JP2012073591A - 位相物体の可視化方法及び可視化装置 - Google Patents

位相物体の可視化方法及び可視化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成する技術を提供する。
【解決手段】可視化装置10は、光源11aと、光源11aからの光を被観察物体に導く照明光学系12と、被観察物体の光学像を像面上に形成する結像光学系14と、像面に配置された撮像素子15と、撮像素子15から得られる被観察物体の複数の第1の電子画像を演算して、第2の電子画像を生成する制御装置16と、照明光学系12による偏射照明の照明方向を制御する偏斜照明制御手段18と、を含み、複数の第1の電子画像は、偏斜照明制御手段18により異なる照明方向から照明された被観察物体の第1の電子画像を含む。また、可視化方法は、被観察物体を偏射照明で照明して、異なる照明方向から照明された被観察物体の複数の第1の電子画像を取得する工程と、複数の第1の電子画像を演算して、第2の電子画像を生成する工程と、を含む。
【選択図】図8

Description

本発明は、培養細胞、生体組織、及び、表面に微小な段差を有する金属などの位相物体の可視化方法、及び、位相物体の可視化装置に関する。
培養細胞や生体組織(以降、生体標本と記す。)は、生体標本とその周囲の媒質との屈折率差、生体標本自体の屈折率分布や形状などによって、光に位相差を生じさせる位相物体である。
従来から、生体標本などの位相物体は、位相物体の位相分布を可視化する位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡などの特殊な顕微鏡を用いて観察されてきた。位相差顕微鏡については、例えば、特許文献1で開示されている。また、微分干渉顕微鏡については、例えば、特許文献2で開示されている。
近年では、蛍光顕微鏡の普及に伴い、位相差観察または微分干渉観察と蛍光観察とを併用した位相物体の観察が広く行われるに至っている。具体的には、位相差観察または微分干渉観察で得られる画像(以降、位相分布画像と記す。)を用いて、位相物体の解析対象となる部位が特定され、蛍光観察で得られる蛍光画像を用いて、当該部位の詳細な解析が行われる。
ところで、一般に、蛍光観察で得られる蛍光は微弱であることから、顕微鏡の結像光学系には高い透過率が求められる。
しかしながら、位相差観察と蛍光観察とが併用される場合には、位相差観察のために、コンデンサ内の瞳位置にリングスリットが設けられ、対物レンズ内のリングスリットと共役な位置に位相膜が設けられる。従って、位相膜での蛍光の吸収により、結像光学系を構成する対物レンズの透過率が低下することになる。
また、微分干渉観察と蛍光観察とが併用される場合には、微分干渉観察のために、照明光学系内に偏光子とノマルスキープリズムが配置され、結像光学系内に偏光子とノマルスキープリズムが配置され、さらに、上記2つの偏光子がクロスニコル状態に設定される。従って、結像光学系内の偏光子とノマルスキープリズムの影響により、結像光学系の透過率が低下することになる。
蛍光観察では必要とされない光学素子による結像光学系の透過率の低下を避けるために、位相差観察または微分干渉観察の観察光路と蛍光観察の観察光路とを分離する構成を採用することも考えられる。
しかしながら、その場合、観察光路を分離(または合成)するための光学素子やリレー光学系が別途追加で必要になる。その結果、追加された光学素子による結像光学系の透過率の低下や結像光学系の構成の複雑化といった新たな課題が生じることになる。
以上のように、位相差観察または微分干渉観察と蛍光観察とを併用する顕微鏡では、蛍光に対する結像光学系の透過率の低下を防止することは非常に困難である。
このような技術的な課題に対して有効な技術が、非特許文献1、特許文献3、及び、特許文献4に開示されている。
非特許文献1では、位相物体を合焦位置からずらして、デフォーカス状態で観察することで、位相物体の位相分布に対応した像強度分布が発生することが開示されている。非特許文献1で開示される技術によれば、結像光学系内に位相差観察や微分干渉観察で必要とされる光学素子を配置することなく、位相物体の位相分布に対応した像強度分布を、ひいては、位相分布画像を得ることができる。このため、結像光学系の透過率の低下は生じず、蛍光観察との併用に好適である。
また、特許文献3及び特許文献4では、位相物体を合焦位置から前後にずらして、各デフォーカス状態で取得した2枚の画像を差演算することで、コントラストが強調された位相分布画像が生成できることが開示されている。特許文献3及び特許文献4で開示される技術によれば、非特許文献1で開示される技術によって得られる画像に比べてコントラストが強調された位相分布画像を得ることができる。また、特許文献3及び特許文献4で開示される技術においても、非特許文献1で開示される技術と同様に、結像光学系内に位相差観察や微分干渉観察で必要とされる光学素子は不要である。このため、結像光学系の透過率の低下が生じず、蛍光観察との併用に好適である。
特開平7−225341号公報 特開平8−122648号公報 特開2004−354650号公報 特開2005−173288号公報
C.J.R.Sheppard, T.Wilson,Fourier imaging of phase information in scanning and conventional optical microscopes,PHILOSOPHICAL TRANSACTIONS OF THE ROYAL SOCIETY OF LONDON,英国,ROYAL SOCIETY,1980年2月7日,Vol.295,No.1415,pp.513-536
位相分布画像は、上述したように、主に、位相物体の解析対象となる部位の特定、いわゆる、スクリーニング(Screening)と呼ばれる作業などに用いられる。このため、位相分布画像には、解析対象部位を特定するに足りる十分なコントラストとともに、観察視野の移動に追随した高いリアルタイム性が要求される。
非特許文献1で開示される技術は、位相差観察や微分干渉観察のように瞳面に配置された光学素子により強制的に光に位相差を生じさせるのではなく、合焦位置からのずれ(デフォーカス)によって生じる瞳面での波面収差を利用して光に位相差を生じさせる技術である。従って、非特許文献1で開示される技術では、位相差の制御が難しく、十分なコントラストを有する位相分布画像を得ることが困難である。
一方、特許文献3及び特許文献4で開示される技術によれば、上述したようにコントラストが改善された位相分布画像を生成することができる。しかしながら、コントラストが改善された位相分布画像を生成するためには、位相物体を合焦位置から前側にずらした画像と後側にずらした画像を取得する必要がある。このような光軸方向への位相物体または焦点位置の移動には、通常ステージや対物レンズなどの機械的な駆動が伴う。このため、画像取得の高速化には限界があり、高速に画像を生成することが難しい。従って、特許文献3及び特許文献4で開示される技術では、位相分布画像の十分なリアルタイム性を実現することは困難である。
以上のような実情を踏まえ、本発明では、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成する技術を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、被観察物体を偏射照明で照明して、異なる照明方向から照明された前記被観察物体の複数の第1の電子画像を取得する工程と、前記複数の第1の電子画像を演算して、第2の電子画像を生成する工程と、を含む可視化方法を提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の可視化方法において、前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、偏射照明で第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、偏射照明で第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称である
可視化方法を提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様に記載の可視化方法において、前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、dを結像光学系の瞳中心と前記結像光学系の瞳中心に最も近い位置に入射する光が前記結像光学系の瞳を通過する位置との距離とし、rを前記結像光学系の瞳半径とするとき、以下の条件式0.4≦d/rを満たすように前記被観察物体を偏射照明で照明する工程を含む可視化方法を提供する。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の可視化方法において、さらに、前記複数の第1の電子画像を取得する工程の前に、前記被観察物体を、当該被観察物体の光学像を形成する結像光学系の焦点位置から、前記結像光学系の光軸方向にずらした位置に配置する工程を含む可視化方法を提供する。
本発明の第5の態様は、第3の態様または第4の態様に記載の可視化方法において、前記第2の電子画像を生成する工程は、前記複数の第1の電子画像を差演算する工程を含む可視化方法を提供する。
本発明の第6の態様は、第3の態様乃至第5の態様のいずれか1つに記載の可視化方法において、前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、偏射照明で第1の照明方向から前記被観察物体を照明する工程と、偏射照明で第2の照明方向から前記被観察物体を照明する工程と、偏射照明で前記第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、偏射照明で前記第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称である可視化方法を提供する。
本発明の第7の態様は、第3の態様乃至第5の態様のいずれか1つに記載の可視化方法において、前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、偏射照明で第1の照明方向と第2の照明方向から同時に前記被観察物体を照明する工程と、偏射照明で前記第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、偏射照明で前記第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称である可視化方法を提供する。
本発明の第8の態様は、光源と、前記光源からの光を被観察物体に導く照明光学系と、前記被観察物体の光学像を像面上に形成する結像光学系と、前記像面に配置された撮像素子と、前記撮像素子から得られる前記被観察物体の複数の第1の電子画像を演算して、第2の電子画像を生成する演算装置と、前記照明光学系による偏射照明の照明方向を制御する偏射照明制御手段と、を含み、前記複数の第1の電子画像は、前記偏射照明制御手段により異なる照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を含む可視化装置を提供する。
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載の可視化装置において、前記複数の第1の電子画像は、第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像と、第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像と、を含み、前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記照明光学系の光軸に対して略対称である可視化装置を提供する。
本発明の第10の態様は、第8の態様または第9の態様に記載の可視化装置において、前記偏射照明制御手段は、前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、偏斜照明の照明角度を規定する複数の開口を有する偏射照明手段を含み、dを前記結像光学系の瞳中心と前記複数の開口が前記結像光学系の瞳位置に投影された複数の開口像の各々の瞳中心に最も近い開口端との距離とし、rを前記結像光学系の瞳半径とするとき、以下の条件式0.4≦d/rを満たす可視化装置を提供する。
本発明の第11の態様は、第10の態様に記載の可視化装置において、前記結像光学系は、前記被観察物体に対して当該結像光学系の焦点位置をずらして配置される可視化装置を提供する。
本発明の第12の態様は、第10の態様または第11の態様に記載の可視化装置において、前記演算装置は、前記複数の第1の電子画像を差演算して、前記第2の電子画像を生成する可視化装置を提供する。
本発明の第13の態様は、第10の態様乃至第12の態様のいずれか1つに記載の可視化装置において、前記偏射照明制御手段は、前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、開口を有する偏射照明手段と、前記開口上に配置された、第1の偏光方向の光を透過する第1の偏光子と、前記開口上に配置された、前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の光を透過する第2の偏光子と、前記光源と前記第1の偏光子及び前記第2の偏光子との間に、光の偏光方向を制御する偏光方向制御手段と、を含み、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子は、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に配置される可視化装置を提供する。
本発明の第14の態様は、第10の態様乃至第12の態様のいずれか1つに記載の可視化装置において、前記偏射照明制御手段は、照明光学系の瞳位置近傍に配置された、少なくとも第1の開口と第2の開口を有する偏射照明手段を含み、前記第1の開口と前記第2の開口は、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に設けられ、前記光源は、前記第1の開口を照明する第1の光源と、前記第2の開口を照明する第2の光源と、を含む可視化装置を提供する。
本発明の第15の態様は、第10の態様乃至第12の態様のいずれか1つに記載の可視化装置において、前記偏射照明制御手段は、前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、開口を有する偏射照明手段と、前記開口上に配置された、第1の波長域の光を透過する第1の光学フィルタと、前記開口上に配置された、前記第1の波長域と異なる第2の波長域の光を透過する第2の光学フィルタと、を含み、前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタは、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に配置され、前記撮像素子は、前記第1の波長域の光を検出する複数の第1の画素と、前記第2の波長域の光を検出する複数の第2の画素と、を含む可視化装置を提供する。
本発明の第16の態様は、第10の態様乃至第12の態様のいずれか1つに記載の可視化装置において、前記偏射照明制御手段は、前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、開口を有する偏射照明手段と、前記開口上に配置された、第1の偏光方向の光を透過する第1の偏光子と、前記開口上に配置された、前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の光を透過する第2の偏光子と、を含み、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子は、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に配置され、前記撮像素子は、前記第1の偏光方向の光を検出する複数の第1の画素と、前記第2の偏光方向の光を検出する複数の第2の画素と、を含む可視化装置を提供する。
本発明の第17の態様は、第10の態様乃至第16の態様のいずれか1つに記載の可視化装置において、さらに、前記演算装置により生成された第2の電子画像を表示する表示装置と、を含む可視化装置を提供する。
本発明によれば、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成する技術を提供することができる。
偏斜照明で第1の照明方向から被観察物体を照明する偏斜照明方法を説明するための図である。 偏斜照明で第1の照明方向から被観察物体を照明したときの結像光学系のMTFとPTFを示す図である。 偏斜照明で第1の照明方向から被観察物体を照明したときの結像光学系のX方向のMTFとPTFの積を示す図である。 偏斜照明で第2の照明方向から被観察物体を照明する偏斜照明方法を説明するための図である。 偏斜照明で第2の照明方向から被観察物体を照明したときの結像光学系のMTFとPTFを示す図である。 偏斜照明で第2の照明方向から被観察物体を照明したときの結像光学系のX方向のMTFとPTFの積を示す図である。 図3に例示されるMTFとPTFの積と図6に例示されるMTFとPTFの積とを差演算した結果を示す図である。 実施例1に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。 図8に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明手段の上面図である。 実施例2に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。 図10に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明制御手段の上面図である。 実施例3に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。 図12に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明手段の上面図である。 図12に例示される顕微鏡装置に含まれるカラーCCDの構成を例示した図である。 実施例4に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。 図15に例示される顕微鏡装置に含まれる偏光カメラの構成を例示した図である。 図15に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明手段の上面図である。 実施例5に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。 図18に例示される顕微鏡装置による観察に用いられるマルチウェルプレートを例示した図である。 偏斜照明手段に形成される開口の位置について説明するための図である。 図20に例示される開口の各々から偏斜照明で被観察物体を照明したときの結像光学系のMTFを示す図である。 図21に例示されるMTFとそれと対称なMTFとを差演算した結果を示す図である。 図18に例示される顕微鏡装置に含まれる結像光学系の瞳面の上面図である。 液面の凹レンズ作用による開口像の変化について説明するための図である。
本発明の各実施例に係る位相物体の可視化方法について、概説する。
本発明の各実施例に係る可視化方法は、位相物体である被観察物体を偏斜照明で照明して、異なる照明方向から照明された被観察物体の複数の位相分布画像(以降、第1の電子画像と記す。)を取得する工程と、第1の工程で取得した複数の第1の電子画像を演算して、新たな位相分布画像(以降、第2の電子画像と記す。)を生成する工程を含んでいる。
本発明の各実施例に係る可視化方法は、位相物体をデフォーカス状態で観察するときに生じる瞳面での波面収差を利用して観察光に位相差を生じさせて、それによって、位相物体を可視化する点では、非特許文献1、特許文献3、及び、特許文献4に開示される技術と同様である。
また、本発明の各実施例に係る可視化方法は、波面収差が異なる状態で取得された複数の位相分布画像を利用して、非特許文献1で開示される技術に比べて高いコントラストを有する位相分布画像を生成する点では、特許文献3及び特許文献4に開示される技術と同様である。
しかしながら、本発明の各実施例に係る可視化方法は、特許文献3及び特許文献4で開示される技術が位相物体を合焦位置から前後にずらしたときの位相分布画像を用いて高いコントラストを有する位相分布画像を生成するのに対して、偏斜照明で異なる照明方向から照明された位相物体の位相分布画像(第1の電子画像)を用いて高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成する点で、特許文献3及び特許文献4に開示される技術と異なっている。
例えば、各実施例で後述するような方法により、偏斜照明の照明方向を高速に切り換えることができる。または、切り換え動作を伴うことなく、照明方向の異なる複数の位相分布画像(第1の電子画像)を取得することができる。このため、本発明の各実施例に係る可視化方法によれば、位相物体を合焦位置から前後に移動させる場合に比べて、複数の位相分布画像(第1の電子画像)を高速に取得することができる。従って、高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)をより高速に生成することが可能であり、位相分布画像(第2の電子画像)のリアルタイム性を高めることができる。
また、位相物体を合焦位置から前後に高速に移動させる場合には、ステージや対物レンズなどの機械的な駆動が位相物体に振動として伝わってしまい、位相分布画像に悪影響を及ぼすことがある。これに対して、偏斜照明の照明方向の切り換えでは、機械的な駆動は、例えば、後述する実施例1に例示されるように、通常、光軸に直交する方向に発生する。このため、位相物体に振動が伝わる場合であっても、その影響は極めて限定的である。また、例えば、後述する実施例2、実施例3、及び実施例4に例示されるように、機械的な駆動を完全に排除して、照明方向の異なる複数の位相分布画像(第1の電子画像)を取得することも可能である。従って、振動による画質の劣化を伴うことなく、高いコントラストを有する位相分布画像の生成を高速化することができる。
また、本発明の各実施例に係る可視化方法は、さらに、以下の特徴を有することが望ましい。
まず第1に、複数の第1の電子画像を取得する工程は、偏斜照明で第1の照明方向から照明された位相物体である被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、偏斜照明で第2の照明方向から照明された被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、第1の照明方向と第2の照明方向が、被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称であることが望ましい。
これにより、コントラストが反転した2枚の位相分布画像(第1の電子画像)を取得することができる。このため、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。なお、この点についての詳細な説明は、後述する。
一方、特許文献3及び特許文献4で開示される技術では、コントラストの反転した位相分布画像を得るためには、合焦位置から前後に同じ距離だけ対称にデフォーカスした位置で位相物体を撮像する必要がある。このため、特許文献3及び特許文献4で開示される技術では、原則として観察開始前に厳密な合焦作業が必要である。これに対して、本発明の各実施例に係る可視化方法では、厳密な合焦作業は不要である。通常の明視野観察では、位相物体は合焦位置では観察されず、合焦位置からのズレ量(デフォーカス量)に応じて位相物体にコントラストが生じる。このため、合焦作業は比較的負担の大きな作業である。従って、本発明の各実施例に係る可視化方法は、可視化作業の簡素化といった点でも効果的である。
第2に、本発明の各実施例に係る可視化方法は、被観察物体の複数の第1の電子画像を取得する工程の前に、被観察物体を、当該被観察物体の光学像を形成する結像光学系の焦点位置から、結像光学系の光軸方向にずらした位置に配置する工程を含むことが望ましい。
事前に位相分布画像を確認しながらデフォーカス量を調整することで、コントラストと解像度のバランスのとれた位相分布画像(第1の電子画像)が得られる。このため、高いコントラストで且つ良好な解像度を有する位相分布画像(第2の電子画像)の生成することができる。
また、この際、デフォーカス量は、微量として、撮像素子の画素サイズなどによって決まる焦点深度内に抑えることが望ましい。これにより、結像光学系の瞳関数に位相分布を発生させて波面収差を生じさせる一方で、被観察物体を通常の振幅物体として扱う蛍光観察では、観察像に与える影響を最小限に抑えることができる。従って、蛍光観察との併用、さらには、蛍光観察との同時実施も可能となる。
上述したように、位相物体を可視化するためには、位相物体を結像光学系の焦点位置からずらした位置に配置する必要があるが、通常、位相物体にはある程度の厚みがあるため、デフォーカス作業を明示的に行わなくても、位相物体は可視化され得る。しかしながら、コントラストと解像度のバランスのとれた位相分布画像を取得するため、及び、デフォーカス量を焦点深度内に抑えるためには、事前にデフォーカス量を調整することが望ましい。
なお、本発明の各実施例に係る可視化方法では、事前にデフォーカス量を調整した後は、デフォーカス量を固定した状態で複数の位相分布画像(第1の電子画像)が取得される点が、特許文献3及び特許文献4で開示される技術とは異なることに留意する。
第3に、第2の電子画像を生成する工程は、複数の第1の電子画像を差演算する工程を含むことが望ましい。
より具体的には、コントラストの反転した位相分布画像(第1の電子画像)を差演算することが望ましい。コントラストの反転した位相分布画像を差演算することで、位相物体のコントラストをより強調することができる。また、背景部分については、偏斜照明の照明方向に関わらずおよそ同じ像強度分布で可視化されるため、差演算により像強度分布が相殺されることになる。このため、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
以下、図1から図7を参照しながら、偏斜照明で異なる照明方向(特に、照明光学系の光軸に対して略対称な照明方向)から照明された被観察物体の複数の位相分布画像を用いて、高いコントラストを有する位相分布画像を生成し得ることについて説明する。
まず、デフォーカス状態で観察することで位相物体を可視化し得ることについて説明する。
結像光学系を介して得られる被観察物体の像強度分布関数Iは、以下の式(1)で表されることが知られている。
I(x)=F−1[OTF(f)・OA(f)] ・・・(1)
ここで、xはx方向の空間座標を、fはx方向の空間周波数を、OTFは結像光学系の光伝達関数(OTF: Optical Transfer Function)を、OAは被観察物体の振幅分布のフーリエ変換を示している。また、F−1[]は逆フーリエ変換を示す演算子である。
光伝達関数(OTF)は、結像光学系の結像性能を示す関数であり、コントラストの低下率を示す変調伝達関数(MTF: Modulation Transfer Function)と、位相のずれ具合を示す位相伝達関数(PTF: Phase Transfer Function)を用いて、以下の式(2)で表される。
OTF(f)=MTF(f)・exp(2πi・PTF(f)) ・・・(2)
従って、像強度分布関数Iは、式(1)及び式(2)から、式(3)のように表される。
I(x)=F−1[MTF(f)・exp(2πi・PTF(f))・OA(f)]
・・・(3)
さらに、被観察物体が位相物体であってその位相分布が小さい場合には、像強度分布関数Iは、近似的に式(4)で表される。
I(x)=F−1[MTF(f)・2πi・PTF(f)・OP(f)]+BGC
・・・(4)
ここで、OP(f)は位相物体の位相分布のフーリエ変換であり、BGCは位相物体を透過した0次光成分による像のバックグランド成分である。
式(4)から明らかなように、被観察物体が位相物体であるとき、PTFが0になる場合には、位相物体は背景に対してコントラストを有さず、PTFが値を有する場合にのみ、位相物体は背景に対してコントラストを有する。PTFは、理想的な光学系の合焦状態では0になるが、デフォーカス状態では、瞳面で波面収差が生じるため、値を有することになる。従って、位相物体が合焦位置にあるときには位相物体が可視化されないが、デフォーカス状態で観察することで位相物体を可視化することができる。
また、背景に対するコントラストがMTFとPTFの積をパラメータとして決定されることも、式(4)から明らかである。
次に、図1から図6を参照しながら、異なる照明方向の偏斜照明により、コントラストが反転した位相分布画像(第1の電子画像)を得られることについて説明する。
図1は、偏斜照明で第1の照明方向から被観察物体を照明する偏斜照明方法を説明するための図である。図1(a)は、照明光学系と偏斜照明手段の側面概略図である。図1(b)は、偏斜照明手段の上面図である。
図1(a)に例示されるように、照明光学系を構成するコンデンサレンズ2の瞳位置に配置される偏斜照明手段3を用いることで、コンデンサレンズ2の焦点位置に配置された位相物体1を偏斜照明で照明することができる。より具体的には、偏斜照明手段3は、図1(b)に例示されるように、開口3aを有する遮光部材3bで構成されていて、開口3aを光軸AXに対して偏心した位置に設けることで、特定の方向から特定の照明角(厳密には、照明角は開口の幅に応じて特定の範囲を有する。)の光で照明する偏斜照明を実現することができる。なお、図1(a)及び図1(b)では、Xマイナス方向から照明角θ1で照明する第1の照明方向の偏斜照明が例示されている。
図2及び図3は、偏斜照明で第1の照明方向から被観察物体を照明したときの結像光学系の結像特性を示す図である。図2(a)は、結像光学系のX方向のMTFを示し、図2(b)は、結像光学系のX方向のPTFを示し、図2(c)は、結像光学系のY方向のMTFを示し、図2(d)は、結像光学系のY方向のPTFを示し、図3は、結像光学系のX方向のMTFとX方向のPTFの積を示している。
図2(a)及び図2(c)に例示されるように、第1の照明方向の偏斜照明では、結像光学系のY方向のMTFは空間周波数0を中心に対称な形状を有するのに対して、結像光学系のX方向のMTFは空間周波数0に対して非対称な形状を有している。より具体的には、結像光学系のX方向のMTFは、空間周波数のプラス方向に偏り、且つ、正負でカットオフ周波数が異なっている。
また、上述したようにデフォーカス状態では結像光学系のPTFは値を有するが、図2(b)及び図2(d)に例示されるように、第1の照明方向の偏斜照明では、デフォーカスにより生じる結像光学系のY方向のPTFは空間周波数0を中心に対称な形状を有するのに対して、デフォーカスにより生じる結像光学系のX方向のPTFは空間周波数0に対して非対称な形状を有している。より具体的には、結像光学系のX方向のPTFは空間周波数のプラス方向に偏っている。
従って、図3に例示されるように、結像光学系のX方向のMTFとPTFの積も、空間周波数のプラス方向に偏った、正負で空間周波数範囲の異なる、空間周波数0に対して非対称な形状を有することになる。
図4は、偏斜照明で第2の照明方向から被観察物体を照明する偏斜照明方法を説明するための図である。図4(a)は、照明光学系と偏斜照明手段の側面概略図である。図4(b)は、偏斜照明手段の上面図である。
図4(a)及び図4(b)では、図1(a)及び図1(b)と異なり、開口3aが光軸AXに対してXプラス方向に偏心した位置に設けられている。より具体的には、図4(b)に例示される開口3aの位置と図1(b)に例示される開口3aの位置は、光軸AXに対して略対称である。これにより、図4(a)に例示されるように、位相物体1はXプラス方向から照明角θ1の光で照明されるため、光軸AXに対して第1の照明方向と略対称な第2の照明方向の偏斜照明を実現することができる。
図5及び図6は、偏斜照明で第2の照明方向から被観察物体を照明したときの結像光学系の結像特性を示す図である。図5(a)は、結像光学系のX方向のMTFを示し、図5(b)は、結像光学系のX方向のPTFを示し、図5(c)は、結像光学系のY方向のMTFを示し、図5(d)は、結像光学系のY方向のPTFを示し、図6は、結像光学系のX方向のMTFとX方向のPTFの積を示している。
第2の照明方向は光軸AXに対して第1の照明方向と略対称である。このため、図5(a)から図5(d)で例示される第2の照明方向の偏斜照明での結像光学系のPTF及びMTFと、図2(a)から図2(d)に例示される第1の照明方向の偏斜照明での結像光学系のPTF及びMTFとは、空間周波数0を軸として略対称な関係にある。従って、図6に例示される第2の照明方向の偏斜照明での結像光学系のX方向のMTFとPTFの積と、図3に例示される第1の照明方向の偏斜照明での結像光学系のX方向のMTFとPTFの積も、空間周波数0を軸として略対称な関係となる。
MTFとPTFの積は、上述したように、位相分布画像のコントラストを決定するパラメータである。このため、MTFとPTFの積が略対称な関係にある第1の照明方向からの偏斜照明と第2の照明方向からの偏斜照明では、得られる位相分布画像のコントラストも略反転している。すなわち、偏斜照明の照明方向を光軸に対して略対称とすることで、コントラストが反転した位相分布画像が得られることになる。
次に、図7を参照しながら、コントラストが反転した位相分布画像(第1の電子画像)を用いて、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)が生成できることについて説明する。
図7は、図3に例示されるMTFとPTFの積と図6に例示されるMTFとPTFの積とを差演算した結果を示す図である。
図7に例示されるように、第1の照明方向の偏斜照明で得られるMTFとPTFの積から、第2の照明方向の偏斜照明で得られるMTFとPTFの積を、差演算して得られるMTFとPTFの積は、原点に対して対称な奇関数となる。より具体的には、差演算の結果として得られるMTFとPTFの積は、演算前の2つのMTFとPTFの積の空間周波数範囲を包含し、且つ、より大きな値を有する奇関数であり、X方向にレリーフ状(微分像)のコントラストを有する像強度分布が得られる。
また、第1の照明方向の偏斜照明で得られる像強度分布から第2の照明方向の偏斜照明で得られる像強度分布を差演算すると、式(4)に含まれるバックグランド成分(BGC)が取り除かれる。従って、差演算により得られる位相分布画像(第2の電子画像)は、X方向にレリーフ状のコントラストを有する像強度分布のみを有する画像となる。
以上のように、偏斜照明で異なる照明方向(特に、照明光学系の光軸に対して略対称な照明方向)から照明することで、コントラストが略反転した位相分布画像(第1の電子画像)を得ることが可能である。さらに、コントラストが略反転した位相分布画像を演算(特に、差演算)することで、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
また、図7に例示されるように、偏斜照明で異なる照明方向から照明して得られた位相分布画像を用いることで、一定の方向から照明して得られた位相分布画像よりも、広い空間周波数範囲を再現することができる。
また、差演算により得られる位相分布画像(第2の電子画像)は、被観察物体の位相分布を微分して得られる微分像である。位相分布画像(第2の電子画像)の空間周波数を用いて、デコンボリューション処理を行うことで、被観察物体の位相分布に比例した像強度分布を得ることができる。このようなデコンボリューション処理については、ISHIWATA Hiroshi, ITOH Masahide, YATAGAI Toyohiko, 「A new method of three-dimensional measurement by differential interference contrast microscope」, Opt. Commun, 2006年4月1日, Vol.260, No.1, pp.117-126で開示されている。従って、被観察物体の位相分布を求めることができる。
以下、図面を参照しながら、上記方法を実施する可視化装置ついて各実施例で説明する。
図8は、本実施例に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。図9は、図8に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明手段の上面図である。
図8に例示される顕微鏡装置10は、被観察物体である位相物体を可視化する可視化装置であり、光源11aとコレクタレンズ11bを含む光源ユニット11と、光源11aからの光を位相物体13である生体標本に導くコンデンサレンズ12aを含む照明光学系12と、位相物体13の光学像を像面上に形成する結像光学系14と、像面に配置された撮像素子15と、偏光子の制御等を行う制御装置16と、照明光学系12による偏斜照明の照明方向を制御する偏斜照明制御手段18と、を含んでいる。また、制御装置16には、撮像素子15から得られる位相物体13の複数の位相分布画像(第1の電子画像)を演算して、新たな位相分布画像(第2の電子画像)を生成する演算装置16aが含まれている。
なお、演算装置16aは、制御装置16の外部に独立して配置され、画像の演算を行うものとしてもよい。
さらに、顕微鏡装置10は、制御装置16の演算装置16aにより生成された位相分布画像(第2の電子画像)を表示する表示装置17を含んでいる。結像光学系14は、対物レンズ14aを含んでいて、位相物体13に対して結像光学系14の焦点位置をずらして配置されている。
図8に例示されるように、偏斜照明制御手段18は、照明光学系12(コンデンサレンズ12a)の瞳位置近傍に配置されている開口を有する偏斜照明手段19と、第1の偏光方向の光を透過する第1の偏光子である偏光子20aと、第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の光を透過する第2の偏光子である偏光子20bと、光の偏光方向を制御する偏光方向制御手段である偏光子21と、を含んでいる。偏光子21は、光源11と偏光子20a及び偏光子20bとの間に、光軸AXと平行な回転軸周りに回転可能に配置されている。また、偏光子20aと偏光子20bは、照明光学系12の光軸AXに対して略対称な位置に配置されている。ここで、偏光子20a、20b、21としてフィルム型の偏光板等が好適に用いられる。
図9に例示されるように、偏斜照明手段19は、開口19aと開口19bと遮光部材19cとからなり、開口19aと開口19bは、光軸AXに対して対称な位置に配置されている。
図8及び図9に例示されるように、開口19a上に偏光子20aが配置されていて、開口19b上に偏光子20bが配置されている。また、偏光子21は開口19aと開口19bの両方の上に配置されている。
以上のように構成された顕微鏡装置10では、偏光子20aと偏光子20bと偏光子21は偏光シャッターとして機能する。このため、偏斜照明手段19と偏光シャッターからなる偏斜照明制御手段18は、偏光子21の回転を制御することで偏光シャッターを動作させて、偏斜照明手段19からの偏斜照明の方向を制御することができる。従って、顕微鏡装置10によれば、偏斜照明制御手段18により異なる照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像を取得することができる。
具体的には、まず、偏光子21を回転させて、偏光子20aが透過する偏光方向(第1の偏光方向)と偏光子21が透過する偏光方向を一致させて、偏光子20bが透過する偏光方向(第2の偏光方向)と偏光子21が透過する偏光方向を直交させる。これにより、偏斜照明で開口19aからのみ位相物体13を照明する。換言すると、偏斜照明で第1の照明方向から位相物体13を照明する。
さらに、偏光子21を回転させて、偏光子20bが透過する偏光方向(第2の偏光方向)と偏光子21が透過する偏光方向を一致させて、偏光子20aが透過する偏光方向(第1の偏光方向)と偏光子21が透過する偏光方向を直交させる。これにより、偏斜照明で開口19bからのみ位相物体13を照明する。換言すると、偏斜照明で第2の照明方向から位相物体13を照明する。
このような偏斜照明の切り換え動作に連動して、顕微鏡装置10は、第1の照明方向から位相物体13が照明されている間に、撮像素子15から画像を取り込むことで、偏斜照明で第1の照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像を取得することができる。また、第2の照明方向から位相物体13が照明されている間に、撮像素子15から画像を取り込むことで、偏斜照明で第2の照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像を取得することができる。
なお、開口19aと開口19bが照明光学系12の光軸AXに対して略対称であるため、第1の照明方向と第2の照明方向は照明光学系12の光軸AXに対して略対称である。このため、上述したように、第1の照明方向と第2の照明方向で得られる位相分布画像のコントラストは略反転している。従って、得られた2枚の位相分布画像を制御装置16の演算装置16aが差演算することで、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
また、偏斜照明の照明方向は、偏光子21の回転により高速に切り換えることができる。従って、異なる照明方向の位相分布画像(第1の電子画像)を高速に取得することが可能であり、制御装置16の演算装置16aにより高速に高いコントラストを有する新たな位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
以上、本実施例に係る顕微鏡装置10によれば、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成することができる。また、本実施例に係る顕微鏡装置10では、偏斜照明の照明方向の切り換えを高速化しても、位相物体13に振動が生じるおそれが少ない。このため、画像生成の高速化に伴う画質の劣化も抑えることができる。また、図8に例示されるように、結像光学系14内には、光学素子等の追加は不要である。従って、結像光学系14の透過率を低下させることがないため、蛍光観察との併用に好適である。
さらに、位相分布画像の取得前に、デフォーカス量を調整してもよい。デフォーカス量を調整することによりコントラストと解像度のバランスのとれた位相分布画像を取得することができる。このため、顕微鏡装置10により得られる位相分布画像のコントラストと解像度のバランスを改善することができる。また、デフォーカス量を焦点深度内に抑えることで、蛍光観察との併用または同時観察を良好な性能で実現することができる。また、デフォーカス量を調整することで予め得られる空間周波数範囲が特定できる。このため、この空間周波数範囲を用いてデコンボリューション処理を行うことにより、差演算により得られるレリーフ状のコントラストを有する画像(微分画像)ではなく、位相物体13の位相分布に対応した像強度分布を有する画像を生成することができる。
なお、位相物体13である生体標本の厚みを考慮すると、デフォーカス量の調整は必須の作業ではない。このため、高いコントラストを有する位相分布画像をより簡単な操作で生成することが可能であり、位相分布画像生成の作業工程を簡素化することができる。
また、図8では、偏光子20aと偏光子20bと偏光子21とからなる偏光シャッターを例示しているが、特にこれに限られない。
例えば、偏光子を用いず、図1(b)の瞳位置に配置された開口パターンを回転させるものとしても良い。
また、偏光子21の代わりに偏光子と液晶素子からなる偏光方向を回転させる液晶デバイスを用いても良い。液晶デバイスを用いて、液晶デバイスから射出される光の偏光方向を、偏光子20aを透過する偏光方向(偏光子20bを透過する偏光方向)に対して平行または直交(直交又は平行)となるように制御することで、偏光子21を回転させる場合に比べて、さらに偏斜照明の照明方向の切り換えを高速化することができる。
また、例えば、偏光子20a、偏光子20b、及び偏光子21の代わりに交互に開口パターンを表示させる液晶表示装置を用いても良い。液晶表示装置を用いて、液晶表示装置に表示される開口パターンの位置を第1の位置(偏光子20aに相当する位置)と第2の位置(偏光子20bに相当する位置)で高速に切り換えることによっても、偏斜照明の照明方向を高速に切り換えることができる。
図10は、本実施例に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。図11は、図10に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明制御手段の上面図である。
図10に例示される顕微鏡装置30は、光源ユニット11の代わりにLED光源31を、偏斜照明制御手段18の代わりに偏斜照明制御手段38を含む点を除いて、図8に例示される顕微鏡装置10と同様である。このため、以降では、図8に例示される顕微鏡装置10と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図10及び図11に例示されるように、本実施例に係る顕微鏡装置30の偏斜照明制御手段38は、LED光源31と瞳位置近傍に配置された偏斜照明手段39とから構成されている。
図11に例示されるように、偏斜照明手段39は、開口39a(第1の開口)、開口39b(第2の開口)、開口39c(第3の開口)、開口39d(第4の開口)、及び遮光部材39eから構成されている。開口39aと開口39bはX軸と平行に、開口39cと開口39dはY軸と平行に、並べられていている。つまり、開口39aと開口39bの組み合わせと開口39cと開口39dの組み合わせは、互いに直交な方向に配置されている。また、開口39aと開口39b、及び、開口39cと開口39dは、それぞれ光軸AXに対して対称な位置に配置されている。
図11に例示されるように、LED光源31は、コンデンサレンズ12aの瞳位置近傍に配置された4つのLED光源(LED光源31a、LED光源31b、LED光源31c、LED光源31d)からなり、不図示の導光素子により瞳面を照明する。LED光源31a(第1の光源)は、瞳面上の開口39aを均一に照明し、LED光源31b(第2の光源)は、瞳面上の開口39bを均一に照明し、LED光源31c(第3の光源)は、瞳面上の開口39cを均一に照明し、LED光源31d(第4の光源)は、瞳面上の開口39dを均一に照明する。
以上のように構成された顕微鏡装置30では、LED光源31の発光制御により偏斜照明の照明方向を切り換えることができる。従って、顕微鏡装置30によれば、偏斜照明制御手段38により異なる照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像を取得することができる。
具体的には、LED光源31aを発光し、開口39aからのみ位相物体13を照明する。換言すると、偏斜照明で第1の照明方向から位相物体13を照明する。その後、LED光源31bを発光し、開口39bからのみ位相物体13を照明する。換言すると、偏斜照明で第2の照明方向から位相物体13を照明する。さらに、LED光源31cを発光し、開口39cからのみ位相物体13を照明する。換言すると、偏斜照明で第3の照明方向から位相物体13を照明する。さらに、LED光源31dを発光し、開口39dからのみ位相物体13を照明する。換言すると、偏斜照明で第4の照明方向から位相物体13を照明する。
このような偏斜照明の切り換え動作に連動して、顕微鏡装置30は、撮像素子15から画像を取り込むことで、偏斜照明で第1の照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像、偏斜照明で第2の照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像、偏斜照明で第3の照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像、及び、第4の照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像をそれぞれ別々に取得することができる。
なお、開口39aと開口39bが照明光学系12の光軸AXに対して略対称であるため、第1の照明方向と第2の照明方向は照明光学系12の光軸AXに対して略対称である。このため、上述したように、第1の照明方向と第2の照明方向で得られる位相分布画像のコントラストは略反転している。また、開口39cと開口39dが照明光学系12の光軸AXに対して略対称であるため、第3の照明方向と第4の照明方向も照明光学系12の光軸AXに対して略対称である。このため、第3の照明方向と第4の照明方向で得られる位相分布画像のコントラストも略反転している。従って、第1の照明方向と第2の照明方向、または、第3の照明方向と第4の照明方向から得られた位相分布画像を制御装置16の演算装置16aが差演算することで、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
また、制御装置16の演算装置16aによる差演算により生成される位相分布画像(第2の電子画像)は、レリーフ状のコントラストを有する画像(微分画像)であり、そのレリーフの方向は、照明方向によって変化する。具体的には、第1の照明方向と第2の照明方向で得られる位相分布画像(第1の電子画像)の差演算により生成された位相分布画像(第2の電子画像)と、第3の照明方向と第4の照明方向で得られる位相分布画像(第1の電子画像)の差演算により生成された位相分布画像(第2の電子画像)で、レリーフの方向は直交している。従って、位相物体13の位相分布に方向性がある場合などには、偏斜照明の方向を選択することで、観察する上でより好ましい位相分布画像を得ることができる。
さらに、第1の照明方向と第2の照明方向で得られる位相分布画像(第1の電子画像)の差演算により生成されたレリーフ状のコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)と、第3の照明方向と第4の照明方向で得られる位相分布画像(第1の電子画像)の差演算により生成されたレリーフ状のコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)とを合成することで、任意の方向にレリーフ状のコントラストを有する位相分布画像を生成することができる。従って、観察する上でより好ましい位相分布画像を得ることができる。
また、偏斜照明の照明方向は、LED光源31の発光制御により高速に切り換えることができる。従って、異なる照明方向の位相分布画像(第1の電子画像)を高速に取得することが可能であり、制御装置16の演算装置16aにより高速に高いコントラストを有する新たな位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
以上、本実施例に係る顕微鏡装置30によれば、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様に、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成することができる。また、本実施例に係る顕微鏡装置30では、切り換え動作に機械的な駆動は伴わない。このため、偏斜照明の照明方向の切り換えを高速化しても、位相物体13に振動が生じるおそれがなく、画像生成の高速化に伴う画質の劣化も生じない。また、図10に例示されるように、結像光学系14内には、光学素子等の追加は不要である。従って、結像光学系14の透過率を低下させることがないため、蛍光観察との併用に好適である。
その他、位相分布画像の取得前にデフォーカス量を調整することで、位相分布画像のコントラストと解像度のバランスを改善することができる点、デフォーカス量を焦点深度内に抑えることで、蛍光観察との併用または同時観察を良好な性能で実現することができる点、デコンボリューション処理を行うことで、位相物体13の位相分布に対応した像強度分布を有する画像を生成することができる点については、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様である。また、デフォーカス量の調整は必須の作業ではなく、これにより、位相分布画像生成の作業工程を簡素化することができる点も、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様である。
また、図10では、偏斜照明制御手段38が4つの照明方向からの偏斜照明を制御する例を示したが、特にこれに限られない。開口及びLED光源をさらに増やして、偏斜照明制御手段38は、6つ以上の照明方向からの偏斜照明を制御してもよい。
図12は、本実施例に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。図13は、図12に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明手段の上面図である。図14は、図12に例示される顕微鏡装置に含まれるカラーCCDの構成を例示した図である。
図12に例示される顕微鏡装置40は、撮像素子15の代わりにカラーCCD45を、偏斜照明制御手段18の代わりに偏斜照明制御手段48を含む点を除いて、図8に例示される顕微鏡装置10と同様である。このため、以降では、図8に例示される顕微鏡装置10と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図12に例示されるように、本実施例に係る顕微鏡装置40の偏斜照明制御手段48は、瞳位置近傍に配置された偏斜照明手段49と、青色の波長域(第1の波長域)の光を透過するカラーフィルタ50aと、赤色の波長域(第2の波長域)の光を透過するカラーフィルタ50bから構成されている。
なお、カラーフィルタ50aは、カラーCCD45に含まれる青色フィルタと略同帯域または狭帯域の分光特性を有するバンドパスフィルタであることが望ましい。同様に、カラーフィルタ50bは、カラーCCD45に含まれる赤色フィルタと略同帯域または狭帯域の分光特性を有するバンドパスフィルタであることが望ましい。
図13に例示されるように、偏斜照明手段49は、開口49aと開口49bと遮光部材49cとからなり、開口49aと開口49bは、光軸AXに対して対称な位置に配置されている。
図12及び図13に例示されるように、開口49a上にカラーフィルタ50aが配置されていて、開口49b上にカラーフィルタ50bが配置されている。
以上のように構成された顕微鏡装置40では、単板式や3板式のカラーCCD45を用いることで、偏斜照明制御手段48により異なる照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像を各色フィルタに対応した画素からの情報を取り出すことで取得することができる。
具体的には、カラーCCD45として、図14(a)に例示されるような単板式カラーCCD51を用いる場合、単板式カラーCCD51には、青色の波長域の光を検出する複数の画素B、赤色の波長域の光を検出する複数の画素R、緑色の波長域の光を検出する複数の画素Gが設けられている。このため、青色の波長域の光による第1の照明方向からの偏斜照明と赤色の波長域の光による第2の照明方向からの偏斜照明で位相物体13を同時に照明しながら、単板式カラーCCD51により、第1の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像と、第2の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像とを、照明光の波長域の違いを利用して、それぞれ別々に取得することができる。
なお、単板式カラーCCD51の画素の配列としては、図14(a)に例示されるように、緑色の画素が赤色または青色の画素の2倍設けられているベイヤー配列が一般的である。青色と赤色の波長域の光で位相物体13を照明してベイヤー配列を有する単板式カラーCCD51で光を検出する場合、それぞれ単板式カラーCCD51の全画素の1/4の画素で光が検出される。従って、補間演算により全画素分のデータが生成されるが、検出に使用される画素数が少ないため生成される位相分布画像(第1の電子画像)の画像情報も減少してしまう。
この点を考慮して、単板式カラーCCD51を用いる場合には、カラーフィルタ50a、カラーフィルタ50bの代わりに、それぞれ、緑色の波長域の光を透過するカラーフィルタ50c、青色と赤色の波長域を含むマゼンダ波長域の光を透過するカラーフィルタ50dを用いても良い。これにより、緑色の波長域の光による第1の照明方向からの偏斜照明と赤色及び青色の波長域の光による第2の照明方向からの偏斜照明で位相物体13を同時に照明しながら、単板式カラーCCD51により、第1の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像と、第2の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像とを、照明光の波長域の違いを利用して、それぞれ別々に取得することができる。この場合、カラーフィルタ50a及びカラーフィルタ50bを用いて取得する場合に比べて、2倍の画素で光を検出することができるため、より情報量の大きい位相分布画像(第1の電子画像)を得ることができる。
また、カラーCCD45として、図14(b)に例示されるような3板式カラーCCD52を用いる場合、3板式カラーCCD52には、入射光を赤色、青色、緑色の波長域の光に波長分離するダイクロイックプリズム53と、分離された各波長域の光を検出する3つのCCD(赤色用CCD54a、緑色用CCD54b、青色用CCD54c)が設けられている。このため、青色の波長域の光による第1の照明方向からの偏斜照明と赤色の波長域の光による第2の照明方向からの偏斜照明で位相物体13を同時に照明しながら、照明光の波長域の違いを利用して、青色用CCD54cにより第1の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像を、赤色用CCD54aにより第2の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像を、それぞれ別々に取得することができる。
なお、開口49aと開口49bが照明光学系12の光軸AXに対して略対称であるため、第1の照明方向と第2の照明方向は照明光学系12の光軸AXに対して略対称である。このため、上述したように、第1の照明方向と第2の照明方向で得られる位相分布画像のコントラストは略反転している。従って、第1の照明方向と第2の照明方向から得られた位相分布画像を制御装置16の演算装置16aが差演算することで、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
また、顕微鏡装置40では、偏斜照明の照明方向の切り換え動作は必要ない。従って、異なる照明方向の位相分布画像(第1の電子画像)を高速に取得することが可能であり、制御装置16の演算装置16aにより高速に高いコントラストを有する新たな位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
以上、本実施例に係る顕微鏡装置40によれば、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様に、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成することができる。また、本実施例に係る顕微鏡装置40では、切り換え動作は不要である。このため、位相物体13に振動が生じるおそれがなく、画像生成の高速化に伴う画質の劣化も生じない。また、図12に例示されるように、結像光学系14内には、光学素子等の追加は不要である。従って、結像光学系14の透過率を低下させることがないため、蛍光観察との併用に好適である。
その他、位相分布画像の取得前にデフォーカス量を調整することで、位相分布画像のコントラストと解像度のバランスを改善することができる点、デフォーカス量を焦点深度内に抑えることで、蛍光観察との併用または同時観察を実現することができる点、デコンボリューション処理を行うことで、位相物体13の位相分布に対応した像強度分布を有する画像を生成することができる点については、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様である。また、デフォーカス量の調整は必須の作業ではなく、これにより、位相分布画像生成の作業工程を簡素化することができる点も、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様である。
図15は、本実施例に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。図16は、図15に例示される顕微鏡装置に含まれる偏光カメラの構成を例示した図である。図17は、図15に例示される顕微鏡装置に含まれる偏斜照明手段の上面図である。
図15に例示される顕微鏡装置60は、撮像素子15の代わりに偏光カメラ65を、偏斜照明制御手段18の代わりに偏斜照明制御手段68を含む点を除いて、図8に例示される顕微鏡装置10と同様である。このため、以降では、図8に例示される顕微鏡装置10と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図15に例示されるように、本実施例に係る顕微鏡装置60の偏斜照明制御手段68は、瞳位置近傍に配置された偏斜照明手段69と、第1の偏光方向の光を透過する第1の偏光子である偏光子70aと、第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の光を透過する第2の偏光子である偏光子70bと、を含んでいる。偏斜照明制御手段68では、実施例1の偏斜照明制御手段18と異なり、光軸AXと平行な回転軸周りに回転可能に配置された偏光子21は省略されている。
図16に例示されるように、偏光カメラ65は、偏光方向(図16の矢印の方向)が45°ずつ異なる4つの偏光子が2×2に並ぶ4つの画素がそれぞれ4つの偏光方向に対応した光を検出するように、繰り返し配置された複数の画素からなる撮像素子であり、例えば、川上彰次郎、「積層型フォトニック結晶の産業的諸応用」、応用物理、第77巻、第5号に開示されている。ここでは、偏光カメラ65は、偏光カメラ65の4つの偏光子が透過する偏光方向のうち2つの偏光方向を、偏光子70aを透過する偏光方向と偏光子70bを透過する偏向方向に一致させて配置されている。
図17に例示されるように、偏斜照明手段69は、開口69aと開口69bと遮光部材69cとからなり、開口69aと開口69bは、光軸AXに対して対称な位置に配置されている。
図15及び図17に例示されるように、開口69a上に偏光子70aが配置されていて、開口69b上に偏光子70bが配置されている。
以上のように構成された顕微鏡装置60では、偏光カメラ65を用いることで、偏斜照明制御手段68により異なる照明方向から照明された位相物体13の位相分布画像を取得することができる。
具体的には、顕微鏡装置60は、開口69aを通過した第1の偏光方向の光による第1の照明方向からの偏斜照明と開口69bを通過した第2の偏光方向の光による第2の照明方向からの偏斜照明で位相物体13を同時に照明しながら、偏光カメラ65により、第1の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像と、第2の照明方向から偏斜照明で照明された位相物体13の位相分布画像とを、照明光の偏光方向の違いを利用して、それぞれ別々に取得することができる。
なお、開口69aと開口69bが照明光学系12の光軸AXに対して略対称であるため、第1の照明方向と第2の照明方向は照明光学系12の光軸AXに対して略対称である。このため、上述したように、第1の照明方向と第2の照明方向で得られる位相分布画像のコントラストは略反転している。従って、第1の照明方向と第2の照明方向から得られた位相分布画像を制御装置16の演算装置16aが差演算することで、より高いコントラストを有する位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
また、顕微鏡装置60では、偏斜照明の照明方向の切り換え動作は必要ない。従って、異なる照明方向の位相分布画像(第1の電子画像)を高速に取得することが可能であり、制御装置16の演算装置16aにより高速に高いコントラストを有する新たな位相分布画像(第2の電子画像)を生成することができる。
以上、本実施例に係る顕微鏡装置60によれば、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様に、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成することができる。また、本実施例に係る顕微鏡装置60では、切り換え動作は不要である。このため、位相物体13に振動が生じるおそれがなく、画像生成の高速化に伴う画質の劣化も生じない。また、図15に例示されるように、結像光学系14内には、光学素子等の追加は不要である。従って、結像光学系14の透過率を低下させることがないため、蛍光観察との併用に好適である。
その他、位相分布画像の取得前にデフォーカス量を調整することで、位相分布画像のコントラストと解像度のバランスを改善することができる点、デフォーカス量を焦点深度内に抑えることで、蛍光観察との併用または同時観察を実現することができる点、デコンボリューション処理を行うことで、位相物体13の位相分布に対応した像強度分布を有する画像を生成することができる点については、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様である。また、デフォーカス量の調整は必須の作業ではなく、これにより、位相分布画像生成の作業工程を簡素化することができる点も、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様である。
なお、上述した実施例1から実施例4では、位相物体の一例として、生体標本を例示しているが、特にこれに限らない。例えば、表面に微小な段差を有する金属は、表面の段差により生じる光路長差によって、光に位相差を生じさせる。このため、段差を有する金属も位相物体とみなすことができる。従って、特に明示する場合を除き、本明細書中の“位相物体”には、位相物体とみなすことができるものを含むものとする。
図18は、本実施例に係る顕微鏡装置の構成を例示した図である。図19は、図18に例示される顕微鏡装置による観察に用いられるマルチウェルプレートを例示した図である。図19(a)は、マルチウェルプレートの斜視図であり、図19(b)は、マルチウェルプレートの断面図である。
図18に例示される顕微鏡装置80は、位相物体13を上方から照明し位相物体13を下方から観察する倒立顕微鏡として構成されている点、被観察物体である位相物体13が図19(a)及び図19(b)に例示されるマルチウェルプレート81の培養液83中で培養されている点を除いて、図8に例示される顕微鏡装置10と同様である。このため、以降では、図8に例示される顕微鏡装置10と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例で用いられるマルチウェルプレート81は、図19(a)に例示されるように、ウェル82と呼ばれる小さな容器を複数備えた構造を有している。また、図19(b)に例示されるように、マルチウェルプレート81の各ウェル82には、培養液83に浸した位相物体13が配置されている。マルチウェルプレート81のような培養容器で培養された位相物体を被観察物体とする場合も、スライド標本(プレパラート)として準備された位相物体や段差を有する金属などを被観察物体とする場合と同様に、偏斜照明を用いた上述した方法により可視化することができる。従って、本実施例に係る顕微鏡装置80によっても、実施例1に係る顕微鏡装置10と同様に、高いコントラストを有する位相分布画像を高速に生成することができる。
なお、本実施例では、培養容器としてマルチウェルプレートを例示したが、培養容器はマルチウェルプレートに限定されるものではなく、例えば、シャーレ(ディッシュともいう。)であってもよい。
ところで、スライド標本を偏斜照明で照明して観察する場合、主に、上述したように位相物体内の微細構造で回折した光が背景に対するコントラストを生じさせることにより位相物体が可視化される。これに対して、本実施例で例示されるように培養容器に培養された位相物体を偏斜照明で照明して観察する場合は、微細構造で生じる回折光に加えて、位相物体と培養液の境界で屈折した光も位相物体の可視化に寄与する。なお、スライド標本では、細胞を固定する媒質が細胞に近い屈折率であること、細胞が生きているときのような形状を保てないこと等の理由により、細胞と媒質の境界での光の屈折は極微弱となる。このため、屈折した光は生じず、回折光のみが生じるとみなすことができる。
また、回折光による像の形成では、上述したようにPTFとMTFの積がコントラストを決定するパラメータとなっており、位相のずれ具合を示すPTFがMTFと同様に像形成に寄与しているのに対して、輪郭像の形成では、光学系のPTFの影響は限定的である。輪郭像の形成では、MTFの影響が支配的であり、MTFは、細胞と培養液との境界での屈折力と光学系に投下される光の強度に依存する。
一般に、MTF及びPTFは、照明光学系内に配置する開口の位置と形状によって変化する。このため、開口の位置と形状を調整することで、位相物体の像強度分布を変化させることができる。以下、より好ましい開口の位置と形状について具体的に説明する。
図20は、開口の位置が異なる偏斜照明手段を例示した図である。図20(a)には、光軸AX、つまり、瞳中心から比較的近い位置に形成された開口AP1を有する偏斜照明手段84が例示されている。図20(b)には、瞳中心から比較的離れた位置に形成された開口AP2を有する偏斜照明手段85が例示されている。
図21は、図20に例示される偏斜照明手段を使用して被観察物体を照明したときの結像光学系のMTFを示す図である。図21(a)には、図20(a)に例示される偏斜照明手段84を使用して被観察物体を照明したときの結像光学系のMTFが示されている。図21(b)には、図20(b)に例示される偏斜照明手段85を使用して被観察物体を照明したときの結像光学系のMTFが示されている。
図22は、図21に例示されるMTFとそれと対称なMTFとを差演算した結果を示す図である。図22(a)には、図21(a)に例示されるMTFとそれと対称なMTFとを差演算した結果が示されている。図22(b)には、図21(b)に例示されるMTFとそれと対称なMTFとを差演算した結果が示されている。
図21(a)及び図21(b)に示されるように、開口AP1を有する偏斜照明手段84を用いることで、開口AP2を有する偏斜照明手段85を用いる場合と比較して、MTFは空間周波数0に対して対称に近い形状を示す。このため、図21(a)及び図21(b)に示されるMTFと略対称な方向から照明して得られるMTFとの差分を取ると、図22(a)及び図22(b)に示されるように、開口AP1を有する偏斜照明手段84を用いた場合の方が、開口AP2を有する偏斜照明手段85を用いた場合に比べて、応答のない低周波領域Nが広くなる。
従って、細胞と培養液との境界で生じる屈折光が空間周波数の低い領域に相当することを考慮すると、本実施例で例示されるような培養容器で培養されている位相物体を観察する場合には、偏斜照明手段19は、瞳中心からある程度離れた位置に形成された開口19a及び開口19bを有することが望ましい。
より具体的には、図23に例示されるように、結像光学系14の瞳において、以下の条件式を満たすことが望ましい。
0.4≦d/r ・・・(5)
ここで、dは、結像光学系14の瞳Pの中心と偏斜照明手段19の複数の開口(開口19a、開口19b)が結像光学系14の瞳位置に投影された複数の開口像(開口像14b、開口像14c)の各々の瞳Pの中心に最も近い開口端(以降、内側開口端と記す。)との距離である。即ち、結像光学系14の瞳Pの中心と結像光学系14の瞳Pの中心に最も近い位置に入射する光が結像光学系14の瞳Pを通過する位置との距離である。rは、結像光学系14の瞳半径である。
また、開口像の幅(図23のx方向の長さ)が狭い場合には、特定の周波数領域については良好な応答性能を示すが、高周波領域で良好な応答性能が得られない。このため、細胞(位相物体)内の微細構造を高解像に可視化するためには、偏斜照明手段19は、スリット幅の広い開口19a及び開口19bを有することが望ましい。
より具体的には、図23に例示されるように瞳Pの中心から瞳半径rだけ離れた位置、または、瞳半径rよりもさらに離れたに位置に、開口像14b及び開口像14cの瞳中心に最も遠い開口端(以降、外側開口端と記す。)が形成されることが望ましい。
以上のように、本実施例で例示されるような培養容器で培養されている位相物体を観察する場合には、偏斜照明手段19は、開口像の内側開口端が結像光学系14の瞳中心から0.4r以上(rは瞳半径)離れて位置し、且つ、開口像の外側開口端が結像光学系14の瞳中心からr以上離れて位置するような開口を有することが望ましい。即ち、瞳中心からある程度離れた位置にあり、且つ、アスペクト比が高すぎない形状を有する開口が望ましい。このような開口を有する偏斜照明手段を用いることで、培養容器で培養されている位相物体を観察する場合であっても、偏斜照明により得られる輪郭像と位相分布画像(回折像)の両方で高いコントラストを実現することができる。
なお、培養容器を用いて位相物体を観察する場合、図19(b)に例示されるように、培養液の液面が表面張力により凹面に変形する点に留意する必要がある。凹面に変形した液面は、照明光に対して凹レンズのように作用する。このため、位相差顕微鏡では、照明光学系内のリングスリットと結像光学系内の位相膜との共役関係が乱れ、ひいては、位相差分布画像が劣化する。このような変形は、マルチウェルプレート、特に、ウェル数が96個ある96穴マルチウェルプレートのようにウェル径が小さなマルチウェルプレートで顕著であり、従って、マルチウェルプレートを用いた観察では、位相差顕微鏡により良好な位相分布画像を得ることは難しい。これに対して、本実施例に係る顕微鏡装置80では、以下に詳述するように、液面が凹面に変形した場合であっても、劣化が抑制された良好な位相分布画像を得ることができる。
本実施例に係る顕微鏡装置80では、培養液の液面が凹面である場合には、液面の凹レンズ作用により、液面が平面である場合と比較して、偏斜照明手段19の開口19a及び開口19bが、結像光学系14の瞳位置に縮小投影される。しかしながら、上述したように開口像は瞳の周辺部分に投影されるように設計されるため、顕微鏡装置80では、予め縮小投影されることを考慮して、縮小投影の前後にわたって上式(5)を満たすように偏斜照明手段19に開口19を形成することができる。
具体的には、図24に例示されるように、液面が平面である場合には結像光学系14の瞳面に開口像14dが投影され、且つ、液面が凹面であり縮小投影される場合には開口像14eが投影されるように、偏斜照明手段19の開口19aを形成すればよい。このように、液面が平面である場合に外側開口端が瞳からはみ出して投影されるように開口を形成することで、凹レンズ作用により開口像が瞳の中心に向って移動しても、上記(5)を満たすことができる。
また、偏斜照明手段19に開口の形状を調整する機構を設けて、マルチウェルプレートのウェル径に合わせて開口の形状を調整してもよい。このような機構によっても、上記(5)を満たすことができる。
さらに、本実施例に係る顕微鏡装置80では、液面の凹レンズ作用により、開口像が結像光学系14の瞳面から光軸方向にずれた位置に投影される。しかしながら、このような開口像の光軸方向へのずれは、偏斜照明手段19を光軸方向に移動可能に構成することで抑制することが可能である。
なお、マルチウェルプレートのような培養容器で培養された位相物体を観察するための顕微鏡装置は、本実施例に係る顕微鏡装置80に限られず、実施例1から実施例4のいずれの顕微鏡装置によっても同様に観察することができる。また、式(5)で示した開口像の条件式は、培養容器で培養された位相物体を観察する場合に限られず、スライド標本などの他の標本を観察する場合であっても満足することが望ましい。これは、細胞内には微細構造の他に緩やかに形状が変化する構造も存在し、この様な構造で回折する光は、培養容器で培養された位相物体の境界面で屈折する光と同様に、MTFの影響も大きく受けるからである。
また、上述した実施例1から実施例5では、顕微鏡の一例として、透過型顕微鏡を例示しているが、特にこれに限らない。明細書により開示される技術は、例えば、落射型顕微鏡に適用してもよい。特に、上記金属を可視化する場合には、落射型顕微鏡に適用することが望ましい。
また、上述した実施例1から実施例5では、位相物体を可視化する装置の一例として、顕微鏡を例示しているが、特にこれに限られない。本明細書により開示される技術は、例えば、検査装置などの他の装置に適用してもよく、位相物体を可視化する任意の可視化装置に適用することができる。
また、上述した実施例1から実施例5では、矩形形状の開口を例示しているが、特にこれに限られない。任意の形状の開口を用いても良く、例えば、開口は円形形状であっても、台形形状であっても良い。また、光軸に対して同心円状に開口を形成してもよい。
1、13・・・位相物体、2、12a・・・コンデンサレンズ、3、19、39、49、69、84、85・・・偏斜照明手段、3a、19a、19b、39a、39b、39c、39d、49a、49b、69a、69b、AP1、AP2・・・開口、3b、19c、39e、49c、69c・・・遮光部材、10、30、40、60、80・・・顕微鏡装置、11・・・光源ユニット、11a・・・光源、11b・・・コレクタレンズ、12・・・照明光学系、14・・・結像光学系、14a・・・対物レンズ、14b、14c、14d、14e・・・開口像、15・・・撮像素子、16・・・制御装置、16a・・・演算装置、17・・・表示装置、18、38、48、68・・・偏斜照明制御手段、20a、20b、21、70a、70b・・・偏光子、31、31a、31b、31c、31d・・・LED光源、45・・・カラーCCD、50a、50b・・・カラーフィルタ、51・・・単板式カラーCCD、52・・・3板式カラーCCD、53・・・ダイクロイックプリズム、54a、54b、54c・・・CCD、65・・・偏光カメラ、81・・・マルチウェルプレート、82・・・ウェル、83・・・培養液、AX・・・光軸

Claims (17)

  1. 被観察物体を偏射照明で照明して、異なる照明方向から照明された前記被観察物体の複数の第1の電子画像を取得する工程と、
    前記複数の第1の電子画像を演算して、第2の電子画像を生成する工程と、を含む
    ことを特徴とする可視化方法。
  2. 請求項1に記載の可視化方法において、
    前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、
    偏射照明で第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、
    偏射照明で第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、
    前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称である
    ことを特徴とする可視化方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の可視化方法において、
    前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、
    dを結像光学系の瞳中心と前記結像光学系の瞳中心に最も近い位置に入射する光が前記結像光学系の瞳を通過する位置との距離とし、rを前記結像光学系の瞳半径とするとき、以下の条件式
    0.4≦d/r
    を満たすように前記被観察物体を偏射照明で照明する工程を含む
    ことを特徴とする可視化方法。
  4. 請求項3に記載の可視化方法において、さらに、
    前記複数の第1の電子画像を取得する工程の前に、前記被観察物体を、当該被観察物体の光学像を形成する結像光学系の焦点位置から、前記結像光学系の光軸方向にずらした位置に配置する工程を含む
    ことを特徴とする可視化方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の可視化方法において、
    前記第2の電子画像を生成する工程は、前記複数の第1の電子画像を差演算する工程を含む
    ことを特徴とする可視化方法。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の可視化方法において、
    前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、
    偏射照明で第1の照明方向から前記被観察物体を照明する工程と、
    偏射照明で第2の照明方向から前記被観察物体を照明する工程と、
    偏射照明で前記第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、
    偏射照明で前記第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、
    前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称である
    ことを特徴とする可視化方法。
  7. 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の可視化方法において、
    前記複数の第1の電子画像を取得する工程は、
    偏射照明で第1の照明方向と第2の照明方向から同時に前記被観察物体を照明する工程と、
    偏射照明で前記第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、
    偏射照明で前記第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を取得する工程と、を含み、
    前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記被観察物体を照明する照明光学系の光軸に対して略対称である
    ことを特徴とする可視化方法。
  8. 光源と、
    前記光源からの光を被観察物体に導く照明光学系と、
    前記被観察物体の光学像を像面上に形成する結像光学系と、
    前記像面に配置された撮像素子と、
    前記撮像素子から得られる前記被観察物体の複数の第1の電子画像を演算して、第2の電子画像を生成する演算装置と、
    前記照明光学系による偏射照明の照明方向を制御する偏射照明制御手段と、を含み、
    前記複数の第1の電子画像は、前記偏射照明制御手段により異なる照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像を含む
    ことを特徴とする可視化装置。
  9. 請求項8に記載の可視化装置において、
    前記複数の第1の電子画像は、
    第1の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像と、
    第2の照明方向から照明された前記被観察物体の第1の電子画像と、を含み、
    前記第1の照明方向と前記第2の照明方向は、前記照明光学系の光軸に対して略対称である
    ことを特徴とする可視化装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の可視化装置において、
    前記偏射照明制御手段は、
    前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、偏斜照明の照明角度を規定する複数の開口を有する偏射照明手段を含み、
    dを前記結像光学系の瞳中心と前記複数の開口が前記結像光学系の瞳位置に投影された複数の開口像の各々の瞳中心に最も近い開口端との距離とし、rを前記結像光学系の瞳半径とするとき、以下の条件式
    0.4≦d/r
    を満たすことを特徴とする可視化装置。
  11. 請求項10に記載の可視化装置において、
    前記結像光学系は、前記被観察物体に対して当該結像光学系の焦点位置をずらして配置される
    ことを特徴とする可視化装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の可視化装置において、
    前記演算装置は、前記複数の第1の電子画像を差演算して、前記第2の電子画像を生成する
    ことを特徴とする可視化装置。
  13. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の可視化装置において、
    前記偏射照明制御手段は、
    前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、開口を有する偏射照明手段と、
    前記開口上に配置された、第1の偏光方向の光を透過する第1の偏光子と、
    前記開口上に配置された、前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の光を透過する第2の偏光子と、
    前記光源と前記第1の偏光子及び前記第2の偏光子との間に、光の偏光方向を制御する偏光方向制御手段と、を含み、
    前記第1の偏光子と前記第2の偏光子は、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に配置される
    ことを特徴とする可視化装置。
  14. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の可視化装置において、
    前記偏射照明制御手段は、照明光学系の瞳位置近傍に配置された、少なくとも第1の開口と第2の開口を有する偏射照明手段を含み、
    前記第1の開口と前記第2の開口は、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に設けられ、
    前記光源は、
    前記第1の開口を照明する第1の光源と、
    前記第2の開口を照明する第2の光源と、を含む
    ことを特徴とする可視化装置。
  15. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の可視化装置において、
    前記偏射照明制御手段は、
    前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、開口を有する偏射照明手段と、
    前記開口上に配置された、第1の波長域の光を透過する第1の光学フィルタと、
    前記開口上に配置された、前記第1の波長域と異なる第2の波長域の光を透過する第2の光学フィルタと、を含み、
    前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタは、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に配置され、
    前記撮像素子は、
    前記第1の波長域の光を検出する複数の第1の画素と、
    前記第2の波長域の光を検出する複数の第2の画素と、を含む
    ことを特徴とする可視化装置。
  16. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の可視化装置において、
    前記偏射照明制御手段は、
    前記照明光学系の瞳位置近傍に配置された、開口を有する偏射照明手段と、
    前記開口上に配置された、第1の偏光方向の光を透過する第1の偏光子と、
    前記開口上に配置された、前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の光を透過する第2の偏光子と、を含み、
    前記第1の偏光子と前記第2の偏光子は、前記照明光学系の光軸に対して略対称な位置に配置され、
    前記撮像素子は、
    前記第1の偏光方向の光を検出する複数の第1の画素と、
    前記第2の偏光方向の光を検出する複数の第2の画素と、を含む
    ことを特徴とする可視化装置。
  17. 請求項10乃至請求項16のいずれか1項に記載の可視化装置において、さらに、
    前記演算装置により生成された第2の電子画像を表示する表示装置と、を含む
    ことを特徴とする可視化装置。
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