JP4056843B2 - イソブチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

イソブチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合触媒由来の不純物含量が低いイソブチレン系重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソブチレンとスチレン等の芳香族ビニル系単量体とをカチオン重合することにより、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体の製造法については、例えば、米国特許第4946899号(特許文献1)明細書に、塩化メチルとメチルシクロヘキサンを組み合わせた混合溶媒中での製造方法が開示されている。
【0003】
また特公平7−59601号公報(特許文献2)にも、塩化メチレンとヘキサンからなる混合溶媒中で、イソブチレン重合体ブロックとスチレン重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法が開示されている。
【0004】
一般に、カチオン重合に使用したルイス酸触媒が重合体中に残存すると製品の白濁を招くため、ルイス酸触媒は失活させて、その失活により生じる化合物とともに充分に除去する必要がある。
【0005】
ルイス酸触媒の失活、除去方法についての検討例は数多く紹介提案されているが、水や塩基性無機化合物を用いた従来の失活方法では、濾過性の悪い析出物や取扱いの困難なエマルションが形成されることは広く知られた事実である。また、触媒を失活させる際に失活温度を溶媒の沸点付近まで高くすることも知られている。
【0006】
しかし、重合溶媒であるハロゲン化炭化水素は、一般に水に対する溶解性が高く、上記のように失活温度を高くすると更に溶解度が高くなる。環境に対するハロゲン化炭化水素の排出が厳しく制限される現在、失活剤として水を使用した場合には、排水の浄化に大変な手間がかかることになる。
【0007】
更にハロゲン化炭化水素は、高温・多湿といった厳しい環境下で分解してハロゲン化水素を発生することも知られている。
【0008】
このように失活温度を上昇させることによるルイス酸触媒の失活、除去方法は、製造プロセスとしては課題を多く抱えているのが現状である。
【0009】
そのほか、例えば、酸類、アミン類、アルカリ土類金属塩、界面活性剤等を加えて、濾過等の操作性を改良する試みも提案されているが、これらもいまだ充分な技術とはいえない。
【0010】
また、非水系失活操作としては、特開2001−131222号公報(特許文献3)において金属アルコキシドを用いた方法が開示されており、水を用いない高生産性の処理方法が可能となっているが、これでも触媒残渣の粒子径は小さく未だ分離精製は困難である。
【0011】
このようにハロゲン化炭化水素を重合溶媒として使用する場合におけるイソブチレン系ブロック共重合体からのルイス酸触媒の失活、除去方法はこれまでのところ開発が十分とは言えず、重合体が本来有する特性を発揮できかつ製造プロセスに対する負荷を低減できる新しい方法が望まれている。
【0012】
【特許文献1】
米国特許第4946899号
【0013】
【特許文献2】
特公平7−59601号
【0014】
【特許文献3】
特開2001−131222号
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、製造プロセスに対する負荷を低減可能な、触媒残渣の極めて少ないイソブチレン系重合体を製造できる方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液からルイス酸を失活させて分離除去することによりイソブチレン系重合体を製造する方法であって、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液中のルイス酸を失活させるにあたって、低級アルコールによる処理を行う、イソブチレン系重合体の製造方法である。
【0017】
すなわち本発明は、イソブチレン系重合体を製造する方法であって、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液中のルイス酸を失活させるにあたって、一般式(I)で表される低級アルコールを使用し、0℃以下の低温下で処理することを特徴とする、イソブチレン系重合体の製造方法に関する。
【0018】
ROH (I)
[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。 ]
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体が、イソブチレンを主体として構成されるイソブチレン重合体である製造方法に関する。
【0019】
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体である製造方法に関する。
【0020】
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液の溶媒が、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒である製造方法に関する。
【0021】
好ましい実施態様としては、ルイス酸が、ハロゲン化金属である製造方法に関する。
【0022】
好ましい実施態様としては、ハロゲン化金属が、四塩化チタンである製造方法に関する。
【0023】
好ましい実施態様としては、低級アルコールが、メタノールである製造方法に関する。
【0024】
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液を低級アルコールで処理することにより生じた固体を、濾過、遠心分離又は沈降分離法を用いて溶液から分離除去することを特徴とする製造方法に関する。
【0025】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明でいうイソブチレン重合体とは、組成比で51モル%以上のイソブチレン単位を含む数平均分子量1,000以上100,000未満の重合体であり、具体的には、イソブチレン単量体をルイス酸触媒の存在下で開始剤と共にカチオン重合して得られるものである。
【0027】
また、本発明でいうイソブチレン系ブロック共重合体とは、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなるものであり、具体的には、イソブチレンと芳香族ビニル系単量体などの単量体をルイス酸触媒の存在下で開始剤と共にカチオン重合して得られるものである。
【0028】
(A)のイソブチレンを主体として構成される重合体ブロックは、通常、イソブチレン単位を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。また、(B)の芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックは、通常、芳香族ビニル系単量体単位を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。
【0029】
芳香族ビニル系単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、コストの面から、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が特に好ましい。
【0030】
本発明におけるルイス酸触媒は、カチオン重合に使用できるものであれば特に限定されず、TiCl4、BCl3、BF3、AlCl3、SnCl4等のハロゲン化金属を挙げることができるが、なかでも四塩化チタン(TiCl4)が好ましい。
【0031】
上記カチオン重合において用いられる重合溶媒としては特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。好ましくは、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒である。
【0032】
上記炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素としては特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、1−クロロブタン、クロロベンゼンなどを挙げることができる。この中でも、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解度、分解による無害化の容易さ、コスト等のバランスから、1−クロロブタンが好適である。
【0033】
また、上記脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0034】
なお、カチオン重合の際に用いる開始剤としては、下記一般式式(II)で表される化合物を用いるのが好ましい。
【0035】
(CR12X)n3 (II)
[式中、Xは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基若しくはアシロキシ基を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基を表し、R1とR2は同一であっても異なっていてもよい。R3は多価芳香族炭化水素基又は多価脂肪族炭化水素基を表す。nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(II)の化合物の具体例としては、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼン[C64(C(CH32Cl)2]が挙げられる[なお、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼンはジクミルクロライドとも呼ばれる]。
【0036】
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、更に必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。このような化合物として、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、又は、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
【0037】
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下、例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
【0038】
またイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物性等の面から、30000〜500000であることが好ましく、50000〜400000であることが特に好ましい。
【0039】
本発明でいう、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液(本明細書中、重合体溶液ともいう)とは、一般に、上記のようにして合成されたイソブチレン系重合体と、上記の重合溶媒及びルイス酸触媒等からなる溶液であって、重合反応が完了した反応溶液のことをいうが、これに限定されるものではない。本発明では、主に、このような重合体溶液に対し0℃以下の低温下で低級アルコールを直接添加して、重合触媒であるルイス酸の失活、除去を行う。
【0040】
低級アルコールとしては、生成した金属アルコキシドが重合液に不溶である必要があり炭素数が1〜4のものが望ましい。例えばルイス酸触媒に四塩化チタン(TiCl4)を用いた場合固形物(チタンメトキシド)を生成するメタノールが好ましい。
【0041】
低級アルコールの使用量は、重合体溶液中のルイス酸に対して化学量論上の当量又はそれ以上の量であり、通常は1〜3当量、好ましくは1〜2当量である。
【0042】
ルイス酸の失活自体は、水若しくは塩基性無機化合物又はそれらの水溶液を加えるだけでも達成できる。しかしながら、水や塩基性無機化合物でルイス酸を失活すると、有機相と水相の界面にしばしば白色の乳化相が形成されるという問題がある。一旦形成された乳化相の水洗による除去は困難であり、これが分液を困難にするのは良く知られた事実である。乳化相の発生を抑制するためには、溶液の沸点付近まで温度を上げて洗浄を繰り返す必要が出てくる。しかしこの場合、ルイス酸やその分解物(以下、触媒残渣ともいう)の含有量が低い重合体を得ることは可能であるが、触媒残渣及び重合溶媒であるハロゲン化炭化水素を含んだ大量の排水処理が必要となり実用的な技術ではなくなる。
【0043】
また、金属アルコキシドを用いて失活させる方法も報告されており、水を使用しない高生産性の処理が可能であるが、触媒残渣の粒子径が小さく、分離精製が未だ十分ではない。
【0044】
これらの方法と比較して、失活剤として低級アルコールを用いかつ低温で行う本発明の方法によると、触媒残渣が比較的大きい粒子径を持つ結晶固形物で得られ、容易に回収が可能である。
【0045】
失活反応自体は以下に示す反応式(III)により進行すると考えられ、生じるTi(OCH34が結晶固形物で得られるので、濾過操作を容易に行える。
【0046】
TiCl4 +4CH3OH →
Ti(OCH34+4HCl (III)
以上の反応を低温下で行うことにより、ルイス酸触媒が結晶固形物として得られ、分離精製が容易になる。このように低級アルコールを用いたルイス酸触媒の失活、除去は、製造コスト、ハンドリング面においてきわめて有効な手段となるものである。
【0047】
以下に触媒失活操作について更に詳細に説明する。
【0048】
本発明ではルイス酸触媒の失活に用いられる装置としては攪拌機を備えた容器が好適に用いられる。攪拌翼の形状には特に制約はなく、スクリュー翼、プロペラ翼、アンカー翼、パドル翼、ピッチトパドル翼、タービン翼、大型格子翼等の任意の翼を使用することができる。
【0049】
また、失活に用いる容器は内温を制御する機能を持つことができれば特に形状その他に制約はなく、一般に使用される撹拌機とジャケットを備えた反応容器を使用することができる。この他、攪拌の効率を高めるためにバッフル、あるいは同様の効果を持つ保護管入り温度計等が容器中にあっても何等差し支えない。
【0050】
失活における液温度は、塩基性無機化合物の水溶液を使用する場合のように溶媒の沸点近くまで上げる必要はなく、低級アルコール添加後重合物を緩やかに昇温して結晶固形物を生成させてやればよい。低級アルコール添加温度は通常は0℃以下、好ましくは−80℃〜−30℃である。0℃以上であれば失活反応速度が高すぎて良好な固体晶析物を効率よく得られない。
【0051】
また、液粘度を低下させて分離性を向上させるために、必要に応じて、重合溶媒と同じような炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒、又は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素の単独溶媒を添加することもできる。
【0052】
触媒失活後の残渣を分離除去するためには、沈降分離のほか、フィルタープレスのような濾過機、遠心分離機などを用いることができる。濾過効率を高めるため活性白土のような濾過助剤を併用しても何ら問題はない。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
本実施例に示すブロック共重合体の分子量は以下に示す方法で測定した。
【0055】
分子量:Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)。数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。
【0056】
(製造例1)
攪拌機付き2L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)370g、ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)192g、p−ジクミルクロライド0.29gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド0.218g、イソブチレン84.4gを添加した。さらに四塩化チタン8.5gを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン40.8gを添加し、さらに30分間反応を続けた重合体溶液を得た。
【0057】
(製造例2)
製造例1で得られた重合体溶液を大量の水中へあけて反応を停止させた。反応停止後、分液ロートで重合体溶液相と水相を分離した。同様の方法で重合体溶液相の水洗を2回行った後、水層が中性になっているのを確認してから重合体溶液相を60℃で24時間真空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共重合体(SIBS)を得た。
【0058】
該イソブチレン系ブロック共重合体(SIBS)のGPC分析を行ったところ、数平均分子量が100,000、分子量分布が1.14であった。
【0059】
(実施例1)
攪拌翼、コンデンサー及びバッフルを備えた2Lセパラブルフラスコに製造例1の方法で得られた重合体溶液を仕込み、−70℃雰囲気下メタノールを5.76g(触媒失活の1当量、すなわち四塩化チタンのモル数の4倍)添加した。添加後内部の液温を60℃/時の速度で緩やかに昇温した。常温到達後は攪拌を停止し、重合体溶液の状態を観察した。次第に重合体溶液の固体分が沈降し透明になった。この重合体溶液は容易に濾過でき、その濾液は無色透明であった。
【0060】
(実施例2)
攪拌翼、コンデンサー及びバッフルを備えた2Lセパラブルフラスコに製造例1の方法で得られた重合体溶液を仕込み、−40℃まで昇温した後メタノールを5.76g(触媒失活の1当量、すなわち四塩化チタンのモル数の4倍)添加した。添加後内部の液温を60℃/時の速度で緩やかに昇温した。常温到達後は攪拌を停止し、重合体溶液の状態を観察した。次第に実施例1と同様重合体溶液の固体分が沈降し透明になった。この重合体溶液は容易に濾過でき、その濾液は無色透明であった。
【0061】
(比較例1)
実施例1と同様の実験装置に製造例1の方法で得られた重合体溶液を仕込み、更に純水を900g添加して攪拌を開始した。内部の液温を60℃まで昇温しその後2時間攪拌を継続した。攪拌停止後の重合体溶液相は白濁しており、1日静置した後も白濁したままであった。さらに重合体溶液相の水側の界面付近には触媒残渣と思われる白色の固体が堆積していた。
【0062】
(比較例2)
実施例1と同様の実験装置に製造例1の方法で得られた重合体溶液を仕込み、常温まで昇温した後メタノールを5.76g(触媒失活の1当量、すなわち四塩化チタンのモル数の4倍)添加した。約1時間後攪拌を停止し、重合体溶液の状態を観察した。攪拌停止後の重合体溶液相は白濁しており、1日静置した後も白色沈殿物が生成するものの白濁したままであった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、上述の構成よりなるので、カチオン重合に用いたルイス酸を極めて効率よく除去することができる。更にルイス酸の失活に水を使用しないため、ハロゲン化炭化水素を含有した排水の処理設備が不要であること、重合雰囲気温度から失活操作が迅速に開始できることから製造プロセス上も有利である。

Claims (5)

  1. イソブチレン系重合体を製造する方法であって、イソブチレン系重合体及び四塩化チタンを含有してなる溶液中の四塩化チタンを失活させるにあたって、メタノールを使用し、0℃以下の低温下で処理することを特徴とする、イソブチレン系重合体の製造方法。
  2. イソブチレン系重合体が、イソブチレンを主体として構成されるイソブチレン重合体である請求項1記載の製造方法。
  3. イソブチレン系重合体が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体である請求項1載の製造方法。
  4. イソブチレン系重合体及び四塩化チタンを含有してなる溶液の溶媒が、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. イソブチレン系重合体及び四塩化チタンを含有してなる溶液をメタノールで処理することにより生じた固体を、濾過、遠心分離又は沈降分離法を用いて溶液から分離除去することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
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