JP2012102814A - リテーナ及びリテーナを用いた取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雄部32が互いに反対位置に設けた雄側第1側部36及び雄側第2側部37と、雄側第1側部36より先端側で雄側第1側部36より側方に突出した爪部35と、を備え、雄側第2側部37が先端側で雄側第1側部36に近接する傾斜面を有し、雌部42が互いに離間した受け部44及び支持部45と、雌側ベース部41に開設したベース穴部48と、を備え、受け部44は雄部32及び支持部45より弾性変形可能に雌側ベース部41から突設されて雄側第1側部36が当接する雌側第1側部46と爪部35が係止する係止穴部49とを有し、支持部45は雄側第2側部37が当接する雌側第2側部47を有し、雌側第2側部47は先端側ほど雌側第1側部46との間が離間する傾斜面を有し、雄部32を収容部43に挿入すると爪部35が受け部44を弾性変形して係止穴部49に係止する。
【選択図】図6
Description
下記特許文献1には雌部材及び雄部材からなるクリップが開示されている。雌部材は、パネルの取付孔に挿入される筒状の胴部と、胴部の周囲から外側に突出して設けられて胴部内へ縮径可能な係止爪とを備え、雄部材は胴部を押圧するフランジ部と、胴部に挿入して係止爪の縮径を規制する軸部とを備えている。
このクリップでは、雄部材により押圧されて雌部材の胴部が取付孔に挿入される際、爪部が取付孔に圧接して縮径し、取付孔を通過後に復元する。雄部材の軸部分がさらに胴部内に挿入されると軸部分で係止爪の縮径が規制される。これにより雌部材がパネルの取付孔に固定され、雄部材が雌部材の胴部により固定される。
このクリップ体では、内部材を一対の係止板間に挿通した状態で、パネルの組付孔に挿入し、パネルと内装品との間でフランジ部を挟持すると、押圧板が変形して係止板を押圧し、組付孔の周縁部と係合される。
プロテクタ22はリヤスポイラー21の側縁側背面と側縁周囲を覆うものであり、リヤスポイラー21の側縁付近の形状に対応した形状で弾性材料により形成されている。このプロテクタ22は図示しない位置でバックドア13のインナーパネル15に固定され、リヤスポイラー21の側縁付近の背面側でクリップ60を用いて固定されている。
取付状態では、プロテクタ22とリヤスポイラー21の背面及び側縁周囲との間に所定の間隙が形成され、さらにプロテクタ22の端部26aとリヤスポイラー21の表面との間に雨水等が通水可能な間隙27が形成される。
このような取付構造では、弾性材料からなるプロテクタ22をバックドア13に固定した状態で、端部26a付近を上述のようなクリップ60を用いて固定することで、プロテクタ22の端部26aとリヤスポイラー21との間の間隔を保って配設することが可能である。
仮にリヤスポイラー21の内部に雌部材61を収容せずに固定するとすれば、リヤスポイラー21とプロテクタ22との間の間隙が著しく大きなものとなる。
そのため、側縁側が薄肉に形成されたリヤスポイラー21の場合、クリップ60を用いて装着することは非常に困難であった。
ところがクリップ60の場合には、雌部材61に対して雄部材63が固定される位置が特定されるため、リヤスポイラー21とプロテクタ22との相対位置を規制できるが、面ファスナ64の場合、リヤスポイラー21とプロテクタ22との間の相対位置を規制することができない。プロテクタ22の端部26aとリヤスポイラー21の表面との間の間隙27は、広くなると外観品質が低下し、狭いと雨水が通水できないため、リヤスポイラー21とプロテクタ22との間の相対位置を精度良く合わせて固定する必要があるが、そのような位置合わせが困難であった。
雌部の受け部が雄部及び支持部より弾性変形可能となるように雌側ベース部から突設され、雄部が雌部の収容部に挿入されたとき爪部が受け部を弾性変形させて係止穴部に係止するように構成されている。そのため、雄部の雄側第2側部及び支持部の雌側第2側部を弾性変形しない程度に硬く形成でき、雄部が支持部に当接して案内される際に円滑に移動できる。これにより雄部の雄側第2側部及び支持部の雌側第2側部を挿入方向に対して大きく傾斜させることが可能となり、雄部の先端側を十分に狭くでき、また雌部の収容部を十分に広く開口させることができる。その結果、雄側ベース部からの雄部の突出量や雌側ベース部からの支持部の突出量を小さく抑えつつ、雄部と雌部の収容部との間の位置ずれをより広い範囲で位置合わせすることができる。
しかも、雌側ベース部の収容部に対応する位置にベース穴部を有し、係止状態で、雄部の先端側をベース穴部に収容するように構成されている。そのため、雄部の爪部を受け部の係止穴部に係止した状態で、雄側ベース部と雌側ベース部との間の間隙をより小さく抑えることができる。
従って、本発明のリテーナによれば、高さ方向の省スペース化を図れて位置合わせ可能なリテーナを提供することができる。
このようにすれば、受け部がより弾性変形し易くなるため、雄部の雄側第2側部及び支持部の雌側第2側部を挿入方向に対してより大きく傾斜させることができ、より高さ方向の省スペース化を図れる。
そのため爪部が係止される架橋片の一部を容易に所望量変位させることができ、受け部の雌側ベース部からの突出量を少なく抑えて弾性変形する量を確保できる。よって雌部の高さ方向の省スペース化を図ることができる。また、二段階に変形させることで受け部を変形するのに要する力を小さくできるため、雄部を雌部の収容部に挿入して爪部を係止穴部に係止させる際の押圧力を小さく抑えられ、リテーナの装着作業を容易にできる。
しかも受け部が弾性変形し易くても、受け部の固定部が雌側ベース部から略直交方向に突設されているため、雄部に雌部の収容部から離脱させる方向の力が作用した際には、受け部が変形し難くて係止状態が解除することを防止でき、十分な固定力を確保できる。
従って、高さ方向の省スペース化を図れて容易に係止できるリテーナを提供することができる。
従って、被取付部材に対して取付部材を容易に位置合わせして取り付けられ、被取付部材の内部に空間を設けることなく高さ方向の省スペース化を図れる取付構造を提供することができる。
爪部35は、雄側第1側部36より先端側に設けられ、雄側第1側部36より側方に突出している。爪部35の係止位置となる内側面35aは雄側第1側部36に対して鋭角に形成されている。
雄部32の先端には、爪部35の側方への突出量以上の先端案内部38を備えている。先端案内部38は平面状に形成され、雄側第2側部37とは逆勾配の傾斜面となっている。
雄側第2側部37の先端側には平面状の先端位置決め部39を備える。この先端位置決め部39は角部39aを介して雄側第2側部37と連続して設けられている。
本実施形態の受け部44は、雌側ベース部41から略直交方向に突設された平板状の受けプレートからなる。平板状とは厚みが幅及び長さに比較して十分に薄い形状であればよい。受け部44の厚みは雌部42の材料の引っ張り強度や弾性等に応じて適宜設定でき、薄い程変形し易くでき、受け部44が側方へ傾倒し易くなる。
受け部44の係止穴部49は貫通孔であるのがよい。貫通孔であれば、受け部44が変形し易くでき、受け部44が弾性変形する際、固定片51と架橋片52とで変形部位を分散し易くできる。ここでは、係止穴部49は一対の固定片51及び架橋片52により周縁が形成された略四角形形状の貫通孔となっている。爪部35の内側面35aが係止される架橋片52の係止面52aは、爪部35の内側面と同様の傾斜面からなる。
架橋片52及び係止穴部49の雌側ベース部41に沿う長さ、即ち一対の固定片51間の距離は、雄部32の爪部35の雄側ベース部31に沿う長さより大きく形成されている。これにより爪部35が架橋片52を押圧した際、架橋片52が弾性により側方に撓み易くなる。
この支持部45には、雌側第2側部47の両端側に互いに対向する一対の端部案内部53が設けられている。一対の端部案内部53は平面からなり、それぞれ係止穴部49に隣接する位置に配設されて、支持部45の先端側ほど互いに離間する傾斜面となっている。
傾斜角度が過剰に小さいと、十分な案内作用が得られず、装着時の装着荷重が大きくなる。一方、傾斜角度が過剰に大きいと、装着荷重は小さく抑えられるものの、雌部42の収容部43における案内作用を確保するための所望の開口量を確保するには、雌側ベース部41からの突出量が大きくなり、高さ方向の省スペース化を実現し難くなる。
なお、雌側ベース部41は収容部43に対応する部位の厚みが他の部位の厚みより薄く形成されている。これにより受け部44がより傾倒し易くなっている。
本実施形態では、雄部材30と雌部材40が同一樹脂によりそれぞれ一体に形成されている。雨水が接触するため吸水性の低い樹脂を用いるのが好適であり、例えばPBT、ABS等の樹脂を用いることができる。
なお、雌部42の受け部44が一対の固定片51及び架橋片52により構成されているため、後述するように、係止時に受け部44の変形部位を分散できる。そのため各部に負荷される応力を分散できることで、硬質の材料であっても使用可能であり、逆に、より軟質の材料であっても強度を確保できれば使用可能である。
図6(a)に示すように、リヤスポイラー21の取付座28に雄部材30の雄側ベース部31を両面テープ33により固定し、プロテクタ22の取付座28に雌部材40の雌側ベース部41を両面テープ33で固定する。台座位置決め部29が設けられている場合、各ベース部31,41の側縁を台座位置決め部29に当接させて固定する。
これによりリヤスポイラー21とプロテクタ22とを対向させた際、互いに対向する位置に雄部材30と雌部材40とが対を構成するように配置される。これらの位置はプロテクタ22の裏側において周縁より内側の中間位置となっている。
このとき、雌部42の収容部43に対する雄部32の位置ずれが大きくても、仮想線で示すように、先端案内部38が受け部44の先端に当接したり、雄部32の先端が支持部45の雌側第2側面47に当接することで、これらの傾斜により所定の位置に案内される。
また収容部43に沿う両端間の長さが爪部35の長さに対して長く形成されているが、長さ方向の位置ずれがさらに大きい場合には、雄部32が端部案内部53に当接することで、所定の位置に案内される。
雄部材30と雌部材40が傾いて挿入された場合には、図6(c)に示すように、雄部材30の雄側第2側部37が支持部45に当接して案内され、その後同様に爪部35が受け部44の架橋片52に当接して受け部44を弾性変形させる。
このとき、雄部32の雄側第1側部36、雄側第2側部、爪部35は変形せず、雌部42の支持部45の雌側第2側部47や底部位置決め部55も変形せずに、雌部42の収容部に雄部32が挿入される。
係止状態では、雄側第1側部36が雌側第1側部46に当接し、雄側第2側部37が雌側第2側部47に当接する。また雄部32の先端側がベース穴部48に収容され、先端位置決め部39が底部位置決め部55に当接する。
従って、このリテーナ20によれば、雄部32を雌部42の収容部43に容易に位置合わせして係止でき、高さ方向の省スペース化を図ることが可能である。
これにより各変形部位の変形量を小さく抑えて、係止穴部49における爪部35が係止される部分を所望量変形させることができ、雄部32を雌部42の収容部43に挿入して爪部35を係止穴部49に係止させる際の押圧力を小さく抑えることができてリテーナ20の装着作業がより容易になる。
また受け部44がより弾性変形し易くなることで、雄部32の雄側第2側部37及び支持部45の雌側第2側部47を挿入方向に対してより大きく傾斜させることができ、より高さ方向の省スペース化を図れる。
雄部32と雌部42の位置ずれの許容範囲が広いため、接合時にプロテクタ22とリヤスポイラー21とを対向させて近接させれば、所定の相対位置関係に容易に位置合わせして接合できる。しかも位置ずれの許容範囲を広く確保していても、雄側ベース部31と雌側ベース部41との間の間隙を小さく抑えることができるため、接合状態でプロテクタ22とリヤスポイラー21との間の間隔を小さく抑えることが可能である。
従って、被取付部材に対してリヤスポイラー21を容易に位置合わせして装着することができ、被取付部材の内部に空間を設けることなく高さ方向の省スペース化を図ることができる。
しかも、雄側第2側部37及び雌側第2側部47が縁部に沿うように設けられるので、リテーナ20の雄部32材を雌部42材の収容部43に係止させることで、プロテクタ22の側縁被覆部26をリヤスポイラー21の側縁に対して所定の位置に間隙を設けて精度よく配置でき、その状態を維持することが可能である。
例えば上記では被取付部材がリヤスポイラー21であり、取付部材がプロテクタ22の例について説明したが、リテーナを用いて取付可能であれば、被取付部材及び取付部材は特に限定されず、他の自動車用部材やその他の部材であっても適用可能である。
上記では、雄側ベース部31と雄部32が一体の雄部材30、雌側ベース部41と雌部42が一体の雌部材40を用いた例について説明した。しかし、一方又は双方において各ベース部31,41が被取付部材や取付部材の一部からなり、各種の部材に雄部32又は雌部42が直接に設けられていても、本発明を適用することは可能である。また固定方法も両面テープ33に限らず、接着剤やビス等の締結手段等により固定してもよい。
12 サイドパネル
13 バックドア
14 アウターパネル
15 インナーパネル
20 リテーナ
21 リヤスポイラー
22 プロテクタ
23 固定部
24 被覆部
25 背面被覆部
26 側縁被覆部
26a 端部
27 間隙
27a 開口
28 取付座
29 台座位置決め部
30 雄部材
31 雄側ベース部
32 雄部
33 両面テープ
34 脚部
35 爪部
35a 内側面
36 雄側第1側部
37 雄側第2側部
38 先端案内部
39 先端位置決め部
39a 角部
40 雌部材
41 雌側ベース部
42 雌部
43 収容部
44 受け部
45 支持部
48 ベース穴部
46 雌側第1側部
47 雌側第2側部
49 係止穴部
51 固定片
52 架橋片
52a 係止面
53 端部案内部
54 スリット
55 底部位置決め部
60 リテーナ
61 雌部材
62 取付孔
63 雄部材
63a 先端
64 面ファスナ
Claims (5)
- 雄側ベース部に突設された雄部と、雌側ベース部に設けられた雌部とを備え、上記雄部を上記雌部の収容部に挿入して係止するリテーナにおいて、
上記雄部は、側周囲の互いに反対位置に設けられた雄側第1側部及び雄側第2側部と、該雄側第1側部より先端側に設けられて該雄側第1側部より側方に突出した爪部と、を備え、上記雄側第2側部は上記雄部の先端側で上記雄側第1側部に近接する傾斜面を有し、
上記雌部は、上記収容部を形成するように上記雌側ベース部に互いに離間して配設された受け部及び支持部と、上記雌側ベース部の上記収容部に対応する位置に開設されたベース穴部と、を備え、
上記受け部は、上記雄部及び上記支持部より弾性変形可能に上記雌側ベース部から突設され、且つ上記雄側第1側部が当接する雌側第1側部と上記爪部が係止する係止穴部とを有し、
上記支持部は上記雄側第2側部が当接する雌側第2側部を有し、該雌側第2側部は上記支持部の先端側ほど上記雌側第1側部との間が離間する傾斜面を有し、
上記雄部が上記収容部に挿入されるとき、該雄部が上記雌側第2側部に案内されることで上記爪部が上記受け部を弾性変形させて上記係止穴部に係止され、係止状態では、上記雄部の先端側が上記ベース穴部に収容され、上記雄側第1側部及び上記雄側第2側部がそれぞれ上記雌側第1側部及び上記雌側第2側部に当接することを特徴とするリテーナ。 - 前記受け部は、前記雌側ベース部から略直交方向に突設され該雌側ベース部に根元部で固定された一対の固定片と、該一対の固定片間に架設されて前記雌側第1側部を有する架橋片とを備え、上記架橋片が前記爪部より長く形成されて該架橋片及び上記一対の固定片により前記係止穴部の周縁が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のリテーナ。
- 雄側ベース部に突設された雄部と、雌側ベース部に設けられた雌部とを備え、上記雄部を上記雌部の収容部に挿入して係止するリテーナにおいて、
上記雄部は側周囲より側方に突出する爪部を備え、
上記雌部は上記雌側ベース部から略直交方向に突設されて弾性変形可能な受け部を備え、該受け部は、該雌側ベース部に根元部で固定された一対の固定片と、該一対の固定片間に架設されて上記爪部より長い架橋片と、該架橋片及び上記一対の固定片により周縁が形成されて上記爪部が係止可能な係止穴部と、を備え、
上記雄部が上記収容部に挿入されるとき、上記爪部が上記架橋片を押圧することで、上記受け部を弾性により側方に傾倒させると共に上記架橋片を弾性により上記側方に撓ませて、上記爪部が上記係止穴部に係止されることを特徴とするリテーナ。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のリテーナを備え、
被取付部材及び取付部材の各所定位置に、前記雄側ベース部と雌側ベース部とが対を構成するように配設され、前記雄部を前記雌部の収容部に係止することで、上記被取付部材に上記取付部材が取り付けられていることを特徴とする、リテーナを用いた取付構造。 - 前記被取付部材はバックドアに装着されたリヤスポイラーであり、前記取付部材は上記バックドアのインナーパネル及び上記リヤスポイラーの側部側に取り付けられる不透明弾性材料からなるバックドアプロテクタであり、
上記バックドアプロテクタは、上記インナーパネルに固定される固定部と、上記リヤスポイラーの側縁と所定の間隙を設けて対向配置される側縁被覆部と、を備え、
前記雄部は前記雄側第2側部が上記側縁被覆部に沿うように上記バックドアプロテクタの所定位置に配設され、前記雌部は前記雌側第2側部が上記リヤスポイラーの側縁に沿うように上記リヤスポイラーの所定位置に配設されていることを特徴とする、請求項4に記載の取付構造。
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