JP2012116519A - 積層剥離容器及びその製造方法、並びにこれに用いるブロー成形用の金型 - Google Patents
積層剥離容器及びその製造方法、並びにこれに用いるブロー成形用の金型 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】
ブロー成形される積層剥離型ブロー成形容器であって、外層2と該外層との相溶性が低い内層3とで形成され、該容器の底部にはブロー成形用金型のピンチオフ部で前記外層と前記内層とが共に押し潰されることで形成された突条形状の底リブ20を有し、前記底リブの両側の表面それぞれに複数の食い込み部21が設けられるものにおいて、前記複数の食い込み部の伸長方向が、前記底リブの中央位置CPにて前記底リブの表面に垂直に設定した仮想基準ラインBLに対して傾けられている。
【選択図】図2
Description
このような従来の底リブの様子を模式的に示したのが図6であり、図6(a)は従来の積層剥離容器100の底シール部110に設けた底リブ120に食い込み部121が形成してある様子を示す要部拡大図、そして図6(b)は(a)の底シール部110を矢視Y方向から示し食い込み部121の配置の様子を示した図である。図6から明らかなように、従来の底リブ120では、食い込み部121の伸長方向がパーティングライン(PL)及び底リブ120の両側の表面120f、120fに対して垂直となっているので剪断力F1に対しては優れた耐久構造となる。
放射方向に移動可能で、前記ピンチオフ部に前記食い込み部を形成するための突出ピンを備えた4個割りの金型を用い、ブロー成形するに際して、前記底リブに前記食い込み部を形成する工程を含む、ことを特徴とする積層剥離容器の製造方法によっても達成される。
前記ピンチオフ部は、前記底リブに複数の食い込み部を形成する複数の突出ピンを有すると共に、
前記複数の突出ピンの移動方向が、前記底リブの中央位置にて前記底リブの表面に垂直に設定した仮想基準ラインに対して傾斜し、互いに正・負逆の傾斜角となる第1方向と第2方向とされ、
前記ピンチオフ部を形成する部分の金型が4個の割り金型で構成され、第1の割り金型に第1方向の突出ピン、第2の割り金型に第2方向の突出ピン、第3の割り金型に第1方向の突出ピン、そして第4の割り金型に第2方向の突出ピンが配置されて、4個の割り金型は放射方向に分割可能に形成してある、ことを特徴とするブロー成形用の金型により、上記積層剥離容器を製造することができる。
図1(a)は本発明に係る積層剥離容器1の正面図、図1(b)は同底面図である。この積層剥離容器1は、容器の外観形状を形作る保形性を有する外層2と、その内側に剥離可能に密着された内層3とによる積層型合成樹脂容器である。例えば積層剥離容器1は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料による外層2と、この外層2に対して相溶性の低いナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等による合成樹脂材料で撓み変形が自在な袋状に成形された内層3とを積層させたブロー成形容器である。
なお、脚壁8は、外側の略直立した円筒状壁部分と、内側の下方に拡径したテーパー円筒状壁部分の下端間を、円弧状に連結した構造となっており、底部7は、底壁9の内周縁に連続する平板状の平坦部10と、この平坦部10の中央部をパーティングラインに沿って横断し、長径をパーティングラインに沿わせた略楕円球弧壁状のドーム構造をして、容器1の内方に湾曲陥没した肉厚な隆起部11とから構成されている。
ただし、本積層剥離容器1の底シール部12に形成された底リブ20にあっては、食い込み部が底リブ20の表面(20f)に対して傾けて設定してある。これにより前述した剪断力F1だけでなく、引き剥し力F2にも対抗し得る構造を実現する。なお、より詳細には、製造工程上の理由から、食い込み部の伸長方向は底リブの表面(20f)に対して外側へ向けて傾斜させられる。その理由は、後述の説明により明らかとなる。
図2(a)は、ブロー成形用金型DAの一部であるピンチオフ部により、積層剥離容器底部7に底リブ20を形成するときの様子を模式的に示した図である。
ところで、パリソンを用いるブロー成形用金型は、金型2個による2つ割構成が一般的であり、容器の底部を形成するキャビティ部に隣接して、パリソンを切断して(食い切って)その端末を押し潰し加工(重合圧着)するためのピンチオフ部が設けてある。しかし、本発明に係る積層剥離容器1の底部7に形成する底リブ20は、このような従来型のブロー成形用金型では製造することができない(この理由は後述の説明で明らかとする)。
なお、図2(a)は容器1の底部の金型を例示しているもので、これより上の容器1の構成部である胴部4や口筒部5を成形するブロー成形用金型は別体で、従来と同様に金型2つ割の構成などとなっている。
第1の金型ML−1については食い込み部21−1(図2(b)で仮想基準ラインBLの右側、パーティングラインPLの上側の領域参照)を形成するための突出ピンPN−1が、仮想基準ラインBLに対して例えば角度+α°の外向きの傾斜をもって設定してある。よって、第1の金型ML−1を移動させることによる矢印MD−1方向での突出ピンPN−1の押圧操作後に、逆向きに引き抜いたときに、底リブ20の表面(20f)で仮想基準ラインBLの右側には角度+α°外向きに傾斜した食い込み部21−1を形成することできる。そして、底リブ20に形成される他の3つ領域における食い込み部21−2〜21−4についても、同様に形成される。
なお、図3から明らかであるが、第1の割り金型ML−1と第3の割り金型ML−3は同じ第1方向(+α)であるが突出ピンで底リブ20の表面を押圧して食い込み部とする凹部を形成し、その後に抜く向きが互いに逆となる。同様に、第2の割り金型ML−2と第4の割り金型ML−4は同じ第2方向(−α)であるが突出ピンで底リブ20の表面を押圧して食い込み部とする凹部を形成し、その後に抜く向きが互いに逆となる。
底リブの表面に対する食い込み部21の傾斜は、上記から明らかなように突出ピンの傾斜角度αによる。この角度αは食い込み部21を設ける剥離抑制効果と共に、金型や製造工程での生産性などを考慮して定めるのが好ましい。
例えば、図4(a)は仮想基準ラインBLに関して線対称に食い込み部21を配置した場合、又図4(b)は中央位置CPに関して点対称となるように食い込み部21を配置した場合である。このような構造は、食い込み部21の配置バランスに優れるのでより強固となる。
図5は底リブ20の表面に表れる食い込み部21の開口21hlの形状を例示した図である。(a)で示すように円形でもよいし、(b)で示すように矩形としてもよい、更には(c)で示すように異なる形状のものを組合せてもよい。
なお、上記説明から明らかであるが、開口21hlは金型に設けた突出ピンの外形形状であるので、この突出ピンの形状を変更することで食い込み部21の形状は容易に変更できる。
2 外層
3 内層
7 底部
12 底シール部
20 底リブ
21 食い込み部
21hl 食い込み部の開口
PL パーティングライン
BL 仮想基準ライン
CP 底リブの中央位置
DA ブロー成形用金型
ML 金型(4個の割り金型ML−1〜ML−4)
MD−1〜MD−4 4個の割り金型の往復動方向
PN 突出ピン
α 傾斜角度
Claims (5)
- ブロー成形される積層剥離型ブロー成形容器であって、外層と該外層との相溶性が低い内層とで形成され、該容器の底部にはブロー成形用金型のピンチオフ部で前記外層と前記内層とが共に押し潰されることで形成された突条形状の底リブを有し、前記底リブの両側の表面それぞれに複数の食い込み部が設けられるものにおいて、
前記複数の食い込み部の伸長方向が、前記底リブの中央位置にて前記底リブの表面に垂直に設定した仮想基準ラインに対して傾けられている、ことを特徴とする積層剥離容器。 - 前記複数の食い込み部は、前記底リブの表面それぞれの側から交互に、かつ反対面の食い込み部とは重ならないよう位置をずらして配置されると共に、少なくとも一部の食い込み部はパーティングラインを越える食い込み深にされている、ことを特徴とする請求項1に記載の積層剥離容器。
- 前記仮想基準ラインに関して線対称、又は前記中央位置に関して点対称となるように、前記複数の食い込み部が配置してある、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層剥離容器。
- 外層と該外層との相溶性が低い内層とで形成される積層剥離型ブロー成形容器で、該容器の底部にはブロー成形用金型のピンチオフ部で前記外層と前記内層とが共に押し潰されることで形成された突条形状の底リブを有し、前記底リブの両側の表面それぞれに複数の食い込み部が設けられるもので、前記複数の食い込み部の伸長方向が、前記底リブの中央位置にて前記底リブの表面に垂直に設定した仮想基準ラインに対して傾けられている積層剥離容器を成形する方法であって、
放射方向に移動可能で、前記ピンチオフ部に前記食い込み部を形成するための突出ピンを備えた4個割りの金型を用い、ブロー成形するに際して、前記底リブに前記食い込み部を形成する工程を含む、ことを特徴とする積層剥離容器の製造方法。 - 積層剥離型ブロー成形容器の成形に採用可能なブロー成形用の金型であって、
前記容器形成に用いたパリソンの端部を押し潰し突条形状となる容器の底リブを形成するピンチオフ部を備えており、
前記ピンチオフ部は、前記底リブに複数の食い込み部を形成する複数の突出ピンを有すると共に、
前記複数の突出ピンの移動方向が、前記底リブの中央位置にて前記底リブの表面に垂直に設定した仮想基準ラインに対して傾斜し、互いに正・負逆の傾斜角となる第1方向と第2方向とされ、
前記ピンチオフ部を形成する部分の金型が4個の割り金型で構成され、第1の割り金型に第1方向の突出ピン、第2の割り金型に第2方向の突出ピン、第3の割り金型に第1方向の突出ピン、そして第4の割り金型に第2方向の突出ピンが配置されて、4個の割り金型は放射方向に分割可能に形成してある、ことを特徴とするブロー成形用の金型。
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