以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1,2は、本実施の形態に係るコネクタを示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は第1接合端子と第2接合端子と絶縁部材組立体のみを示した斜視図、図2(a)は分解斜視図、図2(b)は斜視図である。
図1,2に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1は、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3とで構成され、これらコネクタ部2,3を嵌合させることで、複数の電源ラインを一括して接続するためのものである。
より具体的には、コネクタ1は、複数(3つ)の第1接合端子(オス端子)4a〜4cが整列されて収納される第1ターミナルハウジング(オス側ターミナルハウジング)5を有する第1コネクタ部2と、複数(3つ)の第2接合端子(メス端子)6a〜6cが整列されて収納される第2ターミナルハウジング(メス側ターミナルハウジング)7を有する第2コネクタ部3と、第2ターミナルハウジング7内に整列されて収納され、第2接合端子6a〜6c間を絶縁するための複数(4つ)の絶縁部材8a〜8dと、を備えている。
コネクタ1は、第1コネクタ部2の第1ターミナルハウジング5と第2コネクタ部3の第2ターミナルハウジング7とを嵌合させると、その内部において、複数の第1接合端子4a〜4cの一面のそれぞれと複数の第2接合端子6a〜6cの一面のそれぞれとが対(第1接合端子4aと第2接合端子6a、第1接合端子4bと第2接合端子6b、第1接合端子4cと第2接合端子6cの各対)となるように対面して複数の接点が構成されると共に、第1接合端子4a〜4cと第2接合端子6a〜6cとが交互に配置され、かつ、各接点が絶縁部材8a〜8dで挟まれた積層状態となるものである。
コネクタ1では、第1コネクタ部2は、インバータやモータなどの機器のシールドケースに第1接合端子4a〜4cの長さ方向が機器(シールドケースを含む)の表面に対して垂直方向となるように取り付けられ、外部に露出した第1接合端子4a〜4cが機器の電源ラインに電気的に接続される。第2コネクタ部3にはケーブル61a〜61cが接続されており、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3とを接続することで、ケーブル61a〜61cと機器の電源ラインとがそれぞれ電気的に接続されるようになっている。本実施の形態では、第2コネクタ部3の第2ターミナルハウジング7は、第2接合端子6a〜6cの長さ方向にケーブル61a〜61cを延出するように構成されている。なお、ここでは第2ターミナルハウジング7内に第2接合端子6a〜6cを収納しているが、第2接合端子6a〜6cが第2ターミナルハウジング7から露出している構成であってもよく、第2ターミナルハウジング7には、少なくとも端部に第2接合端子6a〜6cが設けられたケーブル61a〜61cの一部が収納されていればよい。
コネクタ1では、第1接合端子4a〜4cの長さ方向と第2接合端子6a〜6cの長さ方向とが交差する方向に両ターミナルハウジング5,7を嵌合させるよう構成されている。本実施の形態では、第1接合端子4a〜4cの長さ方向と第2接合端子6a〜6cの長さ方向とが直交する方向に両ターミナルハウジング5,7を嵌合させるようにコネクタ1を構成している。換言すれば、コネクタ1では、第2ターミナルハウジング7から延出されるケーブル61a〜61cの延出方向と交差する方向に両ターミナルハウジング5,7を嵌合させるよう構成されている。そのため、コネクタ1では、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させると、ケーブル61a〜61cは、第1ターミナルハウジング5が取り付けられる機器の表面に対して平行方向に延出されることになる。
ケーブル61a〜61cの端部にコネクタ1(第2コネクタ部3)を設けたものが、本実施の形態に係るワイヤハーネスである。
以下、コネクタ部2,3のそれぞれの構成について詳述する。
[第1コネクタ部]
まず、第1コネクタ部2について説明する。
図1〜5に示すように、第1コネクタ部2は、第1接合端子4a〜4cと、第1ターミナルハウジング5と、第1インナーハウジング10と、を主に備えている。
第1接合端子4a〜4cのそれぞれには、異なる電圧及び/又は電流の電気が送電される。例えば、本実施の形態においては、モータ、インバータ間用の三相交流の電源ラインを想定しており、第1接合端子4a〜4cのそれぞれには、120°位相の異なる交流が送電される。第1接合端子4a〜4cのそれぞれは、コネクタ1での送電ロスを低減するなどの目的のために、導電率の高い銀、銅、アルミニウムなどの金属で構成されるとよい。また、第1接合端子4a〜4cのそれぞれは、多少の可撓性を有する。
第1ターミナルハウジング5は、シールド性能、放熱性、及びコネクタ1の軽量化のために、導電率、熱伝導率が高く軽量なアルミニウムなどの金属で形成されることが好ましいが、樹脂などにより形成するようにしてもよい。本実施の形態においては、第1ターミナルハウジング5をアルミニウムで形成した。
第1インナーハウジング10は、絶縁性樹脂(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PPA(ポリフタルアミド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、エポキシ系樹脂)などからなる。
第1接合端子4a〜4cは、第1インナーハウジング10に形成された貫通孔10aに挿入され固定される。第1インナーハウジング10は、第1ターミナルハウジング5に形成された端子取付孔5aを塞ぐように第1ターミナルハウジング5に取り付けられ、これにより、第1接合端子4a〜4cが、第1インナーハウジング10を介して第1ターミナルハウジング5に固定され、第1ターミナルハウジング5内に所定間隔で離間された状態で整列させて保持されるように構成されている。第1インナーハウジング10には、貫通孔10aの周縁から外方に突出する突出部10bが設けられており、これにより、第1接合端子4a〜4cとの接触面積を大きくして、第1接合端子4a〜4cを強固に保持できるように構成されている。
第1ターミナルハウジング5は、横断面が略矩形状の中空の筒状体20と、筒状体20の一方の開口を塞ぐように設けられると共に端子取付孔5aが形成され、筒状体20と一体に設けられる蓋部24と、からなる。蓋部24は、第1コネクタ部2を機器のシールドケースに取り付ける際に、シールドケースの表面に当接する部分であり、蓋部24の周縁には、両ターミナルハウジング5,7を嵌合した際に、第2ターミナルハウジング7よりも両ターミナルハウジング5,7の嵌合方向に対して垂直方向に突出するようにフランジ25が一体に形成されている。
なお、第1ターミナルハウジング5は、シールドケースの一部(取り付け対象の機器の一部)であってもよい。つまり、ケーブル61a〜61c側に設けられたハウジングが機器のシールドケースに形成された挿入孔に嵌合されるような構造となっていても構わない。この場合、シールドケースの一部が第1ターミナルハウジング5となり、挿入孔に嵌合されるケーブル61a〜61c側のハウジングが第2ターミナルハウジング7となる。
筒状体20は、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させた際に第2ターミナルハウジング7内に収容される。筒状体20の外周には、周方向に沿って溝22が形成されており、この溝22にOリングなどのパッキン(図示せず)を設けることで、両ターミナルハウジング5,7を嵌合した際に第2ターミナルハウジング7との間で防水をとるように構成されている。筒状体20の蓋部24と反対側の端部における外周側の角部は、第2ターミナルハウジング7との嵌合性を考慮してテーパ形状に形成されている。
第1ターミナルハウジング5には、後述する嵌合保持部材70が嵌合される第1嵌合部31が設けられているが、この第1嵌合部31についての詳細は後述する。
第1接合端子4a〜4cは、第1ターミナルハウジング5内においてその厚さ方向に整列するように配置されている。本実施の形態では、第1ターミナルハウジング5から外部に露出する部分の第1接合端子4a〜4cを、第1接合端子4a,4cをクランク状に変形させてることで、幅方向に整列するように構成している。
図4に示すように、第1接合端子4a,4cは、2つの平行な板状部材60aの端部側面同士をS字状の連結部60bで連結し、厚さ方向、幅方向、長さ方向のいずれの方向から見てもクランク状となるように形成されている。第1接合端子4a,4cは、同じ形状に形成され、第1接合端子4bの厚さ方向および幅方向の中心に対して対称(180度回転対称)となるように配置される。このように構成することで、電源ラインの対称性を損なうことなく端子の配列方向を変換し、機器側の電源ラインとの結線を容易とすることができる。なお、第1ターミナルハウジング5から外部に露出する部分の第1接合端子4a〜4cの形状はこれに限定されるものではなく、機器側の要求に応じて適宜変更可能である。第1接合端子4a〜4cの先端部には、後述する絶縁部材組立体100への挿入を容易とするために、面取り加工が施されている(丸め加工でもよい)。
[第2コネクタ部]
次に、第2コネクタ部3について説明する。
図1,2、および図6,7に示すように、第2コネクタ部3は、内部に3つの第2接合端子6a〜6cを所定間隔で離間された状態で整列させて保持しており、3つの第2接合端子6a〜6cが整列されて収納される第2ターミナルハウジング7と、第2ターミナルハウジング7内に設けられ第2接合端子6a〜6cのそれぞれを絶縁する略直方体形状の複数の絶縁部材8a〜8dと、隣接する絶縁部材8aを押圧することで、複数の第1接合端子4a〜4c及び複数の第2接合端子6a〜6cを各接点にて一括して固定し電気的に接続させる接続部材9とを備える。
第2接合端子6a〜6cの一端側のそれぞれには、モータ側から延びたケーブル61a〜61cが接続されている。ケーブル61a〜61cは、導体62の外周に絶縁層63を形成してなる。本実施の形態においては、断面積が20mm2の導体62を用いた。
第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、コネクタ1での送電ロスを低減するなどの目的のために、導電率の高い銀、銅、アルミニウムなどの金属で構成されるとよい。また、第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、多少の可撓性を有する。
第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、図8に示すように、ケーブル61a〜61cの先端部から露出された導体62をかしめるためのかしめ部45と、かしめ部45と一体に形成された板状部材46とを有し、板状部材46の基端部(かしめ部45との接続部分)をS字状に折り曲げてクランプ状に形成されている。板状部材46には、板状部材46の基端部における幅方向の両端部から上方(あるいは下方)に突出するように突起27aが形成されている。この突起27aは、後述する抜け防止機構27を構成するものである。第2接合端子6a〜6cの先端部には、絶縁部材8b〜8dへの挿入を容易とするために、面取り加工が施されている(丸め加工でもよい)。
図6,7に示すように、ケーブル61a〜61cのそれぞれは、多連筒状(複数の筒が連なっている形状)の樹脂成形体からなる第2インナーハウジング30によって所定間隔で離間されて整列保持される。第2接合端子6a〜6cは、ケーブル61a〜61cと第2インナーハウジング30とを介して、第2ターミナルハウジング7に固定される。このとき、第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3とを嵌合させたときに、第2接合端子6a〜6cのそれぞれと対となるように対面する(即ち、接続対象の)第1接合端子4a〜4cのそれぞれの下方(接続部材9と反対側)に位置するように位置決めして保持される。
第2インナーハウジング30は、第2接合端子6a〜6cのそれぞれを互いに絶縁して短絡を防止すべく、絶縁性樹脂(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PPA(ポリフタルアミド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、エポキシ系樹脂)などからなる。この第2インナーハウジング30により、第2接合端子6a〜6cのそれぞれに接続されたケーブル61a〜61cのそれぞれが可撓性に優れたケーブルであっても、第2接合端子6a〜6cのそれぞれを所定の位置に保持することができる。つまり、本実施の形態では、ケーブル61a〜61cとして可撓性に優れたケーブルを用いることができるので、ケーブル61a〜61cを敷設する際の配線自由度を向上できる。
図9に示すように、第2インナーハウジング30は、一方が開放された角筒を3つ連続させた多連筒状に形成され、全体として直方体形状に形成される本体部30aと、本体部30aの側端部からケーブル61a〜61cの挿入方向に延びる板状の平行部30bと、平行部30bの先端部から直交して延びる板状の垂直部30cと、を有し、本体部30aのケーブル61a〜61cの挿入方向前方の面と、平行部30bと、垂直部30cとに囲まれた空間30dに絶縁部材8a〜8dを収容するように構成されている。
また、平行部30bの下端部、より詳細には、平行部30bの下端部であって、本体部30aのケーブル61a〜61cの挿入方向前方の面と交差する角部、および垂直部30cと平行部30bと交差する角部には、最外に位置する第1絶縁部材8dの連結溝82(後述する)に挿入され、絶縁部材組立体100(後述する)の第2ターミナルハウジング7に対する位置決めを行うための位置決め用突起30hがそれぞれ形成されている。
本体部30aのケーブル61a〜61cの挿入方向前方の面には、第2接合端子6a〜6cを挿入する(本体部30a内から第2接合端子6a〜6cの先端部を露出させる)ための端子挿入孔30eが形成されている。また、本体部30aの上面と下面(ケーブル61a〜61cの配列方向の両側面)には、第2インナーハウジング30を第2ターミナルハウジング7に係止して固定するための係止突起30fが形成されている。
本実施の形態では、端子挿入孔30eに第2接合端子6a〜6cを挿入することで、第2インナーハウジング30で第2接合端子6a〜6cを直接保持し、第2接合端子6a〜6cの位置決めを行っているが、これに限らず、ケーブル61a〜61c(より詳しくは、第2接合端子6a〜6cに近い位置であってケーブル61a〜61cの端部側)を保持することで、第2接合端子6a〜6cの位置決めを行うよう構成することも可能である。なお、接続部材9の押圧による第2接合端子6a〜6cの変形を抑制するために、端子挿入孔30eの大きさを第2接合端子6a〜6cの大きさよりも若干大きく形成することが好ましい。
第2コネクタ部3では、ケーブル61a〜61cが引っ張られた場合であっても、ケーブル61a〜61cが第2インナーハウジング30から抜けてしまわないように、抜け防止機構27が備えられている。抜け防止機構27は、第2接合端子6a〜6cのそれぞれの基端部(ケーブル61a〜61cの近傍、本実施の形態では板状部材46のかしめ部45側の端部)に形成された突起27aと、第2インナーハウジング30の本体部30aにケーブル61a〜61cおよび第2接合端子6a〜6cを挿入した後に、本体部30aの側面(第2ターミナルハウジング7の開口側の側面)に形成されたインナープレート挿入孔30gから多連筒状の各筒内に突出するように挿入して設けられ、突起27aを係止して突起27aの後方(ケーブル61a〜61c側)への動きを規制する(図1(a)参照)インナープレート27bとからなる。なお、本実施の形態では、インナープレート27bの構造は限定するものではなく、3つの第2接合端子6a〜6cの突起27aに係止して突起27aの動きを規制できるものであれば、どのような構造であってもよい。
図1,6,10に示すように、第2ターミナルハウジング7は、一方が開口した横断面が略矩形状の中空の筒状体36からなり、その筒状体36の開口に第1ターミナルハウジング5が挿入され嵌合されるように構成されている。筒状体36の側面(図10における右側の側面)には、ケーブル61a〜61cが挿入される筒状のケーブル挿入部36aが一体に形成されている。筒状体36の中空部とケーブル挿入部36aの中空部とは、ケーブル61a〜61cを通す3つの矩形状の挿通孔36fを介して連通するようにされ、ケーブル61a〜61cがケーブル挿入部36aの中空部、および挿通孔36fを通って筒状体36の内部へと挿入されるようになっている。第1ターミナルハウジング5の挿入方向と、ケーブル61a〜61cの挿入方向は直交している。
図示していないが、第2ターミナルハウジング7から引き出されたケーブル61a〜61cには、シールド性能の向上を目的とした編組シールドが巻き付けられていてもよい。この編組シールドは、例えば、第2ターミナルハウジング7を介して第1ターミナルハウジング5に電気的に接続され、接地電位とするとよい。
さらに、図示していないが、ケーブル61a〜61cが引き出されるケーブル挿入部36aの外周には、ケーブル挿入部36aや筒状体36内への水の浸入を防止するゴムブーツが被せられる。
また、筒状体36の上部(図10における上側)には、接続部材9を挿入するための接続部材挿入孔26が形成される。接続部材挿入孔26の周縁の第2ターミナルハウジング7は筒状(中空円筒状)に形成されている。
筒状体36の接続部材挿入孔26と対向する位置の内周面には、接続部材挿入孔26側に突出する直方体形状の台座87が設けられている。コネクタ1では、接続部材9と台座87との間に積層構造を挟持し接続部材9を台座87側押し込んで積層構造に押圧力を加えることにより、各接点に押圧力を加えることになる。また、筒状体36の内周面には、第2インナーハウジング30の係止突起30fを係止して第2インナーハウジング30を筒状体36に固定するための係止溝36cが形成されている。
図11に示すように、第2インナーハウジング30は、その本体部30aが台座87のケーブル挿入部36a側に配置され、その平行部36bが台座87の上を通り、台座87のケーブル挿入部36aと反対側に垂直部30cが位置するように配置される。第2インナーハウジング30を第2ターミナルハウジング7内に取り付けると、第2インナーハウジング30の位置決め用突起30hが台座87上に載置された状態となる。
第2ターミナルハウジング7は、シールド性能、放熱性、及びコネクタ1の軽量化のために、導電率、熱伝導率が高く軽量なアルミニウムなどの金属で形成されることが好ましいが、樹脂などにより形成するようにしても良い。本実施の形態においては、筒状体36をアルミニウムで形成した。
第2ターミナルハウジング7には、後述する嵌合保持部材70が嵌合される第2嵌合部41が設けられているが、この第2嵌合部41についての詳細は後述する。
本実施の形態では、両ターミナルハウジング5,7を嵌合保持部材70により固定する(詳細は後述する)が、両ターミナルハウジング5,7を固定した場合であっても、ケーブル61a〜61cが第2ターミナルハウジング7内で振動すると、その振動が伝わって接合端子4a〜4c,6a〜6cが摩耗してしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、ケーブル61a〜61cの揺れが接点に伝って第1接合端子4a〜4cや第2接合端子6a〜6cに摩耗が生じないように、ケーブル61a〜61cを第2ターミナルハウジング7に固定している。
具体的には、図7に示すように、ケーブル61a〜61cを挟持する孔51を設けた2分割構造のテールプレート50でケーブル61a〜61cを挟み込み、そのテールプレート50に設けた爪52をケーブル挿入部36aに設けた溝36d(図10参照)に係止してテールプレート50をケーブル挿入部36aに固定することで、テールプレート50を介して、ケーブル61a〜61cをケーブル挿入部36aに固定するように構成した。本実施の形態では、より強固にケーブル61a〜61cを固定するために、2つのテールプレート50を用いたが、1つでもよい。テールプレート50は、挿通孔36f(図10(a)参照)の周囲の壁により筒状体36の内側への動きが規制されており、ケーブル61a〜61bが無理に筒状体36の内側に押し込まれることを防止する役割も果たしている。さらに、テールプレート50は、ケーブル61a〜61cを伝って第2ターミナルハウジング7内に水が浸入するのを防止する役割も果たしている。
図1,6,7に示すように、複数の絶縁部材8a〜8dは、第2ターミナルハウジング7内に整列されて収納されると共に複数の第2接合端子6a〜6cの他面(第1接合端子4a〜4cと接合される面と反対側の面)のそれぞれに一体的に設けられる複数の第1絶縁部材8b〜8dと、複数の第1接合端子4a〜4cと複数の第2接合端子6a〜6cとが積層状態となったときに最外(図1,6,7では最も上側)に位置する第1接合端子4aの他面(第2接合端子6aと接合される面と反対側の面)と対向するように設けられる第2絶縁部材8aとからなる。
本実施の形態に係るコネクタ1では、各絶縁部材8a〜8dをそれぞれ連結し、各絶縁部材8a〜8d同士の積層構造の積層方向に対して垂直な方向の動きを規制する絶縁部材規制手段101を有する絶縁部材組立体100を構成している。絶縁部材規制手段101は、積層構造の積層方向をZ軸とする直交座標系を考えたとき、各絶縁部材8a〜8d同士のXY面内の動きを規制するように構成されている。
絶縁部材組立体100には、直交する方向に挿入される両接合端子4a〜4c,6a〜6cを挿入するための孔、すなわち、第1接合端子4a〜4cを挿入するための第1端子挿入孔102と、第2接合端子6a〜6cを挿入するための第2端子挿入孔103が形成されている。第1端子挿入孔102は、隣接する絶縁部材8a〜8d間に形成され、第2端子挿入孔103は各第1絶縁部材8b〜8dに形成される。絶縁部材組立体100の詳細は後述する。
図12に示すように、接続部材9は、カム9aとボルト9bとからなる。カム9aは、下方のみに開口する円筒状に形成されると共に、その上面に工具を嵌合させるための異形状(ここでは星形)の工具嵌合孔9cが形成されており、この工具嵌合孔9cにレンチなどの工具を嵌合させて回動できるようになっている。カム9aの側面には、第2ターミナルハウジング7内に水が浸入するのを防止するOリングなどのパッキン14(図1(a)参照)を収容する溝9hが形成されている。カム9aの下部(溝9hを形成する位置も含む)はフランジ状に拡径されており、図1(a)に示すように、第2ターミナルハウジング7の接続部材挿入孔26内にカム9aを挿入し、接続部材挿入孔26の内周面に形成された溝26aにリング状の固定部材26bを嵌め込み固定することで、フランジ部分が固定部材26bに干渉してカム9aの外側への動きを規制するようにし、第2ターミナルハウジング7と固定部材26bとの間でカム9aを回転自在に保持するようになっている。
カム9aの中空部内には、ボルト9bの上部が挿入される。ボルト9bは、下方のみに開口する円筒状に形成され、その周方向の対向する位置から外方に突出するように凸部9dが形成されている(図12(d)参照)。ボルト9bの下部はフランジ状に拡径されており、そのフランジ部分に形成された切欠9eを第2ターミナルハウジング7に形成された上下に延びる直線上の突起36e(図10(a)参照)にスライド自在に係合することで、カム9aの回転と共に回転することなく、上下方向にスライド可能とされている。
カム9aの中空部内における上面の周縁部には、周方向に沿って徐々に下方に突出するスロープ9fが形成されている。スロープ9fは、ボルト9bの2つの凸部9dに対応するように、カム9aの回転軸に対して180度回転対称の位置に2つ形成されている。スロープ9fの下方に突出する側の端部には、ボルト9bの凸部9dに干渉してカム9aの過回転を防止するストッパ9gが設けられている。
この接続部材9では、カム9aを回転させると、スロープ9fがボルト9bの凸部9dに干渉してボルト9bを第2絶縁部材8a側に移動させて第2絶縁部材8aを押圧するようになっている。このように構成することで、作業者が回動させるカム9aが常に一定の位置にあり上下に動かなくなるので、作業性が向上する。
カム9aおよびボルト9bとしては、例えば、SUS、鉄、銅合金などの金属からなるものを用いるとよい。なお、カム9aやボルト9bとして樹脂製のものを用いてもよいが、強度の観点からは、金属製のものを用いることが好ましい。
また、接続部材9のボルト9bとその直下の第2絶縁部材8aの上面との間には、第2絶縁部材8aに所定の押圧力を付与する弾性部材15が設けられる。本実施の形態では、ボルト9bの中空部に弾性部材15の上部を収納するようにした。これは、弾性部材15の長さがある程度長い場合であっても、ボルト9bと第2絶縁部材8a間の間隔を短くし、コネクタ1を小型化するための工夫である。弾性部材15は、金属(例えば、SUSなど)製のバネで構成される。なお、本実施の形態において、弾性部材15は、接続部材9の一部という位置付けである。
弾性部材15の下部が当接する第2絶縁部材8aの上面には、弾性部材15の下部を覆う(収納する)凹部16が形成され、凹部16の底部(即ち、弾性部材15の下部が当接する座の部分)には、弾性部材15を受けて絶縁性樹脂からなる第2絶縁部材8aの損傷を防止する金属(例えば、SUSなど)製の受け部材17が設けられる。
受け部材17は、弾性部材15から第2絶縁部材8aの上面に加わる応力を分散することで第2絶縁部材8aの損傷を防止するためのものである。そのため、受け部材17と第2絶縁部材8aとの接触面積をできるだけ大きくすることが好ましい。本実施の形態では、受け部材17と第2絶縁部材8aとの接触面積を大きくすべく、凹部16の底部全面に亘って接触するような形状の受け部材17を設けた。
[第1コネクタ部と第2コネクタ部との接続]
両ターミナルハウジング5,7を嵌合させると、第1接合端子4a〜4cのそれぞれが第1端子挿入孔102に挿入され、対となる第2接合端子6a〜6cのそれぞれと絶縁部材8a〜8dとの間に挿入される。そして、該挿入により、複数の第1接合端子4a〜4cの一面のそれぞれと複数の第2接合端子6a〜6cの一面のそれぞれとが対となるように対面すると共に、第1接合端子4a〜4c、第2接合端子6a〜6c、及び絶縁部材8a〜8dとが交互に配置される、即ち、絶縁部材8a〜8dが対となる第1接合端子4a〜4c及び第2接合端子6a〜6cを挟むように配置される積層状態となる。
このとき、第2コネクタ部3の内部において、第1絶縁部材8b〜8dのそれぞれが、所定間隔で離間させた状態で整列させて保持されている第2接合端子6a〜6cの先端側に設けられているため、各絶縁部材8b〜8dの間隔を保持するための保持用治具等を別途設けなくても、各絶縁部材8b〜8dの間隔を保持することができるようになる。これにより、第1接合端子4a〜4cのそれぞれを、対となる第2接合端子6a〜6cのそれぞれと絶縁部材8a〜8dとの間に容易に挿入することができる。即ち、第1接合端子4a〜4cの挿抜性を低下させることがない。また、絶縁部材8b〜8dの間隔を保持するための保持用治具を設けなくてもよい分、従来に比べて更なる小型化を実現できる点において、非常に有効である。
また、第1接合端子4aと第2接合端子6aに係る接点が、第2絶縁部材8aと、接点を構成する第2接合端子6aに設けられた第1絶縁部材8bとにより挟み込まれる。同様に、第1接合端子4b(又は4c)と第2接合端子6b(又は6c)に係る接点が、接点を構成する第2接合端子6b(又は6c)に設けられた第1絶縁部材8c(又は8d)と、他の接点を構成する第2接合端子6a(又は6b)に設けられた第1絶縁部材8b(又は8c)とにより挟み込まれる。
この状態でレンチ等の工具で接続部材9のカム9aを回動させ、カム9aを下方に押し込むと、弾性部材15によって第2絶縁部材8a、第1絶縁部材8b、第1絶縁部材8c、第1絶縁部材8dの順に押圧されていき、接点のそれぞれが絶縁部材8a〜8dのいずれか2つによって挟み込まれるように押圧されて各接点に対して押圧力が付与され、接点のそれぞれが互いに絶縁された状態で接触される。このとき、第1接合端子4a〜4cのそれぞれと第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、絶縁部材8a〜8dからの押圧によって多少撓み広範囲で接触されることとなる。これにより、車両などの振動を発生させる環境においても、接点のそれぞれが強固に接触して固定される。
[嵌合保持部材]
次に、本発明の要部である嵌合保持部材について説明する。
図13〜15に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1は、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させた後に、第1ターミナルハウジング5に設けられた第1嵌合部31と、第2ターミナルハウジング7に設けられた第2嵌合部41の両者に対して、両ターミナルハウジング5,7の嵌合方向と垂直方向に沿ってスライドして嵌合され、両ターミナルハウジング5,7を嵌合状態のまま保持する嵌合保持部材70を備えている。嵌合保持部材70としては、樹脂からなるものを用いてもよいし、金属からなるものを用いてもよい。本実施の形態では、嵌合保持部材70として樹脂からなるものを用いた。
本実施の形態では、嵌合保持部材70は、ケーブル61a〜61cの延出方向に沿って、ケーブル61a〜61c側から両ターミナルハウジング5,7側へとスライドされ、両嵌合部31,41に嵌合されるよう構成されている。ケーブル61a〜61c側から両ターミナルハウジング5,7側へとスライドして嵌合するように嵌合保持部材70を構成することで、コネクタ1のケーブル61a〜61cの側方(積層構造の積層方向の側方)やケーブル61a〜61cと反対側に作業スペースがなくても、嵌合保持部材70を取り付けることが可能となり、非常に狭いスペースでも容易に両ターミナルハウジング5,7を固定することが可能となる。
嵌合保持部材70は、少なくとも両ターミナルハウジング5,7を両側から挟み込むように形成され、両ターミナルハウジング5,7の両側にて両ターミナルハウジング5,7を固定するように構成される。本実施の形態では、第2ターミナルハウジング7の両側(積層構造の積層方向の側方)を覆うようにそれぞれ形成される側部71と、第2ターミナルハウジング7のケーブル61a〜61cの延出側を覆い、両側部71をそのスライド方向後方にて一体に連結する後部72と、第2ターミナルハウジング7の第1ターミナルハウジング5と反対側を覆い、両側部71と後部72の第1ターミナルハウジング5と反対側の端部を一体に連結する上部73と、で構成した。後部72には、ケーブル61a〜61cおよびケーブル挿入部36aを通す挿通穴72aが形成されている。接続部材9が設けられる側の側部71には、接続部材挿入孔26周縁の第2ターミナルハウジング7と干渉しないように、そのスライド方向前方の一部が側方に突出するようにして突出部71aが形成されている。
本実施の形態では、嵌合保持部材70の両側部71の内側(内壁)には、そのスライド方向に沿って形成された溝74(図15参照)が形成されており、第2嵌合部41は、第2ターミナルハウジング7の両側面に嵌合保持部材70のスライド方向に沿って直線状に形成され、嵌合保持部材70の溝74に対してスライド自在に嵌合する突起42からなる。嵌合保持部材70は、その溝74に突起42を挿入し、突起42を溝74でガイドしつつスライドされることになる。なお、本実施の形態では、嵌合保持部材70に溝74を形成し、第2ターミナルハウジング7に突起42を形成したが、溝と突起の関係は逆であってもよい。
本実施の形態では、溝74を側部71に設けているため、側部71をある程度厚く形成する必要が生じるが、側部71を厚く形成してもなるべく重くならないように、側部71内に穴71bを形成して軽量化を図っている。
さらに、本実施の形態では、第2嵌合部41の突起42の上面(第2ターミナルハウジング7と反対側の面)から突出する第2突起42aを形成し(図6(b)参照)、この第2突起42aをスライド自在に収容するように、嵌合保持部材70の溝74の上面(第2ターミナルハウジング7と反対側の面)に第2溝74a(図15参照)を形成している。第2突起42aと第2溝74aは、嵌合保持部材70を嵌合する際のガイドの役割と、嵌合保持部材70の過挿入を防止する役割と、嵌合保持部材70を係止するストッパの役割と、を兼ねている。
また、嵌合保持部材70の両側部71の外側(外壁)には、外方に突出する突起75が形成され、第1嵌合部31は、第1ターミナルハウジング5のフランジ25に形成され、嵌合保持部材70の突起75に対応するように形成され、突起75を収容し保持する突起保持部32からなる。なお、本実施の形態では、嵌合保持部材70に突起75を形成し、第1ターミナルハウジング5に突起保持部32を設けたが、突起と突起保持部の関係は逆であってもよい。
また、フランジ25には、嵌合保持部材70の側部71の下端部(上部73と反対側の端部)が挿入され、側部71をガイドして嵌合保持部材70のスライドをガイドするガイド溝25aが形成されている(図3参照)。
本実施の形態では、側部71の内側にて第2嵌合部41と嵌合し、側部71の外側にて第1嵌合部31と嵌合するように嵌合保持部材70を構成している。これは、接続部材9にて隣接する絶縁部材8aを押圧する際の押圧力が第2ターミナルハウジング7を側方に拡げようとするように働くため、例えば両嵌合部31,41と側部71の内側で嵌合させるように構成すると、第2ターミナルハウジング7が側方に拡がることに伴って嵌合保持部材70も拡がってしまい、両ターミナルハウジング5,7の嵌合を保持できなくなるおそれがあるためである。積層方向の両側に嵌合部31,41を設ける場合は、たとえ第2ターミナルハウジング7が側方に拡がってしまった場合であっても両ターミナルハウジング5,7の嵌合を保持できるように、側部71の内側にて第2嵌合部41と嵌合し、側部71の外側にて第1嵌合部31と嵌合するように嵌合保持部材70を構成することが望ましい。
また、フランジ25の嵌合保持部材70のスライド方向後方(ケーブル61〜61c側)には、嵌合保持部材70の後部72に係止して嵌合保持部材70を固定する固定用爪33が設けられる。本実施の形態では、突起75と突起保持部32を、第2ターミナルハウジング7の側方から見たときの中心部(第2接合端子6a〜6bの長手方向、あるいはケーブル61a〜61cの延出方向、あるいは突起保持部32のスライド方向の中心部)よりも、スライド方向前方、すなわちケーブル61a〜61cと反対側に偏った位置に設け、第1ターミナルハウジング5と嵌合保持部材70とが3箇所で固定されるように構成した。ここでは、後部72の下端部がスライド方向前方に延びるよう形成し、その先端部にΓ字状の固定用爪33が係止して嵌合保持部材70をフランジ25に固定するように構成したが、係止する構造はこれに限定されるものではなく適宜変更可能である。
さらに、嵌合保持部材70は、その一方(接続部材9側)の側部71が、嵌合保持部材70を両嵌合部31,41に嵌合したときに接続部材9を覆うように形成され、かつ、当該一方の側部71に、嵌合保持部材70を両嵌合部31,41に完全に嵌合したときに工具嵌合孔9cを露出させ、工具による接続部材9(カム9a)の回動を許容する工具挿入孔71cが形成されている。
つまり、コネクタ1では、嵌合保持部材70を不完全に嵌合させた状態では工具嵌合孔9cが側部71で覆われ接続部材9のカム9aを回動できないようになっており、嵌合保持部材70を両嵌合部31,41に完全に嵌合したときにのみ、工具挿入孔71cから工具嵌合孔9cを露出させ、工具挿入孔71cを介して工具嵌合孔9cに工具を差し込んで接続部材9を操作できるようになっている。なお、図13では、嵌合保持部材70が両嵌合部31,41に完全に嵌合されていないため、工具挿入孔71cから工具嵌合孔9cが露出していない。このように構成することで、両コネクタ部2,3の嵌合作業時に嵌合保持部材70を確実に嵌合させることが可能となり、作業者に確実な作業を促すことが可能になる。
第2ターミナルハウジング7の第1ターミナルハウジング5の嵌合側と反対側には、外方に突出する突起34が形成され、嵌合保持部材70には、突起34を係止する係止穴76aを有する舌片状の係止部76が形成されており、嵌合保持部材70を両嵌合部31,41に完全に嵌合したときに、突起34が係止部76に係止して嵌合保持部材70が第2ターミナルハウジング7に固定するストッパ78が構成されている。突起34の先端部は、嵌合保持部材70の嵌合時に係止部76に係止しやすいようテーパ状に形成されている。
なお、ストッパ78を設ける位置や具体的な構造はこれに限定されるものではない。但し、ストッパ78は、作業者が片手で嵌合保持部材70の着脱の作業を行えるように構成されることが望ましい。本実施の形態では、作業者が片手で突起34と係止部76の係止を解除し、嵌合保持部材70を容易に取り外すことが可能であり、作業性に優れている。
[絶縁部材組立体]
次に、絶縁部材組立体100について詳細に説明する。
図1,7,16に示すように、絶縁部材組立体100は、各絶縁部材8a〜8dを積層方向に順次連結して構成される。つまり、絶縁部材組立体100は、第2絶縁部材8aと第1絶縁部材8b、第1絶縁部材8bと第1絶縁部材8c、第1絶縁部材8cと第1絶縁部材8dをそれぞれ連結して構成される。
絶縁部材組立体100では、絶縁部材規制手段101は、各絶縁部材8a〜8dを連結したときに、各絶縁部材8a〜8d同士の積層方向と垂直方向の動きを規制するようにされる。絶縁部材組立体100では、接続部材9による押圧力を各接点に伝えるために、各絶縁部材8a〜8dは積層方向に相対的に移動可能に連結される。
絶縁部材規制手段101は、積層方向に隣り合う絶縁部材8a〜8dの一方に設けられ隣り合う絶縁部材8a〜8dの他方に向かって突出する複数の連結片81と、隣り合う絶縁部材8a〜8dの他方に複数の連結片81に対応するように設けられ、複数の連結片81を積層方向にスライド自在に収容する複数の連結溝82と、を備えている。
本実施の形態では、絶縁部材8a〜8dを、その積層方向から見た形状が略矩形状となるように形成し、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部のうち少なくとも2箇所に、連結片81と連結溝82の一方または両方を形成するようにした。ここでは、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部それぞれに、連結片81と連結溝82の一方または両方を形成する場合を説明する。
絶縁部材組立体100では、第1絶縁部材8b〜8dには、第1絶縁部材8b〜8dの幅方向の4つの隅部から、当該第1絶縁部材8b〜8dが設けられる第2接合端子6a〜6cを挟んで対向する絶縁部材8a〜8c(第1絶縁部材8bでは第2絶縁部材8a、第1絶縁部材8cでは第1絶縁部材8b、第1絶縁部材8dでは第1絶縁部材8c)に延びる連結片81がそれぞれ一体に形成される。
また、第1絶縁部材8b〜8dと対向する(第1絶縁部材8b〜8dが設けられる第2接合端子6a〜6cを挟んで対向する)絶縁部材8a〜8cには、絶縁部材8a〜8cの両側面に、連結片81を積層方向にスライド自在に収容する連結溝82がそれぞれ形成される。本実施の形態では、複数の第1絶縁部材8b〜8dを同じ形状に形成し、最外に位置する第1絶縁部材8dにも、連結溝82を形成した。また、本実施の形態では、連結片81と連結溝82を、積層方向から見て略矩形状に形成した。
複数の第1絶縁部材8b〜8dを同じ形状に形成することにより、部品点数を削減し低コスト化が可能になると共に、最外に位置する第1絶縁部材8dに形成された連結溝82を利用して、絶縁部材組立体100の第2ターミナルハウジング7に対する位置決めを行うことが可能になる。本実施の形態では、第1絶縁部材8dの連結溝82に、第2ターミナルハウジング7内に備えられた位置決め用突起30h(図9,11参照)を挿入することで、絶縁部材組立体100の第2ターミナルハウジング7に対する位置決めを行うようになっている。なお、本実施の形態では、位置決め用突起30hを第2インナーハウジング30に形成したが、第2ターミナルハウジング7に直接形成することも勿論可能である。
第1絶縁部材8bの連結片81を第2絶縁部材8aの連結溝82に、第1絶縁部材8cの連結片81を第1絶縁部材8bの連結溝82に、第1絶縁部材8dの連結片81を第1絶縁部材8cの連結溝82にそれぞれ収容することで、各絶縁部材8a〜8dは、積層方向に相対的に移動可能な状態で連結され、絶縁部材組立体100が構成される。
また、絶縁部材組立体100では、絶縁部材8a〜8dを連結(積層)したときに、連結片81の先端(上端)が連結溝82の上面で規制されて、絶縁部材8a〜8d同士の間隔が所定の間隔(最小積層間隔という)よりも狭くならないよう規制されるようになっている。
この最小積層間隔は、接点を構成する第1接合端子4a〜4cと第2接合端子6a〜6cの合計厚さ(接点厚さという)よりも、若干小さい間隔となるように調整される。最小積層間隔が接点厚さよりも大きいと、接続部材9による押圧力が接点に伝わらず、また最小積層間隔を小さくし過ぎると、何らかの理由で第2接合端子6a〜6cが変形するなどした際に、絶縁部材8a〜8dの積層方向の位置ずれが大きくなりすぎ、嵌合性が悪化するなどの不具合が発生するためである。最小積層間隔の調整は、連結片81と連結溝82の積層方向の長さの差を調整することで行うことができる(例えば、連結溝82の長さに対して連結片81を長くしていくと、最小積層間隔が長くなる)。
図17(a)に示すように、第1絶縁部材8b〜8dの4つの連結片81は、第2接合端子6a〜6cの長さ方向から見て略Γ字状、あるいは略左右反転させたΓ字状に形成されており、内側に向かって開口するコの字状の嵌合溝83が形成されている。この嵌合溝83に第2接合端子6a〜6cを挿入することで、第1絶縁部材8b〜8dが第2接合端子6a〜6cに係止され固定されるようになっている。つまり、連結片81は、絶縁部材8a〜8d同士を連結する役割と、第2接合端子6a〜6cに係止する役割を兼ねており、その嵌合溝83が第2端子挿入孔103となっている。
他方、図1(b)および図17(b)に示すように、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させたときには、第2ターミナルハウジング7の開口に臨む位置(第1接合端子4a〜4cの挿入側)に形成される連結片81の間に、第1接合端子4a〜4cが挿入される。つまり、第2ターミナルハウジング7の開口に臨む位置に形成される連結片81は、第1接合端子4a〜4cの先端部をガイドし位置決めを行う役割も兼ねており、また、第2接合端子6a〜6cと絶縁部材8a〜8cとの間であって、かつ、両連結片81に挟まれた開口が第1端子挿入孔102となる。
本実施の形態では、図17(a),(b)に示すように、複数の第1絶縁部材8b〜8dに、第2接合端子6a〜6cの第1接合端子4a〜4cの挿入側の端面を覆い、第2接合端子6a〜6cと絶縁部材8a〜8cとの間に第1接合端子4a〜4cを挿入する際に両接合端子4a〜4c,6a〜6cが衝突することを防止する衝突防止用壁84を一体に形成し、各衝突防止用壁84の角部に、第1接合端子4a〜4cの挿入を容易とするための面取り加工(または丸め加工)を施すようにした。同様の面取り加工(または丸め加工)が、衝突防止用壁84と対向する位置の絶縁部材8a〜8c(つまり、絶縁部材8a〜8cの接続部材9と反対側でかつ第1接合端子4a〜4cの挿入側の角部)にも形成される。本実施の形態では省略しているが、連結片81の第1端子挿入孔102側の角部にも面取り加工または丸め加工を施し、第1接合端子4a〜4cの挿入をより容易としてもよい。衝突防止用壁84は、その上面が第2接合端子4a〜4cの上面と同一面となるように形成される。
第1絶縁部材8b〜8dを第2接合端子6a〜6cに設けることで、第1絶縁部材8b〜8dが、第2接合端子6a〜6c、第2インナーハウジング30を介して第2ターミナルハウジング7に保持されることとなり、第1絶縁部材8b〜8dの第1ターミナルハウジング5に対する位置決めがなされる。第1ターミナルハウジング5に対する位置決めがなされた状態では、連結片81の先端と連結溝82の上面との間には隙間が形成され、第1絶縁部材8b〜8d同士が積層方向に相対的に移動可能となっている。なお、このとき、各絶縁部材8a〜8dは、第2インナーハウジング30の本体部30aと平行部30bと垂直部30cとに囲まれた空間30dに収容されることになる(図9,11参照)。
嵌合溝83の積層方向の幅(コの字状の開口の幅)は、第2接合端子6a〜6cの厚さよりも若干大きく形成される。これにより、嵌合溝83に第2接合端子6a〜6cを嵌合したときに、嵌合溝83と第2接合端子6a〜6cの間に隙間(クリアランス)が形成されるようになり、第1絶縁部材8b〜8dが、第2接合端子6a〜6cに対してがたつきを持たせて設けられることになる。第1絶縁部材8b〜8dを、第2接合端子6a〜6cに対してがたつきを持たせて設けることにより、第1絶縁部材8b〜8dの位置が多少ずれた場合でも、第1絶縁部材8b〜8dが柔軟に移動可能となるので、第1接合端子4a〜4cが第1絶縁部材8b〜8dに突き当たる等して、嵌合性が悪化することを防止できる。また、嵌合溝83と第2接合端子6a〜6cの間に隙間(クリアランス)を形成することにより、第2接合端子6a〜6cを嵌合溝83に容易に嵌合させることが可能になる。なお、本実施の形態では省略しているが、第2接合端子6a〜6cの嵌合溝83への嵌合を容易とするために、嵌合溝83の周縁(および第2接合端子6a〜6c挿入側の第1絶縁部材8b〜8dの角部)に面取り加工あるいは丸め加工を施すようにしてもよい。
また、第1絶縁部材8b〜8dでは、その第2接合端子6a〜6cの挿入側と反対側の2つの連結片81間を連結するように、連結壁85が一体に形成されている。連結壁85は、嵌合溝83の第2接合端子6a〜6cの挿入側と反対側を塞ぐように第1接合端子4a〜4cの挿入方向と平行に設けられ、連結片81の機械的強度を向上させると共に、この連結壁85に第2接合端子6a〜6cの先端を当接させることで、第2接合端子6a〜6cの位置決めおよび過挿入を防止する役割を果たしている。また、連結壁85は下方に延長されて連結溝82の第2接合端子6a〜6cの挿入側と反対側を覆うように構成されており、連結溝82に連結片81を挿入した際の接触面積を大きくして、絶縁部材8b〜8d同士の連結をより安定させる役割を果たしている。なお、連結壁85は、絶縁部材8a〜8dの間隔を最小積層間隔としたときに、対向する絶縁部材8a〜8cに衝突しない程度の高さに形成される。
さらに、連結壁85は、図17(b)に示すように、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させ第1接合端子4a〜4cを挿入した際に、第1接合端子4a〜4cの側方を覆い、各接点間の沿面距離を大きくする役割も果たしている。このような構成は、絶縁部材8b〜8dを小型としコネクタ1全体の小型化を図る場合に特に有効である。なお、本実施の形態では、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させた際に、第1接合端子4a〜4cが第2接合端子6a〜6c全体を覆わずに途中まで挿入されるように構成しており、これにより絶縁部材8b〜8dの第1接合端子4a〜4cの挿入側と反対側を介した接点間の沿面距離を大きくしているため、絶縁部材8b〜8dの第1接合端子4a〜4cの挿入側と反対側には連結壁を形成しなかったが、当然ながら、絶縁部材8b〜8dの第1接合端子4a〜4cの挿入側と反対側にさらに連結壁を形成することも可能である。
本実施の形態では、第1絶縁部材8b〜8dに連結片81を形成し、対向する絶縁部材8a〜8cに連結溝82を形成したが、絶縁部材組立体100において、連結片81と連結溝82の関係を逆にする(絶縁部材8a〜8cに連結片81を形成し、対向する絶縁部材8b〜8dに連結溝82を形成する)ことも当然可能である。ただし、この場合、連結片81に嵌合溝83を形成することができなくなるので、第1絶縁部材8b〜8dに、別途第1接合端子4a〜4cを設ける機構を設けなければならず、第1絶縁部材8b〜8dの構造が複雑になる。
[本実施の形態の作用]
本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るコネクタ1では、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させた後に、第1嵌合部31と第2嵌合部41の両者に対して、両ターミナルハウジング5,7の嵌合方向と垂直方向に沿ってスライドして嵌合され、両ターミナルハウジング5,7を嵌合状態のまま保持する嵌合保持部材70を備えている。
嵌合保持部材70を用いることにより、従来のボルト固定のように面倒な作業を行わずとも、スライドにより容易に両ターミナルハウジング5,7を固定したり、当該固定を解除したりすることが可能となり、着脱作業を容易にできる。
また、本実施の形態では、スライドにより嵌合保持部材70を嵌合するため、従来必須であったボルトを回転させる工具等のための広いスペースが不要であり、狭いスペースでも取り付け可能になる。
つまり、本実施の形態によれば、着脱作業を容易にでき、かつ、狭いスペースでも取り付け可能なコネクタ1を実現できる。
さらに、嵌合保持部材70を用いることにより、両ターミナルハウジング5,7を嵌合状態のまま固定してケーブル61a〜61cの振動が接点に伝わることを抑制し、車載環境など振動が発生し易い状況においても、振動による接合端子4a〜4c,6a〜6cの摩耗を抑制することが可能になる。
特に、積層構造型のコネクタ1では、接続部材9による押圧により複数の接点を一括して保持しているために、その押圧方向を軸として回転させようとする力が加わったときに両接合端子4a〜4c,6a〜6c間にずれが発生し易くなっており、本発明を適用することによる効果は大きい。
さらに、コネクタ1では、ケーブル61a〜61cを挟持する2分割構造のテールプレート50を有し、テールプレート50を第2ターミナルハウジング7に固定することで、ケーブル61a〜61cを第2ターミナルハウジング7に固定しているため、ケーブル61a〜61cが第2ターミナルハウジング7内で振動して接合端子4a〜4c,6a〜6cに振動が伝わることを抑制でき、接合端子4a〜4c,6a〜6cの摩耗をより確実に抑制することが可能になる。
コネクタ1では、接点が第2ターミナルハウジング7内で形成され、機器の外部で接点が形成される構成であるため、第2ターミナルハウジング7が振動することによる接合端子4a〜4c,6a〜6cの摩耗が発生し易く、本発明は、このような場合において、特に顕著な作用効果が得られる。
さらに、コネクタ1では、接続部材9による押圧により複数の接点を一括して保持している積層構造型の構成となっており、本発明は、このような積層構造型のコネクタに適用する場合において、特に顕著な作用効果が得られる。
また、コネクタ1では、嵌合保持部材70の側部71の内側にて第2嵌合部41と嵌合し、側部71の外側にて第1嵌合部31と嵌合するようにを構成しているため、たとえ第2ターミナルハウジング7が側方に拡がってしまった場合であっても両ターミナルハウジング5,7の嵌合を保持できる。
また、コネクタ1では、第1ターミナルハウジング5のフランジ25における嵌合保持部材70のスライド方向後方に、嵌合保持部材70の後部に係止して嵌合保持部材70を固定する固定用爪33を設けているため、嵌合保持部材70を第1ターミナルハウジング5に強固に固定できる。
また、コネクタ1では、嵌合保持部材70を、ケーブル61a〜61cの延出方向に沿って、ケーブル61a〜61c側から両ターミナルハウジング5,7側へとスライドして両嵌合部31,41に嵌合されるように構成しているため、ケーブル延出方向以外の方向にスペースがないような非常に狭いスペースであっても、容易に嵌合保持部材70を嵌合して両ターミナルハウジング5,7を固定することが可能になる。
また、コネクタ1では、嵌合保持部材70の一方の側部に、嵌合保持部材70を両嵌合部31,41に完全に嵌合したときに工具嵌合孔9cを露出させ、工具による接続部材9の回動を許容する工具挿入孔71cを形成しているため、両コネクタ部2,3の嵌合作業時に作業者に嵌合保持部材70を確実に嵌合させるよう促すことが可能となり、不完全な嵌合状態のまま放置され嵌合保持部材70が意図せず脱落してしまったり、両ターミナルハウジング5、7の嵌合が緩んでケーブル61a〜61cの振動が接点に伝わり、接合端子4a〜4c,6a〜6cが摩耗してしまうことを抑制できる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記実施の形態では、第1嵌合部31を突起保持部32(または突起)、第2嵌合部41を突起42(または溝)で構成したが、第1嵌合部31や第2嵌合部41の具体的な構造は、用途や要求される仕様等により適宜変更可能である。例えば、図18に示すコネクタ181のように、第1嵌合部31である突起保持部32を、フランジ25から第2ターミナルハウジング7側に突出する垂直部32aと垂直部32aの先端から嵌合保持部材70の挿入側にスライド方向に沿って延びる水平部32bとで構成して、水平部32bとフランジ25との間で突起75をガイドするようにし、さらに、水平部32bのフランジ25側の面を、嵌合保持部材70の挿入側(ケーブル61a〜61c側)に向かって徐々に開口が大きくなるようにテーパ状に形成してもよい。このように構成することで、嵌合保持部材70を嵌合する際に、水平部32bのフランジ25側の面により突起75が徐々に第1ターミナルハウジング5側に引き寄せられ、スライドにより自然に嵌合保持部材70が第1ターミナルハウジング5側に押しつけられることとなり、たとえ両ターミナルハウジング5,7の嵌合が不完全で浮いているような場合であっても、第2ターミナルハウジング7を嵌合保持部材70により第1ターミナルハウジング5側に引き寄せて、両ターミナルハウジング5,7を完全に嵌合させることが可能になる。
また、上記実施の形態においては、三相交流の電源ラインを想定していたが、本発明の技術思想によれば、例えば、自動車用のコネクタであって、モータ、インバータ間用の三相交流の電源ライン、エアコン用の直流二相の電源ラインなど異なる用途のラインを一括して接続するような構成としても良い。このように構成することにより、1つのコネクタで複数の用途の電源ラインを一括して接続することができるため、用途毎に異なるコネクタを用意する必要がなく、省スペース化や低コスト化などに貢献することができる。
また、第1接合端子4a〜4cのそれぞれと第2接合端子6a〜6cのそれぞれの端子表面をローレット加工などにより荒らし、摩擦力を大きくさせ、端子同士を動きづらくして接点のそれぞれでの固定を強固にするようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、第1コネクタ部2を機器側に取り付ける場合を説明したが、第1接合端子4a〜4cをケーブルの端部に設けられた端子とし、ケーブル同士を接続するように構成することも可能である。
さらに、上記実施の形態では、第1インナーハウジング10の貫通孔10aに第1接合端子4a〜4cを挿入することで、第1接合端子4a〜4cを第1インナーハウジング10に固定したが、インサート成型により第1接合端子4a〜4cと一体に第1インナーハウジング10を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、嵌合溝83に第2接合端子6a〜6cを嵌合することで、第1絶縁部材8b〜8dを第2接合端子6a〜6cに設ける場合を説明したが、インサート成型により第1絶縁部材8b〜8dを第2接合端子6a〜6cに固定したり、あるいは、第1絶縁部材8b〜8dに第2接合端子6a〜6cを圧入して固定するようにしてもよい。但し、インサート成型や圧入を用いた場合、第2接合端子6a〜6cに対する第1絶縁部材8b〜8dのがたつきが無くなるので、嵌合性を向上させる観点からは、第2接合端子6a〜6cを嵌合溝83に嵌合させる構造が望ましい。
また、上記実施の形態においては、ケーブル61a〜61cとして可撓性に優れたケーブルを用いていたが、リジッドなケーブルでも良い。
また、上記実施の形態においては、コネクタの使用状態における向きは、接続部材9が略水平状態であっても、略垂直状態であっても良い。即ち、本実施の形態におけるコネクタの使用条件に、使用状態における向きは要件としない。
また、上記実施の形態においては、接続部材9の一部である弾性部材15を介して接続部材9のボルト9bによって隣接する第2絶縁部材8aを押圧しているが、弾性部材15を介さずに直接、ボルト9bによって隣接する第2絶縁部材8aを押圧しても良い。
また、上記実施の形態においては、第1ターミナルハウジング5の一側のみに接続部材9を設ける場合を説明したが、第1ターミナルハウジング5の両側に接続部材9を設け、両側に設けられた両接続部材9により各接点に押圧力を付与するように構成してもよい。
上記実施の形態では、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部それぞれに、連結片81と連結溝82の一方または両方を形成する場合を説明したが、これに限定されず、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部のうち2箇所あるいは3箇所に、連結片81、連結溝82を形成するようにしてもよい。
上記実施の形態では、積層構造型のコネクタ1に適用する場合を説明したが、本発明は、積層構造型以外のコネクタにも適用可能であり、例えば、第1接合端子と第2接合端子を1対のみ備えたものであっても、当然に適用可能である。
また、コネクタ1に第1コネクタ部2が含まれない構成であってもよい。この場合、ケーブル61a〜61cの端部に第2コネクタ部3を設けたものが、本発明のワイヤハーネスとなる。