JP2012073401A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法、 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法、 Download PDF

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Abstract

【課題】ブリッジ前寸法等の解像力及び露光ラチチュードに優れた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)、酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)、及び、活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(但し、前記樹脂(B)と化合物(C)とは同一の化合物であっても良い)、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程に好適に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法に関する。特には、本発明は、波長が300nm以下の遠紫外線光を光源とするArF露光装置及びArF液浸式投影露光装置並びにEUV露光装置での露光に好適に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法に関する。
KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うべく、化学増幅を利用したパターン形成方法が用いられている。例えば、ポジ型の化学増幅法では、まず、露光部に含まれる光酸発生剤が、光照射により分解して酸を発生する。そして、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)過程等において、発生した酸の触媒作用により、感光性組成物に含まれるアルカリ不溶性の基をアルカリ可溶性の基に変化させる。その後、例えばアルカリ溶液を用いて、現像を行う。これにより、露光部を除去して、所望のパターンを得る。
上記方法において、アルカリ現像液としては、種々のものが提案されている。例えば、このアルカリ現像液として、2.38質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の水系アルカリ現像液が汎用的に用いられている。
半導体素子の微細化のために、露光光源の短波長化及び投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では、193nmの波長を有するArFエキシマレーザーを光源とする露光機が開発されている。解像力を更に高める技術として、投影レンズと試料との間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)を満たす方法(即ち、液浸法)が提唱されている。また、更に短い波長(13.5nm)の紫外光で露光を行なうEUVリソグラフィも提唱されている。
近年、より微細なパターンを形成するために光酸発生剤を樹脂に担持した組成物も開発されている(特許文献1)。しかしながら、光酸発生剤を担持した樹脂の製造は煩雑であり、製造コストが高くなる要因となりえるので、簡便かつ安価に製造可能な光酸発生剤を用いて、微細なパターンの形成に適した組成物の開発が求められている。
しかしながら、総合的に優れた性能を有したパターンを形成するために必要なレジスト組成物やパターン形成方法を見出すことは、極めて困難であるのが実情である。
近年では、有機溶剤を含んだ現像液を用いたパターン形成方法も開発されつつある(例えば、特許文献2〜4参照)。例えば、特許文献4には、基板上に、活性光線又は放射線の照射により、アルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤現像液に対する溶解度が減少するレジスト組成物を塗布する工程、露光工程、及び有機溶剤現像液を用いて現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法が開示されている。この方法によると、高精度な微細パターンを安定的に形成することが可能となる。
しかしながら、上記の組成物においては、解像力及び露光ラチチュード(EL)について、更なる改善が求められている。
特開2009−93137号公報 特開2008−281974号公報 特開2008−281975号公報 特開2008−292975号公報
本発明の目的は、ブリッジ前寸法等の解像力及び露光ラチチュードに優れた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法を提供することにある。また本発明はブリッジ前寸法等の解像力及び露光ラチチュードの向上に寄与する、酸発生剤から発生する酸の拡散性が低下する反応系を、簡便かつ安価に提供する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜及びパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
[1]
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)、
酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)、及び、
活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。但し、前記樹脂(B)と化合物(C)とは同一の化合物であっても良い。
[2]
前記化合物(A)が、活性光線又は放射線の照射により、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する酸を発生する化合物であり、
前記化合物(C)が、電子受容性基REAを有する化合物であり、
前記電子供与性基REDと前記電子受容性基REAとが酸存在下で反応して共有結合を形成する、上記[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[3]
前記化合物(A)が、活性光線又は放射線の照射により、電子受容性基REAを有する酸を発生する化合物であり、
前記化合物(C)が、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する化合物であり、
前記電子供与性基REDと前記電子受容性基REAとが酸存在下で反応して共有結合を形成する、上記[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[4]
活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸が、非求核性アニオン性基として、スルホン酸アニオン性基、イミド酸アニオン性基及びカルボン酸アニオン性基のいずれかを有する、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[5]
活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸が、非求核性アニオン性基として、スルホン酸アニオン性基及びイミド酸アニオン性基のいずれかを有する、上記[4]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[6]
前記電子供与性基REDが、水酸基、チオール基及びカルボキシル基のいずれかである、上記[2]〜[5]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[7]
前記電子供与性基REDが、水酸基及びチオール基のいずれかである、上記[6]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[8]
前記電子受容性基REAが、環状エーテル基、ビニルエーテル基、アルデヒド基、カルボニル基と共役しているアルケニル基及びメチロール基のいずれかである、上記[2]〜[7]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[9]
前記電子受容性基REAが、環状エーテル基、ビニルエーテル基及びメチロール基のいずれかである、上記[8]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[10]
前記樹脂(B)と化合物(C)とが同一の化合物である、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[11]
前記樹脂(B)と化合物(C)とが異なる化合物である、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[12]
前記樹脂(B)が、実質的に芳香環を有さない、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[13]
上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
[14]
上記[13]に記載のレジスト膜を露光する工程、及び現像液を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
[15]
前記現像液が、有機溶剤を含む現像液である、上記[14]に記載のパターン形成方法。
[16]
前記露光する工程における露光が、液浸露光である、上記[14]又は[15]に記載のパターン形成方法。
本発明は、更に、下記の構成であることが好ましい。
[17]
更に、塩基性化合物を含有する、上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[18]
更に、疎水性樹脂を含有する、上記[1]〜[12]及び[17]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[19]
有機溶剤現像用である、上記[1]〜[12]、[17]及び[18]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[20]
アルカリ現像用である、上記[1]〜[12]、[17]及び[18]のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
本発明によれば、ブリッジ前寸法等の解像力及び露光ラチチュード(EL)に優れた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を比較的安価に製造することができる。また本発明によれば、該感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物と用いたレジスト膜及びパターン形成方法を提供することが出来る。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物>
まず、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について説明する。本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ネガ型の現像(露光部がパターンとして残り、未露光部が除去される現像)に用いてもよく、ポジ型の現像(露光部が除去され、未露光部がパターンとして残る現像)に用いてもよい。即ち、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、有機溶剤を含む現像液を用いた現像に用いられる有機溶剤現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であってもよく、アルカリ現像液を用いた現像に用いられるアルカリ現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であってもよい。ここで、有機溶剤現像用とは、少なくとも、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味し、アルカリ現像用とは、少なくとも、アルカリ現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)(以下、酸発生剤(A)ともいう)、酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)(以下、酸分解性樹脂(B)ともいう)、及び、活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)を含む。但し、前記樹脂(B)と化合物(C)とは同一の化合物であっても良い。
換言すると、本発明の一態様は、前記樹脂(B)と化合物(C)とが同一の化合物であり(すなわち一つの化合物が前記樹脂(B)と化合物(C)の両方に相当する)、別の態様は、前記樹脂(B)と化合物(C)とが異なる化合物である。
本発明のレジスト膜は、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成された膜であり、例えば、基材に、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布することにより形成される膜である。
本発明者らは、活性光線又は放射線の照射により発生した酸と、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成される膜中の化合物(具体的には、化合物(C))とが結合する場合、解像力及び露光ラチチュードが改良されることを見出している。
その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。即ち、活性光線又は放射線の照射により発生した酸と、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成される膜中の化合物(具体的には、化合物(C))とが反応し、共有結合を形成することで発生酸の分子量が増大する。そのため、膜中における発生酸の拡散性が低下し、解像力及び露光マージンが改良されていると考えている。
また本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる化合物は、簡便かつ安価に製造又は入手可能であるため、本発明によれば、上述のような酸発生剤から発生する酸の拡散性が低下する反応系を、簡便かつ安価に提供することができる。
更に、有機溶剤を含む現像液を用いたネガ型の現像を行う場合には、解像力及び露光ラチチュードを向上させるために、未露光部の有機溶剤を含む現像液に対する高い溶解性が求められる。本発明の構成において特に、有機溶剤を含む現像液に対する高い溶解性に適した分子量やサイズを有する酸発生剤を用い、かつ、該酸発生剤から発生する酸が反応系中で別の化合物と反応し、共有結合を形成することで分子量が増大し、発生酸の拡散性が低下することで、未露光部の有機溶剤を含む現像液に対する高い溶解性を達成しつつ、解像力及び露光マージンを改良することができる。
また、この感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(D)塩基性化合物、(E)溶剤、(F)疎水性樹脂、(G)界面活性剤、及び(H)その他の添加剤の少なくとも1つを更に含んでいてもよい。以下、これら各成分について、順に説明する。
[1] 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)、及び、活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)、及び、活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)を含有する。但し、化合物(C)は後述する酸分解性樹脂(B)と同一の化合物であっても良い。すなわち、化合物(C)は酸分解性樹脂であって、かつ、活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する樹脂であっても良い。
本発明において、活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、前記化合物(C)とが酸存在下で反応し、共有結合を形成する限り、化合物(A)と化合物(C)との組み合わせは特に限定されないが、化合物(A)が発生する酸と化合物(C)とが反応し、共有結合を形成するための化合物の組み合わせとしては、以下の[1−1]又は[1−2]の組み合わせが好ましい。
[1−1]前記化合物(A)が、活性光線又は放射線の照射により、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する酸を発生する化合物(a1)(酸発生剤(a1))であり、
前記化合物(C)が、電子受容性基REAを有する化合物(c1)であり、
前記電子供与性基REDと前記電子受容性基REAとが酸存在下で反応して共有結合を形成する、化合物(A)と化合物(C)との組み合わせ。
[1−2]前記化合物(A)が、活性光線又は放射線の照射により、電子受容性基REAを有する酸を発生する化合物(a2)(酸発生剤(a2))であり、
前記化合物(C)が、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する化合物(c2)であり、
前記電子供与性基REDと前記電子受容性基REAとが酸存在下で反応して共有結合を形成する、化合物(A)と化合物(C)との組み合わせ。
ここで、電子供与性基REDとは、アニオンや孤立電子対を有する基であり、電子受容性基REAとは電子不足部位を有する基であって、該電子不足部位に電子を受容することにより共有結合を形成可能な基をいう。
電子供与性基REDとしては、例えば水酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、オキシム基、アジド基などが挙げられ、好ましくは水酸基、チオール基及びカルボキシル基のいずれかであり、より好ましくは水酸基及びチオール基のいずれかである。
電子受容性基REAとしては、例えばエポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基、アルデヒド基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基などのカルボニル基と共役しているアルケニル基、及びメチロール基が挙げられ、好ましくは環状エーテル基、ビニルエーテル基、アルデヒド基、カルボニル基と共役しているアルケニル基及びメチロール基のいずれかであり、より好ましくは環状エーテル基、ビニルエーテル基及びメチロール基のいずれかであり、更に好ましくはエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びメチロール基のいずれかであり、更により好ましくはエポキシ基及びオキセタン基のいずれかである。
活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸は、非求核性アニオン性基として、スルホン酸アニオン性基、イミド酸アニオン性基及びカルボン酸アニオン性基のいずれかを有することが好ましく、スルホン酸アニオン性基及びイミド酸アニオン性基のいずれかを有することがより好ましい。
なお本明細書において“非求核性アニオン性基”とは、酸解離定数(pKa)が2未満のアニオン性基を意味する。
また、化合物(C)は後述する酸分解性樹脂(B)と同一の化合物であることが好ましい。
また本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、有機溶剤現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物である場合、有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が良好であることから、上記[1−1]において、前記化合物(A)は、活性光線又は放射線の照射により、酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する酸を発生する化合物であることが好ましく、上記[1−2]において、前記化合物(C)は、酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する化合物であることが好ましい。
また本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、アルカリ現像用感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物である場合、解像性の観点から、上記[1−2]の組み合わせであることが好ましい。
まず上記[1−1]の組み合わせにおいて使用される、酸発生剤(a1)と化合物(c1)について説明する。
[1−1−1] 酸発生剤(a1)
活性光線又は放射線の照射により、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する酸を発生する酸発生剤(a1)は、下記一般式(a1−I)又は(a1−II)で表されることが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(a1−I)及び(a1−II)において、
a1 は、非求核性アニオン性基を表す。
a1は、単結合又は2価の連結基を表す。
EDは、酸存在下で求核攻撃可能な電子供与性基を表す。
ED’は、酸存在下で求核攻撃可能な電子供与性基から誘導される連結基であり、Pa1は、酸の作用により脱離する基であり、−RED’−Pa1は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を表す。
a1 na1+は、na1価の有機対カチオンを表す。
a1は、1以上の整数を表す。
EDは、酸存在下で求核反応を行う電子供与性基であれば特に限定されない。ここで電子供与性基とは、アニオンや孤立電子対を有する基であり、別の分子における電子不足部位を攻撃して始まる反応(いわゆる求核反応)を行う基をいう。REDとしては、例えば水酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、オキシム基、アミド基などが挙げられ、好ましくは水酸基、チオール基、カルボキシル基及びオキシム基のいずれかであり、より好ましくは水酸基、チオール基及びカルボキシル基のいずれかであり、更に好ましくは水酸基及びチオール基のいずれかである。
ED’は、上記REDで表される、酸存在下で求核反応を行う電子供与性基から誘導される連結基である。例えば、RED’としては、上記REDで表される、酸存在下で求核反応を行う電子供与性基から任意の一つの水素原子を除してなる連結基が挙げられる。具体的には、例えば、REDが水酸基、チオール基及びカルボキシル基の時、RED’はそれぞれ、−O−、−S−及び−C(=O)O−で表される連結基である。
a1は、酸の作用により脱離する基であり、酸の作用により上記電子供与性基REDを発生する基−RED’−Pa1としては、下記の酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基、酸の作用により分解してチオール基を生じる基、及び酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基のいずれかが好ましく、酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基が、脱保護が容易であること、及び、十分な求核性を有することからより好ましい。
(酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基)
酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基は、下記一般式(I−1)〜(I−4)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることが好ましい。
Figure 2012073401
式中、
は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
は、各々独立に、1価の有機基を表す。Rは、互いに結合して、環を形成していてもよい。RとRとは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。2つのRは、互いに結合して、環を形成していてもよい。但し、3つの前記Rのうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りの前記Rのうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基は、下記一般式(I−5)〜(I−9)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることも好ましい。
Figure 2012073401
式中、
は、一般式(I−1)〜(I−3)におけるものと同義である。
は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基は、一般式(I−1)〜(I−4)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることがより好ましく、一般式(I−1)、(I−3)又は(I−4)により表されることが更に好ましく、一般式(I−1)又は(I−4)により表されることが特に好ましい。
は、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Rのアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。Rのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基が挙げられる。
のシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。Rのシクロアルキル基の炭素数は、3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。Rのシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基が挙げられる。
また、一般式(I−1)において、Rの少なくとも一方は、1価の有機基であることが好ましい。このような構成を採用すると、特に高い感度を達成することができる。
一般式(I−1)において、Rが互いに結合して形成する環としては、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられ、シクロアルキル環が好ましい。シクロアルキル環の炭素数は、3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。
は、1価の有機基を表す。Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。これらアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
のアルキル基は、置換基を有していないか、又は、1つ以上のシクロアルキル基、1つ以上のアリール基及び/又は1つ以上のシリル基を置換基として有していることが好ましい。無置換アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。1つ以上のシクロアルキル基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜25であることが好ましい。1つ以上のアリール基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜25であることが好ましい。1つ以上のシリル基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜30であることが好ましい。また、Rのシクロアルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、3〜20であることが好ましい。Rのアルケニル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、2〜20であることが好ましい。Rのアリール基が置換基を有していない場合、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。Rのシクロアルキル基、アルケニル基及びアリール基が有していてもよい置換基としては、Rのアルキル基が有していてもよい置換基と同様である。
一般式(I−1)において、RとRとが互いに結合して形成する環は、環状エーテル環であり、更に酸素原子などのヘテロ原子、−S(=O)−などを環に含んでいてもよい。環状エーテル環は単環であっても多環であってもよく、炭素数は、3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。
一般式(I−2)及び(I−3)において、Rが互いに結合して形成する環としては、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられ、シクロアルキル環が好ましい。シクロアルキル環の炭素数は、3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。但し、3つのRのうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りのRのうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。Rは、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。アルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることが好ましい。
のシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよい。多環型の場合、シクロアルキル基は有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は橋かけ構造を有していてもよい。
単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。
多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基を挙げることができる。
のアリール基としては、炭素数6〜10個のものが挙げられ、アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。具体的にはフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
のアルケニル基としては、炭素数2〜20のアルケニル基が挙げられ、アリール基などの置換基を有していてもよい。
のアルキニル基としては、炭素数2〜20のアルキニル基が挙げられ、アリール基などの置換基を有していてもよい。
一般式(I−4)において、Rが互いに結合して形成する環としては、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられ、シクロアルキル環が好ましい。シクロアルキル環は環内に不飽和結合を有していていもよく、ベンゼン環等のアリール環と縮環していてもよい。シクロアルキル環の炭素数は、3〜20であることが好ましく、4〜15であることがより好ましい。
は、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10でありかつ置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。
なお、R及びRのアルキル基及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、先にRについて説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基の具体例を示す。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
(酸の作用により分解してチオール基を生じる基)
酸の作用により分解してチオール基を生じる基は、下記一般式(II−1)により表されることが好ましい。
Figure 2012073401
式中、
は、上記一般式(I−4)におけるRと同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
以下に、酸の作用により分解してチオール基を生じる基の具体例を示す。
Figure 2012073401
(酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基)
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基は、下記一般式(III−1)により表されることが好ましい。
Figure 2012073401
式中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
RxとRxとが結合して、環を形成してもよい。
Rx〜Rxとしての1価の有機基は、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)であることが好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜20の単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの炭素数4〜20の多環のシクロアルキル基が好ましい。
RxとRxとが結合して形成される環としては、シクロアルキル基(単環若しくは多環)であることが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基がより好ましく、炭素数5の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
Rx〜Rxは、置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)、アリール基(炭素数6〜10)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
以下に、酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基の具体例を示す。
Figure 2012073401
a1 の非求核性アニオン性基としては、例えば、イミド酸アニオン性基、スルホン酸アニオン性基、カルボン酸アニオン性基などが挙げられ、イミド酸アニオン性基、スルホン酸アニオン性基が好ましい。なお酸性度の観点から、イミド酸アニオン性基としては、スルホニルイミド酸アニオン性基が好ましい。
a1は、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基であることが好ましい。Aa1としての2価の連結基は、好ましくは、炭素数2〜10の有機基であり、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、及びこれら基からなる群より選ばれる少なくとも2つを組み合わせてなる基などが挙げられる。前述の基からなる群より選ばれる少なくとも2つを組み合わせてなる基において、少なくとも2つの基は酸素原子、硫黄原子、−NR−、カルボニル基、及び−S(=O)−からなる群より選ばれる少なくとも1つを介して連結していてもよい。
a1としての2価の連結基は、より好ましくはアルキレン基であり、好ましい炭素数は2〜8である。アルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子、−NR−、カルボニル基、及び−S(=O)−からなる群より選ばれる少なくとも1つの連結基を有していても良い。アルキレン基は、フッ素原子が置換されていてもよく、Xa1 と結合した炭素原子がフッ素原子を有することがより好ましい。なお上記−NR−におけるRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
a1 na1+は、na1価の有機対カチオンを表す。Ma1 na1+はスルホニウムカチオン、又はヨードニウムカチオンで表されることが好ましく、より好ましくは下記一般式(ZI)又は(ZII)で表されるカチオンである。
Figure 2012073401
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203により表される有機基としては、例えば、後述するカチオン(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)及び(ZI−4)における対応する基を挙げることができる。
なお、na1が2以上の整数のとき、一般式(ZI)で表される構造を複数有するカチオンであってもよい。例えば、一般式(ZI)で表されるカチオンのR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつのカチオンのR201〜R203の少なくとも一つと、単結合又は連結基を介して結合した構造を有するカチオンであってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明するカチオン(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)及び(ZI−4)を挙げることができる。
カチオン(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムカチオン、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする。
アリールスルホニウムカチオンは、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウムカチオンとしては、例えば、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアリールアルキルスルホニウムカチオン、アリールジアルキルスルホニウムカチオン、ジアリールシクロアルキルスルホニウムカチオン、アリールジシクロアルキルスルホニウムカチオンを挙げることができる。
アリールスルホニウムカチオンのアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、ベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウムカチオンが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムカチオンが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、カチオン(ZI−2)について説明する。
カチオン(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表すカチオンである。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、カチオン(ZI−3)について説明する。
カチオン(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表されるカチオンであり、フェナシルスルフォニウム構造を有するカチオンである。
Figure 2012073401
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R5cとR6c、R6cとR7c、R5cとR、及びRとRは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、ケトン基、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
上記環構造としては、芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又は、これらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環を挙げることができる。環構造としては、3〜10員環を挙げることができ、4〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
5cとR6c、及び、R5cとRが結合して形成する基としては、単結合又はアルキレン基であることが好ましく、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基等を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜10個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアリール基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜10の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基の具体例は、前記R1c〜R5cとしてのアルコキシ基の具体例と同様である。
1c〜R5cとしてのアルキルカルボニルオキシ基及びアルキルチオ基におけるアルキル基の具体例は、前記R1c〜R5cとしてのアルキル基の具体例と同様である。
1c〜R5cとしてのシクロアルキルカルボニルオキシ基におけるシクロアルキル基の具体例は、前記R1c〜R5cとしてのシクロアルキル基の具体例と同様である。
1c〜R5cとしてのアリールオキシ基及びアリールチオ基におけるアリール基の具体例は、前記R1c〜R5cとしてのアリール基の具体例と同様である。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐若しくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
1c〜R5cのいずれか2つ以上が互いに結合して形成してもよい環構造としては、好ましくは5員又は6員の環、特に好ましくは6員の環(例えばフェニル環)が挙げられる。
5c及びR6cが互いに結合して形成してもよい環構造としては、R5c及びR6cが互いに結合して単結合又はアルキレン基(メチレン基、エチレン基等)を構成することにより、一般式(ZI−3)中のカルボニル炭素原子及び炭素原子と共に形成する4員以上の環(特に好ましくは5〜6員の環)が挙げられる。
6c及びR7cとしてのアリール基としては、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
6c及びR7cの態様としては、その両方がアルキル基である場合が好ましい。特に、R6c及びR7cが各々炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基である場合が好ましく、とりわけ、両方がメチル基である場合が好ましい。
また、R6cとR7cとが結合して環を形成する場合に、R6cとR7cとが結合して形成する基としては、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などを挙げることができる。また、R6cとR7cとが結合して形成する環は、環内に酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
及びRとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cにおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
及びRとしての2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
及びRとしてのアルコキシカルボニルアルキル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cおけると同様のアルコキシ基を挙げることができ、アルキル基については、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)を挙げることができる。
及びRとしてのアリル基としては、特に制限は無いが、無置換のアリル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基)で置換されたアリル基であることが好ましい。
及びRとしてのビニル基としては特に制限は無いが、無置換のビニル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基)で置換されたビニル基であることが好ましい。
5c及びRが互いに結合して形成してもよい環構造としては、R5c及びRが互いに結合して単結合又はアルキレン基(メチレン基、エチレン基等)を構成することにより、一般式(ZI−3)中の硫黄原子とカルボニル炭素原子と共に形成する5員以上の環(特に好ましくは5員の環)が挙げられる。
及びRが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のR及びR(例えば、メチレン基、エチレンキ基、プロピレン基等)が一般式(ZI−3)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。
及びRは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
1c〜R7c、R及びRは、更に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アリールカルボニル基、アルコキシアルキル基、アリールオシキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜12個の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を挙げることができる。
前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜10個のシクロアルキル基を挙げることができる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜15のアリール基を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜10個のアリールオキシ基等を挙げることができる。
前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、n−ブタノイル基、i−ブタノイル基、n−ヘプタノイル基、2−メチルブタノイル基、1−メチルブタノイル基、t−ヘプタノイル基等の炭素原子数2〜12の直鎖状若しくは分岐状のアシル基等を挙げることができる。
前記アリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基等の炭素数6〜10個のアリールオキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アリールオキシアルキル基としては、例えば、フェニルオキシメチル基、フェニルオキシエチル基、ナフチルオキシメチル基、ナフチルオキシエチル基等の炭素数7〜12個のアリールオキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素数7〜11個のアリールオキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記アリールオキシカルボニルオキシ基としては、例えば、フェニルオキシカルボニルオキシ基、ナフチルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数7〜11個のアリールオキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
上記一般式(ZI−3)中、R1c、R2c、R4c及びR5cが、各々独立に、水素原子を表し、R3cが水素原子以外の基、すなわち、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表すことがより好ましい。
本発明の一般式(ZI−2)又は(ZI−3)で表されるカチオンとしては、以下の具体例が挙げられる。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
次に、カチオン(ZI−4)について説明する。
カチオン(ZI−4)は、下記一般式(ZI−4)で表される。
Figure 2012073401
一般式(ZI−4)中、
13は水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は複数存在する場合は各々独立して、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。これらの基は置換基を有してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、単環若しくは多環のシクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基)が挙げられ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ノルボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロデカニル、アダマンチル等があげられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが好ましい。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
13及びR14のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
13及びR14のシクロアルキル基を有する基としては、単環若しくは多環のシクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基)が挙げられ、例えば、単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環若しくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル基を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシルオキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シ
クロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンチルオキシ基等が挙げられる。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンチルメトキシ基、アダマンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等が好ましい。
上記各基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個の2価のR15が一般式(ZI−4)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基又はシクロアルキル基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。前記環構造に対する置換基は、複数個存在しても良く、また、それらが互いに結合して環(芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又はこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環など)を形成しても良い。
一般式(ZI−4)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましい。
13及びR14が有し得る置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
本発明の一般式(ZI−4)で表されるカチオンとしては以下の具体例が挙げられる。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
次に、一般式(ZII)について説明する。
一般式(ZII)中、
204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204及びR205のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等を挙げることができる。
204及びR205におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。 R204及びR205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204及びR205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
なお、na1が2以上の整数のとき、一般式(ZII)で表される構造を複数有するカチオンであってもよい。例えば、一般式(ZII)で表されるカチオンのR204及びR205の少なくとも1つが、一般式(ZII)で表されるもうひとつのカチオンのR204及びR205の少なくとも一つと、単結合又は連結基を介して結合した構造を有するカチオンであってもよい。
a1は、1以上の整数を表す。na1は、好ましくは1〜8の整数であり、より好ましくは1〜4の整数であり、更に好ましくは1又は2であり、最も好ましくは1である。
以下、酸発生剤(a1)が発生する酸の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012073401
以下、Ma1 na1+の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012073401
下記表1に、酸発生剤(a1)の具体例を表すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012073401
[1−1−2] 化合物(c1)
電子受容性基REAを有する化合物(c1)は、下記一般式(c−1)で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c−1)中、
EAは、酸存在下で求電子反応を行う電子受容性基を表す。
c1は、単結合又は2価の連結基を表す。
*は結合位置を表す。
EAは、酸存在下で求電子反応を行う電子受容性基であれば特に限定されない。ここで電子受容性基とは、電子不足部位を有する基であり、酸の存在下(例えば、pHが6以下、より好ましくは4以下の条件下)で、別の分子における電子供与性基から電子不足部位に電子を受け取ることにより共有結合を形成する反応(いわゆる求電子反応)を行う基をいう。REAとしては、例えばエポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基、アルデヒド基、イソシアネート基、カルボニル基と共役しているアルケニル基、及びメチロール基が挙げられ、好ましくは環状エーテル基、ビニルエーテル基、アルデヒド基、カルボニル基と共役しているアルケニル基及びメチロール基のいずれかであり、より好ましくは環状エーテル基、ビニルエーテル基及びメチロール基のいずれかであり、更に好ましくはエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びメチロール基のいずれかであり、更により好ましくはエポキシ基及びオキセタン基のいずれかである。
c1は、単結合又は2価の連結基を表す。Bc1で表される2価の連結基としては、下記一般式(Bc1−I)で表される2価の連結基であることが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(Bc1−I)中、
c1は、エーテル結合(−O−で表される基)、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−)を表す。 Rc1は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はこれら基の組み合わせを表す。Rc1が複数ある場合、該複数のRc1は同じでも異なっていてもよい。
c1は、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
Figure 2012073401
又はウレア結合
Figure 2012073401
を表す。ここで、R’は、各々独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。Zc1が複数ある場合、該複数のZc1は同じでも異なっていてもよい。
*は結合位置を表す。
**は電子受容性基REAとの結合位置を表す。
c1は、−Zc1−Rc1−で表される構造の繰り返し数であり、1以上の整数を表す。
c1は、エーテル結合(−O−で表される基)、又はエステル結合(−COO−で表される基)であることが好ましい。
c1で表される基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基又はこれらの組み合わせ(好ましくは総炭素数が20以下)であれば特に限定はされないが、アルキレン基としては鎖状アルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数が1〜10の鎖状のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数1〜5であり、更により好ましくは炭素数1〜3である。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレン基としては、炭素数3〜20のシクロアルキレン基であり、より好ましくは炭素数5〜10である。例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基等が挙げられる。本発明の効果を発現するためにはアルキレン基が好ましく、鎖状アルキレン基がより好ましい。
c1のアルキレン基、シクロアルキレン基は、各々置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やメルカプト基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシルオキシ基が挙げられる。
c1は好ましくは、単結合、エーテル結合又はエステル結合である。 nc1は、−Zc1−Rc1−で表される構造の繰り返し数であり、1〜6の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましい。
化合物(c1)は、以下の[1−1−2−1]で記載されるような低分子化合物であってもよく、[1−1−2−2]で記載されるような高分子化合物であってもよい。
[1−1−2−1]化合物(c1)が低分子化合物である態様
化合物(c1)が低分子化合物である場合、分子量2000以下の低分子化合物であることが好ましく、1500以下の低分子化合物であることがより好ましく、分子量900以下の低分子化合物であることが更に好ましい。ここで、本発明における低分子化合物とは、不飽和結合を持った化合物(いわゆる重合性モノマー)を、開始剤を使用しつつその不飽和結合を開裂させ、連鎖的に結合を成長させることによって得られる、いわゆるポリマーやオリゴマーではなく、分子量2000以下(より好ましくは1500以下、更に好ましくは900以下)の一定の分子量を有する化合物(実質的に分子量分布を有さない化合物)である。なお、分子量は、通常、100以上である。 化合物(c1)が低分子化合物である場合、化合物(c1)は下記一般式(c−1−1)で表されることが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c−1−1)中、
EA及びBc1は、前記一般式(c−1)におけるREA及びBc1とそれぞれ同義である。
c1は一価の有機基を表す。
一般式(c−1−1)における電子受容性基REAの具体例及び好ましい範囲は、前述の一般式(c−1)における電子受容性基REAの具体例及び好ましい範囲と同様である。
一般式(c−1−1)における、Bc1で表される2価の連結基の具体例及び好ましい範囲は、前述の一般式(c−1)における、Bc1で表される2価の連結基の具体例及び好ましい範囲と同様である。なお、Bc1が単結合であり、REAが環状エーテル基のとき、該環状エーテル基はRc1で表される一価の有機基と縮合していてもよい。
c1としての一価の有機基は、炭素数3以上の炭化水素基を有する基であることが好ましく、非環式炭化水素基、環状脂肪族基であることがより好ましい。
c1としての非環式炭化水素基としては、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、s−ブチル基、イソブチル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。非環式炭化水素基の有する炭素数の上限としては、好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。
c1としての環状脂肪族基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基、ピネニル基等が挙げられ、置換基を有していてもよい。環状脂肪族基の有する炭素数の上限としては、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。
上記非環式炭化水素基又は環状脂肪族基が置換基を有している場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基、フェニルチオキシ基、p−トリルチオキシ基等のアリールチオオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基、及び分岐アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、アセチレン基、プロピニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、カルボニル基、シアノ基等が挙げられる。
c1としての環状脂肪族基又は非環式炭化水素基の具体例としては以下のものが挙げられる。
以下の具体例中、*はBc1との結合位置を示す。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
酸発生剤(a1)から発生される酸の拡散抑制の観点から、上記の中でも下記構造がより好ましい。
Figure 2012073401
[1−1−2−2] 化合物(c1)が高分子化合物である態様
化合物(c1)が高分子化合物である場合、化合物(c1)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜13,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、かつ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。ここで、本発明における高分子化合物とは、不飽和結合を持った化合物(いわゆる重合性モノマー)を、開始剤を使用しつつその不飽和結合を開裂させ、連鎖的に結合を成長させることによって得られる、いわゆるポリマーやオリゴマーである。
化合物(c1)が高分子化合物である場合、化合物(c1)は下記一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c−1−2)中、
EA及びBc1は、前記一般式(c−1)におけるREA及びBc1と同義である。
c1は高分子の主鎖構造を表す。
一般式(c−1−2)における電子受容性基REAの具体例及び好ましい範囲は、前述の一般式(c−1)における電子受容性基REAの具体例及び好ましい範囲と同様である。
一般式(c−1−2)における、Bc1で表される2価の連結基の具体例及び好ましい範囲は、前述の一般式(c−1)における、Bc1で表される2価の連結基の具体例及び好ましい範囲と同様である。一般式(c−1−2)において、Bc1は2価の連結基であることが反応性向上の観点で好ましい。
c1で表される高分子の主鎖構造としては、下記一般式(IV−1)〜(IV−8)のいずれかで表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2012073401
式中、
Raは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Raにより表される基を表す。ここで、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
Wは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
lは、0以上の整数を表す。
は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO−又は−SONH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。
Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
は、水素原子又は有機基を表す。
は、3価の連結基を表す。
は、p≧2の場合は各々独立に、置換基を表す。p≧2の場合、複数のRは、互いに結合して環を形成していてもよい。
pは、0〜3の整数を表す。
*はBc1との結合位置を表す。
Raは、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Raにより表される基を表す。Raは、水素原子又は炭素数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
Wは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Wは、メチレン基又は酸素原子であることが好ましい。
は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO−又は−SONH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。Lは、好ましくは−COO−、−CONH−又は−Ar−により表される連結基であり、より好ましくは−COO−又は−CONH−により表される連結基である。
Rは、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3である。Rは、好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
は、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキニル基、及びアルケニル基が挙げられる。Rは、好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは、水素原子又はメチル基である。
は、3価の連結基を表す。Lは、好ましくは、非芳香族性の炭化水素基であり、鎖状炭化水素基であってもよく、脂環状炭化水素基であってもよい。鎖状炭化水素基の具体例としては、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜8)の任意の水素原子を1個除した基を、脂環状炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは炭素数7〜25)の任意の水素原子を1個取り除いた基を挙げることができる。
は、置換基を表す。この置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子が挙げられる。
lは、0以上の整数である。lは、0又は1であることが好ましい。
pは、0〜3の整数である。
c1で表される高分子の主鎖構造としては、上記一般式(IV−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。この時、Bc1は2価の連結基であることが好ましく、上記一般式(Bc1−I)で表される2価の連結基であることがより好ましく、Ac1がエステル結合(−COO−で表される基)であることが更に好ましい。この時のRc1、Zc1及びnc1の好ましい範囲は、上記一般式(Bc1−I)におけるRc1、Zc1及びnc1の好ましい範囲と同様である。
化合物(c1)が高分子化合物である場合、該高分子化合物は(1)酸分解性樹脂である態様(以下、酸分解性樹脂(c1)ともいう)、及び(2)非酸分解性樹脂である態様(以下、非酸分解性樹脂(c1)ともいう)に大別される。
(酸分解性樹脂(c1))
化合物(c1)が酸分解性樹脂(c1)である場合、上記一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位のほか、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する酸分解性繰り返し単位を更に含有し、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する酸分解性繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
酸分解性樹脂(c1)における、上記一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位の含有量は、酸分解性樹脂(c1)の全繰り返し単位に対し、1〜65モル%が好ましく、より好ましくは3〜50モル%、更に好ましくは5〜40モル%である。
酸分解性樹脂(c1)における、酸分解性繰り返し単位の含有量は、酸分解性樹脂(B)で説明する範囲と同様である。また酸分解性樹脂(c1)が更に、酸分解性繰り返し単位以外の繰り返し単位を含有する場合の、該繰り返し単位の含有量も酸分解性樹脂(B)で説明する範囲とそれぞれ同様である。
化合物(c1)が酸分解性樹脂(c1)である場合、酸分解性樹脂(c1)と後述の酸分解性樹脂(B)とが同一であっても良い。すなわち、酸分解性樹脂(c1)が、酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)であると共に、活性光線又は放射線の照射により化合物(A)(具体的には、酸発生剤(a1))が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)であってもよい。
(非酸分解性樹脂(c1))
化合物(c1)が非酸分解性樹脂(c1)である場合、上記一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位のほか、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する繰り返し単位の内、酸分解性繰り返し単位、及び酸分解性繰り返し単位以外の繰り返し単位であって酸分解性基を有するもの以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
非酸分解性樹脂(c1)における、上記一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位の含有量は、非酸分解性樹脂(c1)の全繰り返し単位に対し、5〜100モル%が好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。
非酸分解性樹脂(c1)は、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する、極性基(例えば、後述の酸基、水酸基、シアノ基)を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有することが好ましい。該繰り返し単位の具体例及び好ましい範囲は、酸分解性樹脂(B)におけるものと同様である。但し、非酸分解性樹脂(c1)が極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有する場合の含有量は、非酸分解性樹脂(c1)の全繰り返し単位に対し、5〜95モル%が好ましく、より好ましくは20〜90モル%、更に好ましくは40〜80モル%である。 非酸分解性樹脂(c1)が更に、上記以外の繰り返し単位を含有する場合の、該繰り返し単位の含有量は酸分解性樹脂(B)で説明する範囲とそれぞれ同様である。
以下、一般式(c−1−1)で表される低分子化合物、及び一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012073401
次に上記[1−2]の組み合わせにおいて使用される、酸発生剤(a2)と化合物(c2)について説明する。
[1−2−1] 酸発生剤(a2)
活性光線又は放射線の照射により、電子受容性基REAを有する酸を発生する酸発生剤(a2)は、下記一般式(a2)で表されることが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(a2)において、
a2 は、非求核性アニオン性基を表す。
a2は、単結合又は2価の連結基を表す。
EAは、酸存在下で求電子反応を行う電子受容性基を表す。
a2 na2+は、na2価の有機対カチオンを表す。
a2は、1以上の整数を表す。
一般式(a2)におけるXa2 、Aa2、Ma2 na2+、na2及びREAの具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(a1−I)及び(a1−II)におけるXa1 、Aa1、Ma1 na1+、na1、及び上記一般式(c−1)におけるREAの具体例及び好ましい範囲とそれぞれ同様のものを挙げることができる。
以下、酸発生剤(a2)が発生する酸の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012073401
下記表2に、酸発生剤(a2)の具体例を表すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、表2中のカチオン部として記載の記号は、前述のMa1 na1+の具体例の記号に対応するものである。
Figure 2012073401
[1−2−2]化合物(c2)
電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する化合物(c2)は、下記一般式(c2−I)又は(c2−II)で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c2−I)及び(c2−II)中、
EDは、酸存在下で求核攻撃可能な電子供与性基を表す。
ED’は、酸存在下で求核攻撃可能な電子供与性基から誘導される連結基であり、Pc2は、酸の作用により脱離する基であり、−RED’−Pc2は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を表す。
c2は単結合又は2価の連結基を表す。
*は結合位置を表す。
一般式(c2−I)及び(c2−II)におけるRED、RED’ 、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2の具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(a1−I)及び(a1−II)におけるRED、RED’、Pa1、−RED’−Pa1、及び上記一般式(c−1)におけるBc1の具体例及び好ましい範囲とそれぞれ同様のものを挙げることができる。
化合物(c2)は、以下の[1−2−2−1]で記載されるような低分子化合物であってもよく、[1−2−2−2]で記載されるような高分子化合物であってもよい。
[1−2−2−1] 化合物(c2)が低分子化合物である態様
化合物(c2)が低分子化合物である場合、化合物(c2)の分子量範囲は化合物(c1)が低分子化合物である場合と同様である。
化合物(c2)が低分子化合物である場合、化合物(c2)は下記一般式(c2−I−1)又は(c2−II−1)で表されることが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c2−I−1)及び(c2−II−1)中、
ED、RED’、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2は、前記一般式(c2−I)及び(c2−II)におけるRED、RED’、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2とそれぞれ同義である。
c2は一価の有機基を表す。
一般式(c2−I−1)及び(c2−II−1)におけるRED、RED’、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2の具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(a1−I)及び(a1−II)におけるRED、RED’、Pa1、−RED’−Pa1、及び上記一般式(c−1−1)におけるBc1の具体例及び好ましい範囲とそれぞれ同様のものを挙げることができる。なお、Bc2が前述の一般式(Bc1−I)で表される2価の連結基であるとき、一般式(Bc1−I)中の**は電子供与性基RED又は電子供与性基REDから誘導される連結基RED’との結合位置を表す。
一般式(c2−I−1)及び(c2−II−1)における、Rc2で表される一価の有機基の具体例及び好ましい範囲は、前述の一般式(c−1−1)における、Rc1で表される一価の有機基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
[1−2−2−2] 化合物(c2)が高分子化合物である態様
化合物(c2)が高分子化合物である場合、化合物(c2)の分子量範囲は化合物(c1)が高分子化合物である場合と同様である。
化合物(c2)が高分子化合物である場合、化合物(c2)は下記一般式(c2−I−2)又は(c2−II−2)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c2−I−2)及び(c2−II−2)中、
ED、RED’、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2は、前記一般式(c2−I)及び(c2−II)におけるRED、RED’、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2とそれぞれ同義である。
c2は高分子の主鎖構造を表す。
一般式(c2−I−2)及び(c2−II−2)におけるRED、RED’、Pc2、−RED’−Pc2、及びBc2の具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(a1−I)及び(a1−II)におけるRED、RED’、Pa1、−RED’−Pa1、及び上記一般式(c−1−2)におけるBc1の具体例及び好ましい範囲とそれぞれ同様のものを挙げることができる。なお、Bc2が前述の一般式(Bc1−I)で表される2価の連結基であるとき、一般式(Bc1−I)中の**は電子供与性基RED又は電子供与性基REDから誘導される連結基RED’との結合位置を表す。
一般式(c2−I−2)及び(c2−II−2)における、Mc2で表される高分子の主鎖構造の具体例及び好ましい範囲は、前述の一般式(c−1−2)における、Mc1で表される高分子の主鎖構造の具体例及び好ましい範囲と同様である。
化合物(c2)が高分子化合物である場合、該高分子化合物は(1)酸分解性樹脂である態様(以下、酸分解性樹脂(c2)ともいう)、及び(2)非酸分解性樹脂である態様(以下、非酸分解性樹脂(c2)ともいう)に大別される。
(酸分解性樹脂(c2))
化合物(c2)が酸分解性樹脂(c2)である場合、上記一般式(c2−I−2)又は(c2−II−2)で表される繰り返し単位のほか、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する酸分解性繰り返し単位を更に含有し、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する酸分解性繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
酸分解性樹脂(c2)における、上記一般式(c2−I−2)又は(c2−II−2)で表される繰り返し単位の含有量は、酸分解性樹脂(c2)の全繰り返し単位に対し、20〜80モル%が好ましく、より好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%である。但し、この含有量には、一般式(c2−II−2)に相当する、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する酸分解性繰り返し単位も含まれる。
また酸分解性樹脂(c2)が更に、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する酸分解性繰り返し単位以外の繰り返し単位を含有する場合の、該繰り返し単位の含有量は酸分解性樹脂(B)で説明する範囲とそれぞれ同様である。
化合物(c2)が酸分解性樹脂(c2)である場合、酸分解性樹脂(c2)と後述の酸分解性樹脂(B)とが同一であっても良い。すなわち、酸分解性樹脂(c2)が、酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)であると共に、活性光線又は放射線の照射により化合物(A)(具体的には、酸発生剤(a2))が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)であってもよい。
(非酸分解性樹脂(c2))
化合物(c2)が非酸分解性樹脂(c2)である場合、非酸分解性樹脂(c2)は上記一般式(c2−I−2)で表される繰り返し単位を含む樹脂であり、上記一般式(c2−I−2)で表される繰り返し単位のほか、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する繰り返し単位の内、酸分解性繰り返し単位、及び酸分解性繰り返し単位以外の繰り返し単位であって酸分解性基を有するもの以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
非酸分解性樹脂(c2)における、上記一般式(c2−I−2)で表される繰り返し単位の含有量は、非酸分解性樹脂(c2)の全繰り返し単位に対し、5〜100モル%が好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。
非酸分解性樹脂(c2)は、後述の酸分解性樹脂(B)で説明する、ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。該繰り返し単位の具体例及び好ましい範囲は、酸分解性樹脂(B)におけるものと同様である。 非酸分解性樹脂(c2)が更に、上記以外の繰り返し単位を含有する場合の、該繰り返し単位の含有量は酸分解性樹脂(B)で説明する範囲とそれぞれ同様である。
以下、一般式(c2−I−1)又は(c2−II−1)で表される低分子化合物、及び一般式(c2−I−2)又は(c2−II−2)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012073401
上記化合物(A)は、対応するアルコールやチオールによる求核反応等により合成することができる。
上記化合物(C)は、対応するアルコールのメタクリルエステル化や、アルコール基、チオール基による求核反応等により合成することができる。また例えば、東京化成やダイセル社より入手することも可能である。また化合物(C)が高分子化合物である場合には、前述の一般式(c−1−2)で表される繰り返し単位に対応するモノマー、又は、前述の一般式(c2−I−2)若しくは(c2−II−2)で表される繰り返し単位に対応するモノマーを用いて、後述の樹脂(B)と同様の合成方法により、重合できる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物においては、上記化合物(A)を、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、好ましくは感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは3〜12質量%である。
上記化合物(A)の発生酸の分子量は、一般的に100〜600の範囲であり、好ましくは150〜500であり、より好ましくは200〜500である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物においては、上記化合物(C)を、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、化合物(C)が酸分解性樹脂(B)と同一ではないとき(すなわち、化合物(C)が低分子化合物であるか、非酸分解性樹脂である場合)、化合物(C)の含有量は、好ましくは感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは1.0〜20質量%である。一方、化合物(C)が酸分解性樹脂(B)と同一のとき(すなわち、化合物(C)が酸分解性樹脂である場合)、化合物(C)の含有量は、好ましくは感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として30〜99質量%であり、より好ましくは60〜95質量%である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、化合物(A)以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、化合物(A’)ともいう)と組み合わされて使用されても良い。
化合物(A’)としては、特に限定されないが、好ましくは下記一般式(ZI’)、(ZII’)、(ZIII’)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2012073401
上記一般式(ZI’)において、R201、R202及びR203は、上述した一般式(ZI)におけるR201、R202及びR203各々と同義である。
は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
としては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他のZとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
としては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
一般式(ZII’)、(ZIII’)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基、アルキル基、シクロアルキル基とそれぞれ同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI’)に於けるZの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
本発明の化合物(A)と併用し得る化合物(A’)として、更に、下記一般式(ZIV’)、(ZV’)、(ZVI’)で表される化合物も挙げられる。
Figure 2012073401
一般式(ZIV’)〜(ZVI’)中、
Ar及びArは、各々独立に、アリール基を表す。
208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
本発明の化合物(A)と併用し得る化合物(A’)の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
併用酸発生剤は、公知の方法で合成することができ、例えば、特開2007−161707号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
併用酸発生剤は、1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、酸発生剤として化合物(A’)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、化合物(A’)の組成物中の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは1〜6質量%である。
[2] 酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる、酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(以下、「酸分解性樹脂(B)」又は「樹脂(B)」ともいう)は、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂である。 樹脂(B)としては、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸分解性基を有する樹脂を挙げることができる。
なお樹脂(B)は、有機溶剤を含む現像液を用いたネガ型の現像を行う場合には、酸の作用により分解し、極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂であり、アルカリ現像液を用いたポジ型の現像を行う場合には、酸の作用により分解し、極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂である。なお本発明における極性基は、アルカリ現像液を用いたポジ型の現像を行う場合には、アルカリ可溶性基として機能する。
極性基としては、有機溶剤を含む現像液中で難溶化又は不溶化する基であれば特に限定されないが、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましい極性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、アルコール性水酸基などが挙げられる。
本発明において、アルコール性ヒドロキシル基(以下、アルコール性水酸基ということもある。)とは、炭化水素基に結合したヒドロキシル基(水酸基)であって、芳香環上に直接結合したヒドロキシル基(フェノール性水酸基)やα位炭素(ヒドロキシル基が結合する炭素原子)がフッ素原子で置換された脂肪族アルコールにおけるヒドロキシル基以外のヒドロキシル基をいい、典型的にはpKaが12以上20以下のヒドロキシル基を表す。
極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造は、
(i)酸の作用により分解してカルボキシル基を発生する、下記一般式(a)で表される構造、
(ii)酸の作用により分解して1個のアルコール性水酸基を発生する、下記一般式(b)で表される構造、又は
(iii)酸の作用により分解して2個又は3個のアルコール性水酸基を発生する、下記一般式(c)で表される構造
であることが好ましい。
Figure 2012073401
式中、P及びPは、それぞれ独立して、酸の作用により分解し脱離する1価の基を表す。
は、酸の作用により分解し脱離するz価の基を表す。
zは2又は3を表す。
*は前記樹脂の主鎖又は側鎖に連結する結合手を表す。
上記構造(i)は、下記一般式(a−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2012073401
式中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
RxとRxとが結合して、環を形成してもよい。
*は前記樹脂の主鎖又は側鎖に連結する結合手を表す。
Rx〜Rxとしての1価の有機基は、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)であることが好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜20の単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの炭素数4〜20の多環のシクロアルキル基が好ましい。
RxとRxとが結合して形成される環としては、シクロアルキル基(単環若しくは多環)であることが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基がより好ましく、炭素数5の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
Rx〜Rxは、置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)、アリール基(炭素数6〜10)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
上記構造(ii)は、下記一般式(b−1)、(b−2)、(b−3)又は(b−4)で表される基であることが好ましく、下記一般式(b−1)で表される基であることが更に好ましい。
Figure 2012073401
一般式(b−1)中、
Rxは、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Rxは、1価の有機基を表す。Rxの一方とRxとは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(b−2)中、
Rx’は、水素原子又は1価の有機基を表す。
Rx’は、各々独立に、1価の有機基を表す。Rx’は、互いに結合して、環を形成していてもよい。また、Rx’の一方とRx’とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(b−3)中、
Rxは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。2つのRxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。但し、3つの前記Rxのうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りの前記Rxのうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
一般式(b−4)中、
Rx’は、各々独立に、1価の有機基を表す。2つのRx’は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(b−1)〜(b−4)中、*は前記樹脂の主鎖又は側鎖に連結する結合手を表す。
Rx、Rx’は、上述した通り、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rx、Rx’は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
Rx、Rx’のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。Rxのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基が挙げられる。
Rx、Rx’のシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。シクロアルキル基の炭素数は、3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。Rxのシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基が挙げられる。
また、一般式(b−1)において、Rxの少なくとも一方は、1価の有機基であることが好ましい。このような構成を採用すると、特に高い感度を達成することができる。
Rx、Rx’としてのアルキル基、及び、シクロアルキル基は、更に置換基を有していても良く、このような置換基としては、例えば、Rx〜Rxが有していても良い置換基で説明したものと同様の基を挙げることができる。
Rx、Rx’は、上述した通り、各々独立に、1価の有機基を表す。Rx、Rx’は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。これらアルキル基及びシクロアルキル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、上記Rx〜Rxが有していても良い置換基で説明したものと同様の基を挙げることができる。
Rx、Rx’のアルキル基は、置換基を有していないか、又は、1つ以上のアリール基及び/又は1つ以上のシリル基を置換基として有していることが好ましい。無置換アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。1つ以上のアリール基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜25であることが好ましい。
Rx、Rx’のアルキル基の具体例としては、例えば、Rx、Rx’のアルキル基の具体例として説明したものを同様に挙げることができる。また、1つ以上のアリール基により置換されたアルキル基におけるアリール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、具体的には、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
1つ以上のシリル基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜30であることが好ましい。また、Rx、Rx’のシクロアルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましい。
Rx、Rx’のシクロアルキル基の具体例としては、Rx、Rx’のシクロアルキル基の具体例として説明したものを同様に挙げることができる。
Rxは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。但し、3つのRxのうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りのRxのうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。Rxは、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルキニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記Rx〜Rxが有していても良い置換基で説明したものと同様の基を挙げることができる。
Rxとしてのアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、Rx、Rx’のアルキル基及びシクロアルキル基で説明したものを同様に挙げることができる。特に、アルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることが好ましい。
Rxのアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基を挙げることができる。
Rxのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基等の炭素数2〜5のアルケニル基を挙げることができる。
Rxとしてのアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数2〜5のアルキニル基を挙げることができる。
Rx’は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基又はシクロアルキル基であることがより好ましく、アルキル基であることが更に好ましい。
Rx’についてのアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の具体例及び好ましい例としては、Rx、Rx’について前述したアルキル基、シクロアルキル基及びRxについて前述したアリール基と同様のものが挙げられる。
これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、上記Rx〜Rxが有していても良い置換基で説明したものと同様の基を挙げることができる。
上記構造(iii)は、下記一般式(c−1)、(c−2)又は(c−3)で表される基であることが好ましい。
Figure 2012073401
一般式(c−1)中、Rxは、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
Rxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(c−2)中、Rxは、各々独立に、1価の有機基を表す。
Rxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(c−3)中、Rx’は、1価の有機基を表す。
一般式(c−1)〜(c−3)中、*は前記樹脂の主鎖又は側鎖に連結する結合手を表す。
Rxは、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。
Rxは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10でありかつ置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。
Rxとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記Rx〜Rxが有していても良い置換基で説明したものと同様の基を挙げることができる。
Rxのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、例えば、Rx、Rx’のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例として説明したものを同様に挙げることができる。
Rx、Rx’は、上述した通り、1価の有機基を表す。Rx、Rx’は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
Rx、Rx’のアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、Rx、Rx’のアルキル基及びシクロアルキル基で説明したものを同様に挙げることができる。
樹脂(B)は、極性基が酸の作用により分解し脱離する上記の脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(以下、酸分解性繰り返し単位(d)ともいう)を有することが好ましく、上記構造(i)〜(iii)のいずれかを有する繰り返し単位を有することがより好ましい。
上記構造(i)〜(iii)のいずれかを有する繰り返し単位としては、下記一般式(I−1)又は(I−2)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2012073401
式中、
Raは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Raにより表される基を表す。ここで、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
Pは、上記構造(i)又は(ii)を表す。Pが複数存在する場合、複数のPは同じであっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。複数のPが互いに結合して環を形成する場合、結合されたPは、上記構造(iii)を表してもよく、この場合、上記構造(iii)における上記一般式(c)の*は、Rに連結する結合手を表す。
は、(n+1)価の有機基を表す。
11は、2価の有機基を表す。R11が複数存在する場合、複数のR11は同じであっても異なっていてもよい。
nは、1以上の整数を表す。
は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO−又は−SONH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。Lが複数存在する場合、複数のLは同じであっても異なっていてもよい。
qは、−R11−L−で表される基の繰り返し数を表し、0〜3の整数を表す。
Raは、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Raにより表される基を表す。
Raのアルキル基の炭素数は6以下であることが好ましく、Raのアルキル基及びアシル基の炭素数は5以下であることが好ましい。Raのアルキル基、及び、Raのアルキル基及びアシル基は、置換基を有していてもよい。
Raは、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が1〜10のアルコキシアルキル基であることが好ましく、具体的には、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
は、(n+1)価の有機基を表す。Rは、好ましくは、非芳香族性の炭化水素基である。この場合、Rは、鎖状炭化水素基であってもよく、脂環状炭化水素基であってもよい。Rは、より好ましくは、脂環状炭化水素基である。
としての鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。また、この鎖状炭化水素基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。例えば、鎖状炭化水素基がアルキレン基である場合、アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基又はsec−ブチレン基であることが好ましい。
としての脂環状炭化水素基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。この脂環状炭化水素基は、例えば、モノシクロ、ビシクロ、トリシクロ又はテトラシクロ構造を備えている。この脂環状炭化水素基の炭素数は、通常は5以上であり、6〜30であることが好ましく、7〜25であることがより好ましい。
この脂環状炭化水素基としては、例えば、以下に列挙する部分構造を備えるものが挙げられる。これら部分構造の各々は、置換基を有していてもよい。また、これら部分構造の各々において、メチレン基(−CH−)は、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、カルボニル基〔−C(=O)−〕、スルホニル基〔−S(=O)−〕、スルフィニル基〔−S(=O)−〕、又はイミノ基〔−N(R)−〕(Rは水素原子若しくはアルキル基)によって置換されていてもよい。
Figure 2012073401
例えば、Rがシクロアルキレン基である場合、Rは、アダマンチレン基、ノルアダマンチレン基、デカヒドロナフチレン基、トリシクロデカニレン基、テトラシクロドデカニレン基、ノルボルニレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロデカニレン基、又はシクロドデカニレン基であることが好ましく、アダマンチレン基、ノルボルニレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、テトラシクロドデカニレン基又はトリシクロデカニレン基であることがより好ましい。
の非芳香族性の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基、及び炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基が挙げられる。上記のアルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基が挙げられる。
11の2価の有機基の詳細は、Rとしての(n+1)価の有機基において、n=1の場合、すなわち、2価の有機基の場合と同様であり、具体例も同様である。
は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO−又は−SONH−により表される連結基を表す(これらの連結基において左側の“−”が、樹脂の主鎖に接続することを意味する)。ここで、Arは、2価の芳香環基を表し、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜10の2価の芳香環基であることが好ましい。Lは、好ましくは−COO−、−CONH−又は−Ar−により表される連結基であり、より好ましくは−COO−又は−CONH−により表される連結基である。
nは、1以上の整数である。nは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。また、nを2以上とすると、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることが可能となる。これにより、解像力をより向上させるとともに、LWRをより低減することができる。
qは、−R−L−で表される基の繰り返し数を表し、0〜3の整数を表す。qは0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
以下に、酸分解性繰り返し単位(d)の具体例を示す。なお、具体例中、Ra及びPは、一般式(I−1)又は(I−2)におけるRa及びPと同義である。Pは、上記一般式(a)におけるPと同義である。Pは、上記一般式(c)においてzが2の場合のPと同義である。
Figure 2012073401
酸分解性繰り返し単位(d)における酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等もまた、好適に挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(B)は、酸分解性繰り返し単位(d)を2種類以上含んでいてもよい。このような構成を採用すると、反応性及び/又は現像性の微調整が可能となり、諸性能の最適化が容易となる。
酸分解性繰り返し単位(d)の合計としての含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、好ましくは20mol%〜80mol%の範囲内とし、より好ましくは30mol%〜70mol%の範囲内とする。
酸分解性繰り返し単位(d)の好ましい具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合、複数のZは互いに同じであっても異なっていてもよい。pは0又は正の整数を表す。Zの具体例及び好ましい例は、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基自体、又は、これらの少なくとも1つを有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。より好ましくは水酸基を有する分岐状アルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。Zが複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
樹脂(B)は、ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ラクトン構造としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)、(LC1−17)であり、特に好ましいラクトン構造は(LC1−4)である。このような特定のラクトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
Figure 2012073401
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常、光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
ラクトン構造を有する繰り返し単位は、下記一般式(III)で表される単位であることが好ましい。
Figure 2012073401
式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
Figure 2012073401
又はウレア結合
Figure 2012073401
を表す。ここで、Rは、各々独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが0である場合、−R−Z−は存在せず、単結合となる。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
のアルキレン基、シクロアルキレン基は置換基を有してよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
のアルキレン基、シクロアルキレン基、Rにおけるアルキル基は、各々置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やメルカプト基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシルオキシ基が挙げられる。
は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレン基としては、炭素数3〜20のシクロアルキレン基であり、例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
で表されるラクトン構造を有する1価の有機基は、ラクトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表される構造が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−17)におけるnは2以下のものがより好ましい。
また、Rは無置換のラクトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
以下にラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセチルオキシメチル基を表す。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
本発明の効果を高めるために、2種以上のラクトン構造を有する繰り返し単位を併用することも可能である。
ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは30〜50モル%である。
樹脂(B)は、一般式(III)以外の水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2012073401
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
c〜Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2012073401
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、5〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2012073401
樹脂(B)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。酸基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。酸基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。酸基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接酸基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
樹脂(B)は、酸基を有する繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。樹脂(B)が酸基を有する繰り返し単位を含有する場合、樹脂(B)における酸基を有する繰り返し単位の含有量は、通常、1モル%以上である。
酸基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH,CHOH,又はCFを表す。
Figure 2012073401
本発明の樹脂(B)は、更に極性基(例えば、前記酸基、水酸基、シアノ基)を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。これにより、液浸露光時にレジスト膜から液浸液への低分子成分の溶出が低減できるとともに、有機溶剤を含む現像液を用いた現像の際に樹脂の溶解性を適切に調整することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2012073401
一般式(IV)中、Rは少なくとも一つの環状構造を有し、極性基を有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基を挙げることができる。
上記水素原子の置換基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
樹脂(B)は、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、この繰り返し単位の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 2012073401
本発明の組成物に用いられる樹脂(B)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更に感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(B)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物のドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更には感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の組成物に用いられる樹脂(B)は実質的に芳香環を有さない(具体的には、樹脂中、芳香族基を有する繰り返し単位の比率が好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下、理想的には0モル%、すなわち、芳香族基を有さない)ことが好ましく、樹脂(B)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
また、本発明の組成物が、後述する樹脂(F)を含んでいる場合、樹脂(B)は、樹脂(F)との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(B)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。また、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーも好ましい。
本発明の組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂(B)は、更に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有することが好ましい。更に好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を有するが好ましい。
ヒドロキシスチレン系の好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位としては、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、1−アルコキシエトキシスチレン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルによる繰り返し単位等を挙げることができ、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位がより好ましい。
本発明の樹脂(B)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、更には後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶或いは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)又は水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶或いは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶或いは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶或いは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
本発明の樹脂(B)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜13,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、かつ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6、更に好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、かつ、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において、樹脂(B)の組成物全体中の配合率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは60〜95質量%である。
また、本発明において、樹脂(B)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
[3] 塩基性化合物(D) 本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物(D)を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2012073401
一般式(A)と(E)において、
200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
これら一般式(A)と(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としては、イミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては、1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としては、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としては、オニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げるこ
とができる。アニリン構造を有する化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
前記フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合していることが好ましい。また、前記アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でも−CHCHO−、−CH(CH)CHO−若しくは−CHCHCHO−の構造が好ましい。
前記フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物の具体例としては、米国特許出願公開2007/0224539号明細書の[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、塩基性化合物の1種として、酸の作用により脱離する基を有する含窒素有機化合物を用いることもできる。この化合物の例として、例えば、下記一般式(F)で表される化合物を挙げることができる。なお、下記一般式(F)で表される化合物は、酸の作用により脱離する基が脱離することによって、系中での実効的な塩基性を発現する。
Figure 2012073401
一般式(F)において、Rは、独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRは同じでも異なっていてもよく、2つのRは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
は、独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。但し、−C(R)(R)(R)において、1つ以上のRが水素原子のとき、残りのRの少なくとも1つはシクロプロピル基又は1−アルコキシアルキル基である。
少なくとも2つのRは結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数をそれぞれ表し、n+m=3である。
一般式(F)において、R及びRが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記Rのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基が水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Rが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい例を具体的に示すと、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルモルホリン、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等が挙げられる。
上記一般式(F)で表される化合物は、市販のものを用いても、市販のアミンから、Protective Groups in Organic Synthesis 第四版等に記載の方法で合成してもよい。もっとも一般的な方法としては、例えば、特開2009−199021号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
塩基性化合物の分子量は、250〜2000であることが好ましく、更に好ましくは400〜1000である。LWRのさらなる低減の観点からは、塩基性化合物の分子量は、400以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、600以上であることが更に好ましい。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
塩基性化合物の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
[4] 溶剤(E)
本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0441]〜[0455]に記載のものを挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
[5] 疎水性樹脂(F)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、特に液浸露光に適用する際、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(F)」又は単に「樹脂(F)」ともいう)を含有してもよい。これにより、膜表層に疎水性樹脂(F)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角を向上させ、液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂(F)は前述のように界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
疎水性樹脂(F)は、典型的には、フッ素原子及び/又は珪素原子を含んでいる。疎水性樹脂(F)に於けるフッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(F)がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、及びフッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2012073401
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ、及びR65〜R68の少なくとも1つは、それぞれ独立に、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、−CH(CF)OH等が挙げられ、−C(CFOHが好ましい。
フッ素原子を含む部分構造は、主鎖に直接結合しても良く、更に、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレイレン結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基を介して主鎖に結合しても良い。
フッ素原子を有する好適な繰り返し単位としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2012073401
式中、R10及びR11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる。
〜Wは、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
また、疎水性樹脂(F)は、これら以外にも、フッ素原子を有する繰り返し単位として下記に示すような単位を有していてもよい。
Figure 2012073401
式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表す。該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる。
ただし、R〜Rの少なくとも1つはフッ素原子を表す。RとR若しくはRとRは環を形成していてもよい。
は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
は、単結合、或いは2価の連結基を示す。2価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−(式中、Rは水素原子又はアルキルを表す)、−NHSO−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を示す。
Qは脂環式構造を表す。脂環式構造は置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよく、多環型の場合は有橋式であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。Qとして特に好ましくはノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。Xは、−F又は−CFを表す。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
疎水性樹脂(F)は、珪素原子を含有してもよい。珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2012073401
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
〜Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、及びウレア結合よりなる群から選択される単独或いは2つ以上の組み合わせ(好ましくは総炭素数12以下)が挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下、一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。
Figure 2012073401
更に、疎水性樹脂(F)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)酸基
(y)ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基、
(z)酸の作用により分解する基
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましい酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基が挙げられる。
酸基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に、直接、酸基が結合している繰り返し単位、或いは、連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。酸基(x)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していても良い。
酸基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(F)中の全繰り返し単位に対し、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、Rxは水素原子、CH、CF、又は、CHOHを表す。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基(y)としては、ラクトン構造を有する基が特に好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に酸分解性樹脂(B)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、3〜98モル%であることがより好ましく、5〜95モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂(F)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、樹脂(B)で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していても良い。疎水性樹脂(F)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(F)中の全繰り返し単位に対し、1〜80モル%が好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。
疎水性樹脂(F)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2012073401
一般式(III)に於いて、
c31は、水素原子、アルキル基(フッ素原子等で置換されていても良い)、シアノ基又は−CH−O−Rac基を表す。式中、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子を含む基で置換されていても良い。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がよ
り好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
c32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
c3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、エーテル結合、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
一般式(III)により表される繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましく、30〜70モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂(F)は、更に、下記一般式(CII−AB)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 2012073401
式(CII−AB)中、
c11’及びRc12’は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc’は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
一般式(CII−AB)により表される繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましく、30〜70モル%であることが更に好ましい。
以下に一般式(III)、(CII−AB)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 2012073401
疎水性樹脂(F)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(F)の重量平均分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(F)に含まれる全繰り返し単位中10〜100モル%であることが好ましく、30〜100モル%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(F)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(F)の重量平均分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(F)に含まれる全繰り返し単位中、10〜100モル%であることが好ましく、20〜100モル%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(F)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
また、疎水性樹脂(F)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(F)の組成物中の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
疎水性樹脂(F)は、樹脂(B)同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%、0.05〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のない感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(F)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、樹脂(B)で説明した内容と同様であるが、疎水性樹脂(F)の合成においては、反応の濃度が30〜50質量%であることが好ましい。
以下に疎水性樹脂(F)の具体例を示す。また、下記表3及び表4に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
Figure 2012073401
[6] 界面活性剤(G)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有してもしなくても良く、含有する場合、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106、KH−20(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
上記に該当する界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物全量(溶剤を除く)に対して、10ppm以下とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
[7] その他の添加剤(H) 本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもしなくても良い。このようなカルボン酸オニウム塩は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0605]〜[0606]に記載のものを挙げることができる
これらのカルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物がカルボン酸オニウム塩を含有する場合、その含有量は、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて更に染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であり、好ましくは、2.0〜5.7質量%、更に好ましくは2.0〜5.3質量%である。固形分濃度を前記範囲とすることで、レジスト溶液を基板上に均一に塗布することができ、更にはラインエッジラフネスに優れたレジストパターンを形成することが可能になる。その理由は明らかではないが、恐らく、固形分濃度を10質量%以下、好ましくは5.7質量%以下とすることで、レジスト溶液中での素材、特には光酸発生剤の凝集が抑制され、その結果として、均一なレジスト膜が形成できたものと考えられる。
固形分濃度とは、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の総重量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の重量の重量百分率である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
[8] パターン形成方法
本発明のパターン形成方法は、
(ア)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により膜(レジスト膜)を形成する工程、
(イ)該膜を露光する工程、及び
(ウ)現像液を用いて現像する工程、
を少なくとも有する。
上記工程(ウ)における現像液は、有機溶剤を含む現像液であっても良く、アルカリ現像液であっても良いが、本発明の効果がより顕著に奏されることから有機溶剤を含む現像液であることが好ましい。
また上記工程(イ)における露光が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(イ)露光工程の後に、(エ)加熱工程を有することが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、上記工程(ウ)における現像液が、有機溶剤を含む現像液である場合には、(オ)アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよく、一方、上記工程(ウ)における現像液が、アルカリ現像液である場合には、(オ)有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(イ)露光工程を、複数回有することができる。
本発明のパターン形成方法は、(オ)加熱工程を、複数回有することができる。
レジスト膜は、上記した本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されるものであり、より具体的には、基板上に形成されることが好ましい。本発明のパターン形成方法に於いて、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物による膜を基板上に形成する工程、膜を露光する工程、及び現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、80〜110℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
またリンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。
本発明における露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、KrFエキシマレーザー波長(248nm)、ArFエキシマレーザー波長(193nm)とFエキシマレーザー波長(157nm)等を適用できる。
また、本発明の露光を行う工程においては液浸露光方法を適用することができる。
液浸露光方法とは、解像力を高める技術として、投影レンズと試料の間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たし露光する技術である。
前述したように、この「液浸の効果」はλを露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA=sinθとすると、液浸した場合、解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。ここで、k及びkはプロセスに関係する係数である。
(解像力)=k・(λ/n)/NA
(焦点深度)=±k・(λ/n)/NA
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
液浸露光を行う場合には、(1)基板上に膜を形成した後、露光する工程の前に、及び/又は(2)液浸液を介して膜に露光する工程の後、膜を加熱する工程の前に、膜の表面を水系の薬液で洗浄する工程を実施してもよい。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。この添加剤はウエハー上のレジスト層を溶解させず、かつレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。
このような添加剤としては、例えば、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。
一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
液浸液として用いる水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
本発明の組成物を用いて形成した膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じて更に前述の疎水性樹脂(F)を添加することができる。疎水性樹脂(F)が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する。膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
本発明の組成物を用いて形成した膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適性、放射線、特に193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートは、レジストと混合せず、更にレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポ
リマーが好ましい。
具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、及びフッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(F)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズが汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性であることが好ましいが、膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは薄膜であることが好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
本発明において膜を形成する基板は特に限定されるものではなく、シリコン、SiN、SiOやSiN等の無機基板、SOG等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。更に、必要に応じて有機反射防止膜を膜と基板の間に形成させても良い。
本発明のパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を有する場合、アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%質量の水溶液が望ましい。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明のパターン形成方法が、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程を有する場合、該工程における当該現像液(以下、有機系現像液とも言う)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後には、リンス液を用いて洗浄する工程を含むことが好ましい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。前記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、特に好ましくは、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、最も好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
ここで、リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
前記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、有機溶剤を含む現像液を用いる現像を行ったウェハを前記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<樹脂(P)>
下記樹脂(P−1)〜(P−12)を、以下に示すようにして合成した。
Figure 2012073401
Figure 2012073401
下記表5に、樹脂(P−1)〜(P−12)における重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、及び各繰り返し単位の組成比(左から順に対応)を纏める。
Figure 2012073401
〔樹脂(P)の合成例〕
窒素気流下、シクロヘキサノン200gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。このようにして、溶剤1を得た。次に、下記monomer−1(43.34g)及びmonomer−2(41.01g)を、シクロヘキサノン(373g)に溶解させ、モノマー溶液を調製した。更に、重合開始剤V−601(和光純薬工業製)を、モノマーの合計量に対し4mol%を加え、溶解させた溶液を、上記溶剤1に対して6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、ヘプタン7736g/酢酸エチル859gの混合溶媒に滴下し、析出した粉体をろ取及び乾燥して、78gの樹脂(P−1)を得た。得られた樹脂(P−1)の重量平均分子量は10260であり、分散度(Mw/Mn)は1.73であり、13C−NMRにより測定した組成比は50/50であった。
Figure 2012073401
樹脂(P−1)と同様にして、樹脂(P−2)〜(P−12)を合成した。これら樹脂の重量平均分子量、分散度(Mw/Mn)及び組成比は、上記の表5の通りであった。
<酸発生剤>
酸発生剤としては先に挙げた酸発生剤A1−1〜A1−21、A2−1〜A2−18、及びz1〜z102から適宜選択して用いた。
<化合物(C)>
化合物(C)として、先に挙げた化合物(c1−1)〜(c1−12)及び(c2−1)〜(c2−16)から適宜選択して用いた。なお化合物(C)と上記樹脂(P)とが同一の化合物である場合、該化合物は樹脂(P)の欄で記載した。
<塩基性化合物>
塩基性化合物として、下記化合物(N−1)〜(N−8)を準備した。
Figure 2012073401
<疎水性樹脂>
疎水性樹脂としては、先に挙げた樹脂(HR−1)〜(HR−90)から、適宜選択して用いた。
なお、疎水性樹脂(HR−83)は米国特許出願公開第2010/0152400号明細書、国際公開第2010/067905号、国際公開第2010/067898号などの記載に基づき合成した。
<界面活性剤>
界面活性剤として、以下のものを準備した。
W−1: メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−2: メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3: ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−4: トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5: KH−20(旭硝子(株)製)
W−6: PolyFox PF−6320(OMNOVA solution inc.製;フッ素系)。
<溶剤>
溶剤として、以下のものを準備した。
(a群)
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート
SL−3: 2−ヘプタノン。
(b群)
SL−4: 乳酸エチル
SL−5: プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−6: シクロヘキサノン。
(c群)
SL−7: γ−ブチロラクトン
SL−8: プロピレンカーボネート。
<現像液>
現像液として、以下のものを準備した。
SG−1:酢酸ブチル
SG−2:メチルアミルケトン
SG−3:エチル−3−エトキシプロピオネート
SG−4:酢酸ペンチル
SG−5:酢酸イソペンチル
SG−6:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SG−7:シクロヘキサノン
<リンス液>
SR−1:4−メチル−2−ペンタノール
SR−2:1−ヘキサノール
SR−3:酢酸ブチル
SR−4:メチルアミルケトン
SR−5:エチル−3−エトキシプロピオネート
<ネガ現像>
(レジスト調製)
下記表6に示す成分を同表に示す溶剤に固形分で3.5質量%溶解させ、それぞれを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製した。シリコンウエハ上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚95nmの反射防止膜を形成した。その上に感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間に亘ってベーク(PB:Prebake)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
得られたウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、露光マスク(ライン/スペース=バイナリマスク 60nm/60nm)を介して、パターン露光を行った。液浸液としては超純水を用いた。その後、100℃で60秒間加熱(PEB:Post Exposure Bake)した。次いで、表6に示す現像液を30秒間パドルして現像し、現像液を振り切りながら、表6に示すリンス液で30秒間パドルしてリンスした。続いて、4000rpmの回転数で30秒間ウエハを回転させた後に、90℃で60秒間ベークを行った。このようにして、線幅60nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
(レジスト評価)
〔感度(Eopt)〕
得られたパターンを、走査型電子顕微鏡(SEM(株)日立製作所S−9380II)を用いて観察し、線幅60nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eopt)とした。この値が小さいほど、感度が高い。
〔解像力(ブリッジ前寸法)〕
上記感度(Eopt)における線幅60nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンにおいて、露光量を変化させてブリッジ欠陥が発生しない最小のスペース寸法を観察した。値が小さいほどブリッジ欠陥が発生しにくく良好な性能であることを示す。
〔露光ラチチュード(%)〕
線幅60nm(1:1)のラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが60nm±10%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
これらの評価結果を、下記表6に示す。
Figure 2012073401
表6に示す結果から明らかなように、化合物(C)と、酸存在下で反応する基を有する酸を発生する酸発生剤を使用していない比較例1−1は、解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュードに劣っていることが分かる。また、比較例1−2、1−3より、酸発生剤から発生する酸と、化合物(C)との組み合わせが合わなければ、それらの間で反応が進行せず共有結合が形成されないので、発生した酸の分子量が上がらず酸拡散性が低下しないため、解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュードの性能が向上していないことが分かる。
一方、本発明に係る酸発生剤を使用し、発生する酸と、化合物(C)とが酸存在下で反応し、共有結合を形成する実施例1−1〜1−25では、解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュードのいずれにおいても優れていた。
また実施例1−1〜1−25は、ドライ露光においても、上記と同様の結果が得られた。
<ポジ現像>
上記実施例1−1、1−12〜1−17及び比較例1−1〜1−3について、現像液をテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)に変更し、リンス液を純水に変更した以外は同様にして、線幅60nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。また得られたレジストパターンについて、上記と同様に感度(Eopt)、解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュード(%)を評価した。これらの評価結果を実施例2−1、2−12〜2−17及び比較例2−1〜2−3として、下記表7に示す。
Figure 2012073401
表7に示す結果から明らかなように、化合物(C)と、酸存在下で反応する基を有する酸を発生する酸発生剤を使用していない比較例2−1は、ポジ現像においても解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュードに劣っていることが分かる。また、比較例2−2、2−3より、酸発生剤から発生する酸と、化合物(C)との組み合わせが合わなければ、それらの間で反応が進行せず共有結合が形成されないので、発生した酸の分子量が上がらず酸拡散性が低下しないため、ポジ現像においても解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュードの性能が向上していないことが分かる。
一方、本発明に係る酸発生剤を使用し、発生する酸と、化合物(C)とが酸存在下で反応し、共有結合を形成する実施例2−1、2−12〜1−17では、解像力(ブリッジ前寸法)及び露光ラチチュードのいずれにおいても優れていた。
また実施例2−1、2−12〜1−17は、ドライ露光においても、上記と同様の結果が得られた。

Claims (16)

  1. 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)、
    酸の作用により分解し、現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)、及び、
    活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸と、酸存在下で反応し、共有結合を形成する化合物(C)を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。但し、前記樹脂(B)と化合物(C)とは同一の化合物であっても良い。
  2. 前記化合物(A)が、活性光線又は放射線の照射により、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する酸を発生する化合物であり、
    前記化合物(C)が、電子受容性基REAを有する化合物であり、
    前記電子供与性基REDと前記電子受容性基REAとが酸存在下で反応して共有結合を形成する、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記化合物(A)が、活性光線又は放射線の照射により、電子受容性基REAを有する酸を発生する化合物であり、
    前記化合物(C)が、電子供与性基RED、又は酸の作用により電子供与性基REDを発生する基を有する化合物であり、
    前記電子供与性基REDと前記電子受容性基REAとが酸存在下で反応して共有結合を形成する、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  4. 活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸が、非求核性アニオン性基として、スルホン酸アニオン性基、イミド酸アニオン性基及びカルボン酸アニオン性基のいずれかを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 活性光線又は放射線の照射により前記化合物(A)が発生する酸が、非求核性アニオン性基として、スルホン酸アニオン性基及びイミド酸アニオン性基のいずれかを有する、請求項4に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記電子供与性基REDが、水酸基、チオール基及びカルボキシル基のいずれかである、請求項2〜5のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  7. 前記電子供与性基REDが、水酸基及びチオール基のいずれかである、請求項6に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 前記電子受容性基REAが、環状エーテル基、ビニルエーテル基、アルデヒド基、カルボニル基と共役しているアルケニル基及びメチロール基のいずれかである、請求項2〜7のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  9. 前記電子受容性基REAが、環状エーテル基、ビニルエーテル基及びメチロール基のいずれかである、請求項8に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  10. 前記樹脂(B)と化合物(C)とが同一の化合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  11. 前記樹脂(B)と化合物(C)とが異なる化合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  12. 前記樹脂(B)が、実質的に芳香環を有さない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
  14. 請求項13に記載のレジスト膜を露光する工程、及び現像液を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
  15. 前記現像液が、有機溶剤を含む現像液である、請求項14に記載のパターン形成方法。
  16. 前記露光する工程における露光が、液浸露光である、請求項14又は15に記載のパターン形成方法。
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