JP2012085604A - 苦味抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】不快な苦味を有効に抑制し得る苦味抑制剤を提供すること。
【解決手段】オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する、苦味抑制剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、苦味抑制剤に関する。
苦味を有する飲食品として、例えば、コーヒー、緑茶等の飲料、大豆、小豆等の豆類、ピーマン等の野菜類、グレープフルーツ等の柑橘類が知られている。これら飲食品には、苦味成分として、例えば、カフェイン、カテキン、サポニン、フラボノイド、リモニン又はナリンギン等が含まれている。
ところで、苦味は味覚の一種であり、ほのかな苦味は嗜好性を高める上で有効であるが、苦味が強過ぎると不快感ないし嫌悪感を伴うようになる。
このような不快な苦味を抑制する手段として、例えば、プロタミン及び/又はその塩を添加する方法(特許文献1)、糖アルコール類を一定量添加する方法(特許文献2及び3)、サイクロデキストリンを一定量含有せしめる方法(特許文献4)、甘蔗由来の抽出物を含有せしめる方法(特許文献5)等が知られている。また、高甘味度甘味料に特有の苦味等の不快な後味をイソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールで抑制する方法(特許文献6)、ヘスペリジン配糖体により生薬類含有飲食品の苦味等を低減する方法(特許文献7)などが提案されている。
特開平6−153875号公報 特開平7−274829号公報 特開平11−253102号公報 特開平10−4919号公報 特開2002−34471号公報 特開2008−099683号公報 特開11−318379号公報
近年、健康志向の高揚や消費者の嗜好の多様化により茶飲料の需要が拡大し、多種多様の商品が上市されている。中でも、緑茶、烏龍茶、紅茶等の茶飲料が注目されている。これら茶飲料には、非重合体カテキン類等が含まれ、その健康効果が明らかとなっていることから非重合体カテキン類を高濃度で配合した飲料が提案されている。しかしながら、非重合体カテキン類を高濃度で配合した飲料は、非重合体カテキン類由来の苦味が強い。このような苦味に対して、糖アルコール類、β−サイクロデキストリン又は甘蔗由来抽出物を少量配合しただけでは苦味抑制効果が不十分であり、また苦味抑制効果を増強すべく配合量を増量すると茶本来の風味や香りを損なうことがあった。
したがって、本発明は、不快な苦味を有効に抑制し得る苦味抑制剤を提供することを課題とする。また、本発明は、苦味を抑制した非重合体カテキン類含有飲料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑み種々検討した結果、天然由来の特定のフラボンが不快な苦味の抑制に有効であることを見出した。また、このフラボンを、非重合体カテキン類含有飲料に含有せしめることにより、非重合体カテキン類由来の苦味が有効に抑制されることを見出した。
すなわち、本発明は、オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する苦味抑制剤を提供するものである。
本発明はまた、苦味を有する組成物に、上記苦味抑制剤を配合する苦味抑制方法を提供するものである。
本発明はさらに、次の成分(A)及び(B):
(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.6質量%、及び
(B)オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種
を含み、飲料中の成分(B)の含有量が0.03質量ppm以上である非重合体カテキン類含有飲料を提供するものである。
本発明はさらにまた、(A)非重合体カテキン類を0.05〜0.6質量%含有する飲料に、(B)オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種を0.03質量ppm以上配合する非重合体カテキン類含有飲料の苦味抑制方法を提供するものである。
本発明によれば、不快な苦味を有効に抑制することができる。また、本発明の苦渋味抑制剤は、天然由来成分であって安全性が高いため、飲食品、医薬品、医薬部外品の分野で使用することが可能である。さらに、本発明によれば、非重合体カテキン類由来の苦味を抑制した非重合体カテキン類含有飲料が提供される。
(苦味抑制剤)
本発明の苦味抑制剤は、有効成分としてオリエンチン及びイソオリエンチン(以下、これらを総称して「オリエンチン類」とも称する)から選ばれる少なくとも1種を含有するものである。
本発明で使用するオリエンチン類は、フラボンの一種であって、オリエンチンはルテオリンの8位の炭素にグルコシル基が直接結合したC配糖体(ルテオリン8−C−グルコシド)である。また、イソオリエンチンはオリエンチンの構造異性体であって、ルテオリンの6位の炭素にグルコシル基が直接結合したC配糖体(ルテオリン6−C−グルコシド)である。
オリエンチン類は、細胞及び体内の活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)様活性及び/又は抗酸化能等を有することが知られているが、従来オリエンチン類の苦味抑制作用について報告はなく、全く予期し得ないところであった。
オリエンチン類は、天然由来品でも、化学合成品でもよく、更に市販品であってもよい。市販品としては、例えば、EXTRASYNTHESE社製のオリエンチンが挙げられる。
また、天然由来品としては、例えば、オリエンチン類を含有する植物から抽出後、カラムクロマトグラフィー等により分離したものが挙げられる。オリエンチン類を含有する植物としてはオリエンチン類を含有すれば特に限定されないが、例えば、アロエ、タケ、イネ等が挙げられる。抽出方法としては、公知の方法を採用することが可能であるが、例えば、水、有機溶媒又は有機溶媒水溶液で抽出する方法、水蒸気蒸留で抽出する方法、超臨界抽出で抽出する方法が挙げられる。なお、有機溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステル、テトラヒドロフラン等のエーテル、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、トルエン、石油エーテル等の炭化水素が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
抽出に使用する植物の部位は特に限定されず、種子、種皮、果肉、花、葉、茎、根、根茎又は全草等のいずれの部位も適宜選択して使用することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。また、抽出する際には、植物を粉砕、切断、乾燥等の前処理をしてもよい。
本発明の苦味抑制剤は、その形態を使用条件に応じて適宜選択することが可能であり、例えば、固体、液体、溶液、スラリー等の種々のものが挙げられる。
本発明の苦味抑制剤は、苦味成分を含有するものであれば特に限定なく適用可能であるが、硫酸キニーネ標準溶液を基準とする苦味強度が7以下の苦味を有する組成物に好ましく適用される。ここで、本明細書において「硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度」とは、硫酸キニーネを用いて苦味の強さを等間隔で10段階に予め調整した標準溶液(実施例の表1参照、Indow, T, Perception & Psychophysics, Vol.5(1969),pp.347-351)を基準とする官能試験において、被験者により硫酸キニーネの標準溶液の中から被験物質と同等の苦味の強さと認識された標準溶液の苦味強度をいう。具体的には、次の手順で苦味強度が決定される。先ず正常な味覚を有する健常人3名を被験者とし、各被験者が硫酸キニーネの標準溶液を低濃度から順に口に含み苦味の強さを記憶する。次いで、各被験者が被験物質を口に含み苦味の程度を認識し、硫酸キニーネの標準溶液の中から最も苦味レベルの近いものを決定する。そして、各被験者が決定した苦味強度の数値を平均化して被験物質の苦味強度とする。なお、苦味強度が小さいほど、苦味が弱いことを意味する。
苦味を有する組成物の苦味強度は、硫酸キニーネの標準溶液を基準として好ましくは7以下であるが、更に6以下、特に5以下であることが好ましい。なお、苦味強度の下限は特に限定されないが、3、特に4であることが好ましい。
このような苦味を有する組成物としては、例えば、苦味を有する経口医薬品、経口医薬部外品又は飲食品等が例示される。
経口医薬品中の苦味成分としては、例えば、ストリキニーネ、キニーネ、パパベリン、ベルベリン、ブロメタジン、ブルシン、プロプラノロール、クロルプロマジン等が例示される。薬物は酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、炭酸塩等の鉱酸塩及び有機酸塩が例示される。
経口医薬部外品としては、例えば、歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンス等が例示される。経口医薬部外品中の苦味成分としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム等の界面活性剤、メントール、リナロール、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール等の香料、メチルパラベン、プロピルパラベン等の殺菌剤等が例示される。なお、経口医薬品及び経口医薬部外品の剤型は特に限定されず、公知の剤型を採用することができる。
苦味を有する飲食品としては、次のものが例示される。
グレープフルーツ、オレンジ、レモン等の柑橘果実又はこれら果実から得られる果汁;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス等の野菜又はこれら野菜から得られる野菜汁若しくは野菜ジュース;ソース、醤油、味噌、唐辛子、うま味調味料等の調味料;豆乳等の大豆食品;クリーム、ドレッシング、マヨネーズ、マーガリン等の乳化食品;魚肉、すり身、魚卵等の水産加工食品;ピーナツ等のナッツ;納豆等の発酵食品;食肉又はその加工食品;ビール、コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、機能性飲料等の飲料;漬物;めん;粉末スープを含むスープ;チーズ、牛乳等の乳製品;パン・ケーキ;スナック、ビスケット、米菓、チューインガム、チョコレート、キャンディー等の菓子。
これら飲食品中の苦味成分としては、例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等のアミノ酸、ナリンギン、非重合体カテキン類等のフラボノイド類(オリエンチン類を除く)ペプチド、サポニン、タンニン、リモニン、カフェイン、クロロゲン酸類、オリゴ糖等が例示される。
本発明の苦味抑制剤は、苦味強度が7以下である飲食品に好ましく適用され、オリエンチン類以外のフラボノイド類、とりわけ非重合体カテキン類を含有する飲料に好適に使用される。
本発明の苦味抑制剤の使用量は、苦味成分の種類、苦味強度により適宜選択することが可能であるが、例えば、硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度が7以下である苦味を有する組成物に対して、有効成分量として0.03質量ppm以上、更に0.07質量ppm以上、更に0.15質量ppm以上、特に3質量ppm以上、殊更5質量ppm以上含有させることが、苦味抑制効果の点で好ましい。なお、上限は、風味等に影響を与えない点から、苦味を有する組成物に対して、300質量ppm、更に200質量ppm、特に150質量ppmであることが好ましい。
本発明において、有効成分としてのオリエンチン類は、液体クロマトグラフ測定法等の測定法により定量することができる。
(非重合体カテキン類含有飲料)
本発明の飲料は、(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.6質量%、及び(B)オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種を含み、飲料中の成分(B)の含有量が0.03質量ppm以上である、非重合体カテキン類含有飲料である。
本発明の飲料は、(A)非重合体カテキン類を0.05〜0.6質量%含有するが、苦味抑制の観点から、0.06〜0.5質量%、更に0.08〜0.4質量%、特に0.1〜0.2質量%含有することが好ましい。ここで、本発明において「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類濃度は上記8種の合計量に基づいて定義される。なお、非重合体カテキン類濃度の測定方法は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
また、本発明の飲料は、苦味抑制成分として前記オリエンチン類から選ばれる少なくとも1種を含有する。オリエンチン類の含有量は、有効成分量として0.03質量ppm以上であるが、更に0.07質量ppm以上、更に0.15質量ppm以上、更に3質量ppm以上、特に5質量ppm以上であることが、苦味抑制効果の点で好ましい。なお、上限は、飲料の風味等に影響を与えない点から、有効成分量として300質量ppm、更に200質量ppm、特に150質量ppmであることが好ましい。
本発明の飲料は、例えば、カテキン製剤とオリエンチン類とを配合し、非重合体カテキン類及びオリエンチン類の各濃度を調整して製造することができる。
カテキン製剤としては、例えば、茶から得られた抽出物が挙げられ、市販品を使用してもよい。市販品としては、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等が例示される。茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹が好適に使用される。茶樹は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が例示される。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示される。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、緑茶が好適である。なお、茶を抽出する方法としては、公知の方法を採用することができる。また、カテキン製剤として、カテキン製剤の精製物を用いてもよい。ここで、カテキン製剤の精製物とは、カテキン製剤を精製して非重合体カテキン類の純度を高めたものをいい、精製方法としては、例えば、特開2006−197934号公報や特開2006−160656号公報に記載の方法が挙げられる。
更に、本発明の飲料には、所望により、酸化防止剤、pH調整剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、品質安定剤等の添加剤を単独で又は併用して配合してもよい。
本発明の飲料は、風味及び保存安定性の観点から、pH(20℃)が3〜8、更に4〜7、更に5〜7、特に5〜6.5であることが好ましい。
また、本発明の飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
更に、本発明の飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
〔苦味の評価〕
専門パネル3名が下記表1記載の硫酸キニーネの標準溶液を基準として各試験液の苦味レベルを官能試験し、その評点の平均値により苦味の評価値とした。
Figure 2012085604
〔オリエンチン類の分析〕
有効成分としてのオリエンチン類は、高速液体クロマトグラフ法(HPLC)により、次の手順にて定量することができる。
・試料調製:試料1gを、メタノール及び2.5質量%酢酸水溶液を体積比4/1で混合した溶液80mLに溶解し、超音波を5分間照射した後に、同じ混合溶液にて100mLにメスアップした。
・装置:LC−10ATvp(島津製作所)
・検出器:紫外可視吸光光度計 SPD−10AV(島津製作所)
・カラム:Unison UK−C18 φ4.6mm×15cm、3μm(インタクト(株))
・移動相:水−リン酸(1000:4)及びアセトニトリル及びメタノールの混液
グラジエント溶出
・測定波長:360nm
・流量:1.0ml/min
・カラム温度:50℃
実施例1〜3
0.00230g/100mLの硫酸キニーネの標準溶液(苦味強度5)に、表2に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、官能試験を行った。なお、苦味抑制剤として、市販のオリエンチン(EXTRASYNTHESE社製、純度99.0%以上)を使用した。
比較例1
オリエンチンの換わりに、表2に示す割合のβ−環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表2に示す。
比較例2
オリエンチンの換わりに、表2に示す割合の環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2012085604
実施例4〜6
市販のカテキン類製剤(TEAVIGO、DSM Nutritional Products GmbH社製、EGCg純度90%)0.09質量%を含有する水溶液に、表3に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、官能試験を行った。なお、苦味抑制剤として、市販のオリエンチン(EXTRASYNTHESE社製、純度99.0%以上)を使用した。その結果を表3に示す。
比較例3
苦渋味抑制剤を配合しなかったこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表3に示す。
比較例4
オリエンチンの換わりに、表3に示す割合のβ−環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表3に示す。
比較例5
オリエンチンの換わりに、表3に示す割合の環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2012085604
表2及び3から、オリエンチンを有効成分とする苦味抑制剤を含有せしめることで、本来の風味を損なうことなく、苦味を有効に抑制できることが確認された。また、実施例1と比較例1〜2、実施例4と比較例4との対比から、本発明の苦味抑制剤は、従来の苦味抑制剤に比べて、極めて少ない添加量で苦味を十分抑制できることがわかった。
〔カテキン製剤の精製物の製造〕
市販のカテキン製剤(ポリフェノンHG、三井農林社製)1,000gを、25℃、200r/minの攪拌条件下で、95質量%エタノール水溶液9,000g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)500gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次いで、25℃のまま約30分間の攪拌処理を続けた。次いで、2号濾紙で活性炭、酸性白土、及び沈殿物を濾過した後、0.2μmのメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃、3.3kPaでエタノールを留去し、減圧濃縮を行った。このうち750gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を10,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液30gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水10.7g中にタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上、キッコーマン社製)2.7gを溶解した液を添加し、30分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで、95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活させた。次いで、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「カテキン製剤の精製物」を得た。固形分中の非重合体カテキン類の純度は15.0質量%であった。
〔非重合体カテキン類の分析〕
試料をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
実施例7〜12
表4に示す割合の各成分を配合して茶飲料を得た。この茶飲料をUHT殺菌(138℃、30秒)しPETボトルに充填して容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について官能試験を行った。その結果を表4に示す。
比較例6
オリエンチンを配合しなかったこと以外は、実施例7と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について、官能試験を行った。その結果を表4に示す。
比較例7
オリエンチンの配合量を変更したこと以外は、実施例7と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について、官能試験を行った。その結果を表4に示す。
比較例8
オリエンチンを配合しなかったこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について、官能試験を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2012085604
表4から、オリエンチンを特定量含有せしめることにより、カテキン類含有飲料の苦味が有効に抑制されることが確認された。また、本実施例の非重合体カテキン類含有飲料は、緑茶風味が感じられ、美味しい飲料であった。

Claims (8)

  1. オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する、苦味抑制剤。
  2. 飲食品用である、請求項1記載の苦味抑制剤。
  3. 苦味を有する組成物に、請求項1記載の苦味抑制剤を配合する、苦味抑制方法。
  4. 前記苦味を有する組成物の苦味の強度が硫酸キニーネ標準溶液を基準として7以下である、請求項3記載の苦味抑制方法。
  5. 前記苦味を有する組成物が飲食品である、請求項3又は4記載の苦味抑制方法。
  6. 前記苦味抑制剤の配合量が前記苦味を有する組成物に対して0.03質量ppm以上である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の苦味抑制方法。
  7. 次の成分(A)及び(B):
    (A)非重合体カテキン類:0.05〜0.6質量%、及び
    (B)オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種
    を含み、飲料中の成分(B)の含有量が0.03質量ppm以上である、非重合体カテキン類含有飲料。
  8. (A)非重合体カテキン類を0.05〜0.6質量%含有する飲料に、(B)オリエンチン及びイソオリエンチンから選ばれる少なくとも1種を0.03質量ppm以上配合する、非重合体カテキン類含有飲料の苦味抑制方法。
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