JP2012079870A - 電子部品 - Google Patents

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佐藤  淳
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Abstract

【課題】はんだ付け実装する際のセルフアライメント性の向上が図られた電子部品を提供する。
【解決手段】積層チップインダクタは、直方体形状の外形を有し、対向する両端面それぞれに、角部Cを挟んで隣り合う端面の一部と底面1cの一部とを連続的に覆う断面L字状の外部電極が設けられた積層チップインダクタであって、端面には、四角形状の外部電極の端面部2bと、角部Cの稜線方向(X方向)において外部電極の端面部2bを挟む位置に等幅の一対のギャップ部gとが設けられており、角部Cの稜線方向における端面の幅Wとギャップ部gの幅dとの比d/Wが0<d/W≦0.2である。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子部品に関するものであり、特に表面実装型の電子部品に関する。
従来より、表面実装型の電子部品として、積層チップインダクタや積層チップコンデンサ等が知られている。これらの電子部品の両端部に設けられる外部電極の一つとして、下記特許文献1や特許文献2に開示された電極構造がある。この電極構造では、図1に示すように、はんだフィレットが形成されないように、電子部品101Aの底面(チップ実装面)101cにのみ外部電極102が設けられている。また、図1のような電極構造の変形例として、図2に示したように、はんだフィレットが形成されない程度に、電子部品101Bの外部電極102の端面部102bが底面部102aと連結した電極構造がある。
しかしながら、図1、2のような電極構造においては、外部電極102の面積が比較的小さいため、電子部品を基板に実装したときに十分な固着強度を得ることが困難であった。しかも、電子部品の小型化が進むにつれて、その固着強度はさらに低下することとなる。
そこで、外部電極102の一部として、上述した底面部102aの他に、はんだフィレット形成用の端面部102bを電子部品の端面101a、101bに形成した電極構造が用いられ、このような電極構造は下記特許文献3−5に開示されている。ここで、特許文献3、4には、図3に示すように、フィレット形成用の端面部102bと底面部102aとが連続的に設けられた、断面L字状の電極構造を有する電子部品101Cが開示されている。また、特許文献5には、図4に示すように、電子部品101Dの底面101cと端面101a、101bとを含む5面を一体的に覆う電極構造が開示されている。
特許3058164号公報 特開2002−305111号公報 特許4019071号公報 特開2006−140254号公報 特開2005−109097号公報
しかしながら、前述した従来の電子部品の電極構造には、次のような課題が存在している。すなわち、電子部品を基板にはんだ付け実装する際のセルフアライメント性について、設計上の配慮が欠けていたため、十分なセルフアライメント性を得ることが困難であった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、はんだ付け実装する際のセルフアライメント性の向上が図られた電子部品を提供することを目的とする。
本発明に係る電子部品は、直方体形状または立方体形状の外形を有し、対向する両端面それぞれに、角部を挟んで隣り合う端面の一部と底面の一部とを連続的に覆う断面L字状の外部電極が設けられた電子部品であって、端面には、四角形状の外部電極の端面部と、角部の稜線方向において外部電極の端面部を挟む位置に等幅の一対のギャップ部とが設けられており、角部の稜線方向における端面の幅Wとギャップ部の幅dとの比d/Wが0<d/W≦0.2である。
発明者らは、鋭意研究の末、d/Wを上記範囲とすることで、十分なセルフアライメント性が得られることを新たに見出した。
なお、外部電極の端面部の、底面に対面する頂面からの距離DがD≦300μmであってもよい。この場合、さらなるセルフアライメント性の向上を図ることができる。
また、外部電極は、一部が端面および底面に露出しており、かつ、一部が端面および底面に埋没している態様であってもよい。
本発明によれば、はんだ付け実装する際のセルフアライメント性の向上が図られた電子部品が提供される。
図1は、従来技術に係る電子部品の一例を示した概略構成図である。 図2は、従来技術に係る電子部品の一例を示した概略構成図である。 図3は、従来技術に係る電子部品の一例を示した概略構成図である。 図4は、従来技術に係る電子部品の一例を示した概略構成図である。 図5は、本発明の実施形態に係る積層チップインダクタを示した概略構成図である。 図6は、図5の積層チップインダクタの端面における外部電極を示した図である。 図7は、図5の積層チップインダクタのシート積層の状態を示した図である。 図8は、焼成前の積層チップインダクタの状態を示した図である。 図9は、バレル研磨後の積層チップインダクタの角の状態を示した図である。 図10は、幅dを一定としたときの固着強度試験およびセルフアライメント性試験の結果を示した表である。 図11は、幅dを一定としたときの固着強度試験の結果を示したグラフである。 図12は、幅Dを一定としたときの固着強度試験およびセルフアライメント性試験の結果を示した表である。 図13は、幅Dを一定としたときの固着強度試験の結果を示したグラフである。 図14は、はんだの応力とセルフアライメント性の関係について示した図である。 図15は、積層チップインダクタのQ特性の周波数依存性を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
本発明の実施形態に係る電子部品の一例として、積層チップインダクタ1を図5に示す。図5の(a)および(b)は、異なる角度からの積層チップインダクタ1の斜視構成を示した図である。図5に示された積層チップインダクタ1は、直方体形状の外形を有し、その長手方向において対面する一対の端面1a、1bおよび実装時に基板(図示せず)に対面する底面1cを有する。なお、上記積層チップインダクタ1の外形形状は立方体形状であってもよい。
この積層チップインダクタ1には、内部に設けられたインダクタ構造3の各端部と電気的に接続された一対の外部電極2を有している。各外部電極2は、端面1a、1bと底面1cとで形成される角部Cを挟んで、底面1cに形成された底面部2aと、端面1a、1bに形成された端面部2bとで構成されている。
各外部電極2の底面部2aと端面部2bとは連続的に形成されており、それにより、各外部電極2は、角部Cを挟んで隣り合う端面1a、1bの一部と底面1cの一部とを連続的に覆う断面L字状の形状となっている。
図6に示すように、端面1a、1bにおける端面部2bは、底面1c側の角部Cから延びる四角形状を呈している。また、端面1a、1bには、角部Cの稜線方向(図のX方向)において、端面部2bを挟む位置に等幅dの一対のギャップ部gと、底面1cに対面する頂面1d側のギャップ部Gとが形成されており、これらのギャップ部G、gには外部電極2の端面部2bが形成されていない。
続いて、積層チップインダクタ1を作成する手順について説明する。
まず図7(a)に示すように、絶縁性シート7と、絶縁性シート7に形成したL字状貫通孔8、9に導体を充填した絶縁性シート14と、絶縁性シート7にL字状貫通孔8、9とコイルパターンを連結させるための貫通ビアホール10(a)を形成してL字貫通孔と貫通ビアホールを導体で印刷充填するとともに引き出し電極11を印刷形成した絶縁性シート15と、絶縁性シート7にL字状貫通孔8、9を導体で印刷充填するとともに引き出し電極13を印刷形成した絶縁性シート16と、上記絶縁性シート14にコイルパターンを連結させるための貫通ビアホール10(b)を形成して貫通ビアホールを導体で印刷充填するとともにコイルパターン12を印刷形成した絶縁性シート17とを用意する。なお、図示するように、各絶縁性シートには、複数のL字状貫通孔、貫通ビアホール、引き出し電極、コイルパターンを、複数個の積層チップインダクタを同時に作成するように形成している。
そして、図7(b)に示すように、各絶縁性シート7、14、15、16、17を順次積層することで、グリーン積層インダクタ基板を作製し、これをチップ個片に切断することでグリーン積層チップインダクタを得る。
なお、図7に示されたコイルの巻き数は1回であるが、複数回の巻き数からなる設計でも構わない。また、コイルパターン12もこれに限定することはない。貫通ビアホール10(a)、10(b)の位置も巻き数に応じてコイルパターンの周回上であればこれに限定することはない。
以下では、各シートの製造方法について詳しく説明する。
(グリーン積層チップインダクタの製造方法)
積層チップインダクタの作製に用いられる上述の絶縁性シート7は、まず、ドクターブレードなどによってPETフィルム上に塗布形成し、乾燥させる。絶縁性シート7は、ガラス系セラミックスまたはフェライトなどで構成され、シート厚みは5〜40μm程度とする。次いで、絶縁性シート7にレーザー加工などにより、外部電極用のL字状の貫通孔8、9を形成し、これらの貫通孔8、9を導体ペーストで充填する。そして、L字状の貫通孔8、9に導体ペーストを充填して絶縁性シート14を用意する。
次いで、絶縁性シート14にレーザー加工などにより、コイルパターン12と連結させるための貫通ビアホール10(a)を形成し、導体ペーストを充填する。そして乾燥工程を経て、コイルパターン12を外部に入出力するための引き出し電極パターン11をスクリーン印刷などにより形成し、絶縁性シート15を作製する。なお、上記貫通ビアホール10(a)と引き出し電極パターン11は、それぞれ印刷工程を分けて実施しているが、1回の印刷で同時に形成しても構わない。
絶縁性シート16は、絶縁性シート14にコイルパターンを外部に入出力するための引き出し電極13をスクリーン印刷などで形成することによって得ることができる。
このとき、外部電極用のL字状貫通孔8に導体ペーストを充填したパターンと引き出し電極パターン11は電気的に繋がっており、また、外部電極用のL字状貫通孔9に導体ペーストを充填したパターンと引き出し電極パターン13とは電気的に繋がっているものとする。
なお、上記貫通ビアホール10(a)、10(b)と引き出し電極パターン11、13とコイルパターン12とは、1回または、複数回の工程によって形成される。また本実施例のコイルパターンの印刷体の厚みは12μm程度とする。
さらに、上記の貫通孔8、9や貫通ビアホール10(a)、10(b)の形成方法としては、レーザー加工のほかにドリル加工、メカパンチング加工など、最適な工法で実施すればよい。導体ペーストの組成として、本実施形態ではAgを用いているが、この他にCu、Ni、Pd、Auまたはそれらを1つ以上含む合金が一例として挙げられ、ただしこれに限定しなくてもよい。
さらにL字の貫通孔8、9に充填した導体パターン幅についても特に限定はされず、コイルパターン12の内径サイズに適宜対応した幅であれば、特に限定されない。
絶縁性シート17は、絶縁性シート7に、L字状貫通孔8、9および貫通ビアホール10(b)を形成し、これらに導体ペーストを充填させ、次いで、コイルパターン12を印刷することによって得られる。コイルパターンとしては、1種類以上から構成されているものとし、コイルの巻き数(インダクタンス値)によって適宜変更される。これに伴い、貫通ビアホール10(b)の位置は、巻き数に応じてコイルパターンの周回上で適宜変更される。上記コイルパターン12は、貫通孔8、9および貫通ビアホール10(b)を導体ペーストで充填するときに、同時に印刷によって形成しても構わない。
上述のとおりに準備した各絶縁性シート7、14、15、16、17をPETフィルムから剥離し、図7(b)のような構成で、剥離積層工法や熱圧着積層工法によって積層し、さらに一軸加圧工程(たとえば、40℃、1トン、30秒保持)を経て、グリーン積層インダクタ基板を形成する。グリーン積層インダクタ基板は、ダイシングソーまたは押し切り切断機などにより、チップ個片に切断し、グリーン積層チップインダクタ1を得る(図8参照)。グリーン積層チップインダクタ1の外部電極2は、積層チップ内部に埋もれた構造となり、かつ、積層チップ表面に、断面L字状の構造として露出している。
上記グリーン積層チップインダクタ1は、固化乾燥(110〜150℃)後にバレル研磨を施し、チップの角に曲率半径rの曲面Rを形成した(図9参照)。バレル研磨としては、バレル漕中にグリーン積層チップインダクタ1、研磨用メディア、研磨液等を入れ、回転、振動などにより、相対運動を生じさせることで上記グリーン積層チップを研磨加工した。研磨用メディアは入れても、必ずしも入れる必要はなく、研磨液についても特に制限されないが、グリーンチップに含まれるバインダに対して難溶である水等を用いてもよい。
(焼成と電極めっき処理)
次いでバレル研磨したグリーン積層チップインダクタ1を、所定温度にて脱バインダおよび焼成を行って、縦1.0mm×横0.5mm×厚み0.5mm形状の積層チップインダクタを得た。脱バインダおよび焼成の雰囲気は、電極組成と絶縁性シート組成に対して最適な条件であれば、特に限定はされない。仮に焼成後の外部電極表面が酸化した場合は、湿式バレル研磨を追加実施することで、酸化皮膜を除去すればよい。湿式バレル方法は上述した方法同様、バレル容器内に焼成した積層チップインダクタ、研磨用メディア、研磨液などを加えた状態で回転および振動させておこなう。
さらに上記焼結した積層チップインダクタは、無電解めっき、もしくは電気めっきすることで、外部電極2上に5μm厚さのCuめっき層を形成させる。さらに、前記Cuめっき層の上に、はんだ食われを防止としてNiめっき層を2μm形成し、次いで、はんだ付け性を高めるためにSnめっき層を4μm形成させる。
(積層チップインダクタの外部電極構造)
以上のようにして形成された外部電極2は、Ag下地電極と、Cu、Ni、Snめっき層から構成される。この外部電極2の形状は、図6に示したとおりであり、ギャップG、gによって3辺を囲まれた四角形状となっている。ギャップ部Gの幅Dおよびギャップ部gの幅dを大きくしていくと、電子部品の側面および頂面への電極回り込みを有意に回避することができるようになる。ただし、ギャップ部G、gの幅D、dが極端に大きくなると、外部電極2の端面部2bの面積が小さくなるため、固着強度を保てなくなる虞がある。
そこで、発明者らは、積層チップインダクタ18の固着強度に対するギャップ部Gの幅Dとギャップ部gの幅dの最適値を見いだすために、ギャップ部G、gの幅D、dをそれぞれ変動させたときのチップ固着強度試験を検討した。加えて、ギャップ部G、gの幅D、dを変動させたときの各チップのセルフアライメント性を評価した。なお、これらの固着強度試験およびセルフアライメント性試験には、1.0mm×0.5mm×0.5mmサイズの積層チップインダクタを使用した。
まず、図6におけるギャップ部gの幅dを20μmに設定するとともに、ギャップ部Gの幅Dを0μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、450μm、500μmに調整した8種の積層チップインダクタ(試料No.1〜8)を用意した。上記ギャップ部gの幅dは、チップ稜(このチップ稜には図9で示したバレル研磨によるチップコーナーに曲率半径r=20μm弱の曲面Rが存在する)への電極回り込みを確実に回避するために20μmとした。
次いで、上記の各積層チップインダクタを、ガラスエポキシ基板上のランド電極の上に搭載し、リフローはんだ付けすることで基板上に確実に実装した。実装した各試料は、固着強度試験機のロードセルをチップ側面から、0.15mm/秒の速度で真横から応力を加えることで、基板からチップを剥離して基板へのチップ固着強度を測定した。さらに、セルフアライメント性を評価するために、チップインダクタをランド電極上に設計搭載位置から±50μmずらした位置に搭載し、リフローはんだ後の実装位置を三次元測長機によって測定した。そして、設計搭載位置からの最終的なズレ量によって、セルフアライメント性の良否を判定した。
図10および図11に、固着強度試験およびセルフアライメント性試験の結果を示す。なお、セルフアライメント性試験におけるズレ量は、リフローはんだ前のチップインダクタの重心座標から、リフローはんだ後の重心座標までの距離を意味し、設計搭載位置のズレ量が±20μmより小さいものを「○」、±20〜40μmのものを「△」、±40μmより大きいものを「×」と判定した。
図10および図11に示す結果から、1005形状の積層チップインダクタの場合、ギャップ部Gの幅Dが大きくなるほど、チップの固着強度が低下する傾向にあることがわかった。特に、ギャップ部Gの幅Dが300μmを超えると固着強度が急峻に低下し、図1の従来技術に係る積層チップインダクタに類似する試料No.8においては、底面部のみの外部電極を有する積層チップインダクタと同程度の固着強度であった。さらに、ギャップ部Gの幅Dが400μm以上では、セルフアライメント性が不良となった。ここで、D/Tとして、端面1a、1bの高さTに対するギャップ部Gの幅Dの比率をとると、0≦D/T≦0.6が好ましい範囲といえる。
次いで、図6におけるギャップ部Gの幅Dを20μmに設定するとともに、ギャップ部gの幅dを0μm、20μm、50μm、75μm、100μm、150μm、200μm、250μmに調整した8種の積層チップインダクタ(試料No.1、9、10〜15)を用意した。上記ギャップ部Gの幅Dは、チップ稜への電極回り込みを確実に回避するために20μm幅とした。
ギャップ部gの幅dを調整するために、絶縁性シート14に形成するL字状貫通孔8、9に代えて、外部電極2の端面部2bのみとなるように、I字状貫通孔としたものを用意して、ギャップ部gの幅dに応じて積層した。
次いで、上記の各積層チップインダクタを、ガラスエポキシ基板上のランド電極の上に搭載し、リフローはんだ付けすることで基板上に確実に実装した。実装した各試料は、固着強度試験機のロードセルをチップ側面から、0.15mm/秒の速度で真横から応力を加えることで、基板からチップを剥離して基板へのチップ固着強度を測定した。
図12および図13に、固着強度試験およびセルフアライメント性試験の結果を示す。図12および図13の結果から、1005形状の積層チップインダクタの場合、ギャップ部gの幅dが大きくなるほど、チップの固着強度が低下する傾向にあり、破壊モードは全て電極剥離であることがわかった。特に、ギャップ部gの幅dが100μmを超えると(試料No.13、14、15)、固着強度の低下が急峻に起き、図1の従来技術に係る積層チップインダクタに類似する試料No.8の固着強度と同程度まで低くなった。また、上述と同様にセルフアライメント評価をした結果、dが150μm以下になるとセルフアライメント性が不良になることがわかった。ここで、D/Wとして、チップ幅(X方向における端面1a、1bの幅)Wに対するギャップ部gの幅dの比率をとると、0≦d/W≦0.2が好ましい範囲といえる。また、ギャップ部gの幅dが0μmの場合では、チップ端面とチップ側面とで画成されたチップ稜に外部電極が形成されているため、チップ稜の部分におけるはんだフィレットの応力が加わったことによって、セルフアライメント性が若干低下している。より好ましくは、0.04≦d/W≦0.2といえる。
ここで、はんだの応力とセルフアライメント性の関係について、図14を参照しつつ説明する。図14の(a)部分には、図4に示したような電子部品(積層チップインダクタ)101Dの端面が示されており、(b)部分には、本実施形態に係る積層チップインダクタ1の端面が示されている。
図14(a)に示す積層チップインダクタ101Dにおいては、基板に設けられたランドLにはんだ実装する際、はんだSの応力(濡れ力)は端面および底面に作用するだけでなく、側面にもはんだフィレットの応力が作用するために、その作用中心点Pの位置(図の底面の作用点の位置と端面の作用点の位置との中間位置)はチップ中心からずれた位置(図においては右側、すなわちランドLが存在する側にずれた位置)となる。そのため、セルフアライメントにより、作用点Pが、はんだSの表面張力作用点P’(ランドLの中心位置Q)まで移動して安定状態となっても、セルフアライメント後の位置(図の破線で示された位置)と設計搭載位置とのずれ量E1は大きい。
一方、図14(b)に示す積層チップインダクタ1においては、ギャップ部gが設けられているため、その側面にはんだフィレットは形成されず、側面にははんだの応力は作用しない。そのため、積層チップインダクタ1においては、はんだSの応力の作用点Pの位置(図の底面左側の作用点の位置と底面右側の作用点の位置との中間位置)はほぼチップ中心の位置となる。そのため、セルフアライメントにより、作用点Pが、はんだSの表面張力作用点P’まで移動して安定状態となったとき、セルフアライメント後の位置(図の破線で示された位置)と設計搭載位置とのずれ量E2は小さく、良好なセルフアライメント性が得られる。
以上のセルフアライメント性試験の結果から、発明者らは、積層チップインダクタ1において、端面1aのギャップ部gの幅dが、端面1aの幅Wに対する比(d/W)が0<d/W≦0.2の式を満たすように設計して、積層チップインダクタ1をはんだ付け実装する際のはんだの表面張力によるチップ位置調整(いわゆる、セルフアライメント性)を向上させる技術を、鋭意研究の末に新たに見出した。
また、ギャップ部Gの幅D(すなわち、外部電極2の端面部2bの底面1cに対面する頂面1dからの距離)に関しては、図10の表から明らかなように、D≦300μmに設計することで、さらなるセルフアライメント性の向上を図ることができる。
なお、ギャップ部gの幅dおよびギャップ部Gの幅Dは、図7に示した絶縁性シート7の厚みや貫通孔8、9のサイズを変更することによって、容易に調整することができる。
上述した実施形態においては、外部電極2が端面1a、1bおよび底面1cの表面上に形成されている態様を示したが、必要に応じて、外部電極2の一部が端面1a、1bおよび底面1cに露出し、他の一部が端面1a、1bおよび底面1cに埋没している態様にしても構わない。
ところで、インダクタ特性のQ特性(品質特性)を向上する構造としては、図1〜3に示した電極構造のようにコイル103の軸(磁束)方向に対向する面、すなわち、チップ側面101a、101bに直交し、かつ、底面101cに直交する面に電極が重ならない、つまり浮遊容量が形成されない電極構造にする必要があり、コイルの磁束と対抗するチップ側面101a、101bには外部電極102が形成されていないことが好ましい。しかし、上記特許文献1〜3の電極構造(すなわち、図1〜3の電極構造)では、印刷工法や塗布工法によって外部電極が形成されるため、電極ペーストの回り込みが発生してしまい、コイルの軸方向に対して若干の電極(図4に示す符号102cのような電極)が形成されてしまう。以下では「C寸法」と称す。
一般的にバレル研磨した積層チップ部品の場合、チップコーナーにR部(稜部)が必然的にできてしまうため(図9参照)、電極の回り込みが置きやすい。このR部を介して電極ペーストが100μmほど回り込んでしまう課題が上記特許文献3の段落0026に示されている。したがって、浮遊容量が引き起こされQ低下が少なからず起きてしまう。
そのため、積層チップインダクタにおいては、外部電極の回り込みを確実に無くすことでC寸法をゼロとし、Q特性の低下を改善することが好ましい。
そこで、上述した方法により作製した積層チップインダクタと、従来技術の印刷工法によって外部電極を形成した積層チップインダクタのQ特性の周波数依存性を調べた結果、図15に示すグラフのような結果が得られた。図15において、(a)は本実施形態に係る積層チップインダクタ1の結果(上記試料No.1の結果)を示しており、C寸法部の電極回り込みが無く、端面1a、1bの全域に外部電極が形成されている。一方、(b)は従来技術に係る積層チップインダクタの結果を示しており、C寸法部への外部電極回り込みが100μm生じている試料とする。
図15のグラフから、C寸法部への電極回り込みのある従来技術の積層チップインダクタ(b)のQ特性と比較して、本実施形態に係る積層チップインダクタ(a)のQ特性が向上していることがわかる。
1…積層チップインダクタ、1a、1b…端面、1c…底面、1d…頂面、2…外部電極、2a…底面部、2b…端面部、G、g…ギャップ部、D、d、W…幅。

Claims (3)

  1. 直方体形状または立方体形状の外形を有し、対向する両端面それぞれに、角部を挟んで隣り合う前記端面の一部と底面の一部とを連続的に覆う断面L字状の外部電極が設けられた電子部品であって、
    前記端面には、四角形状の前記外部電極の端面部と、前記角部の稜線方向において前記外部電極の端面部を挟む位置に等幅の一対のギャップ部とが設けられており、
    前記角部の稜線方向における前記端面の幅Wと前記ギャップ部の幅dとの比d/Wが0<d/W≦0.2である、電子部品。
  2. 前記外部電極の端面部の、前記底面に対面する頂面からの距離DがD≦300μmである、請求項1記載の電子部品。
  3. 前記外部電極は一部が前記端面および底面に露出しており、かつ、一部が前記端面および底面に埋没している、請求項1または2に記載の電子部品。
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