JP2012078555A - レンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末 - Google Patents

レンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末 Download PDF

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Abstract

【課題】製造が容易で且つレンズ支持体の駆動を阻害するおそれが少なく、レンズ支持体の光軸方向への移動及び手振れ補正の移動ができるレンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末を提供する。
【解決手段】本発明は、レンズ支持体5を移動自在に支持する4つのスプリング12a〜12dにおいて、第1コイル19の一端を電源側のスプリング12bに接続し、2つの第2コイル16a及び16c、16b及び16dの一端を電源側のスプリング12a、12cに接続し、且つ各コイル19、16a〜16dの他端を基準電位部側のスプリング12dに接続し、合計4つのスプリング12a〜12dに各コイル19、16a〜16を接続してあり、レンズ支持体5を光軸方向へ移動するときには第1コイル19に直流電流を流し、レンズ支持体5を光軸と直交するX―Y方向に移動するときには所定の第2コイル16a〜16dに所定の直流電流を流す。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末に関する。
特許文献1には、レンズ支持体の周方向に巻回した第1コイルと、レンズ支持体の光軸方向後側に設けてレンズ支持体を光軸方向に移動自在に支持する後側スプリング体を設けたことが開示されている。この後側スプリング体は、一方のスプリングと他方のスプリングとの2つのスプリングで構成して、一方のスプリングに第1コイルの一方のコイル線端を接続し、他方のスプリングに第1コイルの他端のコイル線端を接続して、後側スプリング体を介して第1コイルに通電することで、レンズ支持体を光軸方向に移動させることが開示されている。
一方、発明者らは、レンズ支持体の周方向に巻回した第1コイルを設けると共にレンズ支持体の周方向に90度の間隔をあけて2つの第2コイルを設け、第1コイルに通電してレンズ支持体を光軸方向に移動させてフォーカス移動をし、2つの第2コイルのうちの所定のコイルに通電することによりレンズ支持体をX―Y方向に移動させてレンズ支持体を手振れ補正する技術を開発した。
特開2009−80217号公報
しかし、レンズ支持体に2つの第2コイルを設けて各第2コイルに通電する場合、第2コイルへの通電経路として既に第1コイル用に用いている後側スプリング体を用いることができない。この場合、第2コイルのコイル線の一端及び他端は、レンズ駆動装置の外に引き出して外部の電源端子や制御部に直接接続することが考えられる。
ところが、第2コイルのコイル線の一端及び他端をレンズ駆動装置の外に引き出して外部の電源端子や制御部に接続したのでは、各線の引き出しや外部電源端子又は制御部への接続に手間がかかると共にコイルの引き出し線が邪魔になってレンズ支持体の駆動を阻害するおそれがある。
そこで、本発明は、製造が容易で且つレンズ支持体の駆動を阻害するおそれが少なく、レンズ支持体の光軸方向への移動及び手振れ補正の移動ができるレンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、レンズ支持体と、レンズ支持体の外周側に設けた固定体と、レンズ支持体の光軸方向一側に設けて一端を固定体に取付け他端をレンズ支持体に取付けてレンズ支持体を移動自在に支持する4つのスプリングと、レンズ支持体の外周に周方向に巻回した第1コイルと、レンズ支持体の外周に周方向に90度の間隔をあけて配置した2つの第2コイルと、固定体に設けてあり且つ第1コイルの外周側に設けた少なくとも1つのマグネットとを備え、マグネットは第1コイルの外周面に対向して設けてあると共に第2コイルが設けてある位置では第2コイルに対向してあり、4つのスプリングのうち3つのスプリングは電源に接続されるものであり、残りの1つのスプリングは基準電位部に接続されるものであり、各コイルの一端を各々異なる電源側のスプリングに接続し且つ各コイルの他端を基準電位部側のスプリングに接続してあり、合計4つのスプリングを介して各コイルに電流を流しており、レンズ支持体を光軸方向へ移動するときには第1コイルに直流電流を流し、レンズ支持体を光軸と直交するX―Y方向に移動するときには所定の第2コイルに所定の直流電流を流すことを特徴とするレンズ駆動装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、4つの各スプリングは、面一にしてレンズ支持体の周方向に並んで配置しており、レンズ支持体に固定する内周側固定部と、固定体に固定する外周側固定部と、内周側固定部と外周側固定部との間に設けた腕部とを備え、腕部は周方向に曲げ部を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、各第2コイルは直列に接続した2つのコイル部分を備え、各コイル部分はレンズ支持体の外周に沿って等間隔に合計4つ設けてあり、1つの第2コイルは互いに対向する位置に2つのコイル部分を配置していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と、第1電源と第2電源と基準電位部とを有する制御部とを備え、制御部と2つの第2コイルとで2つのT型ブリッジ回路を構成し、2つのT型ブリッジ回路は第1電源と第2電源との間に並列に接続してあり、各T型ブリッジ回路は2つのスイッチ素子を直列に接続してあり、一方のT型ブリッジ回路の2つのスイッチ素子間に接続したスプリングに一方の第2コイルの一端を接続し、他方のT型ブリッジ回路の2つのスイッチ素子間に接続したスプリングに他方の第2コイルの一端を接続し、第1電源又は第2電源に接続したスプリングに第1コイルの一端を接続し、基準電位部に接続したスプリングに各コイルの他端を接続したことを特徴とするオートフォーカスカメラである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のオートフォーカスカメラを搭載したことを特徴とするカメラ付きモバイル端末である。
モバイル端末とは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン等を言う。
請求項1に記載の発明によれば、レンズ支持体のフォーカス移動は、第1コイルに通電することでマグネットとの間で生じる光軸方向の推力によりレンズ支持体を光軸方向へ移動し、手振れ補正は任意の第2コイルに通電することでマグネットとの間で生じるレンズ支持体の半径方向の推力によりレンズ支持体を光軸と直交するX―Y方向に移動して行う。これにより、レンズ支持体をフォーカス移動及び手振れ補正移動ができる。
レンズ支持体を支持する4つのスプリングにおいて、第1コイルの一方のコイル線端及び2つの第2コイルの一方のコイル線端を電源側の各々異なる3つのスプリングに接続し、第1コイルの他方のコイル線端及び2つの第2コイルの他方のコイル線端を基準電位部側のスプリングに接続することにより、合計4つのスプリングにより各コイルに個別に電流を流すことができる。これにより、各コイルのコイル線を外部に引き出さなくて済み、構成が簡易で製造が容易にできる。
コイル線端をレンズ駆動装置の外側に引き出していないから、コイル線がレンズ支持体の移動を阻害するのを防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作用効果を奏すると共に、4つのスプリングは面一にしてレンズ支持体の周方向に並んで配置しているので、光軸方向の寸法が大きくなるのを防止できる。また、各スプリングの腕部は周方向に曲げた曲げ部を有する構成としているので、腕部のスペースを小さくでき、4つの各スプリングを小型でコンパクトにできる。
コイルに通電する4つのスプリングは、レンズ支持体の周方向に並んで配置しているので、レンズ支持体の周囲に配置した各コイルのコイル線端とスプリングとの接続作業が集約できるので、更に製造が容易である。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の作用効果を奏すると共に、コイル線端を接続するスプリングの数を増やすことなく、X−Y方向の駆動力を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用効果を奏すると共に、一方及び他方の2つの第2コイルには各々正逆の電流を流すことができるので、レンズ支持体を光軸方向に直交するX方向に移動する際に、プラスX方向及びマイナスX方向に移動させることができ、同様にY方向についてもプラスY方向及びマイナスY方向に移動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の作用効果を奏するカメラ付きモバイル端末を提供できる。
本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置に用いられている後側スプリング体と各コイルとの接続関係を示す平面図である。 本発明の実施の形態にかかる各コイルと各制御部との回路図である。 (a)は本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の水平断面図であり、(b)は(a)に示すB部の作用を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置であって、図7に示すA−A断面図である。 本実施の形態に係るオートフォーカスカメラにおける、コイル体と駆動部との関係を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の分解斜視図である。 本実施の形態に係るレンズ駆動装置の外観を示す斜視図である。
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態に係るレンズ駆動装置1は、携帯電話に組み込まれるオートフォーカスカメラのレンズ駆動装置である。
図6に示すように、このレンズ駆動装置1は、内周にレンズ(図示せず)を支持するレンズ支持体5と、内周側にレンズ支持体5を移動自在に配置するヨーク3と、ヨーク3の光軸方向前側に配置されるフレーム7及び前側スプリング体9と、ヨーク3の後側に配置されるベース8及び後側スプリング体11とを備えており、後側スプリング体11とヨーク3との間には絶縁性のスペーサ15が配置されている。レンズ支持体5の外周にはコイル体4が固定されている。固定体はヨーク3、フレーム7及びベース8を含む。
ヨーク3は前側から見て外周が平面視四角形であり、内周が平面視円形の環状を成している。図4及び図6に示すように、このヨーク3は、外周側壁3aと、半径方向壁3cとからなり、外周側壁3aと半径方向壁3cとで断面がL字形状を成している。
図3(a)及び図6に示すように、ヨーク3の各角部14において、外周側壁3aの内周面にはマグネット17が固定されている。マグネット17は、角部14のみに設けてある。尚、四角の角部14は面取りされた形状になっている。
各マグネット17は、前側から見た平面がヨーク3の面取りされた角部14に沿って略台形形状を成しており、その内周側が後述する第1コイル19の外周面に沿った円弧状を成している。また、マグネット17は内周側と外周側とで磁極を異にしており、例えば内周側をN極とし、外周側をS極としてある。尚、図3(a)はレンズ支持体1の水平断面であるが、レンズ支持体5を省略して示している。
レンズ支持体5は、略円筒形状を成し、外周にコイル体4が固定されている。コイル体4は、1つの第1コイル19と4つの第2コイル部分16a〜16dとから構成されている。4つの第2コイル部分16a〜16dは、この順番で周方向に等間隔(90度の間隔)で配置されている。各第2コイル部分16a〜16dは各々、レンズ支持体の半径方向外側から見て側面視環状を成している。
本実施の形態では、2つのコイル部分16a及び16cを直列に接続して一方の第2コイルを構成しており、2つのコイル部分16b及び16dを直列に接続して他方の第2コイルを構成している。即ち、コイル体4には2つの第2コイルが設けてある。
第1コイル19は、レンズ支持体5の周方向全周に亘って巻回した円環状を成している。
図3(a)及び図5に示すように、各第2コイル部分16a〜16dは、第1コイル19の外周面に重ねて配置しており、光軸方向前側の前側辺部22、光軸方向後側の後側辺部25及び光軸方向に平行な左右側辺部24、26を第1コイル19に重ねている。
図3(a)に示すように、各マグネット17は、第2コイル部分16a〜16dに対面して設けてあり、マグネット17の周方向の寸法は第2コイル部分16a〜16dの周方向の寸法と略同じ寸法としてあると共にマグネット17の内周面17aの面積は、対面する第2コイル部分16a〜16dの面積と略同じ面積になっている。
尚、各マグネット17は、対向する第2コイル部分16a〜16dを介在して第1コイル19に対向している。
第2コイル部分16a〜16dは、図3(b)に示すように、マグネット17の内周面17aのうち右(左)側部から出た磁束線の向きは半径方向内方と円周方向右(左)方の成分を持ち、マグネット17の内周面17aから離れるほど右(左)側へカーブする。同様に、マグネット17の内周面17aのうち光軸方向前側部から出た磁束線は、内周面17aから離れるほど前方側へカーブする。また、マグネット17の内周面17aのうち光軸方向後側部から出た磁束線の向きは半径方向内方と光軸方向後方の成分を持ち、内周面17aから離れるほど後方側へカーブする。
例えば、第1コイル19に前方側から見て反時計方向に電流Iを流すと、半径方向内方の鎖交磁束成分が寄与してフレミングの左手の法則により光軸方向前方へ推力が生じ、レンズ支持体5は光軸方向前方へ移動する。第2コイル部分16a〜16dに外方から見て反時計方向に電流Iを流すと、各第2コイル部分16a〜16dの光軸方向前側の前側辺部22では光軸方向前方の鎖交磁束成分が寄与して半径方向内方へ推力が生じる。同様に、第2コイル部分16a〜16dの後側辺部25、右側辺部26、左側辺部24においても半径方向内方へ推力が生じる。そのため、レンズ支持体5は半径方向内方へ移動する。
即ち、一方の第2コイル部分16a、16cは、マグネット17の磁力線のうち第2コイル部分16a、16cに直交する成分の磁力と、一方の第2コイル部分16a、16cに流れる電流によって、フレミングの左手の法則により、図3(a)及び図5に示すように、レンズ支持体5の半径方向に推力Eが作用し、他方の第2コイル部分16b、16dも同様に、レンズ支持体5の半径方向に推力Fが作用する。推力Eと推力Fとは互いに直交している。
図5に示すように、第1コイル19は、Z駆動部32に接続されており、各第2コイル部分16a〜16dはX―Y駆動部33に接続されており、各々駆動部32、33から所定値の電流が通電される。尚、図5において、一点鎖線で示すZ駆動部32と第1コイル19との接続線及びX―Y駆動部33と第2コイル部分16a〜16dとの接続線は、Z駆動部32とX−Y駆動部33に含まれる電源との接続のみを示している。
本実施の形態では、一方の第2コイルを構成する第2コイル部分16a及び16cが直列に接続されており、他方の第2コイルを構成する第2コイル部分16b及び16dが直列に接続されており、図3(a)及び図5に示すように、一方の第2コイル部分16a及び16cで推力Eの方向に、他方の第2コイル部分16b及び16dで推力Fの方向に駆動するようになっている。
図5に示すように、例えば、Z駆動部32では、レンズ支持体5をフォーカス位置へ移動(光軸方向への移動)する場合には、第1コイル19に電流Zを流す。
同様に、手振れ補正をする場合には、X―Y駆動部33では、一方の第2コイル部分16a及び16cに電流Eを流してE方向にレンズ支持体5を移動させ、他方の第2コイル部分16b及び16dに電流Fを流してF方向にレンズ支持体5を移動させる。これにより、レンズ支持体5をE―F方向に移動して手振れ補正を行う。
尚、図3(a)及び図5において、符合Z、E、Fは流した電流に基づいて生じる推力の方向と大きさを示している。
但し、図3(a)に示すように、本実施の形態では、X方向は前面視四角形状のヨーク3の一辺方向であり、Y方向は前面視四角形状のヨーク3の隣りの辺の方向としてあり、ヨーク3の対角線方向に生じる推力E、Fについて、X方向の分力EXとFXの和がX方向の推力として、Y方向の分力EYとFYの和がY方向の推力として作用することになり、XーY駆動部33では、各X方向の分力の和EX+FXをX方向推力として、各Y方向の分力の和EY+FYをY方向推力として制御している。
図6に示すように、前側スプリング体9は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部9aと、外周側部9aの内周に配置され平面視円弧形状の内周側部9bと、外周側部9aと内周側部9bとを連結する4つの腕部9cとで構成されており、Z方向及びX―Y方向への変形が自在にできるようになっている。
後側スプリング体11は、4つのスプリング12a〜12dを周方向に並べて構成されており、全体として組み付け前の自然状態が平板状であり、外周が平面視矩形の環状を成し且つ内周が平面視円形を成している。
図1に示すように、4つのスプリング12a〜12dは、各々、レンズ支持体5に固定する内周側固定部11bと、ベース8に載置される外周側固定部11aと、内周側固定部11bと外周側固定部11aとの間に設けた腕部11cとを備えている。腕部11cは、レンズ支持体の周方向で曲げた曲げ部20が設けてあり、Z方向及びXY方向に弾性変形可能である。
図1において、後側スプリング体11は、外形が略四角形状であり、四角の4つの角を分けるように4つに分割されており、対向するスプリング12a及び12cと、12b及び12dとが同じ形状であり、点対称になっている。
後側スプリング体11において、直列に繋いだ2つの第2コイル部分16a、16cの一端はスプリング12aの内周側固定部11bに接続されており、直列に繋いだ2つの第2コイル部分16b、16dの一端はスプリング12cの内周側固定部11bに接続されており、第1コイル19の一端はスプリング12bの内周側固定部11bに接続されている。第2コイル部分16a、16cの他端、第2コイル部分16b、16dの他端及び第1コイル19の他端はスプリング12dの内周側固定部11bに接続されている。
図1及び図2に示すように、スプリング12a、12cの各外周側固定部11aは各々X−Y駆動部33に接続されており、スプリング12bの各外周側固定部11aはZ駆動部32に接続されている。スプリング12dの外周側固定部11aは基準電位に設定されZ駆動部32、X−Y駆動部33に共通に設けられた基準電位部35に接続されている。本実施の形態において、基準電位は接地である。
ここで、図2を参照して、X−Y駆動部33の回路について説明する。この回路は、第1電源34と、第2電源36と、基準電位部35と、2つのT型ブリッジ回路38a、38bとを有しており、2つのT型ブリッジ回路38a、38bは第1電源34と第2電源36との間に並列に接続している。一方のT型ブリッジ回路38aは2つのスイッチ素子Q1、Q2を直列に接続してあり、2つのスイッチ素子Q1、Q2間に電源側のスプリング12aが接続されている。同様に、他方のT型ブリッジ回路38bは2つのスイッチ素子Q3、Q4を直列に接続してあり、2つのスイッチ素子Q3、Q4間に電源側のスプリング12cが接続されている。第2コイル部分16aは一端をスイッチ素子Q1、Q2間にスプリング12aを介して接続され、第2コイル部分16cは他端をスプリング12dを介して基準電位部35に接続されることにより、第2コイル部分16a、16cはT型ブリッジ回路38aの一部を構成する。第2コイル部分16b、16dも同様である。
第1電源34は電圧がVEEであり、電圧VEEは負の電圧である。第2電源36は電圧がVCCであり、電圧VCCは正の電圧である。負の電圧VEEと正の電圧VCC との絶対値は同じである。スイッチ素子Q1〜Q4はトランジスタダイオードである。
一方、Z駆動部32はブリッジ回路を組む必要はなく、第1コイル19の一端は、スプリング12bを介して第1電源34に接続され、他端はスプリング12dを介して基準電位部35に接続される。第1電源34は第2電源としてもかまわない。
4つのスプリング12a〜12dの各外周側固定部11aはベース8に載置されると共にスペーサ15を介してヨーク3で押さえてある。また、各内周側固定部11bはレンズ支持体5の後端に固定されている。
尚、前側スプリング体9の外周側部9aは、フレーム7とヨーク3との間に挟持されており、内周側部9bはレンズ支持体5の前端に固定されている。
図4に示すように、レンズ支持体5は、前側スプリング体9と後側スプリング体11とにより、光軸方向(Z方向)及びX―Y方向に移動自在に支持されている。
そして、第1コイル19に電流を流すことにより、レンズ支持体5が光軸方向前方に移動すると、レンズ支持体5は、前側スプリング体9及び後側スプリング体11の前後方向の付勢力の合力と、第1コイル19及びマグネット17との間で生じる電磁力とが吊り合う位置で停止する。
レンズ支持体5がX―Y方向に移動する場合には、所定の第2コイル部分16a〜16dに所定値の電流を流すことにより、前側スプリング体9及び後側スプリング体11のX―Y方向のスプリングの合力と、対応する第2コイル部分16a〜16dとマグネット17との間で生じる電磁力とが吊り合う位置で停止する。
次に、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の組立て、作用及び効果について説明する。レンズ駆動装置1の組み立てに先立って、第1コイル19の外周面に各第2コイル部分16a〜16dを接着固定してコイル体4を形成し、レンズ支持体5の外周に固定する。尚、コイル部分16aと16cは直列に接続し、コイル部分16bと16dは直列に接続する。
レンズ駆動装置1の組立ては、図6に示すように、ベース8に、後側スプリング体11、後側スペーサ15、コイル体4を外周に固定したレンズ支持体5、各マグネット17を外周側壁3aの角部14に固定したヨーク3、前側スプリング体9及びフレーム7をこの順序で組み付けて固定する。
コイル体4を固定したレンズ支持体5と、マグネット17を内周面に固定したヨーク3との組み付けは、ヨーク3の内周にその後側から前側に向けてレンズ支持体5を挿入して行う。
第1コイル19及び第2コイル部分16a〜16dの各コイル線端を、後側スプリング体11を構成している各スプリング12a〜12dに接続する。具体的には、図1に示すように、第1コイル体19の一端をスプリング12bの内周側固定部11bに接続し、他端をスプリング12dの内周側固定部11bに接続する。直列に接続した第2コイル部分16a、16cの一端をスプリング12aの内周側固定部11bに接続し、他端をスプリング12dの内周側固定部11bに接続する。直列に接続した第2コイル部分16b、16dの一端をスプリング12cの内周側固定部11bに接続し、他端をスプリング12dの内周側固定部11bに接続する。各接続は例えば、はんだ付けである。
尚、スプリング12bの外周側固定部11aはZ駆動部32の電源側に接続し、スプリング12a、12cの各外周側固定部11aはX−Y駆動部33の電源側に接続する。また、スプリング12dの外周側固定部11aは、Z駆動部32、X−Y駆動部33の基準電位部35に接続する。
本実施の形態に係るレンズ駆動装置1の駆動は、図5において、Z駆動部32が画像センサ31から受ける高域成分(コントラスト)のピークを比較しつつ、合焦点位置へレンズ支持体5をZ方向へ直線移動する。
レンズ支持体5のZ方向への直線移動の際には、第1コイル19に電流値Zを流すことにより生じるマグネット17との間で生じる電磁力と、前側スプリング体9及び後側スプリング体11との付勢力の合力とが吊り合う位置で停止する。
また、レンズ支持体5のX―Y制御(手振れ補正)は、ジャイロモジュール等によりXY方向の手振れ信号を受け、X方向及びY方向の手振れ補正量を演算して第2コイル部分16a〜16dに通電する電流値E、Fを、第2コイル部分16a、16cと、第2コイル部分16b、16dに通電する。
一方のT型ブリッジ回路38aにおいて、スイッチ素子Q1のべースに電圧をかけるとスイッチ素子Q1は導通状態となり、電流が電圧VCCの電源からスイッチ素子Q1、第2コイル部分16a、16c、基準電位部35へとこの順序で流れる。スイッチ素子Q2のベースに電圧をかけると、スイッチ素子Q2は導通状態となり、電流が基準電位部35から第2コイル部分16c、16a、スイッチ素子Q2、電圧VCCの第1電源34へとこの順序で流れる。
即ち、T型ブリッジ回路38aを用いることにより、第2コイル部分16a、16cには、順方向にも逆方向にも電流を流すことができる。これにより、初期状態でE方向の中心付近にレンズ支持体5があるときに、電流の向きを変えることにより+Eの向きにも−Eの向きにもレンズ支持体5を移動させることができる。
他方のT型ブリッジ回路38bも同様であり、スイッチ素子Q1をスイッチ素子Q3に、スイッチ素子Q2をスイッチ素子Q4に、スプリング12aをスプリング12cに、第2コイル部分16a、16cを第2コイル部分16b、16dに置き換えた電流の流れとなる。これにより、初期状態でF方向の中心付近にレンズ支持体5があるときに、電流の向きを変えることにより+Fの向きにも−Fの向きにもレンズ支持体5を移動させることができる。
本実施の形態によれば、レンズ支持体5のフォーカス移動は、第1コイル19に通電することでレンズ支持体5を光軸方向に移動し、手振れ補正は任意の第2コイル部分16a、16cと、第2コイル部分16b、16dに所定値の電流を通電することで、レンズ支持体5をX―Y方向に移動して行う。これにより、レンズ支持体5のフォーカス移動及び手振れ補正ができる。
マグネット17がフォーカス移動用と手振れ補正用とを兼ねており、1つの第1コイル19と、4つの第2コイル部分16a〜16dと、4つのマグネット17で、レンズ支持体5を光軸方向及びXーY方向へ移動できる。そのため、簡易な構成で且つ少ない部品点数で、レンズ支持体5をフォーカス移動及び手振れ補正ができる。
後側スプリング体11を4つのスプリング12a〜12dで構成し、第1コイル19の2つのコイル線端、一方の第2コイル部分16a、16cの2つのコイル線端、及び他方の第2コイル部分16b、16dの2つのコイル線端の合計6つのコイル線端を、後側スプリング体11を構成する4つのスプリング12a〜12dのみに接続しているから、各コイルのコイル線をレンズ駆動装置1の外部に引き出さなくて済み、構成が簡易で製造が容易にできる。
第1コイル19及び2つの第2コイル16a〜16dに通電する後側スプリング体11は、レンズ支持体5の光軸方向一側に設けているので、レンズ支持体5の周囲に配置した第1コイル19、2つの第2コイル16a〜16dの各コイル線端とスプリング12a〜12dとの接続作業が集約できるので、更に製造が容易である。
第1コイル19、第2コイル部分16a〜16dの各コイル線端をレンズ駆動装置1の外側に引き出していないから、コイル線がレンズ支持体の移動を阻害するのを防止できる。
各コイル19、16a〜16dのコイル線端を接続する4つのスプリング12a〜12dは、レンズ支持体5の周方向に面一に並んで配置しているので、光軸方向の寸法が大きくなるのを防止できる。また、各スプリング12a〜12dの各腕部11cは周方向に曲げた曲げ部20を有する構成としているので、各腕部11cのスペースを小さくでき、4つの各スプリング12a〜12dを小型でコンパクトにできる。
4つのスプリング12a〜12dの各外周側固定部11aは、絶縁性スペーサ15を介してヨーク3で固定体としてのベース8に押さえているので、4つのスプリング12a〜12dをヨーク3により同時にベース8に押さえることができ、組立て易く、製造が容易にできる。
第2コイル部分16a〜16dはレンズ支持体5の外周に沿って等間隔に合計4つ設けてあり、互いに対向する2つの第2コイル部分16aと16c、16bと16dを各々直列に接続しているので、各コイルのコイル線端を接続するスプリングの数を増やすことなくX−Y方向の駆動力を高めることができる
本発明は上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、後側スプリング体11は外形を略円形とし、後側スプリング体11を構成するスプリング12a〜12dの外周側固定部11aの外形を円弧形状とし、ベース8、スペーサ15及びヨーク3の外形も円形としてスプリング12a〜12dの外周側固定部11aを押さえるものであっても良い。
第2コイル部分16a〜16dを4つ設けることに限らず、一方及び他方の第2コイル部分は各々一つのコイル部分のみとして合計2つのコイル部分を、互いに90度間隔をあけて設けても良い。
4つの第2コイル部分16a〜16dは、直列に繋いだ第2コイル部分16a、16cをX方向に配置してコイル部分16a、16cの通電によりレンズ支持体5をX方向に移動し、直列に繋いだ第2コイル部分16b、16dをY方向に配置してコイル部分16b、16dの通電によりレンズ支持体5をY方向に移動する構成としても良い。
マグネット17は周方向に4つ設けたが、環状の1つのマグネットとしても良い。また、各第2コイルに対向するマグネットと別に第1コイル19の外周面に対向するマグネットを設けても良い。
第2コイル部分16a〜16dは、例えば、光軸と直交する面内で巻回し、錯交する磁束線が光軸方向となるように、マグネット17を配置しても良い。
4つのスプリング12a〜12dは後側スプリング体11のみを利用する構成として説明したが、前側スプリング体9を利用する構成としても良い。例えば、3つのスプリング12a〜12cを後側スプリング体11、スプリング12dを前側スプリング体9としても良いし、4つのスプリング12a〜12dとも前側スプリング体9としても良い。
1 レンズ駆動装置
5 レンズ支持体
8 ベース
11 後側スプリング体
12a〜12d スプリング
19 第1コイル
16a〜16d 第2コイル部分
17 マグネット

Claims (5)

  1. レンズ支持体と、レンズ支持体の外周側に設けた固定体と、レンズ支持体の光軸方向一側に設けて一端を固定体に取付け他端をレンズ支持体に取付けてレンズ支持体を移動自在に支持する4つのスプリングと、レンズ支持体の外周に周方向に巻回した第1コイルと、レンズ支持体の外周に周方向に90度の間隔をあけて配置した2つの第2コイルと、固定体に設けてあり且つ第1コイルの外周側に設けた少なくとも1つのマグネットとを備え、マグネットは第1コイルの外周面に対向して設けてあると共に第2コイルが設けてある位置では第2コイルに対向してあり、4つのスプリングのうち3つのスプリングは電源に接続されるものであり、残りの1つのスプリングは基準電位部に接続されるものであり、各コイルの一端を各々異なる電源側のスプリングに接続し且つ各コイルの他端を基準電位部側のスプリングに接続してあり、合計4つのスプリングを介して各コイルに電流を流しており、レンズ支持体を光軸方向へ移動するときには第1コイルに直流電流を流し、レンズ支持体を光軸と直交するX―Y方向に移動するときには所定の第2コイルに所定の直流電流を流すことを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 4つの各スプリングは、面一にしてレンズ支持体の周方向に並んで配置しており、レンズ支持体に固定する内周側固定部と、固定体に固定する外周側固定部と、内周側固定部と外周側固定部との間に設けた腕部とを備え、腕部は周方向に曲げ部を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 各第2コイルは直列に接続した2つのコイル部分を備え、各コイル部分はレンズ支持体の外周に沿って等間隔に合計4つ設けてあり、1つの第2コイルは互いに対向する位置に2つのコイル部分を配置していることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と、第1電源と第2電源と基準電位部とを有する制御部とを備え、制御部と2つの第2コイルとで2つのT型ブリッジ回路を構成し、2つのT型ブリッジ回路は第1電源と第2電源との間に並列に接続してあり、各T型ブリッジ回路は2つのスイッチ素子を直列に接続してあり、一方のT型ブリッジ回路の2つのスイッチ素子間に接続したスプリングに一方の第2コイルの一端を接続し、他方のT型ブリッジ回路の2つのスイッチ素子間に接続したスプリングに他方の第2コイルの一端を接続し、第1電源又は第2電源に接続したスプリングに第1コイルの一端を接続し、基準電位部に接続したスプリングに各コイルの他端を接続したことを特徴とするオートフォーカスカメラ。
  5. 請求項4に記載のオートフォーカスカメラを搭載したことを特徴とするカメラ付きモバイル端末。
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