JP2012106555A - 車両のステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チルト機構と跳上機構を独立して操作し得ると共に、少なくとも跳上機構を運転者の手動操作によって容易に行い得る安価なステアリング装置を提供する。
【解決手段】チルト機構2は、ステアリングコラム1を揺動可能に支持する可動コラム部材10と、これを保持する可動ブラケット20を具備する。跳上機構3は、固定ブラケット30と、固定ブラケットの一対の保持部に対し車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し可動ブラケットに支持される係脱機構4と、固定ブラケットに対し可動ブラケットを跳ね上げ方向に付勢する跳上付勢手段(ばね部材50)と、固定ブラケットに対し車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し可動ブラケットに支持される係脱機構4とを具備し、これに連結する跳上操作レバー44によって、固定ブラケットに対し可動ブラケットを初期位置又は跳上位置に保持する保持状態とこの保持状態を解く解除状態とを選択的に操作する。
【選択図】図1
【解決手段】チルト機構2は、ステアリングコラム1を揺動可能に支持する可動コラム部材10と、これを保持する可動ブラケット20を具備する。跳上機構3は、固定ブラケット30と、固定ブラケットの一対の保持部に対し車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し可動ブラケットに支持される係脱機構4と、固定ブラケットに対し可動ブラケットを跳ね上げ方向に付勢する跳上付勢手段(ばね部材50)と、固定ブラケットに対し車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し可動ブラケットに支持される係脱機構4とを具備し、これに連結する跳上操作レバー44によって、固定ブラケットに対し可動ブラケットを初期位置又は跳上位置に保持する保持状態とこの保持状態を解く解除状態とを選択的に操作する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のステアリング装置に関し、特に、チルト機構及び跳上機構を備えた車両のステアリング装置に係る。
近時の車両においては、ステアリングホイールの操作位置を調整し得るチルト機構と、ステアリングホイールを所定の跳ね上げ位置に保持し得る跳上機構を備えたステアリング装置が知られている。例えば下記の特許文献1には、その段落〔0002〕に記載の「運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイールの高さを変えられるようにしたチルトステアリング装置において、ステアリングホイールが乗降の妨げとならないように、レバーの操作によりステアリングホイールを最上位置まで跳ね上げて(チルトアップして)、乗降を容易にするための装置」に関し、メモリ機構付きチルトステアリング装置が提案され、その段落〔0013〕には「操作レバーの回動に伴う、チルトロック及びメモリロックが達成される状態と、チルトロックのみが達成される状態と、両ロックが解除される状態とにおいて、それぞれ保持力を働かせる」態様が開示されている。また、下記の特許文献2には、その段落〔0001〕に記載の「跳ね上げ機構とチルト機構とを個別に設けた」ステアリングコラム装置に関し、モータ駆動の跳ね上げ機構を備えた装置が開示されている。
上記特許文献1に開示されたチルトステアリング装置においては、操作レバーの操作量に応じて跳ね上げ量とチルト量を調整することができるが、チルト調整位置によって跳ね上げ量が変化することになり、例えば、最大のチルト調整位置に設定されている場合には、跳ね上げ量が小さくなる。これに対し、上記特許文献2に開示されたステアリングコラム装置によれば、跳ね上げ機構とチルト機構とが独立しているので、上記のように相互に影響することを回避できるが、チルト機構は兎も角、跳ね上げ機構もモータ駆動とされているので、複雑な機構が要求され、高価な装置となる。
そこで、本発明は、チルト機構及び跳上機構を備えた車両のステアリング装置において、チルト機構と跳上機構を独立して操作し得ると共に、少なくとも跳上機構を運転者の手動操作によって容易に行い得る安価なステアリング装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、車体に対しステアリングコラムを揺動可能に支持し、ステアリングホイールの操作位置を調整し得るチルト機構と、前記ステアリングホイールを所定の跳ね上げ位置に保持し得る跳上機構を備えた車両のステアリング装置において、前記チルト機構が、前記車体の前方に配置した揺動中心回りに前記ステアリングコラムを揺動可能に支持する可動コラム部材と、対向する一対の保持部間に前記可動コラム部材を保持する可動ブラケットを具備して成り、前記跳上機構が、前記可動ブラケットの一対の保持部に夫々対向する一対の保持部を有し前記車体に固定される固定ブラケットと、該固定ブラケットに対し前記可動ブラケットを跳ね上げ方向に付勢する跳上付勢手段と、前記固定ブラケットの一対の保持部に対し前記車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し前記可動ブラケットに支持される係脱機構と、該係脱機構に連結し、前記固定ブラケットに対し前記可動ブラケットを初期位置又は跳上位置に保持する保持状態と該保持状態を解く解除状態とを選択的に操作し得る跳上操作レバーを具備することとしたものである。
上記ステアリング装置において、前記固定ブラケットが、前記一対の保持部における前記車体の左右方向の対称位置に夫々、少なくとも前記初期位置及び前記跳上位置で開口する係合孔を有すると共に、前記係脱機構が、前記車体の左右方向の対称位置にある前記係合孔に対し夫々係脱可能な係合部材を有する構成とするとよい。前記係合部材は、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し、同時に係脱可能な係合ピンで構成することができる。
例えば、前記係合ピンが一対のピンから成り、前記係脱機構が、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記一対のピンが係合する方向に付勢する一対のばね部材と、前記一対のピンに一端側を連結すると共に他端側を前記跳上操作レバーに連結する連結部材を具備し、該連結部材を介して前記跳上操作レバーの操作に応じて前記一対のピンを駆動し、前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記一対のピンが係合する保持状態と、前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記一対のピンが離脱する解除状態とを選択的に操作し得るように構成するとよい。
あるいは、前記固定ブラケットが、前記一対の保持部における前記係合孔を連結する前記係合孔の径より小幅の連結路を有し、前記係脱機構が、前記係合ピンの両端部に夫々、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し係合可能な係合部と、該係合部より小径で前記係合孔から離脱する縮径部を有し、前記係合ピンを、前記固定ブラケットの前記一対の保持部に対し前記車体の左右方向に移動可能に支持すると共に、前記固定ブラケットの前記一対の保持部において、夫々前記連結路に前記縮径部が対向したときに、前記縮径部が前記連結路に案内されて前記係合孔の一方側から他方側に移動可能に支持し、且つ、前記係合ピンを前記跳上操作レバーに連結して成り、前記跳上操作レバーの操作に応じて前記係合ピンを前記車体の左右方向に駆動し、前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記係合ピンの係合部が係合する保持状態と、前記一対の保持部における前記連結路に前記係合ピンの縮径部が対向し前記係合孔から離脱する解除状態とを選択的に操作し得るように構成するとよい。更に、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し前記係合ピンの前記係合部が係合するように、前記係合ピンを前記車体の左右方向に付勢するばね部材を備えたものとするとよい。
上記ステアリング装置において、前記跳上付勢手段は、前記固定ブラケットと前記可動ブラケットとの間に装着するばね部材で構成することができる。更に、上記ステアリング装置に対し、前記可動ブラケットを前記ステアリングコラムの軸方向に伸縮して前記ステアリングホイールの操作位置を調整し得るテレスコピック機構を備えたものとすることができる。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明のステアリング装置においては、チルト機構が、車体の前方に配置した揺動中心回りにステアリングコラムを揺動可能に支持する可動コラム部材と、対向する一対の保持部間に可動コラム部材を保持する可動ブラケットを具備して成り、跳上機構が、可動ブラケットの一対の保持部に夫々対向する一対の保持部を有し車体に固定される固定ブラケットと、該固定ブラケットに対し可動ブラケットを跳ね上げ方向に付勢する跳上付勢手段と、固定ブラケットの一対の保持部に対し車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し可動ブラケットに支持される係脱機構と、該係脱機構に連結し、固定ブラケットに対し可動ブラケットを初期位置又は跳上位置に保持する保持状態と該保持状態を解く解除状態とを選択的に操作し得る跳上操作レバーを具備しているので、チルト機構と跳上機構を独立して操作し得ると共に、運転者が操作レバーを手動で操作することによって、跳上機構を容易且つ確実に操作し、初期位置又は跳上位置に保持しあるいは解除状態とすることができる。
上記ステアリング装置において、固定ブラケットが、一対の保持部における車体の左右方向の対称位置に夫々、少なくとも初期位置及び跳上位置で開口する係合孔を有すると共に、係脱機構が、車体の左右方向の対称位置にある係合孔に対し夫々係脱可能な係合部材を有する構成とすれば、別途ロック機構を必要とすることなく、安価で高剛性の跳上機構を備えたステアリング装置を提供することができる。また、上記の係脱機構によりステアリングコラムを確実に跳上位置で保持することができるので、例えばステアリングホイールをつかんで支えとすることができ、車両への乗降が容易となる。
特に、係脱機構は、係合孔に対し同時に係脱可能な係合ピンを用いて安価に構成することができる。例えば、係合ピンが一対のピンから成り、係脱機構が、固定ブラケットの一対の保持部における係合孔に対し夫々一対のピンが係合する方向に付勢する一対のばね部材と、一対のピンに一端側を連結すると共に他端側を跳上操作レバーに連結する連結部材を具備し、該連結部材を介して跳上操作レバーの操作に応じて一対のピンを駆動するように構成すれば、モータを用いることなく手動にて容易には跳ね上げ操作を行うことができ、安価な装置とすることができる。
あるいは、固定ブラケットが、一対の保持部における係合孔を連結する係合孔の径より小幅の連結路を有し、係脱機構が、係合ピンの両端部に夫々、固定ブラケットの一対の保持部における係合孔に対し係合可能な係合部と、該係合部より小径で係合孔から離脱する縮径部を有し、係合ピンを、固定ブラケットの一対の保持部に対し車体の左右方向に移動可能に支持すると共に、固定ブラケットの一対の保持部において、夫々連結路に縮径部が対向したときに、縮径部が連結路に案内されて係合孔の一方側から他方側に移動可能に支持し、且つ、係合ピンを跳上操作レバーに連結して成り、跳上操作レバーの操作に応じて係合ピンを車体の左右方向に駆動し、一対の保持部における係合孔に対し夫々係合ピンの係合部が係合する保持状態と、一対の保持部における連結路に係合ピンの縮径部が対向し係合孔から離脱する解除状態とを選択的に操作し得るように構成すれば、別途ロック機構を必要とすることなく、安価で高剛性の跳上機構を備えたステアリング装置を提供することができる。しかも、上記の係脱機構によりステアリングコラムを確実に跳上位置で保持することができるので、例えばステアリングホイールをつかんで支えとすることができ、車両への乗降が容易となる。更に、係合ピンを車体の左右方向に付勢するばね部材を備えたものとすれば、モータを用いることなく手動にて容易には跳ね上げ操作を行うことができ、安価な装置とすることができる。
上記ステアリング装置において、跳上付勢手段を、固定ブラケットと可動ブラケットとの間に装着するばね部材で構成すれば、簡単な構造で安価な装置とすることができる。更に、テレスコピック機構を備えたものとすれば、チルト機構及びテレスコピック機構の両者を備えたステアリングコラムに対しても、運転者の手動操作によって跳上機構を容易且つ確実に操作することができる。
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1乃至図3は本発明の一実施形態に係るステアリング装置を示すもので、車体(図示せず)に対しステアリングコラム1が揺動可能に支持されており、ステアリングホイール(図示せず)の操作位置を調整し得るチルト機構2と、ステアリングホイールを所定の跳ね上げ位置に保持し得る跳上機構3が配設されている。本実施形態では、ステアリングホイールはアッパシャフト11の後端に支持され、これを囲繞するように同軸上にアッパチューブ12が配置され、これらアッパシャフト11及びアッパチューブ12は、一体となって軸方向移動し得るように構成されている。一方、転舵機構(図示せず)に接続されるロアシャフト13を囲繞するように同軸上にロアチューブ14が配置され、このロアチューブ14内をアッパチューブ12が軸方向に摺動自在に収容されており、テレスコピック機構が構成されている。尚、図1及び図2ではロアチューブ14及びアッパチューブ12をまとめて可動コラム部材10として表している。
上記のチルト機構2は、車体の前方に配置した揺動中心(C)回りにステアリングコラム1を揺動可能に支持する可動コラム部材10と、対向する一対の保持部21,22(図4に示す)間に可動コラム部材10を保持する可動ブラケット20を具備している。而して、運転者によるチルト操作レバー24の操作に応じて、可動コラム部材10を揺動中心(C)に対し所望の傾斜角度のチルト位置に調整することができ、その機構は従前のものと同様であるので説明は省略するが、図1及び図2に示すように、チルト操作レバー24は可動ブラケット20に回転可能に支持されている。
また、跳上機構3は、可動ブラケット20の一対の保持部21,22に夫々対向する一対の保持部31,32(図3に示す)を有し車体に固定される固定ブラケット30と、この固定ブラケット30に対し可動ブラケット20を跳ね上げ方向に付勢する跳上付勢手段として引張コイルばねから成るばね部材50と、固定ブラケット30の一対の保持部31,32に対し車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し可動ブラケット20に支持される係脱機構4を具備している。更に、この係脱機構4に跳上操作レバー44が連結されており、固定ブラケット30に対し可動ブラケット20を初期位置(図1のH1に対応)又は跳上位置(図2のH2に対応)に保持する保持状態と、その保持状態を解く解除状態とが選択的に操作される。
図3に示すように、固定ブラケット30は、一対の保持部31,32における車体の左右方向の対称位置に夫々、少なくとも上記の初期位置で開口する係合孔H1,H1並びに跳上位置で開口する係合孔H2,H2が形成されている。可動ブラケット20の一対の保持部21,22間に筒状部材23が配設されている。この筒状部材23は中央部下方に開口しており、この開口部を介して係合部材40が装着される。
本実施形態の係合部材40は、固定ブラケット30の係合孔H1,H1並びにH2,H2に対し、同時に係脱可能な一対のピン41,42で構成され、プレート43の両側に一対の圧縮コイルばねから成るばね部材45,46が設けられ、固定ブラケット30の係合孔H1,H1並びにH2,H2に対し夫々ピン41,42の各先端の係合部41p,42pが係合する方向に付勢するように配置される。更に、一端側が分割されたワイヤ47によって連結部材が構成され、その係止端部e1,e2が一対のピン41,42の係止部41f,42fに連結されると共、他端側が跳上操作レバー44に連結されている。
上記の構成に成る係合部材40は筒状部材23に収容され、図4の斜視図及び図5下方の平面図に示すように組み付けられる。而して、跳上操作レバー44の操作に応じてワイヤ47を介してピン41,42が駆動され、一対の保持部31,32における係合孔H1,H1並びにH2,H2に対し、夫々ピン41,42が係合する保持状態と、これらの係合孔からピン41,42が離脱する解除状態とが選択的に操作される。
上記の構成になるステアリング装置において、図5及び図6を参照して跳上機構3及び係脱機構4による跳ね上げ操作を説明すると、図5は跳ね上げ操作前の状態を示している。このとき、係合部材40のピン41,42は夫々固定ブラケット30の係合孔H1,H1に係合した初期位置(図1のH1に対応)に保持されている。この保持状態から跳上操作レバー44が車体後方(図6の(A)の白抜矢印方向)に引かれると、図6の(A)に示すように、ピン41,42が係合孔H1,H1から離脱し、係合部材40は固定ブラケット30との係合が解除される。すると、ばね部材50(図3)の付勢力によって可動ブラケット20(ひいては可動コラム部材10)が跳ね上げ方向に移動し、図2に示すように、ステアリングコラム1は揺動中心(C)回りに揺動して、水平方向に対し角度αをなす跳ね上げ状態となる。
そして、上記の跳上位置で跳上操作レバー44を離せば、ばね部材45,46の付勢力によって、図6の(B)に示すように、ピン41,42は係合孔H2,H2と係合する方向(白抜矢印方向)に戻り、以後、係合部材40(ひいては可動ブラケット20)と固定ブラケット30との係合状態が保持される。このように、係合部材40のピン41,42は固定ブラケット30の係合孔H2,H2に係合した跳上位置(図2のH2に対応)に容易に移行することができ、確実に保持状態を維持することができる。
而して、本実施形態によれば、チルト機構2と跳上機構3を独立して手動操作し得ると共に、運転者が跳上操作レバー44を操作することによって、跳上機構3を容易且つ確実に操作し、初期位置(図1)又は跳上位置(図2)に保持しあるいは解除状態とすることができる。従って、運転者は、跳上位置で保持状態(ロック)とされたステアリングホイール(図示せず)をつかんで容易に降車することができ、次回の乗車時にも、ステアリングホイールが跳上位置で保持状態とされているので、ステアリングホイールをつかんで容易に乗車することができる。
図7乃至図11は本発明の他の実施形態に係るステアリング装置を示すもので、図1乃至図6に記載の実施形態と実質的に同一の部材については同一の符号を付して説明は省略する。本実施形態においては、固定ブラケット30の一対の保持部31,32における係合孔H1,H1並びにH2,H2を連結し、これらの径より小幅の連結路H3,H3を有する長孔形状に形成されている。尚、可動ブラケット20の一対の保持部21,22間に配設される筒状部材23xは円筒形状であり、前述の実施形態とは異なり、筒状部材23xの一方の開口端を介して係合部材40xが装着される。
本実施形態の係脱機構4xにおいては、図9及び図10に示すように、係合部材40xとして、一本の異形断面の係合ピンが用いられ、その両端部に夫々、保持部31,32における係合孔H1,H1並びにH2,H2に対し係合可能な係合部41x,42xと、これら係合部より小径で係合孔H1,H1並びにH2,H2から離脱する縮径部41y,42yを有する。この係合部材(係合ピン)40xは、固定ブラケット30の一対の保持部31,32に対し車体の左右方向に移動可能に支持されると共に、固定ブラケット30の一対の保持部31,32において、夫々連結路H3,H3に縮径部41y,42yが対向したときに、縮径部41y,42yが連結路H3,H3に案内されて係合孔H1,H1並びにH2,H2の一方側から他方側に移動可能に支持されている。
本実施形態においては、係合部材(係合ピン)40xの一端部が端面カム機構48を介して跳上操作レバー44xに連結されており、固定ブラケット30に対し可動ブラケット20を初期位置(図7のH1に対応)又は跳上位置(図7のH2に対応)に保持する保持状態と、その保持状態を解く解除状態とが選択的に操作される。端面カム機構48は、図9に示すように、係合部材40xの一端部に一体的に形成されたカム部48xと、跳上操作レバー44xの一端部に一体的に形成されたカム部48yによって構成され、カム部48x及びカム部48yが対向するように配置され、両者の端面が段差カム形状に形成されている。そして、係合部材40xの他端部が、圧縮コイルばねから成るばね部材45x及びスペーサ45yを挿通して、筒状部材23x内に挿入され、ばね部材45xが係合部材40xのカム部48xとスペーサ45yとの間で圧縮された状態で保持されるように、係合部材40xが跳上操作レバー44xと共に、即ち、カム部48x及びカム部48yが夫々のカム面で圧接された状態で保持されるように、係合部材40xが跳上操作レバー44xと共に、押えブラケット20yによって可動ブラケット20にボルト固定されている。
上記のように組み付けられた係合部材40xは、図9に示すように配置され、図10及び図11に示すように組み付けられる。而して、跳上操作レバー44xの操作に応じて係合部材40xが駆動され、一対の保持部31,32における係合孔H1,H1並びにH2,H2に対し、夫々係合部41x,42xが係合する保持状態と、これらから係合孔H3,H3を介して係合部41x,42xが離脱する解除状態とが選択的に操作される。
上記の構成になるステアリング装置において、図10及び図11は跳ね上げ操作前の状態を示している。このとき、カム部48x及びカム部48yの端面間の距離が最大とされ、ばね部材45xの付勢力に抗して係合部材(係合ピン)40xが固定ブラケット30方向に押圧されており、係合部41x,42xが夫々固定ブラケット30の係合孔H1,H1に係合した初期位置(図7のH1に対応)に保持されている。この保持状態から跳上操作レバー44xが(例えば車両後方側に)操作されると、カム部48x及びカム部48yの端面間の距離が最小となり、ばね部材45xの付勢力によって係合部材40xが押えブラケット20y方向に移動し、係合部41x,42xが係合孔H3,H3を介して係合孔H1,H1から離脱し、係合部材(係合ピン)40xは固定ブラケット30との係合が解除される。この結果、ばね部材50の付勢力によって可動ブラケット20(ひいては可動コラム部材10)が跳ね上げ方向に移動し、図8に示すように、ステアリングコラム1は揺動中心(C)回りに揺動して、水平方向に対し角度αをなす跳ね上げ状態となる。
そして、上記の跳上位置で跳上操作レバー44xが(例えば車両前方側に)操作されると、ばね部材45xの付勢力に抗して係合部材(係合ピン)40xが押圧され、図10に示すように、係合部材(係合ピン)40xは係合孔H2,H2と係合する方向に戻され、係合部材40x(ひいては可動ブラケット20)と固定ブラケット30との係合状態が保持される。このように、係合部材(係合ピン)40xは、その縮径部41y,42yが連結路H3,H3に案内されて、跳上位置(図8のH2に対応)に容易に移行することができる。そして、固定ブラケット30の係合孔H2,H2に至ると、ばね部材45xの付勢力によって、その係合部41x,42xが係合孔H2,H2に係合され、確実に保持状態を維持することができる。
而して、本実施形態においても、チルト機構2と跳上機構3を独立して手動操作し得ると共に、運転者が跳上操作レバー44xを操作することによって、跳上機構3を容易且つ確実に操作し、初期位置(図7)又は跳上位置(図8)に保持しあるいは解除状態とすることができる。従って、運転者は車両への乗降時に、跳上位置に保持されたステアリングホイール(図示せず)をつかんで支えとすることができるので、乗降が容易となる。
更に、上記の各実施形態においては、チルト操作レバー24を操作すれば、チルト機構2によってステアリングホイールを所望の操作位置に調整することができる。即ち、上記の跳ね上げ操作とは独立してチルト操作を行うことができる。同様に、上記の跳ね上げ操作とは独立して、前述のテレスコピック機構によってステアリングコラム1を短縮又は伸長する方向に駆動し、ステアリングホイールを所望の操作位置に調整することができる。
尚、テレスコピック機能を必要としなければ、アッパチューブ12及びロアチューブ14を一体に形成して単一部材の可動コラム部材を構成すると共に、アッパシャフト11とロアシャフト13を一体的に形成すれば、テレスコピック機能を備えていないが、チルト機能を備えたステアリング装置を提供することができる。
1 ステアリングコラム
2 チルト機構
3 跳上機構
4,4x 係脱機構
C 揺動中心
10 可動コラム部材
20 可動ブラケット
24 チルト操作レバー
30 固定ブラケット
40,40x 係合部材
44,44x 跳上操作レバー
48 端面カム機構
45,45x,46 ばね部材
50 ばね部材
2 チルト機構
3 跳上機構
4,4x 係脱機構
C 揺動中心
10 可動コラム部材
20 可動ブラケット
24 チルト操作レバー
30 固定ブラケット
40,40x 係合部材
44,44x 跳上操作レバー
48 端面カム機構
45,45x,46 ばね部材
50 ばね部材
Claims (8)
- 車体に対しステアリングコラムを揺動可能に支持し、ステアリングホイールの操作位置を調整し得るチルト機構と、前記ステアリングホイールを所定の跳ね上げ位置に保持し得る跳上機構を備えた車両のステアリング装置において、前記チルト機構が、前記車体の前方に配置した揺動中心回りに前記ステアリングコラムを揺動可能に支持する可動コラム部材と、対向する一対の保持部間に前記可動コラム部材を保持する可動ブラケットを具備して成り、前記跳上機構が、前記可動ブラケットの一対の保持部に夫々対向する一対の保持部を有し前記車体に固定される固定ブラケットと、該固定ブラケットに対し前記可動ブラケットを跳ね上げ方向に付勢する跳上付勢手段と、前記固定ブラケットの一対の保持部に対し前記車体の左右方向で夫々係脱可能に配置し前記可動ブラケットに支持される係脱機構と、該係脱機構に連結し、前記固定ブラケットに対し前記可動ブラケットを初期位置又は跳上位置に保持する保持状態と該保持状態を解く解除状態とを選択的に操作し得る跳上操作レバーを具備して成ることを特徴とする車両のステアリング装置。
- 前記固定ブラケットが、前記一対の保持部における前記車体の左右方向の対称位置に夫々、少なくとも前記初期位置及び前記跳上位置で開口する係合孔を有すると共に、前記係脱機構が、前記車体の左右方向の対称位置にある前記係合孔に対し夫々係脱可能な係合部材を有することを特徴とする請求項1記載の車両のステアリング装置。
- 前記係合部材が、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し、同時に係脱可能な係合ピンであることを特徴とする請求項2記載の車両のステアリング装置。
- 前記係合ピンが一対のピンから成り、前記係脱機構が、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記一対のピンが係合する方向に付勢する一対のばね部材と、前記一対のピンに一端側を連結すると共に他端側を前記跳上操作レバーに連結する連結部材を具備し、該連結部材を介して前記跳上操作レバーの操作に応じて前記一対のピンを駆動し、前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記一対のピンが係合する保持状態と、前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記一対のピンが離脱する解除状態とを選択的に操作し得るように構成したことを特徴とする請求項3記載の車両のステアリング装置。
- 前記固定ブラケットが、前記一対の保持部における前記係合孔を連結する前記係合孔の径より小幅の連結路を有し、前記係脱機構が、前記係合ピンの両端部に夫々、前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し係合可能な係合部と、該係合部より小径で前記係合孔から離脱する縮径部を有し、前記係合ピンを、前記固定ブラケットの前記一対の保持部に対し前記車体の左右方向に移動可能に支持すると共に、前記固定ブラケットの前記一対の保持部において、夫々前記連結路に前記縮径部が対向したときに、前記縮径部が前記連結路に案内されて前記係合孔の一方側から他方側に移動可能に支持し、且つ、前記係合ピンを前記跳上操作レバーに連結して成り、前記跳上操作レバーの操作に応じて前記係合ピンを前記車体の左右方向に駆動し、前記一対の保持部における前記係合孔に対し夫々前記係合ピンの係合部が係合する保持状態と、前記一対の保持部における前記連結路に前記係合ピンの縮径部が対向し前記係合孔から離脱する解除状態とを選択的に操作し得るように構成したことを特徴とする請求項3記載の車両のステアリング装置。
- 前記固定ブラケットの前記一対の保持部における前記係合孔に対し前記係合ピンの前記係合部が係合するように、前記係合ピンを前記車体の左右方向に付勢するばね部材を備えたことを特徴とする請求項5記載の車両のステアリング装置。
- 前記跳上付勢手段が、前記固定ブラケットと前記可動ブラケットとの間に装着するばね部材であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両のステアリング装置。
- 前記可動コラム部材を前記ステアリングコラムの軸方向に伸縮して前記ステアリングホイールの操作位置を調整し得るテレスコピック機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の車両のステアリング装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2010255790A JP2012106555A (ja) | 2010-11-16 | 2010-11-16 | 車両のステアリング装置 |
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JP2010255790A JP2012106555A (ja) | 2010-11-16 | 2010-11-16 | 車両のステアリング装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016068578A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-05-09 | ヒルタ工業株式会社 | ステアリングコラム装置 |
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2010
- 2010-11-16 JP JP2010255790A patent/JP2012106555A/ja active Pending
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