JP2012089771A - シールドカバー及びシールド構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波シールド対策に係る作業性の向上を図ることが可能なシールドカバー及びシールド構造を提供する。
【解決手段】電磁波シールド対策に係りシールドカバー20を採用する。シールドカバー20は、導電性を有する金属板を加工してなり、シールド対象部材としてのワイヤハーネス11をスライド自在に覆う構造を有する。シールドカバー20は、断面略コ字状(断面略U字状)に形成され、このようなシールドカバー20に係合する略壁状シールドカバー22を備えてシールド構造21を構成する。シールドカバー20は、正面シールド部23、背面シールド部24、側面シールド部25、接続部26、27、導入口28、及び収容空間29を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シールド対象部材をスライド自在に覆うシールドカバーと、このシールドカバーを含むシールド構造とに関する。
電気自動車やハイブリッド自動車においては、搭載されるモータに接続される大電流・高電圧の電線などから電磁波が発生することが知られている。従って、電磁波による影響を防ぎ、また、外部からの電磁波の影響も防ぐことができるような電磁波シールド対策を施すことが重要である。電磁波シールド対策に関する一例としては、下記特許文献1に開示されている。以下、簡単に説明をする。
図7において、引用符号1は導電性の金属素線を編んで筒状に形成してなる編組(シールド部材)を示している。この編組1の内部には、複数本の電線2が挿通されている。複数本の電線2は、編組1により一括して覆われている。複数本の電線2は、例えばモータのシールドケース3に形成された穴4に挿通されている。シールドケース3は、導電性を有する金属製のケース部材となっている。シールドシェル5は、導電性を有しており、シールドケース3に固定されている。編組1の端末部分とシールドシェル5は、加締めリング6に加締めを施すことにより固定されている。
特開2003−115223号公報
上記従来技術にあっては、電磁波シールド対策に係る作業に関し、筒状に編んだ編組1の内部に複数本の電線2を一々挿通しなければならない。また、編組1の端末部分に例えばホツレ防止の処理を施さなければならない。また、編組1の端末部分を加締めによりシールドシェル5に接続固定しなければならない。さらには、シールドシェル5をシールドケース3に接続固定しなければならない。従って、煩雑な作業になってしまうという問題点を有している。
ところで、電気自動車やハイブリッド自動車においては機器等の高密度化が進んでいることから、例えば複数本の電線2の正面側に作業スペースを十分に確保することができない場合があり、電磁波シールド対策にあっては、この作業がし難くなるという問題点も有している。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、電磁波シールド対策に係る作業性の向上を図ることが可能なシールドカバー及びシールド構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のシールドカバーは、導電性を有する金属板を加工してなり、且つ、側面シールド部と、該側面シールド部の第一端部に一端が連続する正面シールド部と、前記側面シールド部の第二端部に一端が連続し前記正面シールド部に対向する背面部と、導電性を有する部分への接続部と、前記正面シールド部の他端側で開口するシールド対象部材導入口と、該シールド対象部材導入口に連続するとともに前記正面シールド部及び前記背面部の間に形成されるシールド対象部材収容空間とを有して、シールド対象部材をスライド自在に覆うことを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、電磁波シールド対策に係り、編組ではなく導電性の金属板を加工してなるシールドカバーを採用する。シールドカバーは、これをシールド対象部材に対してスライド移動させるだけであり、シールド対象部材導入口を介してシールド対象部材がシールド対象部材収容空間に収容されると、これによりシールド対象部材はシールドカバーにより覆われて電磁波シールド対策がなされる。また、本発明によれば、シールド対象部材の正面側に十分なスペースがなくてもシールドカバーをスライド移動させることにより、電磁波シールド対策が可能になる。
請求項2記載の本発明のシールドカバーは、請求項1に記載のシールドカバーにおいて、前記背面部を前記側面シールド部に対する補強部となるよう形成する、及び/又は、前記背面部をスライド時におけるスライドガイド部となるよう形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、背面部が補強部となり少なくとも側面シールド部の形状が維持される。また、背面部がスライドガイド部となればシールドカバーのスライド移動がスムーズになる。
請求項3記載の本発明のシールドカバーは、請求項1に記載のシールドカバーにおいて、前記背面部を所望の大きさ且つ所望の配置にして背面シールド部となるよう形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、背面部が背面シールド部となりシールド対象部材の背面側の電磁波シールド対策も一層有効になる。本発明によれば、背面側の電磁波シールド対策が部分的に行えるようになる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項4記載の本発明のシールド構造は、請求項1ないし請求項3いずれか記載のシールドカバーと、該シールドカバーにおけるシールド対象部材導入口を覆うように前記シールドカバーに係合する別体シールドカバーとを備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、シールド対象部材に対しシールドカバーをスライド移動させると、シールドカバーにおけるシールド対象部材導入口は別体シールドカバーにて覆われる。シールド対象部材導入口が別体シールドカバーにて覆われると、シールド対象部材はこの外側一周にわたって覆われる。
請求項5記載の本発明のシールド構造は、請求項4に記載のシールド構造において、前記別体シールドカバーを略壁状となるカバー形状に形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、シールドカバーにおけるシールド対象部材導入口は、略壁状となるカバー形状の別体シールドカバーにて覆われる。
請求項6記載の本発明のシールド構造は、請求項4に記載のシールド構造において、前記別体シールドカバーを前記シールドカバーの構成を有する第二シールドカバーとするとともに、該第二シールドカバーを前記シールドカバーのスライド方向とは逆方向からのスライド自在に形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、シールドカバーにおけるシールド対象部材導入口は、シールドカバーの構成を有する第二シールドカバーにて覆われる。第二シールドカバーは、シールドカバーとは逆方向からのスライド移動により係合し、この係合によりシールド対象部材導入口は第二シールドカバーにより覆われる。
請求項7記載の本発明のシールド構造は、請求項6に記載のシールド構造において、前記第二シールドカバーにて第二シールド対象部材も覆うことを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、第二シールドカバーをスライド移動させてシールドカバーに係合すると、この時、第二シールド対象部材は第二シールドカバーにより覆われる。
請求項1に記載された本発明によれば、電磁波シールド対策に係り従来のような編組を用いず、このため煩雑な作業となる端末部分への処理をする必要がなくなる。また、シールド対象部材を覆う際に従来のような編組への挿通作業を一々する必要がなく、単にシールドカバーをスライド移動させるだけの作業をすればよくなる。従って、本発明によれば、シールドカバーを採用することにより、従来に比べ作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。この他、本発明によれば、シールド対象部材の正面側に十分なスペースがなくてもシールドカバーをスライド移動させることにより、電磁波シールド対策に係る作業をすることができる。従って、上記同様に作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
請求項2〜請求項3に記載された本発明によれば、より良いシールドカバーを提供することができるという効果を奏する。
請求項4に記載された本発明によれば、電磁波シールド対策に係り請求項1のシールドカバーを備えるシールド構造であることから、従来に比べ作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。また、シールドカバーのシールド対象部材導入口を別体シールドカバーにて覆いこれによりシールド対象部材の外側一周にわたって覆うことから、シールド性能を十分に確保することができるという効果も奏する。
請求項5〜請求項7に記載された本発明によれば、より良いシールド構造を提供することができるという効果を奏する。
本発明のシールドカバー及びシールド構造を示す斜視図(シールドカバーにて覆う直前の状態を示す斜視図)である。 図1に対しシールドカバーにて覆った状態を示す斜視図である。 本発明の他の例となるシールドカバー及びシールド構造を示す斜視図(シールドカバー及び第二シールドカバーにて覆う直前の状態を示す斜視図)である。 図3に対しシールドカバーにて覆った状態を示す斜視図である。 図4に対し第二シールドカバーにて覆った状態を示す斜視図である。 シールドカバーの他の例を示す斜視図である。 従来例のシールド構造を示す断面図である。
本発明は、電磁波シールド対策に係りシールドカバーを採用する発明である。シールドカバーは、導電性を有する金属板を加工してなり、シールド対象部材をスライド自在に覆う構造である。シールドカバーは、断面略コ字状(断面略U字状)に形成され、このようなシールドカバーに係合する別体シールドカバーを備えてシールド構造を構成する。別体シールドカバーとして、略壁状となるカバー形状に形成することや、シールドカバーの構成を有する第二シールドカバーに形成することが有効である。シールド対象部材としては、例えばワイヤハーネスが有効である。
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明のシールドカバー及びシールド構造を示す斜視図であり、具体的にはシールドカバーにて覆う直前の状態を示す斜視図ある。また、図2は図1に対しシールドカバーにて覆った状態を示す斜視図である。
図1及び図2において、引用符号11はワイヤハーネスを示している。ワイヤハーネス11は、図示しないハイブリッド自動車又は電気自動車に配索するものを対象にしている。以下では、ハイブリッド自動車での例を挙げて説明をするものとする(電気自動車の場合でも後述する本発明の作用・効果は基本的に同じであるものとする。尚、ハイブリッド自動車又は電気自動車に限らず、通常の自動車等でも本発明を適用することができるものとする)。
ハイブリッド自動車は、エンジン(図示省略)及びモータユニット12の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット12にはインバータユニット13を介して図示しないバッテリー(電池パック)からの電力が供給されるようになっている。エンジン、モータユニット12、及びインバータユニット13は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム(図示省略)に設置されている。また、図示しないバッテリーは、エンジンルームの後方に存在する自動車室内、又は後輪等がある自動車後部(図示省略)に設置されている。
モータユニット12とインバータユニット13は、高圧となる上記ワイヤハーネス11により接続されている。また、図示しないバッテリーとインバータユニット13も高圧のワイヤハーネス(図示省略)により接続されている。図示しないワイヤハーネスは、エンジンルームから例えばフロアパネルの地面側となる床下にわたって配索されている。
ここで本実施例での補足説明をすると、モータユニット12はモータ及びジェネレータを構成に含んでいるものとする。また、インバータユニット13は、インバータ及びコンバータを構成に含んでいるものとする。モータユニット12は、シールドケース14を含むモータアッセンブリとして形成されるものとする。また、インバータユニット13もシールドケース15を含むインバータアッセンブリとして形成されるものとする。図示しないバッテリーは、Ni−MH系やLi−ion系のものであって、モジュール化してなるものとする。尚、例えばキャパシタのような蓄電装置を使用することも可能であるものとする。図示しないバッテリーは、ハイブリッド自動車や電気自動車に使用可能であれば特に限定されないものとする。
インバータユニット13は、本実施例においてモータユニット12の直上に配置固定されている。すなわち、インバータユニット13とモータユニット12は近接するように設置されている。このような設置状態であることから、ワイヤハーネス11は短いものとなっている。
ワイヤハーネス11は、ハーネス本体16と、このハーネス本体16の一端に設けられるモータ側コネクタ17と、ハーネス本体16の他端に設けられるインバータ側コネクタ18とを備えて構成されている。ハーネス本体16は、略同一平面上に所定の間隔をあけて並ぶ複数本(ここでは三本)の高圧導電路19(導電路)を備えて構成されている。
モータ側コネクタ17は、モータユニット12のシールドケース14に差し込まれ、内部において電気的な接続がなされるようになっている。また、インバータ側コネクタ18も同様で、インバータユニット13のシールドケース15に差し込まれ、内部において電気的な接続がなされるようになっている。
高圧導電路19は、導体(図示省略)と、この導体を被覆する絶縁体(符号省略)とを備えて構成されている。導体は、本実施例において、導電性を有する金属板(銅や銅合金やアルミニウム製)をプレス加工することにより形成されている。すなわち導体は、所定の導体幅及び肉厚を有するバスバー形状(帯板形状)に形成されている。
尚、導体はバスバー形状に限らないものとする。例えば、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、断面矩形又は丸形となる棒状の導体構造(例えば平角単心や丸単心となる導体構造)のものであってもよいものとする。
以上のようなワイヤハーネス11は、本発明に係るシールドカバー20を含むシールド構造21により電磁波シールド対策が施されている。
以下の説明において、ワイヤハーネス11は、特許請求の範囲に記載されたシールド対象部材に相当するものとする。
シールド構造21は、本実施例において、上記シールドカバー20と、略壁状シールドカバー22(別体シールドカバー)とを含んで構成されている。略壁状シールドカバー22は、インバータユニット13のシールドケース15に一体形成されており、シールドカバー20に対して別体の構造となっている。シールドカバー20は、シールドケース15及び略壁状シールドカバー22のそれぞれに対し固定されて電気的な接続も同時になされるようになっている。接続固定に関しては、本実施例において図示しないネジが用いられている(一例であるものとする)。尚、略壁状シールドカバー22の設定は任意であるものとする。
シールドカバー20は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。シールドカバー20は、モータユニット12及びインバータユニット13に接続された状態のワイヤハーネス11に対しスライド自在にこれを覆うことができるように形成されている。
もう少し具体的に説明すると、シールドカバー20は、相対向する正面シールド部23及び背面シールド部24(背面部)と、この正面シールド部23及び背面シールド部24の右縁部(一端側)でこれらを連結する側面シールド部25と、シールドケース15及び略壁状シールドカバー22の後述する接続台34、35への接続固定部分となる接続部26、27と、正面シールド部23及び背面シールド部24の左縁部(他端側)で開口する導入口28(シールド対象部材導入口)と、この導入口28に連続するとともに正面シールド部23及び背面シールド部24の間に形成される収容空間29(シールド対象部材収容空間)とを有しており、断面略コ字状(断面略U字状)となる形状に形成されている。
シールドカバー20は、上記の如く断面略コ字状(断面略U字状)となる形状であることから、ワイヤハーネス11を図中矢印P方向からスライド自在に覆うことができるように形成されている。シールドカバー20は、ワイヤハーネス11の表裏面及び右側面を連続して覆うことができるように形成されている。尚、説明における「上下」、「左右」の方向は一例であるものとする。
正面シールド部23及び背面シールド部24は、ワイヤハーネス11の表裏面を挟み込むことができるように配置形成されている。また、側面シールド部25は、ワイヤハーネス11の右側面を覆うことができるように配置形成されている。
正面シールド部23は、ワイヤハーネス11の表面全体を覆うことができるように形成されている。このような正面シールド部23の上縁部には、二つの接続部26が連成されている。また、左縁部の下方にも接続部27が連成されている。接続部26、27は、接続固定部分として形成されている。接続部26、27は、略短冊片状に形成されている。接続部26、27には、ネジ穴30が貫通形成されている。
正面シールド部23の上下方向中間位置には、膨出部31が形成されている。この膨出部31は、ワイヤハーネス11の高圧導電路19に設けられた屈曲部32の突出に合わせて形成されている。尚、屈曲部32が存在しない場合には、膨出部31の形成はなくてもよいものとする。
背面シールド部24は、ワイヤハーネス11の裏面を覆うことができるように形成されている。具体的には、モータ側コネクタ17及びインバータ側コネクタ18の間となるワイヤハーネス11の裏面を覆うことができるように形成されている。背面シールド部24は、モータユニット12のシールドケース14と、インバータユニット13のシールドケース15との間の隙間33を跨ぐような大きさに形成されている。
インバータユニット13のシールドケース15には、ワイヤハーネス11の左側面を覆う略壁状シールドカバー22が突出形成されている(略壁状シールドカバー22は後付けであってもよいものとする)。また、接続台34、35も突出形成されている。シールドケース15及び略壁状シールドカバー22は、導電性を有している。本実施例において、背面シールド部24は、シールドケース14、15に対し接触(摺接)するように配置形成されている。また、背面シールド部24は、後述するスライドガイド部49の機能を有するように形成されている。
側面シールド部25は、上下方向に伸びる帯状の部分であって、ワイヤハーネス11に対し正面側となる端部(第一端部)には、正面シールド部23が折り曲げにより連成されている。また、背面側の端部(第二端部)には、側面シールド部25が折り曲げにより連成されている。
接続台34は、シールドケース15の上縁部に配置形成されている。接続台34は、二つ形成されている。一方、接続台35は、略壁状シールドカバー22の下方部分に連続するように配置形成されている。このような接続台34、35には、ネジ穴36が形成されている。
ネジ穴36の形成面は、シールドカバー20の接続部26、27がスライド可能となるように平面に形成されている。
略壁状シールドカバー22は、シールドカバー20の導入口28部分に係合するように形成されている(例えば、略壁状シールドカバー22と、正面シールド部23及び背面シールド部24の左縁部とが当接、接触するような係合)。
略壁状シールドカバー22における引用符号37は、シールドカバー20の膨出部31の形状に合わせて突出する凸部を示している。
上記構成及び構造において、図1に示す如くモータユニット12及びインバータユニット13に接続された状態のワイヤハーネス11に対し、また、シールドケース15から突出するような略壁状シールドカバー22にて左側面を覆われた状態のワイヤハーネス11に対し、矢印P方向からシールドカバー20をスライド移動させ、この後に図示しないネジにて接続部26、27を接続台34、35に接続固定すると、ワイヤハーネス11は図2に示す如くシールドカバー20及び略壁状シールドカバー22により外側一周にわたって覆われ、これにより電磁波シールド対策が完了する。
以上、図1及び図2を参照しながら説明してきたように、電磁波シールド対策に係り、従来のような編組を用いないシールド構造21を採用する。シールド構造21はシールドカバー20を含み、このようなシールド構造21を採用することで、煩雑な作業となる従来の編組端末部分への処理をする必要がなくなる。また、ワイヤハーネス11を覆う際に従来のような編組への挿通作業を一々する必要がなく、単にシールドカバー20をスライド移動させるだけの作業をすればよくなる。従って、従来に比べ作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、シールドカバー20の導入口28をシールド構造21における略壁状シールドカバー22にて覆い、これによりワイヤハーネス11の外側一周を覆えることから、シールド性能を十分に確保することができるという効果も奏する。
さらに、上記の如くシールドカバー20をスライド移動させるだけであることから、ワイヤハーネス11の正面側に十分なスペースがなくても電磁波シールド対策に係る作業を容易に行うことができるという効果も奏する。
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図3は本発明の他の例となるシールドカバー及びシールド構造を示す斜視図であり、具体的にはシールドカバー及び第二シールドカバーにて覆う直前の状態を示す斜視図である。また、図4は図3に対しシールドカバーにて覆った状態を示す斜視図、図5は図4に対し第二シールドカバーにて覆った状態を示す斜視図である。尚、上記実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図3ないし図5において、モータユニット12及びインバータユニット13には、二つのワイヤハーネス11がそれぞれ接続されている。二つのワイヤハーネス11は、所定の間隔をあけて並ぶように配索されている。このような二つのワイヤハーネス11に対する電磁波シールド対策としてのシールド構造41は、実施例1と基本的に同じシールドカバー20と、このシールドカバー20の導入口28部分に係合する第二シールドカバー42(別体シールドカバー)とを含んで構成されている。
実施例2のシールドカバー20は、実施例1に存在する接続部27(図1参照)がないものとなっている。また、インバータユニット13のシールドケース15も、略壁状シールドカバー22(図1参照)と、接続台35(図1参照)とがないものとなっている。尚、シールドケース15における接続台34の数は二つから四つに増えている。
シールド構造41は、矢印P方向からシールドカバー20をスライド移動させて右側のワイヤハーネス11を覆うとともに、矢印Q方向から第二シールドカバー42をスライド移動させて左側のワイヤハーネス11(第二シールド対象部材)を覆うような構造になっている。以下、第二シールドカバー42について説明をする。
第二シールドカバー42は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。第二シールドカバー42は、シールドカバー20と同様に形成されている。具体的には、相対向する正面シールド部23及び背面シールド部24(背面部)と、この正面シールド部23及び背面シールド部24の左縁部(他端側)でこれらを連結する側面シールド部25と、シールドケース15の接続台34への接続固定部分となる接続部26と、正面シールド部23及び背面シールド部24の右縁部(一端側)で開口する導入口28(シールド対象部材導入口)と、この導入口28に連続するとともに正面シールド部23及び背面シールド部2424の間に形成される収容空間29(シールド対象部材収容空間)とを有しており、断面略コ字状(断面略U字状)となる形状に形成されている。第二シールドカバー42は、シールドカバー20と同じ機能を有している。
第二シールドカバー42における正面シールド部23の右縁部には、シールドカバー20における正面シールド部23の左縁部に重なるように係合する係合部43が形成されている。係合部43は、シールドカバー20の導入口28部分を覆うように形成されている。
上記構成及び構造において、図3に示す如くモータユニット12及びインバータユニット13に接続された状態の二つのワイヤハーネス11に対し、矢印P方向からシールドカバー20をスライド移動させ(図4参照)、また、矢印Q方向から第二シールドカバー42をスライド移動させ、そして、この後に図示しないネジにて接続部26を対応する接続台34に接続固定すると、二つのワイヤハーネス11は図5に示す如くシールドカバー20及び第二シールドカバー42により外側一周にわたって覆われ、これにより電磁波シールド対策が完了する。
以上、図3ないし図5を参照しながら説明してきたように、電磁波シールド対策に係り、従来のような編組を用いないシールド構造41を採用する。シールド構造41はシールドカバー20及び第二シールドカバー42を含み、このようなシールド構造41を採用することで、煩雑な作業となる従来の編組端末部分への処理をする必要がなくなる。また、ワイヤハーネス11を覆う際に従来のような編組への挿通作業を一々する必要がなく、単にシールドカバー20及び第二シールドカバー42をスライド移動させるだけの作業をすればよくなる。従って、従来に比べ作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、シールドカバー20の導入口28をシールド構造41における第二シールドカバー42にて覆い、これにより二つのワイヤハーネス11の外側一周を覆えることから、シールド性能を十分に確保することができるという効果も奏する。
さらに、上記の如くシールドカバー20及び第二シールドカバー42をスライド移動させるだけであることから、ワイヤハーネス11の正面側に十分なスペースがなくても電磁波シールド対策に係る作業を容易に行うことができるという効果も奏する。
以下、図面を参照しながら実施例3を説明する。図6はシールドカバーの他の例を示す斜視図である。尚、上記実施例1、2と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図6(a)において、シールドカバー44は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。シールドカバー44は、相対向する正面シールド部23及び背面部45と、この正面シールド部23及び背面部45の右縁部(一端側)でこれらを連結する側面シールド部25と、シールドケース15及び略壁状シールドカバー22の接続台34、35(図1参照)への接続固定部分となる接続部26、27と、正面シールド部23の左縁部(他端側)で開口する導入口28(シールド対象部材導入口)と、この導入口28に連続するとともに正面シールド部23及び背面部45の間に形成される収容空間29(シールド対象部材収容空間)とを有しており、背面部45の近傍においては断面略コ字状(断面略U字状)となる形状に形成されている。
背面部45は、側面シールド部25に対する補強部46となるように形成されている。この補強部46は、少なくとも側面シールド部25の形状を維持する部分として例えば図示形状に形成されている。補強部46(背面部45)は、側面シールド部25における背面側の端部(第二端部)に連成されている。補強部46(背面部45)は、シールドケース14、15(図1参照)に対して接触(摺接)するように配置形成されている。
図6(b)において、シールドカバー47は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。シールドカバー47は、相対向する正面シールド部23及び背面部48と、この正面シールド部23及び背面部48の右縁部(一端側)でこれらを連結する側面シールド部25と、シールドケース15及び略壁状シールドカバー22の接続台34、35(図1参照)への接続固定部分となる接続部26、27と、正面シールド部23の左縁部(他端側)で開口する導入口28(シールド対象部材導入口)と、この導入口28に連続するとともに正面シールド部23及び背面部48の間に形成される収容空間29(シールド対象部材収容空間)とを有しており、背面部48の後述するスライドガイド部49の位置においては断面略コ字状(断面略U字状)となる形状に形成されている。
背面部48は、側面シールド部25に対する補強部46と、複数(ここでは二つ)のスライドガイド部49とを有するように形成されている。スライドガイド部49は、シールドカバー47のスライド時におけるスライドのガイド部分として形成されている。スライドガイド部49は、シールドケース14、15(図1参照)に対して接触(摺接)するように配置形成されている。スライドガイド部49はこの形成により、シールドカバー47のスライド移動をスムーズにすることができるようになっている。
図6(c)において、シールドカバー50は、上記シールドカバー47に対し上側のスライドガイド部49をなくした形状と同じに形成されている。また、図1のシールドケース20に対し背面シールド部24を小さくした形状とも同じに形成されている。シールドカバー50の背面部51は、補強部46とスライドガイド部49とを有するように形成されている。スライドガイド部49は、図1におけるモータユニット12のシールドケース14と、インバータユニット13のシールドケース15との間の隙間33を塞ぐような大きさ及び配置に形成されている。スライドガイド部49は、ここでは背面シールド部24(図1参照)と同様の機能部分にもなっている。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
11…ワイヤハーネス(シールド対象部材)
12…モータユニット
13…インバータユニット
14、15…シールドケース
16…ハーネス本体
17…モータ側コネクタ
18…インバータ側コネクタ
19…高圧導電路
20…シールドカバー
21…シールド構造
22…略壁状シールドカバー(別体シールドカバー)
23…正面シールド部
24…背面シールド部(背面部)
25…側面シールド部
26、27…接続部
28…導入口(シールド対象部材導入口)
29…収容空間(シールド対象部材収容空間)
30…ネジ穴
31…膨出部
32…屈曲部
33…隙間
34、35…接続台(導電性を有する部分)
36…ネジ穴
37…凸部
41…シールド構造
42…第二シールドカバー(別体シールドカバー)
43…係合部
44、47、50…シールドカバー
45、48、51…背面部
46…補強部
49…スライドガイド部

Claims (7)

  1. 導電性を有する金属板を加工してなり、且つ、側面シールド部と、該側面シールド部の第一端部に一端が連続する正面シールド部と、前記側面シールド部の第二端部に一端が連続し前記正面シールド部に対向する背面部と、導電性を有する部分への接続部と、前記正面シールド部の他端側で開口するシールド対象部材導入口と、該シールド対象部材導入口に連続するとともに前記正面シールド部及び前記背面部の間に形成されるシールド対象部材収容空間とを有して、シールド対象部材をスライド自在に覆う
    ことを特徴とするシールドカバー。
  2. 請求項1に記載のシールドカバーにおいて、
    前記背面部を前記側面シールド部に対する補強部となるよう形成する、及び/又は、前記背面部をスライド時におけるスライドガイド部となるよう形成する
    ことを特徴とするシールドカバー。
  3. 請求項1に記載のシールドカバーにおいて、
    前記背面部を所望の大きさ且つ所望の配置にして背面シールド部となるよう形成する
    ことを特徴とするシールドカバー。
  4. 請求項1ないし請求項3いずれか記載のシールドカバーと、該シールドカバーにおけるシールド対象部材導入口を覆うように前記シールドカバーに係合する別体シールドカバーとを備える
    ことを特徴とするシールド構造。
  5. 請求項4に記載のシールド構造において、
    前記別体シールドカバーを略壁状となるカバー形状に形成する
    ことを特徴とするシールド構造。
  6. 請求項4に記載のシールド構造において、
    前記別体シールドカバーを前記シールドカバーの構成を有する第二シールドカバーとするとともに、該第二シールドカバーを前記シールドカバーのスライド方向とは逆方向からのスライド自在に形成する
    ことを特徴とするシールド構造。
  7. 請求項6に記載のシールド構造において、
    前記第二シールドカバーにて第二シールド対象部材も覆う
    ことを特徴とするシールド構造。
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