JP2012106914A - 多結晶シリコン洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄槽2の洗浄室21〜25内に、異なる勾配の載置面61を有する支持台6が複数配設され、バスケット3は、その両側部に、吊り上げ機42により係止される突出部35がバスケット3の幅方向外方に突出し、かつ、長さ方向に間隔をあけて相互に平行に一対ずつ設けられてなり、支持台6は、その両側部に、載置面61にバスケット3を載置する際に、一対の突出部35の間に配置され、支持台6の載置面61よりも上方に突出する一対のガイドフレーム7が上下方向に沿って立設されている。
【選択図】 図1
Description
この多結晶シリコン洗浄装置においては、多結晶シリコンのロッドを収納したバスケットを吊り上げ機により複数の支持台に載置する際に、バスケットの両側面及び突出部がガイドフレームに沿って上下方向に案内されるので、傾斜した載置面であっても、その上にバスケットを案内して確実に載置させることができる。
また、吊り上げ機によりバスケットを吊り下げた状態として、傾斜した載置面の上下寸法よりも大きくバスケットを上下動させることにより、洗浄槽内において自動的にバスケットを傾けて揺動させ、バスケット内のロッドを転動させながらロッド表面を均一に洗浄することができ、ロッド表面の不純物を確実に除去して優れた洗浄効果を得ることができる。この場合、バスケットはガイドフレームによって側方への移動が所定範囲内で規制された状態であるので、常に所定位置に配置される。
さらに、ガイドフレームによってバスケットが常に所定位置に配置されることから、バスケットを再度引き上げる際にも、確実にバスケットの突出部を支持して搬出することができる。このように、バスケットの搬入、上下動、搬出の三段階の作業をガイドフレームに沿って確実に行えるようにしたので、作業性を向上させることができる。
複数の大径部を有する緩衝棒が、バスケットの揺動に伴ってロッドと共にバスケット内を回転して移動し、ロッド相互の接触や衝突を防止してロッドの割れや欠け等を防止することができる。
緩衝棒の大径部を設けることで、大径部を設けない場合と比べて、緩衝棒とロッドとの接触が少なくなり、大径部のみとの接触となることより、全体としてロッドと接触する部分の面積が小さくなる。また、大径部を設けることにより、緩衝棒がバスケット底面より浮いた形となるので、バスケット内の洗浄液の流れが緩衝棒によって遮られることが防止され、バスケット内での洗浄液の濃度差が生じ難くなる。これにより、均一な濃度の洗浄液がロッド表面に一様に行き渡るようになり、洗浄液との接触が妨げられにくくなるため、ロッド表面のエッチングのばらつきが抑制され、均一な洗浄を行うことができる。
棒状のロッドをバスケットの中に入れる場合、長さの長いロッドでは、長さの短いロッドに比べて、バスケット内の洗浄液の液循環が悪かった。
本発明の多結晶シリコン洗浄装置においては、バスケットの幅方向中央部を長さ方向に拡げて延長部および開口部が形成されているので、バスケットの上下動時に開口部から内部空間に洗浄液を流通させることができ、バスケット内の液循環を促進させることができる。
バスケットの内面とロッドとが接触していると、その接触部分が洗浄(エッチング)不足となり、ロッド表面に付着している不純物が十分に除去できないために、エッチング斑が生じて、エッチングのばらつきが生じ易かった。また、ロッドがバスケット内で転がることにより、バスケットの内面に衝突し、ロッドの割れや欠けが生じ易かった。さらに、ロッドの切断面のエッジ部によってバスケットの内面が削られるために、バスケットの交換頻度が多くなるだけでなく、その削られた破片がロッドに付着して品質に悪影響を及ぼしていた。
本発明の多結晶シリコン洗浄装置においては、バスケットの内面に複数の凸条が設けられているので、バスケットの内面とロッドとの接触面積を小さくすることができ、ロッド表面のエッチングのばらつきを低減することができる。
また、凸条により搬送時の揺れ等による衝撃を吸収して、ロッドの割れや欠けを防止することができるとともに、バスケット内でロッドが転がった際に、ロッドの切断面のエッジ部でバスケット内面が削られるのを低減することができる。
この実施形態の多結晶シリコン洗浄装置100は、適当な長さに切断して得られる多結晶シリコンのロッドRをバスケット3に収納した状態で洗浄する装置である。
多結晶シリコン洗浄装置は複数の洗浄室からなる洗浄槽により構成されるが、本実施形態の多結晶シリコン洗浄装置100においては、図1に示すように、洗浄液である酸液を満たした三つの洗浄室21〜23と、純水を満たした二つの洗浄室24,25とが一直線上に並べられて洗浄槽2が構成される。各洗浄室21〜25は、その配列方向に沿う寸法より、これと直交する方向の寸法が、長く形成されている。酸液には、例えば、フッ酸と硝酸との混合液が用いられ、各洗浄室21〜23ごとにフッ酸と硝酸との混合比率が異なる混合液が用いられる。
搬送手段4には、例えば、各洗浄室21〜25の上方に設けられたレール41に沿って移送可能に支持される吊り上げ機42が備えられる。この吊り上げ機42によって、ロッドRを収納したバスケット3が上下動可能に吊り下げられる構成とされており、バスケット3を支持して、各洗浄室21〜25の上方から昇降移動し、また洗浄室21〜25の間を移動して各洗浄室21〜25にバスケット3を出し入れすることにより、所定時間、洗浄室21〜25内の洗浄液に浸漬させるようになっている。
支持台6は、4枚の垂直な平板を井桁状に組み合わせてなるフレーム62の中央部を、その4つの交差部を結ぶ角筒より大きく所定深さまで切欠することにより、バスケット3を載置可能に、上方を開放した形状に載置面61が形成される。
バスケット3を載置する載置面61は、図1に示すように、水平方向と平行な水平面、水平方向に対して左勾配とされた左勾配面又は水平方向に対して右勾配とされた右勾配面のいずれかに形成されている。また、各洗浄室21〜25内の支持台6は、異なる勾配の載置面61を有する支持台6が隣接するように配設されており、図1に示す例では、搬入側から、左勾配面、右勾配面、水平面、右勾配面、左勾配面の載置面61を有する支持台6が順に並べられている。
そして、バスケット3の内部空間を構成する内面(底板3aおよび側板3b)には、ロッドRが直接バスケット3に接触しないように、バスケット3の長さ方向に間隔をおいて複数の凸条36が設けられており、凸条36同士の間隔は洗浄するロッドRの長さ以下に設定されている。本実施形態では、凸条36は、図4及び図5に示すように、バスケット3の側板3bから底板3aにかけて樹脂製の棒部材を取り付けて構成している。この場合、棒部材はバスケット3の底板3a及び側板3bを貫通しながら、これら底板3a及び側板3bの両端間にその内面に沿って架け渡されるように設けられており、バスケット3の内面(底板3aおよび側板3b)と棒部材との間には、若干の隙間Gが設けられ、棒部材はバスケット3の内面から浮いて配置されている。隙間Gを設けて凸条36を形成することにより、この隙間Gに洗浄液を循環させて、不純物がバスケット3内に留まることを防止することができる。
なお、バスケット3の材質は、水切れのよい樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)やポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)などが好ましい。
例えば、ロットRの直径110mm〜160mmに対して、大径部51の直径は20mm〜45mm程度が望ましい。大径部51の直径が大きすぎると、揺動時にバスケット3内のロッドRが回転する際に、回転による移動距離が少なくなり、エッチングが進み難くなるため、不純物が除去し難くなる。また、大径部51が小さすぎると、揺動時にロッドR同士が接触または衝突することにより、欠けや割れが発生する原因となる。
また、吊り上げ機42は、シリンダー等からなる昇降機構44を備えており、図2及び図3に示すように、この昇降機構44により上下動されるハンガー45に、バスケット3を支持する一対のアーム43の上端部が回動可能に支持されている。このアーム43の下端部分は、フック状に形成されたフック部43aとなっている。
ロッドRを収納したバスケット3は、搬入装置11によって1番目の洗浄室21の近傍まで移送される。最も搬入側に位置する吊り上げ機42のハンガー45を、搬入装置11のバスケット3の上方から下降させ、アーム43によりバスケット3の突出部35を下方から持ち上げるように支持して、バスケット3を搬入装置11の上方に吊り上げる。そして、レール41に沿って吊り上げ機42を洗浄室21の上方に移動させ、バスケット3を洗浄室21の内部に吊り降ろし、ロッドRを洗浄液に浸漬させる。
図3に示すように、バスケット3は、ガイドフレーム7によって側方への移動が規制されているので、吊り上げ機42を上下動させる際にも、所定位置に保持することができる。また、吊り上げ機42の上下動寸法Mを、傾斜した載置面61の高さ寸法Hよりも大きく設定することで、バスケット3を上下動することにより、自動的に載置面61に沿って傾斜を繰り返して揺動する。これにより、バスケット3内のロッドRと緩衝棒5とを転動させて、ロッドRとバスケット3の内面(具体的には凸条36の上面)との接触部分の位置をずらして、ロッドRの表面を均一に洗浄させることができ、ロッド表面の不純物を確実に除去して優れた洗浄効果を得ることができる。
さらに、バスケット3の内面には、ロッドRが直接、接触しないように複数の凸条36が設けられているので、搬送時の揺れ等による衝撃を凸条36で吸収して、ロッドRの割れや欠けの発生を防止することができるとともに、ロッドRの切断面のエッジ部でバスケット3の内面が削られるのを低減することができる。また、凸条36により、ロッドRとバスケット3の内面との接触面積を小さくすることができ、ロッドRの表面のエッチングばらつきを低減することができる。
さらに、バスケット3の延長部32には、底部に開口部34が設けられており、バスケット3の上下動時に、その開口部34から内部空間に洗浄液が流通し、バスケット3内の液循環を促進させることができる。
このようにして、バスケット3の上下動により、新鮮な洗浄液がバスケット3内に送り込まれ、エッチングが促されるとともに、バスケット3内でロッドRの位置関係を変更することができ、バスケット3の底板3aや側板3bとの接触部分のエッチングがされにくい箇所のエッチング反応を促進することができる。
バスケット3を引き上げる際、バスケット3はガイドフレーム7によって規制され、所定位置に配置されていることから、確実にバスケット3の突出部35を支持して搬出することができる。
そして、このような一連の動作と同時に隣接する吊り上げ機42が作動して、それぞれ搬入装置11上または洗浄室21〜25上のバスケット3を吊り上げる。
続いて、各吊り上げ機42を一体に搬出側に移動し、前述の一連の動作を繰り返すことによって、バスケット3は順次隣接する各洗浄室21〜25に移される。これにより、多結晶シリコンのロッドRを酸液の洗浄室21〜23で徐々にエッチングしながら表面の不純物を除去し、その後の純水の洗浄槽24,25で不純物や酸液等を純水洗浄することにより、ロッドRを洗浄することができる。
さらに、バスケット3の延長部32の底部に開口部34が設けられ、延長部32を囲う部分の側板3cを避けて貫通孔33が設けられているので、バスケット3が上下動する際に、バスケット3内の洗浄液を循環させて、洗浄効果を高めることができる。
例えば、洗浄室の数、使用する酸液の種類等は一例であり、使用状況に応じて変更可能である。また、上述実施形態では、各洗浄室に一つずつ支持台を設けたが、複数個ずつ設けてもよい。
また、上述実施形態において、バスケット3は、丸孔状の貫通孔33を設けた構造としたが、これに限らず、スリット状の貫通孔を設ける構造としてもよい。そして、緩衝棒5の大径部51の先端は、図4においては平坦な形状で示したが、先端部分を円弧状として、さらにロットRとの接触面積を減少させる構成としてもよい。
また、バスケットの多結晶シリコン洗浄装置への搬入、搬出が、ベルトコンベヤー以外にも、ローラーコンベヤー等のような装置を使用してもよい。
さらに、凸条の上面は、表面が平坦なワイヤー状や、表面が鋸刃状のような山部、他谷部があるような樹脂製の表面の形状のようなものとしてもよい。
11 搬入装置
12 搬出装置
2 洗浄槽
3 バスケット
3a 底板
3b,3c 側板
4 搬送手段
5 緩衝棒
6 支持台
7 ガイドフレーム
21〜25 洗浄室
26 仕切板
27 波返し板
32 延長部
33 貫通孔
34 開口部
35 突出部
36 凸条
41 レール
42 吊り上げ機
43 アーム
43a フック部
51 大径部
61 載置面
71 対向面
Claims (4)
- バスケットに複数の多結晶シリコンのロッドを収納し、前記バスケットを吊り上げ機により洗浄槽に浸漬して洗浄する多結晶シリコンの洗浄装置であって、前記洗浄槽の内底部に前記バスケットを支持する載置面を有する支持台が複数設けられ、前記載置面は水平方向と平行な水平面、水平方向に対して左勾配とされた左勾配面又は水平方向に対して右勾配とされた右勾配面のいずれかに形成されるとともに、複数の前記支持台のうち少なくとも一つは他の支持台とは異なる勾配の前記載置面を有しており、前記バスケットは、その両側部に、前記吊り上げ機により下方から支持される突出部が前記バスケットの幅方向外方に突出し、かつ、長さ方向に間隔をあけて相互に平行に一対ずつ設けられてなり、前記支持台は、その両側部に、前記載置面に前記バスケットを載置する際に、一対の前記突出部の間に配置され、前記支持台の載置面よりも上方に突出する一対のガイドフレームが上下方向に沿って立設されていることを特徴とする多結晶シリコン洗浄装置。
- 前記バスケット内に、前記ロッドの間に配置されて前記ロッド相互の衝突を防止する樹脂製の緩衝棒が設けられており、前記緩衝棒に、大径部が長さ方向に間隔をおいて複数設けられることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコン洗浄装置。
- 前記バスケットの幅方向中央部に、その内部空間を長さ方向に沿って拡げた延長部が設けられ、前記延長部の底部を貫通する開口部が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の多結晶シリコン洗浄装置。
- 前記バスケットの内面には、凸条が前記バスケットの長さ方向に間隔をおいて複数設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の多結晶シリコン洗浄装置。
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