JP2012082159A - ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物は、下記の式(1)で表され、且つヒドロキシ基当量が360g/eq.以上のものである。
式(1)中、nは1から6の整数を示し、Aは下記のA1基およびA2基からなる群から選ばれた基を示す。A1基:炭素数1から6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6から20のアリールオキシ基。A2基:下記の式(2)で示されるヒドロキシフェノキシ基。
【選択図】なし
Description
A1基:炭素数1から6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6から20のアリールオキシ基。
A2基:下記の式(2)で示されるヒドロキシフェノキシ基。
本発明のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物は、下記の式(1)で表され、且つそのヒドロキシ基当量が360g/eq.以上である。
炭素数が6から20のアリールオキシ基。このアリールオキシ基は、炭素数が1から6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい。
下記の式(2)で示されるヒドロキシフェノキシ基。
本発明のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物は、次のような方法により製造することができる。
炭素数が6から20のフェノール類。
このフェノール類は、炭素数が1から6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい。
下記の式(4)で表されるY基置換フェノール類。
本発明のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物の製造方法では、上述の式(3)で表される環状ホスホニトリルジハライドと上述の化合物B1およびB2とを反応させることにより、環状ホスホニトリルジハライドの全ハロゲン原子を、少なくとも一つが下記のG2基により置換され、且つヒドロキシ基当量が360g/eq.以上であるヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物になるように、下記のG1基およびG2基からなる群から選ばれた基により置換し、環状ホスホニトリル置換体を製造する(S工程)。
炭素数1から6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい、炭素数6から20のアリールオキシ基。
この基は、化合物B1によりハロゲン原子と置換されるものであり、既述のA1基に該当する。
下記の式(5)で示される置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。
環状ホスホニトリルジハライドに対して化合物B2を反応させ、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の一部を化合物B2に由来のG2基により置換した部分置換体を得る(第一工程)。次に、得られた部分置換体に対して化合物B1を反応させ、残りの活性ハロゲン原子の全てを化合物B1に由来のG1基で置換する(第二工程)。
先ず、環状ホスホニトリルジハライドに対して化合物B1を反応させ、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の一部を化合物B1に由来のG1基を置換した部分置換体を得る(第一工程)。次に、得られた部分置換体に対して化合物B2を反応させ、残りの活性ハロゲン原子の全てを化合物B2に由来のG2基により置換する(第二工程)。
本発明の製造方法では、次に、上述のS工程において得たヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物から、目的とするヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物を製造する[H工程]。この製造方法として、具体的には、アシル基を酸化してアシルオキシ基に変換<方法C−1>した後、脱アシル化し、アシルオキシ基をヒドロキシ基に変換する方法<方法C−2>、若しくはヒドロキシ基の保護基を脱離する方法<方法D>のいずれかの方法を採用することができる。
上述のS工程において得たアシル基含有環状ホスファゼン組成物のアシル基を酸化<方法C−1>してアシルオキシ基含有環状ホスファゼン組成物を製造した後、アシルオキシ基含有環状ホスファゼン組成物を脱アシル化し、アシルオキシ基をヒドロキシ基に変換<方法C−2>して、目的とするヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物を製造することができる。
アシル基含有環状ホスホニトリル置換体のアシル基を酸化する方法<方法C−1>は、アシルオキシ基含有環状ホスホニトリル置換体を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、通常はバイヤー−ビリガー酸化によるのが好ましい。アシル基含有環状ホスホニトリル置換体の酸化のためのバイヤー−ビリガー酸化において用いることができる酸化剤は、特に制限されるものではなく、各種の公知の過酸化物である。具体的には、無機過酸化物(過酸化アンモニウム、アルカリ金属過酸化物、過硫酸アンモニウム、アルカリ金属過硫酸塩、過ホウ酸アンモニウム、アルカリ金属過ホウ酸塩、過炭酸アンモニウム、アルカリ金属過炭酸塩、アルカリ土類金属過酸化物、過酸化亜鉛およびこれらの化合物の任意の組合わせによる混合物)、有機過酸化物(tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メンチルヒドロペルオキシド、1−メチルシクロヘキサンヒドロペルオキシドおよびこれらの化合物の任意の組合わせによる混合物)、過酸化水素、過酸化尿素、遷移金属のペルオキソ錯体(遷移金属である鉄、マンガン、バナジウムまたはモリブデンのペルオキソ錯体およびこれらのペルオキソ錯体の任意の組合わせによる混合物であり、2種または3種以上の遷移金属を含んでいてもよい。)並びに有機酸、無機酸、ルイス酸、有機過酸(過蟻酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、モノ過フタル酸マグネシウムおよびこれらの任意の組合わせによる混合物)、無機過酸(過硫酸、過炭酸、過モノ燐酸およびこれらの混合物)およびジオキシランからなる群から選ばれた少なくとも一つとペルオキソ化合物との混合物を挙げることができる。これらの酸化剤は、適宜混合して用いることもできる。また、バイヤー−ビリヤー型モノオキシゲナーゼ(酸素添加酵素)を用いることもできる。なお、上述の酸化剤は、純粋な形態または各種の酸化剤の混合物の形態のいずれの形態で用いてもよいが、純粋な形態で用いるのが好ましい。
次に、前記の[H:工程]<方法C−1>において得たアシルオキシ基含有環状ホスホニトリル置換体を脱アシル化し、アシルオキシ基をヒドロキシ基に変換する方法<方法C−2>によって、目的とするヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物が得られる。ヒドロキシ基含有環状ホスホニトリル置換体を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上述のS工程において得たヒドロキシ基が保護基によって保護されたヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物から、保護基を脱離する方法<方法D>によって、目的とする本発明のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物を製造する。
本発明の樹脂組成物は、本発明のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物と樹脂成分とを含むものである。
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを取り付けた5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g、1.50unit mol)を仕込み、トルエン(2,000mL)を加えて溶解した。これにナトリウム 4−メトキシフェノキシド(81.8g、0.56mol)のTHF(450mL)溶液を5時間で滴下した後、25℃にて24時間撹拌した。この反応液を予め調製したナトリウムフェノキシド(369.2g、3.18mol)のトルエン(1500mL)懸濁液に投入後、110℃にて24時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液にて2回洗浄後、希硝酸にて中和し、水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、362.1gの生成物を得た。この生成物を3リットルの4つ口フラスコに仕込み、別途調製したピリジン塩酸塩(144.5g、1.25mol)を加えて、内温200℃で加熱撹拌した。1H−NMR測定にて原料物質の消失を確認した(200℃での反応時間として、3時間)後、冷却し、メチルイソブチルケトン(MIBK、1,000mL)を加えて反応物を溶解した。MIBK層を5%塩酸水溶液、1%塩酸水溶液の順に洗浄後、1%水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、水洗した。MIBK層を減圧濃縮し、339.2(収率96.0%)の生成物を得た。
6.7(4.7H), 6.9(9.7H),7.1−7.4(14.5H), 8.3(1.2H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.1〜10.3
◎CHNP元素分析:
理論値 C:60.7%,H:4.2%,N:5.9%,P:13.0%
実測値 C:60.7%,H:4.3%,N:5.9%,P:13.0%
◎残存塩素分析:
0.002%
◎TOF−MS(m/z):
709,725,741
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
1置換品:78%
2置換品:21%
◎ヒドロキシ基当量:
609g/eq.
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを取り付けた5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g,1.50unit mol)を仕込み、トルエン(2,000mL)を加えて溶解した。これにナトリウム4−アセチルフェノキシド(118.6g,0.75mol)のTHF(400mL)溶液を5時間で滴下した後、25℃で24時間撹拌した。この反応液を予め調製したナトリウムフェノキシド(340.1g、2.93mol)のトルエン(1,250mL)懸濁液に投入後、110℃で3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄後、希硝酸で中和し、水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、373.4g(収率:98.7%)の生成物を得た。この生成物を4つ口フラスコに仕込み、トリフルオロ酢酸無水物(100mL)およびジクロロメタン(200mL)を仕込み、内温0℃以下で60%過酸化水素水(48.7g,1.50mol)を滴下した。滴下後、内温25℃で3時間撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を分液ロートに移し、20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮し306.8g(収率85.5%)の生成物を得た。
6.7(6H), 6.9(9H),7.1−7.4(13.5H), 8.3(1.5H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.1〜10.3
◎CHNP元素分析:
理論値 C:60.3%,H:4.2%,N:5.9%,P:13.0%
実測値 C:60.2%,H:4.1%,N:5.9%,P:12.9%
◎残存塩素分析:
0.003%
◎TOF−MS(m/z):
709,725,741
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
1置換品:32%
2置換品:61%
3置換品: 6%
◎ヒドロキシ基当量:
478g/eq.
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを取り付けた5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g、1.50unit mol)を仕込み、トルエン(2,000mL)を加えて溶解した。これにナトリウム 4−メトキシフェノキシド(131.5g、0.9mol)のTHF(450mL)溶液を5時間で滴下した後、25℃にて24時間撹拌した。この反応液を予め調製したナトリウムフェノキシド(211.3g、1.82mol)のトルエン(1440mL)懸濁液に投入後、110℃にて24時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液にて2回洗浄後、希硝酸にて中和し、水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、366.3gの生成物を得た。この生成物を3リットルの4つ口フラスコに仕込み、別途調製したピリジン塩酸塩(203.4g、1.76mol)を加えて、内温200℃で加熱撹拌した。1H−NMR測定にて原料物質の消失を確認(200℃での反応時間として、5時間)後、冷却し、メチルイソブチルケトン(MIBK、1,000mL)を加えて希釈した。MIBK層を5%塩酸水溶液、1%塩酸水溶液の順に洗浄後、1%水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、水洗した。MIBK層を減圧濃縮し、346.7(収率96.0%)の生成物を得た。
6.7(7.2H), 6.9(8.4H),7.1−7.4(12.6H), 8.3(1.8H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.1〜10.3
◎CHNP元素分析:
理論値 C:59.9%,H:4.2%,N:5.8%,P:12.9%
実測値 C:59.7%,H:4.1%,N:5.9%,P:13.0%
◎残存塩素分析:
0.003%
◎TOF−MS(m/z):
709,725,741
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
1置換品:13%
2置換品:78%
3置換品: 8%
◎ヒドロキシ基当量:
401g/eq.
ヘキサクロロシクロトリホスファゼンの代わりにクロロシクロホスファゼンオリゴマー(式(3)[(NPX2)2+(NPX2)n]のXが塩素原子であり、この式のn=1から6の混合物で、nの平均値として1.8のクロロシクロホスファゼンオリゴマーを使用した)(173.8g,1.50unit mol)を使用する以外は実施例3と同様に操作して、339.2g(収率96.0%)の生成物を得た。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.7(4.7H), 6.9(9.7H),7.1−7.4(14.5H), 8.3(1.2H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.1〜10.3
四量体(P=N)4 −9.5〜−12.0
◎CHNP元素分析:
理論値 C:59.8%,H:4.2%,N:5.8%,P:12.9%
実測値 C:59.9%,H:4.2%,N:5.9%,P:12.9%
◎残存塩素分析:
0.003%
◎TOF−MS(m/z):
693,709,725,741,940,956,972,1172,1188,1403,1419
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
三量体(P=N)3
0官能品: 1%
1官能品:51%
2官能品:13%
3官能品: 1%
四量体(P=N)4
1官能品: 6%
2官能品:11%
3官能品: 2%
五量体以上(P=N)4
15%
◎ヒドロキシ基当量:
389g/eq.
ナトリウムフェノキシドの代わりにナトリウム 3−メチルフェノキシド(381.3g、2.93mol)を使用する以外は実施例3と同様に操作して、352.9g(収率90.4%)の生成物を得た。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.3(4H) 6.6〜6.9(8H),8.3(1.5H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.1〜10.3
◎CHNP元素分析:
理論値 C:62.3%,H:5.0%,N:5.4%,P:11.9%
実測値 C:62.2%,H:5.0%,N:5.4%,P:11.9%
◎残存塩素分析:
0.003%
◎TOF−MS(m/z):
780,782,784
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
1置換品:33%
2置換品:60%
3置換品: 6%
◎ヒドロキシ基当量:
520g/eq.
ナトリウム 4−メトキシフェノキシドの代わりにナトリウム 3−メトキシフェノキシド(147.6g、0.76mol)を使用する以外は実施例3と同様に操作して、327.4g(収率91.3%)の生成物を得た。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.7(6H), 6.9(9H),7.1−7.4(13.5H), 8.3(1.5H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.1〜10.3
◎CHNP元素分析:
理論値 C:60.3%,H:4.2%,N:5.9%,P:13.0%
実測値 C:60.4%,H:4.3%,N:5.8%,P:12.8%
◎残存塩素分析:
0.03%
◎TOF−MS(m/z):
709,725,741
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
1置換品:35%
2置換品:59%
3置換品: 5%
◎ヒドロキシ基当量:
478g/eq.
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを取り付けた5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g、1.50unit mol)を仕込み、トルエン(2,000mL)を加えて溶解した。これにナトリウム 4−メトキシフェノキシド(219.2g、1.50mol)のTHF(500mL)溶液を5時間で滴下した後、25℃にて24時間撹拌した。この反応液を予め調製したナトリウムフェノキシド(278.6g、2.40mol)のトルエン(1900mL)懸濁液に投入後、110℃にて24時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液にて2回洗浄後、希硝酸にて中和し、水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、388.6gの生成物を得た。この生成物を3リットルの4つ口フラスコに仕込み、別途調製したピリジン塩酸塩(346.7g、3.00mol)を加えて、内温200℃で加熱撹拌した。1H−NMR測定にて原料物質の消失を確認(200℃での反応時間として、5時間)後冷却し、メチルイソブチルケトン(MIBK、1,000mL)を加えて希釈した。MIBK層を5%塩酸水溶液、1%塩酸水溶液の順に洗浄後、1%水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、水洗した。MIBK層を減圧濃縮し、348.5g(収率94.0%)の生成物を得た。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.7(3.9H), 6.9(4.2H),7.1−7.4(10.7H), 8.3(2.1H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.6〜10.8
◎CHNP元素分析:
理論値 C:58.1%,H:4.5%,N:5.6%,P:12.5%
実測値 C:58.0%,H:4.5%,N:5.7%,P:12.5%
◎残存塩素分析:
0.02%
◎TOF−MS(m/z):
709,725,741
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
2置換品:12%
3置換品:75%
4置換品:13%
◎ヒドロキシ基当量:
241g/eq.
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを取り付けた5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g、1.50unit mol)を仕込み、トルエン(2,000mL)を加えて溶解した。これにナトリウム 4−メトキシフェノキシド(51.1g、0.35mol)のTHF(100mL)溶液を1時間で滴下した後、25℃にて24時間撹拌した。この反応液を予め調製したナトリウムフェノキシド(412.1g、3.55mol)のトルエン(2200mL)懸濁液に投入後、110℃にて24時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液にて2回洗浄後、希硝酸にて中和し、水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、349.6gの生成物を得た。この生成物を3リットルの4つ口フラスコに仕込み、別途調製したピリジン塩酸塩(121.3g、1.05mol)を加えて、内温200℃で加熱撹拌した。1H−NMR測定にて原料物質の消失を確認(200℃での反応時間として、3時間)後冷却し、メチルイソブチルケトン(MIBK、1,000mL)を加えて希釈した。MIBK層を5%塩酸水溶液、1%塩酸水溶液の順に洗浄後、1%水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、水洗した。MIBK層を減圧濃縮し、334.7g(収率95.0%)の生成物を得た。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.7(2H), 6.9(2H),7.1−7.4(38H), 8.3(1H)
◎31P−NMRスペクトル(重アセトン中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.7〜10.4
◎CHNP元素分析:
理論値 C:61.4%,H:4.3%,N:6.0%,P:13.2%
実測値 C:61.4%,H:4.2%,N:5.9%,P:13.2%
◎残存塩素分析:
0.02%
◎TOF−MS(m/z):
693,709
◎組成分析(HPLC:面積百分率):
0置換品:29%
1置換品:71%
◎ヒドロキシ基当量:
1,021g/eq.
実施例1から6で得たヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製商品名「ニポール1072」)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製商品名「jER1001」:エポキシ当量475g/eq.)ビフェニル骨格含有ノボラック型フェノール樹脂(明和化成社製商品名「MEH−7851」:エポキシ当量197g/eq.)、水酸化アルミニウムおよびMEKを表2の割合(重量部)で混合、溶解し、ワニスを調製した。
比較例1および2で得たヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製商品名「ニポール1072」)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製商品名「jER1001」:エポキシ当量475g/eq.)ビフェニル骨格含有ノボラック型フェノール樹脂(明和化成社製商品名「MEH−7851」:エポキシ当量199g/eq.)、水酸化アルミニウムおよびMEKを表2の割合(重量部)で混合、溶解し、ワニスを調製した。
実施例7〜12並びに比較例3および4で得たカバーレイ付きフレキシブル基板について、燃焼性、耐折れ強さ、半田耐熱性および高温信頼性を評価した。各項目の評価方法は次の通りである。結果を表1に示す。
アンダーライターズラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)のUL−94垂直燃焼試験に基づき、10回接炎時の合計燃焼時間と燃焼時の滴下物による綿着火の有無により、V−0、V−1、V−2および規格外の四段階に分類した。評価基準を以下に示す。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>規格外の順に低下する。
(A)試験片5本を1本につき二回ずつ、合計10回の接炎後からの消炎時間の合計が50秒以内。
(B)試験片5本を1本につき二回ずつ接炎を行い、それぞれの接炎後からの消炎時間が5秒以内。
(C)すべての試験片で滴下物による、300mm下の脱脂綿への着火がない。
(D)すべての試験片で、二回目の接炎後のグローイングは30秒以内。
(E)すべての試験片で、クランプまでフレーミングしない。
(A)試験片5本を1本につき二回ずつ、合計10回の接炎後からの消炎時間の合計が250秒以内。
(B)試験片5本を1本につき二回ずつ接炎を行い、それぞれの接炎後からの消炎時間が30秒以内。
(C)すべての試験片で滴下物による、300mm下の脱脂綿への着火がない。
(D)すべての試験片で、二回目の接炎後のグローイングは60秒以内。
(E)すべての試験片で、クランプまでフレーミングしない。
(A)試験片5本を1本につき二回ずつ、合計10回の接炎後からの消炎時間の合計が250秒以内。
(B)試験片5本を1本につき二回ずつ接炎を行い、それぞれの接炎後からの消炎時間が30秒以内。(C)試験片5本のうち、少なくとも一本、滴下物による、300mm下の脱脂綿への着火がある。
(D)すべての試験片で、二回目の接炎後のグローイングは60秒以内。
(E)すべての試験片で、クランプまでフレーミングしない。
株式会社安田精機製作所のMIT形耐折度試験機(商品名)を用い、JIS P8115「耐折り強さ試験方法」に従って、柔軟性の指標としての耐折り強さを測定した。
フレキシブル基板から長さ30mm、幅15mmの試験片を切り出し、この試験片を温度22.5〜23.5℃、湿度39.5〜40.5%の環境下で24時間放置した。そして、288℃の溶融半田に試験片を1分間ディップし、片側の銅箔のみをエッチングした。その後、目視にて樹脂部分を観察し、発泡や膨れ等の異常がなければ合格とし、20検体中の不合格数を調べた。
シート状硬化物を85℃、相対湿度85%の恒温恒湿装置に48時間保管した後、288℃で20分間加熱処理し、外観の変化を観察した。表1において「有」は、シート状硬化物の表面にブリードアウトによる外観変化がないこと(すなわち、高温信頼性があること)を示す。また、「無」は、シート状硬化物の表面にブリードアウトによる外観変化があること(すなわち高温信頼性がないこと)を示す。
Claims (10)
- 下記の式(1)で表され、且つヒドロキシ基当量が360g/eq.以上である、ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物。
A1基:炭素数1から6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6から20のアリールオキシ基。
A2基:下記の式(2)で示されるヒドロキシフェノキシ基。)
- 式(1)の最小構成単位である(NPA2)における2個のAのうち、A2基の数がその平均値で0.33以上で0.67未満である、請求項1に記載のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物。
- 式(1)のA1基がフェノキシ基で、且つA2基が4−ヒドロキシフェノキシ基である、請求項1および2に記載のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物。
- 式(1)のnが1若しくは2である、請求項1から3のいずれかに記載のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物。
- 式(1)で表されるヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物が80重量%以上含まれている、請求項1から4のいずれかに記載のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物。
- 樹脂成分と、請求項1から5のいずれかに記載のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン組成物と、を含む樹脂組成物。
- 前記樹脂成分が、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ポリイミド系樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選ばれたものである、請求項6に記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項6および7に記載の難燃性樹脂組成物からなる樹脂成形体。
- 請求項8に記載の樹脂成形体を用いた電子部品。
- 請求項8に記載の樹脂成形体を用いた回路基板およびその周辺材料。
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