JP3540352B2 - 位相差顕微鏡 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば細胞やバクテリア等の透明な標本を観察するのに用いられる位相差顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
位相差顕微鏡においては、照明系の瞳位置に任意形状の開口を配置し、この任意形状の開口と共役な位置関係にある対物レンズの瞳位置に、前記任意形状の開口と共役な形状、すなわち相似の形状の位相板を配置して、標本面で回折した光のうち0次光の位相および強度に変化を与えて他の回折光と干渉させることにより、標本の位相量を像のコントラストに変えて観察し得るようにしている。
【0003】
また、位相差顕微鏡による位相差像のコントラストについて、例えば、「"Some improvements in the phase contrast microscope" K.Yamamoto,A.Taira,J.Microscopy,129(1983),p.49 〜62」には、その改善方法が記載されている。従来の位相差顕微鏡においては、一般に、位相板の径を対物レンズの瞳径の半分程度にして、像コントラストを改善している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、位相差顕微鏡による結像においては、例えば「 "位相差顕微鏡の像コントラストに関する考察" 大木裕史,光学,vol.20,No.9(1991),p.590 〜594 」に記載されているように、カットオフ周波数が位相板の径と瞳径との比によって決まる。このため、通常の明視野顕微鏡と比較して解像力が劣るという欠点がある。この欠点を除去するには、位相板の径と瞳径との比を1に近づければ良いが、このようにすると上記文献にも記載されているように、低い帯域の空間周波数のコントラストが下がるため、像全体のコントラストが下がり、見た目にはっきりしない像になってしまうという問題がある。
【0005】
また、位相板の位置を変えずに像コントラストを上げる方法として、位相板の吸収を大きくすることが考えられる。しかし、位相板の吸収を大きくすると、例えば「 "顕微鏡における逆問題について" 高橋,根本,電気通信学会技術研究報告MBE88-58,P.35 〜42,1988 」において指摘されているように、生体標本のように波長と比較して厚い標本に対しては、本来標本には存在しない空間周波数成分(非線形項)の影響が現れ、正確な位相差像が再現されなくなるという問題が生じることになる。
【0006】
以上のことから、従来の位相差顕微鏡においては、解像力と像コントラストとの双方を満足するものが得られなかった。
【0007】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、像コントラストを低下させることなく、解像力を有効に向上できるよう適切に構成した位相差顕微鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、照明光学系の瞳位置に任意形状の開口を配置し、この任意形状の開口と標本面を介して共役な位置関係にある結像光学系の瞳位置に、前記任意形状の開口と共役な形状の位相板を配置して、前記標本面に配置される標本を位相差法により観察するようにした位相差顕微鏡において、
前記結像光学系の結像面に配置した撮像素子と、この撮像素子により撮像された画像を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された画像を処理する処理手段とを設けると共に、前記位相板をほぼ同位相量で符号が反対の位相差量を与えるよう構成し、その各位相差量における画像を前記撮像素子を介して前記記憶手段に記憶し、その記憶された2つの画像の差画像を前記処理手段から得るようにする。
【0009】
前記位相板は液晶を有するのが、この液晶に印加する電圧を制御して、ほぼ同位相量で符号が反対の位相差量を与える点で好ましい。
また、前記位相板は、輪帯形状をもって構成すると共に、その輪帯の中心部の半径rと、前記結像光学系の瞳の半径Rとの比を、1>r/R≧0.5とするのが、コントラストを劣化させずに解像力を良くする点で好ましい。
【0010】
さらに、前記処理手段から得られた差画像を、デコンボリューション演算する演算手段を設けることが、位相変化のゆるやかな標本(空間周波数の低い標本)についてコントラストを低下させず、しかも特定の空間周波数帯域の位相分布のコントラストを強調することなく、標本の位相分布を正確にコントラストに変換する点で好ましい。
さらにまた、前記演算手段によるデコンボリューション演算は、前記処理手段から得られた差画像をフーリエ変換し、その値を光学的伝達関数で割り算して、再びフーリエ変換することが、標本の位相分布を正確にコントラストに変換する点で好ましい。
【0011】
【作用】
位相差顕微鏡の結像について、1次元のモデルを用いて説明する。
いま、結像光学系の瞳関数をP(ξ) 、照明光学系の瞳関数をQ(ξ) 、位相物体(標本)の位相分布をφ(x) として弱位相近似を行うと、位相物体の像強度分布I(x)は、
【数1】
で与えられる。ただし、Φ(f) はφ(x) のフーリエ変換を表し、fは空間周波数を示す。
【0012】
また、位相差顕微鏡の結像光学系の瞳関数をP(ξ) は、下記の(2)式で示す関数の線形結合で表すことができる。
【数2】
【0013】
ここで、照明光学系の瞳関数Q(ξ) が、Q(ξ) = Pb(ξ) で表せるとすると、上記(1)式は、
【数3】
になる。したがって、位相差顕微鏡における像コントラストは近似的に(3)式で表される。
【0014】
上記(4)式において、θは、位相板で0次光に与える位相の変化量を表している。この位相の変化量θは、通常、θ=±π/2であり、θ=π/2のときがダークコントラスト、θ=−π/2のときがブライトコントラストである。ここで、ダークコントラストのときの像強度分布をIa、ブライトコントラストのときの像強度分布をIbとして、Ib−Iaを考えると、
【数4】
となり、位相差像に関する像強度分布のみが2倍になる。
【0015】
したがって、θ=±π/2のそれぞれの画像を、結像光学系の結像面に配置した撮像素子で撮像し、その各々の画像を記憶手段に記憶して、その記憶された2つの画像から処理手段により差画像を作れば、(5)式に示すように、位相差像に関する像強度分布のみが2倍となって現れることになる。しかも、この位相差像には、(3)式において含まれていた非線形項が相殺されるので、非線形項による影響を小さくでき、したがって正確な位相差像を得ることが可能となる。
【0016】
ここで、θ=±π/2の2つの画像は、θ=±π/2の位相板を、結像光学系の瞳内で機械的に入れ換えることにより得ることもできるが、この場合には2つの状態間で光軸の移動が生じる等の理由から、照明光学系の瞳位置に配置した任意形状の開口の像と位相板とをそれぞれの状態で完全に一致させるのが困難となり、同一条件の2つの画像を得るのが難しくなる。
【0017】
そこで、この発明の好適実施例においては、位相板を液晶を用いて構成し、この液晶に印加する電圧を制御して、θ=±π/2の位相差量を与えるようにする。このようにすれば、常に同一条件で2つの画像を得ることができるので、より正確な位相差像を得ることが可能となる。
【0018】
また、上記(4)式から、位相差顕微鏡における空間周波数特性は、位相板の径rと、結像光学系の瞳径Rとの比を1に近づけると、カットオフ周波数が高くなり、したがって解像力を良くすることが可能となる。しかも、この発明によれば、上述したように、θ=±π/2のときの2つの画像の差画像をとれば、位相差像のコントラストを2倍に高めることができるので、解像力を向上させることによるコントラストの低下を低減できる。したがって、この発明の構成によって、コントラストを劣化させずに解像力を良くするために、更に以下の(6)式の条件を満足することが望ましい。
【数5】
1>r/R≧0.5 (6)
【0019】
ここで、上記(6)式の上限を越え、r/R=1となると、位相差量を与えることができなくなって、位相差顕微鏡として機能しなくなってしまい好ましくない。また上記(6)式の下限を越え、r/R<0.5となると、所望の解像力を得ることができなくなってしまい好ましくない。
【0020】
次に、上記(5)式をフーリエ変換すると、
【数6】
となる。さらに、この(7)式を、 2DC・F(f)で割り算して、フーリエ変換すると、
【数7】
になる。ここで、(8)式のF(f)は、上記(4)式において、θ=±π/2とすると、
【数8】
となり、照明光学系および結像光学系の瞳関数から求めることができる。なお、θが任意の値であっても、上記(4)式から、F(f)を求めることができる。
【0021】
以上の式展開では、照明光学系の瞳位置に配置した任意形状の開口と、結像光学系の瞳位置に配置した前記開口と共役な形状の位相板との形状が一致するものとしているが、前記開口の形状が、
【数9】
を満足していれば、F(f)は、
【数10】
から得ることができる。すなわち、開口の形状、位相板の形状、透過率および位相板に与える位相差量から、F(f)を求めることができる。
【0022】
したがって、液晶によって作られた位相板の印加電圧を調整して、0<θの状態の位相差像を、第1画像として記憶手段に取り込み、次に、θ<0の状態の位相差像を、第2画像として記憶手段に取り込んで、処理手段によりそれらの画像の強度信号を引き算した差画像を求め、その差画像を演算手段において、開口の形状、位相板の形状、透過率およびθから求められるF(f)によりデコンボリューションすれば、観察標本の位相分布を正確にコントラストに変換することが可能となる。
【0023】
なお、照明光学系の瞳位置に配置する開口、およびこの開口と標本面を介して共役な位置関係にある結像光学系の瞳位置に配置する位相板は、標本面で回折した光のうち、0次光の位相および強度に変化を与えて、他の回折光と干渉させるという作用を生じれば足りる。したがって、開口は、従来から用いられている輪帯開口の他、任意の形状とすることができ、それに応じて位相板も任意の形状にすることができる。
【0024】
【実施例】
以下、この発明の実施例について説明する。
図1は、この発明の第1実施例を示すものである。この位相差顕微鏡は、コンデンサレンズ1aを有する照明光学系1の瞳位置に、任意形状の開口としてのリングスリット2を配置し、このリングスリット2と標本面を介して共役な位置関係にある対物レンズ3aを有する結像光学系3の瞳位置に、任意形状の開口と共役な形状、すなわち相似の形状の位相板としての位相リング4を配置して、標本面に配置される標本5を照明光学系1により照明して、位相差法により観察するものである。
【0025】
この実施例では、結像光学系3による像を、その結像面に配置した電子撮像素子6で撮像して、その画像を記憶装置7に記憶し、この記憶装置7に記憶された画像に基づいて処理装置8により位相差像を得るようにする。
【0026】
また、位相リング4は、図2Aに示すように、2枚の平行平板10a,10bによって液晶11を挟み込んで形成する。平行平板10a,10bには、それぞれ図2B,Cに示すように、輪帯状の透明電極12a,12bをコートすると共に、これら透明電極12a,12b上のいずれか一方または双方に吸収膜をコートする。ここで、吸収膜は、一方の電極上に設ける場合には、その透過率を10〜15%程度とし、双方の電極上に設ける場合には、二つの吸収膜を合わせた透過率が10〜15%程度となるようにする。なお、この輪帯形状を持つ位相リング4は、解像力およびコントラストの点から、その輪帯の中心部の半径rが、結像光学系3の瞳の半径Rに対して、r/R≧0.5を満足するよう構成する。この実施例では、結像光学系3の瞳の半径Rを1と規格化したとき、透明電極12a,12bの内径r1をr1=0.7、外形r2をr2=0.8とする。
【0027】
この位相リング4の透明電極12a,12bは、液晶コントロール装置13に接続し、この液晶コントロール装置13により透明電極12a,12bを介して液晶11に印加する電圧を制御して、透明電極12a,12b以外の部分を透過する光に対して、電極部分を透過する光に、±π/2の光路差を与えるようにする。
【0028】
なお、電子撮像素子6は、そのカットオフ周波数が結像光学系3のカットオフ周波数よりも低いと、結像光学系3の解像力を向上させても、受像の際に解像力が低下してしまうため、電子撮像素子6に入射する光束のNAを、照明光の波長をλ、電子撮像素子6の1画素の大きさをuとするとき、λ/NA≧2uを満足するようにする。
【0029】
このようにして、この実施例では、位相リング4の液晶11に印加する電圧を液晶コントロール装置13により制御して、π/2および−π/2の光路差を順次与え、これによりダークコントラストとブライトコントラストとの2つの状態の画像を電子撮像素子6で順次撮像し、それらの画像を記憶装置7に記憶して、この記憶装置7に記憶された2つの画像の差画像を処理装置8で得る。したがって、この実施例によれば、位相差像のコントラストが2倍で、かつ従来の位相差顕微鏡よりも高解像度の画像を得ることができる。
【0030】
図3は、この発明の第2実施例を示すものである。この実施例では、図1に示す構成において、処理装置8から得られる差画像をデコンボリューション演算する演算装置14を設けると共に、位相リング4により±π/2の位相差量を与えるようにする。
【0031】
このようにして、位相差量がπ/2(ダークコントラスト)のときの位相差像を第1画像として記憶装置7に記憶すると共に、位相差量が−π/2(ブライトコントラスト)のときの位相差像を第2画像として記憶装置7に記憶する。この記憶装置7に記憶された第1,第2画像は、処理装置8に供給して、電子撮像素子6の各画素毎に第1,第2画像の差信号を演算し、これによりバックグランドの明視野成分や非線形成分を除去した差画像信号を得て、演算装置14に供給する。
【0032】
演算装置14では、処理装置7からの差画像信号をデコンボリューション演算する。このため、まず、処理装置7からの差画像信号を、電子撮像素子6の1画素の大きさでサンプリングしてフーリエ変換し、次にその値を光学的伝達関数で割り算した後、再びフーリエ変換する。
【0033】
ここで、リングスリット2と位相リング4の形状が一致するものとして、照明光学系1および結像光学系3の瞳を2次元に拡張して、位相リング4を構成する透明電極12a,12b(図2参照)のr1=0.7、r2=0.8から、
【数11】
∫ Pb(ξ)Pa(ξ+f)dξ (10)
を計算すると、図4の結果が得られる。
【0034】
図4において、横軸は、結像光学系3の瞳の半径を1に規格化したとの値で、結像光学系3の開口数NAと光源の波長λを用いたNA/λを単位とした座標である。また、縦軸は、上記(10)式を、
【数12】
∫ Pb(ξ)dξ
で規格化したときのMTFを表している。
【0035】
したがって、図4は、上述した条件のリングスリット2および位相リング4を用いたときの光学系の伝達関数を表すことになるので、この伝達関数を用いて、上述したようにして処理装置7からの差画像をデコンボリューション演算すれば、標本5の位相変化がゆるやか(空間周波数が低い)な場合でも、標本5の位相分布を正確に求めることができる。また、この位相分布をコントラストで表現する場合には、先に述べたデコンボリューション演算により、コントラストを低下させることなく、しかも特定の空間周波数帯域の位相分布のコントラストを強調することなく、表現することが可能となる。
【0036】
この発明の第3実施例においては、図3に示す第2実施例において、位相リング4を構成する輪帯状の透明電極12a,12b(図2参照)の内径r1および外径r2を、それぞれr1=0.55およびr2=0.65とする。この場合の光学系の伝達関数は、図5に示すようになるので、この伝達関数を用いて、処理装置8から得られる±π/2の位相差量の差画像をデコンボリューション演算する。したがって、この実施例においても、第2実施例と同様に、標本の位相分布を正確に求めることができる。
【0037】
この発明の第4実施例においては、図3に示す第2実施例において、位相リング4を構成する一方の透明電極12aまたは12b(図2参照)を、輪帯状ではなく全面電極とし、他方の透明電極12bまたは12aは、内径r1および外径r2が、それぞれr1=0.15およびr2=0.25の輪帯状とする。この場合の光学系の伝達関数は、図6に示すようになるので、この伝達関数を用いて、処理装置8から得られる±π/2の位相差量の差画像をデコンボリューション演算する。したがって、この実施例においても、上述した実施例と同様に、標本の位相分布を正確に求めることができる。
【0038】
この発明の第5実施例においては、図3に示す第2実施例において、位相リング4を構成する透明電極12a,12b(図2参照)の内径r1および外径r2を、それぞれr1=0.872およびr2=0.928とする。この場合の光学系の伝達関数は、図7に示すようになるので、この伝達関数を用いて、処理装置8から得られる±π/2の位相差量の差画像をデコンボリューション演算する。したがって、この実施例においても、上述した実施例と同様に、標本の位相分布を求めることができると共に、特に、この実施例の場合には、伝達関数のカットオフ周波数が通常の明視野光学系のカットオフ周波数と同等まであるので、標本5の位相分布をより正確に求めることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、位相差顕微鏡の位相板を、ほぼ同位相量で符号が反対の位相差量を与えるよう構成し、その各々の位相差量における画像の差画像を得るようにしたので、位相差像のコントラストを従来の2倍にできると共に、位相板の径を結像光学系の瞳径に近づけることによるコントラストの低下を低減して、解像力を良くすることができる。
【0040】
また、従来は、位相板の位相膜における吸収を大きくすると、標本の基本周波数の他に倍高調波の成分が現れて、正確な位相差像が得られなかったが、この発明によれば、ほぼ同位相量で符号が反対の位相差量における2つの画像の差画像を得るので、倍高調波の成分を相殺でき、したがって正確な位相差像を得ることができる。
【0041】
さらに、位相差顕微鏡の位相板を、ほぼ同位相量で符号が反対の位相差量を与えるよう構成し、その各々の位相差量における画像の差画像をとれば、標本の位相分布と光学系の伝達関数とのコンボリューションで与えられる信号が得られるので、この信号をデコンボリューション演算することにより、標本の位相分布を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示す位相リングの構成を示す図である。
【図3】この発明の第2実施例を示す図である。
【図4】第2実施例における光学系の伝達関数を示す図である。
【図5】この発明の第3実施例を説明するための光学系の伝達関数を示す図である。
【図6】この発明の第4実施例を説明するための光学系の伝達関数を示す図である。
【図7】この発明の第5実施例を説明するための光学系の伝達関数を示す図である。
【符号の説明】
1 照明光学系
1a コンデンサレンズ
2 リングスリット
3 結像光学系
3a 対物レンズ
4 位相リング
5 標本
6 電子撮像素子
7 記憶装置
8 処理装置
10a,10b 平行平板
11 液晶
12a,12b 透明電極
13 液晶コントロール装置
14 演算装置
Claims (6)
- 照明光学系の瞳位置に任意形状の開口を配置し、この任意形状の開口と標本面を介して共役な位置関係にある結像光学系の瞳位置に前記任意形状の開口と共役な形状の位相板を配置して、前記標本面に配置される標本を位相差法により観察するようにした位相差顕微鏡において、
前記結像光学系の結像面に配置した撮像素子と、この撮像素子により撮像された画像を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された画像を処理する処理手段とを設けると共に、前記位相板をほぼ同位相量で符号が反対の位相差量を与えるよう構成し、その各位相差量における画像を前記撮像素子を介して前記記憶手段に記憶し、その記憶された2つの画像の差画像を前記処理手段から得るようにしたことを特徴とする位相差顕微鏡。 - 前記位相板は液晶を有し、この液晶に印加する電圧を制御して、ほぼ同位相量で符号が反対の位相差量を与えるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の位相差顕微鏡。
- 前記位相板を輪帯形状をもって構成すると共に、その輪帯の中心部の半径rと、前記結像光学系の瞳の半径Rとの比を、1>r/R≧0.5としたことを特徴とする請求項2記載の位相差顕微鏡。
- 前記処理手段から得られた差画像を、デコンボリューション演算する演算手段を設けたことを特徴とする請求項1、2または3記載の位相差顕微鏡。
- 前記演算手段によるデコンボリューション演算は、前記処理手段から得られた差画像をフーリエ変換し、その値を光学的伝達関数で割り算して、再びフーリエ変換することを特徴とする請求項4記載の位相差顕微鏡。
- 光源と、
該光源からの光を標本に導く照明光学系と、
該照明光学系の瞳位置に配置された任意形状の開口と、
前記標本の像を形成する結像光学系と、
該結像光学系側で、前記開口と共役な位置に配置され、前記開口と共役な形状を有する位相量変更手段と、
前記標本の像位置に配置された撮像素子と、
該撮像素子で撮像された画像を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された画像を処理する処理手段とを有し、
前記位相量変更手段により第1の位相差量と、該第1の位相差量と位相量がほぼ同じで符号が反対の第2の位相差量とを発生させて、これら第1の位相差量における標本の画像と第2の位相差量における標本の画像とを前記撮像素子でそれぞれ撮像して前記記憶手段に記憶し、該記記憶手段に記憶された両画像の差画像を前記処理手段により得るよう構成したことを特徴とする位相差顕微鏡。
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