JP5942863B2 - ダイカスト用金型構造 - Google Patents

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Description

本発明は、入子型破損時におけるキャビティ内溶湯の冷却媒体通路への侵入に対策したダイカスト用金型構造に関する。
ダイカスト用金型では金型の加工を容易にするため入子構造を採用し、その入子型に冷却媒体を通す冷却通路を形成することが一般に行なわれている。入子型が破損すると、キャビティに溶湯を注入したとき、その溶湯が入子型の冷却通路に侵入する。その場合、溶湯が冷却媒体の供給通路や戻り通路に侵入して金型の冷却系が損なわれ、さらには溶湯が金型の外に噴出するフラッシュ(湯吹き)に至ることが懸念される。
入子型破損の一例として鋳抜きピンの折損がある。鋳抜きピンの折損の主要因の一つは焼付きであり、製品離型時の抜き抵抗が焼付き部で大きくなって、鋳抜きピンに曲げ力が加わることにより、或いは焼付き部近傍に引張り力が加わることにより、鋳抜きピンが折れる。鋳抜きピンが折れると、キャビティ内の溶湯が鋳抜きピン内部の冷却通路に侵入することになる。
上記鋳抜きピンの折損に伴う溶湯のフラッシュ対策に関して、特許文献1には、入子型から可動型の背部に冷却パイプを突出させ、この冷却パイプ内に冷却水供給孔と冷却水戻し孔とを有するバルブブロックを進退可能に設けることが記載されている。この対策案では、バルブブロックが通常位置にあるときは、冷却水供給孔が冷却水導入パイプに連通し、冷却水戻し孔が冷却水回収パイプに連通している。鋳抜きピンが折損して溶湯が冷却パイプに侵入すると、バルブブロックが溶湯に押されてスライドする。その結果、冷却水供給孔と冷却水導入パイプとの連通が遮断するとともに、冷却水戻し孔と冷却水回収パイプとの連通が遮断し、冷却水導入パイプ及び冷却水回収パイプへの溶湯の侵入が阻止される。
特開2005−296972号公報
ところで、上述の入子構造においては、入子型及びその背面の冷却プレートに冷却媒体を通す冷却通路を形成し、入子型の冷却通路と冷却プレートの冷却通路とを入子型と冷却プレートの合わせ面で接続することも行なわれている。このような金型構造では、冷却媒体は、冷却プレートから入子型に入り、入子型から冷却プレートに戻される。さらには、冷却プレートの背面側のホルダに冷却通路を形成し、冷却プレートの冷却通路とホルダの冷却通路とを冷却プレートとホルダの合わせ面で接続することも行なわれている。
従って、入子型が破損したときは、キャビティ内の溶湯が入子型の冷却通路に侵入し、そこから冷却プレートの冷却通路に入り、さらには、冷却プレート背面のホルダの冷却通路に溶湯が侵入することになる。溶湯の侵入が入子型までであれば、その入子型の交換で対応することができるが、溶湯の侵入がどこまで進んでいるかは外見ではわからない。そのため、金型を分解して溶湯の侵入状態を調べる必要があり、溶湯凝固物の除去、ダイカスト鋳造の再開に多大の手間と時間を要することになる。
特に、冷却プレートの冷却通路は一般に冷却媒体の送り通路と戻り通路とが複雑に入り組んだ謂わば迷路になっているため、冷却プレートの冷却通路に侵入した溶湯の凝固物を取り除くことが非常は難しい。例えば、冷却通路の交差部等に凝固物が残った状態になり易い。その場合、上記冷却プレートを利用してダイカスト鋳造を再開しても、冷却媒体の流れが悪くなり、入子型の冷却効率が悪くなる。
特許文献1に記載された冷却構造は、入子型の冷却通路と冷却水の導入パイプ及び回収パイプとを繋ぐ冷却パイプにバルブブロックを設けるものであるから、冷却水の導入パイプ及び回収パイプに対する溶湯の侵入防止は図れるが、上記冷却プレートの複雑な冷却通路への溶湯の侵入問題の解決策にはならない。また、冷却水中のCa(カルシウム)やFe(鉄)等の成分は上記バルブブロックの固着原因となり、固着してしまうと溶湯が侵入してきてもこれを遮断することが困難になる可能性もある。
そこで、本発明は、入子型破損時の冷却プレートの冷却通路への溶湯の侵入問題を解決する。
本発明は、上記課題を解決するために、入子型の冷却通路と冷却プレートの冷却通路とを接続するスリーブに溶湯流出抑制手段を設けるようにした。
ここに提示するダイカスト用金型構造は、製品キャビティを形成する入子型と、入子型の背面に設けられた冷却プレートとを備え、
上記入子型には、該入子型を冷却するための冷却媒体を通す冷却通路が形成され、
上記冷却プレートには、上記入子型に送る冷却媒体を通す送り通路と、上記入子型から戻る冷却媒体を通す戻り通路が形成され、
上記入子型と上記冷却プレートとの合わせ面の複数箇所に、冷却プレートの送り通路から入子型の冷却通路に冷却媒体を送るための相対する送り用の出口と入口とが開口しているとともに、上記合わせ面の別の複数箇所に入子型の冷却通路から冷却プレートの戻り通路に冷却媒体を戻すための相対する戻り用の出口と入口とが開口し、
上記相対する送り用の出口と入口とがこの出口と入口とに跨る送り用スリーブによって接続され、
上記相対する戻り用の出口と入口とがこの出口と入口とに跨る戻り用スリーブによって接続されており、
上記複数箇所の送り用スリーブ及び上記複数箇所の戻り用スリーブのうちの少なくとも一つのスリーブには、冷却媒体の通過を許容し且つ上記入子型の破損時に上記キャビティから該入子型の冷却通路に侵入した溶湯が上記冷却プレート側に流出することを抑制する溶湯流出抑制手段が設けられており、
上記溶湯流出抑制手段は、上記スリーブに固定され又は上記冷却プレート側に移動しないように上記スリーブに係合された部分と上記スリーブから離れた可動部とを備え、該可動部が上記キャビティから流れ込む溶湯の圧力によって変形して上記スリーブ内の通路を閉塞することを特徴とする。
このような金型構造であれば、入子型が破損してキャビティ内の溶湯が入子型の冷却通路に侵入しても、その溶湯が入子型から冷却プレートの冷却通路に流出することが上記スリーブに設けられた溶湯流出抑制手段によって抑制される。このように入子型破損時に冷却プレートがダメージを受けることが防止され、或いはダメージが最小限に抑えられるから、ダイカスト鋳造を早期に再開することが容易になる。溶湯流出抑制手段を溶湯が多少通過させてしまうことがあっても、その溶湯量は少ないから、冷却プレートからの溶湯凝固物の除去は容易であり、ダイカスト鋳造の早期再開に有利である。
しかも、溶湯流出抑制手段は入子型側の冷却通路と冷却プレート側の冷却通路とを接続するスリーブに設けられているから、入子型を冷却プレートから分離すれば、溶湯が凝固した溶湯流出抑制手段をスリーブごと取り外すことができ、事後処理が簡単になる。また、溶湯流出抑制手段をスリーブと共に取り外すことができるから、通常のメンテナンスも容易になる。
上記溶湯流出抑制手段は、複数箇所の送り用スリーブの全て及び複数箇所の戻り用スリーブの全てに設けることもできるが、入子型の破損を生じ易い部位の冷却通路に近いスリーブのみに設けるようにしてもよい。例えば、冷却媒体が通る冷却通路を有する鋳抜きピンが入子型に設けられているときは、この鋳抜きピンが折損し易い。従って、この鋳抜きピンの冷却通路に近い箇所の戻り用スリーブに溶湯流出抑制部材を設けるようにすればよい。或いは鋳抜きピンの冷却通路に近い箇所の送り用スリーブに溶湯流出抑制部材を設けるようにすればよい。さらには、鋳抜きピンの冷却通路に近い戻り用スリーブ及び送り用スリーブ各々に溶湯流出抑制部材を設けるようにしてもよい。
ところで、上述したように、ダイカスト用金型の冷却水にはカルシウム分や鉄分等の不純物が含まれているのが通例である。その場合、特許文献1の冷却構造では、バルブブロックを収容した冷却パイプ内を頻繁に清掃したり、或いは冷却水のろ過を十分に行なわなければ、バルブブロックが不純物の付着によって冷却パイプに固着した状態になり、必要なときにバルブブロックが所期の作動(スライド)をしないことが懸念される。
そこで、本発明では、上記スリーブに固定され又は上記冷却プレート側に移動しないように上記スリーブに係合された部分と、上記スリーブから離れ上記キャビティから流れ込む溶湯の圧力によって変形して上記スリーブ内の通路を閉塞する可動部とを備えた溶湯流出抑制手段を採用する。このような溶湯流出抑制手段であれば、スライド方式とは違って、上記可動部は不純物によるスリーブへの固着を生じ難いから、溶湯の流出を確実に抑制する上で有利になる。
そのような溶湯流出抑制手段の好ましい態様は、上記スリーブの内周面に沿って延び、その少なくとも一部が上記スリーブに固定され又は上記冷却プレート側に移動しないように係合された部分と、該部分に続いて旋回するにつれて旋回中心に近づきながら上記入子型に向かって延びる上記可動部としての渦巻き状に漸次縮小した螺旋バネ部とを備え、該螺旋バネ部が上記溶湯の圧力によって上記冷却プレート側に向かって圧縮変形されて上記スリーブ内の通路を閉塞するというものである。
さらに、上記溶湯流出抑制手段の可動部は、上記漸次縮小した螺旋バネ部に続いて旋回するにつれて旋回中心から遠ざかりながら上記入子型に向かって延びる渦巻き状に漸次拡大した螺旋バネ部を備えていることが好ましい。これにより、スリーブ内の通路をより確実に閉塞し易くなる。
本発明によれば、入子型の冷却通路と冷却プレートの冷却通路とを接続するスリーブに溶湯流出抑制手段を設けるようにしたから、入子型が破損してキャビティ内の溶湯が入子型の冷却通路に侵入しても、その溶湯が入子型から冷却プレートの冷却通路に流出することが上記溶湯流出抑制手段によって抑制される。特に、本発明が採用する溶湯流出抑制手段は、スリーブに固定され又は冷却プレート側に移動しないようにスリーブに係合された部分と、スリーブから離れキャビティから流れ込む溶湯の圧力によって変形してスリーブ内の通路を閉塞する可動部とを備え、スライド方式とは違って、その可動部は不純物によるスリーブへの固着を生じ難いから、溶湯の流出を確実に抑制する上で有利になる。よって、ダイカスト鋳造を早期に再開することが容易になり、しかも、溶湯流出抑制手段をスリーブごと入子型及び冷却プレートから取り外すことができるから、入子型が破損して溶湯が侵入したときの事後処理が簡単になり、また、通常のメンテナンスも容易になる。
ダイカスト用金型の一部を示す斜視図である。 冷却プレートの上面を示す斜視図である。 冷却プレートの冷却通路を示す一部断面にした斜視図である。 冷却ブロックの上面を示す斜視図である。 冷却ブロックの低圧送り通路を示す一部断面にした斜視図である。 冷却ブロックの低圧戻り通路を示す一部断面にした斜視図である。 中子の上面を示す斜視図である。 中子の冷却通路を示す一部断面にした斜視図である。 中子の鋳抜きピンを示す一部断面にした斜視図である。 冷却プレートの冷却通路と冷却ブロックの冷却通路との接続部を示す断面図である。 溶湯流出抑制手段の斜視図である。 溶湯流出抑制手段の螺旋バネ部を形成するための金属板の平面図である。 ホルダの冷却通路と冷却プレートの冷却通路との接続部を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示すダイカスト用金型において、1は入子型(スライド中子)、2は入子型1の背面に設けられた冷却プレート、3は入子型1及び冷却プレート2を冷却プレートの背面側から保持するホルダである。入子型1が他の入子型(図示省略)と相俟って製品キャビティを形成する。入子型1は、キャビティ形成面5を有する中子4と、その背面に設けられた冷却ブロック6とによって構成されている。
中子4を冷却する水等の液状冷却媒体は、冷却媒体導入管(図示省略)からホルダ3に入り、ホルダ3から冷却プレート2及び冷却ブロック6を経て中子4の冷却通路に入る。中子4を冷却した冷却媒体は、冷却ブロック6及び冷却プレート2を経てホルダ3に戻され、ホルダ3から冷却媒体回収管を経て回収される。
<入子型1及び冷却プレート2の冷却系>
図2に示すように、冷却プレート2におけるホルダ3との合わせ面には、ホルダ3から冷却媒体が低圧で流入する低圧入口11、ホルダ3に冷却媒体が低圧で流出する低圧出口12、ホルダ3から冷却媒体が高圧で流入する高圧入口13、並びにホルダ3に冷却媒体が高圧で流出する高圧出口14が開口している。
図3に示すように、冷却プレート2には、低圧入口11から流入した冷却媒体を冷却ブロック6に送る低圧送り通路15、冷却ブロック6から戻る冷却媒体を低圧出口12に導く低圧戻り通路16、高圧入口13から流入した冷却媒体を冷却ブロック6に送る高圧送り通路17、並びに冷却ブロック6から戻る冷却媒体を高圧出口14に導く高圧戻り通路18が形成されている。
図4に示すように、冷却ブロック6における冷却プレート2との合わせ面には、冷却プレート2の低圧送り通路15から冷却媒体が流入する低圧入口21、冷却プレート2の低圧戻り通路16に冷却媒体が流出する低圧出口22、冷却プレート2の高圧送り通路17から冷却媒体が流入する高圧入口23、並びに冷却プレート2の高圧戻り通路16に冷却媒体が流出する高圧出口24が開口している。なお、図4において、25は後述の貫通孔26に嵌められた止水栓である。
図5に示すように、冷却ブロック6の上部には、低圧入口21から流入した冷却媒体を中子4に送る分岐型の低圧送り通路27が形成されている。この低圧送り通路27は止水栓25の冷却媒体導入穴28と連通している。図6に示すように、冷却ブロック6の下部には、中子4から戻る冷却媒体を低圧出口22に導く分岐型の低圧戻り通路29が形成されている。この低圧戻り通路29は冷却ブロック6の貫通孔26と連通している。図5,6において、19は冷却ブロック6の高圧送り通路、20は冷却ブロック6の高圧戻り通路である。
図7に示すように、中子4における冷却ブロック6との合わせ面には、上述の分岐型低圧戻り通路29に連通する複数の冷却穴30が開口している。
<入子型1の冷却系の具体的構成>
図8に示すように、中子4の冷却穴30は、冷却ブロック6との合わせ面からキャビティ形成面5に向かって直線状に延びている。中子4の冷却穴30と冷却ブロック6の貫通孔26とは、中子4と冷却ブロック6の合わせ面と直交するように相対し、中子4と冷却ブロック6とに跨るように設けられたスリーブ31によって接続されている。貫通孔26の背面側は止水栓25で塞がれている。冷却穴30及び貫通孔26には、冷却ブロック6側から中子4側にわたって延びるインナーパイプ32が挿入されている。インナーパイプ32は冷却穴30及び貫通孔26と同心状に設けられている。インナーパイプ32の基端は止水栓25の冷却媒体導入穴28に連通し、先端は中子4の冷却穴30の先端部において開口している。
従って、冷却媒体は、冷却ブロック6の分岐型低圧送り通路27から止水栓25の導入穴28を経てインナーパイプ32に入る。インナーパイプ32の先端を抜けた冷却媒体は、中子4の冷却穴30とインナーパイプ32との間を通り、冷却ブロック6の貫通孔26を経て分岐型低圧戻り通路29に至ることになる。
図9に示すように、中子4には、その背面から中子4を貫通してキャビティ側に延びる鋳抜きピン33が組み込まれている。鋳抜きピン33の冷却に関する構造も中子4の冷却に関する構造と基本的には同じである。
すなわち、鋳抜きピン33には、その背面からピン先端近傍に至る冷却穴34が該鋳抜きピン33と同心状に形成されている。鋳抜きピン33の冷却穴34と冷却ブロック6の貫通孔26とは、中子4(鋳抜きピン33)と冷却ブロック6の合わせ面と直交するように相対し、鋳抜きピン33と冷却ブロック6とに跨るように設けられたスリーブ35によって接続されている。冷却穴34及び貫通孔26にはインナーパイプ36が挿入されていて、その基端は止水栓25の冷却媒体導入穴28に連通し、先端は鋳抜きピン33の冷却穴34の先端部において開口している。
従って、冷却媒体は、冷却ブロック6の分岐型低圧送り通路27から止水栓25の導入穴28を経てインナーパイプ36に入る。インナーパイプ36の先端を抜けた冷却媒体は、鋳抜きピン33の冷却穴34とインナーパイプ36との間を通り、冷却ブロック6の貫通孔26を経て分岐型低圧戻り通路29に戻ることになる。
<ホルダ3から入子型1に至る間の冷却系>
図1に示すように、ホルダ3(鎖線で示す)には、低圧の冷却媒体を冷却プレート2の各低圧送り通路15に送る低圧送り通路41と、冷却プレート2の低圧戻り通路16から戻る低圧の冷却媒体を冷却媒体回収管に導く低圧戻り通路42とが形成されている。
冷却プレート2の低圧送り通路15と先に説明した冷却ブロック6の低圧送り通路27とは第1送り用スリーブ43によって接続され、冷却プレート2の低圧戻り通路16と冷却ブロック6の低圧戻り通路29とは第1戻り用スリーブ44によって接続されている。同じく、ホルダ3の低圧送り通路41と冷却プレート2の低圧送り通路15とは第2送り用スリーブ45によって接続され、ホルダ3の低圧戻り通路42と冷却プレート2の低圧戻り通路16とは第2戻り用スリーブ46によって接続されている。
高圧側の冷却通路に関しても、冷却プレート2の高圧送り通路17と冷却ブロック6の高圧入口23とが第3送り用スリーブ47によって接続され、冷却プレート2の高圧戻り通路18と冷却ブロック6の高圧出口24とが第3戻り用スリーブ48によって接続されている。
上記低圧の冷却媒体が通るスリーブ43〜46には、入子型1の破損時にキャビティから侵入した溶湯の流出を抑制する溶湯流出抑制手段が設けられている。以下、スリーブ及び溶湯流出抑制手段について具体的に説明する。
図10は第1送り用スリーブ43及び溶湯流出抑制手段51を示す。冷却プレート2と冷却ブロック6との合わせ面には、冷却プレート2の低圧送り通路15から冷却ブロック6の低圧送り通路27に冷却媒体を送るための出口52と入口21とが当該合わせ面と直交して相対するように開口している。この相対する送り用の出口52と入口21とは、該出口52と入口21とに跨るように嵌められた第1送り用スリーブ43によって接続されている。第1送り用スリーブ43と冷却プレート2及び冷却ブロック6との間にはシールが介装されている。
溶湯流出抑制手段51は第1送り用スリーブ43の内部に設けられている。図10及び図11に示すように、溶湯流出抑制手段51は、第1送り用スリーブ43の内周面に沿って延びる部分54と、該部分54に続いて旋回するにつれて旋回中心に近づきながら冷却ブロック6側に向かって延びる渦巻き状に漸次縮小した螺旋バネ部55と、該螺旋バネ部55に続いて旋回するにつれて旋回中心から遠ざかりながら冷却ブロック6側に向かって延びる渦巻き状に漸次拡大した螺旋バネ部56とを備えている。
第1送り用スリーブ43の内周面に沿って延びる部分54の一部が、第1送り用スリーブ43に固定されている。第1送り用スリーブ43の内周面から離れて漸次縮小した螺旋バネ部55及び漸次拡大した螺旋バネ部56が、キャビティから流れ込む溶湯の圧力によって冷却プレート2側に向かって圧縮変形されて第1送り用スリーブ43内の通路を閉塞する可動部を構成している。
ここに、可動部としての螺旋バネ部55,56各々は、図12(平面図)に示す金属板57に渦巻き状の切れ目58を入れてその板面に垂直な方向に引き延ばしてなる。螺旋バネ部55と螺旋バネ部56とは互いの頂点で溶接されている。従って、螺旋バネ部55,56が非圧縮状態にあるときは、そのバネ線間の隙間によって冷却媒体の通過が許容される。
具体的な図示は省略するが、第1戻り用スリーブ44内にも第1送り用スリーブ43と同様の溶湯流出抑制手段51が設けられている。
図13は第2送り用スリーブ45及び溶湯流出抑制手段51を示す。ホルダ3と冷却プレート2との合わせ面には、ホルダ3の低圧送り通路41から冷却プレート2の低圧送り通路15に冷却媒体を送るための出口59と入口11とが当該合わせ面と直交して相対するように開口している。この相対する送り用の出口59と入口11とは、該出口59と入口11とに跨るように嵌められた第2送り用スリーブ45によって接続されている。
第2送り用スリーブ45は、ホルダ3側の端にフランジを有し、このフランジがリング61を介して冷却プレート2に支持されている。第2送り用スリーブ45とホルダ3及び冷却プレート2との間にシールが介装されている。そうして、第2送り用スリーブ45の内部に第1送り用スリーブ43と同様の溶湯流出抑制手段51が設けられている。具体的な図示は省略するが、第2戻り用スリーブ46内にも同様の溶湯流出抑制手段51が設けられている。
<入子型1の破損時>
入子型1の中子4が破損したとき、例えば、鋳抜きピン33が折れたときには、キャビティの溶湯が鋳抜きピン33の冷却穴34に侵入し、溶湯の一部はインナーパイプ36を通って冷却ブロック6の低圧送り通路26に侵入する。溶湯が図10に示す第1送り用スリーブ43に至ると、その溶湯の圧力で溶湯流出抑制手段51が変形し、第1送り用スリーブ43内の通路が塞がれる。すなわち、溶湯流出抑制手段51の螺旋バネ部55,56は、溶湯の圧力を受けると圧縮されてそのバネ線間の隙間が小さくなり、さらには実質的に零になる。これにより、第1送り用スリーブ43から冷却プレート2の低圧送り通路15への溶湯の流出が抑制ないし阻止される。
仮に溶湯の一部が第1送り用スリーブ43を通過することがあったとしても、冷却プレート2の低圧送り通路15を通って図13に示す第2送り用スリーブ45に至ると、その溶湯の圧力で溶湯流出抑制手段51が変形し、第2送り用スリーブ45内の通路が塞がれる。そのため、ホルダ3の低圧送り通路41に溶湯が流出することが避けられる。
また、鋳抜きピン33の折損時には、溶湯は冷却穴34とインナーパイプ36との間を通って冷却ブロック6の低圧戻り通路29にも侵入する。溶湯が第1戻り用スリーブ44に至ると、その溶湯の圧力で溶湯流出抑制手段51が変形して該第1戻り用スリーブ44内の通路が塞がれる。よって、冷却プレート2の低圧戻り通路16への溶湯の流出が抑制ないし阻止される。仮に溶湯の一部が第1戻り用スリーブ44を通過することがあったとしても、冷却プレート2の低圧戻り通路16を通って第2戻り用スリーブ46に至ると、その溶湯の圧力で溶湯流出抑制手段51が変形し、第2戻り用スリーブ45内の通路が塞がれる。そのため、ホルダ3の低圧戻り通路42に溶湯が流出することが避けられる。
また、溶湯流出抑制手段51の可動部である螺旋バネ部55,56はスリーブ43〜46の内周面から離れて該スリーブ43〜46内の通路に突出している。そのため、冷却媒体に不純物が含まれていても、その不純物によって螺旋バネ部55,56がスリーブ43〜46に固着した状態になることはない。よって、溶湯の侵入時には螺旋バネ部55,56が確実に圧縮変形して溶湯の流出を抑制することになる。
また、溶湯流出抑制手段51は、冷却プレート2や冷却ブロック6、或いはホルダ3からスリーブ43〜46ごと取り外すことができるから、中子4が破損して溶湯が侵入したときの事後処理が簡単であり、また、通常のメンテナンスも容易である。
なお、冷却媒体が高圧で流れる冷却通路に関しても、冷却プレート2と冷却ブロック6との合わせ面や、冷却プレート2とホルダ3との合わせ面に配置されるスリーブに上記溶湯流出抑制手段を設けることができる。
また、中子4と冷却ブロック6との合わせ面に配置されるスリーブに上記溶湯流出抑制手段を設けることができる。
また、溶湯流出抑制手段は、上記螺旋バネ型に限るものではなく、例えば、形状記憶合金製として、所定温度以下ではスリーブでの冷却媒体の通過を許容する形状を保ち、溶湯の侵入によって加熱されたときにスリーブ内通路を塞ぐ形状になるようにしてもよい。
1 入子型(スライド中子)
2 冷却プレート
3 ホルダ
4 中子
5 キャビティ形成面
6 冷却ブロック
11 冷却プレートの低圧送り用入口
12 冷却プレートの低圧戻り用出口
13 冷却プレートの高圧送り用入口
14 冷却プレートの高圧戻り用出口
15 冷却プレートの低圧送り通路
16 冷却プレートの低圧戻り通路
17 冷却プレートの高圧送り通路
18 冷却プレートの高圧戻り通路
21 冷却ブロックの低圧送り用入口
22 冷却ブロックの低圧戻り用出口
23 冷却ブロックの高圧送り用入口
24 冷却ブロックの高圧戻り用出口
27 冷却ブロックの低圧送り通路
30 中子の冷却穴
33 鋳抜きピン
34 鋳抜きピンの冷却穴
41 ホルダの低圧送り通路
42 ホルダの低圧戻り通路
43 冷却プレートと冷却ブロックに跨る第1送り用スリーブ
44 冷却プレートと冷却ブロックに跨る第1戻り用スリーブ
45 ホルダと冷却プレートに跨る第2送り用スリーブ
46 ホルダと冷却プレートに跨る第2戻り用スリーブ
51 溶湯流出抑制手段
52 冷却プレートの低圧送り用出口
54 スリーブ内周面に沿って延びる部分
55 漸次縮小した螺旋バネ部
56 漸次拡大した螺旋バネ部
59 ホルダの低圧送り用出口

Claims (5)

  1. 製品キャビティを形成する入子型と、入子型の背面に設けられた冷却プレートとを備えたダイカスト用金型構造であって、
    上記入子型には、該入子型を冷却するための冷却媒体を通す冷却通路が形成され、
    上記冷却プレートには、上記入子型に送る冷却媒体を通す送り通路と、上記入子型から戻る冷却媒体を通す戻り通路が形成され、
    上記入子型と上記冷却プレートとの合わせ面の複数箇所に、冷却プレートの送り通路から入子型の冷却通路に冷却媒体を送るための相対する送り用の出口と入口とが開口しているとともに、上記合わせ面の別の複数箇所に入子型の冷却通路から冷却プレートの戻り通路に冷却媒体を戻すための相対する戻り用の出口と入口とが開口し、
    上記相対する送り用の出口と入口とがこの出口と入口とに跨る送り用スリーブによって接続され、
    上記相対する戻り用の出口と入口とがこの出口と入口とに跨る戻り用スリーブによって接続されており、
    上記複数箇所の送り用スリーブ及び上記複数箇所の戻り用スリーブのうちの少なくとも一つのスリーブには、冷却媒体の通過を許容し且つ上記入子型の破損時に上記キャビティから該入子型の冷却通路に侵入した溶湯が上記冷却プレート側に流出することを抑制する溶湯流出抑制手段が設けられており、
    上記溶湯流出抑制手段は、上記スリーブに固定され又は上記冷却プレート側に移動しないように上記スリーブに係合された部分と上記スリーブから離れた可動部とを備え、該可動部が上記キャビティから流れ込む溶湯の圧力によって変形して上記スリーブ内の通路を閉塞することを特徴とするダイカスト用金型構造。
  2. 請求項1において、
    上記入子型は内部に上記冷却媒体が通る冷却通路を有する鋳抜きピンを備え、
    上記鋳抜きピンの冷却通路に連通する箇所の戻り用スリーブに上記溶湯流出抑制部材が設けられていることを特徴とするダイカスト用金型構造。
  3. 請求項2において、
    上記鋳抜きピンの冷却通路に連通する箇所の送り用スリーブに上記溶湯流出抑制部材が設けられていることを特徴とするダイカスト用金型構造。
  4. 請求項1において、
    上記溶湯流出抑制手段は、上記スリーブの内周面に沿って延び、その少なくとも一部が上記スリーブに固定され又は上記冷却プレート側に移動しないように係合された部分と、該部分に続いて旋回するにつれて旋回中心に近づきながら上記入子型に向かって延びる上記可動部としての渦巻き状に漸次縮小した螺旋バネ部とを備え、該螺旋バネ部が上記溶湯の圧力によって上記冷却プレート側に向かって圧縮変形されて上記スリーブ内の通路を閉塞することを特徴とするダイカスト用金型構造。
  5. 請求項4において、
    上記溶湯流出抑制手段の可動部は、上記漸次縮小した螺旋バネ部に続いて旋回するにつれて旋回中心から遠ざかりながら上記入子型に向かって延びる渦巻き状に漸次拡大した螺旋バネ部を備えていることを特徴とするダイカスト用金型構造。
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