JP2009007386A - イソブチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

イソブチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 着色の少ないイソブチレン系重合体を製造できる方法を提供する。
【解決手段】 ルイス酸存在下で重合を行ったイソブチレン系重合体、溶液に水を添加してルイス酸の失活を行った後、この重合体溶液を、フィルター前後の差圧を0.2MPaとしたときに直径が1μmの粒子を99%以上捕集できるフィルターでろ過することにより、上記課題は解決できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色の少ないイソブチレン系重合体を製造する方法に関する。
カチオン重合は、反応中の連鎖移動が大きく、分子量の制御が困難であること、官能基導入が難しいこと等の理由から、重合体の構造制御が難しいと考えられてきた。
しかしながら、近年、反応溶媒やルイス酸触媒存在下で反応を行うことにより、イソブチレン系重合体の数平均分子量を任意にコントロールすることが可能であることがわかっている(非特許文献1)。この方法によれば、イソブチレンを主成分とする重合体だけでなく、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体も製造することができる(特許文献1,2)。
非特許文献1や特許文献1,2に記載の方法においては、重合の際、反応を促進するために、四塩化チタン等のルイス酸触媒を用いており、反応終了後は、ルイス酸触媒を失活・除去する必要がある。
ルイス酸触媒の失活、除去方法については、例えば、水や塩基性無機化合物を用いた従来の失活および洗浄方法や、触媒を失活させる際に失活温度を溶媒の沸点付近まで高くする方法などがあり、酸類、アミン類、アルカリ土類金属塩、界面活性剤等を加えて、ろ過等の操作性を改良する試みも提案されている。
また、非水系失活操作として、金属アルコキシドや低級アルコールを用いた方法がそれぞれ提案されている(特許文献3,4)。
米国特許第4946899号 特公平7−59601号 特開2001−131222号 特開2004−123886号
本発明者らは、カチオン重合に使用したルイス酸触媒の残存が、重合体の白濁や黄変に影響を及ぼすことを見出している。しかし、特許文献1〜4等に記載の方法では、ルイス酸触媒由来の金属を十分除くことができない。
本発明は、重合体が本来有する特性を発揮できかつ製造プロセスに対する負荷をかけない、触媒残渣由来の着色の少ないイソブチレン系ブロック共重合体を製造できる方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、ルイス酸存在下で重合を行ったイソブチレン系重合体溶液に水を添加してルイス酸の失活を行った後、この重合体溶液を、フィルター前後の差圧を0.2MPaとしたときに直径が1μmもしくはそれ以下の粒子を99%以上捕集できるフィルターでろ過することを特徴とするイソブチレン系重合体の製造方法である。
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体が、イソブチレンを主体として構成されるイソブチレン重合体である製造方法が挙げられる。
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる重合体である製造方法が挙げられる。
好ましい実施態様としては、イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液の溶媒が、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒である製造方法が挙げられる。
好ましい実施態様としては、ルイス酸が、ハロゲン化金属である製造方法が挙げられる。
本発明にかかる製造方法によれば、着色の少ないイソブチレン系重合体を製造することができる。
本願におけるイソブチレン重合体とは、主成分としてイソブチレン単位を含む重合体であり、具体的にはイソブチレン重合体は、イソブチレン単量体をルイス酸触媒の存在下で開始剤と共にカチオン重合して得られるものを意味する。また、本願のイソブチレン重合体とは、イソブチレンのみを単量体成分として含有する重合体だけでなく、イソブチレンとその他のカチオン重合可能な単量体成分を重合させて得られる共重合体であってもよい。本願においては、特に断りがない限り、イソブチレン系重合体には、このような重合体も含むものとする。
イソブチレン系重合体は、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体をカチオン重合させることにより得ることができる。
(CRX) (1)
[式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアシロキシ基から選ばれる置換基、R、Rはそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基でR、Rは同一であっても異なっていても良く、Rは芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]
上記ハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシル基としては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては特に限定されず、例えば、フェニル基、メチルフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる化合物は開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[CC(CHCl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,4−Cl(CHCCC(CHCl]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CHCCC(CHCl]、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CHCl)-5−(C(CH)C
これらの中でも特に好ましいのは(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[CC(CHCl]、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C(C(CHCl)]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH]である。[なおビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれる]。
イソブチレン系重合体(A)の重合に際しては、ルイス酸触媒を共存させる。これにより、反応の制御を容易に行えることとなる。このようなルイス酸としてはカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、ZnBr、AlCl、AlBr等の金属ハロゲン化物;EtAlCl、EtAlCl等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl、BF・OEt、SnClが好ましい。ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜50モル当量の範囲である。
イソブチレン系重合体(A)の重合に際しては、必要に応じて、電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体が生成する。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
イソブチレン系重合体(A)の重合は、必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を阻害しない限りにおいては特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類、イソブチレンモノマーを含むC4留分等を挙げることができる。
これらの溶媒は、重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50重量%、好ましくは5〜35重量%となるように決定される。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃である。
イソブチレン系重合体は、イソブチレン以外のカチオン重合可能な単量体成分を含んでいてもよい。
そのような単量体成分としては、例えば、芳香族ビニル化合物、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、ビニルシラン類、アリルシラン類などがあげられる。具体的には、1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
イソブチレン系重合体は、イソブチレンとその他のカチオン重合可能な単量体成分を重合させて得られるブロック共重合体であってもよい。その他のカチオン重合可能な単量体成分としては、上記と同様の化合物が挙げられる。このうち、芳香族ビニル化合物が、得られるイソブチレン系重合体の物性の点から好ましい。
(A)のイソブチレンを主体として構成される重合体ブロックは、通常、イソブチレン単位を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。また、(B)の芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックは、通常、芳香族ビニル系単量体単位を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。
芳香族ビニル系単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、コストの面から、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が特に好ましい。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合は、上記イソブチレン系重合体と同様の方法により行うことができる。
ルイス酸触媒は、イソブチレン系重合体の場合と同様、TiCl、BCl、BF、AlCl、SnCl等のハロゲン化金属を挙げることができるが、なかでも四塩化チタン(TiCl)が好ましい。
重合溶媒としては特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。好ましくは、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒である。
炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素としては特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、1−クロロブタン、クロロベンゼンなどを挙げることができる。この中でも、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解度、分解による無害化の容易さ、コスト等のバランスから、1−クロロブタンが好適である。
また、上記脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上が特に好ましい。
カチオン重合の際に用いる開始剤としては、イソブチレン系重合体の場合と同様、一般式(I)で表される化合物を用いるのが好ましい。
次に、触媒失活および水洗の操作について詳細に説明する。
本発明でいうイソブチレン系重合体及びルイス酸を含有する溶液(本明細書中、「重合体溶液」ともいう)とは、一般に、上記のようにして合成されたイソブチレン系ブロック共重合体と、上記の重合溶媒及びルイス酸触媒等からなる溶液であって、重合反応が完了した反応溶液のことをいうが、ルイス酸存在下で重合を行う限りにおいては、これに限定されるものではない。
上記の方法により得られた重合体溶液は、これに水を加えることにより、触媒を失活させる。これにより、重合触媒であるルイス酸の失活、除去を行うことができる。なお、触媒由来の金属を十分除去するために、触媒を失活させた後、十分水で洗浄するのが好ましい。
水を添加して触媒を失活させた後、この重合体溶液を、フィルター前後の差圧を0.2MPaとしたときに直径が1μmもしくはそれ以下の粒子を99%以上捕集できるフィルターを用いてろ過する。このようにしてろ過を行うことにより、触媒を十分に除去することができ、得られる重合体の着色を少なくすることが可能になる。なお、フィルターの目の形状は特に問うものではない。また、ろ過にあたっては、触媒由来金属を重合体から十分除去するために、触媒を失活させた後フィルターでのろ過前に、重合体溶液から水を分離しておくのが好ましい。
フィルターの材質は、ポリプロピレン、ナイロン、コットンなど通常の使用で重合体含有溶液に溶解しない材質であれば、特に制限するものではない。
フィルターは1段でもよく、触媒除去を十分に行うために、多段用いても良い。
ルイス酸触媒の失活には、攪拌機を備えた容器が好適に用いられる。攪拌翼の形状には特に制約はなく、スクリュー翼、プロペラ翼、アンカー翼、パドル翼、ピッチトパドル翼、タービン翼、大型格子翼等の任意の翼を使用することができる。
また、失活に用いる容器は、内温を制御する機能を持つことができれば特に形状その他に制約はなく、一般に使用される撹拌機とジャケットを備えた反応容器を使用することができる。この他、攪拌の効率を高めるためにバッフル、あるいは同様の効果を持つ保護管入り温度計等が容器中にあっても何等差し支えない。
触媒の失活および水洗の温度は特に限定するものではないが、4〜100℃の範囲が好ましく、製造コストと安全性の観点から20〜80℃が特に好ましい。また、失活および水洗に使用する水の量は、特に限定されるものではないが、重合体溶液に対する水の体積比で1/10〜10の範囲が好ましく、製造コストの観点から1/5〜5の範囲が特に好ましい。
また、液粘度を低下させて分離性を向上させるために、必要に応じて、重合溶媒と同じような炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒、又は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素の単独溶媒を添加することもできる。このときの添加溶媒の量は、特に限定されるものではないが、重合体溶液に対する水の体積比で1/10〜10の範囲が好ましく、製造コストの観点から1/10〜2の範囲が特に好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例に示すブロック共重合体の分子量は以下に示す方法で測定した。
分子量:Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)。数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。
本実施例に示す着色度合い(Y.I.)の測定には日本電色工業株式会社製Spectoro Color Meter SE2000(色差計)を用いた。
(製造例1)
攪拌機付き3L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで水分除去したもの)1196g、ヘキサン105g、p−ジクミルクロライド1.44gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン1.04g、イソブチレン240gを添加した。さらに四塩化チタン7.6gを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン102gを添加し、さらに30分間反応を続けた。得られた重合体溶液は大量の水中へあけて反応を停止させ、分液ロートで重合体溶液相と水相を分離して触媒失活後の重合体溶液を得た。
攪拌翼、コンデンサー及びバッフルを備えた3Lセパラブルフラスコに、蒸留水1L仕込み、60℃に加温した後、製造例1の方法で得られた触媒失活後の重合体溶液を1L追加し、撹拌しながら60℃に維持した(水洗1回目)。撹拌開始から1時間後撹拌を停止し、重合体溶液相と水相を分離した。水相排出後さらに同様の操作を蒸留水で行い(水洗2回目)、水洗重合体溶液を得た。
得られたイソブチレン系ブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量が65,000、分子量分布が1.24であった。
(実施例1)
製造例1で得られた水洗重合体溶液全量をセントラルフィルター工業株式会社製DC−II−001−500(直径が1μmの粒子を99%以上捕集できるフィルター)を用いてろ過した。ろ過後の重合体溶液中のTi量を分析したところ重合体固形分に対して38ppmであった。
さらに、得られた水洗重合体溶液を60℃で24時間真空乾燥して重合体を得た。
得られた重合体をプレス機で厚さ2mmのシートを作製した。シートは次のようにして作製した。重合体約10gをフェロー板に乗せ、180℃で7分間予熱、10kg/cm2−Gで1分間、さらに50kg/cm2−Gで2分間加圧した後、50kg/cm2−Gで3分間冷却した。得られたシートを色差計で測定したところY.I.値は表1に示すように14.0であった。
(実施例2)
フィルターとして日本ポール株式会社製NXA0.5−20(直径が0.5μmの粒子を99%以上捕集できるフィルター)を用いた以外は、実施例1と同様にしてろ過を実施した。ろ過後の重合体溶液中のTi量を分析したところ、重合体固形分に対して19ppmであった。
得られた重合体のY.I.値を実施例1と同様にして測定したところ、その値は10.4であった(表1)。
(比較例1)
製造例1で得られた重合体溶液(ろ過処理せず)について含有Ti量を分析したところ、重合体固形分に対して240ppmであった。
得られた重合体のY.I.値を実施例1と同様にして測定したところ、52.8であった(表1)。
(比較例2)
直径が5μmの粒子を99%以上捕集できるフィルターを用いた以外は、実施例1と同様にしてろ過を実施した。ろ過後の重合体溶液中のTi量を分析したところ、重合体固形分に対して80ppmであった。
得られた重合体のY.I.値を実施例1と同様にして測定したところ、その値は21.9であった(表1)。
(比較例2)
直径が10μmの粒子を99%以上捕集できるフィルターを用いた以外は、実施例1と同様にしてろ過を実施した。ろ過後の重合体溶液中のTi量を分析したところ、重合体固形分に対して120ppmであった。
得られた重合体のY.I.値を実施例1と同様にして測定したところ、その値は29.5であった(表1)。
Figure 2009007386
以上のように、実施例1および2で得られた重合体は着色の極めて少ない良好な透明性を持つ樹脂となり、本発明の方法によれば、樹脂の着色を改良することが可能であることがわかった。

Claims (6)

  1. ルイス酸存在下で重合を行ったイソブチレン系重合体溶液に水を添加してルイス酸の失活を行った後、この重合体溶液を、フィルター前後の差圧を0.2MPaとしたときに直径が1μmもしくはそれ以下の粒子を99%以上捕集できるフィルターでろ過することを特徴とするイソブチレン系重合体の製造方法。
  2. イソブチレン系重合体が、イソブチレンを主体として構成されるイソブチレン重合体である請求項1記載の製造方法。
  3. イソブチレン系重合体が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる重合体である請求項1記載の製造方法。
  4. イソブチレン系重合体及びルイス酸を含有してなる溶液の溶媒が、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. ルイス酸が、ハロゲン化金属である請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. ハロゲン化金属が、四塩化チタンである請求項5記載の製造方法。
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