JP2012082340A - (メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体の精製方法 - Google Patents

(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体の精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】末端に(メタ)アクリロイル基を有するイソブチレン系重合体を簡便に精製する方法を提供。
【解決手段】下記一般式(1):−R−OH(1)(式中、Rは直接結合または炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す)で表される水酸基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(a)を原料とし、塩基存在下(メタ)アクリル酸ハロゲン化物で置換することにより製造される、下記一般式(2):−R−O−C(O)−C(R)=CH(2)(式中、Rは上記と同じ、R2は水素または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。)で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(A)の精製方法であり、イソブチレン系重合体(A)を吸着剤に接触させることにより、イソブチレン系重合体(A)中に残存する塩基およびその誘導体を除去する。
【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体の精製方法に関する。
反応性官能基を含む炭化水素ポリマーは、当技術分野において知られている。アリル基、メタリル基のような炭化水素系の不飽和基を含むポリマーと異なり、ポリマーの末端に(メタ)アクリロイル基が導入された化合物は、UVや電子線を含む活性エネルギー線硬化性組成物や熱硬化性組成物として用いられ非常に望ましいものである。
(メタ)アクリロイル基を有する炭化水素ポリマーとして、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体が知られている。(特許文献1)では、水酸基末端イソブチレン系重合体を簡便な手法で合成し、塩基の存在下(メタ)アクリル酸クロライドを反応させることで(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体を得ている。本手法では高い官能基変換率で(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体を得ることができるが、反応副生成物として白色固体の塩が生成する。この副生成物は水洗によりある程度除去可能であるが、その際ポリマー成分が水層側にエマルションとして流出してポリマーの収量が著しく減少する。また副生する塩は水洗のみでは効率的に取り除くことができず、ポリマーが白濁・凝集し、流動性が損なわれるなどの課題があった。
特開2001−31714号公報
本発明は、末端に(メタ)アクリロイル基を有するイソブチレン系重合体を簡便に精製する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決するため鋭意検討した結果、以下のことを見出して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記一般式(1):
−R−OH (1)
(式中、Rは直接結合または炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す)
で表される水酸基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(a)を原料とし、塩基存在下、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物で置換することにより製造される、下記一般式(2):
−R−O−C(O)−C(R)=CH (2)
(式中、Rは上記と同じ、R2は水素または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。)
で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(A)の精製方法であり、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)を吸着剤に接触させることにより、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体中に残存する塩基およびその誘導体を除去することを特徴とする精製方法に関する。
(メタ)アクリル酸ハロゲン化物は、(メタ)アクリル酸クロライドであることが好ましく、アクリル酸クロライドがより好ましい。
(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)の製造に用いる塩基はアミンであることが好ましい。
アミンはピリジン又はトリエチルアミンであることが好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。
イソブチレン系重合体は、イソブチレンを50重量%以上重合してなるものであることが好ましい。
イソブチレン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が、1.8未満のものであることが好ましい。
イソブチレン系重合体の数平均分子量は、500〜50,000の範囲にあることが好ましい。
イソブチレン系重合体は、リビングカチオン重合法により製造されたものであることが好ましい。
(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)と吸着剤の接触は、有機溶剤で希釈した状態で行うことが好ましい。
本発明により、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体の精製にかかる手順および時間を減らすことができ、また副生成物を効率よく除去できるため、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体の純度を高めることができる。さらに精製過程で水洗を行わないため、イソブチレン系重合体の水層への流出を防ぐことから、イソブチレン系重合体の収量を向上させることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、下記一般式(1):
−R−OH (1)
(式中、Rは直接結合または炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す)
で表される水酸基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(a)を原料とし、塩基存在下、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物で置換することにより製造される、下記一般式(2):
−R−O−C(O)−C(R)=CH (2)
(式中、Rは上記と同じ、R2は水素または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。)
で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(A)の精製方法であり、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)を吸着剤に接触させることにより、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体中に残存する塩基およびその誘導体を除去することを特徴とする精製方法に関する。
本発明における(メタ)アクリル酸ハロゲン化物は、特に限定されないが、反応性と取り扱いの容易さから、(メタ)アクリル酸クロライドが好ましく、中でもアクリル酸クロライドが、生成物であるアクリロイル末端イソブチレン系重合体の架橋反応性の点でより好ましい。(メタ)アクリル酸ハロゲン化物の使用量は、特に限定されないが、反応時間の観点から、水酸基末端イソブチレン系重合体(a)の水酸基末端モル数に対し、1.5当量から6当量が好ましく、2当量から4当量がより好ましく、2.5当量から3当量がさらに好ましい。(メタ)アクリル酸ハロゲン化物の使用量が1.5当量を下回ると、末端の(メタ)アクリロイル化が完全に進行しないことがあり、また6当量を上回ると、末端に導入された(メタ)アクリロイル基が別の副反応を起こすおそれがある。
本発明における、水酸基末端イソブチレン系重合体(a)と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物の反応では、反応を促進するために、発生するハロゲン化水素を捕捉する塩基を加える。加える塩基は、特に限定されないが、取り扱いの容易さ、コスト、相溶性、反応性の観点から、アミンであることが好ましい。具体例を挙げると、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。中でもトリエチルアミンおよびピリジンが室温において液体であり扱いやすいこと、及びコストの面でより好ましく、トリエチルアミンが低沸点で減圧留去しやすい点でさらに好ましい。有機塩基の使用量は、特に限定されないが、反応性と精製のしやすさから、水酸基末端イソブチレン系重合体(a)の水酸基末端モル数に対し、1当量から4当量が好ましく、1.5当量から3当量がより好ましく、2.0当量から2.5当量がさらに好ましい。有機塩基の使用量が1当量を下回ると、アクリロイル基への置換反応が進みにくくなり、また4当量を上回ると、末端に導入された(メタ)アクリロイル基が別の副反応を起こすおそれがある。
水酸基末端イソブチレン系重合体(a)と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物の反応は、溶剤系、無溶剤系いずれでもよいが、溶剤を用いるときは脱水溶媒であることが、反応率向上の点で好ましい。反応温度は−70℃〜100℃で、好ましくは0℃〜室温で、30分〜6時間反応することにより、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)の粗生成物が得られる。
(イソブチレン系重合体)
イソブチレン系重合体は、繰り返し単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていても良いし、他の繰り返し単位との共重合体でも良いが、ゴム特性の面から、イソブチレンに由来する繰り返し単位を50重量%以上有するものが好ましく、80重量%以上有するものがより好ましく、90重量%有するものが特に好ましい。
イソブチレン系重合体の分子量分布、即ち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、よりさらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。分子量分布が1.8以上であると粘度が増大し、取り扱いが困難になる傾向にある。なお、本発明でのGPC測定は、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
イソブチレン系重合体の数平均分子量としては、500〜50,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましい。これより分子量が大きくなると作業性が低下する傾向があり、分子量が小さい場合は、主鎖骨格の特性を発現し難くなる傾向がある。
イソブチレン系重合体の合成法としては、特に限定されず、従来から報告されている各種重合方法が挙げられるが、特に、近年多くの報告がなされているリビングカチオン重合法が好ましい。このなかでも、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed. 1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入できることが知られている。
水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)は、例えば、上記のJ.P.Kennedyらの方法により得ることができる。水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)は、炭素−炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られるハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)と、保護された水酸基、および、炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)とを反応させ、水酸基を脱保護することにより得られる。
ハロゲン末端イソブチレン系重合体(イ)は、一般式(3):
(A−X) (3)
(式中、Rは単環、または、複数の芳香環を含む1価から4価までの炭化水素基、Xは塩素原子または臭素原子、aは1から4の整数を表す。また、Aは一種、または、二種以上のカチオン重合性単量体の重合体であって、aが2以上の場合は同じでも異なっていても良い。)で表される。
一般式(3)中におけるカチオン重合性単量体は、特に制限されないが、好ましい単量体として、例えば、イソブチレン、インデン、ピネン、スチレン、メトキシスチレン、クロルスチレンなどを挙げることができる。なかでも、前記の理由から、イソブチレンが好ましい。
また、架橋反応によって硬化物を得る際に、充分な強度、耐候性、ゲル分率などを達成するためには、一般式(3)中のaが2、または、3であることが好ましい。
保護された水酸基、および、炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)は、一般式(4):
CH=C(R)−R−OG (4)
(式中、Rは水素原子、または、炭素原子数1から18の飽和炭化水素基、Rは炭素原子数1から30の炭化水素基、Gは水酸基の保護基を表す。)で表される。なお、一般式(4)中のRは、炭素原子数1から30の炭化水素基であって、0から5個の炭素−炭素二重結合、および/または、0から3個の芳香環を有することが好ましく、0から3個の−CH=CH−基を有することがより好ましい。
一般式(4)の化合物としては、一般式(5):
CH=C(R)−(CH−{−CH=CH−(CH−OG (5)
(式中、Rは前記と同じ。Gは水酸基の保護基、nは0から5の整数を表す。b、および、cは1から30の整数であって、同じでも異なっていても良い。)で表される化合物であることがより好ましい。
化合物(ロ)の保護基は、脱保護によって水酸基を与えるものであれば、特に限定されるものではないが、通常、炭素原子数が0から54の無機系置換基、または、有機系置換基である。また、温和な条件下で脱保護ができることが好ましく、好ましい保護基として、下記のものを挙げることができる。
Figure 2012082340
(式中、R'、R''、R'''は水素原子、または、炭素原子数1から18の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし、Rを複数含む基においては、同一であっても異なっていても良い。X’はCl、Br、Iから選ばれる官能基である。MはLi、Na、Kから選ばれる1価の金属、M'はMg、Ca、Sr、Baから選ばれる2価の金属、M''はB、Al、Gaから選ばれる3価の金属、M'''はTi、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pbから選ばれる4価の金属を表わす。)
入手性や脱保護後の重合体と保護基成分の分離のし易さなどから、アルキル基、アシル基、RC(=O)−基(ただし、Rは炭素数1から10の飽和炭化水素基)、シリル基、金属アルコキシドが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基がさらに好ましい。
ハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)に反応させる基質である化合物(ロ)としては1置換、あるいは、1,1’−2置換の末端に保護した水酸基を有するオレフィンであれば、特に制限されるものではないが、反応性の高さから、一般式(4)においてGを水素としたときに、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、および、10−ウンデセン−1−オール、2,5−ヘキサジエノール、2,6−ヘプタジエノール、3,6−ヘプタジエノール、2,7-オクタジエノール、3,7-オクタジエノール、4,7-オクタジエノール、2,8-ノナジエノール、3,8-ノナジエノール、4,8-ノナジエノール、5,8-ノナジエノール、2,9-デカジエノール、3,9-デカジエノール、4,9-デカジエノール、5,9-デカジエノール、または、6,9-デカジエノールから選ばれる化合物が好ましい。
ハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)に化合物(ロ)を反応させる際に、触媒としてルイス酸を使用することができる。ルイス酸であれば、特に限定されないが、活性が高く、選択性が良好である点から、TiCl、AlCl、BCl、SnClが好ましい。
ハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)の重合やハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)に化合物(ロ)を反応させる際に、溶剤として、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、および、脂肪族炭化水素から選ばれる単独、または、混合溶剤を用いることができる。ポリマーの重合条件下での溶解性や反応性の点から、ハロゲン化炭化水素として、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライドの中から選ばれる1種以上の成分であることが好ましい。同様の理由で、芳香族炭化水素はトルエンが好ましく、脂肪族炭化水素としては、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンの中から選ばれる1種以上の成分が好ましい。
環境への悪影響が心配されるハロゲン化炭化水素を用いない場合の溶剤としては、例えば、トルエン、エチルシクロヘキサン、あるいは、これらの混合溶剤を用いることで、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体の製造が容易に達成できる。
脱保護反応は、保護基を水酸基に誘導する反応であれば、特に制限されないが、好ましい反応としては、加水分解反応、熱分解反応などが挙げられる。
加水分解反応は、溶剤系、無溶剤系のどちらでも行うことができる。溶剤系の反応に用いる溶剤は、特に限定されないが、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体を製造する溶剤を用いることが好ましい。加水分解を行う条件としては、酸性、塩基性条件のどちらでも可能であるが、加水分解反応の効率から、塩基性水溶液を用いて加水分解反応を行うことが好ましい。
塩基性条件下での加水分解反応に用いる試薬としては、通常の加水分解反応に用いる有機、または、無機の塩基性化合物であれば、特に制限されないが、取り扱い易さなどの点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドなどが好ましい。
加水分解反応では、触媒の添加を行うことによって、効率的に反応を進行させることができる。このような触媒としては、有機、および、無機の触媒のいずれでも可能であるが、反応性の点から、有機塩が好ましく、特に、4級アンモニウム塩が好ましい。代表的なアンモニウム塩としては、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、N−ベンジルピコリニウムクロライド、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロライド、N−ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
(精製方法)
(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗生成物と吸着剤を混合、攪拌する際は吸着効率の向上と反応後のろ過を行いやすくする為に、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗生成物を有機溶剤で希釈することが望ましい。有機溶剤の使用量は、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗製物100重量部に対して、200〜1200重量部が好適である。有機溶剤としては、特に限定されないが、(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)の溶解性の点から、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルムが好ましい。
使用される吸着剤の種類としては、例えば、活性炭、珪藻土、活性白土、ケイ酸、ケイ酸塩、活性アルミナなどが挙げられる。これらは一種または複数種組み合わせて用いることができる。中でも活性アルミナが、吸着効率、濾過速度の観点から好ましい。また、吸着剤の使用量は反応に用いた塩基の含有量や、吸着剤の種類に合わせて適宜決定できるが、コストと吸着効率の観点から、好ましくは反応に用いた塩基1重量部に対して3〜10重量部である。
(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗生成物と吸着剤の接触は、攪拌翼等により攪拌を行い、十分な接触を行わせることが望ましい。粗生成物と吸着剤の接触時間は特に限定されないが、通常1時間以上であることが望ましい。1時間未満だと、吸着の効果が十分でない場合がある。吸着剤は(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗生成物と接触を行った後、ろ過によって容易に取り除くことができる。また有機溶剤による希釈を行った場合には、ろ過後の(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)溶液から減圧留去によって容易に溶剤を取り除くことができる。これにより、精製された(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)を得ることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
また、下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804およびK−802.5;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
H−NMRはBruker社製ASX−400(400MHz)を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。
(製造例1)水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)の合成
5000mLのセパラブルフラスコに三方コック、熱電対、および、真空用シール付き撹拌機を装着し、窒素置換を行った。ここに、モレキュラーシーブス3Aによって脱水したトルエン592mL、エチルシクロヘキサン73.6mLを加え、さらに、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン(5.56g,24.0mmol)、2−メチルピリジン(264mg,2.83mmol)を加えて−70℃に冷却した。冷却後、イソブチレンモノマー(120mL,1.44mol)を導入し、さらに、この温度で四塩化チタン(2.52mL、23.0mmol)を添加し重合を開始した。この際に約15℃昇温した。約60分で重合は終了した(これに伴い、反応系の発熱は観察されなくなった)。重合終了後、酢酸2,7−オクタジエニル(32.4g,193mmol)および四塩化チタン(39.8mL、386mmol)を添加した。5時間後に、80℃に加熱したイオン交換水1.5Lに反応混合物を導入し、20分間攪拌した。静置後、水層を除去し、1Lの2N水酸化ナトリウム水溶液、および、臭化テトラブチルアンモニウム10.0gを添加し、100℃にて12時間攪拌した。反応終了後、アルカリ水溶液を除去し、1Lのイオン交換水で3回水洗した後、有機層を単離した。これに、10Lのアセトンを加えてポリマーを再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をアセトン1Lで2回洗浄し、ヘキサン500mlに溶解した。溶液を1Lのなす型フラスコに移し、オイルバスによる加熱条件下(180℃)、減圧(1Torr以下)によって溶媒を留去し、目的とする水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)を得た(数平均分子量5600、分子量分布1.2)。重合体(a)の官能化率をH NMRを用いて算出した(Valian社製 Gemini−300、測定溶剤=四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、定量方法=開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基準に、末端の水酸基に隣接するメチレンのシグナル(4.00ppm)を比較して定量化)。その結果、得られた水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)の水酸基導入量は、1分子当たり1.2個であった。
(製造例2)アクリロイル基を末端に有するイソブチレン系重合体(A)の合成
製造例1で得られた水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)5gに対し、ヘキサン25mLを加えた。ここに、トリエチルアミン0.35g(和光純薬社製)(末端基に対して3当量)を添加し、1分攪拌した後0℃に冷却した。冷却後、アクリル酸クロライド0.31g(末端基に対して3当量)を少しずつ添加し、5分攪拌した後室温まで加温し、さらに2時間攪拌した。H−NMR(Bruker製AvanceIII 400MHz NMRシステム)による測定により、水酸基隣接のメチレン基に由来するピークが消失し、エステル官能基隣接のメチレン、アクリルエステル官能基上の末端オレフィンおよび内部オレフィンに由来するピークが現れ、アクリロイル基を末端に有するイソブチレン系重合体(A)粗生成物が得られたことを確認した。1分子あたりのアクリロイル基の数は1.2であった。
(実施例1)
製造例2で得られたアクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗生成物のヘキサン溶液に対し、ヘキサンを25mL添加して希釈し、さらに吸着剤として活性アルミナ(和光純薬社製)1g、ろ過助剤として珪藻土(ラヂオライト#700C、昭和化学工業(株)製)1gを添加し、室温にて1時間攪拌した。得られた懸濁液を吸引ろ過した。この操作をさらに2回繰り返し、得られたろ液から溶媒を減圧下で留去し、目的のアクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)が黄色透明の粘調液体として4.5g得られた。
(比較例1)
製造例2で得られたアクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)粗生成物のヘキサン溶液に対し、ヘキサンを25mL添加して希釈した。さらに飽和重曹水100mLを加えて洗浄し、これを3回繰り返した。さらに純水100mL、飽和食塩水100mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去し、目的のアクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)が褐色の濁った粘調液体として3.0g得られた。
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1のほうが最終的な収量が多く、また着色と濁りが低減されていることがわかる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1):
    −R−OH (1)
    (式中、Rは直接結合または炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す)
    で表される水酸基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(a)を原料とし、塩基存在下(メタ)アクリル酸ハロゲン化物で置換することにより製造される、下記一般式(2):
    −R−O−C(O)−C(R)=CH (2)
    (式中、Rは上記と同じ、R2は水素または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。)
    で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に平均1個以上有するイソブチレン系重合体(A)の精製方法であり、イソブチレン系重合体(A)を吸着剤に接触させることにより、イソブチレン系重合体(A)中に残存する塩基およびその誘導体を除去することを特徴とする精製方法。
  2. (メタ)アクリル酸ハロゲン化物が、(メタ)アクリル酸クロライドであることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  3. (メタ)アクリル酸ハロゲン化物が、アクリル酸クロライドであることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  4. (メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)の製造に用いる塩基がアミンであることを特徴とする、請求項1〜3何れかに記載の精製方法。
  5. アミンが、ピリジン又はトリエチルアミンであることを特徴とする、請求項4に記載の精製方法。
  6. アミンが、トリエチルアミンであることを特徴とする、請求項4に記載の精製方法。
  7. イソブチレン系重合体は、イソブチレンを50重量%以上重合してなるものである請求項1〜6何れかに記載の精製方法。
  8. イソブチレン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が、1.8未満のものであることを特徴とする請求項1〜7何れかに記載の精製方法。
  9. イソブチレン系重合体の数平均分子量が、500〜50,000の範囲にある請求項1〜8何れかに記載の精製方法。
  10. イソブチレン系重合体は、リビングカチオン重合法により製造されたものであることを特徴とする請求項1〜9何れかに記載の精製方法。
  11. (メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)と吸着剤の接触を、有機溶剤で希釈した状態で行うことを特徴とする、請求項1〜10いずれかに記載の(メタ)アクリロイル末端イソブチレン系重合体(A)の精製方法。
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