JP2012117351A - 屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールを野地板上に取り付ける場合において、通気を確保するとともに、波板の垂木への取り付けを確実に行うことで防水を確保する。
【解決手段】垂木10と、垂木10に下面が支持された野地板20と、野地板20の上に配置され、複数枚の波板31が組み合せられるとともに、凹凸部の長手方向が雨水の流れ方向と一致するように配置された波板構造体30と、波板構造体30の上に取り付けられた取付金具40と、波板構造体30の上流側の開口部を通気可能に覆うとともに、波板構造体30の上側に雨水を案内する水切り部材49と、取付金具40に取り付けられた太陽電池モジュール50とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の屋根に太陽電池モジュールを取り付けた屋根構造に関し、特に防水性と通気性を向上させ、屋根の耐久性を確保する技術に関する。
建物の屋根の野地板に直接太陽電池モジュールパネルを固定することが従来から行われている。また、野地板上に載置された波板(波形の屋根板)に太陽電池モジュールパネルを取り付けた屋根構造が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平7−217101号公報 特許第4478240号公報
上述した太陽電池モジュール取付方法では、次のような問題があった。すなわち、建物の屋根の野地板に直接太陽電池モジュールパネルを取り付ける場合、野地板から雨水が漏れ、雨漏りの原因となるという問題があった。これに対し、波板に太陽電池モジュールを取り付けた屋根は強度も充分であり、しかも野地板に直接太陽電池モジュールを取り付けないので雨漏りの心配もない。しかしながら、雨漏りを防止するため波板の上端を塞ぐ構造となり、波板と野地板の間の通気が十分とれず、野地板の湿気を排出することができず、野地板が劣化するという問題があった。
また、波板の凹凸の間隔は決まっているため、波板の波上部が野地板を支持する垂木との位置とが必ずしも一致するとは限らないため、太陽電池モジュール(取付金具)を波板・野地板を通して垂木に止めるための釘が波板の波上部の位置で貫通せず、新たな雨漏りの原因となったり、止める箇所が少なくなることで取付強度が不足するという問題があった。
そこで本発明は、太陽電池モジュールを波板を介して野地板上に取り付ける場合において、太陽電池モジュールと野地板との間の通気を確保するとともに、垂木への取り付けを確実に行うことができる屋根構造を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の屋根構造は次のように構成されている。
垂木と、この垂木に下面が支持された野地板と、この野地板の上に配置され、複数枚の波板が組み合せられるとともに、凹凸部の長手方向が雨水の流れ方向と一致するように配置された波板構造体と、この波板構造体の上に取り付けられた取付金具と、前記波板の上流側の開口部を通気可能に覆うとともに、前記波板の上側に雨水を案内する水切り部材と、この取付金具に取り付けられた太陽電池モジュールとを備えている。
本発明によれば、太陽電池モジュールを波板を介して野地板上に取り付ける場合において、太陽電池モジュールと野地板との間の通気を確保するとともに、垂木への取り付けを確実に行うことが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る屋根構造を示す断面図。 同屋根構造の要部を示す断面図。 同屋根構造の軒先側を示す断面図。 同屋根構造の大棟側を示す断面図。 同屋根構造の要部を示す斜視図。 同屋根構造の要部を示す正面図。 同屋根構造の側端側を示す断面図。 同屋根構造の側端側の別の例を示す断面図。 同屋根構造の要部を示す斜視図。 同屋根構造に組み込まれた波板構造体と野地板と案内部材と垂木を示す正面図。 同屋根構造に組み込まれた波板構造体と野地板と案内部材と垂木を示す正面図。 同屋根構造に組み込まれた波板構造体とカバー部材との位置関係を示す説明図。 同屋根構造に組み込まれた取付金具を示す平面図。 同取付金具を示す側面図。 同取付金具を図12におけるA−A線で切断し、矢印方向に見た断面図。 同取付金具を図12におけるB−B線で切断し、矢印方向に見た断面図。 同取付金具を図12におけるC−C線で切断し、矢印方向に見た断面図。 同屋根構造の変形例を示す断面図。 同屋根構造の変形例を示す断面図。 同屋根構造の変形例を示す断面図。 同屋根構造の要部を示す断面図。
図1は本発明の一実施の形態に係る屋根構造1を示す断面図、図2は屋根構造1の要部を拡大して示す断面図である(図1中二点鎖線L)。屋根構造1は、垂木10と、この垂木10に下面が支持された野地板20と、この野地板20の上に配置された波板構造体30と、この波板構造体30の上に配置された取付金具40と、この取付金具40によって支持された太陽電池モジュール50と、野地板20上に直接取り付けられた屋根材60とを備えている。なお、波板構造体30と野地板20との間には、透湿ルーフィング等の下葺材(不図示)が設置されている。
波板構造体30は、ガルバニウム鋼板等の金属製又は合成樹脂製(ポリ塩化ビニル樹脂やポリカーボネート樹脂)の波板31を複数用いて、その一部を重ね合わせた構造となっている(図2参照)。波板31は、波上部31aと波下部31bとが交互に、かつ、一定の間隔で形成されている。また、波上部31aと波下部31bとが並ぶ波方向は、垂木10の延びる方向(垂木方向)と直交して配置されている。すなわち、凹凸部の長手方向が雨水の流れ方向と一致するように配置されている。
図2に示すように、波板31の垂木方向の端部には、波下部31bを塞ぐように返り部(突起部)31cが形成されている。このため、波板31同士を重ね合わせると下段の波板31と上段の波板31との間に隙間が生じ、通気路Pが形成される。
取付金具40は、図3及び図4に示すように、太陽電池モジュール50の下端側と上端側にそれぞれ配置されている。取付金具40は、波板構造体30と太陽電池モジュール50との間に十分な空間を形成する機能を有している。
取付金具40は、図6に示すように、波板31の上面に合わせて下面が形成されたベース部41と、このベース部41に対して垂直方向に延設された垂直部材42と、この垂直部材42に設けられ後述するブラケット44を取り付ける取付部43とを備えている。ベース部41は、取付金具40を波板31上に留めるためのビス40aが必ず波板31の波上部31aに合致することとなる。
下端側の取付金具40の取付部43には、ボルト43aによりブラケット44が締結される。ブラケット44は、太陽電池モジュール50の下端面を支持している。このブラケット44を介して太陽電池モジュール50を取付金具40に取り付けているため、ブラケット44により波板構造体30上のゴミや雨水を堰き止めることがなく、波板31の重なり部分や釘穴から波板構造体30下側へ雨水が浸入することがない。
ブラケット44の上部には、太陽電池モジュール50上の雨水を後述する軒先水切り部材46上に案内する雨水案内板45が取り付けられている。軒先水切り部材46は、金属製の板材を折曲して形成されており、波板31の下流側の開口部を通気可能に覆うとともに、滴下した雨水を軒先側に案内する機能を有している。軒先水切り部材46の基端(一端)46a側は取付金具40に固定され、先端(他端)46b側は野地板20の軒先端よりも低い位置に設けられている。なお、軒先水切り部材46の基端46aが取付金具40に固定される箇所は水平方向に沿って間欠的であり、その隙間は十分にゴミや雨水を通過させるための隙間が形成されている。
上端側の取付金具40の取付部43には、ボルト43aによりブラケット47が締結される。ブラケット47は、太陽電池モジュール50の上端面を支持している。ブラケット47の上部には、太陽電池モジュール50と波板構造体30との間にゴミ等が入らないようにするためのカバー48が取り付けられている。カバー48には通気用のスリット48aが設けられている。さらにカバー48の先端は屋根材60の端部に固定されている。
カバー48と野地板20との間には、水切り部材49が設けられ、屋根材60やカバー48上の雨水を波板構造体30の上面に案内する機能を有し、野地板20と波板構造体30との隙間に入り込まないようにしている。
なお、図5に示すように、野地板20と波板構造体30との間は、水切り部材49と波板31の波上部31aとの隙間から太陽電池モジュール50と波板構造体30との間に連通され、上述したスリット48aへ通気(R2)する構造となっている(図4中二点鎖線K)。
太陽電池モジュール50の側端面側には、図7A、図7B及び図8に示すように、太陽電池モジュール50上の雨水を隣接する屋根材60上に案内する水切り部材51が設けられている。
また、図7Aに示すように、野地板20と波板構造体30との間には、2枚の水切り部材70,71が積層して設けられており、水切り部材70の先端部及び水切り部材71の先端部はいずれも屋根材60の下面の異なる位置に配置されている。水切り部材70の先端部及び水切り部材71の先端部との間には、シール材72が設けられている。
上述した構造の変形例として、図7Bに示すように、2枚の水切り部材73,74を積層して設けてもよい。この場合、水切り部材73の先端73aを屋根材60の下面に、基端73bを野地板20と波板構造体30との間に配置する。また、水切り部材74の先端74aを屋根材60の下面に、基端74bを波板31の上面に固定してもよい。なお、水切り部材73の先端73a及び水切り部材74の先端74aとの間には、シール材75が設けられている。
なお、図9〜図16は、波板31と垂木10との位置合わせ方法を示す説明図である。波板31の凹凸の間隔及び垂木10の配置間隔はそれぞれ一定で、かつ、互いに無関係に決まっている。このため、波板31の波上部31aが必ずしも垂木10の真上に位置するとは限らない。波上部31a以外の位置で波板31側から垂木10に固定釘を打つと、波板31上の雨水が固定釘を伝わって野地板20側へ水漏れが生じる虞がある。このため、波板31の位置を適宜調整する必要がある。一方、波板31を移動させると隣接する波板31と隙間が生じ、隙間から雨水が野地板20上に滴下する等の問題があった。
図9は、上述した隙間を、図9に示すような接続用波板80を波板31の相互間に設けることで、波板31の位置を調整しても隙間が生じないようにするものである。接続用波板80は、上述した波板31と同様に構成された波板部81と、隣接する両側の波板31の波上部31aに被せる平板82とを備えている。
なお、図9,10に示すように、垂木10の真上であって波板31の波上部31aと野地板20との間には案内部材90が設けられている。案内部材90は、野地板20上に載置されるベース部91とこのベース部91に設けられた角筒部92とが一体に形成されており、この角筒部92の軸心線と垂木10の長手方向とが平行となるように配置されている。
図11は、波板31の相互間に設けた接続用カバー100を示す説明図である。図11中31dは波板31の端部を示している。波板31の位置を調整しても隙間が生じないようにするものである。接続用カバー100は、波上部31aに被せる平板101と、この平板101の水平方向の両端部を押圧するとともに、波板31の波上部31aと共に貫通して固定する固定部材102とを備えている。図11中Wに示すように、波板31の端部31d同士の離間距離を10mm以内で調整することが可能となる。
図9〜図11に示すように、波板31の波上部31aと垂木10の位置とを一致させる場合であっても隣接する波板31間に隙間が生じず、雨水が滴下することを防止することができる。また、波板31の波上部31aと垂木10の位置とを一致させることで、ビス40aを波板31の波上部31aから垂木10へ真っ直ぐに貫通させることができ、野地板20へ雨水が漏れることを防止することができる。
図12は取付金具40を示す平面図、図13は取付金具40を示す側面図である。取付金具40のベース部41には、波板31の波上部31aに対応して設けられた貫通孔41a〜41cが設けられている。貫通孔41a〜41cは、それぞれ図14〜図16に示すように、それぞれの向きが異なっている。すなわち、貫通孔41aはベース部41の面に対し垂直方向に設けられ、貫通孔41b,41cはそれぞれ傾いて設けられている。これは、ベース部41aは波板31の凹凸に合致するように形成されているが、上述したような理由により波板31の波上部31aと垂木10との位置は必ずしも一致しないため、一致しない場合には貫通孔41b,41cを用いて斜め方向にビス40aを打ち込むことで波上部31aと垂木10を固定することが可能となる。
このように構成された屋根構造1では、太陽電池モジュール50の下端側(軒先側)では、野地板20と波板構造体30間の通気(R1)の入口が設けられ、上端側では野地板20と波板構造体30間の通気(R2)の出口が設けられている。このため、野地板20の湿気の排出が可能となる。また、太陽電池モジュール50の下端側では、太陽電池モジュール50と波板構造体30間の通気(Q1)の入口が設けられ、上端側では太陽電池モジュール50と波板構造体30間の通気(Q2)の出口が設けられている。このため、日照により温度が上昇した太陽電池モジュール50の温度を下げることができ、発電効率の低下を防ぐことが可能となる。
波板構造体30はその構造上通気路Pが形成されているため、野地板20と波板構造体30との間の換気を十分に行うことができる。このため、野地板20の湿気を野地板20と波板構造体30との空間から排湿できる。したがって、野地板20での結露を防止でき、野地板20の耐久性を向上させることができる。同様にして太陽電池モジュール50下の熱気や雨水等の湿気を棟から排出できる。このため、断熱性も向上させることができる。
軒先水切り部材46は、波板31の上部から来るゴミを堰き止めないように波板31との間に空間が確保するとともに、風雨によって波板31と野地板20との間の雨水の浸入を防ぐことが可能となる。
また、太陽電池モジュール50の側端面側は、水切り部材51が設けられ、隣接する屋根材60上へ雨水が案内されている。さらに、野地板20と波板構造体30との間には、2枚の水切り部材70,71が設けられており、波板構造体30側へ雨水が浸入することを防止している。
さらに、案内部材90が設けられているため、波上部31aと垂木10とを位置決めできるとともに波板31を正確に配置することができる。また、この案内部材90の位置でビス40aを打ち込めば、必ず垂木10にビス40aを留め付けることができる目印ともなる。
上述したように、本実施の形態に係る屋根構造1によれば、波板構造体30上に太陽電池モジュール50を取り付けた場合であっても、野地板20上の換気・防水を確保することができる。
図17は、上述した実施の形態に係る屋根構造1の変形例に係る屋根構造1Aを示す断面図である。屋根構造1Aにおいては、大棟部において換気装置200が配置されている。波板構造体30は、軒先部から大棟部まで配置され、換気装置200において外部に野地板20上の空気が通気(R3)し、排出される構造となっている。
図18は、上述した実施の形態に係る屋根構造1の変形例に係る屋根構造1Bを示す断面図である。屋根構造1Bにおいては、波板構造体30の軒先側に別の屋根部材60が配置されている構造である。この場合、軒先水切り部材46の代わりに、水切り部材300及び301を用い、取付金具40上の雨水及び波板構造体30上の雨水を屋根部材60の上面に案内することで、換気及び防水を確保することができる。
図19は屋根構造1の変形例に係る断面図、図20は図19中二点鎖線Mで示す部分の拡大断面図である。野地板20に開口部21が形成されている。この場合、軒先から入った波板31と野地板20との間の通気R3を野地板20の下方の小屋裏空間に流入させることができる。この場合、カバー48と波板構造体30との間の換気構造がなくとも、野地板20の湿気を排出することが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
1…屋根構造、10…垂木、20…野地板、30…波板構造体、31…波板、40…取付金具、46…軒先側水切り部材、48…カバー部材、49…水切り部材、50…太陽電池モジュール、70,71,73,74…水切り部材、80…接続用波板、90…案内部材、100…接続用カバー。

Claims (8)

  1. 垂木と、
    この垂木に下面が支持された野地板と、
    この野地板の上に配置され、複数枚の波板が組み合せられるとともに、凹凸部の長手方向が雨水の流れ方向と一致するように配置された波板構造体と、
    この波板構造体の上に取り付けられた取付金具と、
    前記波板の上流側の開口部を通気可能に覆うとともに、前記波板の上側に雨水を案内する水切り部材と、
    この取付金具に取り付けられた太陽電池モジュールとを備えていることを特徴とする屋根構造。
  2. 前記野地板と前記波板構造体との間には、前記垂木に沿って延設され、前記波板の波上部の下面に配置される案内部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  3. 前記波板構造体は、水平方向の両側部に平板を有する接続用波板を具備し、
    この接続用波板は、隣接する両側の波板の波上部に前記平板を被せて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  4. 前記波板構造体は、水平方向に間隙をもって相隣接する波板同士の間に亘って設けられた平板状のカバー部材と、
    このカバー部材の水平方向の両端部を押圧するとともに、前記波板の波上部と共に貫通して固定する平板状の固定部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  5. 前記取付金具の前記波板への取付部位は、前記波板の形状に合わせて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  6. 前記取付金具は、前記波板の波上部に対応して設けられた貫通孔を有し、この貫通孔の向きは少なくとも2種類の方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  7. 前記取付金具は、前記波板の波下部との間に隙間が形成されて取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  8. 前記波板の下流側の開口部を通気可能に覆うとともに、雨水を軒先に案内する軒先水切り部材をさらに備え、
    前記軒先水切り部材の一端側は前記取付金具に固定され、他端側は前記野地板の軒先端よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
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