JP2012070810A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

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【課題】循環シャワー吹き出し口のメンテナンス性を向上させたドラム式洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】衣類を収納する回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを内包して洗濯水を溜める外槽と、この外槽の開口部に設けられた外槽カバーと、前記外槽から水を吸い上げる循環ポンプを備え、前記循環ポンプにより水を吸い上げて前記回転ドラム内に向かってシャワーを噴射するドラム式洗濯乾燥機において、前記外槽カバーの開口部正面側に着脱可能な循環シャワーカバーを有し、この循環シャワーカバーと前記外槽カバーを用いて循環シャワー吹き出し口を形成した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、衣類等の洗濯から乾燥まで通じて行うことのできるドラム式洗濯乾燥機に関する。
ドラム式洗濯乾燥機は、衣類を収容する回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、回転ドラムを内包して洗濯水を溜める外槽と、外槽を支持する筐体を備えている。また、このようなドラム式洗濯乾燥機においては、洗浄力の向上やすすぎ能力の向上のため、回転ドラム内の衣類に洗い水やすすぎ水を掛ける方式が採用されている。
例えば、下記特許文献1には、外槽底部の洗濯水を循環ポンプに吸い込み、更に外槽上部に押し上げて回転ドラム内へ散水する洗濯機が開示されている。
特開2008−113982号公報
従来のドラム式洗濯乾燥機では、図12及び図13に示す通り、散水の吹き出し口を狭めることにより、シャワーの勢いを増加させている。ここで、図12は、従来の外槽カバーを背面側から見た図であり、図13は、図12におけるA−A線の断面図である。これらの図に示される通り、従来の循環シャワー吹き出し口は、外槽カバーの背面側から循環シャワーカバーを取り付けることにより形成されている。
しかしながら、循環シャワー吹き出し口に糸屑等が詰まってしまった場合には、まず外槽カバーを取り外してから、循環シャワーカバーを取り外し、糸屑等を除去する必要がある。その結果、従来のドラム式洗濯乾燥機は、循環シャワー吹き出し口をメンテナンスする際の作業性が非常に低いものとなっていた。
本発明の目的は、循環シャワー吹き出し口のメンテナンス性を向上させたドラム式洗濯乾燥機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、衣類を収納する回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを内包して洗濯水を溜める外槽と、この外槽の開口部に設けられた外槽カバーと、前記外槽から水を吸い上げる循環ポンプを備え、前記循環ポンプにより水を吸い上げて前記回転ドラム内に向かってシャワーを噴射するドラム式洗濯乾燥機において、前記外槽カバーの開口部正面側に着脱可能な循環シャワーカバーを有し、この循環シャワーカバーと前記外槽カバーを用いて循環シャワー吹き出し口を形成した。
本発明によれば、循環シャワー吹き出し口のメンテナンス性を向上させたドラム式洗濯乾燥機が提供できる。
本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部を切断して示した斜視図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の側面断面図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機が備える外槽カバーの正面図である。 外槽カバーが備える循環シャワーノズルについて、図3におけるA−A線断面図である。 外槽カバーが備える清水シャワーノズルについて、図3におけるB−B線断面図である。 ドラム式洗濯乾燥機の流路について説明する模式図である。 ドラム式洗濯乾燥機の制御装置のブロック図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の運転工程を示す図である。 比較例に係るドラム式洗濯乾燥機について、上方から見た回転ドラム内における循環水のかかる範囲を示した図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機について、上方から見た回転ドラム内における循環水のかかる範囲を示した図である。 回転ドラム内における循環水と衣類との関係についてドラム式洗濯乾燥機の正面側から背面側に見た模式図である。 従来のドラム式洗濯乾燥機が備える外槽カバーの背面図である。 従来の外槽カバーが備える循環シャワーノズルについて、図12におけるA−A線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1について、図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部を切断して示した斜視図である。図2は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部および外槽を切断して示した右側面図である。
ドア2は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐためのものであり、ドラム式洗濯乾燥機1の前補強材(図示せず)に設けたヒンジ(図示せず)で開閉可能に支持されている。
洗剤容器5は、ドラム式洗濯乾燥機1の上部左側に設けており、前部開口から引き出し式の洗剤トレイ15を装着する。
洗剤容器5の後方には、給水弁201,202,203(図6参照)や風呂水吸水ポンプ(図示せず)、水位センサ62(図7参照)など給水に関連する部品を設けてある。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口16が設けてある。また、上面カバー1eには、風呂の残り湯の吸水ホース接続口17も設けてある。
ドラム式洗濯乾燥機1の回転ドラム8は回転可能に外槽10内に支持されており、その外周壁に通水および通風のための多数の貫通孔を有し、前側端面に衣類を出し入れするための開口部8aを設けてある。開口部8aの外側には、回転ドラム8と一体の流体バランサ8cを備えている。外周壁の内側には、軸方向に延びるリフタ8bが周方向に離散的に複数個設けてあり、洗濯,乾燥時に回転ドラム8を回転すると、衣類はリフタ8bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するような動きを繰り返すタンブリング動作を行う。回転ドラム8の回転中心軸は、水平または開口部8a側が高くなるように、水平に対して0〜30°程度傾斜している。
円筒状の外槽10は、回転ドラム8を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にドラムモータ9を備える。ドラムモータ9の回転軸9aは、外槽10を貫通し、回転ドラム8と結合している。外槽10の前面の開口部には、外槽カバー100を設け、外槽10内への貯水を可能としている。外槽カバー100の前側中央には、衣類を出し入れするための開口部101を設けてある。開口部101とドラム式洗濯乾燥機1の筐体に設けられた前補強材(図示せず)に設けた開口部は、ゴム製のベローズ11で接続しており、ドア2を閉じることで外槽10を水封する。
外槽10は、下側をベース1hに固定されたサスペンション13(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽10の上側は上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽10の前後方向への倒れを防ぐことができる。
乾燥ダクト18は、ドラム式洗濯乾燥機1の背面内側に縦方向に設置され、ダクト下部は外槽10の背面下方に設けた吸気口10eにゴム製の蛇腹管18aで接続される。乾燥ダクト18内には、水冷除湿機構230(図6参照)を内蔵しており、給水弁203(図6参照)から水冷除湿機構230へ冷却水が供給される。
乾燥ダクト18の上部は、ドラム式洗濯乾燥機1内の上部右側に前後方向に設置したフィルタダクト19に接続している。フィルタダクト19の前面には開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ20を挿入してある。乾燥ダクト18からフィルタダクト19へ入った空気は、乾燥フィルタ20のメッシュフィルタ部に流入し、糸くずが除去される。尚、乾燥フィルタ20の掃除は、乾燥フィルタ20を引き出してメッシュフィルタ部を取り出して行う。
また、フィルタダクト19の乾燥フィルタ20挿入部の下面には開口部が設けてあり、この開口部により、フィルタダクト19と吸気ダクト(図示せず)を介して、送風ユニット21の吸気口と接続している。
送風ユニット21は、駆動用のファンモータ22,羽根車(図示せず),ファンケース(図示せず)で構成されている。また、ファンケースにはファンヒータ23が内蔵されており、羽根車から送られる空気を加熱する。送風ユニット22の吐出口は、送風ダクト24に接続する。送風ダクト24は、ゴム製の蛇腹管24aを介して外槽カバー100に設けた吹き出し口25に接続している。本実施形態では、送風ユニット22がドラム式洗濯乾燥機1の筐体内の上部右側に設けてあるので、吹き出し口25は外槽カバー100の正面から見て右斜め上の位置に設け、送風ユニット22から吹き出し口25までの距離を極力短くするようにしてある。
このように、ドラム8内の空気は、回転ドラム8の壁面の貫通孔から外槽10に抜け、外槽10の背面下方に設けた吸気口10cから蛇腹管18a,乾燥ダクト18,フィルタダクト19,吸気ダクト21,送風ユニット22の吸気口へと吸い込まれ、送風ユニット22の吐出口から蛇腹管24aを介して吹き出し口25から回転ドラム8内に風を送り込む循環風路が形成される。
また、ドラム式洗濯乾燥機1の下部には、ドラムモータ9,ファンモータ22,ファンヒータ23等を制御する制御装置60が設けられている。
次に、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1が備える外槽カバー100について、説明する。図3は、外槽カバー100を正面から見た図であり、図4は図3におけるA−A線の断面図である。
図3に示す通り、外槽カバー100は、ドラム式洗濯乾燥機1の使用者が回転ドラム8内の衣類を出し入れする開口部正面側101と、外槽10と接続される開口部背面側102とを有する。外槽カバー100の開口部正面側101の左右には、後述の循環ポンプ210が吐出する循環水を回転ドラム8内へ向けて噴射する循環シャワーノズル140a,140bを備える。
また、外槽カバー100の開口部正面側101の上部には、清水を噴射する清水シャワーノズル150を備える。尚、正面から見て右上側には、送風ユニット24からの温風が吹き出される吹出し口25の取り付け部25aが設けられている。
次に、外槽カバー100が備える循環シャワーノズル140a,140bについて詳述する。尚、循環シャワーノズル140aと循環シャワーノズル140bは左右対称であるので、以下、循環シャワーノズル140aについてのみ説明し、循環シャワーノズル140bについては詳細な説明を省略する。
循環シャワーノズル140aは、外槽カバー100の開口部正面側に循環シャワーカバー143aを着脱可能に嵌め込むことで形成され、その先端に循環シャワー吹き出し口145aを有する。ここで、図3の通り、本実施形態における循環シャワーカバー143aは、そのドラム径方向外側を、外槽カバー100の開口部正面側に傾斜する形状とすることで、後述する循環シャワー継手142aへと接続できるようにしている。
また、循環シャワーカバー143aの上記傾斜面の両側端部には、開口部背面側に傾斜する湾曲面143a1,143a2が設けられている。このため、洗い運転や乾燥運転を行っている際に、循環シャワーカバー143aの凸部付近に衣類が接触しても、引っ掛かるのを防止することができる。
尚、この循環シャワーカバー143aは、その上部が係合爪により外槽カバー100に取り付けられ、その下部が固定ネジにより外槽カバー100に取り付けられるので、循環シャワーカバー143aの取り付け作業や取り外し作業が容易になる。また、これら循環シャワーカバー143aのドラム周方向端部(上部の係合爪、下部の固定ネジ)が、ドラム径方向内側寄りの位置で外槽カバー100に支持されているので、循環シャワー吹き出し口145a付近に糸屑が詰まって循環シャワーカバー143aが浮き上がろうとする力を効果的に抑えることができる。
更に、外槽カバー100の正面側には循環シャワー継手142aが位置しており、循環シャワーカバー143aと外槽カバー100により形成された循環シャワーノズル140aと接続されている。これにより、後述する循環ポンプ210から吐出された循環水は、接続ホース(図表示せず)を介して二股継手141(図3参照)へと流れ、続いて二股継手141の一端から接続ホース144aを介して循環シャワー継手142aへ流れ、最終的に、循環シャワーノズル140aから回転ドラム8内へ向けて循環水が噴射される。
同様に、二股継手141の他端から接続ホース144bを介して循環シャワー継手142bへ流れる。そして、注水カバー143bと外槽カバー100により形成された循環シャワーノズル140bから回転ドラム8内へ向けて循環水が噴射される。
次に、外槽カバー100が備える清水シャワーノズル150について図5を用いて説明する。図5は、外槽カバー100が備える清水シャワーノズルについて、図3におけるB−B線断面図である。
清水シャワーノズル150は、清水シャワーカバー152に形成され、外槽カバー100を貫通するシャワーパイプ151が接続される。清水シャワーノズル150は、回転ドラム8の回転軸方向に広くなるように開口し、回転ドラム8の回転方向に対しては狭く開口する。
本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1の流路について、図6を用いて説明する。図6は、ドラム式洗濯乾燥機の流路について説明する模式図である。尚、オーバーフロー排水口103(図3参照)は省略して以下説明する。ドラム式洗濯乾燥機1は、給水ホース接続口16(図1参照)から機内に給水され、3つの給水弁201,202,203へと分岐する。
第一の給水弁201は、後述する洗い工程302(図8参照)および溜めすすぎ工程310(図8参照)において開放される電磁弁であり、洗剤ケース5を経由して外槽10に設けられた給水口へと接続ホースを介して接続される。これにより、給水弁201を開放することにより、給水ホース接続口16から給水される水道水が、洗剤ケース5に投入された洗剤と共に外槽10に設けられた給水口から外槽10の壁面に沿って流れる。
第二の給水弁202は、後述するシャワーすすぎ工程305,307(図8参照)において開放される電磁弁であり、シャワーパイプ151(図5参照)へと接続ホースを介して接続される。また、給水弁202からシャワーパイプ151への流路の間で分岐し、乾燥ダクト18(図1参照)内の水冷除湿機構230へ接続される。これにより、給水弁202を開放することにより、給水ホース接続口16から給水される水道水が、清水シャワーノズル150に給水され回転ドラム8内へ水道水を噴射する。また、水道水の一部は洗浄水として乾燥ダクト18の洗浄に用いられる。尚、水冷除湿機構230への流路を狭めることで、清水シャワーノズル150への流量を確保することができ、清水シャワーノズル150から水道圧によって噴射される。
第三の給水弁203は、後述する乾燥工程313(図8参照)において開放される電磁弁であり、乾燥ダクト18内の水冷除湿機構230と接続ホースを介して接続される。これにより、給水弁203を開放することにより、給水ホース接続口16から給水される水道水が、冷却水として水冷除湿機構230を流れる。尚、乾燥ダクト18の水冷除湿機構230を流れる水は機外へ排出される。
次に、循環水路・排水路を説明する。外槽10の底面には凹状の窪み部10bが回転ドラム8の回転軸方向に設けられている。窪み部10bの底面は、前側から後側に下がる傾斜面となっており、窪み部10bの後側最下部に排水口10cが設けられている。また、窪み部10bの前側には流入口10dが設けられている。
循環ポンプ210は、内部に循環ポンプモータ211(図7参照)を備え、吸込口210a,自然排水口210b,2つの吐出口210c,210dを有する。吸込口210aは、外槽10の排水口10cと接続ホースを介して接続される。自然排水口210bは、排水弁204の一端と接続ホースを介して接続される。吐出口210cは、二股継手141と接続ホースを介して接続される。吐出口210dは、外槽10の流入口10dと接続ホースを介して接続される。また、排水弁204の他端は、排水ホースと接続される。
排水弁204を開放することにより、外槽10内の水は、外槽10の排水口10cから循環ポンプ210の吸込口210aおよび自然排水口210b,排水弁204を経由して、排水ホースから機外に排水される。循環ポンプ210は、排水弁204を閉塞した状態において、ポンプ用モータ211を正転させることにより、吸込口210aから水(循環水)を吸い込み、吐出口210cから循環水を吐出する。循環ポンプ210の吐出口210cは二股継手141と接続され、接続ホース144a及び接続ホース144bを経由して、循環シャワーノズル140aおよび循環シャワーノズル140bと接続される。循環ポンプ210は、排水弁204を閉塞した状態において、ポンプ用モータ211を逆転させることにより、吸込口210aから水(循環水)を吸い込み、吐出口210dから循環水を吐出する。
尚、循環ポンプ210は、循環ポンプモータ211の回転の向きにより吐出口を切替える循環ポンプとして説明するが、一定方向にのみ回転するポンプ用モータと吐出口を切替える切替弁を備える循環ポンプであってもよい。
図7は、ドラム式洗濯乾燥機の制御装置のブロック図である。マイクロコンピュータ(以下マイコンと称す)60は、各スイッチ4b,4cに接続される操作ボタン入力回路61や水位センサ62,温度センサ63と接続され、使用者のボタン操作や各種情報信号を受ける。マイコン60からの出力は、駆動回路64に接続され、給水弁201,202,203,排水弁204,循環ポンプモータ211,ドラムモータ9,ファンモータ22,ファンヒータ23などに接続され、これらの開閉や回転,通電を制御する。また、使用者にドラム式洗濯乾燥機1の動作状態を知らせるための表示器65や発光ダイオード66,ブザー67に接続される。
次に、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1の運転工程について説明する。図8は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の運転工程を示す図である。本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は運転工程として、給水工程301,洗い工程302,排水工程303,中間脱水工程304,シャワーすすぎ工程305,シャワー脱水工程306,シャワーすすぎ工程307,中間脱水工程308,給水工程309,溜めすすぎ工程310,排水工程311,最終脱水工程312,乾燥工程313を備える。
まず、給水工程301について説明する。マイコン60は、排水弁204を閉じた後、給水弁201を開放する。これにより、洗剤ケース5に投入された洗剤は、給水弁201からの水と共に、外槽10の下部に溜まる。また、マイコン60は、循環ポンプ210の循環ポンプモータ211を逆転駆動させることにより、外槽10の窪み部10bの後側最下部に設けられた排水口10cから水を吸い込み、窪み部10bの前側に設けられた流入口10dから吐出する。この循環により、洗剤が水に溶解する。マイコン60は、水位センサ62で検知した所定の給水量まで給水した後、給水弁201を閉じる。
次に、洗い工程302を説明する。マイコン60は、ドラムモータ9を回転駆動させることにより回転ドラム8を回転させる。これにより、衣類がリフタ8bによりかきあげられ落下し、叩き洗いにより洗濯される。また、マイコン60は、循環ポンプ210の循環ポンプモータ211を正転駆動させる。これにより、外槽10の窪み部10bの後側最下部に設けられた排水口10cから吸い込まれた循環水が、外槽10の左右に備えられた循環シャワーノズル140a,140bの双方から、回転ドラム8内を落下する衣類に噴射される。
ここで、循環シャワーについて図9から図11を用いて詳述する。
図9は、比較例に係るドラム式洗濯乾燥機について、上方から見た回転ドラム内における循環水のかかる範囲を示した図である。図10は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機について、上方から見た回転ドラム内における循環水のかかる範囲を示した図である。
図9の比較例に係るドラム式洗濯乾燥機は、循環シャワーノズルを外槽カバーの上部中央に備え、回転ドラム8の入口側上部中央から回転ドラムの下部背面側に向けて循環水を噴射する。この結果、図9に示すように、水が噴射される範囲が狭い(ハッチング部分)。
これに対し、図6に示すように、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、循環シャワーノズル140a,140bを外槽カバー100の左右に備える。この結果、図10に示すように、広い範囲に水を噴射できる(ハッチング部分)。加えて、循環ポンプモータ211の回転数を変化させることにより、左右からの循環シャワーは強弱噴射を行うことができる。
このように、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、比較例に係るドラム式洗濯乾燥機と比較して、左右から循環水を噴射し、循環ポンプモータ211の回転数を変化させることにより、より広範囲に循環水を噴射することができる。
図11は、回転ドラム内における循環水と衣類との関係についてドラム式洗濯乾燥機の正面側から背面側に見た模式図である。図11に示すように、洗い工程302において、衣類300の中に外側集中側301と内側集中側302が発生する。本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、循環シャワーノズル140a,140bにより、外側集中側301と内側集中側302に同時に循環水を噴射することができる。これにより、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、より早く洗剤液を衣類に循環させることが可能となり、洗濯時間の短縮および洗浄力の向上を図ることができる。
洗濯工程302が終了すると、マイコン60は、ドラムモータ9と循環ポンプモータ211を停止させ、排水弁204を開放する(排水工程303)。
排水が完了すると、マイコン60はドラムモータ9により回転ドラム8を高速回転させる。これにより、衣類にしみこんだ汚れを含む水を回転ドラム8の貫通孔を介して外槽10に排出する遠心脱水を行う(中間脱水304)。尚、外槽10へと流れた汚れを含む水は、排水口10cから機外へ排出される。
マイコン60は、ドラム8の回転速度を低速回転(例えば100rpm以下)で維持しながら、電磁弁202を開放し、外槽カバー100の上部に設けられた清水シャワーノズル150から清水を衣類へ噴射する(シャワーすすぎ工程305)。尚、清水シャワーノズル150から噴射される清水は、循環ポンプ210を駆動せず、水道圧によって、衣類に噴射される。
シャワーすすぎ工程305が完了すると、マイコン60は、給水弁202を閉じ、ドラムモータ9により回転ドラム8を高速回転させる。これにより、衣類にしみこんだ汚れを含む水を回転ドラム8の貫通孔を介して外槽10に排出する遠心脱水を行う(シャワー脱水工程306)。尚、外槽10へと流れた汚れを含む水は、排水口10cから機外へ排出される。
続いて、マイコン60はシャワーすすぎ工程307を実行する。マイコン60の制御はシャワーすすぎ工程305と同様であり説明を省略する。
その後、マイコン60は中間脱水工程308を実行する。マイコン60の制御は中間脱水工程304と同様であり説明を省略する。
次に、給水工程309においては、まずマイコン60が排水弁204を閉じた後、給水弁201を開けることにより、外槽10にすすぎ水を溜める。そしてマイコン60は、水位センサ62で検知した所定の給水量まで給水した後、給水弁201を閉じる。
その後、マイコン60は、ドラムモータ9を回転駆動させ、溜めすすぎ工程310を実行する。
溜めすすぎ工程310が終了すると、マイコン60は、ドラムモータ9を停止させ、排水弁204を開放する(排水工程311)。
排水が完了すると、マイコン60はドラムモータ9により回転ドラム8を中間脱水よりもさらに高速回転させることにより、衣類の高速遠心脱水を行う(最終脱水工程312)。
マイコン60は、電磁弁203を開き、ドラムモータ9,ファンモータ22,ファンヒータ23を制御することにより、回転ドラム8内の衣類を乾燥させる(乾燥工程313)。
このように、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、洗い工程302において、循環ポンプモータ211の回転数を変化させながら循環シャワーノズル140a,140bから循環水を噴射することにより、回転ドラム8内の広範囲に循環水を噴射することができ、より早く洗剤液を衣類に循環させることが可能となる。これにより、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、洗い時間の短縮および洗浄力の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、循環シャワーカバー143a及び循環シャワーカバー143bが外槽カバー100の開口部正面側に設けられるので、外槽カバー100を取り外すことなく、循環シャワーカバー140a,140bのみを、開口部正面側から容易に取外しできる。したがって、循環シャワーノズル140a,140bから循環水を噴射する際、循環シャワー吹出し口145a,145bに糸屑等が詰った場合でも、それを容易に除去できる。その結果、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、メンテナンス性が大きく向上する。尚、本実施形態では、循環水を利用するため糸屑等が詰まりやすい循環シャワーノズル140a,140bのみ、外槽カバー100の開口部正面側から循環シャワーカバー143a,143bを着脱可能な構成としたが、清水シャワーノズル150についても、その清水シャワーカバー152を開口部正面側から着脱可能な構成としても構わない。
また、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、シャワーすすぎ工程305,307を行うことにより、大量の水を必要とする溜めすすぎの回数を減らすことができる。これにより、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、節水効果が期待できる。
更に、シャワーすすぎ工程305,307は、溜めすすぎ工程310と比較して、溜めすすぎ開始時における給水工程309の時間を必要としない。また、シャワーすすぎ工程305,307は、排水弁204を開放した状態で実行し、遠心脱水された水は外槽10から逐次排出されるため、溜めすすぎ終了後における排水工程311の時間を必要としない。加えて、シャワーすすぎ工程305,307は、ドラム8を低速回転させている状態であり、そのまま回転ドラム8の回転速度を増加させることにより、シャワーすすぎ工程307,中間脱水工程308に移行することができる。これにより、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、すすぎ時間の短縮が可能となる。
尚、本実施形態では、給水ホース接続口16から給水される水道水を用いるドラム式洗濯乾燥機として説明したが、風呂水吸水ポンプで吸水した風呂の残り湯を用いてもよい。
1 ドラム式洗濯乾燥機
8 回転ドラム
9 ドラムモータ
10 外槽
25a 取り付け部
100 外槽カバー
101 開口部正面側
102 開口部背面側
140a,140b 循環シャワーノズル
141 二股継手
142a 循環シャワー継手
143a 循環シャワーカバー
143a1,143a2 湾曲面
145a 循環シャワー吹き出し口
150 清水シャワーノズル

Claims (3)

  1. 衣類を収納する回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを内包して洗濯水を溜める外槽と、この外槽の開口部に設けられた外槽カバーと、前記外槽から水を吸い上げる循環ポンプを備え、前記循環ポンプにより水を吸い上げて前記回転ドラム内に向かってシャワーを噴射するドラム式洗濯乾燥機において、前記外槽カバーの開口部前面側に着脱可能な循環シャワーカバーを有し、この循環シャワーカバーと前記外槽カバーを用いて循環シャワー吹き出し口が形成されたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  2. 請求項1において、前記循環シャワーカバーのドラム径方向外側が前記開口部前面側に傾斜しており、その傾斜面の両側端部に、開口部背面側に傾斜する湾曲面を有することを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  3. 請求項2において、前記循環シャワーカバーのドラム周方向端部が、ドラム径方向内側寄りの位置で前記外槽カバーに支持されたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
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