JP5476283B2 - 積層剥離容器 - Google Patents
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Description
仮に底割れが発生すると、その割れ部分から外気が流入するので、その外気に水分が含まれていると容器の底部に水分が残留するなどの不都合を招来してしまう。また、積層剥離容器をスクイズ仕様として採用していた場合などでは、一旦、剥離部分から流入した空気が容器を握ったときに流出する状態となるので、容器のスクイズ機能が十分に働かず、内容物の排出が困難になるという不都合が生じて容器への信頼性が低下してしまう。
しかしながら、屈曲した剥離規制部を設けるために成形後の容器を、更に押し潰し加工する圧潰工程が必要となる。また、この圧潰工程を行うための設備を準備し、圧潰時の条件や装置制御にも十分な配慮が必要となる。
前記容器本体下の底部が、外側へ膨出する状態に成形した底壁を、容器本体の胴部と該底壁との間に位置する環状の底端壁を中心に反転させて形成してあると共に、当該反転により前記胴部下端側の内壁に前記底壁の一部が圧着された非剥離部が設けてある、ことを特徴とする積層剥離容器により達成される。
前記環状の溝部と前記環状の底端壁との間の領域を反転させて当該容器が形成してあるものでもよい。
そして、前記底端壁は、前記容器本体の他の部分より薄肉に成形してあるのが望ましい。
図1は本発明に係る積層剥離容器1について示しており、ブロー成形された後で底部を成す底壁が膨出した状態で、半製品形態であるときの様子を示した正面図である。そして、図2はこの膨出部分を反転させて、完成製品の形態にしたときの様子を示した正面図である。
なお、図2では、容器の右側下部を切り欠いて断面構成を示し、更に図1で示す半製品形態との対応が確認し易いように、その膨出部分を点線で示してある。また、図1で膨出状態の底壁を9A、図2で反転され完成位置の底壁を9Bで示している。
上記説明から明らかであるが、環状の底端壁8は、外側の略直立した円筒状壁部分である胴部4と底壁9との間に位置して、これらを連結している構成部となっている。なお、底壁9は、完成製品の形態において容器1内側に陥没した状態となるが、その中心側の底中央部CPは逆に下側へ凸状となっている。この底中央部CPに底シール部12がある。この底中央部CPについては、後述する。
よって、上記反転により、胴部4下端側の内壁3に前記底壁9の一部が圧着される領域が形成されて、これが非剥離部20となる。この非剥離部20は、剥離し易い外層2と内層3とを含む構造であるが、反転により外側に位置する一対の外層2が内側で折り返された状態となる2層の内層3を圧着して保持する強固構造となる。よって、仮に底シール部12に剥離が発生しても、この非剥離部20が、その剥離を規制する領域として機能する。
また、非剥離部20は、環状の底端壁8を中心にして、外層2と内層3とを一体に反転(膨出している外側から容器の内側へとひっくり返す)して形成される結果として、その位置は底端壁8の近傍となる。よって、非剥離部20は、発生した剥離を底部7内に留めるように作用するので、これより容器上方へ剥離が波及するのを確実に防止できる。この積層剥離容器1は、仮に底割れが生じても剥離の拡大を防止できるので、その後においても積層型容器の機能を維持して継続的な使用が可能である。
上記底中央部CP内には、少なくとも底シール部12が含まれている。前述したように底シール部12は、剥離し易い構造である。そのため、仮に図1で示すドーム状の底壁9A内を全体に反転させると、反転完了後の構造では底シール部12が内側に盛り上がった頂点位置となる。このような構造では、底シール部12に引き剥がし力が作用して好ましくない。そこで、例示のように環状の溝部10を設けて底中央部CPは下向きの姿勢を維持するようにし、底シール部12に外力を作用させない構造としている。
更に、前記環状の底端壁8は、容器本体の他の構造部分より薄肉に成形しておくのが好ましい。これにより反転操作を容易、確実に行える。
なお、図1に示している底壁が膨出した状態の半製品形態から、図2で示す完成製品の形態にするには底壁を反転させることが必要である。しかし、この反転操作は、例えば環状の溝部10と環状の底端壁8との間の領域11を容器内側へ押し込むような簡単な操作で完了する。よって、底壁の反転工程は簡易に自動化が可能あり、また手動にて行うことも可能である。
図3、4は前掲の図1、2と同様に積層剥離容器を示している。よって、同一の部位については、同じ符号を付して重複する説明を省略し、図3、4で示す積層剥離容器について異なる点を説明する。
この図3、4に示す積層剥離容器1の場合は、胴部4下側は一定の広さを持った平坦な傾斜面31となっている。よって、反転された底壁9Bの内壁3−2が、この傾斜面31内側の内壁3−1に対して対面圧着され、圧着領域が相対的に広く確保された強固な構造となる。これにより、図3、4に示す非剥離部20では、剥離波及防止の機能をより高めた構造となる。よって、図3、4に示す積層剥離容器1は、より耐久性が向上したものとなる。
2 外層
3 内層
4 胴部
7 底部
8 環状の底端壁
9 底壁
10 環状の溝部
12 底シール部
20 非剥離部
30 括れ部
Claims (4)
- 外層と該外層との相溶性が低い内層とで、容器本体がブロー成形される積層剥離容器であって、
前記容器本体下の底部が、外側へ膨出する状態に成形した底壁を、容器本体の胴部と該底壁との間に位置する環状の底端壁を中心に反転させて形成してあると共に、当該反転により前記胴部下端側の内壁に前記底壁の一部が圧着された非剥離部が設けてある、ことを特徴とする積層剥離容器。 - 前記胴部の下端側に、縮径した括れ部が形成されており、該括れ部の下側は外側に向けて拡径する裾野形状の傾斜面とされていると共に、該傾斜面の下端は前記環状の底端壁に連続し、
反転された前記底壁が前記傾斜面の内側の内壁と対面圧着して、前記非剥離部を形成している、ことを特徴とする請求項1に記載の積層剥離容器。 - 前記膨出状態に成形された底壁は、前記容器本体の下に向けて膨出しているドーム形状であり、該ドーム形状の中腹位置に環状の溝部を備えるもので、
前記環状の溝部と前記環状の底端壁との間の領域を反転させて当該容器が形成してある、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層剥離容器。 - 前記底端壁は、前記容器本体の他の部分より薄肉に成形してある、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層剥離容器。
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