁基体1の表面や内部に形成されている表面配線層2、内部配線層4および貫通導体5と絶縁基体1との接合性については、絶縁基体1の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、その断面の貫通導体と絶縁基体1との間の一定サイズ以上のボイドの有無から評価する。この場合、絶縁基体1の断面の貫通導体5と絶縁基体1との間に、最大径が5μm以上のボイドが存在しない貫通導体5の個数を評価して求める。絶縁基体1の断面の貫通導体5と絶縁基体1との間に、最大径が5μm以上のボイドを有する貫通導体5は不良としてカウントする。
また、絶縁基体1の組成を上記組成とした場合には、抗折強度を290MPa以上にすることができるとともに、比誘電率を9以下、誘電損失を20×10−4以下にすることができ、絶縁基体1の誘電特性をも向上させることができる。
こうして誘電特性に優れ、緻密であり、機械的信頼性の高いガラスセラミック配線基板を得ることができる。
次に、ガラスセラミック配線基板の製造方法について説明する。まず、ガラスセラミックグリーンシートを作製するためのガラス粉末およびセラミックフィラーを用意する。
ガラス粉末としては、少なくともAl、SiOおよびCaOを含有する粉末を用いる。このガラス粉末は焼成により絶縁基体1の表面にアノーサイトを析出するガラスとなる。
また、本実施形態のガラスセラミック配線基板を製造する場合において、絶縁基体1を形成するためのガラス粉末として、SiをSiO換算で40〜45質量%、AlをAl換算で10〜15質量%、CaをCaO換算で0.5〜2.0質量%、BをB換算で5〜10質量%、MgをMgO換算で10〜25質量%、ZrをZrO換算で0.5〜2.0質量%、BaをBaO換算で10〜20質量%、SrをSrO換算で0.2〜0.8質量%およびYをY換算で0.5〜1.5質量%含有するものを用いると、さらに誘電特性に優れ、緻密であり、かつ機械的信頼性の高いガラスセラミック配線基板を得ることが可能になる。
また、本実施形態のガラスセラミック配線基板を製造する場合において、絶縁基体1を形成するためのセラミックフィラーとしては、絶縁基体1の機械的強度を高めるという理由からアルミナ粉末を用いる。この場合、アルミナ粉末の平均粒径は2〜5μmであることが好ましい。
次に、ガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物(合計100質量%)に適当な有機
バインダおよび有機溶剤を混合してスラリーを得る。得られたスラリーから、所望の成形手段、例えばドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法等によりガラスセラミックグリーンシートを作製する。この場合、混合物におけるガラス粉末とセラミックフィラーとの割合は、ガラス粉末を57〜61質量%、セラミックフィラーを39〜43質量%とするのがよく、これにより緻密かつ低誘電率の絶縁基体1を得ることが可能になる。
次に、得られたガラスセラミックグリーンシートにパンチングやレーザー加工法などにより貫通孔を形成する。そして、この貫通孔に銀粉末を主成分として含む貫通導体用の導体ペーストを充填する。
また、所望のガラスセラミックグリーンシート上に、銀粉末を主成分として含む配線層用の導体ペーストを用いて表面配線層用または内部配線層用の導体パターンをスクリーン印刷法やグラビア印刷法にて形成する。導体ペーストは、銀(Ag)を97〜99質量%、ロジウム(Rh)を金属粉末の状態で0.01〜0.05質量%、酸化銅(CuO)を0.8〜2質量%、TiOを1〜2質量%含むものを用いるのがよい。ここで、導体ペーストとして、TiOを加えたものを用いるのは、絶縁基体1と表面配線層2、内部配線層3および貫通導体5等の導体と絶縁基体1との接合性を高められるという理由からである。
次に、ガラスセラミックグリーンシートに形成した貫通孔に貫通導体用の導体ペーストを充填し、また、ガラスセラミックグリーンシートの主面に内部配線層用または表面配線層用の導体パターンを形成する。次に、導体パターンが形成されたガラスセラミックグリーンシートを複数積層し、これを熱圧着法または積層助剤を用いて加圧積層する方法により積層体を作製する。
次に、得られた積層体を焼成する。焼成は、大気素雰囲中にて脱脂した後、大気雰囲気中850℃〜950℃の温度で1〜2時間の条件で行う。
本実施形態のガラスセラミック配線基板において、絶縁基体1の表面にアノーサイト相を有するセラミック層を形成できるのは、絶縁基体1となるガラスセラミックグリーンシートに、アノーサイト(CaAlSi)の元素成分を有するAl、SiOおよびCaOを含有するガラス粉末を用い、導体ペーストに、銀を主成分とし、これに微量のロジウム(Rh)と酸化銅とを含有する導体ペーストを用いることによるものであり、銀を主成分とする導体ペースト中に含まれるロジウム(Rh)と酸化銅とがガラスセラミックグリーンシートに含まれるAl、SiOおよびCaOに触媒的に作用し、アノーサイト相を形成し易くするためである。このため導体ペーストを印刷したガラスセラミックグリーンシートの表面付近に選択的にアノーサイト相を有するセラミック層7が形成されるのである。
これに対し、銀を主成分とする導体ペースト中にロジウム(Rh)と酸化銅を含有しない導体ペーストを用いた場合には絶縁基体1の表面にアノーサイト相は形成されず、このため、ガラスセラミック配線基板のたわみ試験を行ったときにガラスセラミック配線基板を構成する絶縁基体1の表面にクラックの発生が見られる。
以上説明した製造方法により、絶縁基体の表面にアノーサイト相を有し、抗折強度が190MPa以上であり、たわみ試験において、クラックの無いガラスセラミック配線基板を得ることができる。
ガラス粉末として、表1に示す組成のガラス粉末とセラミックフィラーとしてアルミナ
粉末を用意し、表1に示す割合となるように秤量混合した。なお、ガラス粉末の平均粒径は3.5μm、アルミナ粉末の平均粒径は3.5μmとした。
この混合物に、イソブチルメタクリレートを主鎖としてトルエンを溶媒とする有機バインダを添加するとともに、有機溶剤としてジブチルフタレートを添加し、十分混合してスラリーを作製した後、ドクターブレード法により厚み125μmのガラスセラミックグリーンシートを作製した。
得られたガラスセラミックグリーンシートにパンチングにより貫通孔を形成した後、この貫通孔に貫通孔用の導体ペーストを充填した。貫通孔用の導体ペーストは、Ag粉末にアクリル系バインダおよびテルピネオールを添加して粘度を調整したものを用いた。
次に、貫通孔用の導体ペーストを充填したガラスセラミックグリーンシートの表面に内部配線層用の導体パターンまたは表面配線層用の導体パターンを形成した。内部配線層用の導体パターンまたは表面配線層用の導体パターンを形成するための導体ペーストは、表2示す組成の導体ペーストを用いた。この導体ペーストは表2に示す無機成分に対してRh粉末とCuO粉末とTiO粉末とを表2に示す割合になるように混合し、これにアクリル系バインダとテルピネオールとを添加し粘度調整した。なお、表面配線層用の導体ペーストに含まれる銀粉末の平均粒径は5μm、また、内部配線層用の導体ペーストに含まれる銀粉末の平均粒径は2μmとし、添加剤であるRh粉末、CuO粉末およびTiO粉末は平均粒径が1〜2μmのものを用いた。
こうして作製した導体パターンの形成された複数のガラスセラミックグリーンシートを位置合わせして熱圧着により20層積層して積層体を作製した。
次に、大気雰囲気中にて、温度を725℃、保持時間を3時間とした条件で脱脂を行った後、大気雰囲気にて、最高温度を900℃、保持時間を1時間とした条件で本焼成を行ない、縦45mm、横45mm、厚み2mmの大きさのガラスセラミック配線基板の素体を作製した。
上記の方法で得られた多層配線基板に対して、以下の測定を行なった。
まず、たわみ試験については、作製したガラスセラミック配線基板(サイズは45mm×45mm×2mm)に対して、加圧速度:1.0mm/秒、たわみ量:0.5mm、保持時間:5±1秒とし、たわみ試験時に凸変形した側の面を顕微鏡観察し、0.5mm以上の長さのクラックが見られた場合をクラック有りとした。試料数は10個とした。
抗折強度については、作製したガラスセラミック配線基板の中央部を45mm×5mm×2mmのサイズに切り出し、三点曲げ強度試験を行って求めた。このときの試料数は20個とした。
ガラスセラミック配線基板を構成する絶縁基体の表面に形成されているアノーサイト相の分析は、微小領域X線回折を用いて導体した。また、絶縁基体におけるアノーサイト相を有するセラミック層の厚みは、絶縁基体の断面をエネルギー分散型X線分光分析(EDS)を用いて元素分析し、絶縁基体の表面から内部にかけてアノーサイト相を構成する元素(Ca,AlおよびSi)が集中している状態にある部分の厚みとした。試料数は1個とした。
表面配線層2、内部配線層4および貫通導体5等の導体と絶縁基体1との接合性については、絶縁基体1の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、その断面の貫通導体と絶縁
基体1との間に5μm以上のボイドが見られないものを良とし、5μm以上のボイドが1個でも見られるものを不良とした。試料数は1個とした。
最大ボイド径については、得られたガラスセラミック配線基板の素体を断面研磨し、研磨された断面における中央部分の1000μm×1000μmの範囲を走査型電子顕微鏡を用いて評価した。試料数は1個とした。
また、絶縁基体の比誘電率および誘電損失については、ガラスセラミック配線基板を作製するのに用いたガラスセラミックグリーンシートを複数枚積層し、ガラスセラミック配線基板と同じ条件で焼成して得られた絶縁基体を50mm×50mm×1mmに加工し、空洞共振器法にて測定した。このときの測定周波数は2GHzとした。試料数は3個とした。結果を表3に示した。
なお、ガラスセラミックスの組成については、まず、ガラスセラミック配線基板を粉砕した試料についてX線回折のリートベルト解析を行ってガラスセラミックス中に含まれる
アルミナの割合を求め、次に、この粉砕した試料を用いて蛍光X線による分析を行って、
ガラスセラミックスの組成を求め、蛍光X線から求めた組成とX線回折のリートベルト解析から求めた組成とからガラスセラミックス中のアルミナ以外の成分の組成を求めた。その結果、得られたガラスセラミックスは、焼結後においてアルミナ粒子を有し、その組成は、表1に示す調合組成に一致するものであった。
Figure 2012119380
Figure 2012119380
Figure 2012119380
表3の結果から明らかなように、本発明の試料(試料No.1、5〜45)では、たわみ試験においてクラックの発生した試料が無かった。
特に、絶縁基体の組成をX線回折のリートベルト解析から求められる割合でアルミナ粒子を39〜41質量%含有するとともに、ガラスセラミックスからなる絶縁層からアルミナ粒子を除いたガラス相の割合を100質量%としたときに、蛍光X線の定量分析により求められる割合で、SiをSiO換算で40〜45質量%、AlをAl換算で10〜15質量%、CaをCaO換算で0.5〜2.0質量%、BをB換算で5〜10質量%、MgをMgO換算で10〜25質量%、ZrをZrO換算で0.5〜2.0質量%、BaをBaO換算で10〜20質量%、SrをSrO換算で0.2〜0.8質量%およびYをY換算で0.5〜1.5質量%含有するものとした試料No.1、6〜8、10、11、14、15、18、19、22、23、26、27、30、31、34、35、38、39、42および43では、貫通導体付近にボイドが無く、抗折強度が290MPa以上であり、比誘電率を9以下、誘電損失が20×10−4以下であった。
これに対して、絶縁基体の表面のうち前記表面配線層以外の領域にアノーサイト相を主結晶相とするセラミック層を有しない試料No.2〜4では、たわみ試験において、クラックが見られた。
1・・・絶縁基体
11、12、13、14・・・ガラスセラミックスからなる絶縁層
2・・・表面配線層
3・・・内部配線層
5・・・貫通導体
7・・・アノーサイト相を主結晶相とするセラミック層

Claims (2)

  1. ガラスセラミックスからなる絶縁層が複数積層された絶縁基体と、該絶縁基体の表面に形成された表面配線層とを具備するガラスセラミック配線基板であって、前記絶縁基体がセラミックフィラーとしてアルミナ粒子を含有するとともに、少なくともアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびカルシウム(Ca)を元素として含むガラス相を有し、前記表面配線層が銀を主成分とし、ロジウム(Rh)および酸化銅を含有するとともに、前記絶縁基体の表面のうち前記表面配線層以外の領域にアノーサイト相を主結晶相とするセラミック層を有し、前記ガラスセラミックスの抗折強度が190MPa以上であることを特徴とするガラスセラミック配線基板。
  2. 前記絶縁基体は、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)およびイットリウム(Y)をさらに含有し、X線回折のリートベルト解析から求められる割合でアルミナを39〜41質量%含有するとともに、前記絶縁層から前記アルミナを除いた量を100質量%としたときに、蛍光X線の定量分析により求められる割合で、前記SiをSiO換算で40〜45質量%、前記AlをAl換算で10〜15質量%、前記CaをCaO換算で0.5〜2.0質量%、前記BをB換算で5〜10質量%、前記MgをMgO換算で10〜25質量%、前記ZrをZrO換算で0.5〜2.0質量%、前記BaをBaO換算で10〜20質量%、前記SrをSrO換算で0.2〜0.8質量%および前記YをY換算で0.5〜1.5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のガラスセラミック配線基板。
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