JP2012110953A - 金型用冷却パイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水を加圧する加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができる金型用冷却パイプを提供すること。
【解決手段】コアピン1や鋳抜きピンの内部に形成された、一定の内径と底部1dを有する冷却穴1cに装着されて前記コアピン1や前記鋳抜きピンを冷却する金型用冷却パイプ10であって、インナーパイプ12の一端部には、基端部の側から、一定の内径および外径を有する大径部21と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされた大径テーパ部24と、前記大径部21よりも小さい一定の内径および外径を有する中径部22と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされた小径テーパ部25と、前記中径部22よりも小さい一定の内径および外径を有する小径部23とが設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイカスト鋳造や射出成形等に使用されるコアピン(中子ピン)や鋳抜きピンの内部に形成された冷却穴に装着されてコアピンや鋳抜きピン、および金型を冷却し、ダイカスト鋳造や射出成形等に使用される金型の内部に形成された冷却穴に装着されて金型を冷却する金型用冷却パイプに関するものである。
ダイカスト鋳造や射出成形等に使用されるコアピン(中子ピン)や鋳抜きピンの内部に形成された冷却穴に装着されてコアピンや鋳抜きピン、および金型を冷却し、ダイカスト鋳造や射出成形等に使用される金型の内部に形成された冷却穴に装着されて金型を冷却する金型用冷却パイプとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたものが知られている。
特開2004−298921号公報 特開2006−175759号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に示す金型用冷却パイプでは、金型用冷却パイプを構成するインナーパイプ(内パイプ)が、外径3mm以下、内径2.8mm以下と細い場合、インナーパイプ内に冷却水を押し込んで、インナーパイプの先端からコアピンや鋳抜きピンの内部に形成された冷却穴の底部、あるいは金型の内部に形成された冷却穴の底部に向かって所定量の冷却水を噴出させるため、冷却水を加圧する加圧装置(加圧ポンプ)が別途必要となり、設備費が嵩んでしまうといった問題点があった。
また、金型用冷却パイプはもちろんのこと、加圧装置から金型用冷却パイプに至るまでの間に配置されたホース、接続金具、分配器等を耐圧仕様のものに変更しなければならず、設備費がさらに嵩んでしまうといった問題点もあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、冷却水を加圧する加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができる金型用冷却パイプを提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る金型用冷却パイプは、コアピンや鋳抜きピンの内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記コアピンや前記鋳抜きピンを冷却する、あるいは金型の内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記金型を冷却するとともに、アウターパイプと、このアウターパイプの内部空間内に同一軸線を有して配置され、その一端部が前記冷却穴内に突出するインナーパイプと、これらアウターパイプおよびインナーパイプが着脱自在に接続されるホース接続口金とを備えた金型用冷却パイプであって、前記インナーパイプの一端部には、基端部の側から、一定の内径および外径を有する大径部と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされた大径テーパ部と、前記大径部よりも小さい一定の内径および外径を有する中径部と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされた小径テーパ部と、前記中径部よりも小さい一定の内径および外径を有する小径部とが設けられている。
本発明に係る金型用冷却パイプによれば、例えば、図3から図5に示すように、インナーパイプ12の先端12aから噴出した冷却水は、冷却穴1cの底部1dに衝突した後、流れの向きを反転させ、冷却穴1c内をコアピン1の基端部1bに向かって流れることになるが、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)に吸引されることになる。
一方、インナーパイプ12内を先端12aに向かって流れる冷却水は、小径テーパ部25内を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、小径テーパ部25内が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、小径テーパ部25内に吸引されることになる。
同様に、中径部22と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過した冷却水は、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)に吸引されることになる。
また、インナーパイプ12内を先端12aに向かって流れる冷却水は、大径テーパ部24内を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、大径テーパ部24内が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、小径テーパ部24内に吸引されることになる。
すなわち、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を用いなくてもインナーパイプ12の先端12aからコアピン1の内部に形成された冷却穴1cの底部1dに向かって所定量の冷却水が噴出されることになる。
これにより、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができる。
本発明に係る金型用冷却パイプは、コアピンや鋳抜きピンの内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記コアピンや前記鋳抜きピンを冷却する、あるいは金型の内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記金型を冷却するとともに、アウターパイプと、このアウターパイプの内部空間内に同一軸線を有して配置され、その一端部が前記冷却穴内に突出するインナーパイプと、これらアウターパイプおよびインナーパイプが着脱自在に接続されるホース接続口金とを備えた金型用冷却パイプであって、前記インナーパイプの一端部には、基端部の側から、一定の内径および外径を有する大径部と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされたテーパ部と、前記大径部よりも小さい一定の内径および外径を有する小径部とが設けられている。
本発明に係る金型用冷却パイプによれば、例えば、図6に示すように、インナーパイプ33の先端12aから噴出した冷却水は、冷却穴1cの底部1dに衝突した後、流れの向きを反転させ、冷却穴1c内をコアピン1の基端部1bに向かって流れることになるが、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)に吸引されることになる。
一方、インナーパイプ33内を先端12aに向かって流れる冷却水は、テーパ部32内を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、テーパ部32内が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、テーパ部32内に吸引されることになる。
すなわち、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を用いなくてもインナーパイプ33の先端12aからコアピン1の内部に形成された冷却穴1cの底部1dに向かって所定量の冷却水が噴出されることになる。
これにより、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができる。
本発明に係る金型用冷却パイプによれば、冷却水を加圧する加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る金型用冷却パイプを、金型に装着されたコアピンの冷却穴に装着した状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る金型用冷却パイプをコアピンの冷却穴に装着した状態を示す図である。 図2の要部を拡大して示す図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 図3のV−V矢視断面図である。 本発明の第2実施形態に係る金型用冷却パイプをコアピンの冷却穴に装着した状態を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る金型用冷却パイプについて、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る金型用冷却パイプを、金型に装着されたコアピンの冷却穴に装着した状態を示す図、図2は本実施形態に係る金型用冷却パイプをコアピンの冷却穴に装着した状態を示す図、図3は図2の要部を拡大して示す図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図3のV−V矢視断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る金型用冷却パイプ10は、ダイカスト鋳造や射出成形等に使用されるコアピン1の冷却穴1c内に挿入されて、コアピン1および金型2を冷却するものであって、アウターパイプ(外パイプ)11と、インナーパイプ(内パイプ)12と、これらアウターパイプ11およびインナーパイプ12に接続されるホース接続口金(ケース)13とを備えている。また、インナーパイプ12は、アウターパイプ11の内部空間内に、その中心軸線が、アウターパイプ11の中心軸線と同一軸線上に位置するとともに、冷却穴1c内に、その中心軸線が、アウターパイプ11の中心軸線と同一軸線上に位置するようにして配置されている。
ホース接続口金13には、冷却水供給配管14および冷却水戻り配管15が接続されており、冷却水供給配管14の上流側には、冷却装置本体(図示せず)が設けられている。
冷却水供給配管14からホース接続口金13に流入した冷却水は、インナーパイプ12の基端(図示せず)からインナーパイプ12内に流入して、インナーパイプ12の先端12aから冷却穴1cの底部1d、すなわち、コアピン1の先端部1aに向かって冷却水が噴出するようになっている。インナーパイプ12の先端12aから噴出した冷却水は、冷却穴1cの底部1dに衝突した後、流れの向きを反転させ、冷却穴1c内をコアピン1の基端部1bに向かって流れる。このように冷却水が流れる際に、コアピン1の壁部を介して伝達された熱を受け取ることによって、コアピン1を内部から冷却することになる。そして、基端部1bへと向かって流れた冷却水は、アウターパイプ11とインナーパイプ12との間を通ってホース接続口金13へと流れ込み、冷却水戻り配管15を介して上述の冷却装置本体へと導かれる。
なお、ホース接続口金13内において、冷却水供給配管14からインナーパイプ12に導かれる冷却水と、アウターパイプ11とインナーパイプ12との間を通って冷却水戻り配管15導かれる冷却水とは、混ざり合わないようになっている。
また、図1に示すように、本実施形態においては、コアピン1が金型2に固定されており、コアピン1の先端部1a側は、金型2内に配置されている。コアピン1の内部には、基端部1bからその中心軸線に沿って中心穴が形成されており、先端部1aにて底部1dを有する有底穴とされた冷却穴1cが形成されている。そして、上述したように、この冷却穴1c内には、コアピン1の中心軸線に沿ってインナーパイプ12が挿入されている。
図1および図2に示すように、コアピン1は、例えば、ダイカスト金属材料として最も広く使用されているダイス鋼(SKD61)で作られており、基端部1b側に位置する大径部3と、先端部1a側に位置するとともに大径部3よりも小径とされた小径テーパ部4と、大径部3と小径テーパ部4との間に位置するとともに小径テーパ部4に対して連続的に接続された小径直線部5とを有している。
大径部3の直径は、例えば、15mmとされており、小径直線部5の直径は、例えば、10mmとされている。小径テーパ部4の直径は、基端部1b側が10mmとされ、先端にいくにしたがい先細り形状となるようなテーパ形状となっている。また、テーパ角は、例えば、1°とされている。小径テーパ部4の先端、すなわち、先端部1aの先端は、コアピン1の中心軸線および冷却穴1cの中心軸線と直交する直線をすべて含む平面とされている。
コアピン1の長さは、例えば、150mmとされ、大径部3の長さは30mm、小径直線部5の長さは90mm、小径テーパ部4の長さは30mmとされている。
また、コアピン1には、基端部1bから先端部1aの手前にかけて、中心軸線に沿って冷却穴1cとしての中心穴が形成されている。冷却穴1cの先端部1a側は貫通しておらず、底部1dが設けられている。このように、冷却穴1cは有底穴となっている。この冷却穴1cは、図2に示すように、大径部3、および小径直線部5の(半径方向)内側、より詳しくは、基端部1b側に形成された開口1eから、金型2(図1参照)に取り付けられた際にキャビティコーナー18a(図1参照)と対向する金型2の肩部コーナー2a(図1参照)近傍で、かつ、金型2からキャビティ18(図1参照)の側に突出する金型2の肩部(突出部)2b(図1参照)内に位置する小径直線部5の(半径方向)内側に形成される大径部(第1の冷却穴)1fと、この大径部1fよりも小さい内径を有し、かつ、段部1gを介して大径部1fと連続するようにして小径直線部5および小径テーパ部4の(半径方向)内側に形成される小径部(第2の冷却穴)1hとを備えている。
なお、アウターパイプ11の先端部には、大径部3の内周側に形成された雌ねじ部19と螺合する雄ねじ部20が形成されている。
アウターパイプ11は、先端部に形成された雄ねじ部20が大径部3の内周側に形成された雌ねじ部19と螺合され、基端部がホース接続口金13に接続され、かつ、先端から基端の長さ方向全体にわたって一定の内径を有するとともに、周方向に沿って一定の肉厚を有する筒状の部材である。
インナーパイプ12は、基端部の側に位置して一定の内径および外径を有する大径部21と、この大径部21よりも先端12aの側に位置して、大径部21よりも小さい一定の内径および外径を有する中径部22と、この中径部22よりも先端12aの側に位置して、中径部22よりも小さい一定の内径および外径を有する小径部23と、大径部21と中径部22とを連続的に接続するとともに、先端12aの側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合(比率)で漸次縮径される先細り形状(テーパ形状)とされた大径テーパ部(第1のテーパ部)24と、中径部22と小径部23とを連続的に接続するとともに、先端12aの側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合(比率)で漸次縮径される先細り形状(テーパ形状)とされた小径テーパ部(第2のテーパ部)25とを有している。
大径部21は、アウターパイプ11およびインナーパイプ12がコアピン1に取り付けられた際に、その一端(大径テーパ部24に接続される側の端)が、大径部3の近傍で、かつ、小径直線部5の(半径方向)内側に位置するところまで延びるようにして、大径テーパ部24、中径部22、および小径テーパ部25は、アウターパイプ11およびインナーパイプ12がコアピン1に取り付けられた際に、小径直線部5の(半径方向)内側に位置するようにして、小径部23は、アウターパイプ11およびインナーパイプ12がコアピン1に取り付けられた際に、その先端(一端)12aが、底部1dの近傍で、かつ、小径テーパ部4の(半径方向)内側に位置するところまで延びるとともに、その他端(小径テーパ部25に接続される側の端)が、段部1gの近傍で、かつ、小径直線部5の(半径方向)内側に位置するようにして形成されている。
さて、図3から図5に示すように、インナーパイプ12の先端12aから噴出した冷却水は、冷却穴1cの底部1dに衝突した後、流れの向きを反転させ、冷却穴1c内をコアピン1の基端部1bに向かって流れることになるが、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)に吸引されることになる。
一方、インナーパイプ12内を先端12aに向かって流れる冷却水は、小径テーパ部25内を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、小径テーパ部25内が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、小径テーパ部25内に吸引されることになる。
同様に、中径部22と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過した冷却水は、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)に吸引されることになる。
また、インナーパイプ12内を先端12aに向かって流れる冷却水は、大径テーパ部24内を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、大径テーパ部24内が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、小径テーパ部24内に吸引されることになる。
これに対して、小径部23と小径テーパ部4との間(に形成された空間内)を通過した冷却水は、段部1gを通過する際、その流路断面積が急激に(一気に)増加させられ、その流速が急激に(一気に)減少させられる(遅らされる)ことになる。そして、冷却水の流速が減少させられることにより、コアピン1の壁部を介してより多くの熱が冷却水に伝達され、冷却水の温度が上昇して、金型2に取り付けられた際にキャビティコーナー18aと対向する金型2の肩部コーナー2a近傍が、コアピン1の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
このように、本実施形態に係る金型用冷却パイプ10とコアピン1とを組み合わせて使用することにより、インナーパイプ12内を先端12aに向かって流れる冷却水は、大径テーパ部24内を通過する際にその流速が増加させられ、小径テーパ部25内を通過する際にその流速がさらに増加させられて、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際にその流速が増加させられ、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際にその流速がさらに増加させられることになる。すなわち、大径テーパ部24内、小径テーパ部25内、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)を順次通過していくことにより、冷却水の流速が漸次増加させられ、大径テーパ部24内、小径テーパ部25内、小径テーパ部25と小径直線部5との間(に形成された空間内)、大径テーパ部24と小径直線部5との間(に形成された空間内)に発生した負圧により、冷却装置本体から冷却水供給配管14を介してインナーパイプ12の基端に供給された冷却水が吸引されるようになっている。
すなわち、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を用いなくても水道本管を介して送られてくる水道水の圧力のみでインナーパイプ12の先端12aからコアピン1の内部に形成された冷却穴1cの底部1dに向かって所定量の冷却水が噴出されることになる。
これにより、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る金型用冷却パイプ10とコアピン1とを組み合わせて使用することにより、金型2に取り付けられた際にキャビティコーナー18aと対向する金型2の肩部コーナー2a近傍が、コアピン1の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなるようになっている。
これにより、キャビティ18内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナー18aに確実に到達して、その後凝固することになり、製品を寸法通りに正確に製造することができる。
また、金型2から製品を取り外す際、製品が金型2の肩部コーナー2aに食い付くのを防止することができ、製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型2の肩部コーナー2a近傍で金型2の肩部2bが折損してしまうのを防止することができる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る金型用冷却パイプについて、図6を参照しながら説明する。図6は本実施形態に係る金型用冷却パイプをコアピンの冷却穴に装着した状態を示す図である。
図6に示すように、本実施形態に係る金型用冷却パイプ30は、大径部21の代わりに大径部31が設けられ、大径テーパ部24、中径部22、小径テーパ部25の代わりにテーパ部32が設けられたインナーパイプ(内パイプ)33を備えているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
大径部31は、アウターパイプ11およびインナーパイプ33がコアピン1に取り付けられた際に、その一端(テーパ部32に接続される側の端)が、大径部3と小径直線部5との境目(接続部)近傍で、かつ、大径部3の(半径方向)内側に位置するところまで延びるようにして、テーパ部32は、アウターパイプ11およびインナーパイプ33がコアピン1に取り付けられた際に、小径直線部5の(半径方向)内側に位置するようにして形成されている。
さて、図6に示すように、インナーパイプ33の先端12aから噴出した冷却水は、冷却穴1cの底部1dに衝突した後、流れの向きを反転させ、冷却穴1c内をコアピン1の基端部1bに向かって流れることになるが、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)に吸引されることになる。
一方、インナーパイプ33内を先端12aに向かって流れる冷却水は、テーパ部32内を通過する際、その流路断面積が一定の割合(比率)で漸次減少させられ、その流速が一定の割合(比率)で漸次増加させられる(速められる)ことになる。そして、冷却水の流速が増加させられることにより、テーパ部32内が負圧になり、下流側に位置する冷却水が、テーパ部32内に吸引されることになる。
また、小径部23と小径テーパ部4との間(に形成された空間内)を通過した冷却水は、段部1gを通過する際、その流路断面積が急激に(一気に)増加させられ、その流速が急激に(一気に)減少させられる(遅らされる)ことになる。そして、冷却水の流速が減少させられることにより、コアピン1の壁部を介してより多くの熱が冷却水に伝達され、冷却水の温度が上昇して、金型2に取り付けられた際にキャビティコーナー18aと対向する金型2の肩部コーナー2a近傍が、コアピン1の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
このように、本実施形態に係る金型用冷却パイプ30とコアピン1とを組み合わせて使用することにより、インナーパイプ33内を先端12aに向かって流れる冷却水は、テーパ部32内を通過する際にその流速が増加させられ、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)を通過する際にその流速がさらに増加させられることになる。すなわち、テーパ部32内、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)を順次通過していくことにより、冷却水の流速が漸次増加させられ、テーパ部32内、テーパ部32と小径直線部5との間(に形成された空間内)に発生した負圧により、冷却装置本体から冷却水供給配管14を介してインナーパイプ12の基端に供給された冷却水が吸引されるようになっている。
すなわち、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を用いなくても水道本管を介して送られてくる水道水の圧力のみでインナーパイプ33の先端12aからコアピン1の内部に形成された冷却穴1cの底部1dに向かって所定量の冷却水が噴出されることになる。
これにより、従来必要とされた加圧装置(加圧ポンプ)を不要とすることができ、設備費の低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る金型用冷却パイプ30とコアピン1とを組み合わせて使用することにより、金型2に取り付けられた際にキャビティコーナー18aと対向する金型2の肩部コーナー2a近傍が、コアピン1の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなるようになっている。
これにより、キャビティ18内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナー18aに確実に到達して、その後凝固することになり、製品を寸法通りに正確に製造することができる。
また、金型2から製品を取り外す際、製品が金型2の肩部コーナー2aに食い付くのを防止することができ、製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型2の肩部コーナー2a近傍で金型2の肩部2bが折損してしまうのを防止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
例えば、上述した実施形態では、コアピン1の冷却穴1cが、大径部(第1の冷却穴)1fと、小径部(第2の冷却穴)1hとを有するものについて説明したが、本発明はこのようなものに限定されるものではなく、開口1eから底部1dにかけて、大径部(第1の冷却穴)1fのみが形成された冷却穴1c(すなわち、開口1eから底部1dにかけて一定(同一)の内径を有する冷却穴1c)を備えたコアピンにも適用することができる。
また、本発明に係る金型用冷却パイプは、その全体が金型2内に収容されるコアピン1の内部に形成された冷却穴1cのみに装着され得るものではなく、その先端部がキャビティ18内に突出する鋳抜きピン(図示せず)の内部に形成された冷却穴(図示せず)や、金型2の内部に形成された冷却穴(図示せず)にも装着して使用することができる。
さらに、大径部21、中径部22、小径部23、大径テーパ部24、小径テーパ部25、大径部31、テーパ部32の長さ、大径部21、中径部22、小径部23の外径および内径、大径テーパ部24、小径テーパ部25、テーパ部32のテーパ角は、冷却効果やインナーパイプ12,33の先端12aからコアピン1の内部に形成された冷却穴1cの底部1dに向かって噴出させる冷却水の量等を考慮して適宜変更され得るものである。
さらにまた、段部1gを設ける位置は、金型から製品を取り外す際、製品の、金型の肩部コーナーへの食い付きまたはコアピン、鋳抜きピンの根元部コーナーへの食い付き、金型から取り外された製品の、クラックの発生を考慮して適宜変更され得るものである。
1 コアピン
1c 冷却穴
1d 底部
2 金型
10 金型用冷却パイプ
11 アウターパイプ
12 インナーパイプ
13 ホース接続口金
21 大径部
22 中径部
23 小径部
24 大径テーパ部
25 小径テーパ部
30 金型用冷却パイプ
31 大径部
32 テーパ部
33 インナーパイプ

Claims (2)

  1. コアピンや鋳抜きピンの内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記コアピンや前記鋳抜きピンを冷却する、あるいは金型の内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記金型を冷却するとともに、
    アウターパイプと、このアウターパイプの内部空間内に同一軸線を有して配置され、その一端部が前記冷却穴内に突出するインナーパイプと、これらアウターパイプおよびインナーパイプが着脱自在に接続されるホース接続口金とを備えた金型用冷却パイプであって、
    前記インナーパイプの一端部には、基端部の側から、一定の内径および外径を有する大径部と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされた大径テーパ部と、前記大径部よりも小さい一定の内径および外径を有する中径部と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされた小径テーパ部と、前記中径部よりも小さい一定の内径および外径を有する小径部とが設けられていることを特徴とする金型用冷却パイプ。
  2. コアピンや鋳抜きピンの内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記コアピンや前記鋳抜きピンを冷却する、あるいは金型の内部に形成された、一定の内径と底部を有する冷却穴に装着されて前記金型を冷却するとともに、
    アウターパイプと、このアウターパイプの内部空間内に同一軸線を有して配置され、その一端部が前記冷却穴内に突出するインナーパイプと、これらアウターパイプおよびインナーパイプが着脱自在に接続されるホース接続口金とを備えた金型用冷却パイプであって、
    前記インナーパイプの一端部には、基端部の側から、一定の内径および外径を有する大径部と、先端部の側にいくにしたがいその内径および外径が一定の割合で漸次縮径される先細り形状とされたテーパ部と、前記大径部よりも小さい一定の内径および外径を有する小径部とが設けられていることを特徴とする金型用冷却パイプ。
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