JP2012092161A - コーティング剤および被膜形成品 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の表面を保護するとともに基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制することができるコーティング剤を提供する。
【解決手段】側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と、硬化剤と、親水性有機微粒子とを含有するコーティング剤としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、内装材などの基材に使用されるコーティング剤および被膜形成品に関する。
近年、我が国においては建物の高気密化・高断熱化が進み、建造物内で発生した湿気が内部にこもりやすいという問題がある。建造物内における湿気は、結露を生じさせ、染みなどの外観上・表面上の問題、腐朽菌やシロアリの発生による木質建材の腐食の問題など建築構造として深刻な問題を引き起こすことがある。また、室内空間においてダニの繁殖やカビの発生を促進させ、皮膚の痒みや喘息などの健康上の問題をも引き起こすという問題もある。
このような問題を解決するために、調湿機能を有する材料を内装材として使用する方法が有効であり、無機多孔体を用いた壁紙などのシート状の建材(特許文献1)や無機多孔体を用いたボード状の建材(特許文献2)などの調湿性部材が知られている。
上記の調湿性部材では、無機多孔体の細孔に対して水蒸気が吸着・放散されるなどして調湿機能が発揮される。しかしながら、調湿性部材は、構造上多くの空隙を有するため表面強度が低いという課題がある。
そこで、調湿性部材の表面を保護するために、調湿性部材の表面に樹脂層を設ける方法(特許文献3)や、無機多孔体および多孔質被膜形成材料などを含有するコーティング剤(特許文献4)が提案されている。
特開昭64−6181号公報 特開平11−207853号公報 特開2002−35534号公報 特開2010−174172号公報
特許文献3記載の方法では、表面に設けられた樹脂層によって調湿性部材が効果的に保護される。しかしながら、調湿性部材への水蒸気の透過が樹脂層によって遮断されるため、調湿性部材の調湿機能が低下するという問題がある。
特許文献4記載のコーティング剤は、多孔質の連続被膜を形成し、その被膜は透湿性を有する。このため、調湿性部材の表面にコーティング剤が塗布されて被膜が形成されると、その形成被膜により調湿性部材の表面が保護されるとともに、形成被膜の有する透湿性により調湿性部材の調湿機能が効率よく発揮される。この形成被膜の透湿性はコーティング剤に含有されている無機多孔体によるものであるが、無機多孔体の細孔表面が多孔質被膜形成材料の樹脂成分で覆われてしまう場合がある。この場合には形成被膜の透湿性が低下し、調湿性部材の調湿機能を効率よく発揮させることができない。透湿性を高めるために無機多孔体の添加量を多くすることも考えられるが、そうすると形成被膜の耐久性が低下し、調湿性部材の表面を十分に保護することができない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、基材の表面を保護するとともに基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制することができるコーティング剤および被膜形成品を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のコーティング剤は、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と、硬化剤と、親水性有機微粒子とを含有することを特徴とする。
このコーティング剤においては、架橋性有機樹脂は、側鎖に親水基を有する架橋性アクリル樹脂であることが好ましい。
また、このコーティング剤においては、架橋性有機樹脂の側鎖の親水基が、アミド基およびカルボキシル基のうち少なくとも一方の官能基であることが好ましい。
さらにまた、このコーティング剤においては、架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、硬化剤がイソシアネート化合物であることが好ましい。
そして、このコーティング剤においては、親水性有機微粒子は、親水性アクリル樹脂微粒子であることが好ましい。
このコーティング剤においては、親水性有機微粒子は、アミド基およびカルボキシル基のうち少なくとも一方の官能基を有する有機微粒子であることが好ましい。
また、コーティング剤においては、親水性有機微粒子の含有率が、架橋性有機樹脂および硬化剤の樹脂固形分と親水性有機微粒子との合計量に対して3重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
さらにまた、このコーティング剤においては、親水性有機微粒子の平均粒子径が、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
そして、本発明の被膜形成品は、上記のいずれかのコーティング剤の硬化被膜が調湿性部材の表面に形成されていることを特徴とする。
本発明のコーティング剤および被膜形成品によれば、基材の表面を保護するとともに基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のコーティング剤は、バインダー成分としての、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂(以下、単に、架橋性有機樹脂ともいう)と、硬化剤と、親水性有機微粒子とを含有している。ここで、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂とは、重合性不飽和二重結合を有するモノマーなどの有機モノマーの重合体または共重合体であって、硬化剤との架橋反応に寄与する反応性基を有し、重合体または共重合体の側鎖に親水基を有している樹脂のことをいう。
このようなコーティング剤は、例えば内装材などの基材に塗布され、架橋性有機樹脂と硬化剤との反応により架橋構造が付与された親水性樹脂を形成し、親水性有機微粒子を含有する硬化被膜が基材の表面に形成される。この硬化被膜は透湿性を有しており、調湿機能を有する調湿性部材を基材として用いた場合には、調湿性部材の有する調湿機能の低下が抑制される。また、調湿機能を有しない非調湿性部材を基材として用いた場合には、適度な調湿性が発揮される。
コーティング剤の硬化被膜においてこのような効果が得られる理由は明確でないが、次のように推測される。架橋性有機樹脂と硬化剤との架橋反応の際、架橋性有機樹脂の側鎖に有する極性基である親水基の存在により、架橋性有機樹脂と親水性有機微粒子との間に何らかの相互作用が働き、湿度を通過しやすい膜構造が形成されたものと推測される。
コーティング剤の硬化被膜は、上記のとおり架橋構造が付与されているため、基材の保護層として良好な被膜硬度を有し耐久性が良好である。また耐薬品性や耐溶剤性などの物性も良好である。
まず、コーティング剤に使用されるバインダー成分としての、架橋性有機樹脂について説明する。
架橋性有機樹脂の主鎖を構成する樹脂の種類としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリルシリコン樹脂などを挙げることができる。なかでもアクリル樹脂は、形成される硬化被膜の硬度と耐薬品性が良好であるので好ましい。
架橋性有機樹脂の側鎖の親水基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、アミノエチル基、ポリエーテル基、ポリグリセロール基、ウレア基、スルホ基、シラノール基、ホスホリルコリン基などを挙げることができる。なかでもアミド基やカルボキシル基を有する場合、形成される硬化被膜の透湿性が良好であるので好ましい。なお、架橋性有機樹脂の側鎖には、複数種の親水基を有していてもよい。
架橋性有機樹脂と硬化剤との架橋反応は、公知の架橋反応が採用され、架橋性有機樹脂の反応性基と、この反応性基と架橋反応し得る官能基を有する硬化剤とは公知のものから適宜選択される。架橋反応の具体例として、エポキシ基とアミノ基の反応、エポキシ基とカルボキシル基の反応、水酸基とカルボキシル基の反応、水酸基とシラノール基の縮合重合反応、水酸基とメラミン樹脂の反応、水酸基とイソシアネート基の反応などが例示される。なかでも水酸基とイソシアネート基の反応(ウレタン化反応)は、結合基自身が耐久性や耐薬品性に優れており、また、低温で反応が進むため基材に温度がかけにくい内装材などの用途に好適に用いられる。
ウレタン化反応する、架橋性有機樹脂と硬化剤について、好適なものとしては、架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂、硬化剤がイソシアネート化合物である。このような架橋性有機樹脂と硬化剤とを用いたコーティング剤は、温度がかけにくい内装材などの用途に好適に用いられる。また、形成される硬化被膜は、耐久性や耐薬品性に優れ、被膜硬度も良好である。
架橋性有機樹脂は、例えば、親水基を有するモノマーと架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーとから調製することができる。さらに必要に応じて、Tgや相溶性などを調整する物性改良モノマーを加え、親水基を有するモノマーと架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーとを併せた3種のモノマーから調製することもできる。親水基を有するモノマーは、架橋性有機樹脂の側鎖に親水基を導入するためのモノマーであり、架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーは、架橋性有機樹脂に反応性基を導入するためのモノマーである。
架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、その親水基がアミド基またはカルボキシル基である場合、その原料となる各モノマーの具体例は次のとおりである。
アミド基を有するモノマー(親水基を有するモノマー)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどを挙げることができる。
カルボキシル基を有するモノマー(親水基を有するモノマー)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸ハーフエステルなどのジカルボン酸誘導体などを挙げることができる。
架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ダイセル化学社製「プラクセルFM1」(ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエチレングリコールモノアクリレートまたはモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートまたはモノメタクリレートなどを挙げることができる。
物性改良のモノマーとしては、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを挙げることができる。アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの具体例としては、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどを挙げるがことができる。
以上のモノマーを常法により重合し規定の分子量に設定することで、架橋性有機樹脂を調製することができる。分子量は、例えば数平均分子量で、5000〜200000であることが好ましい。分子量がこの範囲であると、硬化剤との相溶性が良好であり、形成される硬化被膜の物性も良好となる。
次にコーティング剤に使用される硬化剤について説明する。
硬化剤は、架橋性有機樹脂の反応性基と架橋反応し得る官能基を有していれば特に制限されるものではなく、上述したように、架橋性有機樹脂の反応性基に応じて適宜選択される。例えば、架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂の場合、硬化剤としてはイソシアネート化合物であることが好ましい。
このようなイソシアネート化合物は、溶剤型、無溶剤型、水分散型などいずれのものも利用することができる。構造としては、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートなどを挙げることができる。
脂肪族イソシアネートの具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。また、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体の変性体なども挙げることができる。
脂環族イソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′− ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ジイソシアネートを挙げることができる。
芳香族イソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、カルボジイミド変性のMDIなどを挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。また、適当なブロック剤でブロックしたものを使用してもよいが、硬化被膜の黄変が起こりにくいヘキサメチレンジイソシアネート類を用いることが好ましい。
以上の硬化剤の添加量は、架橋性有機樹脂の反応性基に応じて適宜設定される。例えば、側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂に対するイソシアネート化合物の添加量は、イソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)数とアクリルポリオール樹脂の水酸基(OH)数との比率(NCO/OH)が0.5〜2.0になるように設定されることが好ましい。かかる範囲内であれば、被膜硬度、密着性が良好な硬化被膜を得ることができる。
次にコーティング剤に使用される親水性有機微粒子について説明する。
親水性有機微粒子は、親水基を有する有機系材料から形成されている。有機系材料は、アクリルポリオール樹脂などの架橋性有機樹脂やイソシアネート化合物などの硬化剤との親和性がよいため、無機系の微粒子を用いたコーティング剤よりも耐久性に優れた硬化被膜を構成することができる。
有機系材料の具体例としては、ポリスチレン系、ポリウレタン系、アクリル系、シリコン系などの材料が挙げられる。なかでもアクリル系材料で形成された親水性アクリル樹脂微粒子を有するコーティング剤は、形成される硬化被膜の硬度や耐薬品性が良好であるので好ましい。
親水性有機微粒子の親水性は、その構成する有機系材料の有する親水基によって実現され、親水性有機微粒子を含有するコーティング剤の硬化被膜に調湿機能が付与される。このような硬化被膜の調湿機能は、親水基を介して水分が吸放湿されていると推測される。
親水性有機微粒子は、アクリルアミドなどの親水性モノマーを用いて乳化重合、分散重合、懸濁重合などの公知の技術によって調製することができる。アクリルニトリルなどの樹脂を主体に変性して親水基を付与する方法でもよい。
親水性有機微粒子の親水基としては、上記した架橋性有機樹脂の側鎖の親水基と同様な官能基が挙げられる。アミド基やカルボキシル基を有する有機微粒子を用いると、形成される硬化被膜の調湿性や透湿性が良好であるので好ましい。なお、親水性有機微粒子は、複数種の親水基を有していてもよい。
親水性有機微粒子のコーティング剤における含有率は、架橋性有機樹脂および硬化剤の樹脂固形分と親水性有機微粒子との合計量に対して、例えば3重量%以上50重量%以下とすることができる。従来の無機系微粒子に比べて少ない添加量で安定的に調湿性機能を発揮することができる。透湿性と、耐薬品性や被膜硬度とのバランスを考慮すると、親水性有機微粒子の含有率は、5重量%以上40重量%以下、特に10重量%以上35重量%以下であることが望ましい。
親水性微粒子の平均粒子径は、例えば0.1μm以上50μm以下であることが望ましい。かかる範囲内であれば、親水性有機微粒子同士が凝集しにくくなり、コーティング剤において均一に分散させることができる。また、コーティング剤の硬化被膜から親水性有機微粒子が脱落しにくくなる。このような観点から、より好ましくは1μm以上40μm以下、特に5μm以上30μm以下であることが望ましい。
本発明のコーティング剤においては、必要に応じて、希釈溶媒を用いることができる。具体例としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの一塩基酸エステル系溶媒、イオン交換水などの水系溶媒などが挙げられる。
その他必要に応じて、ワックス、抗菌剤、防黴剤、艶消し剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を用いることができる。
以上のようなコーティング剤は基材の表面に塗布され、架橋性有機樹脂と硬化剤との反応により硬化し、親水性有機微粒子を含有する硬化被膜が基材の表面に形成される。
コーティング剤が塗布される基材としては、例えば、無機多孔体などを有する調湿機能を備えた調湿性部材などの内装材が挙げられる。もちろん、調湿機能を有しない非調湿性部材としての木質建材などであってもよい。
基材の表面に形成される硬化被膜は、基材の表面保護や硬度強化に有効である。この硬化被膜は透湿性および調湿性を有しており、基材として調湿性部材を用いた場合には、調湿性部材の有する調湿機能の低下が抑制される。また、基材として非調湿性部材を用いた場合には、適度な調湿性が発揮される。
硬化被膜の厚さは、基材の表面保護、硬化被膜の透湿性を考慮すると、1〜30μm、好ましくは5〜20μm程度になるように塗布することが望ましい。塗布回数は、特に制限はなく、一回または二回以上でもよい。
塗布方式としては、従来公知のフローコーター、ロールコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法などが挙げられる。自動化して塗布してもよく、手動にて塗布してもよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
<実施例1>
側鎖にアミド基およびカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(商品名:DH−23、ハリマ化成株式会社製、固形分32%、水酸基価34mgKOH/g)60重量部に、カルボキシル基を有する親水性アクリル樹脂微粒子(商品名:HU720SF、平均粒子径:5μm、日本エクスラン株式会社製)10重量部、酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)55重量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。次いで、イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:D−170N、固形分100%、NCO含有率21%、三井化学株式会社製)8重量部を加え、さらによく攪拌することでコーティング剤を得た。
<実施例2>
側鎖にアミド基およびカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(商品名:DH−23、ハリマ化成株式会社製、固形分32%、水酸基価34mgKOH/g)60重量部に、カルボキシル基を有する親水性アクリル樹脂微粒子(商品名:HU720SF、平均粒子径:5μm、日本エクスラン株式会社製)10重量部、酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)70重量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。次いで、アダクト型のヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:D−160N、固形分75%、NCO含有率12.6%、三井化学株式会社製、NCO/OH=1.1)13.5重量部を加え、さらによく攪拌することでコーティング剤を得た。
<実施例3>
側鎖にアミド基およびカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(商品名:DH−23、ハリマ化成株式会社製、固形分32%、水酸基価34mgKOH/g)60重量部に、カルボキシル基を有する親水性アクリル樹脂微粒子(商品名:HU720SF、平均粒子径:5μm、日本エクスラン株式会社製)5重量部、酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)55重量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。次いで、イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:D−170N、固形分100%、NCO含有率21%、三井化学株式会社製)8重量部を加え、さらによく攪拌することでコーティング剤を得た。
<実施例4>
実施例1において親水性アクリル樹脂微粒子の添加量を14重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコーティング剤を得た。
<実施例5>
実施例1において平均粒子径5μmの親水性アクリル樹脂微粒子の代わりに平均粒子径50μmの親水性アクリル樹脂微粒子(商品名:HU720P、日本エクスラン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてコーティング剤を得た。
<比較例1>
側鎖にアミド基およびカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(商品名:DH−23、ハリマ化成株式会社製、固形分32%、水酸基価34mgKOH/g)60重量部に酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)25重量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。次いで、イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:D−170N、固形分100%、NCO含有率21%、三井化学株式会社製)8重量部を加え、さらによく攪拌することでコーティング剤を得た。
<比較例2>
実施例1において親水性アクリル樹脂微粒子の代わりにシリカ(商品名:サイロホービック702、富士シリシア株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてコーティング剤を得た。
<比較例3>
ポリビニルアルコール(商品名:VC−10、酢ビ・ポバール株式会社)20重量部を、25℃のイオン交換水70重量部に加え、85度まで加熱しながら1時間攪拌し溶解液を得た。この溶解液100重量部に、カルボキシル基を有する親水性アクリル樹脂微粒子(商品名:HU720SF、平均粒子径:5μm、日本エクスラン株式会社製)5.3重量部を加え、さらによく攪拌することでコーティング剤を得た。
<比較例4>
側鎖に親水基を有しないアクリルポリオール樹脂(商品名:A−814、DIC株式会社製、固形分50%、水酸基価18mgKOH/g)50重量部に、カルボキシル基を有する親水性アクリル樹脂微粒子(商品名:HU720SF、平均粒子径:5μm、日本エクスラン株式会社製)10重量部、酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)75重量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。次いで、イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:D−170N、固形分100%、NCO含有率21%、三井化学株式会社製)3.5重量部を加え、さらによく攪拌することでコーティング剤を得た。
<鉛筆硬度の測定>
溶剤洗浄をしたアルマイト基材もしくは溶剤洗浄、コロナ処理を施したガラス基材に、アプリケーターを用いて上記コーティング剤を塗布した後、80℃の乾燥炉で20分間乾燥・硬化させ、被膜を形成した。膜厚計を用いて被膜の厚さを測定したところ、10μmであった。
JIS K−5600 に準じ、被膜の鉛筆硬度を測定した。
<透湿度の測定>
透湿性基材(透湿度:2000 g/m2・24h)にアプリケーターを用いて上記コーティング剤を塗布した後、80℃の乾燥炉で20分間乾燥・硬化させ、被膜を形成した。
JIS Z 0208「防湿包装材料の透過湿度試験方法」B条件(25℃・90%RH)に準じ、評価を行った。基準は下記の通りである。
500g/m2・24h以上 :○
100g/m2・24以上500g/m2・24未満 :△
100g/m2・24未満 :×
<耐薬品性の評価>
易接着ポリエステルフィルム(商品名:ルミラーU12、東レ株式会社)にアプリケーターを用いてコーティング材を塗布した後、80℃の乾燥炉で20分間乾燥・硬化させ、被膜を形成した。
炭酸ナトリウム、酢酸、アルコール、家庭用薬品等(マジックリン、サンポールなど)を被膜に滴下した際の被膜外観を評価した。基準は下記の通りである。
外観異常なし :○
外観異常あり(シミ):△
外観異常あり(白化):×
外観異常あり(剥離):××
以上の結果を表1に示す。
実施例1−5では、コーティング剤の硬化被膜の硬度は良好であり、かつ透湿性基材の透湿度の低下が抑制されていた。したがって、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と硬化剤と親水性有機微粒子とを含有するコーティング剤を用いることで、基材の表面を保護することができ、かつ基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制できることが確認された。また、コーティング剤の硬化被膜の耐薬品性が良好であることも確認できた。
他方、比較例1−4では、コーティング剤の硬化被膜の硬度が低くなっているか、透湿性基材の透湿度の低下が抑制されていなかった。したがって、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂を含有しないコーティング剤または親水性有機微粒子を含有しないコーティング剤を用いた場合には、基材の表面の保護と、基材が有する調湿機能の低下の抑制とを両立することができないことが確認された。

Claims (9)

  1. 側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と、硬化剤と、親水性有機微粒子とを含有することを特徴とするコーティング剤。
  2. 前記架橋性有機樹脂は、側鎖に親水基を有する架橋性アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 前記架橋性有機樹脂の側鎖の親水基が、アミド基およびカルボキシル基のうち少なくとも一方の官能基であることを特徴とする請求項1または2に記載のコーティング剤。
  4. 前記架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、前記硬化剤がイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  5. 前記親水性有機微粒子は、親水性アクリル樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  6. 前記親水性有機微粒子は、アミド基およびカルボキシル基のうち少なくとも一方の官能基を有する有機微粒子であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  7. 前記親水性有機微粒子の含有率が、前記架橋性有機樹脂および前記硬化剤の樹脂固形分と前記親水性有機微粒子との合計量に対して3重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  8. 前記親水性有機微粒子の平均粒子径が、0.1μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  9. 請求項1から8のいずれかのコーティング剤の硬化被膜が基材の表面に形成されていることを特徴とする被膜形成品。
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