JP2004354650A - 顕微鏡観察方法及びそれに用いる顕微鏡 - Google Patents
顕微鏡観察方法及びそれに用いる顕微鏡 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004354650A JP2004354650A JP2003151506A JP2003151506A JP2004354650A JP 2004354650 A JP2004354650 A JP 2004354650A JP 2003151506 A JP2003151506 A JP 2003151506A JP 2003151506 A JP2003151506 A JP 2003151506A JP 2004354650 A JP2004354650 A JP 2004354650A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- observation
- image
- light
- opening
- pupil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Microscoopes, Condenser (AREA)
Abstract
【解決手段】コンデンサーレンズ14の瞳位置25に、輪帯状の開口41を有する開口ユニット40が配置されている。開口41は、対物レンズ15の瞳の外周に略内接するように投影され、対物レンズ15の位置を通常の合焦位置から観察物体4に対し前後何れかに微小量だけ移動させて観察する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡の観察方法及びそれを用いるための顕微鏡に関するものであり、特に、生体細胞等の位相物体を広範囲で観察可能する場合や、半導体やガラス基板上に形成された微細な凹凸を観察するための観察方法及びそれに用いる顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体細胞等は無色透明な物体であり、このような無色透明な物体は位相物体と呼ばれる。この位相物体を顕微鏡で観察する場合、位相差観察や微分干渉観察の特殊な観察法が用いられている。
【0003】
位相差観察法は、例えば、特開平7−225341号に示されているように顕微鏡のコンデンサーレンズの瞳位置に輪帯状の開口を配置し、この輪帯開口と観察物体を介して共役な対物レンズの瞳位置に輪帯開口と相似な位相膜を配置して、位相物体の位相分布に比例した像コントラストが得られる観察法である。
【0004】
また、微分干渉観察は、例えば、特開平8−122648号に示されているように顕微鏡のコンデンサーレンズと対物レンズの瞳位置に夫々複屈折プリズムを配置し、直行する2つの偏光成分が横ずらしされて干渉し、位相物体の位相分布の微分値に比例した像コントラストが得られる観察法である。
【0005】
一方、生体から細胞を採取し、培養して増殖した生体細胞を採取した生体に戻し、生体の疾病を治療する再生医療に関する研究が進められている。
このような再生医療で細胞を培養する場合、細胞の培養状態を速やかに観察する必要がある。生体細胞の培養には通常φ90mm程度のシャーレ等が用いられ、シャーレ全面を早く観察するために、出来るだけ広い範囲を一度に観察することが望まれている。よって、再生医療に関する研究の場合では、培養状態の確認をより低倍の観察で行うのが望まれており、実際には、顕微鏡観察において、1倍、1.25倍、2倍、2.5倍、4倍等の低倍の対物レンズが利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、生体細胞は位相物体であるために、位相差観察法や微分干渉観察法を用いないと生体細胞を見ることは出来ない。
【0007】
位相差観察法及び微分干渉観察法は、コンデンサーレンズの瞳と対物レンズの瞳の共役関係が重要になっており、低倍の対物レンズを用いた場合は、コンデンサーレンズから対物レンズに瞳がリレーされる際に瞳収差が発生する。このために、コンデンサーレンズと対物レンズの瞳の共役関係を保つのが難しくなる。
【0008】
このような理由により、現状では、4倍の対物レンズを用いた観察より低い倍率の対物レンズを用いた観察を良好に行うことが難しい。つまり、培養細胞の状態を観察する場合、4倍の対物レンズの視野より広い範囲を観察することが難しい。
【0009】
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたもので、広い範囲の観察を可能とした顕微鏡の観察方法及びそれを用いるための顕微鏡を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る顕微鏡観察方法は、顕微鏡の照明光学系の瞳位置に開口を配置し、該開口を通過した光により照明された観察物体を、観察光学系の合焦位置からずれた位置で観察することを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る顕微鏡観察方法は、前記開口を、前記対物レンズの瞳の外周部分に略内接するように投影するように調整して観察することを特徴とする。
請求項3に係る顕微鏡は、光源と、この光源からの光を観察物体に導く照明光学系と、この照明光学系の略瞳位置に配置される開口と、この開口を通過した光により照明された前記観察物体の像を合焦位置からずれた位置で観察するための観察光学系とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る顕微鏡は、前記開口は、前記対物レンズの瞳の外周部分に略内接するように投影されることを特徴とする。
ここで、本発明を用いて、生体細胞の位相分布に比例した像コントラストを発生させる原理について説明する。
【0013】
図1は原理説明図であり、物点、光学系入射瞳、射出瞳、結像面を模式的に示したものである。これに示すように、合焦位置に観察物体を配置すると、観察物点から出た光は実線で示すように球面状に広がり入射瞳に入る。入射瞳に入った光は、射出瞳から球面状の収束光になり結像面に集光して像を形成する。この時、光学系を透過する各光線の間に光路(位相)差は生じないので、像にボケは生じない。
【0014】
しかし、物点を点線に示す位置に移動させると、物点からの光は入射瞳に球面状に入射する。入射瞳に入射した光は、射出瞳から移動後の像面に向かった球面状の光に変わる。移動後の像面で観察すれば、光に光路(位相)差は発生しないが、観察点を移動させずに当初の結像面で観察すると各光線に光路(位相)差が発生する。
【0015】
本発明では、これを利用して、観察物体を光学系の合焦位置からずらした位置に配置することにより、光学系を透過する夫々の光線に位相差を発生さている。また、図1においては、光学系の光軸と、最大NA光線との位相の差が最も大きくなる。
【0016】
一方、培養観察に用いられる生体細胞は、略同じ形状であり、この為、シャーレ内に分布している培養細胞に光を入射させると、細胞の形状に依存して特有の方向に回折光が発生する。シャーレ内の細胞に特定の方向から照明光を入射させると、入射光の方向に透過光が発生し、更に透過光に対し特定の角度で回折光が発生する。
【0017】
本発明では、顕微鏡の照明光学系の瞳位置に開口を照明光学系の光軸に対して偏心させて配置することにより、観察物体に対し特定の角度を持った照明光を照射させている。開口を偏心させている分、観察物体への入射光の方向に透過する透過光に対して角度を持たせた回折光を光学系の入射瞳に入射させることができ、透過光と回折光との位相差を大きくすることができる。
【0018】
すなわち、本発明においては、観察物体を観察光学系の合焦位置から外れた位置で観察することにより、観察物体を透過した光と回折した光の間に合焦位置からのずれ量(デフォーカス量)に対応した位相差量を発生させることができる。また、開口を照明光学系の光軸から偏心させて配置することにより、回折光を透過光に対してより角度を持たせたものとすることができる。つまり、透過光と回折光との位相差をより大きくすることができる。
【0019】
よって、この位相差量が位相差観察法で用いている位相膜と等価な機能をして、培養細胞の位相分布に比例した像コントラストを与えることが出来、無色透明な培養細胞を観察することが出来る。
【0020】
この時、観察光学系の倍率が低い場合の方が、観察光学系を通過する回折光の角度が限定させ易くなり、像のコントラストも良くなる。
位相物体を観察する場合、位相物体の位相分布に比例した像コントラストは、観察物体の位相量と透過光と回折光の間に与える位相差量とに比例する。観察物体で回折される光と透過光の間の角度は、観察物体の形状に依存して変わる。回折光と透過光の間の角度が変わると同じデフォーカス量でも2つの光束の間に発生する位相差量が異なってくる。
【0021】
観察する細胞ごとにデフォーカス量を変える事により、より良い像コントラストを得ることが出来る。
デフォーカスによって生じる各光線の位相差は、観察物体が観察光学系の合焦位置から近点側にずれた場合と遠点側にずれた場合で符号が変わる。
【0022】
培養細胞等の観察物体を観察光学系の合焦位置から近点側にずらして観察した画像と遠点側にずらして観察した画像は、観察物体の位相分布に相当して夫々得られる画像の像コントラストが反転している。
【0023】
また、シャーレ付着したゴミ等の光を吸収する物体は、位相物体ではなくなり、デフォーカスによって位相差が与えられても像コントラストに変化は生じない。
【0024】
よって、近点側にずらして撮像した画像と遠点側にずらして撮像した画像を画像間演算することにより、デフォーカスによって与えられる位相差に影響されない画像成分を分離することが出来る。特に、2つの画像の各画素ごとに差演算を行なうことにより、観察物体の位相分布に相当する画像成分の像コントラストは2倍にすることが出来、ゴミや異物、照明ムラなどの位相情報をもたない画像成分を無くすことが出来る。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図2から図4を用いて、本発明の第1の実施の形態の構成について説明する。
【0026】
図2は倒立型顕微鏡の概略図、図3は開口の形状を示す図、図4は開口の投影図である。
図2に示すように、倒立顕微鏡1は、光源2と、光源2から発せられた光を導くための照明光学系3と、観察物体4の像を形成するための観察光学系5と、観察物体4の像を拡大して目視観察するための接眼レンズ6と、観察物体4の像を撮像するための撮像素子7を有するCCDカメラ8とにより構成されている。また、CCDカメラ8には、図示しないテレビモニターが接続されている。
【0027】
照明光学系3は、光源2側から順に、コレクターレンズ10、照明光の光軸11を偏向させるための偏向ミラー12、光源2を準単色とするための干渉フィルタ13、及びコンデンサレンズ14により構成されている。
【0028】
観察光学系5は、観察物体4側から順に、観察物体4の像を形成するための対物レンズ15、第1のリレーレンズ16、対物レンズ15からの光を偏向するための偏向ミラー17、第1のリレーレンズ16と共に対物レンズ15の像(観察物体4の像)を結像面に結像させるための第2のリレーレンズ18により構成されている。
【0029】
また、第2のリレーレンズ18と結像面19との間には、観察物体4の像を接眼レンズ6による目視観察とCCDカメラによる観察が同じまたは任意に切り替えることができるように、ハーフミラーである切替ミラー20が配置されている。
【0030】
また、光源2の像が投影されるコンデンサーレンズ14の瞳位置25には図4に示す部分輪帯の開口26を有する開口ユニット27が、着脱自在に配置されている。開口26自体は、瞳の中心に対して偏心した状態になるように配置されている。また、開口ユニット27の開口26以外は、遮光性の遮光板から形成されている。開口26は、図5に示すように、対物レンズ15の瞳の外周部分に略内接するように投影される寸法に形成されている。また、開口26の幅(Ro−Ri)は、共役関係にある対物レンズ15の瞳半径の3分の1以下であることが望ましい。観察する生体細胞の種類によって適宜移動量を設定することで、最良の像コントラスト得ることが可能になる。
【0031】
次に、第1の実施の形態の作用について説明する。
光源2は、コンデンサーレンズ14の瞳位置に投影される。そして、この光源2像は、コンデンサーレンズ14によってケーラー照明として観察物体4を照明する。観察物体4を照明した光は、観察物体4を透過して対物レンズ15に入射する。対物レンズ15に入射した光は、対物レンズ15と第1のリレーレンズ16及び第2のリレーレンズ18により結像面19に観察物体4の像を形成する。
【0032】
結像面19に形成された観察物体4の像は、接眼レンズ6に入射すると共に、切替ミラー20により、CCDカメラ8の撮像素子7の撮像面上に結像する。
一方、開口ユニット27をコンデンサーレンズ14の瞳位置に配置した場合、開口26の位置を調整することで、開口26の像は、図5に示すように対物レンズ15の瞳の外周部分に略内接するように投影され、観察物体4は対物レンズ15の最大NAと同じ角度で特定の方向から偏斜照明される。
【0033】
偏射照明光は、観察物体4である培養される立体的な大きさを持った生体細胞細胞に入射され、透過光、屈折光、及び回折光に分解されて細胞から射出する。細胞の輪郭が球や楕円体に近い形状をしている部分の場合は、屈折する光が多くなり、扁平な部分の場合は透過光と回折光が多くなる。細胞の球や楕円体に近い部分で屈折した光は、一部の光が対物レンズ15のNAより大きくなり対物レンズ15には取込まれない。
【0034】
本発明では、対物レンズ15の位置を通常の観察の合焦位置とされている位置から観察物体4に対し前後何れかに微小量だけ移動させる。これにより、観察光学系5を透過する各光線に移動量に比例した位相差が発生し、この位相差は、対物レンズ15の最大NAを通過する光線が最大になる。この時、偏射照明により、回折光の一部は対物レンズ15のNA外に回折され、観察光学系5を透過しなくなり、屈折光の場合と同様にレリーフ感のある像コントラストが形成される。
【0035】
また、対物レンズ15を前後に移動させる移動量は、形成される像にボケが生じない範囲であることが必要であり、観察に使用する光源2の波長を使用する対物レンズ15のNAの2乗で割った値以下であることが望ましい。
【0036】
第1の実施の形態の効果について説明する。
本発明では、対物レンズの位置を通常の観察の合焦位置から観察物体4に対し微小量だけ移動させることにより、位相差用の対物レンズを使用しなくても、位相差観察法と同様な像コントラストを得ることができる。
【0037】
対物レンズとコンデンサーレンズとの瞳収差を考慮する必要がないので、より低倍の対物レンズを使用できる。つまり、位相差観察法が行なえない1倍や2倍の対物レンズを使用しても培養細胞のような位相物体の観察が可能になり、従来の観察法では、実現できなかったより広い範囲の観察が可能になる。
【0038】
さらに、偏射照明により、位相分布に陰影を付けたレリーフ感のある像コントラストを得ることができる。
また、切替ミラーにより、目視観察とテレビモニターによる観察とをすることができる。
【0039】
開口を取り外せば、通常の顕微鏡観察ができる。
(第2の実施の形態)
図5、及び図6を用いて第2の実施の形態を説明する。
【0040】
図5は開口の形状を示す図、図6は開口の投影図である。
この実施の形態は、第1の実施の形態のコンデンサーレンズの瞳位置に、図5に示す開口ユニット30を配置するものであり、その他は第1の実施の形態と同じである。
【0041】
図5に示すように、開口ユニット30は、中心から離れた位置に矩形の開口31を備え、その他の部分は遮光性の遮光板から形成されており、開口31自体は、瞳の中心に対して偏心した状態になるように配置されている。
【0042】
この第2の実施の形態では、開口ユニット30の矩形の開口31により、観察物体4を偏射照明し、図6のように開口31を投影させる。
第2の実施の形態では、矩形の開口が瞳の中心に対して同心円状に配置されていないので、細長い細胞を観察する場合など、コントラストのつき方を良好にすることができる。
(第3の実施の形態)
図2、図7、及び図8を用いて第3の実施の形態の構成について説明する。
【0043】
図7は開口の形状を示す図、図8は開口の投影図である。
第3の実施の形態では、図2のCCDカメラ8に、CCDカメラ8からの画像を格納及び演算するための図示しないパーソナルコンピュータが接続されている。さらに、このパーソナルコンピュータには図示しないテレビモニターが接続されている。
【0044】
図2の照明光学系3のコンデンサーレンズ14の瞳位置25には、図7の示す開口ユニット40が配置されている。この開口ユニット40は、第1の実施の形態の開口26と異なり、略全周に亘って存在する輪帯状の開口41を有し、その他は遮光性の遮光板で形成されている。開口41自体は、瞳の中心に対して偏心した状態になるように配置されている。また、この開口41は、図7に示すように、対物レンズ15の最大NAに近い角度で観察物体4を照明する輪帯照明が行えるように、対物レンズ15の瞳の外周に略内接するような寸法に形成されている。
【0045】
第3の実施の形態の作用について説明する。
図7に示す状態になるように、開口41の位置を調整し、この開口41を通過した光源2からの光は、第1の実施の形態とは異なり、観察物体4に対して光軸に対して対称に照明される。
【0046】
切替ミラー20をCCDカメラ8に切り替えることにより、観察物体4の像はCCDカメラ8を介してテレビモニターに表示される。
対物レンズ15の位置を観察物体4側(近点側)に微少量移動させて画像を撮像してパーソナルコンピュータに近点画像として格納する。次に、合焦点を挟んで反対側(遠点側)に対物レンズを近点側の移動量と略同程度移動させて画像を撮像してパーソナルコンピュータに遠点画像として格納する。
【0047】
パーソナルコンピュータにより、格納された2つの画像の夫々に対応する画素毎に、(近点画像)−(遠点画像)又は(遠点画像)−(近点画像)の演算を行なう。
【0048】
第3の実施の形態の効果について説明する。
この第3の実施の形態の場合、第1の実施の形態と異なり光軸に対して対称に照明されるために、レリーフ感のある像コントラストではなく位相差観察法と同じ方向性の無い画像を得ることができる。
【0049】
パーソナルコンピュータに格納された近点及び遠点の画像の夫々対応する画素毎の(近点画像)−(遠点画像)又は(遠点画像)−(近点画像)の演算を行なうことで、観察物体4の位相分布に比例する像コントラストが2倍に画像強調される。また、観察物体4の位相分布以外の成分は像コントラストが略0になり、本来観察したい位相分布に比例する画像成分を強調することが可能になる。
(第4の実施の形態)
図9を用いて第4の実施の形態の構成を説明する。
【0050】
図9はターレット50を示す図である。
この実施の形態は、図9に示すようなターレット50がコンデンサーレンズ14の瞳位置25に配置されている。ターレット50には、回転軸51に対して同心円状に複数の開口装着孔52を有し、種種の形状の開口を装着することが可能である。ターレット50は、複数の開口装着孔の夫々の中心点が、照明光学系3の光軸と略一致するように回転軸に対して回転自在な構成になっており、使用する対物レンズと観察方法によってターレット50を回転させることで、適宜開口装着孔を選択できるようになっている。
【0051】
複数の開口装着孔に、例えば図3,5,6に示す形状であって、対物レンズの倍率に合った大きさの開口を装着する。
この第4の実施の形態では、ターレットの回転により、簡単に対物レンズの倍率変換に合わせて、開口の形状、大きさを変えることができるので、良好な観察を行うことができる。
(第5の実施の形態)
第1から第4の実施の形態では、生体細胞の観察に応用した例を示した。本第5の実施の形態では、位相物体とみなせる物体の観察、つまり、半導体やガラス基板上に形成された微細な凹凸を観察する場合に応用したものである。これは、表面の微小な凹凸はその微小な段差が作り出す位相成分と考えることが出来、本発明を使用することが有効である。
【0052】
半導体表面やガラス基板に形成された微細な凹凸の観察は、図10に示す落射顕微鏡を用いるので、落射顕微鏡を用いて説明する。
落射顕微鏡60は、光源61と、光源61から発せられた光を観察物体62に導くための照明光学系63と、観察物体62の像を形成するための観察光学系64と、観察物体62の像を撮像するための撮像素子65を有するCCDカメラ66とにより構成されている。また、CCDカメラ66には、図示しないテレビモニターが接続されている。
【0053】
照明光学系63は、光源61側から順に、コレクターレンズ67、照明リレーレンズ68、照明光の光軸69を偏向させるためのハーフミラー70、観察光学系64も構成する対物レンズ71により構成されている。
【0054】
また、光源61の像が投影される位置には開口ユニット72が、着脱自在に配置されている。この開口ユニット72に装着する開口の形状は、図3,5,6に示すような形状であり、対物レンズの瞳の大きさに応じて、開口の大きさが決定されるものである。
【0055】
観察光学系64は、観察物体62側から順に、観察物体62の像を形成するための対物レンズ71と、この対物レンズ71の像を結像するための結像レンズ72により構成されている。
【0056】
第5の実施の形態の作用について説明する。
光源61から発せられた光はコレクターレンズ67により、照明光学系63内に光源61像を結像する。この光源61像は、照明リレーレンズ68により、ハーフミラー70で偏向された後に対物レンズ71の瞳位置にリレーされ再び光源61像を形成する。そして、リレーされた光源61像は対物レンズ71により観察物体62をケーラー照明する。このとき、対物レンズ71はコンデンサーレンズとしての機能も果たす。
【0057】
観察物体62を照明した光は、観察物体62で反射され対物レンズ71に入射する。対物レンズ71に入射した光は、ハーフミラー70を透過して結像レンズ72により結像面に観察物体62像を形成する。結像面上にCCDカメラ66のを配置して、CCDカメラ66を介してテレビモニター上に観察物体62の像を映し出して観察を行なう。
【0058】
本実施の形態では、コレクターレンズ67によって光源61の像画形成される位置に開口ユニット72を配置する。更に、観察物体62を通常の合焦位置から微少量前後に移動させ、観察物体4の像コントラストを調節する。
【0059】
第5の実施の形態の効果について説明する。
本第5の実施の形態では、観察物体として半導体やガラス基板を観察することができる。つまり、半導体やガラス基板の表面の微小な凹凸を、微小な段差が作り出す位相成分として観察することができる。
【0060】
また、図3または図5に示す形状の開口を用いれば、レリーフ感のある像コントラストを得ることができる。
また、図6に示す形状の開口を用いれば、方向性の無い像コントラストを得ることができる。
【0061】
更に、コントラスト強調するために、合焦位置から前後2ヶ所ずらした位置で画像を撮像し、その差演算を行うことが有効である。
尚、これまでの実施の形態では、輪帯開口を対物レンズの瞳の外周部に内接するように配置したが、円形のピンホール状の開口を瞳の中心部に配置する事でも同様に位相差観察法と同じ像コントラストを得ることが出来る。この場合、ピンホールは共役関係にある対物レンズの瞳の略中心近傍になるように位置調整することが望ましく、方向性の無い像コントラストを得ることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、低倍率による広い範囲の観察を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原理説明図
【図2】倒立型顕微鏡の概略図
【図3】第1の実施の形態の開口の形状を示す図
【図4】開口の投影図
【図5】第2の実施の形態の開口の形状を示す図
【図6】開口の投影図
【図7】第3の実施の形態の開口の形状を示す図
【図8】開口の投影図
【図9】ターレットを示す図
【図10】落射顕微鏡の概略図
【符号の説明】
14…コンデンサーレンズ
26…開口
27…開口ユニット
30…開口ユニット
31…開口
40…開口ユニット
41…開口
50…ターレット
Claims (4)
- 顕微鏡の照明光学系の瞳位置に開口を配置し、該開口を通過した光により照明された観察物体を、観察光学系の合焦位置からずれた位置で観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
- 前記開口を、前記対物レンズの瞳の外周部分に略内接するように投影するように調整して観察することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡観察方法。
- 光源と、この光源からの光を観察物体に導く照明光学系と、この照明光学系の略瞳位置に配置される開口と、この開口を通過した光により照明された前記観察物体の像を合焦位置からずれた位置で観察するための観察光学系とを備えることを特徴とする顕微鏡。
- 前記開口は、前記対物レンズの瞳の外周部分に略内接するように投影されることを特徴とする請求項3記載の顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151506A JP4222877B2 (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 顕微鏡観察方法及びそれに用いる顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151506A JP4222877B2 (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 顕微鏡観察方法及びそれに用いる顕微鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004354650A true JP2004354650A (ja) | 2004-12-16 |
JP4222877B2 JP4222877B2 (ja) | 2009-02-12 |
Family
ID=34047012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003151506A Expired - Fee Related JP4222877B2 (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 顕微鏡観察方法及びそれに用いる顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4222877B2 (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007139201A1 (ja) | 2006-05-31 | 2007-12-06 | Olympus Corporation | 生体試料撮像方法および生体試料撮像装置 |
JP2010213582A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Olympus Corp | 培養細胞照明装置、及び培養細胞照明方法 |
CN101930116A (zh) * | 2009-06-23 | 2010-12-29 | 索尼公司 | 生物样本图像获取装置、获取方法以及获取程序 |
CN102033308A (zh) * | 2010-10-22 | 2011-04-27 | 浙江大学 | 一种超高分辨率的光学显微成像方法及装置 |
JP2011530094A (ja) * | 2008-08-05 | 2011-12-15 | ジーイー・ヘルスケア・ユーケイ・リミテッド | 無染色細胞の顕微鏡画像を向上させるための画像システム及び方法 |
US8094371B2 (en) | 2008-08-26 | 2012-01-10 | Olympus Corporation | Microscope |
US8174686B2 (en) | 2005-09-29 | 2012-05-08 | Olympus Corporation | Focal position determining method, focal position determining apparatus, feeble light detecting apparatus and feeble light detecting method |
CN102834759A (zh) * | 2010-09-14 | 2012-12-19 | 欧姆龙株式会社 | 观察光学系统及激光加工设备 |
JP2014137558A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Canon Inc | 撮像装置、撮像システム、および画像処理方法 |
WO2014132485A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | オリンパス株式会社 | 標本観察方法及び標本観察装置 |
JP2014167588A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Olympus Corp | 標本観察方法及び標本観察装置 |
JP2014167587A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Olympus Corp | 標本観察方法及び標本観察装置 |
US8965098B2 (en) | 2009-03-16 | 2015-02-24 | Olympus Corporation | Cell-image analyzing apparatus |
US9041788B2 (en) | 2010-09-03 | 2015-05-26 | Olympus Corporation | Method and apparatus for visualizing phase object |
WO2016132563A1 (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-25 | オリンパス株式会社 | 標本観察装置及び標本観察方法 |
US10884230B2 (en) | 2016-06-01 | 2021-01-05 | Olympus Corporation | Phase object visualization apparatus and phase object visualization method |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151506A patent/JP4222877B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8174686B2 (en) | 2005-09-29 | 2012-05-08 | Olympus Corporation | Focal position determining method, focal position determining apparatus, feeble light detecting apparatus and feeble light detecting method |
US8179597B2 (en) | 2006-05-31 | 2012-05-15 | Olympus Corporation | Biological specimen imaging method and biological specimen imaging apparatus |
WO2007139201A1 (ja) | 2006-05-31 | 2007-12-06 | Olympus Corporation | 生体試料撮像方法および生体試料撮像装置 |
JP2011530094A (ja) * | 2008-08-05 | 2011-12-15 | ジーイー・ヘルスケア・ユーケイ・リミテッド | 無染色細胞の顕微鏡画像を向上させるための画像システム及び方法 |
US8094371B2 (en) | 2008-08-26 | 2012-01-10 | Olympus Corporation | Microscope |
JP2010213582A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Olympus Corp | 培養細胞照明装置、及び培養細胞照明方法 |
US8965098B2 (en) | 2009-03-16 | 2015-02-24 | Olympus Corporation | Cell-image analyzing apparatus |
CN101930116A (zh) * | 2009-06-23 | 2010-12-29 | 索尼公司 | 生物样本图像获取装置、获取方法以及获取程序 |
US9041788B2 (en) | 2010-09-03 | 2015-05-26 | Olympus Corporation | Method and apparatus for visualizing phase object |
CN102834759A (zh) * | 2010-09-14 | 2012-12-19 | 欧姆龙株式会社 | 观察光学系统及激光加工设备 |
CN102033308A (zh) * | 2010-10-22 | 2011-04-27 | 浙江大学 | 一种超高分辨率的光学显微成像方法及装置 |
JP2014137558A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Canon Inc | 撮像装置、撮像システム、および画像処理方法 |
US9904046B2 (en) | 2013-01-18 | 2018-02-27 | Canon Kabushiki Kaisha | Image pickup apparatus, image pickup system, and image processing method |
WO2014132485A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | オリンパス株式会社 | 標本観察方法及び標本観察装置 |
JP2014167588A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Olympus Corp | 標本観察方法及び標本観察装置 |
JP2014167587A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Olympus Corp | 標本観察方法及び標本観察装置 |
US10241316B2 (en) | 2013-02-28 | 2019-03-26 | Olympus Corporation | Sample observation method and sample observation device |
WO2016132563A1 (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-25 | オリンパス株式会社 | 標本観察装置及び標本観察方法 |
US10884230B2 (en) | 2016-06-01 | 2021-01-05 | Olympus Corporation | Phase object visualization apparatus and phase object visualization method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4222877B2 (ja) | 2009-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4222877B2 (ja) | 顕微鏡観察方法及びそれに用いる顕微鏡 | |
US6580518B2 (en) | Confocal microscope and height measurement method using the same | |
EP2075615B1 (en) | Microscope | |
US9360665B2 (en) | Confocal optical scanner | |
JP3563800B2 (ja) | 観察光学装置 | |
US20050168808A1 (en) | Methods for implement microscopy and microscopic measurement as well as microscope and apparatus for implementing them | |
JPH10268197A (ja) | 光制御部材を有する光学顕微鏡 | |
WO2006104184A1 (ja) | Dlp式スリット光走査顕微鏡 | |
US20170205611A1 (en) | Imaging optical system, illuminating device, and microscope apparatus | |
JP4149309B2 (ja) | 走査型光学顕微鏡 | |
JP4582762B2 (ja) | 顕微鏡観察方法及びそれを用いるための顕微鏡 | |
JP4370404B2 (ja) | Dlp式エバネッセンス顕微鏡 | |
TWI417568B (zh) | 顯微鏡 | |
JP3958554B2 (ja) | 変調コントラスト顕微鏡 | |
JP5084183B2 (ja) | 顕微鏡用落射照明光学系 | |
JPS6316722B2 (ja) | ||
JP5929204B2 (ja) | 走査型顕微鏡 | |
JP2004318185A (ja) | 光制御部材を有する光学顕微鏡 | |
JPH02130908A (ja) | 観察装置 | |
JP2002023061A (ja) | 顕微鏡の暗視野照明装置および暗視野照明方法 | |
JP2005221725A (ja) | 焦点検出方法、自動細胞培養装置用自動焦点検出装置、自動細胞培養装置及び培養容器。 | |
JP4615815B2 (ja) | 実体顕微鏡 | |
JPS61272714A (ja) | 走査型光学顕微鏡 | |
JPH1020199A (ja) | 複合顕微鏡 | |
JPH0784187A (ja) | 瞳投影光学系 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080624 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080822 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081028 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081118 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |