JP6627428B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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本発明は、積層剥離容器に関する。
内容物の減少に伴って内層が外層から剥離し収縮することによって容器の内部に空気が入り込むことを抑制する積層剥離容器が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−75414号公報
ところで、積層剥離容器には、目薬のような医薬品を収容する場合がある。この場合、積層剥離容器の水蒸気透過量の上限が薬局方の規格によって規定されている。本発明者らが特許文献1に開示されているような積層剥離容器について実験を行ったところ、このような積層剥離容器では、水蒸気透過量が上限を超えてしまうために医薬品の容器としては利用ができない場合があることが分かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、水蒸気透過量を低減させることができる積層剥離容器を提供するものである。
本発明によれば、外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離し収縮する容器本体を備える積層剥離容器であって、前記外殻は、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と、前記容器本体の外部空間を連通する外気導入孔を備え、前記外気導入孔を取り囲むように、前記外殻と前記内袋が剥離されていない非剥離領域が設けられる、積層剥離容器が提供される。
本発明者らは積層剥離容器の水蒸気透過量が多くなる原因について調査を行ったところ、特許文献1のように予備剥離を行っている容器では、予備剥離の際に内層と外層の間に隙間ができ、この隙間及び外気導入孔を通じて内層が外部空間と連通されるために、容器の内容物からの水分が内層、隙間、外気導入孔を通じて外部に漏出されて、水蒸気透過量が多くなることが分かった。
そして、この知見に基づき、外気導入孔を取り囲むように非剥離領域を設けることによって、外部空間と連通している内層の面積を低減させることができ、その結果、水蒸気透過量を低減させることができることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記外気導入孔を閉塞するように設けられた被覆部材を備える。
好ましくは、前記中間空間と前記外部空間の間の空気の出入りを調節する弁部材を備える。
好ましくは、前記非剥離領域と前記外気導入孔の間に、前記外殻と前記内袋が剥離されている孔周縁剥離領域が設けられている。
好ましくは、前記外殻と前記内袋の界面領域のうち、前記孔周縁剥離領域以外の領域が前記非剥離領域である。
好ましくは、前記外殻と前記内袋が剥離されている離間剥離領域を備え、前記離間剥離領域と前記外気導入孔の間に前記非剥離領域が設けられる。
好ましくは、(前記孔周縁剥離領域の面積)/(前記外殻と前記内袋の界面領域の面積)の値は、0.8以下である。
好ましくは、前記容器本体は、内容物を収容する収容部と、前記収容部から前記内容物を排出する口部とを備え、前記外気導入孔は、前記収容部に設けられる。
本発明の一実施形態の積層剥離容器1の容器本体3の斜視図である。 (a)〜(b)は、それぞれ、図1の容器本体3の正面図及び底面図であり、(c)は、(a)中のA−A断面図であり、(d)は、容器本体3に弁部材4を装着した状態での、(a)中のB−B断面図である。 (a)は筒体5の正面図、(b)は筒体5の底面図、(c)は(b)中のA−A断面図、(d)は(c)中のB−B断面図、(e)は弁部材4の断面図、(f)は弁部材4を外殻12に装着した状態を示す断面図、(g)は移動体6がストッパー部5hに当接して空洞部5gを閉塞させた状態を示す断面図である。 被覆部材としてシール部材8を用いた例を示す断面図である。 キャップ23を被覆部材として用いた例を示す正面図である。 内層13の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
図1〜図2に示すように、本発明の一実施形態の積層剥離容器1は、容器本体3と、弁部材4を備える。容器本体3は、内容物を収容する収容部7と、収容部7から内容物を吐出する口部9を備える。
図2に示すように、 容器本体3は、収容部7及び口部9において、外層11と内層13を備えており、外層11によって外殻12が構成され、内層13によって内袋14が構成される。内容物の減少に伴って内層13が外層11から剥離することによって、内袋14が外殻12から剥離して収縮する。
口部9には、係合部9dが設けられている。本実施形態では、口部9には、打栓式のキャップが装着されていることが想定されており、係合部9dは、キャップの係合部に係合されるリング状の突起である。但し、別の実施形態では、口部9には、雌ねじを有するキャップやポンプなどを装着してもよく、その場合、係合部9dは、雄ねじ部で構成される。
収容部7は、図1〜図2に示すように、断面が略楕円形状である筒状の筒状部7bと、筒状部7bの一部が凹まされて形成されたパネル部7cを有する。容器本体3は、筒状(例:円筒状)の積層パリソンをブロー成形することによって形成されるので、容器本体3の各部の肉厚は、ブロー比が大きい部位ほど(中心軸Cからの距離が大きい部位ほど)小さくなる。パネル部7cは、筒状部7bよりも中心軸Cに近いので、筒状部7bよりも肉厚が大きくなる。このため、パネル部7cの剛性が筒状部7bよりも高くなる。
図1〜図2に示すように、外殻12には、収容部7において、外殻12と内袋14の間の中間空間21と、容器本体3の外部空間Sを連通する外気導入孔15が設けられている。外気導入孔15は、具体的には、パネル部7cに隣接した位置(より具体的にはパネル部7cと口部9の間の領域)に設けられる。
図2に示すように、外気導入孔15の周縁では、外殻12と内袋14が剥離されて孔周縁剥離領域33が形成されている。また、外殻12と内袋14の界面領域Iのうち、孔周縁剥離領域33以外の領域においては、外殻12と内袋14が剥離されておらず、非剥離領域34となっている。このため、非剥離領域34が孔周縁剥離領域33及び外気導入孔15を取り囲むように設けられている。
孔周縁剥離領域33では、外殻12と内袋14が剥離されているので、その間に中間空間21が設けられる。一方、非剥離領域34では、外殻12と内袋14が剥離されていないので、その間に中間空間21が形成されない。なお、「外殻12と内袋14が剥離されていない」状態とは、内袋14と外殻12に対応する積層構造を有する積層パリソンを用いて容器本体3をブロー成形によって製造したままの外殻12と内袋14の状態である。「外殻12と内袋14が剥離されている」状態とは、ブロー成形によって製造された容器本体3に対して、何らかの外力を加えて、内袋14を外殻12から厚さ方向に変位させて剥がすか又は内袋14と外殻12を面内方向にずらすことによって、内袋14と外殻12の間の接着状態を解除した状態である。
中間空間21は、外気導入孔15を通じて外部空間Sに連通している。従って、内容物からの水分が内袋14を透過すると、その水分は、容易に外部空間Sに放出される。内袋14は、通常、外殻12よりも肉厚が小さいので、外殻12よりも水分を透過させやすい。このため、孔周縁剥離領域33の面積が大きいほど、内袋14が中間空間21に対して露出される面積が大きくなり、容器本体3の内部から外部空間Sへの水蒸気透過量が大きくなる。
このため、界面領域Iの面積に対する孔周縁剥離領域33の面積の割合を小さくするほど、水蒸気透過量を低減させることができる。孔周縁剥離領域33は、不要な場合には設けなくてもよい。この場合、孔周縁剥離領域33の面積は0である。(孔周縁剥離領域33の面積)/(界面領域Iの面積)の値Pは、0.8以下が好ましく、0.5以下がさらに好ましい。この値Pは、具体的には例えば、0、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
水蒸気透過量を低減させるという観点からは、上記値Pは、小さいほど好ましいが、弁部材4を外気導入孔15に挿入する場合には、値Pが小さすぎると、弁部材4の挿入時に弁部材4と内袋14の衝突によって内袋14が傷つきやすくなるので、値Pは、0.01以上が好ましく、0.05以上がさらに好ましい。
孔周縁剥離領域33は、収容部7に内容物を注入する前に、外気導入孔15から外殻12と内袋14の間に流体(気体・液体)を注入したり、外気導入孔15に挿入した棒で内袋14を押し込んだりして、内袋14を外殻12から離間させる(予備剥離する)ことによって形成することができる。流体の注入量や棒の押し込み量を変化させることによって上記値Pを変化させることができる。
本実施形態では、界面領域Iのうち、孔周縁剥離領域33以外の領域が非剥離領域34となっているが、孔周縁剥離領域33に加えて、又は孔周縁剥離領域33の代わりに、外殻12と内袋14が剥離された離間剥離領域を設けてもよい。離間剥離領域は、外気導入孔15から離間された位置に設けられ、離間剥離領域と外気導入孔15の間に非剥離領域34が配置される。孔周縁剥離領域33が設けられている場合は、孔周縁剥離領域33と離間剥離領域が非剥離領域34によって分断される。このように、離間剥離領域は、非剥離領域34によって外気導入孔15から隔離されているので、離間剥離領域において内袋14を透過した水分は、容易には外部空間Sに放出されない。
界面領域Iに対する非剥離領域34の割合が大きくなりすぎると、容器から内容物を吐出させたときに内袋14が外殻12から剥離されにくくなる場合がある。離間剥離領域を設けると、界面領域Iに対する非剥離領域34の割合が小さくなるので、内袋14が外殻12から剥離されやすくなるという効果が得られる。離間剥離領域は、例えば、外気導入孔15とは別の貫通孔を形成して、その孔から流体(気体・液体)を注入したり、外気導入孔15に棒を押しこんだりして、内袋14を外殻12から離間させることによって形成することができる。上記貫通孔は、離間剥離領域の形成後に封止することが好ましい。また、貫通孔を形成せずに、容器本体3に外力を加えて内袋14と外殻12を面内方向にずらすことによって、離間剥離領域を形成してもよい。
本実施形態では、外気導入孔15には、中間空間21と外部空間Sの間の空気の出入りを調節する弁部材4が設けられている。弁部材4は、収容部7に設けられた弁部材取付凹部7aに装着される。弁部材4は、収容部7を圧縮したときには閉じて中間空間21から外部空間Sへ向かう空気の流れを遮断することによって中間空間21内の圧力を高めて、外殻12に加えられた圧力が内袋14に伝わりやすくする機能を有する。一方、弁部材4は、収容部7に加えた圧縮力が除かれたときには開いて外部空間Sから中間空間21へ向かう空気を通過させる機能を有する。このため、中間空間21内に外気が導入されて外殻12がスムーズに元の形状に復帰する。
弁部材4は、外気導入孔15を開閉可能な機能を有するものであればよく、その構成例としては、弁部材4自体に貫通孔と開閉可能な弁を設けて、この弁の働きによって貫通孔を開閉することによって、外気導入孔15を開閉するように構成されているものや、外気導入孔15の縁と弁部材4の間の隙間を弁部材4の移動によって開閉することによって、弁部材4が外気導入孔15を開閉するように構成されているものが挙げられる。前者の弁部材4は、外気導入孔15のサイズに多少のばらつきがある場合でも弁部材4が問題なく機能するので、特に医薬品(例:目薬)容器などの小型の容器に好適に適用される。
ここで、図3を用いて、弁部材4の一例について説明する。弁部材4は、外部空間Sと中間空間21を連通させるように設けられた空洞部5gを有する筒体5と、空洞部5g内に移動可能に収容された移動体6とを備える。筒体5及び移動体6は、射出成形などによって形成され、後述するストッパー部5hを乗り越えるように、移動体6を空洞部5g内に押し込むことによって、移動体6を空洞部5g内に配置させることができる。本実施形態では、空洞部5gは、略円柱形状であり、移動体6は、略球形であるが、本実施形態と同様の機能を実現できる形状であれば、別の形状であってもよい。空洞部5gの横断面(図3(d)の断面)での直径は、移動体6の対応する断面での直径よりもわずかに大きくなっており、移動体6が図3(c)の矢印D方向に自由に移動可能な形状となっている。空洞部5gの横断面の直径/移動体6の対応する断面での直径で規定される比の値は、1.01〜1.2が好ましく、1.05〜1.15が好ましい。この値が小さすぎると移動体6のスムーズな移動が妨げられ、この値が大きすぎると空洞部5gを囲む面5jと移動体6との間の隙間が大きくなりすぎて、容器本体3を圧縮したときに移動体6に加わる力が不十分になりやすいからである。
筒体5は、外気導入孔15内に配置される軸部5aと、軸部5aの外部空間S側に設けられ且つ筒体5が中間空間21に入り込むことを防ぐ係止部5bと、軸部5aの中間空間21側に設けられ且つ筒体5が容器本体3の外側から引き抜かれることを防ぐ膨径部5cを有する。軸部5aは、中間空間21側に向かって先細り形状になっている。つまり、軸部5aの外周面がテーパー面になっている。そして、軸部5aの外周面が外気導入孔15の縁に密着することによって筒体5が容器本体3に装着される。このような構成によって、外気導入孔15の縁と筒体5の間の隙間を低減することができ、その結果、容器本体3を圧縮したときに中間空間21内の空気が外気導入孔15の縁と筒体5の間の隙間から流出することを抑制することができる。なお、筒体5は、軸部5aの外周面が外気導入孔15の縁に密着することによって、容器本体3に装着されるので、膨径部5cは必ずしも必須ではない。
空洞部5gを囲む面5jには、移動体6が中間空間21側から外部空間S側に向かって移動するときに移動体6を係止するストッパー部5hが設けられている。ストッパー部5hは、環状の突起で構成されており、移動体6がストッパー部5hに当接すると空洞部5gを通じた空気の流通が遮断されるようになっている。
また、筒体5の先端は、平坦面5dとなっており、平坦面5dには、空洞部5gに連通する開口部5eが設けられている。開口部5eは、平坦面5dの中央に設けられた略円形の中央開口部5e1と、中央開口部5e1から放射状に広がる複数のスリット部5e2を有する。このような構成によれば、移動体6が空洞部5gの底部に当接している状態でも空気の流れが妨げられない。
弁部材4は、図3(f)に示すように、膨径部5c側から外気導入孔15内に挿入され、係止部5bが外殻12の外面に当接する位置まで押し込まれると、軸部5aの外周面が外気導入孔15の縁に密着した状態で、外殻12に保持される。中間空間21に空気が入っている状態で外殻12を圧縮すると、中間空間21内の空気が開口部5eを通じて空洞部5g内に入り、移動体6を押し上げてストッパー部5hに当接させる。移動体6がストッパー部5hに当接すると、空洞部5gを通じた空気の流れが遮断される。
この状態で外殻12をさらに圧縮すると、中間空間21内の圧力が高まり、その結果、内袋14が圧縮されて、内袋14内の内容物が吐出される。また、外殻12への圧縮力を解除すると、外殻12が自身の弾性によって復元しようとする。外殻12の復元に伴って中間空間21内が減圧されることによって、図3(g)に示すように、移動体6に対して容器内側方向の力FIが加わる。これによって、移動体6が空洞部5gの底に向かって移動して、図3(f)に示す状態となり、移動体6と面5jの隙間及び開口部5eを通って中間空間21内に外気が導入される。
弁部材4は、膨径部5cが外気導入孔15を押し広げながら、膨径部5cを中間空間21内に挿入することによって容器本体3に装着することができる。そのため、膨径部5cの先端は、先細り形状になっていることが好ましい。このような弁部材4は、容器本体3の外側から膨径部5cを中間空間21内に押し込むだけで装着可能なので、生産性に優れている。なお、筒体5の先端に平坦面5dが設けられているので、弁部材4を中間空間21内に押し込んだときに、弁部材4の先端が内袋14に衝突しても内袋14が傷つきにくくなっている。また、外気導入孔15の周縁に孔周縁剥離領域33が設けられているので、弁部材4を中間空間21内に押しこむ際に、弁部材4の衝突による内袋14の損傷がより効果的に抑制されている。
ところで、内袋14内の内容物の水分は、内袋14、中間空間21及び外気導入孔15を経由して外部空間Sに放出される。このため、内容物が充填された積層剥離容器1の保管時に、外気導入孔15を閉塞するように被覆部材を設けることによって、中間空間21内の水分が外部空間Sに放出されることが抑制されて、上記積層剥離容器1の水蒸気透過量を低減させることができる。この積層剥離容器1の使用時には、被覆部材を除去することによって、外気導入孔15を開通させて中間空間21に外気を導入することができる。被覆部材は、水分透過性が低い材料(例:アルミなどの金属)で形成された層を備えることが好ましい。
被覆部材の具体的な構成例としては、図4(a)〜(c)に示すように、弁部材4及び外気導入孔15の周囲に粘着されるシール部材8を設ける例が挙げられる。図4(a)の例では、弁部材取付凹部7aを囲むようにシール部材8を貼り付けている。図4(b)の例では、弁部材取付凹部7a内に弁部材4及び外気導入孔15を囲むように設けた環状凸部7d上にシール部材8を貼り付けている。図4(c)の例では、弁部材4にシール部材8を貼り付けて、弁部材4の空洞部5gを閉塞している。被覆部材の別の構成例としては、図5に示すように、キャップ23で弁部材4及び外気導入孔15の周囲を覆う例が挙げられる。この場合、キャップ23が被覆部材となる。図4(c)の構成例を除いて、弁部材4は省略可能である。
図1〜図2に示すように、収容部7の底面29には、凹領域29aと、凹領域29aを挟むように設けられる周縁領域29bが設けられ、凹領域29aには、図2に示すように、底面29から突出する底シール突出部27が設けられる。底シール突出部27を折り曲げることによって、容器本体3の耐衝撃性を向上させると共に容器本体3の自立性を向上させることが可能になっている。
次に、容器本体3の層構成についてさらに詳細に説明する。容器本体3は、外層11と内層13を備える。外層11は、復元性が高くなるように、内層13よりも肉厚に形成される。
図6に示すように、本実施形態では、内層13は、容器外面側に設けられたEVOH層13aと、EVOH層13aの容器内面側に設けられた内面層13bと、EVOH層13aと内面層13bの間に設けられた接着層13cを備える。EVOH層13aを設けることで酸素バリア性、及び外層11からの剥離性を向上させることができる。接着層13cは省略してもよい。
EVOH層13aは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層13aの柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層13aは、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層13aに含有させることにより、EVOH層13aの酸素バリア性をさらに向上させることができる。
内面層13bは、積層剥離容器1の内容物に接触する層であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。内面層13bを構成する樹脂の引張弾性率は、50〜300MPaが好ましく、70〜200MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、内面層13bが特に柔軟であるからである。引張弾性率は、具体的には例えば、具体的には例えば、50、100、150、200、250、300Mpaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
接着層13cは、EVOH層13aと内面層13bとを接着する機能を有する層であり、例えば上述したポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層13cの一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。
外層11は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外層11は、容器本体3の成形時に出たバリをリサイクルして使用した材料からなるリプロ層を備えることが好ましい。また、外層11は、リプロ層の両側を被覆層で挟むことが好ましい。被覆層は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。
外層11又は内層13に用いられるポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体の何れであってもよいが、プロピレンランダム共重合体は、プロピレン単独重合体やプロピレンブロック共重合体に比べて透明性が優れているために、本実施形態のような透明性が重要視される積層剥離容器において特に好適に用いられる。プロピレンランダム共重合体は、プロピレンと別のモノマーとの間のランダム共重合体であり、プロピレン以外のモノマーの含有量が、50mol%よりも小さいものであり、5〜35mol%が好ましい。この含有量は、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。プロピレンと共重合されるモノマーとしては、エチレンが特に好ましい。プロピレンとエチレンのランダム共重合体の場合、エチレンの含有量は、5〜30mol%が好ましく、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態では、外気導入孔15は、収容部7に設けたが、口部9に設けてもよい。この場合、口部9に装着するキャップに逆止弁を内蔵してもよい。この場合、孔周縁剥離領域は不要である。
・弁部材4を省略してもよい。この場合、内容物の吐出時に指などで外気導入孔15を塞ぐか、又は外殻12を大きく変形させて外殻12で内袋14を直接圧迫することによって内容物を吐出させることができる。
1:積層剥離容器、3:容器本体、4:弁部材、5:筒体、6:移動体、7:収容部、9:口部、11:外層、12:外殻、13:内層、14:内袋、15:外気導入孔、21:中間空間、23:キャップ、27:底シール突出部、33:孔周縁剥離領域、34:非剥離領域

Claims (6)

  1. 外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離し収縮する容器本体を備える積層剥離容器であって、
    前記外殻は、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と、前記容器本体の外部空間を連通する外気導入孔を備え、
    前記外気導入孔を取り囲むように、前記外殻と前記内袋が剥離されていない非剥離領域が設けられ、
    前記非剥離領域と前記外気導入孔の間に、前記外殻と前記内袋が剥離されている孔周縁剥離領域が設けられており、
    前記内袋に前記内容物が収容される前の時点で、(前記孔周縁剥離領域の面積)/(前記外殻と前記内袋の界面領域の面積)の値が、0.01〜0.である、積層剥離容器。
  2. 前記外気導入孔を閉塞するように設けられた被覆部材を備える、請求項1に記載の積層剥離容器。
  3. 前記中間空間と前記外部空間の間の空気の出入りを調節する弁部材を備える、請求項1又は請求項2に記載の積層剥離容器。
  4. 前記外殻と前記内袋の界面領域のうち、前記孔周縁剥離領域以外の領域が前記非剥離領域である、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の積層剥離容器。
  5. 前記外殻と前記内袋が剥離されている離間剥離領域を備え、
    前記離間剥離領域と前記外気導入孔の間に前記非剥離領域が設けられる、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の積層剥離容器。
  6. 前記容器本体は、内容物を収容する収容部と、前記収容部から前記内容物を排出する口部とを備え、
    前記外気導入孔は、前記収容部に設けられる、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の積層剥離容器。
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