JP2012075263A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インバータ回路の交流側出力を交流電源に重畳して高精度な電流制御をしつつ所望の直流電圧を得る電力変換装置において、インバータ回路の直流電圧源の電圧変動が大きくなっても安定して制御を継続する。
【解決手段】インバータ回路100を交流電源1に直列接続し、その後段に半導体スイッチ素子101a〜104aによるコンバータ回路300を介して平滑コンデンサ3を接続し、1周期内にコンバータ回路300の交流端子間を短絡させる短絡期間を設けてコンバータ回路300を制御し、平滑コンデンサ3の電圧が目標電圧となるように電流指令を用いて交流電源1の力率を改善するようにインバータ回路100を制御する。インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧が所定の下限値から上限値までの範囲を超えると、短絡期間に拘わらずコンバータ回路300の交流端子間を強制的に短絡/開放して直流コンデンサ105の電圧を復帰させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、単相インバータの交流側の出力を電源出力に重畳し、所望の直流電圧を得る電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置は、交流電源の第1の端子からの出力は、リアクトルに接続され、その後段に単相インバータにて構成されたインバータ回路の交流側が直列接続される。インバータ回路内の単相インバータは、半導体スイッチ素子および直流電圧源から構成される。また、それぞれ短絡用スイッチと整流ダイオードとを直列接続してインバータを構成する第1、第2の直列回路は並列接続され、出力段の平滑コンデンサの両端子間に接続される。第1の直列回路の中点が、インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、第2の直列回路の中点が交流電源の第2の端子に接続される。そして、平滑コンデンサの直流電圧が一定の目標電圧に維持できるように、また交流電源からの入力力率が概1になるようにPWM制御により電流を制御して出力し、交流側の発生電圧を交流電源からの入力電圧に重畳する。そして、交流電源からの入力電圧の位相のゼロクロス位相を中央とする短絡位相範囲でのみ、短絡用スイッチをオン状態として平滑コンデンサをバイパスさせる(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−095160号公報
このような電力変換装置では、短絡用スイッチのオンオフ切り替えによりインバータ回路の直流電圧源の充放電を切り替えて直流電圧源の電圧を保ち、インバータ回路は、電流を制御するように出力制御される。しかしながら、インバータ回路の直流電圧源に直流コンデンサを用い、その電圧が大きく変動すると、インバータ回路による電流制御ができず、直流コンデンサの電圧も復帰できなくなり平滑コンデンサに所望の電圧を出力する電力変換装置の制御運転を継続できないという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、インバータ回路の直流コンデンサの電圧が過渡的に大きく変動しても、直流コンデンサの電圧を速やかに復帰させて、インバータ回路による電流制御および平滑コンデンサに所望の電圧を出力する電圧制御を安定して継続することを目的とする。
この発明に係る第1の電力変換装置は、複数の半導体スイッチ素子と直流コンデンサとから成る単相インバータの交流側を1以上直列接続して構成され、該交流側を交流電源の第1の端子に直列接続して上記各単相インバータの出力の総和を上記交流電源の出力に重畳するインバータ回路と、直流母線間に複数のスイッチを有し、一方の交流端子が上記インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が上記交流電源の第2の端子に接続され、上記直流母線間に直流電力を出力するコンバータ回路と、上記直流母線間に接続され、上記コンバータ回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、上記コンバータ回路の上記交流端子間を短絡させて上記平滑コンデンサをバイパスさせる短絡期間を有して上記インバータ回路の上記直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御すると共に、上記平滑コンデンサの電圧を目標電圧に追従させるように上記インバータ回路を電流指令を用いて制御する制御回路とを備える。そして、上記制御回路は、上記インバータ回路の上記直流コンデンサ電圧の、予め設定された下限値と上限値とを有し、上記コンバータ回路の制御において、上記平滑コンデンサへ電力を出力する力行時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において充電し、上記直流コンデンサ電圧が上記下限値から上記上限値までの間で低下すると上記短絡期間を長く、増加すると上記短絡期間を短くするように上記コンバータ回路を制御し、上記直流コンデンサ電圧が上記上限値を超える期間で上記コンバータ回路の上記交流端子間を強制的に開放させ、上記直流コンデンサ電圧が上記下限値より低くなる期間で上記コンバータ回路の上記交流端子間を強制的に短絡させるものである。
またこの発明に係る第2の電力変換装置は、複数の半導体スイッチ素子と直流コンデンサとから成る単相インバータの交流側を1以上直列接続して構成され、該交流側を交流電源の第1の端子に直列接続して上記各単相インバータの出力の総和を上記交流電源の出力に重畳するインバータ回路と、直流母線間に複数のスイッチを有し、一方の交流端子が上記インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が上記交流電源の第2の端子に接続され、上記直流母線間に直流電力を出力するコンバータ回路と、上記直流母線間に接続され、上記コンバータ回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、上記コンバータ回路の上記交流端子間を短絡させて上記平滑コンデンサをバイパスさせる短絡期間を有して上記インバータ回路の上記直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御すると共に、上記平滑コンデンサの電圧を目標電圧に追従させるように上記インバータ回路を電流指令を用いて制御する制御回路とを備える。そして、上記制御回路は、上記インバータ回路の上記直流コンデンサ電圧の、予め設定された下限値と上限値とを有し、上記直流コンデンサ電圧が上記上限値を超えると上記電圧指令値を低下させ、上記直流コンデンサ電圧が上記下限値より低くなると上記電圧指令値を増加させ、上記コンバータ回路の制御において、上記平滑コンデンサへ電力を出力する力行時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において充電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を長く、増加すると上記短絡期間を短くするように上記コンバータ回路を制御するものである。
またこの発明に係る第3の電力変換装置は、複数の半導体スイッチ素子と直流コンデンサとから成る単相インバータの交流側を1以上直列接続して構成され、該交流側を交流電源の第1の端子に直列接続して上記各単相インバータの出力の総和を上記交流電源の出力に重畳するインバータ回路と、直流母線間に複数のスイッチを有し、一方の交流端子が上記インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が上記交流電源の第2の端子に接続され、上記直流母線間に直流電力を出力するコンバータ回路と、上記直流母線間に接続され、上記コンバータ回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、上記コンバータ回路の上記交流端子間を短絡させて上記平滑コンデンサをバイパスさせる短絡期間を有して上記インバータ回路の上記直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御すると共に、上記平滑コンデンサの電圧を目標電圧に追従させるように上記インバータ回路を電流指令を用いて制御する制御回路とを備える。そして、上記制御回路は、上記インバータ回路の上記直流コンデンサ電圧が予め設定された上限値を超えて変動すると、上記平滑コンデンサの上記目標電圧を低く調整し、上記コンバータ回路の制御において、上記平滑コンデンサへ電力を出力する力行時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において充電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を長く、増加すると上記短絡期間を短くするように上記コンバータ回路を制御するものである。
上記第1の電力変換装置によると、制御回路は、インバータ回路の直流コンデンサの電圧が設定された上限値を超える期間でコンバータ回路の交流端子間を強制的に開放させ、該電圧が設定された下限値より低くなる期間でコンバータ回路の交流端子間を強制的に短絡させるため、インバータ回路の直流コンデンサの電圧を速やかに下限値から上限値までの間に復帰させることができる。このためインバータ回路による電流制御および平滑コンデンサに所望の電圧を出力する電圧制御を安定して継続することができるとともに、インバータ回路の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ自体の信頼性も向上する。
上記第2の電力変換装置によると、制御回路は、インバータ回路の直流コンデンサの電圧が設定された上限値を超えると直流コンデンサの電圧指令値を低下させ、該電圧が設定された下限値より低くなると電圧指令値を増加させるため、インバータ回路の直流コンデンサの電圧を速やかに下限値から上限値までの間に復帰させることができる。このためインバータ回路による電流制御および平滑コンデンサに所望の電圧を出力する電圧制御を安定して継続することができるとともに、インバータ回路の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ自体の信頼性も向上する。
上記第3の電力変換装置によると、制御回路は、インバータ回路の直流コンデンサの電圧が設定された上限値を超えて変動すると、平滑コンデンサの目標電圧を低く調整するため、インバータ回路の直流コンデンサの電圧変動を抑制できる。このためインバータ回路による電流制御および平滑コンデンサに所望の電圧を出力する電圧制御を安定して継続することができるとともに、インバータ回路の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ自体の信頼性も向上する。
この発明の実施の形態1による電力変換装置の構成図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の力行動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の力行動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の力行動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の力行動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の昇圧時の基本力行動作を説明する各部の波形とインバータ回路の直流コンデンサ充放電を示す図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の降圧時の基本力行動作を説明する各部の波形とインバータ回路の直流コンデンサ充放電を示す図である。 この発明の実施の形態1によるインバータ回路の直流コンデンサの電圧範囲を示す図である。 この発明の実施の形態1による制御回路におけるインバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態1による制御回路におけるコンバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の制御を説明する各部の波形図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置の回生動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置の回生動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置の回生動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置の回生動作を説明する電流経路図である。 この発明の実施の形態2による制御回路におけるコンバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態3による制御回路におけるコンバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態3による電力変換装置の制御を説明する各部の波形図である。 この発明の実施の形態4による制御回路におけるコンバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態4による電力変換装置の制御を説明する各部の波形図である。 この発明の実施の形態5による電力変換装置の構成図である。 この発明の実施の形態6による制御回路におけるインバータ回路の直流電圧指令値を変更する制御ブロック図である。 この発明の実施の形態6による制御回路におけるコンバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態6による制御回路におけるインバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態7による制御回路におけるインバータ回路の制御を示す制御ブロック図である。 この発明の実施の形態7による電力変換装置の制御を説明する各部の波形図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による電力変換装置について説明する。図1はこの発明
の実施の形態1による電力変換装置の概略構成図である。
図1に示すように、電力変換装置は、交流電源1の交流電力を直流電力に変換して出力するための主回路と制御回路10とを備える。
主回路は、限流回路としてのリアクトル2とインバータ回路100とコンバータ回路300と平滑コンデンサ3とを備える。交流電源1の第1の端子からの出力は、リアクトル2に接続され、その後段に単相インバータにて構成されたインバータ回路100の交流側が直列接続される。コンバータ回路300は、一方の交流端子がインバータ回路100の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が交流電源1の第2の端子に接続され、コンバータ回路300の直流母線3a、3b間に接続された平滑コンデンサ3に直流電力を出力する。
インバータ回路100内の単相インバータは、ダイオード101b〜104bを逆並列に接続した複数個のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチ素子101a〜104a、および直流コンデンサ105にて構成されるフルブリッジ構成のインバータである。
コンバータ回路300は、直流母線間に複数の半導体スイッチ素子301a〜304aを有し、この場合、ダイオード301b〜304bを逆並列に接続した複数個のIGBT等の半導体スイッチ素子301a〜304aをそれぞれ2個直列接続した2つのブリッジ回路を直流母線間に並列接続して構成する。
インバータ回路100の後段の交流出力線にはコンバータ回路300の半導体スイッチ素子301aのエミッタと半導体スイッチ素子302aのコレクタとの接続点が接続される。また半導体スイッチ素子303aのエミッタと半導体スイッチ素子304aのコレクタとの接続点が交流電源1の上記第2の端子に接続される。
なお、半導体スイッチ素子101a〜104a、301a〜304aはIGBT以外にも、ソース・ドレイン間にダイオードが内蔵されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等でもよい。
また、リアクトル2はインバータ回路100とコンバータ回路300との間に直列接続しても良い。また、コンバータ回路300の半導体スイッチ素子301a〜304aの代わりに機械式スイッチを用いても良い。
制御回路10は、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧Vsubと、平滑コンデンサ3の電圧Vdcと、交流電源1からの電圧Vin、電流Iinとに基づいて、平滑コンデンサ3の電圧Vdcが一定の目標電圧Vdcになるように、インバータ回路100およびコンバータ回路300内の各半導体スイッチ素子101a〜104a、301a〜304aへのゲート信号11、12を生成してインバータ回路100およびコンバータ回路300を出力制御する。
平滑コンデンサ3には図示しない負荷が接続され、通常時は電圧Vdcは目標電圧Vdcに比べて低く、制御回路10は、交流電源1からの交流電力を変換して平滑コンデンサ3に直流電力を供給するようにインバータ回路100およびコンバータ回路300を出力制御する。
このように構成される電力変換装置の力行動作、即ち平滑コンデンサ3に直流電力を出力する動作について、図に基づいて説明する。図2〜図5は、力行動作における電流経路図を示す。また、図6は、電力変換装置の昇圧時の基本の力行動作を説明する各部の波形とインバータ回路100の直流コンデンサ105の充放電を示す図である。図7は、電力変換装置の降圧時の基本の力行動作を説明する各部の波形とインバータ回路100の直流コンデンサ105の充放電を示す図である。なお、出力段の平滑コンデンサ3の電圧Vdcが、交流電源1の電圧Vinのピーク電圧Vpより高い場合を昇圧と称し、出力段の平滑コンデンサ3の電圧Vdcが、交流電源1の電圧Vinのピーク電圧Vpより低い場合を降圧と称す。また、図6、図7では、平滑コンデンサ3の電圧Vdcが一定の目標電圧Vdcに制御されている状態を示す。
交流電源1からの電圧Vinは、図6、図7に示すような波形となる。インバータ回路100は、交流電源1からの入力力率が概1になるようにPWM制御により電流Iinを制御して出力し、交流側の発生電圧を交流電源1の出力である電圧Vinに重畳する。
交流電源1の電圧位相をθとし、まず、電圧Vinが正極性である0≦θ<πの場合について示す。
インバータ回路100では、半導体スイッチ素子101a、104aがオン、半導体スイッチ素子102a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105を充電するように流れ、半導体スイッチ素子102a、103aがオン、半導体スイッチ素子101a、104aがオフの時には、直流コンデンサ105を放電するように流れる。また、半導体スイッチ素子101a、103aがオン、半導体スイッチ素子102a、104aがオフの時、および半導体スイッチ素子102a、104aがオン、半導体スイッチ素子101a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105をスルーして電流が流れる。このような4種の制御の組み合わせにて半導体スイッチ素子101a〜104aを制御してインバータ回路100をPWM動作させることで直流コンデンサ105を充放電させ、電流制御を行う。なお、各半導体スイッチ素子101a〜104aに流れる電流が、エミッタからコレクタへ流れる時は、その半導体スイッチ素子をオフして逆並列接続されたダイオード101b〜104bに電流を流しても良い。
図2に示すように、交流電源1からの電流はリアクトル2にて限流され、インバータ回路100に入力され、その出力はコンバータ回路300内のダイオード301bを通り平滑用コンデンサ3を充電しダイオード304bを経て交流電源1に戻る。このとき、インバータ回路100では、上記の4種の制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を放電、あるいは充放電させ、電流制御を行う。
交流電源1の電圧Vinのゼロクロス位相を中央として±θの位相範囲(以下、短絡期間Tと称す)では、図3に示すように、コンバータ回路300では、短絡スイッチとなる半導体スイッチ素子302aをオン状態として平滑コンデンサ3をバイパスさせる。このとき、コンバータ回路300内の他の半導体スイッチ素子301a、303a、304aをオフさせる。交流電源1からの電流はリアクトル2にて限流され、インバータ回路100に入力されて直流コンデンサ105を充電し、コンバータ回路300内の半導体スイッチ素子302a、ダイオード304bを経て交流電源1に戻る。このとき、インバータ回路100では、直流コンデンサ105を充電する制御とスルーさせる制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を充電させ、電流制御を行う。
次に、電圧Vinが負極性であるπ≦θ<2πの場合について示す。
インバータ回路100では、半導体スイッチ素子102a、103aがオン、半導体スイッチ素子101a、104aがオフの時には、直流コンデンサ105を充電するように流れ、半導体スイッチ素子101a、104aがオン、半導体スイッチ素子102a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105を放電するように流れる。また、半導体スイッチ素子101a、103aがオン、半導体スイッチ素子102a、104aがオフの時、および半導体スイッチ素子102a、104aがオン、半導体スイッチ素子101a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105をスルーして電流が流れる。このような4種の制御の組み合わせにて半導体スイッチ素子101a〜104aを制御してインバータ回路100をPWM動作させることで直流コンデンサ105を充放電させ、電流制御を行う。
図4に示すように、交流電源1からの電流は、コンバータ回路300内のダイオード303bを通り、平滑用コンデンサ3を充電しダイオード302bを経てインバータ回路100に入力され、インバータ回路100の出力はリアクトル2を経て交流電源1に戻る。このとき、インバータ回路100では、上記の4種の制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を放電、あるいは充放電させ、電流制御を行う。
短絡期間Tでは、図5に示すように、コンバータ回路300では、短絡スイッチとなる半導体スイッチ素子304aをオン状態として平滑コンデンサ3をバイパスさせる。このとき、コンバータ回路300内の他の半導体スイッチ素子301a、302a、303aをオフさせる。交流電源1からの電流は、コンバータ回路300の半導体スイッチ素子304a、ダイオード302bを経てインバータ回路100に入力され、直流コンデンサ105を充電してリアクトル2を経て交流電源1に戻る。このとき、インバータ回路100では、直流コンデンサ105を充電する制御とスルーさせる制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を充電させ、電流制御を行う。
なお、コンバータ回路300では、半導体スイッチ素子302a、304aを短絡スイッチとして動作させるときのみオンさせる場合を示したが、各ダイオード301b〜304bに電流を流す場合は、該ダイオードが逆並列接続されている半導体スイッチ素子301a〜304aをオンさせて半導体スイッチ素子301a〜304a側に電流を流しても良い。即ち、電圧Vinが正負、いずれの極性においても、短絡期間Tにおいて2つの半導体スイッチ素子302a、304aを短絡スイッチとしてオンさせても良く、また、他の2つの半導体スイッチ素子301a、303aを短絡スイッチとしてオンさせても良い。
このような動作により電力変換装置の昇圧時には、図6に示すように、インバータ回路100は、短絡期間Tにおいて電圧(−Vin)を出力して交流電源1により直流コンデンサ105を充電し、その後、θ≦θ<π−θにて直流コンデンサ105を放電する際、交流電源1の電圧Vinにインバータ回路100の出力電圧である(Vdc−Vin)を加算することで、交流電源1のピーク電圧より高い目標電圧Vdcに平滑コンデンサ3の電圧Vdcを制御する。
また、電力変換装置の降圧時には、図7に示すように、インバータ回路100は、短絡期間Tにおいて電圧(−Vin)を出力して交流電源1により直流コンデンサ105を充電し、その後、交流電源1の電圧Vinにインバータ回路100の出力電圧を加算することで、交流電源1のピーク電圧より低い目標電圧Vdcに平滑コンデンサ3の電圧Vdcを制御する。交流電源1の電圧Vinが平滑コンデンサ3の目標電圧Vdcと等しくなる時の位相θ=θ(0<θ<π/2)とすると、θ≦θ<θ、π−θ≦θ<π−θである時、インバータ回路100は電圧(Vdc−Vin)を出力して直流コンデンサ105を放電し、θ≦θ<π−θである時、インバータ回路100は電圧(Vin−Vdc)を出力して直流コンデンサ105を充電する。
以上のように力行動作では、交流電源1の電圧位相θのゼロクロス位相(θ=0、π)±θにて、コンバータ回路300の制御を切り替え、該ゼロクロス位相を中央として±θの位相範囲である短絡期間Tでのみ、短絡スイッチとなる半導体スイッチ素子302a、304aをオン状態として平滑コンデンサ3をバイパスさせる。このとき、インバータ回路100は、電圧Vinの逆極性にほぼ等しい電圧を発生させつつ、入力力率が概1になるように電流Iinを制御して出力し、直流コンデンサ105は充電される。そして、短絡期間以外の位相では、インバータ回路100は、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcを目標電圧Vdcに維持し、また入力力率が概1になるように電流Iinを制御して出力する。このとき、電圧Vinの絶対値が平滑コンデンサ3の目標電圧Vdc以下の時、直流コンデンサ105は放電され、電圧Vinの絶対値が目標電圧Vdc以上の時は、直流コンデンサ105は充電される。
なお、短絡期間Tは、ゼロクロス位相(θ=0、π)が短絡期間Tの中央としたが、ゼロクロス位相を含む位相範囲で、いずれかに偏るものであっても良い。
また、短絡期間Tの位相範囲は、インバータ回路100の直流コンデンサ105の充電と放電のエネルギが等しくなるように決定できる。インバータ回路100の直流コンデンサ105の充放電エネルギが等しいとすると、Vdc<Vpの降圧時の場合、以下の数式が成り立つ。但し、Vpは電圧Vinのピーク電圧、Ipは電流Iinのピーク電流である。
Figure 2012075263
ここで、Vin=Vp・sinθ、Iin=Ip・sinθとすると、
Vdc=Vp・π/(4cosθ
となり、Vdcの下限値はθが0となる時であり、値は(π/4)Vpとなる。
このように、平滑コンデンサ3の目標電圧Vdcは短絡期間Tの位相範囲を決定するθにより決まり、即ちθを変化させて制御できる。そして、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcは該目標電圧Vdcに追従するように制御される。
次に、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧条件について説明する。
直流コンデンサ105の電圧Vsubを、昇圧時では、0≦θ<θ、θ≦θ<π/2、また降圧時では、0≦θ<θ、θ≦θ<θ、θ≦θ<π/2、の各位相範囲におけるインバータ回路100の所望の発生電圧の大きさ以上に設定することで、インバータ回路100は上述した所望の制御が信頼性よく行える。即ち、
A:Vsub≧Vp・sinθ
B:Vsub≧(Vdc−Vp・sinθ
C:Vsub≧(Vp−Vdc
の3条件を満たす必要がある。
但し、Vpは電圧Vinのピーク電圧であり、電圧Vsubはピーク電圧Vp以下に設定する。
これらのことより、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧Vsubの設定可能範囲は、図8に示すようになる。このように直流コンデンサ105の電圧Vsubを設定することで、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcが目標電圧Vdcに維持でき、また入力力率が概1になるように電流Iinを制御するインバータ回路100の制御が、交流電源1の全位相において信頼性よく行える。
PWM制御するインバータ回路100では、直流コンデンサ105の電圧Vsubが大きくなると損失が増大するため、電圧Vsubは上記設定可能範囲を満たす電圧条件で小さく設定するのが望ましい。
そして、ゼロクロス位相を中央として±θの位相範囲のみを平滑コンデンサ3をバイパスする短絡期間Tとすることで、インバータ回路100は、短絡期間Tでも、それ以外の期間でも入力力率が概1になるように電流Iinを制御し、かつ平滑コンデンサ3に所望の電圧の直流電力を出力できる。
次に、インバータ回路100およびコンバータ回路300の制御の詳細について以下に説明する。図9は、制御回路10によるインバータ回路100の出力制御における制御ブロック図である。図10は、制御回路10によるコンバータ回路300の出力制御における制御ブロック図である。また、図11は、このような制御による電力変換装置の力行動作を説明する各部の波形図である。
図9に示すように、インバータ回路100の出力制御では、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcを目標電圧Vdcに維持し、また交流電源1の力率が概1になるように電流Iinを制御する。まず、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcと目標電圧Vdcとの差21aをフィードバック量として、PI制御した出力を振幅目標値22aとして、この振幅目標値22aに基づいて、交流電源同期周波数23から、電圧Vinに同期した正弦波の電流指令Iinを生成する。次に、電流指令Iinと検出された電流Iinとの差24をフィードバック量として、PI制御した出力をインバータ回路100の発生電圧の目標値となる電圧指令25とする。
この時、コンバータ回路300の交流端子間を短絡させる制御、即ち短絡スイッチをオンさせる制御と、コンバータ回路300の各交流端子と平滑コンデンサ3との間を導通させる制御、即ち短絡スイッチをオフさせる制御との切り替え時に同期したフィードフォワード補正電圧ΔVを加算して電圧指令25を補正する。この補正は、制御の切り替え時にインバータ回路100の出力電圧が、例えば、平滑コンデンサ3の電圧分、加算あるいは減算されるように補正するもので、フィードバック制御の応答時間分、制御が遅れることを防ぐことができる。
そして、補正後の電圧指令26を用いて、PWM制御によりインバータ回路100の各半導体スイッチ素子101a〜104aへのゲート信号11を生成し、インバータ回路100を動作させる。
図10に示すように、コンバータ回路300の出力制御では、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させる。
まず、設定された指令値Vsubと検出された電圧Vsubとの差32をフィードバック量として、PI制御した出力33を電圧指令としてPWM制御部34によりコンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aへの基本ゲート信号36を生成する。このPWM制御部34では、交流電源1の周波数の2倍の周期に同期した三角波(交流電源同期三角波)35をキャリア波に用いて比較演算し、比較演算した信号を交流電源1の極性により基本ゲート信号36を生成する。この基本ゲート信号36は、電圧Vinのゼロクロス位相を中央とする±θの位相範囲、即ち、コンバータ回路300の交流端子間を短絡する短絡期間Tを制御するもので、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは長く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは短くなるように制御される。
基本ゲート信号36はゲート信号変換装置37に入力され、ゲート信号変換装置37では、直流コンデンサ105の電圧Vsubに応じてコンパレータ40、41からの信号が入力されて基本ゲート信号36を変更し、コンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aを制御するゲート信号12を出力する。このゲート信号変換装置37では、電圧Vsubが予め設定されたVsub下限値より低くなると、低くなる期間のみコンバータ回路300の短絡スイッチをオンさせ交流端子間を強制的に短絡させ、また電圧Vsubが予め設定されたVsub上限値を超えると、超える期間のみコンバータ回路300の短絡スイッチをオフさせ交流端子間を強制的に開放させるように、基本ゲート信号36を変更する。電圧VsubがVsub下限値からVsub上限値までの間では、ゲート信号12は基本ゲート信号36と同じ状態となる。
基本ゲート信号36からゲート信号12への変換に用いられるVsub上限値は、上述した電圧Vsubの設定可能範囲(図8参照)におけるVdcおよびVpに応じた上限値と、インバータ回路100に使用する半導体スイッチ素子101a〜101dおよび直流コンデンサ105の各電圧定格とに基づいて、マージンを考慮した値に予め設定され保持される。また、Vsub下限値は、上記電圧Vsub設定可能範囲におけるVdcおよびVpに応じた下限値に基づいて、マージンを考慮した値に予め設定され保持される。
この実施の形態では、電流指令Iinを用いてインバータ回路100を制御することにより、平滑コンデンサ3の電圧Vdcを目標電圧Vdcに追従させ、交流電源1の力率を改善するように制御する。コンバータ回路300は高周波スイッチングが不要であるためスイッチング損失が殆ど無い。また、力率を制御し平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcを制御するインバータ回路100は、スイッチングで扱う電圧Vsubを交流電源1のピーク電圧よりも大幅に低くできる。このため、大きなリアクトル2を要することなくスイッチング損失およびノイズを低減でき、インバータ回路100の素子の信頼性が向上する。
また平滑コンデンサ3をバイパスする短絡期間Tを有してコンバータ回路300を制御し、インバータ回路100は、短絡期間Tにて直流コンデンサ105を充電する。このため、インバータ回路100が高い電圧を発生させることなく電流0となるのが回避できると共に、直流コンデンサ105に充電されたエネルギを平滑コンデンサ3への放電に使える。このため、インバータ回路100では、スイッチングで扱う電圧をさらに低減でき、高効率化、低ノイズ化がさらに促進できる。
なお、この場合リアクトル2は、エネルギーを貯めるものではなく、電流を制限する限流回路として動作し、電流制御の信頼性が向上する。
また、コンバータ回路300の制御において、電圧Vsubが低下すると短絡期間を長く、増加すると短絡期間を短くするように制御して、直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従制御する。そして、電圧Vsubが上限値を超える期間では、短絡期間内であっても強制的に短絡スイッチをオフさせて直流コンデンサ105の放電により電圧Vsubを低下させる。また電圧Vsubが下限値より低下する期間では、短絡期間外であっても強制的に短絡スイッチをオンさせて直流コンデンサ105の充電により電圧Vsubを増加させる。これにより、電圧Vsubを下限値から上限値までの間に速やかに復帰させることができ、インバータ回路100による電流制御および平滑コンデンサ3に目標電圧Vdcを出力する電圧制御を安定して継続することができる。また、インバータ回路100の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ105の容量を低減でき小型化を促進できるとともに、直流コンデンサ105の劣化を防止でき信頼性を向上できる。また、入力される交流電圧Vinに対して平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcの比率が高い状態でも、電力変換装置を制御性良く高い信頼性で運転できる。
なお、この実施の形態では、電力変換装置は力行動作のみ行うため、コンバータ回路300は、直流母線間に並列接続される2つのブリッジ回路の上アームの半導体スイッチ素子301a、303aを、ダイオードのみとしても良い。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、電力変換装置の力行動作のみ示したが、この実施の形態2では、電力変換装置は回生機能を備え、通常は力行動作を行うが、平滑コンデンサ3の電圧が上昇すると回生動作により交流電源1に電力を回生する。なお、回路構成は図1と同様であり、また力行動作については上記実施の形態1と同様である。
図12〜図15は、回生動作における電流経路図を示す。制御回路10は、平滑コンデンサ3の電圧Vdcが目標電圧をVdcより所定の電圧分、増大すると、電力変換装置の制御を力行動作から回生動作に切り替える。
まず交流電源1の電圧Vinが正極性である0≦θ<πの場合について示す。
インバータ回路100では、半導体スイッチ素子101a、104aがオン、半導体スイッチ素子102a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105を放電するように流れ、半導体スイッチ素子102a、103aがオン、半導体スイッチ素子101a、104aがオフの時には、直流コンデンサ105を充電するように流れる。また、半導体スイッチ素子101a、103aがオン、半導体スイッチ素子102a、104aがオフの時、および半導体スイッチ素子102a、104aがオン、半導体スイッチ素子101a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105をスルーして電流が流れる。インバータ回路100は、このような4種の制御の組み合わせにて半導体スイッチ素子101a〜104aを制御して交流電源1の力率が概(−1)になるようにPWM制御により電流Iinを制御して出力することで直流コンデンサ105を充放電させ、交流側の発生電圧を交流電源1の出力である電圧Vinに重畳する。なお、各半導体スイッチ素子101a〜104aに流れる電流が、エミッタからコレクタへ流れる時は、その半導体スイッチ素子をオフして逆並列接続されたダイオード101b〜104bに電流を流しても良い。
図12に示すように、コンバータ回路300では、半導体スイッチ素子301a、304aをオン状態とする。平滑コンデンサ3の正極からの電流は、コンバータ回路300の半導体スイッチ素子301aを通りインバータ回路100に入力され、インバータ回路100からの電流はリアクトル2を経て交流電源1に回生され、さらに交流電源1の他方の端子からコンバータ回路300の半導体スイッチ素子304aを経て平滑コンデンサ3の負極に戻る。このとき、インバータ回路100では、上記の4種の制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を充電、あるいは充放電させ、電流制御を行う。直流コンデンサ105は平滑コンデンサ3からのエネルギで充電され、放電される場合(昇圧時)には、直流コンデンサ105からのエネルギは平滑コンデンサ3からのエネルギと共に交流電源1へ回生される。
交流電源1の電圧Vinのゼロクロス位相を中央として±θの位相範囲である短絡期間Tでは、図13に示すように、コンバータ回路300では、短絡スイッチとなる半導体スイッチ素子304aをオン状態として平滑コンデンサ3をバイパスさせる。インバータ回路100内の正極からの電流はリアクトル2を経て交流電源1に回生され、さらに交流電源1の他方の端子からコンバータ回路300の半導体スイッチ素子304a、ダイオード302bを経てインバータ回路100に入力され直流コンデンサ105の負極に戻る。このとき、インバータ回路100では、直流コンデンサ105を放電する制御とスルーさせる制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を放電させ、電流制御を行う。
次に、電圧Vinが負極性であるπ≦θ<2πの場合について示す。
インバータ回路100では、半導体スイッチ素子102a、103aがオン、半導体スイッチ素子101a、104aがオフの時には、直流コンデンサ105を放電するように流れ、半導体スイッチ素子101a、104aがオン、半導体スイッチ素子102a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105を充電するように流れる。また、半導体スイッチ素子101a、103aがオン、半導体スイッチ素子102a、104aがオフの時、および半導体スイッチ素子102a、104aがオン、半導体スイッチ素子101a、103aがオフの時には、直流コンデンサ105をスルーして電流が流れる。インバータ回路100は、このような4種の制御の組み合わせにて半導体スイッチ素子101a〜104aを制御して交流電源1の力率が概(−1)になるようにPWM制御により電流Iinを制御して出力することで直流コンデンサ105を充放電させ、交流側の発生電圧を交流電源1の出力である電圧Vinに重畳する。
図14に示すように、コンバータ回路300では、半導体スイッチ素子302a、303aをオン状態とする。平滑コンデンサ3の正極からの電流は、コンバータ回路300の半導体スイッチ素子303aを経て交流電源1に回生され、さらに交流電源1の他方の端子からリアクトル2を経てインバータ回路100に入力され、インバータ回路100からの電流はコンバータ回路300の半導体スイッチ素子302aを経て平滑コンデンサ3の負極に戻る。このとき、インバータ回路100では、上記の4種の制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を充電、あるいは充放電させ、電流制御を行う。直流コンデンサ105は平滑コンデンサ3からのエネルギで充電され、放電される場合(昇圧時)には、直流コンデンサ105からのエネルギは平滑コンデンサ3からのエネルギと共に交流電源1へ回生される。
交流電源1の電圧Vinのゼロクロス位相を中央として±θの位相範囲である短絡期間Tでは、図15に示すように、コンバータ回路300では、短絡スイッチとなる半導体スイッチ素子302aをオン状態として平滑コンデンサ3をバイパスさせる。インバータ回路100内の正極からの電流はコンバータ回路300の半導体スイッチ素子302a、ダイオード304bを経て交流電源1に回生され、さらに交流電源1の他方の端子からリアクトル2を経てインバータ回路100に入力され直流コンデンサ105の負極に戻る。このとき、インバータ回路100では、直流コンデンサ105を放電する制御とスルーさせる制御の組み合わせによりPWM動作させることで直流コンデンサ105を放電させ、電流制御を行う。
なお、コンバータ回路300では、電圧Vinが正負、いずれの極性においても、短絡期間Tにおいて2つの半導体スイッチ素子302a、304aを短絡スイッチとしてオンさせても良く、また、他の2つの半導体スイッチ素子301a、303aを短絡スイッチとしてオンさせても良い。
以上のように回生動作においても、力行動作時と同様に、交流電源1の電圧位相θのゼロクロス位相(θ=0、π)±θにて、コンバータ回路300の制御を切り替えて、該ゼロクロス位相を中央として±θの短絡期間Tでのみ平滑コンデンサ3をバイパスさせる。このとき、インバータ回路100は、電圧Vinの逆極性にほぼ等しい電圧を発生させつつ、入力力率が概(−1)になるように電流Iinを制御して出力し、直流コンデンサ105は放電される。そして、短絡期間以外の位相では、インバータ回路100は、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcを目標電圧Vdcに維持し、また入力力率が概(−1)になるように電流Iinを制御して出力する。このとき、電圧Vinの絶対値が平滑コンデンサ3の目標電圧Vdc以下の時、直流コンデンサ105は充電され、電圧Vinの絶対値が目標電圧Vdc以上の時は、直流コンデンサ105は放電される。
なお、短絡期間Tは、ゼロクロス位相(θ=0、π)が短絡期間Tの中央としたが、ゼロクロス位相を含む位相範囲で、いずれかに偏るものであっても良い。
制御回路10によるインバータ回路100の出力制御(図9参照)では、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcを目標電圧Vdcに維持し、また交流電源1の力率が、力行動作時には概1に、回生動作時には概(−1)になるように電流Iinを制御する。この場合、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcと目標電圧Vdcとの差21aの極性が力行/回生で極性反転するため、力行/回生のいずれの動作においても上記実施の形態1と同様に制御することで電流制御できる。
図16は、この実施の形態による制御回路10によるコンバータ回路300の出力制御における制御ブロック図である。コンバータ回路300の出力制御では、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させる。
まず上記実施の形態1と同様に、設定された指令値Vsubと検出された電圧Vsubとの差32をフィードバック量としてPI制御した出力33を、力行・回生選択装置38に入力する。力行・回生選択装置38には、PI制御した出力33を極性反転した信号33aも入力され、力行・回生信号39に基づいて力行動作時には出力33を、回生動作時には信号33aが選択されて出力される。
そして、力行・回生選択装置38の出力を電圧指令としてPWM制御部34によりコンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aへの基本ゲート信号36を生成する。このPWM制御部34では、交流電源1の周波数の2倍の周期に同期した三角波(交流電源同期三角波)35をキャリア波に用いて比較演算し、比較演算した信号を交流電源1の極性と力行・回生信号39に基づいて基本ゲート信号36を生成する。この基本ゲート信号36は、電圧Vinのゼロクロス位相を中央とする±θの位相範囲、即ち、コンバータ回路300の交流端子間を短絡する短絡期間Tを制御するもので、力行動作時には、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは長く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは短くなるように制御される。また、回生動作時には、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは短く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは長くなるように制御される。
基本ゲート信号36はゲート信号変換装置37に入力され、ゲート信号変換装置37では、直流コンデンサ105の電圧Vsubに応じてコンパレータ40、41からの信号が入力されると共に、力行・回生信号39が入力されて基本ゲート信号36を変更し、コンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aを制御するゲート信号12を出力する。コンパレータ40、41で用いるVsub下限値、Vsub上限値は、上記実施の形態1と同様に予め設定され保持される。
このゲート信号変換装置37は、力行動作時には上記実施の形態1と同様に、電圧Vsubが予め設定されたVsub下限値より低くなると、低くなる期間のみコンバータ回路300の短絡スイッチをオンさせ交流端子間を強制的に短絡させ、また電圧Vsubが予め設定されたVsub上限値を超えると、超える期間のみコンバータ回路300の短絡スイッチをオフさせ交流端子間を強制的に開放させるように、基本ゲート信号36を変更する。また、回生動作時には、電圧Vsubが予め設定されたVsub下限値より低くなると、低くなる期間のみコンバータ回路300の短絡スイッチをオフさせ交流端子間を強制的に開放させ、また電圧Vsubが予め設定されたVsub上限値を超えると、超える期間のみコンバータ回路300の短絡スイッチをオンさせ交流端子間を強制的に短絡させるように、基本ゲート信号36を変更する。電圧VsubがVsub下限値からVsub上限値までの間では、力行、回生のいずれの動作でも、ゲート信号12は基本ゲート信号36と同じ状態となる。
以上のように、この実施の形態では、力行動作では平滑コンデンサ3が所望の電圧になるように直流電力を出力し、平滑コンデンサ3の電圧が所定の電圧分上昇すると回生動作にて交流電源1に電力を回生する。平滑コンデンサ3に例えば電動機制御用のインバータ等を接続すると、電動機が減速する際に電力が平滑コンデンサ3に戻り、平滑コンデンサ3の電圧が上昇する。このように平滑コンデンサ3の電圧が上昇しても、回生動作にて平滑コンデンサ3の電力を交流電源1に回生することで平滑コンデンサ3は所望の電圧に安定的に制御することができる。
また、力行/回生のいずれの動作においても、電流指令Iinを用いてインバータ回路100を制御することにより、平滑コンデンサ3の電圧Vdcを目標電圧Vdcに追従させ、交流電源1の力率を改善するように制御する。また、コンバータ回路300の制御により短絡期間Tを制御して直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させる。
そして、力行/回生のいずれの動作においても、電圧Vsubが上限値を超える期間および下限値より低くなる期間で、上述したように、短絡期間に拘わらず強制的に短絡スイッチを制御することにより、電圧Vsubを下限値から上限値までの間に速やかに復帰させることができる。これにより、インバータ回路100による電流制御および平滑コンデンサ3に目標電圧Vdcを出力する電圧制御を安定して継続することができる。また、インバータ回路100の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ105の容量を低減でき小型化を促進できるとともに、直流コンデンサ105の劣化を防止でき信頼性を向上できる。また、入力される交流電圧Vinに対して平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcの比率が高い状態でも、電力変換装置を制御性良く高い信頼性で運転できる。
実施の形態3.
上記実施の形態1では、ゲート信号変換装置37により基本ゲート信号36を変更して短絡スイッチを強制的に制御するのは、電圧VsubがVsub下限値より低くなる期間およびVsub上限値を超える期間のみであった。
この実施の形態では、ヒステリシスコンパレータ40a、40bを用い、Vsub下限値およびVsub上限値にそれぞれヒステリシス幅を設定する。
図17はこの発明の実施の形態3によるコンバータ回路300の出力制御における制御ブロック図である。図18は、このような制御による電力変換装置の力行動作を説明する各部の波形図である。なお、インバータ回路100の制御は、上記実施の形態1と同様である。
コンバータ回路300の出力制御では、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させる。まず上記実施の形態1と同様に、設定された指令値Vsubと検出された電圧Vsubとの差32をフィードバック量としてPI制御した出力33を電圧指令としてPWM制御部34によりコンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aへの基本ゲート信号36を生成する。このPWM制御部34では、交流電源1の周波数の2倍の周期に同期した三角波(交流電源同期三角波)35をキャリア波に用いて比較演算し、比較演算した信号を交流電源1の極性により基本ゲート信号36を生成する。この基本ゲート信号36は、電圧Vinのゼロクロス位相を中央とする±θの位相範囲、即ち、コンバータ回路300の交流端子間を短絡する短絡期間Tを制御するもので、力行動作時には、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは長く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは短くなるように制御される。
基本ゲート信号36はゲート信号変換装置37に入力され、ゲート信号変換装置37では、直流コンデンサ105の電圧Vsubに応じてヒステリシスコンパレータ40a、41aからの信号が入力されて基本ゲート信号36を変更し、コンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aを制御するゲート信号12を出力する。ヒステリシスコンパレータ40a、41aで用いるVsub下限値、Vsub上限値は、上記実施の形態1と同様に予め設定され、Vsub下限値およびVsub上限値には、それぞれヒステリシス幅αが設定されている。
このゲート信号変換装置37は、電圧VsubがVsub下限値より低くなると、電圧Vsubが(Vsub下限値+α)を超えるまで短絡スイッチをオンさせてコンバータ回路300の交流端子間を強制的に短絡させ、また電圧VsubがVsub上限値を超えると、電圧Vsubが(Vsub上限値−α)より低くなるまで短絡スイッチをオフさせてコンバータ回路300の交流端子間を強制的に開放させるように、基本ゲート信号36を変更する。電圧VsubがVsub下限値からVsub上限値までの間では、ゲート信号12は基本ゲート信号36と同じ状態となる。
この実施の形態では、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、電圧Vsubが下限値から上限値までの範囲を超える場合に、制御が頻繁に切り替わるのが防止され、安定して信頼性の高い制御が実現できる。また、短絡スイッチの切り替え回数が低減できるため、コンバータ回路300を構成する半導体スイッチ素子301a〜304aのスイッチング損失を低減することができる。
なお、この実施の形態では、力行動作のみを示したが、上記実施の形態2に適用して、力行/回生の双方の制御において、Vsub下限値、Vsub上限値にヒステリシス幅を設けて制御することで、力行/回生の双方向制御を行う電力変換装置においても、同様の効果が得られる。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、電圧Vsubが下限値から上限値までの範囲を超える場合に、短絡期間を制御する基本ゲート信号36を変更して、コンバータ回路300の交流端子間を強制的に短絡/開放させたが、この実施の形態では、電圧Vsubの指令値Vsubを変化させる。なお、回路構成は上記実施の形態1と同様である(図1参照)。
図19はこの発明の実施の形態4によるコンバータ回路300の出力制御における制御ブロック図である。この場合、力行動作のみを行うものとする。図20は、このような制御による電力変換装置の力行動作を説明する各部の波形図である。なお、インバータ回路100の制御は、上記実施の形態1と同様である。
コンバータ回路300の出力制御では、インバータ回路100の直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させる。まず設定された指令値Vsubは指令値変更装置42に入力され、指令値変更装置42では、直流コンデンサ105の電圧Vsubに応じてコンパレータ40、41からの信号が入力されて指令値Vsubを変更する。コンパレータ40、41で用いるVsub下限値、Vsub上限値は、上記実施の形態1と同様に予め設定され保持される。
この指令値変更装置42は、電圧VsubがVsub下限値より低くなると指令値Vsubを増加させ、電圧VsubがVsub上限値を超えると指令値Vsubを低下させて変更後の指令値Vsub43を出力する。電圧Vsubが下限値から上限値までの範囲内にある場合には、指令値Vsubを変更することなく出力する。
指令値変更装置42から出力された指令値Vsub43と検出された電圧Vsubとの差32をフィードバック量としてPI制御した出力33を電圧指令としてPWM制御部34によりコンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aを制御するゲート信号12を生成する。このPWM制御部34では、交流電源1の周波数の2倍の周期に同期した三角波(交流電源同期三角波)35をキャリア波に用いて比較演算し、比較演算した信号を交流電源1の極性によりゲート信号12を生成する。このゲート信号12は、電圧Vinのゼロクロス位相を中央とする±θの位相範囲、即ち、コンバータ回路300の交流端子間を短絡する短絡期間Tを制御するもので、力行動作時には、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは長く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは短くなるように制御される。
図20では、電圧VsubがVsub下限値より低くなり、指令値変更装置42にて指令値Vsubを増加させる例を示している。指令値Vsubを増加させることにより、一時的にフィードバック量を大きくでき短絡期間を延長でき、図に示すように短絡期間Taから短絡期間Tbになる。これにより直流コンデンサ105の充電量を効果的に増大させ電圧Vsubを速やかに増大させる。また、電圧Vsubは変更後の指令値Vsubに追従制御されるため、電圧Vsubの電圧変化の最大値と最小値は増加する。
電圧VsubがVsub上限値を超える場合は、指令値Vsubを低下させることにより、一時的にフィードバック量を大きくして短絡期間を短縮し、直流コンデンサ105の放電量を効果的に増大させて、電圧Vsubを速やかに低下させる。また、電圧Vsubは変更後の指令値Vsubに追従制御されるため、電圧Vsubの電圧変化の最大値と最小値は低下する。
このため、上記実施の形態1と同様に、電圧Vsubを下限値から上限値までの間に速やかに復帰させることができ、インバータ回路100による電流制御および平滑コンデンサ3に目標電圧Vdcを出力する電圧制御を安定して継続することができる。また、インバータ回路100の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ105の容量を低減でき小型化を促進できるとともに、直流コンデンサ105の劣化を防止でき信頼性を向上できる。また、入力される交流電圧Vinに対して平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcの比率が高い状態でも、電力変換装置を制御性良く高い信頼性で運転できる。
なお、この実施の形態では、力行動作のみを示したが、上記実施の形態2で示したような力行/回生の双方向制御を行う電力変換装置にも適用できる。回生動作時には、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは短く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは長くなるように制御するが、電圧Vsubの指令値Vsubを変化させる方向は、力行動作時と同様に、電圧VsubがVsub下限値より低くなると指令値Vsubを増加させ、電圧VsubがVsub上限値を超えると指令値Vsubを低下させる。これによりフィードバック量を効果的に大きくできて電圧Vsubを下限値から上限値までの間に速やかに復帰させることができる。
このように、力行/回生の双方向制御を行う電力変換装置においても、同様の効果が得られる。
実施の形態5.
上記各実施の形態では、インバータ回路は、1つの単相インバータで構成されたものを示したが、図21に示すように、複数個の単相インバータ100、200の交流側を直列接続してインバータ回路110を構成しても良い。各単相インバータ100、200は、上記実施の形態1と同様に、ダイオード101b〜104b、201b〜204bを逆並列に接続した複数個のIGBT等の自己消弧型半導体スイッチ素子101a〜104a、201a〜204aおよび直流コンデンサ105、205から構成されるフルブリッジ構成のインバータである。この場合、各単相インバータ100、200の出力の総和が、インバータ回路110の出力となる。
制御回路10aは、各単相インバータ100、200の直流コンデンサ105、205の電圧Vsub、Vsubaと、平滑コンデンサ3の電圧Vdcと、交流電源1からの電圧Vin、電流Iinとに基づいて、上記各実施の形態と同様に、平滑コンデンサ3の電圧Vdcを目標電圧に追従させ、交流電源1からの力率を力行動作時は1に、回生動作時は(−1)に近づくようにインバータ回路110を電流指令Iinを用いて出力制御する。また、平滑コンデンサ3をバイパスさせる短絡期間Tを有して単相インバータ100の直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させるようにコンバータ回路300を出力制御する。そして、各単相インバータ100、200の出力和であるインバータ回路110の交流側の発生電圧を交流電源1の電圧Vinに重畳する。
インバータ回路110が力率を改善するような電流制御をするためには、直流コンデンサ105、205の電圧Vsub、Vsubaは、
Vsub+Vsuba≧Vp・sinθ
Vsub+Vsuba≧(Vdc−Vp・sinθ
Vsub+Vsuba≧(Vp−Vdc
の3条件を満たす必要がある。
このような電圧条件を満たす範囲内で、各電圧Vsub、Vsubaの指令値Vsub、Vsubaは設定され、またVsub上限値、Vsub下限値も上記実施の形態と同様に予め設定されて保持される。
この場合、単相インバータ200の直流コンデンサ205の電圧Vsubaを指令値Vsubaに追従させる制御は、インバータ回路110の制御において行う。即ち、電流指令Iinを用いて生成された各単相インバータ100、200へのゲート信号のうち、単相インバータ200へのゲート信号を調整して直流コンデンサ205の充放電を調整することで電圧Vsubaを指令値Vsubaに追従させる。
単相インバータ100、200が3個以上の場合も、コンバータ回路300で短絡期間を制御することで1つの単相インバータ100の直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させ、残りの複数の単相インバータ200は、それぞれ独立して直流コンデンサ205の充放電を調整する。
このように複数個の単相インバータ100、200の交流側を直列接続してインバータ回路110を用いた場合も、直流コンデンサ105の電圧Vsubが、設定された下限値より低下したり上限値を超えると、上記各実施の形態と同様の制御をすることにより電圧Vsubを速やかに下限値から上限値までの間に復帰させることができ、同様の効果が得られる。なお、直流コンデンサ205の電圧Vsubaは、定常時も充放電を独立して調整しているため、定常時の制御で設定された範囲内に保つことができる。
なお、インバータ回路110は、複数の単相インバータの出力の総和で階段状の電圧波形を発生する階調制御により出力してもよく、また複数の単相インバータの中の特定の単相インバータのみPWM制御しても良い。
実施の形態6.
上記実施の形態5で示した回路構成の電力変換装置において、直流コンデンサ105、205の電圧Vsub、Vsubaが、設定された下限値より低下したり上限値を超えると、それぞれの指令値Vsub、Vsubaを変更して制御するものについて以下に示す。
図22は、実施の形態6による制御回路10aにおけるインバータ回路110の直流コンデンサ105、205の電圧指令値Vsub、Vsubaを変更する制御ブロック図である。
指令値変更装置44には、電圧VsubがVsub上限値を超えると、また電圧VsubaがVsuba上限値を超えると、また電圧和(Vsub+Vsuba)が下限値より低下すると、それぞれコンパレータから信号が入力される。指令値変更装置44は、電圧VsubがVsub上限値を超える、あるいは電圧VsubaがVsuba上限値を超えると、2つの直流コンデンサ105、205の総エネルギは変化させずに、電圧指令値Vsub、Vsubaを和(Vsub+Vsuba)が低下するように変更する。また、また電圧和(Vsub+Vsuba)が下限値より低下すると、2つの直流コンデンサ105、205の総エネルギは変化させずに、電圧指令値Vsub、Vsubaを和(Vsub+Vsuba)が増加するように変更する。各コンパレータから信号が出力されないときは、指令値変更装置44において電圧指令値Vsub、Vsubaは変更されずにそのまま出力される。
なお、この場合の直流コンデンサ105、205の総エネルギは、交流電源電圧Vinの1周期における平均値を指す。
また、電圧和(Vsub+Vsuba)の下限値および、Vsub上限値、Vsuba上限値は、予め設定されて保持される。
電圧指令値Vsub、Vsubaを、和(Vsub+Vsuba)が増加/低下するように変更する制御の例として、和(Vsub+Vsuba)を最大にして増加させる、または最小にして低下させる場合、即ち最も効果的な制御について以下に示す。
直流コンデンサ105、205の容量をCsub、Csubaとし、各エネルギWsub、Wsubaの和を一定値Kとすると、
Wsub+Wsuba=1/2(Csub・Vsub+Csuba・Vsuba)=K
と表せる。
このエネルギ和の関係式は楕円方程式であり、2つの直流コンデンサ105、205の電圧和(Vsub+Vsuba)を、
Vsub+Vsuba=S
とすると、Sは比例関数の切片である。
切片Sが上記楕円方程式上で最小となるのは、Vsub=0、またはVsuba=0、の場合であり、容量Csub、Csubaが小さい方の電圧Vsuba(またはVsub)を0とした場合に、2つの直流コンデンサ105、205の電圧和(Vsub+Vsuba)は最小となる。直流コンデンサ205の方が容量が小さいとすると、最小となるS(=Vsub+Vsuba)は、Vsuba=0の場合で、
S=Vsub=(2K/Csub)1/2
となる。
また、切片Sが上記楕円方程式上で最大となるのは、
Vsub=(2Csuba・K/((Csub+Csuba)・Csub))1/2
Vsuba=(2Csub・K/((Csub+Csuba)・Csuba))1/2
の場合で、最大となるS(=Vsub+Vsuba)は、
S=(2K(Csub+Csuba)/(Csub・Csuba))1/2
となる。
以上のことから、指令値変更装置44は、電圧VsubがVsub上限値を超える、あるいは電圧VsubaがVsuba上限値を超えると、2つの直流コンデンサ105、205の総エネルギKは変化させずに、各電圧指令値Vsub、Vsubaを和(Vsub+Vsuba)が最小となるように変更する。即ち、容量の小さい直流コンデンサ205の電圧指令値Vsubaを0とし、他方の電圧指令値Vsubを(2K/Csub)1/2とする。また、電圧和(Vsub+Vsuba)が下限値より低下すると、各電圧指令値Vsub、Vsubaを和(Vsub+Vsuba)が最大となるように変更する。即ち、
Vsub=(2Csuba・K/((Csub+Csuba)・Csub))1/2
Vsuba=(2Csub・K/((Csub+Csuba)・Csuba))1/2
とする。
そして、指令値変更装置44から出力される指令値Vsubを用いて、図23に示すように、直流コンデンサ105の電圧Vsubを指令値Vsubに追従させるようにコンバータ回路300を出力制御する。まず、指令値Vsubと検出された電圧Vsubとの差32をフィードバック量として、PI制御した出力33を電圧指令としてPWM制御部34によりコンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aへのゲート信号12を生成する。このPWM制御部34では、交流電源1の周波数の2倍の周期に同期した三角波(交流電源同期三角波)35をキャリア波に用いて比較演算し、比較演算した信号を交流電源1の極性によりゲート信号12を生成し、これによりコンバータ回路300の交流端子間を短絡する短絡期間を、電圧Vsubが低下すると長く、電圧Vsubが増加すると短くなるように制御する。
また、図24に示すように、平滑コンデンサ3の電圧Vdcを目標電圧に追従させ、交流電源1の力率を改善するようにインバータ回路110を電流指令Iinを用いて出力制御する。この場合、上記実施の形態5で説明したように、単相インバータ200の直流コンデンサ205の電圧Vsubaを、指令値変更装置44から出力される指令値Vsubaに追従させる制御を、インバータ回路110の制御において行う。図に示すように、PWM制御により生成された各単相インバータ100、200へのゲート信号27を、出力パターン調整装置28を介して調整し、調整後のゲート信号11a、11bを制御回路10aから出力する。出力パターン調整装置28には、電圧Vsubaを指令値Vsubaと比較するコンパレータからの信号が入力され、単相インバータ200へのゲート信号11bを調整して直流コンデンサ205の充放電を調整することで電圧Vsubaを指令値Vsubaに追従させる。
例えば、交流電源電圧Vinが正で電源電流の力率が1に制御されている状態では、単相インバータ200の半導体スイッチ素子201a、204aをオンにすると直流コンデンサ205は充電され、単相インバータ200の半導体スイッチ素子201a、203a、または半導体スイッチ素子202a、204aをオンにすると直流コンデンサ205は電流をスルーするため充放電されない。また、半導体スイッチ素子202a、203aをオンにすると直流コンデンサ205は放電される。電圧Vinが負の場合においても、同様に直流コンデンサ205の充電、放電、スルーとなる出力パターンがあり、電圧Vsubaを指令値Vsubaに追従させるように、出力パターンを決定するゲート信号11bを調整して直流コンデンサ205の充放電を調整する。
この実施の形態では、インバータ回路110が複数の単相インバータ100、200を備え、いずれかの直流コンデンサ105、205の電圧Vsub、Vsubaが上限値を超えると、複数の直流コンデンサ105、205の総エネルギは変化させずに、各電圧指令値Vsub、Vsubaを和(Vsub+Vsuba)が低下するように変更する。これにより、各電圧Vsub、Vsubaは、それぞれの上限値以下に速やかに復帰して、インバータ回路110による電流制御および平滑コンデンサ3に目標電圧Vdcを出力する電圧制御を安定して継続する。このため、各単相インバータ100、200の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ105、205の容量を低減でき小型化を促進できるとともに、直流コンデンサ105、205の劣化を防止でき信頼性を向上できる。
また、電圧和(Vsub+Vsuba)が下限値より低下すると、複数の直流コンデンサ105、205の総エネルギは変化させずに、電圧指令値Vsub、Vsubaを和(Vsub+Vsuba)が増加するように変更する。これにより電圧和(Vsub+Vsuba)が下限値以上に速やかに復帰して、インバータ回路110による電流制御および平滑コンデンサ3に目標電圧Vdcを出力する電圧制御を安定して継続することができる。
なお、和(Vsub+Vsuba)が増加するように電圧指令値Vsub、Vsubaを変更するのは、和(Vsub+Vsuba)が最大となる値までステップ的に増加させる、あるいはシームレスに変化させて増加させても良い。同様に、和(Vsub+Vsuba)が低下するように電圧指令値Vsub、Vsubaを変更するのは、和(Vsub+Vsuba)が最小となる値までステップ的に低下させる、あるいはシームレスに変化させて低下させても良い。その場合、条件を満足した時点で、電圧指令値Vsub、Vsubaを変化させるのを停止して、その時点の電圧指令値Vsub、Vsubaを用いて制御を継続させる。
なお、この実施の形態においても力行/回生の双方向制御を行う電力変換装置に適用でき、同様の効果が得られる。回生動作時には、コンバータ回路300の制御では、電圧Vsubが低下すると短絡期間Tは短く、電圧Vsubが増加すると短絡期間Tは長くなるように制御するが、電圧指令値Vsub、Vsubaの和を変化させる方向は、力行動作時と同様である。
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7による電力変換装置について説明する。
この実施の形態では、インバータ回路の直流電圧Vsubの変動が大きくなると平滑コンデンサ3の電圧Vdcの目標電圧Vdcを変更し、電圧Vsubの変動を抑制する。なお、回路構成は上記実施の形態1と同様であり(図1参照)、この場合も、力行動作のみ行うものを説明するが、力行/回生の双方向制御を行う電力変換装置に適用できる。
コンバータ回路300の制御は、直流コンデンサ105の電圧Vsubを予め設定された指令値Vsubに追従させる。まず、指令値Vsubと検出された電圧Vsubとの差32をフィードバック量として、PI制御した出力33を電圧指令としてPWM制御部34によりコンバータ回路300の各半導体スイッチ素子301a〜304aへのゲート信号12を生成する。このPWM制御部34では、交流電源1の周波数の2倍の周期に同期した三角波(交流電源同期三角波)35をキャリア波に用いて比較演算し、比較演算した信号を交流電源1の極性によりゲート信号12を生成し、これによりコンバータ回路300の交流端子間を短絡する短絡期間を、電圧Vsubが低下すると長く、電圧Vsubが増加すると短くなるように制御する(図23参照)。
図25は、この実施の形態7による制御回路10によるインバータ回路100の出力制御における制御ブロック図である。また、図26は、このような制御による電力変換装置の力行動作を説明する各部の波形図である。
図25に示すように、インバータ回路100の出力制御では、Vdc指令値変換装置45を備えて、直流コンデンサ105の電圧Vsubの変動幅が大きくなると、平滑コンデンサ3の目標電圧Vdcを低下させるように調整する。まず設定された目標電圧VdcはVdc指令値変換装置45に入力される。Vdc指令値変換装置45では、直流コンデンサ105の電圧Vsubの半周期における最大値−最小値である変動幅を、予め設定された上限値と比較するコンパレータからの信号が入力されて、電圧Vsubの変動幅が上限値を超えると目標電圧Vdcを低く調整して調整後の目標電圧Vdc46を出力する。
この後の制御は、上記実施の形態1と同様で、平滑コンデンサ3の直流電圧Vdcを調整後の目標電圧Vdc46に維持し、また交流電源1の力率が概1になるように電流指令Iinを生成して、インバータ回路100の各半導体スイッチ素子101a〜104aへのゲート信号11を生成し、インバータ回路100を動作させる。
電圧Vsubの変動幅の上限値は、例えば、上記実施の形態1で示したように電圧Vsubの上限値と下限値とを決定して上限値から下限値を減算した値とし、予め設定されて保持される。
図26では、短絡スイッチをオフして電圧Vsubが減少している期間で、電圧Vsubの変動幅ΔVsubが上限値を超えて、Vdc指令値変換装置45にて平滑コンデンサ3の目標電圧Vdcを低下させる例を示している。目標電圧Vdcを低下させることにより、平滑コンデンサ3の電圧Vdcが低下し、入力される電圧Vinに対して平滑コンデンサ3の電圧Vdcの比率が小さくなる。このため電圧Vsubの電圧変動が抑制され、電圧Vsubの変動幅ΔVsubを上限値以下に速やかに復帰することができ、インバータ回路100による電流制御および平滑コンデンサ3に出力する電圧制御を継続することができる。また、インバータ回路100の各部に過電圧が印加されるのを防止し、直流コンデンサ105の容量を低減でき小型化を促進できるとともに、直流コンデンサ105の劣化を防止でき信頼性を向上できる。
なお、上記各実施の形態では、インバータ回路100、110内およびコンバータ回路300内に半導体スイッチ素子およびダイオードを備えたが、これらの素子は、珪素によって形成されたものでも、また、珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成してもよい。ワイドバンドギャップ半導体としては、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドがある。
このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチ素子やダイオードは、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため小型化が可能である。また耐熱性も高いため、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化が可能であり、全体の装置構成の小型化が図れる。更に電力損失が低いため、電力変換装置の効率向上を図れる。なお、高周波動作させるインバータ回路100のみにワイドバンドギャップ半導体による素子を用いてもよい。
1 交流電源、3 平滑コンデンサ、3a,3b 直流母線、
10,10a 制御回路、11,11a,11b,12 ゲート信号、
42,44 指令値変更装置、100 インバータ回路(単相インバータ)、
101a〜104a 半導体スイッチ素子、105 直流コンデンサ、
110 インバータ回路、200 単相インバータ、
201a〜204a 半導体スイッチ素子、205 直流コンデンサ、
300 コンバータ回路、301a〜304a 半導体スイッチ素子、
Iin 電流、Iin 電流指令、T,Ta,Tb 短絡期間、Vin 交流電源電圧、
Vdc 平滑コンデンサの電圧、Vdc 平滑コンデンサの目標電圧、
Vsub,Vsuba 直流コンデンサの電圧、
Vsub,Vsuba 直流コンデンサの電圧指令値、ΔVsub Vsub変化幅。

Claims (12)

  1. 複数の半導体スイッチ素子と直流コンデンサとから成る単相インバータの交流側を1以上直列接続して構成され、該交流側を交流電源の第1の端子に直列接続して上記各単相インバータの出力の総和を上記交流電源の出力に重畳するインバータ回路と、
    直流母線間に複数のスイッチを有し、一方の交流端子が上記インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が上記交流電源の第2の端子に接続され、上記直流母線間に直流電力を出力するコンバータ回路と、
    上記直流母線間に接続され、上記コンバータ回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、
    上記コンバータ回路の上記交流端子間を短絡させて上記平滑コンデンサをバイパスさせる短絡期間を有して上記インバータ回路の上記直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御すると共に、上記平滑コンデンサの電圧を目標電圧に追従させるように上記インバータ回路を電流指令を用いて制御する制御回路とを備え、
    上記制御回路は、
    上記インバータ回路の上記直流コンデンサ電圧の、予め設定された下限値と上限値とを有し、
    上記コンバータ回路の制御において、
    上記平滑コンデンサへ電力を出力する力行時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において充電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を長く、増加すると上記短絡期間を短くするように上記コンバータ回路を制御し、上記直流コンデンサ電圧が上記上限値を超える期間で上記コンバータ回路の上記交流端子間を強制的に開放させ、上記直流コンデンサ電圧が上記下限値より低くなる期間で上記コンバータ回路の上記交流端子間を強制的に短絡させることを特徴とする電力変換装置。
  2. 上記制御回路は、
    上記平滑コンデンサからの電力を上記電源に回生する回生機能を備え、
    上記コンバータ回路の制御において、
    上記平滑コンデンサからの電力回生時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において放電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を短く、増加すると上記短絡期間を長くするように上記コンバータ回路を制御し、上記直流コンデンサ電圧が上記上限値を超える期間で上記コンバータ回路の上記交流端子間を強制的に短絡させ、上記直流コンデンサ電圧が上記下限値より低くなる期間で上記コンバータ回路の上記交流端子間を強制的に開放させることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記直流コンデンサ電圧の上記下限値および上記上限値に、それぞれヒステリシス幅を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 複数の半導体スイッチ素子と直流コンデンサとから成る単相インバータの交流側を1以上直列接続して構成され、該交流側を交流電源の第1の端子に直列接続して上記各単相インバータの出力の総和を上記交流電源の出力に重畳するインバータ回路と、
    直流母線間に複数のスイッチを有し、一方の交流端子が上記インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が上記交流電源の第2の端子に接続され、上記直流母線間に直流電力を出力するコンバータ回路と、
    上記直流母線間に接続され、上記コンバータ回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、
    上記コンバータ回路の上記交流端子間を短絡させて上記平滑コンデンサをバイパスさせる短絡期間を有して上記インバータ回路の上記直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御すると共に、上記平滑コンデンサの電圧を目標電圧に追従させるように上記インバータ回路を電流指令を用いて制御する制御回路とを備え、
    上記制御回路は、
    上記インバータ回路の上記直流コンデンサ電圧の、予め設定された下限値と上限値とを有し、上記直流コンデンサ電圧が上記上限値を超えると上記電圧指令値を低下させ、上記直流コンデンサ電圧が上記下限値より低くなると上記電圧指令値を増加させ、
    上記コンバータ回路の制御において、
    上記平滑コンデンサへ電力を出力する力行時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において充電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を長く、増加すると上記短絡期間を短くするように上記コンバータ回路を制御することを特徴とする電力変換装置。
  5. 複数の半導体スイッチ素子と直流コンデンサとから成る単相インバータの交流側を1以上直列接続して構成され、該交流側を交流電源の第1の端子に直列接続して上記各単相インバータの出力の総和を上記交流電源の出力に重畳するインバータ回路と、
    直流母線間に複数のスイッチを有し、一方の交流端子が上記インバータ回路の後段の交流出力線に接続され、他方の交流端子が上記交流電源の第2の端子に接続され、上記直流母線間に直流電力を出力するコンバータ回路と、
    上記直流母線間に接続され、上記コンバータ回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、
    上記コンバータ回路の上記交流端子間を短絡させて上記平滑コンデンサをバイパスさせる短絡期間を有して上記インバータ回路の上記直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御すると共に、上記平滑コンデンサの電圧を目標電圧に追従させるように上記インバータ回路を電流指令を用いて制御する制御回路とを備え、
    上記制御回路は、
    上記インバータ回路の上記直流コンデンサ電圧の電圧変動幅が予め設定された上限値を超えると、上記平滑コンデンサの上記目標電圧を低く調整し、
    上記コンバータ回路の制御において、
    上記平滑コンデンサへ電力を出力する力行時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において充電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を長く、増加すると上記短絡期間を短くするように上記コンバータ回路を制御することを特徴とする電力変換装置。
  6. 上記制御回路は、
    上記平滑コンデンサからの電力を上記電源に回生する回生機能を備え、
    上記コンバータ回路の制御において、
    上記平滑コンデンサからの電力回生時に、上記インバータ回路の上記直流コンデンサを上記短絡期間において放電し、上記直流コンデンサ電圧が低下すると上記短絡期間を短く、上記直流コンデンサ電圧が増加すると上記短絡期間を長くするように上記コンバータ回路を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の電力変換装置。
  7. 上記インバータ回路は、複数の上記単相インバータを直列接続して構成され、
    上記制御回路は、上記複数の単相インバータの複数の直流コンデンサの総電力量を保持して、該複数の直流コンデンサの電圧指令値の総和が増加あるいは低下するように、上記各直流コンデンサの上記電圧指令値を変更することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  8. 上記制御回路は、上記複数の単相インバータの複数の直流コンデンサの総電力量を保持して、該複数の直流コンデンサの電圧指令値の総和が最大あるいは最小となるように、上記各直流コンデンサの上記電圧指令値を変更することを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 上記制御回路は、上記予め設定された下限値として上記複数の直流コンデンサの電圧総和の下限値を有し、上記複数の直流コンデンサの電圧総和が上記下限値より低くなると上記複数の直流コンデンサの上記電圧指令値の総和が増加するように、上記各直流コンデンサの上記電圧指令値を変更することを特徴とする請求項7または8に記載の電力変換装置。
  10. 上記制御回路は、上記予め設定された上限値として上記複数の直流コンデンサの各上限値を有し、上記複数の直流コンデンサのいずれかの電圧が上記上限値を超えると上記複数の直流コンデンサの上記電圧指令値の総和が低下するように、上記各直流コンデンサの上記電圧指令値を変更することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 上記インバータ回路は、複数の上記単相インバータを直列接続して構成され、
    上記制御回路は、上記インバータ回路内の1つの単相インバータの直流コンデンサの電圧を設定された電圧指令値に追従させるように上記コンバータ回路を制御し、上記電流指令を用いて上記インバータ回路を制御する際に、他の単相インバータの直流コンデンサの充放電を調整することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  12. 上記インバータ回路内の上記半導体スイッチ素子はシリコンよりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体により形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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