JP6507671B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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本発明は、積層剥離容器に関する。
内容物の減少に伴って内層が外層から剥離し収縮することによって容器の内部に空気が入り込むことを抑制する積層剥離容器が知られている(例えば、特許文献1)。このような積層剥離容器は、内層によって構成される内袋と、外層によって構成される外殻を備える。
特許第3650175号公報
ところで、容器内の内容物は、外殻を圧縮することによって、容器の口部に設けたキャップから吐出される。キャップには逆止弁が設けられているので、内容物の吐出に伴って内袋内の内容物の容量が減少しても内袋内には外気が導入されないので、内袋が収縮する。一方、外殻に圧縮力が加えられていない状態で、外殻が元の形状で復元するように、外殻と内袋の間の空間に外気を導入するための外気導入孔が設けられる。しかし、容器形状や外気導入孔の位置によっては、内袋が収縮しにくかったり、外殻形状が復元しにくかったりする場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内袋が速やかに収縮し且つ外殻が速やかに元の形状に復元する積層剥離容器を提供するものである。
本発明によれば、外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離し収縮する容器本体と、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記容器本体の外部空間との間の空気の出入りを調節する弁部材を備える積層剥離容器であって、前記容器本体は、内容物を収容する収容部と、前記収容部から前記内容物を排出する口部とを備え、前記外殻は、前記収容部において、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記外部空間を連通する外気導入孔を備え、前記弁部材は、前記外気導入孔に装着され、前記収容部は、筒状の筒状部と、前記筒状部の一部が凹まされて形成されたパネル部を有し、前記外気導入孔は、前記パネル部に隣接した位置に設けられる、積層剥離容器が提供される。
容器本体の収容部内の内容物の量が少なくなったときに内容物を吐出させるためには収容部を圧縮して大きく変形させる必要がある。本発明者は、収容部を圧縮変形させる際に、外気導入孔が変形してしまい外気導入孔の縁と弁部材の間に隙間ができてしまう場合があることに気がついた。外気導入孔の縁と弁部材の間に隙間ができると、外殻を圧縮しても、外殻と内袋の間の中間空間内の圧力が上昇しないので、外殻に加えた圧縮力が内袋に伝達されず、内容物が吐出されにくいという問題が生じる。
このような問題を解消するために、外気導入孔の縁と弁部材の間に隙間ができにくい構成を検討したところ、収容部のパネル部に隣接した位置では収容部の変形量が小さいために、このような位置に外気導入孔を設けることによって、外気導入孔の縁と弁部材の間に隙間ができることが抑制できることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記外気導入孔は、前記パネル部と前記口部の間の領域に設けられる。
好ましくは、前記筒状部は、断面が略楕円形状である。
本発明の一実施形態の積層剥離容器1の容器本体3の斜視図である。 (a)〜(b)は、それぞれ、図1の容器本体3の正面図及び底面図であり、(c)は、(a)中のA−A断面図であり、(d)は、容器本体3に弁部材4を装着した状態での、(a)中のB−B断面図である。 (a)〜(b)は、図1〜図2の容器本体3の口部9にキャップ23を装着する工程を示す、図2(c)に対応する断面図である。 (a)は、底シール突出部27が折り曲げられ且つ内袋14が収縮した状態での、図2(c)に対応する断面図であり、(b)は、(a)中のE−E断面を模式的に表した図である。 (a)は筒体5の正面図、(b)は筒体5の底面図、(c)は(b)中のA−A断面図、(d)は(c)中のB−B断面図、(e)は弁部材4の断面図、(f)は弁部材4を外殻12に装着した状態を示す断面図、(g)は移動体6がストッパー部5hに当接して空洞部5gを閉塞させた状態を示す断面図である。 内層13の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
図1〜図2に示すように、本発明の一実施形態の積層剥離容器1は、容器本体3と、弁部材4を備える。容器本体3は、内容物を収容する収容部7と、収容部7から内容物を吐出する口部9を備える。
図2に示すように、 容器本体3は、収容部7及び口部9において、外層11と内層13を備えており、外層11によって外殻12が構成され、内層13によって内袋14が構成される。内容物の減少に伴って内層13が外層11から剥離することによって、内袋14が外殻12から剥離して収縮する。
口部9には、係合部9dが設けられている。本実施形態では、口部9には、図3に示すような打栓式のキャップ23が装着されていることが想定されており、係合部9dは、キャップ23の係合部23cに係合されるリング状の突起である。但し、別の実施形態では、口部9には、雌ねじを有するキャップやポンプなどを装着してもよく、その場合、係合部9dは、雄ねじ部で構成される。
また、口部9には、係合部9dよりも収容部7側に、口部9の内側に向かってくびれたくびれ部9cが設けられている。くびれ部9cの上壁9eは、口部9の中心軸Cに対して略垂直方向に延びており、上壁9eの外側端から上壁9eに対して45度〜135度の角度で延びる立設壁9fが設けられている。上壁9eに対する立設壁9fの角度は、60度〜120度が好ましく、75〜105度がさらに好ましい。本実施形態では、立設壁9fは、上壁9eに対して略垂直に延びている。上壁9eでの内層と立設壁9fでの内層の間には隙間が設けられている。
また、立設壁9fの上側端から口部9の内側に向かって(中心軸Cの方向に向かって)延びる対向壁9gが設けられている。上壁9eに対する対向壁9gの角度は、特に限定されないが、例えば、−10〜80度であり、本実施形態では、約30度である。上壁9eでの内層と対向壁9gでの内層の間には隙間が設けられている。
以上のように、本実施形態では、口部9において内層13が外層11によって拘束されていないので、内層13が外層11からスムーズに剥離する。
次に、図3を用いて、口部9にキャップ23を装着する方法について説明する。装着するキャップ23は、本体部23aと、本体部23aに設けられた吐出口23bと、本体部23aから円筒状に延びる外周部23fの略先端に設けられた係合部23cと、外周部23fの内側において本体部23aから円筒状に延びるインナーリング23dと、インナーリング23dの内側に設けられ且つ吐出口23bに連通する流通路23gと、流通路23gに設けられた逆止弁23eを備える。キャップ23が口部9に装着された状態で、収容部7内の内容物は、流通路23gを通って吐出口23bから吐出される。一方、逆止弁23eが吐出口23bからの外気の流入を遮断するので、容器本体3の内袋14内には外気は侵入せず、内容物の劣化が抑制される。なお、ここで示したキャップ23の構造は一例であって、例えば別の構成の逆止弁を有するキャップ23を採用してもよい。
キャップ23を装着する際には、まず、キャップ23を装着する際の衝撃によって、収容部7が変形することを抑制するために、図3(a)に示すように、くびれ部9cの上壁9eの下面に支持具10を当接させ、その状態で、図3(b)に示すように、キャップ23の係合部23cを口部9の係合部9dに係合させる。係合部23cが係合部9dを乗り越える際には、キャップ23の外周部23fが拡径するように撓むと共に口部9が縮径するように撓むので、口部9が撓みやすい方がキャップ23の装着が容易であるところ、本実施形態の口部9には、特開平11−292112号公報に開示されているようなサポートリングが設けられておらず、くびれ部9cの上壁9eの下面に支持具10を当接させて口部9を支持しているので、口部9が撓みやすく、キャップ23の装着が容易である。また、口部9が撓みやすいので、内袋14が容器出口の近くまで撓みやすく、内容物を最後まで使い切りやすい。
また、口部9aには、インナーリング23dの外面が当接する当接部9aが設けられており、インナーリング23dの外面が口部9の当接部9aに当接することによって内容物の漏れ出しが防がれる。本実施形態では、口部9の先端には拡径部9bが設けられており、拡径部9bでの内径は、当接部9aでの内径よりも大きくなっているため、インナーリング23dの外面は、拡径部9bには接触しないようになっている。口部9に拡径部9bがない場合は、口部9の内径が製造時のバラツキによってわずかでも小さくなった場合にはインナーリング23dが外層11と内層13の間に入り込んでしまうという不具合が生じる場合があったが、口部9に拡径部9bがある場合は、口部9の内径が若干ばらついてもそのような不具合が生じない。
また、口部9に拡径部9bを設けた場合であっても、インナーリング23dと当接部9aとの摩擦によって内層13が外層11から剥離してしまう恐れがある。しかし、本実施形態では、当接部9aよりも収容部7に近い位置にくびれ部9cが設けられており、くびれ部9cが内層13のズレ落ちを抑制するので、内袋14が外殻12内に脱落してしまうことが抑制される。このようにくびれ部9cは、内層13のズレ落ち抑制の機能を有すると共に、キャップ23の装着時に支持具10による口部9の支持箇所としての機能を有する。
収容部7は、図1〜図2に示すように、断面が略楕円形状である筒状の筒状部7bと、筒状部7bの一部が凹まされて形成されたパネル部7cを有する。容器本体3は、筒状(例:円筒状)の積層パリソンをブロー成形することによって形成されるので、容器本体3の各部の肉厚は、ブロー比が大きい部位ほど(中心軸Cからの距離が大きい部位ほど)小さくなる。パネル部7cは、筒状部7bよりも中心軸Cに近いので、筒状部7bよりも肉厚が大きくなる。このため、パネル部7cの剛性が筒状部7bよりも高くなる。
本実施形態では、外殻12には、収容部7において、外殻12と内袋14の間の中間空間21と、容器本体3の外部空間Sを連通する外気導入孔15が設けられている。外気導入孔15は、具体的には、パネル部7cに隣接した位置(より具体的にはパネル部7cと口部9の間の領域)に設けられる。
外気導入孔15には、中間空間21と外部空間Sの間の空気の出入りを調節する弁部材4が設けられている。弁部材4は、収容部7に設けられた弁部材取付凹部7aに装着される。弁部材4は、収容部7を圧縮したときには閉じて中間空間21から外部空間Sへ向かう空気の流れを遮断することによって中間空間21内の圧力を高めて、外殻12に加えられた圧力が内袋14に伝わりやすくする機能を有する。一方、弁部材4は、収容部7に加えた圧縮力が除かれたときには開いて外部空間Sから中間空間21へ向かう空気を通過させる機能を有する。このため、中間空間21内に外気が導入されて外殻12がスムーズに元の形状に復帰する。
収容部7内の内容物は、通常、図4(a)に示すように、筒状部7bとパネル部7cをつまんで収容部7を圧縮することによって吐出させる。剛性の低い筒状部7bが優先的に変形するので、筒状部7bの変形量D1がパネル部7cの変形量D2よりも大きくなる。このため、仮に、外気導入孔15を筒状部7b側に設けると、収容部7を圧縮変形させる際の、外気導入孔15の形状変化が大きくなり、外気導入孔15の縁と弁部材4の間に隙間ができやすくなる。ここに隙間ができると中間空間21の圧力が上昇せず、外殻12に加えられた圧縮力が内袋14に伝達されず、内容物が吐出されない。そこで、本実施形態では、変形量が比較的小さいパネル部7cに隣接した位置に外気導入孔15を設けることによって、収容部7を圧縮変形させたときの外気導入孔15の形状変化を抑制し、外気導入孔15の縁と弁部材4の間に隙間が形成されることを抑制している。このような構成によれば、内袋14内の収容物が少なくなったときでも、内容物を適切に吐出させることができる。
なお、外気導入孔15をパネル部7cではなく、パネル部7cに隣接した位置に設けている理由は以下の通りである。内袋14に内容物が満充填されている状態では、図2(d)に示すように内袋14が弁部材4に密着して弁部材4の開口を塞いでしまう場合がある。弁部材4の開口が塞がれると、中間空間21内に外気が導入されず、外殻12の形状復元性が悪くなる。内袋14の肉厚が大きいほど、内袋14が変形しにくいので、上記問題が顕著になる。パネル部7cは、中心軸Cからの距離が比較的短いので、パネル部7cでの肉厚は、その隣接した部位での肉厚よりも大きいため、内袋14は、パネル部7cでは特に変形しにくい。また、内袋14には、内袋14内の内容物による圧力によって容器外面方向の力が加わるが、パネル部7cは、中心軸Cに近いので、その分だけ、内袋14に加わる容器外面方向の力が大きくなりやすくなって、内袋14が弁部材4に押し付けられやすい。以上の理由から、パネル部7cに外気導入孔15を設けて弁部材4を装着すると、初回吐出時に内袋14が弁部材4に密着して、その開口を塞いでしまうという問題が生じやすいので、本実施形態では、パネル部7cに隣接した位置に外気導入孔15を設けている。
弁部材4は、外気導入孔15を開閉可能な機能を有するものであればよく、その構成例としては、弁部材4自体に貫通孔と開閉可能な弁を設けて、この弁の働きによって貫通孔を開閉することによって、外気導入孔15を開閉するように構成されているものや、外気導入孔15の縁と弁部材4の間の隙間を弁部材4の移動によって開閉することによって、弁部材4が外気導入孔15を開閉するように構成されているものが挙げられる。前者の弁部材4は、外気導入孔15のサイズに多少のばらつきがある場合でも弁部材4が問題なく機能するので、特に目薬容器などの小型の容器に好適に適用される。
ここで、図4(a)及び図5を用いて、弁部材4の一例について説明する。弁部材4は、外部空間Sと中間空間21を連通させるように設けられた空洞部5gを有する筒体5と、空洞部5g内に移動可能に収容された移動体6とを備える。筒体5及び移動体6は、射出成形などによって形成され、後述するストッパー部5hを乗り越えるように、移動体6を空洞部5g内に押し込むことによって、移動体6を空洞部5g内に配置させることができる。本実施形態では、空洞部5gは、略円柱形状であり、移動体6は、略球形であるが、本実施形態と同様の機能を実現できる形状であれば、別の形状であってもよい。空洞部5gの横断面(図5(d)の断面)での直径は、移動体6の対応する断面での直径よりもわずかに大きくなっており、移動体6が図5(c)の矢印B方向に自由に移動可能な形状となっている。空洞部5gの横断面の直径/移動体6の対応する断面での直径で規定される比の値は、1.01〜1.2が好ましく、1.05〜1.15が好ましい。この値が小さすぎると移動体6のスムーズな移動が妨げられ、この値が大きすぎると空洞部5gを囲む面5jと移動体6との間の隙間が大きくなりすぎて、容器本体3を圧縮したときに移動体6に加わる力が不十分になりやすいからである。
筒体5は、外気導入孔15内に配置される軸部5aと、軸部5aの外部空間S側に設けられ且つ筒体5が中間空間21に入り込むことを防ぐ係止部5bと、軸部5aの中間空間21側に設けられ且つ筒体5が容器本体3の外側から引き抜かれることを防ぐ膨径部5cを有する。軸部5aは、中間空間21側に向かって先細り形状になっている。つまり、軸部5aの外周面がテーパー面になっている。そして、軸部5aの外周面が外気導入孔15の縁に密着することによって筒体5が容器本体3に装着される。このような構成によって、外気導入孔15の縁と筒体5の間の隙間を低減することができ、その結果、容器本体3を圧縮したときに中間空間21内の空気が外気導入孔15の縁と筒体5の間の隙間から流出することを抑制することができる。なお、筒体5は、軸部5aの外周面が外気導入孔15の縁に密着することによって、容器本体3に装着されるので、膨径部5cは必ずしも必須ではない。
空洞部5gを囲む面5jには、移動体6が中間空間21側から外部空間S側に向かって移動するときに移動体6を係止するストッパー部5hが設けられている。ストッパー部5hは、環状の突起で構成されており、移動体6がストッパー部5hに当接すると空洞部5gを通じた空気の流通が遮断されるようになっている。
また、筒体5の先端は、平坦面5dとなっており、平坦面5dには、空洞部5gに連通する開口部5eが設けられている。開口部5eは、平坦面5dの中央に設けられた略円形の中央開口部5e1と、中央開口部5e1から放射状に広がる複数のスリット部5e2を有する。このような構成によれば、移動体6が空洞部5gの底部に当接している状態でも空気の流れが妨げられない。
弁部材4は、図5(f)に示すように、膨径部5c側から外気導入孔15内に挿入され、係止部5bが外殻12の外面に当接する位置まで押し込まれると、軸部5aの外周面が外気導入孔15の縁に密着した状態で、外殻12に保持される。中間空間21に空気が入っている状態で外殻12を圧縮すると、中間空間21内の空気が開口部5eを通じて空洞部5g内に入り、移動体6を押し上げてストッパー部5hに当接させる。移動体6がストッパー部5hに当接すると、空洞部5gを通じた空気の流れが遮断される。
この状態で外殻12をさらに圧縮すると、中間空間21内の圧力が高まり、その結果、内袋14が圧縮されて、内袋14内の内容物が吐出される。また、外殻12への圧縮力を解除すると、外殻12が自身の弾性によって復元しようとする。外殻12の復元に伴って中間空間21内が減圧されることによって、図5(g)に示すように、移動体6に対して容器内側方向の力FIが加わる。これによって、移動体6が空洞部5gの底に向かって移動して、図5(f)に示す状態となり、移動体6と面5jの隙間及び開口部5eを通って中間空間21内に外気が導入される。
弁部材4は、膨径部5cが外気導入孔15を押し広げながら、膨径部5cを中間空間21内に挿入することによって容器本体3に装着することができる。そのため、膨径部5cの先端は、先細り形状になっていることが好ましい。このような弁部材4は、容器本体3の外側から膨径部5cを中間空間21内に押し込むだけで装着可能なので、生産性に優れている。なお、筒体5の先端に平坦面5dが設けられているので、弁部材4を中間空間21内に押し込んだときに、弁部材4の先端が内袋14に衝突しても内袋14が傷つきにくくなっている。
図1〜図2及び図4(a)に示すように、収容部7の底面29には、凹領域29aと、凹領域29aを挟むように設けられる周縁領域29bが設けられ、凹領域29aには、図2及び図4(a)に示すように、底面29から突出する底シール突出部27が設けられる。図4(a)に示すように、底シール突出部27を折り曲げることによって、容器本体3の耐衝撃性を向上させると共に容器本体3の自立性を向上させることが可能になっている。
次に、容器本体3の層構成についてさらに詳細に説明する。容器本体3は、外層11と内層13を備える。外層11は、復元性が高くなるように、内層13よりも肉厚に形成される。
本実施形態では、内容物を紫外線から保護すべく、外層11と内層13の少なくとも一方に紫外線吸収剤が含まれている。紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収して内容物の劣化を抑制する任意の化合物が利用可能であり、容器の透明性を低下させず且つ容器を着色させないものが好ましい。
紫外線吸収剤は、内層13に含まれていることが好ましい。内層13によって構成される内袋14は、図4(b)に示すように内容物の減少に伴ってひだ状に収縮するので、図4(b)に示すように、太陽光Sが内袋14を横切る回数が増えて、紫外線がより効果的に吸収される。
図6に示すように、本実施形態では、内層13は、容器外面側に設けられたEVOH層13aと、EVOH層13aの容器内面側に設けられた内面層13bと、EVOH層13aと内面層13bの間に設けられた接着層13cを備える。EVOH層13aを設けることで酸素バリア性、及び外層11からの剥離性を向上させることができる。
内層13に紫外線吸収剤を含有させる場合、紫外線吸収剤は、EVOH層13aと、接着層13cと、内面層13bのうちの少なくとも1つの層に含有させればよいが、接着層13cに含有させることが特に好ましい。EVOH層13aに紫外線吸収剤を含有させると、酸素バリア性が低下する恐れがあり、内面層13bに紫外線吸収剤を含有させると、紫外線吸収剤が内容物に移行する恐れがあるからである。
EVOH層13aは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層13aの柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層13aは、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層13aに含有させることにより、EVOH層13aの酸素バリア性をさらに向上させることができる。
内面層13bは、積層剥離容器1の内容物に接触する層であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。内面層13bを構成する樹脂の引張弾性率は、50〜300MPaが好ましく、70〜200MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、内面層13bが特に柔軟であるからである。引張弾性率は、具体的には例えば、具体的には例えば、50、100、150、200、250、300Mpaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
接着層13cは、EVOH層13aと内面層13bとを接着する機能を有する層であり、例えば上述したポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層13cの一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。
外層11は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外層11は、容器本体3の成形時に出たバリをリサイクルして使用した材料からなるリプロ層を備えることが好ましい。リプロ層には、必然的に紫外線吸収剤が含まれるので、内層13が紫外線吸収剤を含有し、且つ外層11がリプロ層を備える場合には、内層13と外層11の両方に紫外線吸収剤が含まれるので、紫外線による内容物の劣化がより一層抑制される。外層11がリプロ層を備える場合、外層11は、リプロ層の容器外面側に被覆層を備えることが好ましい。リプロ層が露出していると、リプロ層に含まれる紫外線吸収剤がブリードアウトしてしまう恐れがあるからである。また、外層11は、リプロ層の両側を被覆層で挟むことが好ましい。この場合、リプロ層に含まれる紫外線吸収剤のブリードアウトをより効果的に抑制可能であるからである。被覆層は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。
外層11又は内層13に用いられるプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体の何れであってもよいが、プロピレンランダム共重合体は、プロピレン単独重合体やプロピレンブロック共重合体に比べて透明性が優れているために、本実施形態のような透明性が重要視される積層剥離容器において特に好適に用いられる。プロピレンランダム共重合体は、プロピレンと別のモノマーとの間のランダム共重合体であり、プロピレン以外のモノマーの含有量が、50mol%よりも小さいものであり、5〜35mol%が好ましい。この含有量は、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。プロピレンと共重合されるモノマーとしては、エチレンが特に好ましい。プロピレンとエチレンのランダム共重合体の場合、エチレンの含有量は、5〜30mol%が好ましく、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本実施形態の積層剥離容器1の層構成の例は、以下の通りである。
(1)外層(r−PP層)/内層(EVOH層/接着層/LDPE層)
(2)外層(r−PP層/リプロ層)/内層(EVOH層/接着層/LDPE層)
(3)外層(r−PP層/リプロ層/r−PP層)/内層(EVOH層/接着層/LDPE層)
(4)外層(LDPE層)/内層(EVOH層/接着層/r−PP層)
(5)外層(LDPE層/リプロ層)/内層(EVOH層/接着層/r−PP層)
(6)外層(LDPE層/リプロ層/LDPE層)/内層(EVOH層/接着層/r−PP層)
r−PP層:プロピレンランダム共重合体層
LDPE層:低密度ポリエチレン層
上記(1)〜(3)では、内層13の最内層をLDPE層とすることによって内層13の柔軟性を高め、且つ外層11がr−PP層を備える構成にすることによって外層11の透明性を高めると共に、外層11によって構成される外殻12の剛性を高めている。
上記(4)〜(6)では、内層13の最内層をr−PP層とすることによって薬液成分が最内層に吸着しにくくすると共に、外層11がLDPE層を備える構成にすることによって内容物を吐出させるためのスクイズが容易になるようにしている。
積層剥離容器1の層構成は、ここで示したものに限定されず、外層11と内層13の両方がr−PP層を備える構成や、両方がLDPE層を備える構成であってもよい。
1:積層剥離容器、3:容器本体、4:弁部材、5:筒体、6:移動体、7:収容部、9:口部、11:外層、12:外殻、13:内層、14:内袋、15:外気導入孔、21:中間空間、23:キャップ、27:底シール突出部

Claims (3)

  1. 外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離し収縮する容器本体と、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記容器本体の外部空間との間の空気の出入りを調節する弁部材を備える積層剥離容器であって、
    前記容器本体は、内容物を収容する収容部と、前記収容部から前記内容物を排出し且つキャプ又はポンプが装着される口部とを備え、
    前記外殻は、前記収容部において、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記外部空間を連通する外気導入孔を備え、
    前記弁部材は、前記外気導入孔に装着され、
    前記収容部は、筒状の筒状部と、前記筒状部の一部が凹まされて形成されたパネル部を有し、
    前記外気導入孔は、前記パネル部に隣接した位置に設けられる、積層剥離容器。
  2. 前記外気導入孔は、前記パネル部と前記口部の間の領域に設けられる、請求項1に記載の積層剥離容器。
  3. 前記筒状部は、断面が略楕円形状である、請求項1又は請求項2に記載の積層剥離容器。
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